JPH0914032A - エンジンの燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射時期制御装置

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JPH0914032A
JPH0914032A JP7166708A JP16670895A JPH0914032A JP H0914032 A JPH0914032 A JP H0914032A JP 7166708 A JP7166708 A JP 7166708A JP 16670895 A JP16670895 A JP 16670895A JP H0914032 A JPH0914032 A JP H0914032A
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frequency
signal
timer
fuel injection
duty ratio
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JP7166708A
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Kazuhide Togai
一英 栂井
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電磁弁でタイマピストンの位置を
調整して燃料噴射時期を制御するエンジンの燃料噴射時
期制御装置に関し、多数の試験工数を要することなくタ
イマピストンの揺らぎ現象を抑制できるようにすること
を目的とする。 【構成】 油圧に応じてタイマピストンを移動させて燃
料噴射弁からの燃料噴射時期を変更しうるタイマと、所
要のデューティ比に制御されながら該タイマへの供給油
圧を調整するタイマ制御用電磁弁39と、エンジンの運
転状態に応じて該電磁弁のデューティ比を決定するデュ
ーティ比決定手段45と、第1の周波数信号を発生する
手段42と、第2の周波数信号を発生する手段43と、
第1及び第2の周波数信号をタイマピストンの変動が生
じない短時間で周期的に切り替える周波数信号切替手段
44と、決定したデューティ比で且つ設定された周波数
のオン・オフ信号により電磁弁39を制御する制御手段
46とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジンの
燃料噴射ポンプの制御に用いて好適のエンジンの燃料噴
射時期制御装置に関し、特に、電磁弁を通じてタイマピ
ストンの位置を調整することで燃料噴射時期を制御しう
る、エンジンの燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプに
は、図3に示すような構成のものがある。この図3に示
す燃料噴射ポンプは、いわゆる電子制御式の分配型燃料
噴射ポンプであり、図3において、10はポンプ本体で
あり、ポンプ本体10の内部には、ベーン式のフィード
ポンプ11がそなえられている。ここでは、フィードポ
ンプ11については、本来の側面図に並べて90°だけ
図示角度を変えた正面図についても示している。
【0003】このフィードポンプ11は、エンジンの回
転で作動するドライブシャフト12で回転駆動されて、
燃料タンクからの燃料を圧送する。このフィードポンプ
11から出力された燃料は、ポンプ本体10の内部のポ
ンプ室13に送られて、ポンプ室13から通路14を通
って燃料圧送用プランジャ15へと送給される。通路1
4には燃料カット用マグネットバルブ16が介装され
る。
【0004】プランジャ15は、ポンプ本体10に形成
されたプランジャ室17内を進退しながら、内部に形成
された連通口17Aを介して、通路14からの燃料を通
路18からデリバリバルブ19へと供給する。このよう
なプランジャ15の進退駆動は、プランジャ15の一端
に結合されたカムディスク20の作用により行なわれ
る。
【0005】つまり、プランジャ15及びカムディスク
20は、ドライブシャフト12でエンジン回転に応じて
回転駆動される。また、カムディスク20は、プランジ
ャ15を介してスプリング21で付勢されることで、ロ
ーラホルダ22に軸支されたローラ23に当接してい
る。なお、ローラホルダ22は、ドライブシャフト12
の軸心線方向へは移動ぜず、また、通常時(後述する回
転位相の調整時以外)はドライブシャフト12の軸心回
りに回転することはない。これにより、カムディスク2
0は、そのカムプロフィルに応じてローラ23に排動さ
れながら、軸方向へ移動する。このようにして、プラン
ジャ15が進退して、所要のタイミングで燃料の供給を
行なうのである。
【0006】なお、通路18,デリバリバルブ19は各
気筒毎に設けられている。例えば4気筒エンジンの場合
には、通路18,デリバリバルブ19も4つ設けられる
ことになる。また、ローラ23は、図4に示すように、
ローラホルダ22に複数(ここでは、4つ)設けられて
おり、カムディスク20のカムプロフィルもこれに応じ
たものになっている。これにより、カムディスク20が
1回転するとプランジャ15は4回駆動されることにな
り、この4回のプランジャ15の作動に応じて、例えば
4つの気筒のそれぞれに順に燃料が供給されるようにな
る。
【0007】なお、燃料の噴射量制御のために、プラン
ジャ15の外周を進退してプランジャ15の圧送ストロ
ークを調整するコントロールスリーブ24と、このコン
トロールスリーブ24を駆動するガバナ(ここではエレ
クトリックガバナ)25とが設けられている。さらに、
図3中、26はレギュレータバルブ、27はドライブシ
ャフト12の回転速度を検出するセンシングギヤプレー
ト、28は燃料温度センサであり、29はポンプ室13
内の過剰な燃料を燃料タンクへ戻すオーバフローバルブ
であって、チェックバルブをそなえている。
【0008】ところで、このような燃料噴射ポンプで
は、燃料の噴射タイミングを制御するために、タイマ3
0が設けられている。タイマ30には、ローラ23の回
転方向位置を変更するタイマピストン31がそなえられ
れている。なお、このタイマピストン31についても、
便宜上、90°だけ図示角度を変えた正面図で示してい
る。
【0009】このタイマピストン31は、図3,図4に
示すように、ポンプ本体10に形成されたシリンダ32
内で進退しながら、ピストンピン33を通じてローラホ
ルダ22を微小回転させる。つまり、タイマピストン3
1は、中間部にピストンピン33をピン結合され、その
一端にはポンプ室13内の燃料圧を導かれる第1圧力室
34が設けられ、他端には吸入側燃料圧(フィードポン
プ11の上流側の燃料圧)を導かれる第2圧力室35が
設けられる。
【0010】また、タイマピストン31には、ポンプ室
13と第1圧力室34とを連通する通路36が設けら
れ、この通路36にはオリフィス37が介設されてい
る。さらに、第2圧力室35内には、タイマピストン3
1を一端側(第1圧力室34方向)へ付勢するタイマス
プリング38がそなえられる。そして、第1圧力室34
内の燃料圧と、第2圧力室35内の燃料圧及びタイマス
プリング38の付勢力とのバランスによって、タイマピ
ストン31の位置が決定する。例えば図4の(A)に示
す状態よりも第1圧力室34内の燃料圧が高くなると、
図4の(B)に示すように、タイマピストン31が図中
左方へ移動するが、この時には、燃料噴射タイミングは
進角側へ調整される。逆に、第1圧力室34内の燃料圧
が低くなると、タイマピストン31が図中右方へ移動し
て、燃料噴射タイミングは遅角側へ調整される。
【0011】例えば、エンジンの回転速度が高まると、
フィードポンプ11からの出力圧が高まって、ポンプ室
13内の燃料圧も高まり、第1圧力室34が高圧にな
る。したがって、タイマピストン31が図中左方へ移動
して、燃料噴射タイミングが進角側へ調整されることに
なる。さらに、このポンプの場合、図3に示すように、
第1圧力室34側と第2圧力室35側との圧力バランス
を調整しうるタイミングコントロールバルブ(TCV)
39が設けられており、様々なパラメータに基づいて燃
料噴射タイミングを調整しうるようになっている。
【0012】つまり、タイミングコントロールバルブ3
9は、電子制御式の電磁弁であり、デューティ制御によ
りその開度(単位時間当たりの開弁時間)を調整され
る。したがって、タイミングコントロールバルブ39を
デューティ制御することで、バルブ39の開度に応じて
第1圧力室34側と第2圧力室35側との圧力差が適宜
調整(ここでは減少側へ調整)され、タイマピストン3
1の位置が調整されることになり、この結果、燃料噴射
タイミングが調整される。
【0013】このようなタイミングコントロールバルブ
39の駆動は、図示しないタイミングコントロールバル
ブドライバ(TCVドライバ)により行なわれるが、こ
のTCVドライバは、図示しないコントローラにより目
標燃料噴射量Qやエンジン回転数Neに応じて作動を制
御される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、タイミング
コントロールバルブ39をデューティ制御する場合、一
定の周波数で駆動電流パルスを発しながら制御を行なう
ことになるが、この時の駆動周波数がエンジンの回転数
の整数倍に近づくと、燃料噴射時期が変動することがあ
る。この現象は「揺らぎ」と呼ばれ、この「揺らぎ」
は、近接した異なる2つの周波数の干渉により生じるい
わゆる「うなり」の現象と考えられる。
【0015】例えば図5の曲線Sは、この揺らぎ現象を
示す実験データであり、エンジン回転数Neを1800
rpmの近傍とし、タイミングコントロールバルブ39
の駆動周波数を60Hzとした条件下での実験結果を示
す。横軸が時間、縦軸がタイマピストン31の位置(T
PS)であり、曲線C1がTPSの変動特性を示してい
るが、TPSが比較的長周期(約1秒)で振動している
ことがわかる。
【0016】これは、エンジン回転数Neが正確に18
00rpm(=30Hz)であれば、タイミングコント
ロールバルブ39の駆動周波数60Hzは丁度エンジン
回転数Neの2倍になるが、エンジン回転数Neが18
00rpmに近いが正確に1800rpmではないため
に、このような「うなり」のような現象が生じるものと
考えられる。
【0017】そこで、エンジン回転数Neを1770r
pm(=29.5Hz)としてタイミングコントロール
バルブ39の駆動周波数を60Hzとした場合をシミュ
レーションしてみると、図6に示すように、上述の図5
に示す実験結果とほぼ同様の特性が現れる。このような
揺らぎ現象の原因は、オリフィス37が一定に作用し且
つタイミングコントロールバルブ39の開度が一定のと
きには、タイマピストン31の両端の差圧により、各圧
力室34,35での燃料の流入出即ちタイマピストン3
1の位置が支配される。したがって、差圧変動が揺らぎ
(即ち、タイマピストン31の変位)の原因と考えられ
る。
【0018】そこで、さらに、差圧変動の要因を考える
と、ポンプ室13の圧力変動、及び、タイマピストン3
1のシリンダ32内の圧力変動が考えられる。このう
ち、ポンプ室13の圧力変動は、フィードポンプ11の
吐出圧の変動によるものや、プランジャ15の燃料圧送
スピルによるもの等が考えられる。また、タイマピスト
ンシリンダ32内の圧力変動は、カムディスク20がロ
ーラ23を乗り越える時の反力がピストンピン33を通
じて伝達されることによるものや、タイマピストン31
の質量とタイマスプリング38の弾性特性とによる共振
によるものなどが考えられる。
【0019】これらのなかでも、特に、影響が大きいも
のが、カムディスクの乗り越え時の反力である。この反
力は、カムディスクの乗り越え時にタイマピストン31
の動きにより、タイマピストン31の両端(即ち、両圧
力室34,35)の流入圧がともに変動するため、単純
に考えると、ポンプ室13の圧力変動の2倍の影響があ
る。しかも、タイマピストン31に作用する強制圧自体
も変動が大きいため、最も影響が大きいと言える。な
お、このカムディスクの乗り越え時の反力は、4気筒エ
ンジンの場合、エンジン回転数Neの2倍の周波数をも
ち、振幅はほぼ一定である。
【0020】このような揺らぎ現象を回避するには、以
下のような手段が考えられる。 (1)つまり、図7中の直線L1,L2,L3に示すよ
うに、タイミングコントロールバルブ39の駆動周波数
をエンジン回転との共振点、即ちエンジン回転数Ne,
又はエンジン回転数Neの2倍値(=2Ne),又はエ
ンジン回転数Neの4倍値(=4Ne)と完全に同期さ
せる。この技術は、例えば特公昭63−8298号公報
に開示されている。
【0021】(2)図7中の破線L4に示すように、タ
イミングコントロールバルブ39の駆動周波数をエンジ
ン回転数Neに対して鋸刃状に変更しながら、タイミン
グコントロールバルブ39の駆動周波数がエンジン回転
との共振点、即ちエンジン回転数Neや2Neや4Ne
に接近しないようにする。この技術は、例えば特公平1
−19059号公報に開示されている。
【0022】これらの手段は、図8に示すように、タイ
ミングコントロールバルブとエンジンとの周波数差が離
れるほど、揺らぎ(ピストン振幅)が減少するという特
性に基づいている。図8中、Neを付す特性はタイミン
グコントロールバルブの作動周波数をエンジン回転数N
eの近傍にした場合のもので、2*Neを付す特性はタ
イミングコントロールバルブの作動周波数をエンジン回
転数Neの2倍の近傍にした場合のもので、4*Neを
付す特性はタイミングコントロールバルブの作動周波数
をエンジン回転数Neの4倍の近傍にした場合のもので
ある。
【0023】(1)の解決手段に着目すると、上述の特
公昭63−8298号公報は、燃料フィード圧に基づい
て、開閉弁(タイミングコントロールバルブ)の作動周
波数を機関回転数の整数倍(例えば2倍)となるように
制御することで、開閉弁の作動周期を燃料フィード圧の
圧力変動周期と同期させて、燃料フィード圧の圧力変動
を減少させ、燃料噴射時期を精度よく制御しようとする
技術である。
【0024】しかしながら、この技術では、燃料フィー
ド圧を検出してこの圧力に基づいて開閉弁の作動を制御
するため、以下のような不具合がある。ます、上述のゆ
らぎ現象に対しては、燃料フィード圧の影響は比較的小
さいので、燃料フィード圧に基づいた制御は必ずしも適
切ではない。また、燃料噴射時期が変化するごとに開閉
弁の駆動開始時期も変化するため、開閉弁の駆動終了時
期(即ち、デューティ幅)の設定が複雑になる。逆に、
開閉弁の駆動終了時期を回転位相に同期させようとする
と開閉弁の駆動開始時期を正しく設定できないので開閉
弁の開度制御(即ち、デューティ制御)を行なえない。
【0025】さらに、機関のクランク角に対して、検出
した燃料フィード圧情報に基づく信号を同期させるのに
工夫が必要になる。これは、燃料フィード圧の立ち上が
りは噴射時期に同期するがクランク角とは関連なく、ま
た、燃料フィード圧の立ち下がりは噴射量に依存するが
やはりクランク角とは関連ないためである。また、
(2)の技術は、複数の周波数をエンジン回転数(回転
速度)に応じて選択するため、エンジン回転数の設定
や、タイマピストン位置とエンジン回転数とタイミング
コントロールバルブの駆動デューティとの関係の設定等
に多数の試験工程がかかってしまう。
【0026】なお、特開平1−300037号,特開平
4−347346号,特公平3−25626号の各公報
にも、ディーゼルエンジン等のエンジンの燃料噴射時期
制御に関する技術が開示されているが、これらの技術
は、上述のような揺らぎ現象に関して具体的に着目して
おらず、また、かかる現象を適切に回避しうるものでは
ない。
【0027】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、電磁弁を通じてタイマピストンの位置を調整する
ことで燃料噴射時期を制御しうる装置において、多数の
試験工程を要することなくタイマピストンの揺らぎ現象
を抑制できるようにして燃料噴射時期を適切に制御でき
るようにした、エンジンの燃料噴射時期制御装置を提供
することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のエンジンの燃料噴射時期制御装置は、供給さ
れる油圧に応じてタイマピストンを移動させることで燃
料噴射弁から噴射されるエンジンの燃料噴射時期を変更
しうるタイマと、所要のデューティ比に制御されながら
該タイマへ供給される油圧を調整するタイマ制御用電磁
弁と、該エンジンの運転状態に応じて該電磁弁の該デュ
ーティ比を決定するデューティ比決定手段と、第1の周
波数を有する周波数信号を発生する第1の信号発生手段
と、該第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する周
波数信号を発生する第2の信号発生手段と、該タイマピ
ストンの変動が生じない短時間で周期的に該第1の信号
発生手段からの該第1の周波数を有する信号と該第2の
信号発生手段からの該第2の周波数を有する信号とを交
互に切り替えながら出力する周波数信号切替手段と、上
記の周波数信号切替手段から出力された信号に基づく周
波数を有し該デューティ比決定手段で決定したデューテ
ィ比によるオン・オフ信号に基づいて該電磁弁を制御す
る制御手段とから構成されていることを特徴としてい
る。
【0029】請求項2記載の本発明のエンジンの燃料噴
射時期制御装置は、請求項1記載の構成において、上記
の第1の周波数と第2の周波数との切り替え周期が、ほ
ぼ0.5秒程度以下に設定されていることを特徴として
いる。
【0030】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のエンジンの燃料
噴射時期制御装置では、タイマが、供給される油圧に応
じてタイマピストンを移動させるようにして、燃料噴射
弁から噴射されるエンジンの燃料噴射時期を変更する。
このとき、デューティ比決定手段がエンジンの運転状態
に応じてデューティ比を決定して、周波数信号切替手段
が、タイマピストンの変動が生じない短時間で周期的に
第1の信号発生手段からの第1の周波数を有する信号と
第2の信号発生手段からの第2の周波数を有する信号と
を交互に切り替えながら出力する。そして、制御手段
が、上記の周波数信号切替手段から出力された信号に基
づく周波数を有し該デューティ比決定手段で決定したデ
ューティ比によるオン・オフ信号に基づいてタイマ制御
用電磁弁を制御する。このような制御に基づいて、タイ
マ制御用電磁弁がタイマへ供給される油圧を調整する。
【0031】特に、周波数信号切替手段が、タイマ制御
用電磁弁の駆動周期をタイマピストンの変動が生じない
短時間で周期的に切り替えらるので、エンジン回転数と
タイミングコントロールバルブの駆動周期が接近してタ
イマピストンの揺らぎが生じるような状態になっても、
この揺らぎが成長する前に、タイミングコントロールバ
ルブの駆動周期が切り替わって、例え揺らぎが発生して
もこれが成長することがなくなる。
【0032】上述の請求項2記載の本発明のエンジンの
燃料噴射時期制御装置では、上記の第1の周波数と第2
の周波数との切り替え周期が、ほぼ0.5秒程度以下に
設定されているので、タイマ制御用電磁弁の駆動周期を
タイマピストンの変動が生じない短時間で周期的に切り
替えることになり、エンジン回転数とタイミングコント
ロールバルブの駆動周期が接近してタイマピストンの揺
らぎが生じるような状態になっても、この揺らぎが成長
する前に、タイミングコントロールバルブの駆動周期が
切り替わるので、例え揺らぎが発生してもこれが成長す
ることがなくなる。
【0033】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1,図2は本発明の一実施例としてのエ
ンジンの燃料噴射時期制御装置を示すものであるが、こ
のエンジンの燃料噴射時期制御装置は、従来技術として
既に説明したように、図3,図4に示すような電子制御
式の分配型燃料噴射ポンプに適用される。そこで、図
3,図4を参照して、この分配型燃料噴射ポンプから簡
単に説明する。
【0034】本エンジンの燃料噴射時期制御装置をそな
える燃料噴射ポンプは、図3に示すように、ポンプ本体
10の内部に、エンジン駆動のドライブシャフト12で
回転駆動されるベーン式フィードポンプ11をそなえ、
このフィードポンプ11で、燃料タンクからの燃料をポ
ンプ本体10の内部のポンプ室13に圧送し、更に、通
路14を経て燃料圧送用プランジャ15へと送給するよ
うになっている。通路14には、燃料カット用マグネッ
トバルブ16が設けられる。
【0035】プランジャ15はプランジャ室17内を進
退するが、このプランジャ15の位置に応じて、通路1
4側の燃料をプランジャ室17に吸入して、連通口17
Aを介して通路18からデリバリバルブ19へと圧送す
るようになっている。なお、通路18,デリバリバルブ
19は各気筒毎に設けられている。また、プランジャ1
5は、その一端に結合されたカムディスク20を通じて
進退駆動されるようになっている。
【0036】すなわち、カムディスク20は、プランジ
ャ15に装着されたスプリング21でローラホルダ22
に軸支されたローラ23に付勢されており、プランジャ
15及びカムディスク20がドライブシャフト12で回
転駆動されると、カムディスク20は、そのカムプロフ
ィルに応じてローラ23に排動されながら、軸方向へ移
動して、プランジャ15を進退させて、所要のタイミン
グで燃料の供給を行なうようになっている。
【0037】ローラ23は、図4に示すように、ローラ
ホルダ22に複数(ここでは、4つ)設けられており、
カムディスク20のカムプロフィルもこれに応じたもの
になっている。これにより、カムディスク20が1回転
するとプランジャ15は4回駆動されることになり、こ
の4回のプランジャ15の作動に応じて、例えば4つの
気筒のそれぞれに順に燃料が供給されるようになってい
る。
【0038】また、燃料の噴射量制御のためのコントロ
ールスリーブ24,このコントロールスリーブ24を駆
動するガバナ(ここではエレクトリックガバナ)25の
ほか、レギュレータバルブ26,ドライブシャフト12
の回転速度を検出するセンシングギヤプレート27,燃
料温度センサ28,ポンプ室13内の過剰な燃料を燃料
タンクへ戻すチェックバルブ付きオーバフローバルブ2
9も設けられる。
【0039】そして、ローラ23の回転方向位置を変更
するために、タイマピストン31をそなえたタイマ30
が設けられている。タイマピストン31は、図3,図4
に示すように、ポンプ本体10に形成されたシリンダ3
2内で進退しながら、ピストンピン33を通じてローラ
ホルダ22を微小回転させる。タイマピストン31は、
中間部にピストンピン33をピン結合され、一端にはポ
ンプ室13内の燃料圧を導かれる第1圧力室34が設け
られ、他端には吸入側燃料圧(フィードポンプ11の上
流側の燃料圧)を導かれる第2圧力室35が設けられて
いる。また、タイマピストン31には、ポンプ室13と
第1圧力室34とを連通する通路36が設けられ、この
通路36にはオリフィス37が介設されている。さら
に、第2圧力室35内には、タイマピストン31を一端
側(第1圧力室34方向)へ付勢するタイマスプリング
38がそなえられる。
【0040】これにより、第1圧力室34内の燃料圧
と、第2圧力室35内の燃料圧及びタイマスプリング3
6の付勢力とのバランスによって、タイマピストン31
の位置が決定するが、このポンプの場合、図3に示すよ
うに、第1圧力室34側と第2圧力室35側との圧力バ
ランスを調整しうるタイマ制御用電磁弁としてのタイミ
ングコントロールバルブ(TCV)39が設けられてお
り、様々なパラメータに基づいて燃料噴射タイミングを
調整しうるようになっている。
【0041】このタイミングコントロールバルブ39
は、電子制御式電磁弁であり、デューティ制御によりそ
の開度(単位時間当たりの開弁時間)を調整されるよう
になっており、このタイミングコントロールバルブ39
をデューティ制御することで、バルブ39の開度に応じ
て第1圧力室34側と第2圧力室35側との圧力差が適
宜調整(ここでは減少側へ調整)され、タイマピストン
31の位置が調整されることになり、この結果、燃料噴
射タイミングが調整されるようになっている。このよう
なタイミングコントロールバルブ39の駆動は、図1に
示すようなタイミングコントロールバルブソレノイド
(TCVソレノイド)40Aへの電流制御により行われ
るが、この電流制御は、制御手段としてのECU(電子
制御ユニット)41により目標燃料噴射量Qやエンジン
回転数Neに応じて作動を制御される。本燃料噴射時期
制御装置では、このようなタイミングコントロールバル
ブ39の駆動制御に特徴があるが、この説明の前に、図
2のタイマピストン31の駆動制御モデルを参照しなが
ら、ECU41を通じて行なうタイマピストン31の駆
動制御を説明する。
【0042】タイマピストン31の位置は、高圧側の第
1圧力室34側に加わる圧力(高圧側の第1圧力室34
と低圧側の第2圧力室35内との差の圧力〕と、低圧側
の第2圧力室側から加わるタイマスプリング38のバネ
力との均衡したところに決まる。タイマピストン31の
駆動制御はこのような観点から行なわれる。つまり、図
2に示すように、高圧側の第1圧力室34からタイマピ
ストン31に作用する圧力方向を正とすると、タイマピ
ストン31には、高圧側の第1圧力室34内の圧力P1
〔B1参照〕と、この第1圧力室34に作用する元圧変
動(フィードポンプ吐出圧の変動する圧力影響)P3
〔B3参照〕とが正方向に加わり、低圧側の第2圧力室
35内の圧力P2〔B2参照〕が負方向に加わる。
【0043】また、タイミングコントロールバルブ39
による第1圧力室34から第2圧力室35への圧力調整
分Pcが、正方向圧力を減少させ〔a1参照〕、正方向
圧力を増加させる〔a2参照〕。第1圧力室34へ進入
する燃料の流量は、ポンプ室13側とタイマシリンダ3
2側(第1圧力室34側)との圧力差の平方根に比例し
〔B5参照〕、これにオリフィス37の流量係数(オリ
フィス係数)を乗算したものである〔B6参照〕。同様
に、タイマシリンダ32側(第1圧力室34側)から流
出する燃料量は、シリンダ圧と低圧〔B2参照〕とのさ
の平方根に比例するが、この流量は、タイミングコント
ロールバルブ39のオン・オフ状態〔B7参照〕に応じ
て変化する。タイマピストン31の位置は、これらのシ
リンダ32への燃料の流入出量によって決まる。
【0044】このため、タイミングコントロールバルブ
39を制御してタイマシリンダ32への燃料の流入出量
を変えれば、ピストン位置は変化する。そして、エンジ
ン回転数Neと噴射量Qとに対応してタイミングコント
ロールバルブ39のオン・オフの割合(即ち、デューテ
ィ比)を設定すれば、燃料噴射時期を制御することがで
き、さらに、実際の燃料噴射時期を検出することによっ
て燃料噴射時期をデューティ制御することもできる。
【0045】例えば、図2に示すような更なる処理(B
8〜B15,a3〜a5,d1,d2)によってタイマ
ピストンを制御することもできる。そして、ECU41
によるタイミングコントロールバルブ39自体の駆動制
御系は、図1に示すように構成される。つまり、ECU
41には、第1の信号発生手段42と、第2の信号発生
手段43と、周波数信号切替手段44と、デューティ比
決定手段45と、タイミングコントロールバルブ制御手
段46とがそなえられる。
【0046】第1の信号発生手段42は、第1の周波数
1 を有する第1周波数信号W1を発生し、第2の信号
発生手段43は、この第1の周波数f1 とは十分に離隔
した第2の周波数f2 を有する第2周波数信号W2を発
生するようになっている。また、周波数信号切替手段4
4は、第1の信号発生手段42からの周波数信号W1と
第2の信号発生手段43からの周波数信号W2とを交互
に周期的に切り替えながら出力するもので、この切替周
期は、タイマピストン31の変動が生じないような短い
時間T1に設定されている。
【0047】この周波数信号切替手段44は、例えば図
1に示すように、時間をカウントしてカウント値が所定
値になったら信号(カウントアップ信号)を発するタイ
ムカウンタ44Aと、このタイムカウンタ44Aからの
カウントアップ信号を受ける毎に切り替わるスイッチ4
4Bとから構成することができる。この場合、タイムカ
ウンタ44Aはカウントアップ信号を発するごとに0リ
セットされる。
【0048】デューティ比決定手段45は、エンジンの
運転状態に応じてタイミングコントロールバルブ(電磁
弁)39のデューティ比を決定するもので、目標ピスト
ン位設定手段47で設定されたタイマピストン31の目
標位置(目標ピストン位置)に応じてデューティ比を決
定する。なお、目標ピストン位設定手段47では、燃料
噴射量(燃料噴射時間)Q及びエンジン回転数Neに基
づいて目標ピストン位置を設定する。
【0049】そして、本実施例では、デューティ比決定
手段45は、このデューティ比に対応したタイミングコ
ントロールバルブ39のコイル39Aへの励磁時間(オ
ン制御時間)t1 を例えばマップに基づいて設定するよ
うになっている。つまり、デューティ比が決まれば、制
御周期にこのデューティ比を乗算することで、励磁時間
1 を算出することができ、ここでは、第1の周波数f
1 に応じた第1の制御周期と、第2の周波数f2 に応じ
た第2の制御周期とが設けられているので、第1の周波
数f1 に応じた第1周波数用マップAと、第2の周波数
2 に応じた第2周波数用マップBとを用意して、これ
らのマップを適宜用いることでデューティ比に応じた励
磁時間t1 を設定するようになっている。
【0050】制御手段46は、オン・オフ信号に基づい
てタイミングコントロールバルブ39を制御するもの
で、このオン・オフ信号は、周波数信号切替手段44か
ら出力された信号に基づく周波数f1 又はf2 を有し、
デューティ比決定手段45で決定したオン・オフの割合
(即ち、デューティ比)を有している。このため、制御
手段46は、図1に示すように、0クロス検出器46A
と、三角波発生器46Bと、コンパレータ46Cと、ア
ンド回路46Dと、トランジスタ46Eとをそなえてい
る。
【0051】このうち、0クロス検出器46Aは周波数
信号W1又はW2の0クロスを検出するが、周波数信号
W1又はW2が入力されていれば三角波発生器46B及
びアンド回路46Dにオン信号を出力し、また、0クロ
スを検出時には、三角波発生器46Bに検出信号を出力
する。三角波発生器46Bは、この0クロス検出器46
Aからのオン信号で三角波信号を派生して出力するが、
この三角波信号は0クロス検出信号によってリセットさ
れる。
【0052】また、コンパレータ46Cは、三角波発生
器46Bからの三角波信号の出力値と、デューティ比決
定手段45で求められたタイミングコントロールバルブ
39の励磁時間信号の出力値とを比較するもので、三角
波信号の出力値が励磁時間信号の出力値よりも小さけれ
ば、オン信号(励磁信号)を出力し、三角波信号の出力
値が励磁時間信号の出力値以上になったら、オフ信号
(励磁停止信号)を出力するようらになっている。
【0053】さらに、アンド回路46Dは、コンパレー
タ46Cからのオン信号が出力されたときに、同時に0
クロス検出器46Aからオン信号が出力されていたら、
オン信号(励磁信号)をトランジスタ46Eに出力する
ようになっている。トランジスタ46Eは、スイッチン
グ回路として機能し、アンド回路46Dからオン信号を
受けると、タイミングコントロールバルブ39のコイル
に電源VBからの電力を供給しタイミングコントロール
バルブ39のコイル39Aを励磁するようになってい
る。
【0054】ところで、周波数の切替周期は、タイマピ
ストン31の変動が生じないような短い時間T1に設定
されるが、これは以下のような考えによる。すなわち、
タイミングコントロールバルブ39の駆動周波数とエン
ジン回転数とが接近すると、前述のようにタイマピスト
ン31の「揺らぎ」という一種のうなり現象が生じる
が、この「揺らぎ」によるタイマピストン31の振幅
は、タイミングコントロールバルブ39の駆動周波数と
エンジン回転数とが一致しないかぎりは、接近するほど
大きくなり、逆に、駆動周波数とエンジン回転数とが離
れれば小さくなる。
【0055】また、「揺らぎ」によるタイマピストン3
1の振幅は、駆動周波数とエンジン回転数とが接近した
場合には、ある程度の時間をかけて成長し、逆に、駆動
周波数とエンジン回転数とが接近した初期には、「揺ら
ぎ」の現象が生じてもタイマピストン31の振幅は小さ
く問題にはならない。そこで、「揺らぎ」の現象が生じ
てもこれが成長する前に、タイミングコントロールバル
ブ39の駆動周波数をエンジン回転数とが離れたものに
切り替えてしまえば、「揺らぎ」は解消されていく。
【0056】各部材の特性にもよるが、問題となるよう
な「揺らぎ」の周期は比較的長く(例えば図6,図7の
例では揺らぎの周期は1秒)、「揺らぎ」が開始してか
ら0.5秒程度以下であれば「揺らぎ」の成長は僅かで
あり、「揺らぎ」によるタイマピストン31の振幅は小
さく問題にならない。そこで、本装置では、周波数信号
W1と周波数信号W2とを短い時間T1(T1≦0.5
秒)で周期的に交互に切り替えながら、タイミングコン
トロールバルブ39の駆動周波数を常に切り替えること
で、「揺らぎ」が生じてもこれが成長する前に、駆動周
波数が切り替わるようにしているのである。
【0057】本発明の一実施例としてのエンジンの燃料
噴射時期制御装置は、上述のように構成されているの
で、燃料の噴射にあたっては、ECU41により、噴射
時期及び噴射時間(噴射量)を設定しながら、設定され
た噴射時期及び噴射時間に応じて噴射弁を駆動する。こ
のとき、噴射時期の制御は、タイマピストン31の位置
調整により行われるが、この位置調整には、タイミング
コントロールバルブ39をデューティ制御しながらタイ
マピストン31に加わる油圧(燃料圧)を調整しながら
行なう。
【0058】このタイミングコントロールバルブ39の
制御は、タイミングコントロールバルブ制御手段46を
通じて以下のように行われる つまり、この制御時には、第1の信号発生手段42から
第1の周波数f1 を有する第1周波数信号W1が発生さ
れ、第2の信号発生手段43から第1の周波数f1 とは
十分に離隔した第2の周波数f2 を有する第2周波数信
号W2が発生される。そして、周波数信号切替手段44
が、第1の信号発生手段42からの周波数信号W1と第
2の信号発生手段43からの周波数信号W2とを交互に
周期的に切り替えながら出力する。
【0059】また、デューティ比決定手段45は、タイ
マピストン31の目標位置(目標ピストン位置)に応じ
てデューティ比を決定して、さらに、周波数信号切替手
段44で選択された周波数に応じたマップに基づいて、
デューティ比及び駆動周期に対するタイミングコントロ
ールバルブ39の励磁時間t1 を設定する。そして、制
御手段46が、デューティ比決定手段45から、励磁時
間に応じた励磁信号を受けて、各励磁周期において励磁
時間t1 分だけオン信号を出力してタイミングコントロ
ールバルブ39のコイル39A励磁する。
【0060】これにより、タイミングコントロールバル
ブ39が所要の開度(時間平均開度)に制御され、タイ
マピストン31の位置が適切に調整されるため、所要の
燃料噴射タイミングに調整される。そして、タイミング
コントロールバルブ39の駆動周波数とエンジン回転数
とが接近すると、前述のようにタイマピストン31の
「揺らぎ」という一種のうなり現象が生じるが、本装置
では、周波数信号W1と周波数信号W2とを短い時間T
1(T1≦0.5秒)で周期的に交互に切り替えなが
ら、タイミングコントロールバルブ39の駆動周波数を
常に切り替えているので、タイミングコントロールバル
ブ39の駆動周波数とエンジン回転数とが接近する状態
が継続することがなく、「揺らぎ」が生じてもこれが成
長することがない。
【0061】つまり、エンジン回転数が一方の駆動周波
数に接近した場合、時間T1後には他方の駆動周波数に
切り替えられることになり、「揺らぎ」が開始しても、
これが成長する前に駆動周波数が切り替えられ、「揺ら
ぎ」が解消されるのである。もちろん、さらに、時間T
1後には、再び一方の駆動周波数に切り替えられて「揺
らぎ」が開始するが、一端「揺らぎ」が収まっているの
で、再び「揺らぎ」が開始しても大きなものにはなら
ず、さらにに再び他方の駆動周波数に切り替えられるこ
とになる。
【0062】このように、「揺らぎ」が成長しなけれ
ば、「揺らぎ」によるタイマピストン31の振動は振幅
が小さく、燃料噴射時期の制御精度を確保する上で問題
にはならない。この結果、タイマピストン31の位置を
精度よく調整することができ、燃料噴射時期の制御を適
切に行なうことができるようになり、エンジンの性能向
上に寄与しうる利点がある。しかもこのような制御は、
エンジン回転状態とは無関係にオープンループで制御す
ることができて、多数の試験工程も要することなく構成
することができる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、供給
される油圧に応じてタイマピストンを移動させることで
燃料噴射弁から噴射されるエンジンの燃料噴射時期を変
更しうるタイマと、所要のデューティ比に制御されなが
ら該タイマへ供給される油圧を調整するタイマ制御用電
磁弁と、該エンジンの運転状態に応じて該電磁弁の該デ
ューティ比を決定するデューティ比決定手段と、第1の
周波数を有する周波数信号を発生する第1の信号発生手
段と、該第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する
周波数信号を発生する第2の信号発生手段と、該タイマ
ピストンの変動が生じない短時間で周期的に該第1の信
号発生手段からの該第1の周波数を有する信号と該第2
の信号発生手段からの該第2の周波数を有する信号とを
交互に切り替えながら出力する周波数信号切替手段と、
上記の周波数信号切替手段から出力された信号に基づく
周波数を有し該デューティ比決定手段で決定したデュー
ティ比によるオン・オフ信号に基づいて該電磁弁を制御
する制御手段とから構成されているので、タイマピスト
ンの作動周波数とエンジンの回転速度との微小なずれに
起因して生じる「揺らぎ現象」の発生を、多数の試験工
程を要することなく低コストで容易に抑制することがで
きるため、タイマピストンの位置を精度よく調整するこ
とができ、燃料噴射時期の制御を適切に行なうことがで
きるようになり、エンジンの性能向上に寄与しうる利点
がある。
【0064】請求項2記載の本発明のエンジンの燃料噴
射時期制御装置によれば、請求項1記載の構成におい
て、上記の第1の周波数と第2の周波数との切り替え周
期が、ほぼ0.5秒程度以下に設定されるという構成に
より、「揺らぎ現象」の発生を、より確実に抑制するこ
とができるため、タイマピストンの位置を精度よく調整
することができ、燃料噴射時期の制御を適切に行なうこ
とができるようになり、エンジンの性能向上に寄与しう
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンの燃料噴射
時期制御装置の要部構成を示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例としてのエンジンの燃料噴射
時期制御装置にかかるタイマピストンの駆動制御モデル
を示す図である。
【図3】ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプを示す断
面図である。
【図4】ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプのタイマ
を示す断面図であり、(A)は燃料噴射時期の進角制御
の開始前の状態を示し、(B)は燃料噴射時期の進角制
御の開始前の状態を示す。
【図5】本発明の課題である揺らぎ現象に関する実験デ
ータを示すグラフである。
【図6】本発明の課題である揺らぎ現象に関するシミュ
レーション結果を示すグラフである。
【図7】タイミングコントロールバルブの駆動周波数と
エンジン回転との関係を示すとともに、従来の技術を示
す図である。
【図8】タイミングコントロールバルブの駆動周波数と
エンジン回転との周波数差と、揺らぎ現象によるタイマ
ピストンの振幅の特性をタイミングコントロールバルブ
の駆動周波数毎に示す図である。
【符号の説明】
10 ポンプ本体 11 フィードポンプ 12 ドライブシャフト 13 ポンプ室 14 通路 15 燃料圧送用プランジャ 16 燃料カット用マグネットバルブ 17 プランジャ室 17A 連通口 18 通路 19 デリバリバルブ 20 カムディスク 21 スプリング 22 ローラホルダ 23 ローラ 24 コントロールスリーブ 25 ガバナ(エレクトリックガバナ) 26 レギュレータバルブ 27 センシングギヤプレート 28 燃料温度センサ 29 チェックバルブ付きのオーバフローバルブ 30 タイマ 31 タイマピストン 32 シリンダ 33 ピストンピン 34 第1圧力室 35 第2圧力室 36 通路 37 オリフィス 38 タイマスプリング 39 タイマ制御用電磁弁としてのタイミングコントロ
ールバルブ(TCV) 39A タイミングコントロールバルブ39のコイル 41 制御手段としてのECU(電子制御ユニット) 42 第1の信号発生手段 43 第2の信号発生手段 44 周波数信号切替手段 44A タイムカウンタ 44B スイッチ 45 デューティ比決定手段 46 タイミングコントロールバルブ制御手段(制御手
段) 46A 0クロス検出器 46B 三角波発生器 46C コンパレータ 46D アンド回路 46E トランジスタ 47 目標ピストン位設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 51/00 F02M 51/00 F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給される油圧に応じてタイマピストン
    を移動させることで燃料噴射弁から噴射されるエンジン
    の燃料噴射時期を変更しうるタイマと、 所要のデューティ比に制御されながら該タイマへ供給さ
    れる油圧を調整するタイマ制御用電磁弁と、 該エンジンの運転状態に応じて該電磁弁の該デューティ
    比を決定するデューティ比決定手段と、 第1の周波数を有する周波数信号を発生する第1の信号
    発生手段と、 該第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する周波数
    信号を発生する第2の信号発生手段と、 該タイマピストンの変動が生じない短時間で周期的に該
    第1の信号発生手段からの該第1の周波数を有する信号
    と該第2の信号発生手段からの該第2の周波数を有する
    信号とを交互に切り替えながら出力する周波数信号切替
    手段と、 上記の周波数信号切替手段から出力された信号に基づく
    周波数を有し該デューティ比決定手段で決定したデュー
    ティ比によるオン・オフ信号に基づいて該電磁弁を制御
    する制御手段とから構成されていることを特徴とする、
    エンジンの燃料噴射時期制御装置。
  2. 【請求項2】 上記の第1の周波数と第2の周波数との
    切り替え周期が、ほぼ0.5秒程度以下に設定されてい
    ることを特徴とする、請求項1記載のエンジンの燃料噴
    射時期制御装置。
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