JP3628839B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 - Google Patents
ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3628839B2 JP3628839B2 JP12888297A JP12888297A JP3628839B2 JP 3628839 B2 JP3628839 B2 JP 3628839B2 JP 12888297 A JP12888297 A JP 12888297A JP 12888297 A JP12888297 A JP 12888297A JP 3628839 B2 JP3628839 B2 JP 3628839B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel injection
- timing
- fuel
- tcv
- valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼルエンジンに対して高圧燃料を噴射供給する時期を制御するようにしたディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般なディーゼルエンジンにおいては、燃料タンクの燃料を燃料噴射ポンプにより高圧に加圧し、その加圧された燃料を噴射ノズルからエンジンの燃焼室に噴射供給するようにしている。以下、このような燃料噴射ポンプの構成例を図9を参照して説明する。
【0003】
同図に示すように、燃料噴射ポンプ200は、エンジンのクランク軸(いずれも図示略)に駆動連結されたドライブシャフト201を備えており、このドライブシャフト201の基端側(図の右端側)には円板状のパルサ202が取り付けられている。更に、ドライブシャフト201の基端部は図示しないカップリングを介してカムプレート203に接続されている。このカムプレート203のカムフェイス203aには複数の凸部203bが形成されている。
【0004】
パルサ202とカムプレート203との間にはローラリング204がドライブシャフト201に対して相対回転可能に設けられている。このローラリング204はカムフェイス203aに対向しており、その外周には前記凸部203bと同数のカムローラ205が取り付けられている。更に、カムプレート203はスプリング206によって付勢されて常にカムローラ205に係合している。
【0005】
また、カムプレート203には燃料加圧用のプランジャ208が取り付けられており、両部材203,208はドライブシャフト201の回転に伴って一体回転する。この際、カムフェイス203aの凸部203bがカムローラ205に係合することにより、プランジャ208は往復動する。即ち、プランジャ208は1回転する間にカムローラ205と同数の回数だけ往復動する。そして、このプランジャ208の往復動によって高圧室209の燃料が加圧され、この加圧された燃料が噴射管210を介して燃料噴射ノズル(図示略)に分配圧送される。
【0006】
更に、燃料噴射ポンプ200は、燃料噴射時期を変更するためのタイマ装置(図では90度展開されている)220を備えている。このタイマ装置220は、ドライブシャフト201の回転方向に対するローラリング204の位置を変更することにより、カムフェイス203aの凸部203bとカムローラ205とが係合する時期、すなわちカムプレート203及びプランジャ208の往復動時期を変更する。
【0007】
このタイマ装置220は、タイマハウジング221、同ハウジング221内に嵌装されたタイマピストン222、同じくタイマハウジング221内の一側(図の左側)の低圧室223に設けられてタイマピストン222を他側(図の右側)の高圧室224へ付勢するタイマスプリング225等から構成されている。タイマピストン222はスライドピン226を介してローラリング204に接続されている。また、高圧室224には、フィードポンプ230により加圧された燃料が導入される。従って、高圧室224の燃料圧力に基づく付勢力とタイマスプリング225の付勢力とが平衡する位置にタイマピストン222が移動する。このタイマピストン222の移動に伴いローラリング204の位置が変更され、プランジャ208の往復動時期が変更される。
【0008】
更に、タイマ装置220には、高圧室209に作用する燃料圧力を調整するために、タイミングコントロールバルブ(以下、「TCV」という)231が設けられている。即ち、タイマハウジング221の高圧室209と低圧室223とが連通路232によって連通されており、同連通路232の途中にTCV231が介在されている。このTCV231は、デューティ制御された通電信号によって開閉制御される電磁弁である。即ち、TCV231のソレノイド(図示略)には、図10(b)に示すような断続的な駆動電圧信号が印加される。そして、この印加時間の割合(同図において、周期Tに対する印加時間Tonの割合)、即ち、デューティ比が変更されることにより、TCV231の開度が調節される。そして、このTCV231の開度調整によって高圧室224内の燃料圧力が調整されることにより、プランジャ208の往復動時期が変更される。
【0009】
従って、上記のような燃料噴射ポンプ200を備えた燃料噴射時期制御装置では、TCV231をエンジンの運転状態に応じてデューティ制御することにより、各燃料噴射ノズルからの燃料の噴射時期を調整することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記制御装置において、燃料噴射時期を所望の時期に精度良く設定するためには、TCV231に対する通電制御が適切に行われる必要がある。TCV231に印加される駆動電圧信号が所定電圧値を下回った場合には、同TCV231における開度調整が適切に行われなくなり、燃料噴射時期を制御することが困難になる。
【0011】
例えば、エンジンの始動時においては、図10(a)に示すように、バッテリの電圧が一時的に低下するとともに、クランク軸の回転変動に同期して変動する。このようなバッテリ電圧の低下と変動が発生するのは、エンジンのスタータにおいて大電力が消費されることと、クランク軸を回転させるのに必要な駆動トルクが一定ではないことに起因している。また、このようなバッテリ電圧の低下と変動が発生する傾向は、特に低温時にエンジンを始動させる際に顕著である。これは、バッテリの放電特性が低温になるほど低下するためである。
【0012】
そして、このようにバッテリ電圧が変動した場合には、TCV231への印加電圧がそのバッテリ電圧の変動に伴って変動し、同TCV231を駆動させるのに必要な最低電圧を一時的に下回る状況が発生し得る。このため、上記制御装置では、バッテリ電圧の変動によってTCV231の開度調整が適切に行われなくなり、燃料噴射時期を所望の時期に設定することが困難になるおそれがあった。
【0013】
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、バッテリ電圧の変動に起因した制御性の悪化を防止することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、プランジャの往復動に伴い燃料を高圧室にて加圧するとともに、加圧された燃料をディーゼルエンジンに噴射供給するための燃料噴射ポンプと、前記高圧室での前記プランジャによる燃料の加圧を停止することにより燃料の噴射供給量を調節する電磁スピル弁と、前記プランジャの往復動時期を変更することにより燃料噴射ポンプからの燃料噴射時期を調節するタイミングコントロールバルブと、タイミングコントロールバルブに対して駆動用電圧を供給するためのバッテリと、タイミングコントロールバルブに対して駆動用電圧を断続的に印加するとともに、同駆動用電圧の印加時間を制御することにより燃料噴射時期を調節する制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、前記バッテリの電圧が変動して一時的に前記所定電圧以下になる状態になったことを、前記ディーゼルエンジンの運転状態が始動状態であることに基づいて検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記始動状態であるときには、前記タイミングコントロールバルブに対する前記駆動用電圧の印加時期を、同駆動電圧の印加時間が前記電磁スピル弁によって前記高圧室での前記プランジャによる燃料の加圧が停止されている期間内に存在し、かつ前記バッテリの電圧が所定電圧以上になる期間内に存在するようになる時期とし、前記始動状態以外であるときには、前記タイミングコントロールバルブに対する前記駆動用電圧の印加時期を、前記駆動電圧の印加終了が前記プランジャによる次回の燃料の加圧開始前となるよう、前記始動状態であるときの時期よりも早い時期に切り替えるものであることをその趣旨とする。
【0015】
上記構成において、燃料噴射量調節機構は、高圧室でのプランジャによる燃料の加圧を停止することにより、燃料噴射ポンプからの燃料の噴射供給を停止して燃料の噴射供給量を調節する。また、燃料噴射ポンプからディーゼルエンジンに燃料が噴射供給される燃料噴射時期が噴射時期調節機構によるプランジャの往復動時期の変更を通じて調節される。この燃料噴射時期調節機構にはバッテリの電圧が駆動用電圧として供給される。そして、制御手段は、この駆動用電圧を断続的に印加する際に、その印加時間を制御することにより燃料噴射時期を調節する。
【0016】
エンジン始動時のように、バッテリの電圧が変動して一時的に所定電圧以下になる状態になった場合、制御手段は、上記駆動用電圧の印加時期を、その印加の期間(印加時間)が高圧室でのプランジャによる燃料の加圧が停止されている期間内に存在し、かつバッテリの電圧が所定電圧以上になる期間内に存在するようになる時期とする。従って、バッテリの電圧が変動していても、タイミングコントロールバルブを駆動させるのに必要な大きさの駆動用電圧が同バルブに対して印加される。このため、タイミングコントロールバルブにおける所期の作動量が確保される。
ところで、プランジャにより高圧室における燃料の加圧が行われている場合には、同プランジャに対して燃料の加圧に伴う駆動反力が作用する。従って、このようにプランジャに駆動反力が作用しているときに、同プランジャの往復動時期を変更するようにした場合には、その変更動作が安定せず燃料噴射時期制御における制御性が悪化する傾向がある。
この点、上記構成にあっては、上記駆動用電圧の印加時期を、その印加の期間(印加時間)が高圧室でのプランジャによる燃料の加圧が停止されている期間内に存在するようになる時期に設定している。このため、前述したような駆動反力がプランジャに作用していないときに、その往復動時期の変更が行われる。従って、燃料噴射時期を変更する際における変更動作の不安定化が抑制される。
【0020】
また、上記構成によれば、エンジン始動時以外のように、バッテリの電圧が変動して一時的に前記所定電圧以下になるような状態ではない場合、制御手段は、タイミングコントロールバルブに対する駆動用電圧の印加時期を、上記駆動電圧の印加終了がプランジャによる次回の燃料の加圧開始前となるよう、始動状態であるときの時期よりも早い時期に切り替える。従って、この場合も燃料噴射時期を変更する際における変更動作の不安定化が抑制される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両には多気筒(例えば4気筒)を有するディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)2と、そのエンジン2の気筒毎に設けられた燃料噴射ノズル4と、各燃料噴射ノズル4に燃料を供給するための燃料噴射ポンプ1とが搭載されている。燃料噴射ポンプ1は、1本のプランジャ12を回転させながら往復動させて、各燃料噴射ノズル4に燃料を分配圧送するタイプの分配型燃料噴射ポンプである。燃料噴射ポンプ1及び燃料噴射ノズル4は噴射管106によって連結されている。
【0026】
図2に示すように、燃料噴射ポンプ1にはドライブシャフト5が回転可能に支持されており、そのシャフト5の先端(図の左端)にドライブプーリ3が取り付けられている。ドライブプーリ3及びエンジン2のクランク軸41にはベルト等が掛装されており、これらドライブプーリ3、ベルト等によりクランク軸41の回転がドライブシャフト5に伝達される。
【0027】
燃料噴射ポンプ1内において、ドライブシャフト5上にはべーン式ポンプよりなる燃料フィードポンプ(図では90度展開されている)6が設けられている。ドライブシャフト5の基端部(図の右端部)には円板状のパルサ7が取り付けられている。また、ドライブシャフト5の基端部は図示しないカップリングを介してカムプレート8に接続されている。
【0028】
パルサ7とカムプレート8との間には、燃料噴射時期の変化に応じて回動するローラリング9が設けられ、同カムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数のカムローラ10がローラリング9の円周に沿って取り付けられている。カムフェイス8aには凸部8bがエンジン2の気筒数と同数だけ設けられている。カムプレート8はスプリング11によって付勢され常にカムローラ10に係合している。
【0029】
カムプレート8には燃料加圧用のプランジャ12が取り付けられ、両部材8,12はドライブシャフト5の回転に連動し、一体となって回転する。即ち、ドライブシャフト5の回転力が図示しないカップリングを介してカムプレート8に伝達される。この伝達により、カムプレート8が回転しながらカムローラ10に係合して、気筒数と同数回だけ図中左右方向へ往復動する。この往復動にともないプランジャ12が回転しながら同方向へ往復動する。即ち、カムフェイス8aの凸部8bがローラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往動(リフト)し、その逆に凸部8bがカムローラ10から降りる過程でプランジャ12が復動する。
【0030】
プランジャ12はポンプハウジング13に形成されたシリンダ14に嵌挿されており、そのプランジャ12の先端面とシリンダ14の内底面との間に高圧室15が形成されている。プランジャ12の先端部外周には、エンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分配ポート17とが形成されている。これらの吸入溝16及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13には分配通路18及び吸入ポート19が形成されている。
【0031】
ドライブシャフト5が回転して燃料フィードポンプ6が作動することにより、燃料タンク(図示略)内の燃料が、燃料供給ポート20を介して燃料室21へ供給される。そして、プランジャ12が復動されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝16の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料室21内の燃料が高圧室15内へ導入される。一方、プランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮行程中には、燃料が分配通路18から各燃料噴射ノズル4へ圧送される。
【0032】
ポンプハウジング13には、高圧室15と燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピル通路22が形成されている。スピル通路22の途中には、高圧室15からの燃料のスピルを調整する電磁スピル弁23が設けられている。電磁スピル弁23はソレノイド24を有する常開型の弁であり、同ソレノイド24が無通電(オフ)の状態では弁体25によりスピル通路22が開放されて高圧室15内の燃料が燃料室21へスピルされる。これに対して、ソレノイド24が通電(オン)されると、弁体25によりスピル通路22が閉鎖されて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止められる。
【0033】
従って、電磁スピル弁23の通電時間を変化させることにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが調整される。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル弁23を開弁させることにより、高圧室15内における燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が停止される。従って、プランジャ12が往動しても、電磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料の加圧が行われず、各燃料噴射ノズル4から燃料が噴射されない。プランジャ12の往動中に、電磁スピル弁23の閉弁時期を制御することにより、燃料噴射ノズル4からの燃料の噴射終了時期が変更されて燃料噴射量が調整される。
【0034】
ポンプハウジング13の下側には、燃料噴射時期を調節するためのタイマ装置(図2では90度展開されている)26が設けられている。タイマ装置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するローラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス8aの凸部8bがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレート8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更する。
【0035】
タイマ装置26は所定の制御圧が供給されることにより駆動されるものである。図2及び図3に示すように、このタイマ装置26は、タイマハウジング27、同ハウジング27内に嵌装されたタイマピストン28、同じくタイマハウジング27内の一側(図の左側)の低圧室29にてタイマピストン28を他側(図の右側)の高圧室30へ付勢するタイマスプリング31等から構成されている。タイマピストン28はスライドピン32を介してローラリング9に接続されている。
【0036】
上記タイマ装置26において、高圧室30には燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入される。そして、その燃料圧力とタイマスプリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマピストン28の位置が決定される。これに伴いローラリング9の位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ12の往復動時期が決定される。
【0037】
タイマ装置26の制御圧として作用する燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコントロールバルブ(TCV)33が設けられている。このTCV33は、タイマハウジング27の高圧室30と低圧室29とを連通する連通路34の途中に介在されている。
【0038】
TCV33は、デューティ制御された駆動電圧信号に基づいて開閉制御される常閉型の電磁弁であり、図3に示すように、ケーシング331、同ケーシング331内に嵌装された棒状のスプール332、ケーシング331内におけるスプール332の位置を変更するソレノイド333等を備えている。また、スプール332の基端側(図3の右側)には可動コア334が固定されている。
【0039】
更に、ケーシング331の内部には、ソレノイド333に発生する電磁力を可動コア334に作用させるための固定コア335が設けられている。固定コア335と可動コア334との間にはスプリング336が設けられており、このスプリング336によって、スプール332はその先端側(図2の左側)に常時付勢されている。
【0040】
ケーシング331には、高圧側ポート331aと低圧側ポート331bが形成されており、これら各ポート331a,331bは連通路34によって高圧室30と低圧室29とにそれぞれ接続されている。また、スプール332の先端側部分には、ランド332aと、同ランド332aの先端側に位置するパセージ332bとが形成されている。これらランド332a及びパセージ332bはスプール332の位置に応じて、両ポート331a,331b間を連通し、或いは遮断する。
【0041】
ソレノイド333が通電されると、同ソレノイド333に発生する電磁力が固定コア335を介して可動コア334に作用し、同コア334が固定コア335側に吸引される。従って、スプール332はスプリング336の付勢力に抗して基端側に移動する。その結果、高圧側ポート331aと低圧側ポート331bとはパセージ332bにより連通される。即ち、TCV33が開弁状態となる。
【0042】
これに対して、ソレノイド333への通電が停止されると、同ソレノイド333には電磁力が発生しなくなることから、スプール332はスプリング336の付勢力によって先端側に移動する。その結果、高圧側ポート331aと低圧側ポート331bとがランド332aにより閉塞される(図3に示す状態)。即ち、TCV33が閉弁状態となる。
【0043】
TCV33が開弁状態となると、高圧室30内の燃料は両ポート331a,331b及びパセージ332bを介して低圧室29側に流れ、高圧室30内の燃料圧力が徐々に低下する。その結果、タイマピストン28はタイマスプリング31の付勢力によって高圧室30側に移動する。このようにタイマピストン28の位置が変更されることにより、ローラリング9の位置が変更される。そして、ローラリング9の位置変更に伴いプランジャ12の往復動時期が変更されることにより、燃料噴射時期が変更される。
【0044】
燃料噴射時期は、TCV33の開弁時における高圧室30内の燃料圧減少量によって調節され、この燃料圧減少量はTCV33の開弁期間、換言すれば、ソレノイド333が通電される時間によって調節される。
【0045】
例えば、ソレノイド333に対する通電信号のデューティ比がより小さい値に変更され、通電時間が減少した場合には、タイマピストン28は先端側に移動する。その結果、このタイマピストン28の移動に伴ってローラリング9は図3の矢印Aで示す方向に回転し、燃料噴射時期が早められる(進角側に変更される)ことになる。
【0046】
これに対して、デューティ比がより大きい値に変更され、ソレノイド333に対する通電時間が増加した場合には、タイマピストン28は基端側に移動する。その結果、このタイマピストン28の移動に伴ってローラリング9は図3の矢印Bで示す方向に回転し、燃料噴射時期が遅らせられる(遅角側に変更される)ことになる。
【0047】
また、図2に示すように、燃料噴射ポンプ1において、ローラリング9の上部には、回転速度センサ35がパルサ7の外周面に対向して取り付けられている。この回転速度センサ35は電磁ピックアップコイルよりなり、パルサ7の外周面に形成された突起部が横切る度に検出信号を出力する。より詳しくは、図4に示すように、パルサ7の外周面にはエンジン2の気筒数と同数(この場合4個)の欠歯部7aが等角度間隔で形成され、さらに互いに隣接する欠歯部7a間には多数個の突起部7bが等角度間隔で形成されている。
【0048】
従って、クランク軸41の回転に伴いパルサ7が回転すると、回転速度センサ35からは、図5に示すように所定角度(図では11.25°CA、CAはクランク角である)毎に、各突起部7bに対応した回転角パルスが出力されるとともに、欠歯部7aに対応した、基準となる回転角パルス(基準位置信号)が出力される。但し、図では説明の便宜上、波形整形後の出力信号が示されている。そして、これらの回転角パルスから燃料噴射ポンプ1の回転速度、即ちエンジン2におけるクランク軸41の時間当たりの回転数(エンジン回転速度NE)が検出可能である。また、同図において、「CNIRQ」は初期値を「0」としたカウンタ値であり、基準位置信号の後に回転角パルスが出力される毎に「1」づつ増加する。尚、回転速度センサ35はローラリング9と一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関わりなく、プランジャ12の往復動に対して一定のタイミングで基準となるタイミング信号を出力する。
【0049】
次に、エンジン2について説明する。図1に示すように、このエンジン2ではシリンダ41、ピストン42及びシリンダヘッド43によって、各気筒に対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。この主燃焼室44には、吸気管47及び排気管50がそれぞれ接続されている。この吸気管47内には、アクセルペダル57の踏込量に応じて開閉されるスロットルバルブ58が設けられている。
【0050】
また、シリンダヘッド43には各主燃焼室44に連通する副燃焼室45が各気筒に対応して設けられている。シリンダヘッド43には気筒毎に燃料噴射ノズル4が取り付けられており、各副燃焼室45へ対応する燃料噴射ノズル4から燃料が噴射されるようになっている。
【0051】
エンジン2には、その運転状態を検出するために、前述した回転速度センサ35に加えて以下の各種センサが設けられている。吸気管47には、スロットルバルブ58の開度からアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ36が設けられている。更に、エンジン2には、その冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ37が取り付けられている。吸気管47には、同管47の内部における吸気の圧力(吸気圧PIM)を検出する吸気圧センサ38が設けられている。
【0052】
また、エンジン2には、クランク角センサ39が取り付けられている。このクランク角センサ39は、クランク軸41の回転と同期してクランク角パルスを出力する。このクランク角パルスは特定気筒のピストン42が上死点に達したときに出力されるように設定されている。
【0053】
更に、エンジン2には、同エンジン2を始動させるためのスタータ(図示略)が設けられている。このスタータにはその動作状態を検知するスタータスイッチ40が設けられている。スタータスイッチ40は、エンジン始動時において運転者によりイグニションスイッチ(図示略)がOFF位置の状態からスタート位置まで操作され、スタータが作動しているとき(クランキング状態)に、スタータ信号STAを「ON」として出力する。一方、エンジン2の始動が完了して、イグニションスイッチがスタート位置からON位置まで戻されると、スタータスイッチ40は、スタータ信号STAを「OFF」として出力する。
【0054】
前述した電磁スピル弁23、TCV33、各センサ35〜39、及びスタータスイッチ40は電子制御装置(以下単に「ECU」という)71にそれぞれ接続されている。
【0055】
次に、このECU71の構成について、図6のブロック図に従って説明する。ECU71は中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム、マップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデータを保存するバックアップRAM84を備えている。これら各部81〜84と入力ポート85及び出力ポート86とはバス87によって接続されている。
【0056】
前述したアクセル開度センサ36、水温センサ37、及び吸気圧センサ38は、それぞれバッファ88,89,90、マルチプレクサ92及びA/D変換器93を介して入力ポート85に接続されている。また、回転速度センサ35及びクランク角センサ39は、波形整形回路95を介して入力ポート85に接続されている。更に、スタータスイッチ40は、入力ポート85に直接接続されている。CPU81は各センサ35〜39及びスタータスイッチ40の信号を入力ポート85を介して読み込む。
【0057】
また、電磁スピル弁23、TCV33は、それぞれ駆動回路96,97を介して出力ポート86に接続されている。CPU81は入力ポート85を介して読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁23、TCV33を制御する。
【0058】
更に、車両には、バッテリ98が搭載されており、同バッテリ98はECU71の定電圧回路99に接続されている。このバッテリ98の電圧に基づいて、電磁スピル弁23のソレノイド24やTCV33のソレノイド333等に対して駆動回路から駆動電圧信号が印加される。
【0059】
次に、目標燃料噴射時期を決定するための制御手順について図7に示す「目標燃料噴射時期算出ルーチン」を参照して説明する。ECU71は、このルーチンにおける各処理を所定制御周期毎に実行する。
【0060】
ステップ101において、ECU71は各種センサ35〜38の検出信号からそれぞれエンジン回転速度NE、アクセル開度ACCP、吸気圧PIM、及び冷却水温THWを読み込むとともに、燃料噴射量QFINをRAM84からそれぞれ読み込む。更に、ステップ101において、ECU71はスタータスイッチ40からのスタータ信号STAを読み込む。ここで、燃料噴射量QFINは、本ルーチンとは別の燃料噴射量算出ルーチンにおいて、アクセル開度ACCP、エンジン回転速度NE、吸気圧PIM、冷却水温THW等に基づき算出された後、RAM84に記憶される値である。
【0061】
ステップ102において、ECU71は、エンジン回転速度NE及び燃料噴射量QFINに基づいて基本噴射時期ABSEを算出する。この基本噴射時期ABSEは後述する目標噴射時期ATRGを算出する際の基準値となるものであり、クランク軸41の回転角、即ち、クランク角度に相当する値である。
【0062】
次に、ステップ103において、ECU71は、吸気圧PIM及び冷却水温THWに基づいて基本噴射時期ABSEを補正することにより、目標燃料噴射時期ATRGを算出する。ここで、例えば、吸気圧PIM或いは冷却水温THWが低い場合には、燃料噴射時期を進角させるべく、基本噴射時期ABSEが補正されて目標燃料噴射時期ATRGが進角側の値に設定される。
【0063】
次に、ECU71は、ステップ104及びステップ105の各処理により、エンジン2が始動状態であるか否かを判定する。
即ち、ステップ104において、ECU71は、スタータ信号STAが「ON」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、ECU71は、エンジン2がスタータの作動によりクランキング状態であるため、処理をステップ105に移行する。
【0064】
ステップ105において、ECU71はエンジン回転速度NEが判定速度NEJより大きいか否かを判定する。この判定速度NEJは、エンジン2が完爆状態に移行したか否かを判定するための値であり、例えば、本実施形態においては「900rpm」に設定されている。このステップ105で肯定判定された場合、ECU71はエンジン2がスタータの作動によって完爆状態に移行したものと判断し、処理をステップ107に移行する。また、ステップ104において、否定判定された場合、即ち、エンジン2がクランキング状態ではない場合も同様に、ECU71は処理をステップ107に移行する。
【0065】
ステップ107において、ECU71はTCV33の開弁時期TCVON、即ち、同TCV33のソレノイド333に対して通電を開始する時期を第1の開弁時期TCVON1に設定する。本実施形態において、この第1の開弁時期TCVON1はタイマ装置26の作動を安定化させるうえで好適な時期に設定されている。以下、この第1の開弁時期TCVON1について説明する。
【0066】
図8(a)及び図8(d)は、前述した回転角パルスと、電磁スピル弁23(ソレノイド24)に対して出力される駆動信号とを示している。
同図(d)において、電磁スピル弁23が通電されている期間(図中、「ON」期間)では、前述したように、同弁23が閉弁状態となっているため、スピル通路22が閉鎖されている。従って、高圧室15内の燃料はプランジャ12の往動により加圧されるとともに、分配通路18等を介して各燃料噴射ノズル4へ圧送されている。
【0067】
これに対して、電磁スピル弁23への通電が停止されている期間(図中、「OFF」期間)では、同弁23が開弁状態となり、高圧室15内の燃料はスピル通路22を介して燃料室21へスピルされている。従って、高圧室15内における燃料の加圧は停止されている。
【0068】
また、本実施形態において、電磁スピル弁23への通電が開始されて同弁23が閉弁状態となる時期は常に一定である。即ち、回転角パルスのカウンタ値CNIRQが「2」となった時期に、電磁スピル弁23は閉弁する。一方、電磁スピル弁23への通電が停止されて同弁23が開弁状態となる時期は、前述した燃料噴射量QFINに基づいて設定されている。燃料噴射量QFINはエンジン2の運転状態に応じて変化することから、その変化に応じて電磁スピル弁23の開弁時期も変化することになる。
【0069】
ここで、電磁スピル弁23が閉弁状態となり、プランジャ12により高圧室15の燃料が加圧されているときには、同プランジャ12に作用する駆動反力によって、ローラリング9に対して同リング9を遅角方向に回転させようとする回転力が作用している。そして、この回転力は、タイマピストン28に対して、同ピストン28を基端側(図3の右側)へ付勢する力として作用する。このような付勢力がタイマピストン28に作用しているときに、TCV33を開弁させて燃料噴射時期を変更した場合、タイマ装置26の作動が不安定になり、タイマピストン28を所定の位置に移動させることが困難になる。その結果、燃料噴射時期の制御性が悪化するおそれがある。
【0070】
従って、上記のような制御性の悪化を防止するうえでは、電磁スピル弁23が開弁した後にTCV33が開弁するように、同TCV33の開弁時期TCVONが設定されていることが望ましい。また、前述したように、電磁スピル弁23の開弁時期はエンジン2の運転状態に応じて変化していることから、TCV33の開弁時期TCVONは、燃料噴射量QFINが最大となって電磁スピル弁23の開弁時期が最も遅れた時期以降に設定される必要がある。
【0071】
更に、これに加え、前述したようなタイマ装置26における作動の不安定化を防止するうえでは、TCV33の開弁時期TCVONに関して、以下の条件が満たされることが望ましい。即ち、TCV33の開弁時期TCVONを電磁スピル弁23の開弁時期よりも十分に遅く設定することにより、TCV33は常に電磁スピル弁23が開弁した後に開弁するようになるが、その一方で、同TCV33が未だ閉弁しないうちに電磁スピル弁23が次周期において閉弁してしまうおそれがある。
【0072】
このように、TCV33が開弁しているときに電磁スピル弁23が閉弁すると、前述した場合と同様に、プランジャ12の燃料加圧動作の影響により、タイマ装置26の作動が不安定となって燃料噴射時期の制御性が悪化するおそれがある。このため、TCV33の開弁時期TCVONは、電磁スピル弁23が閉弁するよりも前に同TCV33が閉弁するように設定されていることが望ましい。
【0073】
従って、エンジン2が始動時以外の運転状態にあって、燃料噴射時期を最も遅角させる場合、即ち、TCV33の開弁期間が最大になる場合であっても、TCV33の開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように、同TCV33の開弁時期TCVONが設定されていることが望ましい。
【0074】
そこで、本実施形態においては、図8(f)に示すように、第1の開弁時期TCVON1を回転角パルスのカウンタ値CNIRQが「9」となる時期に設定することにより、上記条件を満たすようにしている。
【0075】
尚、エンジン2に要求される燃料噴射量やタイマ装置26の性能等によっては、TCV33の開弁期間よりも電磁スピル弁23の開弁期間が短くなり、上記のようにTCV33の開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように、同TCV33の開弁時期TCVONを設定することができない場合もあり得る。
【0076】
このような場合には、電磁スピル弁23が閉弁している間にTCV33が閉弁状態から開弁状態に移行することがないように、即ち、同スピル弁23の閉弁期間終期とTCV33の開弁期間始期とが重なることがないように、同TCV33の開弁時期TCVONを設定することが望ましい。これは以下の理由による。
【0077】
高圧室15の燃料圧力は加圧行程の開始時に比べて同行程の終了時に最も大きくなり、また、この加圧行程の開始時及び終了時は、電磁スピル弁23の閉弁時期及び開弁時期にそれぞれ対応している。即ち、電磁スピル弁23の閉弁期間終期にあっては、高圧室15の燃料圧力が増大しており、タイマピストン28に最も大きな付勢力が作用していることになる。従って、燃料噴射時期を精度良く設定するうえで、この時期にタイマ装置26を作動させることは好ましくない。
【0078】
このため、上記のように、電磁スピル弁23の閉弁期間終期とTCV33の開弁期間始期とが重なることがないように、TCV33の開弁時期TCVONを設定することにより、プランジャ12の燃料加圧動作の影響によってタイマ装置26の動作が不安定になることを最小限に抑えることができる。
【0079】
以下、再び「目標燃料噴射時期算出ルーチン」について説明する。
ステップ104にて肯定判定された後に、ステップ105において否定判定された場合、ECU71はエンジン2がクランキング状態であって、未だ完爆状態に移行していないことから処理をステップ106に移行する。
【0080】
ステップ106において、ECU71はTCV33の開弁時期TCVONを第2の開弁時期TCVON2に設定する。本実施形態において、この第2の開弁時期TCVON2は、バッテリ98の変動に起因した燃料噴射時期の変動を抑制するとともに、タイマ装置26の作動を安定化させるうえで好適な時期に設定されている。以下、この第2の開弁時期TCVON2について説明する。
【0081】
エンジン2を始動させる場合には、前述したように、バッテリ98の電圧が一時的に低下するとともに、その電圧がクランク軸41の回転変動に同期して変動する。図8(b)及び図8(c)は、このクランク軸41の回転変動(エンジン回転速度NEの変動)及びバッテリ98の電圧Eの変動をそれぞれ示している。前述したように、ECU71には定電圧回路99が設けられており、同回路99によってTCV33への駆動電圧信号に対するバッテリ電圧Eの変動の影響はある程度抑えられるものの、その影響を完全に除去することはできない。
【0082】
ここで、TCV33の開弁時期TCVONは、バッテリ98の変動に起因した燃料噴射時期の変動を防止するために以下の条件を満たしている必要がある。即ち、TCV33の開弁時期TCVONは、始動時において燃料噴射時期が最も遅角され、同TCV33の開弁期間が最も長くなった場合を想定し、その場合でも同開弁期間が所定期間T1内に存在するように設定されている必要がある。ここで、所定期間T1は、TCV33を正常に駆動させるために必要なバッテリ電圧Eの大きさを駆動最低電圧Elow (図8(c)において一点鎖線で示す)とした場合に、バッテリ電圧Eがその駆動最低電圧Elow を上回る期間である。
【0083】
更に、TCV33の開弁時期TCVONは、プランジャ12の燃料加圧動作の影響により、タイマ装置26の作動が不安定になって燃料噴射時期の制御性が悪化することを抑制するため、以下の条件を満たしていることが望ましい。即ち、エンジン2の始動時において、燃料噴射時期を最も遅角させる場合、即ち、TCV33の開弁期間が最大になる場合であっても、前述したように、TCV33の開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように、TCV33の開弁時期TCVONが設定されていることが望ましい。
【0084】
ここで、エンジン2の運転状態を始動時に限定した場合、燃料噴射量QFINの最大値は、始動時以外の運転状態における同噴射量QFINの最大値と比較して小さいため、電磁スピル弁23の閉弁期間が相対的に短くなる。更に、始動時以外の運転状態と比較して、始動時にあっては、燃料噴射時期がより進角側の限られた時期にしか変更されない。
【0085】
従って、エンジン2の運転状態を始動時に限定した場合、TCV33の開弁期間が前記所定期間T1内に存在し、且つ、同開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように、TCV33の開弁時期TCVONを設定することが可能である。
【0086】
そこで、本実施形態においては、第2の開弁時期TCVON2を回転角パルスのカウンタ値CNIRQが「11」となる時期に設定することにより、上記各条件を満たすようにしている。
【0087】
尚、図8(c)に示すバッテリ電圧Eの変動は、クランク軸41における駆動トルクの変動に起因するものであるため、エンジン回転速度NEが変化しなければ、その周期は常に一定である。また、始動時にあっては燃料噴射時期はごく限られた領域内でしか変更されないため、このバッテリ電圧Eの変動と回転角パルスのカウンタ値CNIRQとの相関関係も殆ど変化しない。従って、前述したように、バッテリ電圧Eが前記駆動最低電圧Elow を上回る期間をカウンタ値CNIRQに基づいて設定することができる。
【0088】
上記各ステップ106,ステップ107において、エンジン2の運転状態に応じてTCV33の開弁時期TCVONを第1の開弁時期TCVON1、又は第2の開弁時期TCVON2に設定した後、ECU71は本ルーチンにおける処理を一旦終了する。
【0089】
ECU71は、本ルーチンとは別のTCV駆動制御ルーチンにおいて、回転速度センサ35及びクランク角センサ39の各検出信号に基づいて、実燃料噴射時期を算出するとともに、この実燃料噴射時期と本ルーチンにおいて算出された目標噴射時期ATRGとを比較する。そして、TCV33に対しその比較結果に基づいた所定のデューティ比を有する駆動電圧信号を出力することにより、実燃料噴射時期が目標燃料噴射時期ATRGと一致するようにTCV33を制御する。尚、この制御の際に、TCV33の開弁時期TCVONが変更されることはない。即ち、TCV33の開弁時期TCVONは前記第1の開弁時期TCVON1或いは第2の開弁時期TCVON2のいずれかに設定されたままであり、同TCV33の閉弁時期のみが前記デューティ比に応じて変更される。
【0090】
以上説明したように、本実施形態では、バッテリ電圧Eが変動してTCV33が正常に駆動しない状況が発生し得るエンジン2の始動時において、TCV33の開弁時期TCVONを第2の開弁時期TCVON2に変更することにより、同TCV33の開弁期間を前記駆動最低電圧Elow を上回る期間内に設定するようにしている。
【0091】
従って、TCV33における駆動電圧が不足してしまうことがなく、同TCV33は駆動電圧信号のデューティ比に応じた所定期間だけ開弁状態となる。このように、TCV33が確実に動作することにより、タイマピストン28が所定の位置に配置されて、燃料噴射時期が同ピストン28の位置に応じた時期に設定される。
【0092】
その結果、本実施形態によれば、始動時にバッテリ電圧Eが変動している場合であっても、その変動に起因したタイマ装置26における作動不安定化を防止して、燃料噴射時期を精度良く制御することができる。
【0093】
更に、本実施形態によれば、始動時において燃料噴射時期が所定の時期に確実に設定されるため、バッテリ電圧Eがスタータの作動によって変動している場合であっても、エンジン2の良好な始動性を確保することができる。
【0094】
ここで、本実施形態とは異なり、エンジン2の運転状態が始動時であるか否かに関わらず、常に始動時に対応した第2の開弁時期TCVON2に固定しても、上記のようなバッテリ電圧Eの変動に起因した制御性の悪化を防止することは可能である。しかしながら、このような構成にあっては、始動時以外の時に、図8(e)の二点鎖線で示すように、TCV33の開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重なるオーバラップ期間が存在するようになり、タイマ装置26の作動に対してプランジャ12による燃料加圧動作が影響を及ぼすこともある。
【0095】
この点、本実施形態によれば、エンジン2が始動時であるか否かに応じてTCV33の開弁時期TCVONを切り替えるようにしているため、同開弁時期TCVONが始動時に適した時期に限定されてしまうことがない。従って、本実施形態によれば、始動時以外の時に、上記のような燃料加圧動作の影響を抑制すべく、TCV33の開弁期間と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように同TCV33の開弁期間を設定することができる。
【0096】
更に、本実施形態では、前述したように、始動時及び始動時以外の時であっても、TCV33の開弁時期TCVONを調節することにより、同TCV33の開弁期間を電磁スピル弁23の閉弁期間と重ならないように設定している。従って、プランジャ12が高圧室15の燃料を高圧に加圧する際の駆動反力が、タイマピストン28を遅角側に付勢する力として作用することがなく、安定したタイマ装置26の作動が確保される。その結果、本実施形態によれば、プランジャ12による燃料加圧動作の影響によって燃料噴射時期の制御性が悪化してしまうことを回避することができる。
【0097】
更に、本実施形態では、エンジン2の運転状態が始動状態であるか否かをスタータ信号STAとエンジン回転速度NEに基づいて検出するようにしている。例えば、仮にスタータ信号STAが「ON」となっていても、即ち、スタータが作動していても、エンジン2が完爆状態に移行すれば、クランク軸41は同エンジン2における燃焼・爆発によって回転するようになることから、同スタータにおける消費電力は極めて小さくなる。その結果、バッテリ98に対する電気的負荷は減少してバッテリ電圧Eの変動が発生する可能性は殆どない。
【0098】
この点、本実施形態によれば、エンジン回転速度NEが所定の回転速度(判定速度NEJ)を上回ったことにより、エンジン2が完爆状態に移行したこと検知することができるため、エンジン2がバッテリ電圧Eに変動が発生し得る状況にあるか否かをより確実に検出することができ、その検出結果に応じて前記開弁時期TCVONを変更することができる。
【0099】
以下、本実施形態により奏せられる効果を総括して列記する。
・バッテリ電圧Eが変動に起因したタイマ装置26における作動不安定化を防止して、燃料噴射時期を精度良く制御することができる。
【0100】
・エンジン2の良好な始動性を確保することができる
・タイマ装置26の作動を安定化させるべく、TCV33の開弁時期と電磁スピル弁23の閉弁期間とが重ならないように設定することができる。
【0101】
・TCV33の開弁時期TCVONが始動時に適した時期に限定されてしまうことがない。
・プランジャ12による燃料加圧動作の影響によって燃料噴射時期の制御性が悪化してしまうことを回避することができる。
【0102】
・エンジン2が、バッテリ電圧Eに変動が発生し得る状況にあるか否かをより確実に検出することができる。
尚、上記実施形態は以下のように構成を変更して実施することができる。
【0103】
・上記実施形態では、スタータ信号STAが「ON」になり、且つ、エンジン回転速度NEが判定速度NEJを上回ったときに、TCV33の開弁時期TCVONを変更するようにした。これに対して、例えば、外気温度を検出する外気温センサを更に備え、上記条件に加えて、同センサにより検出される外気温が所定温度を下回ったときに、TCV33の開弁時期TCVONを変更するようにしてもよい。或いは、スタータ信号STAのみ、又はエンジン回転速度NEのみに基づいてエンジン2が始動時であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0104】
・上記実施形態では、TCV33の開弁時期TCVONを回転角パルスのカウンタ値CNIRQに基づいて設定するようにした。これに対して、例えば、回転角パルスの基準位置信号が出力されてからの経過時間により同開弁時期TCVONを設定することもできる。
【0105】
・上記実施形態では、エンジン2が始動時であるか否かに応じて、バッテリ電圧Eの変動が発生し得る状況を検出するようにした。これに対して、バッテリ電圧Eの大きさを直接検出し、その検出されたバッテリ電圧Eに応じてTCV33の開弁時期TCVONを変更するようにしてもよい。また、この場合、上記実施形態とは異なり、TCV33の開弁時期TCVONをバッテリ電圧Eに応じて3段階以上に変更したり、或いは連続的に変更することも可能である。
【0106】
・上記実施形態において、電磁スピル弁23はその開弁時期に応じて高圧室15における燃料加圧の終了時期を変更することにより、燃料噴射量を決定するものであったが、同弁23は閉弁時期に応じて高圧室15における燃料加圧の開始時期を変更するものであってもよい。
【0107】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明では、エンジン始動時のように、バッテリの電圧が変動して一時的に所定電圧以下になる状態になった場合、タイミングコントロールバルブに対する駆動用電圧の印加時期を、その印加の期間(印加時間)が高圧室でのプランジャによる燃料の加圧が停止されている期間内に存在し、かつバッテリの電圧が所定電圧以上になる期間内に存在するようになる時期としている。
従って、エンジン始動時にバッテリの電圧が変動していても、タイミングコントロールバルブを駆動させるのに必要な大きさの駆動用電圧が同バルブに対して印加されるようになり、タイミングコントロールバルブにおける所期の作動量が確保される。その結果、バッテリ電圧の変動に起因した制御性の悪化を防止することができる。また、このときのプランジャの往復動時期の変更は、高圧室における燃料の加圧に伴う駆動反力がプランジャに作用していないときに行われるようになり、燃料噴射時期を変更する際における変更動作の不安定が抑制される。その結果、燃料噴射時期制御における良好な制御性を確保することができる。
【0109】
一方、エンジン始動時以外のように、バッテリの電圧が変動して一時的に前記所定電圧以下になるという状態でない場合には、タイミングコントロールバルブに対する駆動用電圧の印加時期を、上記駆動電圧の印加終了がプランジャによる次回の燃料の加圧開始前となるよう、始動状態であるときの時期よりも早い時期に切り替えるようにしている。従って、この場合も、燃料噴射時期を変更する際における変更動作の不安定化が抑制される。その結果、燃料噴射時期制御における良好な制御性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態におけるディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置を示す概略構成図。
【図2】燃料噴射ポンプを示す断面図。
【図3】タイマ装置及びTCV等を示す概略構成図。
【図4】回転速度センサ及びパルサを示す側面図。
【図5】回転速度センサの検出波形を示す説明図。
【図6】ECU等の電気的構成を示すブロック図。
【図7】「燃料噴射時期算出ルーチン」を説明するフローチャート。
【図8】バッテリ電圧の変動とTCVの作動との関係を示すタイミングチャート。
【図9】燃料噴射ポンプの構成例を示す断面図。
【図10】バッテリ電圧及びTCVに対する駆動電圧信号を示す線図。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…ディーゼルエンジン、12…プランジャ、15…高圧室、22…スピル通路、23…電磁スピル弁、26…タイマ装置、35…回転速度センサ、40…スタータスイッチ、71…ECU、98…バッテリ。
Claims (1)
- プランジャの往復動に伴い燃料を高圧室にて加圧するとともに、加圧された燃料をディーゼルエンジンに噴射供給するための燃料噴射ポンプと、前記高圧室での前記プランジャによる燃料の加圧を停止することにより燃料の噴射供給量を調節する電磁スピル弁と、前記プランジャの往復動時期を変更することにより前記燃料噴射ポンプからの燃料噴射時期を調節するタイミングコントロールバルブと、前記タイミングコントロールバルブに対して駆動用電圧を供給するためのバッテリと、前記タイミングコントロールバルブに対して前記駆動用電圧を断続的に印加するとともに、同駆動用電圧の印加時間を制御することにより前記燃料噴射時期を調節する制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置において、
前記バッテリの電圧が変動して一時的に前記所定電圧以下になる状態になったことを、前記ディーゼルエンジンの運転状態が始動状態であることに基づいて検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記始動状態であるときには、前記タイミングコントロールバルブに対する前記駆動用電圧の印加時期を、同駆動電圧の印加時間が前記電磁スピル弁によって前記高圧室での前記プランジャによる燃料の加圧が停止されている期間内に存在し、かつ前記バッテリの電圧が所定電圧以上になる期間内に存在するようになる時期とし、
前記始動状態以外であるときには、前記タイミングコントロールバルブに対する前記駆動用電圧の印加時期を、前記駆動電圧の印加終了が前記プランジャによる次回の燃料の加圧開始前となるよう、前記始動状態であるときの時期よりも早い時期に切り替える
ものであることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12888297A JP3628839B2 (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12888297A JP3628839B2 (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10318029A JPH10318029A (ja) | 1998-12-02 |
| JP3628839B2 true JP3628839B2 (ja) | 2005-03-16 |
Family
ID=14995695
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12888297A Expired - Fee Related JP3628839B2 (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3628839B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008240620A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の始動制御装置 |
| JP5911316B2 (ja) * | 2012-01-30 | 2016-04-27 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
-
1997
- 1997-05-19 JP JP12888297A patent/JP3628839B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10318029A (ja) | 1998-12-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3572937B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射機構の燃料圧制御装置 | |
| JP3683047B2 (ja) | 過給機付ディーゼル機関の加速制御装置 | |
| JP3628839B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 | |
| JP2005201185A (ja) | エンジンの制御装置 | |
| JP2003201865A (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
| JPH0960541A (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 | |
| JP3643188B2 (ja) | 電子制御ディーゼルエンジンの噴射時期制御装置 | |
| JPS6258034A (ja) | デイ−ゼル機関の燃料噴射制御装置 | |
| JP3746392B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
| EP0743441B1 (en) | Electronically controlled fuel injection apparatus for a diesel engine | |
| JP2611357B2 (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
| JP3561952B2 (ja) | ディーゼルエンジンのトルク制御装置 | |
| JP2800456B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置 | |
| JPH03145543A (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 | |
| JP2808921B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 | |
| JP2985470B2 (ja) | 燃料噴射時期制御装置 | |
| JP3092329B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
| JP2002227693A (ja) | 分配型燃料噴射装置 | |
| JP3316999B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
| EP1138921B1 (en) | Injection rate controller for internal combustion engine | |
| JPH063164B2 (ja) | デイ−ゼルエンジンの燃料噴射時期制御方法 | |
| JP3082187B2 (ja) | ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 | |
| JP3166616B2 (ja) | 電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置 | |
| JPH10288110A (ja) | ディーゼルエンジンの制御装置 | |
| JP3027907B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040511 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040630 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040924 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040927 |
|
| A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20041029 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041130 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041209 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217 Year of fee payment: 9 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |