JP2005201185A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 始動時から、バルブ作動角可変装置(VEL)により吸気バルブのバルブ作動角を小さくし、かつバルブタイミング可変装置(VTC)により吸気バルブのバルブタイミングを遅らせて、吸気バルブ閉時期を固定したまま、吸気バルブ開時期を上死点以降かつ排気バルブ閉時期以降へ遅らせる。また同時に、燃料噴射時期も遅らせる。そして、始動後のエンジン回転数の上昇により燃圧が上昇し、所定値SLを超えると、通常の状態へ戻す。
【選択図】 図5
Description
図1は本発明の一実施形態を示すエンジン(直噴火花点火式内燃機関)のシステム図である。
エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量を制御する電制スロットル弁3が設置されている。電制スロットル弁3は、エンジンコントロールユニット(以下ECUという)20からの信号により作動するステップモータ等により開度制御される。電制スロットル弁3の制御を受けた空気は、吸気バルブ4を介して、エンジン1の燃焼室5に吸入される。
燃料噴射弁7への燃料供給系について説明すると、燃料タンク8内の燃料は電動モータにより駆動される低圧燃料ポンプ9によって吸入され、この低圧燃料ポンプ9から吐出された低圧燃料はエンジン駆動される高圧燃料ポンプ10に供給される。低圧燃料ポンプ9から吐出されて高圧燃料ポンプ10に供給される燃料の圧力は、燃料タンク8に戻るリターン通路に介装された低圧プレッシャレギュレータ11によって所定の低圧に調整される。高圧燃料ポンプ10から吐出された高圧燃料は、燃料噴射弁7に供給され、その燃料圧力は、高圧燃料ポンプ10の吸入側に戻るリターン通路に介装された高圧プレッシャレギュレータ12によって所定の高圧に調整される。
燃焼室5内に噴射された燃料は混合気を形成し、点火プラグ6により点火されて燃焼する。燃焼後の排気は、排気バルブ13を介して、排気通路14へ排出される。排気通路14には排気浄化用の触媒15が設けられている。
このエンジンでの運転モードには、成層運転モードと均質運転モードとがあり、成層運転モードでは、圧縮行程後半にて燃料噴射を行い、燃焼室5内の点火プラグ6の周囲に成層化された混合気塊を形成することで、全体としては極めてリーンな空燃比(A/F=30〜40)で成層燃焼を行わせる。これに対し、均質運転モードでは、吸気行程にて燃料噴射を行い、燃焼室5の全体に均質な混合気を形成することで、ストイキ又はリーン空燃比(A/F=20〜30)での均質燃焼を行わせる。尚、本発明に係る始動時及び始動直後の制御は、均質運転モードにて行われる。
吸気バルブ4(1気筒につき2つ設けられる)の端部のバルブリフタ40の上方には、図外のクランク軸に連動して軸周りに回転駆動されるカム軸41が気筒列方向に延在している。このカム軸41の外周には、吸気バルブ4に対応して揺動カム42が揺動可能に外嵌されており、この揺動カム42がバルブリフタ40に当接してこれを押圧することにより、吸気バルブ4が図外のバルブスプリングのバネ力に抗して開閉駆動される。
VEL装置は、カム軸41に偏心して設けられてカム軸41と一体的に回転する駆動カム43と、この駆動カム43の外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンク44と、カム軸41と略平行に気筒列方向へ延在する制御軸45と、この制御軸45に偏心して設けられて制御軸45と一体的に回転する制御カム46と、この制御カム46の外周に相対回転可能に外嵌すると共に、一端がリング状リンク44の先端と相対回転可能に連結されたロッカアーム47と、このロッカアーム47の他端と揺動カム42の先端とに回転可能に連結され、両者47、42を機械的に連携するロッド状リンク48と、を有している。
また、VELソレノイド49により制御軸45を回動することにより、ロッカアーム47の揺動中心となる制御カム46の中心位置が変化して、各リンク44、48等の姿勢が変化し、揺動カム42の揺動角度範囲が変化する。これにより、バルブ作動角の中心位相が略一定のままで、バルブ作動角及びリフト量が連続的に変化する。より具体的には、制御軸45を一方向へ回動することにより、バルブ作動角及びリフト量が増加し、他方向へ回動することによりバルブ作動角及びリフト量が減少するようになっている。
一方、カム軸41は、クランク軸の回転がタイミングベルトによりスプロケット50に入力されて駆動されるが、スプロケット50とカム軸41との間に、これらの回転位相を制御可能なロータリーソレノイド(VTCソレノイド)51が装着されている。
次に、本発明に係る始動時及び始動直後の制御について、説明する。
イグニッションスイッチがONとなることで(図5のt1)、図4のフローがスタートする。
S1では、燃圧センサ25により検出される燃圧Pfを読込み、燃圧Pfが噴射燃料の微粒化が可能な所定値(しきい値SL)を超えているか否かを判定する。始動前で、高圧燃料ポンプ10は停止しているが、前回のエンジン停止からの時間が短い場合は、まだ燃圧Pfが高いことがあるからである。
S4では、スタートスイッチがONになったか否かを判定し、OFFの場合はS1へ戻る。
S5では、S1と同様に、燃圧センサ25により検出される燃圧Pfを読込み、燃圧Pfが噴射燃料の微粒化が可能な所定値(しきい値SL)を超えているか否かを判定する。
燃圧Pfが所定値以下の場合は、S6へ進み、VEL装置を通常運転時の状態に対し小作動角・低リフト量の状態に駆動・保持し、同時に、VTC装置を通常運転時の状態に対し遅角状態に駆動・保持する。また、S7では、燃料噴射時期を、図6に示すように、通常運転時の吸気行程前半での燃料噴射時期aに対し、遅角して、吸気バルブ閉時期以降で下死点(BDC)近傍の燃料噴射時期bに設定する。具体的には、図7に吸気バルブのバルブ作動角に対する燃料噴射時期のテーブルを示すように、燃料噴射時期は、吸気バルブのバルブ作動角に応じて設定し、実際のバルブ作動角が小さいほど、燃料噴射時期を遅らせて、燃料噴射時期が常に吸気バルブ開時期以降となるようにし、最終的なバルブ作動角の最小状態で燃料噴射時期が下死点(BDC)近傍となるようにする。そして、S5へ戻る。
S8では、VEL装置を通常運転時の状態(大作動角・高リフト量)に駆動・保持し、同時に、VTC装置を通常運転時の状態(進角状態)に駆動・保持する。また、S9では、燃料噴射時期を通常運転時の吸気行程前半での燃料噴射時期(進角状態)に設定する。この場合も、VEL装置及びVTC装置には動作遅れがあるので(図5のt4→t5)、燃料噴射時期はバルブ作動角に応じて設定し、バルブ作動角の増大に合わせて進角する(図7参照)。以降は通常制御となる。
2 吸気通路
3 電制スロットル弁
4 吸気バルブ
5 燃焼室
6 点火プラグ
7 燃料噴射弁
8 燃料タンク
9 低圧燃料ポンプ
10 高圧燃料ポンプ
13 排気バルブ
20 ECU
25 燃圧センサ
49 VELソレノイド
51 VTCソレノイド
Claims (9)
- 吸気バルブのリフト特性を変化させることのできる可変動弁装置と、燃料ポンプにより燃料噴射弁に供給される燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段とを備え、
エンジンの始動時から、前記可変動弁装置により吸気バルブ開時期を上死点以降かつ排気バルブ閉時期以降へ遅らせ、前記燃料圧力検出手段により検出される燃料圧力が所定値を超えた時に、吸気バルブ開時期を早い側へ戻すことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 前記可変動弁装置として、吸気バルブのバルブ作動角を変化させることのできるバルブ作動角可変装置を備え、
前記バルブ作動角可変装置により吸気バルブのバルブ作動角を小さくすることにより、吸気バルブ開時期を遅らせることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。 - 前記可変動弁装置として、吸気バルブのバルブタイミングを変化させることのできるバルブタイミング可変装置を備え、
前記バルブタイミング可変装置により吸気バルブのバルブタイミングを遅らせることにより、吸気バルブ開時期を遅らせることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。 - 前記可変動弁装置として、吸気バルブのバルブ作動角を変化させることのできるバルブ作動角可変装置と、吸気バルブのバルブタイミングを変化させることのできるバルブタイミング可変装置とを備え、
前記バルブ作動角可変装置により吸気バルブのバルブ作動角を小さくし、かつ前記バルブタイミング可変装置により吸気バルブのバルブタイミングを遅らせることにより、吸気バルブ開時期を遅らせることを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。 - 前記バルブ作動角可変装置により吸気バルブのバルブ作動角を小さくし、かつ前記バルブタイミング可変装置により吸気バルブのバルブタイミングを遅らせることにより、吸気バルブ閉時期を固定したまま、吸気バルブ開時期を遅らせることを特徴とする請求項4記載のエンジンの制御装置。
- 吸気バルブ閉時期は、下死点近傍に固定することを特徴とする請求項5記載のエンジンの制御装置。
- 吸気バルブ開時期を遅らせると同時に、燃料噴射時期を遅らせることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
- 遅らせるときの燃料噴射時期を下死点近傍に設定することを特徴とする請求項7記載のエンジンの制御装置。
- 前記バルブ作動角可変装置は、吸気バルブのバルブ作動角及びリフト量を変化させ、バルブ作動角の減少と同時にリフト量を減少させるものであることを特徴とする請求項2又は請求項4記載のエンジンの制御装置。
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