JP2011031374A - 切削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物への切削屑の付着を防止可能な切削装置を提供する。
【解決手段】ブレードカバー58の底部と被加工物との間を満たすプール液を被加工物上に供給するプール液供給手段56と、ブレードカバー内部に配設された切削液噴出口72から切削ブレード28に切削液を供給する切削液供給手段68と、切削ブレードに供給された切削液が切削ブレードの回転に伴って飛散する側に配設された廃液回収手段74とを具備し、廃液回収手段は、チャックテーブル18の保持面に対して所定の角度を有するように一端側がブレードカバーの切削液排出用開口部を有する側壁に連結された筒体76と、筒体の他端側に接続された吸引源とを含み、筒体は一端側に該保持テーブルの保持面に対向する開口部を有し、切削ブレードの回転に伴って連れ回る切削液とプール液の一部を吸引源を作動することにより筒体を通じて被加工物上から排出する。
【選択図】図5
【解決手段】ブレードカバー58の底部と被加工物との間を満たすプール液を被加工物上に供給するプール液供給手段56と、ブレードカバー内部に配設された切削液噴出口72から切削ブレード28に切削液を供給する切削液供給手段68と、切削ブレードに供給された切削液が切削ブレードの回転に伴って飛散する側に配設された廃液回収手段74とを具備し、廃液回収手段は、チャックテーブル18の保持面に対して所定の角度を有するように一端側がブレードカバーの切削液排出用開口部を有する側壁に連結された筒体76と、筒体の他端側に接続された吸引源とを含み、筒体は一端側に該保持テーブルの保持面に対向する開口部を有し、切削ブレードの回転に伴って連れ回る切削液とプール液の一部を吸引源を作動することにより筒体を通じて被加工物上から排出する。
【選択図】図5
Description
本発明は、被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードと、切削ブレードの外周を覆うように配設されたブレードカバーとを備えた切削装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスでは、半導体ウエーハ表面にICやLSI、固体撮像素子等のデバイスが複数形成される。そして、各デバイスを区分するストリートと呼ばれる分割予定ラインに沿って切削装置でウエーハを切削することで個々のデバイスへと分割される。
切削装置としてはダイサーと呼ばれる切削装置が広く使用されており、ダイサーは切削ブレードを含む切削手段を備えている。切削ブレードは、ダイアモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の超砥粒を金属や樹脂等で固めて数十〜数百ミクロン程度の厚みとした切刃を有しており、この切削ブレードが30000rpm程度の高速で回転しつつ被加工物へと切り込み、被加工物の一部を切削除去することで、被加工物を分割する。
切削によって生じる加工熱を冷却するためと、切削によって生じる切削屑を被加工物上から排出するために、ダイサーでは加工点(切削ブレードと被加工物とが接触する点)と被加工物上面に切削水を供給しながら切削が行われる。
特に被加工物がCCDやCMOS等の撮像デバイスが表面に形成されたウエーハや、光フィルタ、光ピックアップデバイス等の光デバイスが表面に形成された基板である場合には、切削屑がデバイス上に付着するとデバイス不良を引き起こすため、切削屑の付着を防止することが非常に重要視されている。
一度被加工物上に付着して乾燥した切削屑は、その後の洗浄工程では取り除くことが非常に難しいため、特開2006−289509号公報に開示されているように、切削中に発生する切削屑を切削水とともに除去する機構や、特開2006−150844号公報に開示されているような加工用剤を用いて切削中に切削屑が被加工物上に付着することを防止する方法が提案されている。
ところが、特許文献1及び2に開示されたような装置又は方法をもってしても、完全に切削屑の被加工物上への付着を防止することは難しいという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被加工物上への切削屑への付着を防止可能な切削装置を提供することである。
本発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードと、該切削ブレードの外周を覆うように配設され、底部に該切削ブレードの先端が突出する開口を有するブレードカバーとを備えた切削装置であって、該ブレードカバーの底部と被加工物との間を満たすプール液を被加工物上に供給するプール液供給手段と、該ブレードカバー内部に配設された切削液噴出口から該切削ブレードに切削液を供給する切削液供給手段と、該切削ブレードに供給された切削液が該切削ブレードの回転に伴って飛散する側に配設された廃液回収手段とを具備し、該廃液回収手段は、該チャックテーブルの保持面に対して所定の角度を有するように一端側が該ブレードカバーの切削液排出用開口部を有する側壁に連結された筒体と、該筒体の他端側に接続された吸引源とを含み、該筒体は該一端側に該保持テーブルの該保持面に対向する開口部を有し、該切削ブレードの回転に伴って連れ回る切削液とプール液の一部を該吸引源を作動することにより該筒体を通じて被加工物上から排出することを特徴とする切削装置が提供される。
本発明によると、切削ブレードはブレードカバーでほぼ全体が覆われるとともにブレードカバー底部と被加工物上面との間はプール液で満たされるため、切削屑を含む切削液が被加工物上に飛散することがない。
また、切削屑を含む切削液及び切削液に取り込まれなかった残りの切削屑を含むプール液の一部は、廃液回収手段により被加工物上から積極的に吸引除去され、プール液が切削中に常に供給され続けるため、被加工物上面が乾燥することがなく切削屑が被加工物上に固着することが防止される。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明第1実施形態の切削装置2の外観を示している。切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
8はウエーハカセットであり、ウエーハカセット8中にはダイシングテープを介して環状フレームに支持された半導体ウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から切削前のウエーハWを搬出するとともに、切削後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
仮置き領域12の近傍には、ウエーハWと一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハWは、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定手段(クランプ)19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハWの切削すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
アライメント手段20は、ウエーハWの表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の処理によって切削すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。撮像手段22は可視光線で撮像する通常のカメラの他に赤外線カメラを備えている。
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハWに対して切削加工を施す切削手段24が配設されている。切削手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
切削手段24は、図3に示すように回転可能なスピンドル26の先端に切削ブレード28が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード28は撮像手段22のX軸方向の延長線上に位置している。
本実施形態では、切削ブレード28はブレードカバー58によりその全体が覆われている。56はウエーハ等の被加工物の切削中に被加工物上面とブレードカバー58の底部との間をプール液で満たすプール液供給手段であり、本実施形態ではブレードカバー58の外部に設置されている。
25は切削が終了したウエーハWを洗浄装置27まで搬送する搬送手段であり、洗浄装置27では、ウエーハWを洗浄するとともにエアノズルからエアを噴出させてウエーハWを乾燥する。
図2を参照すると、ブレードマウント36がその先端に固定されたスピンドル26と、切削ブレード28との装着関係を示す分解斜視図が示されている。切削手段(切削ユニット)24のスピンドルハウジング32中にスピンドル26が回転可能に収容されている。
ブレードマウント36は、ボス部38と、ボス部38と一体的に形成された固定フランジ40とから構成される。ボス部38には雄ねじ42が形成されている。ブレードマウント36は、ブレードマウント36の装着穴をスピンドル26の図示しない先端小径部及びテーパ部に挿入して、ナット44をスピンドル26の先端小径部に形成された雄ねじに螺合して締め付けることにより、スピンドル26の先端部に取り付けられる。
切削ブレード28の装着穴52をブレードマウント36のボス部38に挿入し、固定ナット54をボス部38の雄ねじ42に螺合して締め付けることにより、図3に示すように切削ブレード28はスピンドル26に取り付けられる。
切削ブレード28はハブブレードとよばれ、円形ハブ48を有する円形基台46の外周にダイアモンド砥粒をニッケルめっきで固定した切刃50を有する電鋳ブレードである。切削ブレード28の切刃50は20〜30μmの厚みを有している。
図4を参照すると、本発明第1実施形態に係るブレードカバー58の斜視図が示されている。ブレードカバー58は、第1カバー60と、第1カバー60に例えば締結ねじ等により着脱可能に固定される第2カバー62とから構成される。
ブレードカバー58は、天井部58aと、切削ブレード28の先端が突出する開口64を有する天井部58aに対向する底部58bと、天井部58aと底部58bを連結する側壁部58cとから構成される。
ブレードカバー58は空間部66を画成しており、この空間部66中に切削ブレード28が挿入され、開口64から突出される加工点として作用する切削ブレード28の先端部を除いて切削ブレード28はブレードカバー58により覆われる。
ブレードカバー58は切削液供給路68を有しており、切削液供給路68の一端は切削液供給源70に接続され、他端には切削ブレード28が挿入される空間部66に切削液を噴出する噴出口72が形成されている。切削液供給路68、切削液供給源70及び切削液噴出口72により切削液供給手段を構成する。
74は廃液回収手段であり、一端が切削ブレード58の側壁部58cに連結され、所定角度傾斜して取り付けられた筒体76と、筒体76の他端部に接続された吸引源78とから構成される。
筒体76の傾斜角度は、チャックテーブル18の保持面に対して30度以下が好ましい。この傾斜角度が小さいほど、吸引源78による安定した連続吸引が可能となる。廃液回収手段74は、切削ブレード28に供給された切削液が切削ブレード28の回転に伴って飛散する側に配設されている。
ブレードカバー58の側壁部58cには切削液排出用開口部66aが形成されており、この開口部66aを通してブレードカバー58の空間部66と筒体76の内部が連通されている。筒体76の一端部には更に底部に開いた開口76aが形成されている。
次に図5を参照して、本発明第1実施形態の作用について説明する。被加工物であるウエーハWは、図1に示すようにダイシングテープTを介して環状フレームFに支持された状態でチャックテーブル18により吸引保持される。
チャックテーブル18により保持されたウエーハWをX軸方向に移動して撮像手段22の直下に移動し、撮像手段2でウエーハWを撮像して、アライメント手段20で切削すべきストリートを検出するアライメントを実施する。
このアライメントに基づいて、切削しようとするストリートと切削ブレード28との位置合わせが行われた状態で、切削ブレード28を矢印A方向に30000rpm程度の高速で回転しつつウエーハWに切り込ませ、更にチャックテーブル18を矢印B方向に加工送りすることにより、位置合わせされたストリートが切削される。
切削ブレード28によるストリートの切削の際に、プール液供給手段56からプール液80を供給して、チャックテーブル18に保持されたウエーハWとブレードカバー58の底部との間をプール液80で満たすとともに、切削液噴出口72から切削ブレード28の切刃50に向かって切削液を噴出しながら、ウエーハWのストリートの切削を遂行する。切削液及びプール液80としては一般的に純水が使用される。
切削によって発生した切削屑の一部は切削液とともに切削ブレード28の回転に伴って連れ周り、切削屑を含む切削液の一部はブレードカバー58の側壁部58cに形成された切削液排出用開口部66aを介して廃液回収手段74の筒体76内に矢印Cに示すように取り込まれ、吸引源78の作動により吸引除去される。
噴出口72が切削液の流れの上流側に配設され、且つ切削ブレード28に供給される切削液が切削ブレード28の外周に対して接線方向に噴出するように形成されているため、切削ブレード28の回転に伴って連れ回る切削屑を含んだ切削液の流れを阻害することなく、切削屑を含んだ切削液を効果的に排出できる。
一方、切削により発生し、切削液中に取り込まれなかった残りの切削屑はプール液80中に浮遊する。このプール液80の一部は、廃液回収手段74の筒体76の開口76aを介して筒体76内に取り込まれ、吸引源78の作動によりウエーハW上から吸引除去される。
本実施形態によると、切削液がブレードカバー58内部から切削ブレード28へと供給され、切削ブレード28はブレードカバー58でほぼ全体が覆われるとともに、ブレードカバー58の底部とウエーハWとの間はプール液80で満たされた状態で切削が遂行されるため、切削屑を含む切削液がウエーハW上に飛散することがなく、切削屑は廃液回収手段74によってウエーハW上から積極的に回収される。
また、切削加工中、プール液がプール液供給手段56から常に供給されているため、ウエーハWの上面は乾燥することがなく、切削屑がウエーハW上に固着することが防止される。
吸引源78による吸引量が不十分な場合には切削屑を十分に吸引除去できず、逆に吸引量が過剰な場合には、開口76aに対するウエーハWの上面を局所的に乾燥させてしまうため、切削屑がウエーハWの上面に固着してしまうので、筒体76の傾斜角度や切削するウエーハWの表面状態に応じて、吸引量とプール液供給量を適宜調整することが好ましい。
図6を参照すると、本発明第2実施形態のブレードカバー58Aの縦断面図が示されている。本実施形態のブレードカバー58Aでは、プール液供給路82,86及びプール液供給口88がブレードカバー58A中に形成されている。
プール液供給路82は一端でプール液供給源84に連通されており、他端でプール液供給路82に直交するプール液供給路86に接続され、切削ブレード28の両側に設けられたプール液供給口88からウエーハW上に供給される。本実施形態の他の構成は、上述した第1実施形態と同様であり、その作用効果も第1実施形態と同様である。
図7を参照すると、本発明第3実施形態のブレードカバー58B及び廃液回収手段74の側面図が示されている。本実施形態では、プール液供給源84に接続されたプール液供給管路90がブレードカバー58Bの側面に取り付けられている。更に、廃液回収手段74の筒体76のブレードカバー58B側に外気取り込み用の穴92が形成されている。本実施形態の他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
本実施形態では、筒体76のブレードカバー58B側に外気取り込み用の穴92が形成されているので、吸引源78の吸引により筒体76内が負圧になることが抑制され、切削液及びプール液の連続した吸引を可能とする。本実施形態の作用効果は、上述した第1実施形態と同様である。
18 チャックテーブル
24 切削手段(切削ユニット)
28 切削ブレード
56 プール液供給手段
58,58A,58B ブレードカバー
74 廃液回収手段
76 筒体
78 吸引源
80 プール液
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58,58A,58B ブレードカバー
74 廃液回収手段
76 筒体
78 吸引源
80 プール液
Claims (3)
- 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードと、該切削ブレードの外周を覆うように配設され、底部に該切削ブレードの先端が突出する開口を有するブレードカバーとを備えた切削装置であって、
該ブレードカバーの底部と被加工物との間を満たすプール液を被加工物上に供給するプール液供給手段と、
該ブレードカバー内部に配設された切削液噴出口から該切削ブレードに切削液を供給する切削液供給手段と、
該切削ブレードに供給された切削液が該切削ブレードの回転に伴って飛散する側に配設された廃液回収手段とを具備し、
該廃液回収手段は、該チャックテーブルの保持面に対して所定の角度を有するように一端側が該ブレードカバーの切削液排出用開口部を有する側壁に連結された筒体と、
該筒体の他端側に接続された吸引源とを含み、
該筒体は該一端側に該保持テーブルの該保持面に対向する開口部を有し、
該切削ブレードの回転に伴って連れ回る切削液とプール液の一部を該吸引源を作動することにより該筒体を通じて被加工物上から排出することを特徴とする切削装置。 - 前記プール液供給手段は該ブレードカバーの外部に配設されている請求項1記載の切削装置。
- 前記プール液供給手段の少なくとも一部は該ブレードカバーの内部に配設されている請求項1記載の切削装置。
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