JP2011064109A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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聡 吉嵜
Yasuyuki Irisawa
泰之 入澤
Shinichi Mitani
信一 三谷
Taku Kadooka
卓 角岡
Satoru Sato
哲 佐藤
Shigeyuki Urano
繁幸 浦野
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Abstract

【課題】この発明は、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を使用する内燃機関において、アルコール濃度の変化に伴う要求燃料噴射量の増加を抑制し、これにより、限られた燃料噴射期間内に所望量の燃料をアルコール濃度の高低に関係なしに供給可能とする内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関10の気筒内に、ガソリンとアルコール燃料との混合燃料を直接噴射する筒内燃料噴射弁26と、吸気弁30の閉じ時期を変更可能とする可変動弁機構34と、混合燃料中のアルコール濃度を検知するアルコール濃度センサ46とを備える。アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して、内燃機関10の実圧縮比が低くなるように、吸気弁30の閉じ時期を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、多種燃料エンジンの制御装置及び方法が開示されている。この従来の技術では、低オクタン価燃料の濃度が増えるとき(燃料中のアルコール濃度が低いとき)には、吸気弁の閉じ時期を下死点よりも遅角側で遅角させることにより、内燃機関の有効圧縮比(実圧縮比)を下げるようにしている。言い換えれば、上記従来の技術は、耐ノック性の高いアルコール燃料の濃度が高い場合には、実圧縮比を高めるようにしている。
特開2008−106766号公報 特開2009−2314号公報
ところで、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を使用する内燃機関では、燃料中のアルコール濃度が高くなると、当該アルコール濃度の増大に伴って理論空燃比がリッチ側にずれることを考慮して、要求燃料噴射量を多くする必要がある。また、内燃機関の始動時に上記従来の制御を行うこととすると、実圧縮比が高められることにより、始動直後(始動1サイクル目)の燃焼安定性を確保することができる。しかしながら、実圧縮比が高まることで筒内に充填される空気量が増えると、要求燃料噴射量が増大する。
つまり、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を使用する内燃機関において、上記従来の技術が適用されると、アルコール濃度が高い場合には、リッチ側への理論空燃比の上記ずれに伴う要求燃料噴射量の増大に加え、実圧縮比の増大に伴って更に要求燃料噴射量が増大してしまうことが考えられる。その結果、筒内に燃料を直接噴射する筒内燃料噴射弁を用いて特に成層燃焼を行う場合には、要求燃料噴射量が増大すると、限られた燃料噴射期間内に燃料を噴き切れない虞や、次回(例えば、始動2サイクル目以降)の燃料噴射タイミングまでに燃料噴射圧力が低下してしまう虞がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を使用する内燃機関において、アルコール濃度の変化に伴う要求燃料噴射量の増加を抑制し、これにより、限られた燃料噴射期間内に所望量の燃料をアルコール濃度の高低に関係なしに供給可能とする内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の気筒内に、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
吸気弁の閉じ時期を変更可能とする可変動弁機構と、
前記混合燃料中のアルコール濃度を検知する燃料濃度検知手段と、
前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して、前記内燃機関の実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御するバルブタイミング制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記バルブタイミング制御手段は、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して、始動時に前記筒内燃料噴射弁を用いて燃料噴射を開始する際の前記内燃機関の実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を前記可変動弁機構を用いて制御することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記バルブタイミング制御手段は、始動時にクランキングを行う際に、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して前記実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御することを特徴とする。
また、第4の発明は、第2の発明において、
前記バルブタイミング制御手段は、前記内燃機関の停止時に、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して前記実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して実圧縮比を下げることにより、要求燃料噴射量が多くなりがちな高アルコール濃度燃料使用時において、要求燃料噴射量の増加を抑制することできる。このため、限られた燃料噴射期間内に所望量の燃料をアルコール濃度の高低に関係なしに確実に供給できるようになる。
第2または第3の発明によれば、要求燃料噴射量が元々増量され易い始動時において、要求燃料噴射量の増加を抑制することができる。
第4の発明によれば、アルコール濃度が高い場合に、次回の始動時における内燃機関の実圧縮比を狙いの値により確実に制御することが可能となる。
本発明の実施の形態1の内燃機関の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 アルコール濃度との関係で設定された吸気弁のバルブタイミングを表した図である。 アルコール濃度と吸気弁のバルブタイミングとを考慮して設定された始動時の燃料噴射量を表した図である。 図2に示すルーチンの制御適用の有無による始動時の各種動作の違いを表したタイムチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 図6に示すルーチンの制御適用の有無による始動時の各種動作の違いを表したタイムチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 図8に示すルーチンの制御を表したタイムチャートである。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。本実施形態のシステムは、炭化水素燃料(ここでは、一例としてガソリン)に対してアルコール燃料(ここでは、一例としてエタノール)が所定の割合(0〜100%)で混合された混合燃料が使用されるものとする。
内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ20が設けられている。エアフローメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ24が配置されている。
内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室14内(筒内)に上記混合燃料を直接噴射するための筒内燃料噴射弁26が設けられている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室14の頂部から燃焼室14内に突出するように点火プラグ28が取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室14と吸気通路16、或いは燃焼室14と排気通路18を導通状態または遮断状態とするための吸気弁30および排気弁32が設けられている。
図1に示すシステムは、吸気弁30を開閉駆動するための可変動弁機構34を備えている。本実施形態の可変動弁機構34としては、例えば、吸気弁30を駆動する吸気カム(図示省略)の位相を連続的に可変とする油圧駆動式もしくは電動式の可変動弁機構(VVT機構)を用いることができる。また、吸気カム軸(図示省略)の近傍には、吸気カム軸の回転位置(進角量)を検知するためのカム角センサ36が取り付けられている。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力には、上述した各種センサに加え、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ42、内燃機関10の冷却水温度を検知するための水温センサ44、内燃機関10に供給される燃料中のアルコール濃度(エタノール濃度)を検出するアルコール濃度センサ46、および、車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)48が接続されている。また、ECU40の出力には、上述した各種のアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
筒内に燃料を直接噴射するための筒内燃料噴射弁26を備える本実施形態のシステムでは、始動時やアイドリングを含む低負荷時に、成層燃焼運転が実施される。成層燃焼とは、点火時の点火プラグ28の近傍に混合気の濃い層が形成されるように、圧縮行程の後期に燃料を噴射して行われる燃焼である。
内燃機関10の冷間始動時には、一般に、始動性を良くする目的で要求燃料噴射量の増量が実施される。そのうえで、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を使用する本実施形態の内燃機関10では、燃料中のアルコール濃度が高くなると、当該アルコール濃度の増大に伴って理論空燃比がリッチ側にずれることを考慮して、要求燃料噴射量を多くする必要がある。一方、可変動弁機構34のように吸気弁の閉じ時期を変更可能な動弁機構を備えるシステムにおいて、アルコール濃度が高い場合に、実圧縮比を高めるべく吸気弁の閉じ時期を制御する技術が知られている。しかしながら、実圧縮比が高まることで筒内に充填される空気量が増えると、要求燃料噴射量が増大してしまう。従って、アルコール濃度の変化に対する理論空燃比の変化を考慮して、上記のようにアルコール濃度が高くなるにつれ、要求燃料噴射量を高くする制御を行うシステムにおいて、アルコール濃度が高くなるにつれ、実圧縮比を高める制御を行うこととすると、始動時の要求燃料噴射量が更に増大してしまうことが懸念される。
成層燃焼運転時において、点火プラグ28の近傍に成層化された混合気層を形成するためには、圧縮行程の後半から圧縮上死点近傍の点火時期までの限られた噴射期間内で燃料供給を行う必要があるとともに、燃料噴射時の筒内圧力に打ち勝つことのできる燃料噴射圧力が確保されている必要がある。しかしながら、そのような成層燃焼を利用して始動を行う場合には、要求燃料噴射量が上述した理由により大きく増加すると、限られた燃料噴射期間内に燃料を噴き切れない虞や、次回(例えば、始動2サイクル目以降)の燃料噴射タイミングまでに燃料噴射圧力が低下してしまう虞がある。その結果、燃焼悪化もしくは失火の発生により、始動性(ドライバビリティ)や排気エミッションの悪化が懸念される。
そこで、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、アルコール濃度が高い場合には、当該アルコール濃度が低い場合に比して、筒内燃料噴射弁26による燃料噴射開始時の内燃機関10の実圧縮比が低くなるように(デコンプレッションがなされるように)、吸気弁30の閉じ時期を制御するようにした。
図2は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、IGスイッチ48からの信号に基づき、内燃機関10の始動要求が検知された場合に起動されるものとする。
図2に示すルーチンでは、先ず、エンジン始動時か否かが判別される(ステップ100)。
上記ステップ100においてエンジン始動時であると判定された場合(始動が完了していない場合)には、現在の使用燃料中のアルコール濃度がアルコール濃度センサ46を用いて取得されたうえで、取得されたアルコール濃度が所定値以上であるか否かが判別される(ステップ102)。その結果、使用燃料中のアルコール濃度が上記所定値未満である場合には、所定のクランキング動作を伴いつつ、DI(Direct Injection)圧縮行程噴射による始動制御(すなわち、成層燃焼を用いた始動制御)が実行される(ステップ104)。
一方、上記ステップ102において使用燃料中のアルコール濃度が上記所定値以上であると判定された場合には、クランキング動作中に以下のステップ106および108の処理が実行されたうえで、成層燃焼を用いた始動制御(ステップ104)により燃料噴射が開始される。
より具体的には、ステップ106では、取得されたアルコール濃度に応じて、INバルブタイミング変位角量を遅角側に設定する処理が実行される。図3は、アルコール濃度との関係で設定された吸気弁30のバルブタイミングを表した図である。尚、図3におけるアルコール濃度の所定値は、上記ステップ102における所定値のことである。また、図3(および後述する図4、5、7、9)において、太線で示す波形は、本実施形態の手法が適用されたものであり、細線で示す波形は、本実施形態の手法を用いない場合のものである。
図3に示す設定では、アルコール濃度が上記所定値未満である場合の吸気弁30のバルブタイミングをベース(通常時)の値としている。そして、アルコール濃度が所定値以上である場合には、アルコール濃度が高くなるにつれ、吸気弁30のバルブタイミング(閉じ時期)がベースタイミングに対してより遅角側の値となるように設定されている。また、図3に示すように、ベースタイミングは、吸気下死点よりも遅角側の値である。従って、図3に示す設定によれば、アルコール濃度が高くなるにつれ、吸気弁30の閉じ時期がより遅角されて吸気下死点から離れていくことになる。このため、上記設定によれば、アルコール濃度が高くなるにつれ、実圧縮比が低くなるように吸気弁30の閉じ時期を調整することができる。
次に、ステップ108では、アルコール濃度と吸気弁30のバルブタイミングとに応じて、始動時の燃料噴射量が補正される。図4は、アルコール濃度と吸気弁30のバルブタイミングとを考慮して設定された始動時の燃料噴射量を表した図である。上述したように、混合燃料中のアルコール濃度が高くなると、当該混合燃料の理論空燃比がリッチ側にシフトする。このため、図4に示す設定では、アルコール濃度が上記所定値以上である場合には、アルコール濃度が高くなるにつれ、始動時の燃料噴射量がより多くなるように設定されている。
また、上記図3に示す吸気弁30のバルブタイミングの設定によれば、アルコール濃度が高くなるにつれ、実圧縮比がより低くなる。その結果、吸気側に吹き返すガス量が増えることにより、筒内吸入空気量がより少なくなる。従って、この点においては、アルコール濃度が高くなるにつれ、要求燃料噴射量がより少なくて済むようになる。このため、図4に示す設定では、太線(本実施形態の手法適用)の波形は、細線の波形と比べ、アルコール濃度の増加に対する始動時の燃料噴射量の増量代が小さくなるように設定されている。
図5は、上記図2に示すルーチンの制御適用の有無による始動時の各種動作の違いを表したタイムチャートである。尚、図5は、アルコール濃度の高い混合燃料が使用された場合の例を示している。
内燃機関10の始動要求が認められるとクランキングが開始され、図5(A)に示すように、エンジン回転数が上昇し始める。その後、所定の燃料噴射開始タイミングが到来すると、燃料噴射が開始される。
以上説明した図2に示すルーチンの処理によれば、アルコール濃度が高い場合には、図5(B)中に太線で示すように、実圧縮比を下げるべくクランキング中に吸気弁30の閉じ時期が遅角されたうえで、始動時の燃料噴射が開始されることになる。その後、吸気弁30の閉じ時期がベース値(細線)に戻される。
また、図5(C)に示すように、始動開始時の燃料噴射量は、既述したように始動性向上のために一時的に増量される。本実施形態の制御が適用された場合(太線)には、吸気弁30の閉じ時期の遅角化に伴う実圧縮比の低下により、筒内吸入空気量を減少させることができる。従って、本制御が適用されていない場合(細線)に対して、始動時の要求燃料噴射量を減量させることができる。このため、本実施形態の制御によれば、成層燃焼を利用して内燃機関10の始動を行う際に、アルコール濃度の変化に対する理論空燃比の変化(リッチ側へのずれ)を考慮してアルコール濃度が高くなるにつれ要求燃料噴射量を高くする制御を行う場合であっても、圧縮行程後半の限られた燃料噴射期間内に所望量の燃料をアルコール濃度の高低に関係なしに確実に供給できるようになる。これにより、図5(A)中に細線で示す波形(本実施形態の制御が適用されていないために筒内吸入空気量に応じた要求燃料噴射量を噴き切れないことで、始動時のエンジン回転数の上がり方が良くないケース)と比べ、始動性(ドライバビリティ)を向上させることができ、また、排気エミッションの悪化を防止することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、成層燃焼を利用して始動を行うようにしたシステムに対して、アルコール濃度が高い場合にはアルコール濃度が低い場合に比して、実圧縮比を下げるという本発明の制御を適用している。しかしながら、本発明の制御が適用されるケースは、必ずしも始動時に限らず、例えば、始動後に成層燃焼が行われる低負荷運転時であってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ベースバルブタイミングにおける吸気弁30の閉じ時期が吸気下死点よりも遅角側に設定されている場合において、アルコール濃度が高い場合には吸気弁30の閉じ時期を遅角させることにより実圧縮比を下げるようにしている。しかしながら、本発明において実圧縮比を下げるべく吸気弁の閉じ時期を調整する手法は、これに限定されない。すなわち、吸気弁の閉じ時期を自在に変更可能とする可変動弁機構(例えば、電磁駆動弁)を備えているシステムにおいて、吸気下死点よりも進角側で吸気弁の閉じ時期が調整される状況の場合には、アルコール濃度が高い場合にはアルコール濃度が低い場合に比して、吸気弁の閉じ時期を進角させることで実圧縮比を下げるようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃料濃度検知手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「バルブタイミング制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図2に示すルーチンに代えて後述する図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1の制御によれば、始動時の吸気弁30のバルブタイミングは、アルコール濃度に応じて遅角された後に、ベースバルブタイミングに向けて戻されるようになっている。しかしながら、そのような調整のために吸気弁30のバルブタイミングが始動開始直後に急変すると、筒内吸入空気量(負荷率)が急激に増加する。その結果、空燃比の急激なリーン化を招く懸念やそのようなリーン化を抑制するための燃料噴射量の適合が難しくなる懸念が生ずる。
そこで、本実施形態では、始動開始時にアルコール濃度に応じて吸気弁30の閉じ時期を遅角させた後に、吸気弁30の閉じ時期を始動完了後に使用される閉じ時期(ベースバルブタイミング)に向けて、噴射回数が進むにつれ、連続的に徐々に進角させるようにした。
図6は、上記の機能を実現するために、本実施の形態2においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図6において、実施の形態1における図2に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図6に示すルーチンでは、ステップ102において使用燃料中のアルコール濃度が上記所定値以上であると判定された場合には、次いで、始動開始後の燃料噴射回数が所定の噴射回数を経過したか否かが判別される(ステップ200)。その結果、当該所定の噴射回数を未だ経過していないと判定された場合には、ステップ106以降の処理が実行される。
一方、上記ステップ200において始動開始後に上記所定の噴射回数を経過したと判定された場合には、次いで、通常運転時の吸気弁30のバルブタイミングに向けて、吸気弁30のバルブタイミングを連続的に徐々に進角側に戻す処理が実行される(ステップ202)。
次に、アルコール濃度と吸気弁30のバルブタイミングとに応じて、始動時の燃料噴射量が補正される(ステップ204)。上記ステップ200において上記所定の噴射回数を未だ経過していないと判定された場合には、本ステップ204では、上記ステップ108と同じ処理が実行される。一方、上記ステップ200において始動開始後に上記所定の噴射回数を経過したと判定された場合には、本ステップ204では、上記ステップ202において吸気弁30の閉じ時期が進角側に戻されるのに応じて、燃料噴射量が補正されていく。
図7は、上記図6に示すルーチンの制御適用の有無による始動時の各種動作の違いを表したタイムチャートである。尚、図7は、アルコール濃度の高い混合燃料が使用された場合の例を示している。また、図7は、上記ステップ200における所定の噴射回数が始動時の噴射1サイクル分に相当する回数とされた場合の例を示している。
以上説明した図6に示すルーチンの処理によれば、図7(B)、(C)に示すように、吸気弁30の閉じ時期がアルコール濃度に応じて遅角された状態で、始動時の噴射1サイクル目の燃料噴射が実行される。そして、噴射2サイクル目以降においては、吸気弁30の閉じ時期(バルブタイミング)が通常運転時の進角側のベースバルブタイミングに向けて徐々に戻されていく。また、噴射2サイクル目以降においては、図7(C)に示すように、燃料噴射量が徐々に減量されていく。更に付け加えると、本実施形態では、上記のように吸気弁30の閉じ時期を徐々に進角側に戻していくので、燃料噴射量は、実施の形態1の場合(図5(C)参照)と比べ、緩やかに減量されていくことになる。
以上のように、本実施形態の制御によれば、始動1サイクル目の燃焼のためにアルコール濃度に応じて吸気弁30の閉じ時期を遅角側に制御した後に、吸気弁30の閉じ時期が進角側に徐々に戻されていくので、始動2サイクル目以降において燃焼安定性を容易に保つことができるようになる。
ところで、上述した実施の形態2においては、始動2サイクル目以降の吸気弁30の閉じ時期を、噴射回数が進むにつれ、連続的に徐々に進角側に戻すようにしているが、これに代え、当該吸気弁30の閉じ時期を段階的に徐々に戻すようにしてもよい。また、始動後の噴射回数に代え、噴射サイクル数もしくは噴射開始後の経過時間等の進行に応じて、または噴射開始後のエンジン回転数が所定値以上の場合に、吸気弁30の閉じ時期を連続的もしくは段階的に徐々に進角側に戻すようにしてもよい。
実施の形態3.
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図2に示すルーチンに代えて後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1および2においては、アルコール濃度が高い場合にはアルコール濃度が低い場合に比して、始動時に燃料噴射を開始する際の実圧縮比が低くなるように、始動時にクランキングを行う際に、吸気弁30の閉じ時期を遅角側に調整するようにしている。これに対し、本実施形態では、そのような燃料噴射開始時のための吸気弁30の閉じ時期の上記調整を、内燃機関10の停止時に行うことを特徴としている。
図8は、上記の機能を実現するために、本実施の形態3においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、図8において、実施の形態1における図2に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンでは、先ず、IGスイッチ48からの信号に基づき、エンジン停止時か(IGスイッチ48がOFFとされたか)否かが判別される(ステップ300)。
その結果、エンジン停止時であると判定された場合において、上記ステップ102において使用燃料中のアルコール濃度が上記所定値以上であると判定された場合には、上記ステップ106において、取得されたアルコール濃度に応じてINバルブタイミング変位角量を遅角側に設定する処理が実行される。
図9は、上記図8に示すルーチンの制御を表したタイムチャートである。尚、図9は、アルコール濃度の高い混合燃料が使用された場合の例を示している。
図9(A)に示すように、内燃機関10の運転中にIGスイッチ48がOFFとされた場合には、燃料噴射および点火が停止されるので、図9(B)に示すように、エンジン回転数がゼロに向けて低下していく。以上説明した図9に示すルーチンの処理によれば、アルコール濃度の高い混合燃料が使用されている場合には、図9(C)に示すように、内燃機関10の停止時に、吸気弁30の閉じ時期がアルコール濃度に応じて遅角側に制御される。より具体的には、アルコール濃度が高くなるにつれ、吸気弁30の閉じ時期がより遅角側の値に制御される。
以上説明した本実施形態の制御によれば、現在のアルコール濃度に応じて次回の始動時の実圧縮比が適切な値となるように、内燃機関10の停止時に吸気弁30の閉じ時期の調整が実施される。このため、次回の始動時における吸気弁30の閉じ時期を狙いの値により確実に制御することが可能となる。
10 内燃機関
14 燃焼室
16 吸気通路
18 排気通路
26 筒内燃料噴射弁
28 点火プラグ
30 吸気弁
32 排気弁
34 可変動弁機構
36 カム角センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
46 アルコール濃度センサ
48 IGスイッチ

Claims (4)

  1. 内燃機関の気筒内に、炭化水素燃料とアルコール燃料との混合燃料を直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
    吸気弁の閉じ時期を変更可能とする可変動弁機構と、
    前記混合燃料中のアルコール濃度を検知する燃料濃度検知手段と、
    前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して、前記内燃機関の実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御するバルブタイミング制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記バルブタイミング制御手段は、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して、始動時に前記筒内燃料噴射弁を用いて燃料噴射を開始する際の前記内燃機関の実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を前記可変動弁機構を用いて制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記バルブタイミング制御手段は、始動時にクランキングを行う際に、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して前記実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記バルブタイミング制御手段は、前記内燃機関の停止時に、前記アルコール濃度が高い場合には当該アルコール濃度が低い場合に比して前記実圧縮比が低くなるように、前記吸気弁の閉じ時期を制御することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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