JP2012052472A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によるエンジンの制御装置は、吸気バルブ22をVVT遅角させ或いはVVT進角させてその開閉タイミングを可変にする可変バルブタイミング機構70を備え、この可変バルブタイミング機構を、アイドル時にVVT進角させ、オフアイドル時に、そのVVT進角位置からVVT遅角させるVVT遅角制御手段と、アイドル時からオフアイドル時への移行時、その移行時のVVTの実位相に基づいて、プリイグニッションが生じる限界空気量を演算する限界空気量演算手段と、この演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度を設定するスロットル弁開度設定手段と、を有する。
【選択図】図5
Description
ここで、吸気バルブタイミングの開閉タイミングを可変にする可変バルブタイミング機構(以下、VVT機構)が知られている。このVVTにより、VVT遅角、即ち、吸気バルブの閉じタイミングを遅くすることにより、筒内の有効圧縮比を下げ、その結果、断熱圧縮を生じにくくし、筒内圧力を減少させて、プリイグニッションの発生を抑制することが出来ることが知られている。
しかしながら、本発明者らは、実験、開発過程において、電動モータを使用したVVT機構においても、アイドル時からオフアイドル時への移行時、プリイグニッションを抑制するための目標とする所定のVVT遅角に対して、実際に得られるVVT遅角に応答遅れが生じることを見出した。この応答遅れは、吸気バルブの閉じタイミングが、目標とするタイミングより早いタイミングとなるものであり、その結果、筒内の有効圧縮比並びに筒内圧力などを十分に減少させることが出来ず、プリイグニッションの発生を抑制することが出来ないという問題を本発明者らは見出した。
このように構成された本発明においては、アイドル時からオフアイドル時への移行時、VVTの実位相に基づいて、プリイグニッションが生じる限界空気量を演算し、その演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度(変化)を設定するので、プリイグニッションの発生を抑制することが出来る。また、演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度(変化)を設定するので、一律にスロットル開度になましをかけることなく、プリイグニッションの発生を抑制しつつ可及的速やかにスロットル弁を開いて、車両の発進性を確保することが出来る。即ち、一律にスロットル開度になましをかけると、プリイグニッションの発生に余裕があるような空気量でもスロットル弁が閉じ気味となり、発進性が犠牲になるが、本発明においては、限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度(変化)を設定するので、このようなことを防止することが出来る。
このように構成された本発明においては、低回転時、プリイグニッション限界空気量以上にならないようにスロットル弁の(最大)開度が設定されるので、アイドル時からオフアイドル時への移行し、車両が発進した後の低回転時にも、プリイグニッションの発生を抑制することが出来る。
このように構成された本発明においては、所定の多項式モデルを用いて、実インマニ圧からプリイグニッションが生じる有効圧縮比限界を演算し、さらに、所定の多項式モデルの逆関数を用いて、VVTの実位相からプリイグニッションが生じる限界空気量を演算するので、実VVT遅角の応答が目標VVT遅角より遅れても、効果的に、プリイグニッションが生じる限界空気量を求めることが出来る。
先ず、図1により、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置を備えたエンジンの概略構成を説明する。図1は本発明の実施形態によるエンジンの制御装置を備えたエンジンの概略構成図である。
この可変バルブタイミング機構70は、回転自在なケース72と、吸気側カムシャフト60の一側端部にボルト等により締結固定された回転体74と、ケース72に固定された電動モータ76と、吸気バルブ22が所定のバルブタイミング量進角し或いは遅角する(以下、「VVT進角(量)」、「VVT遅角(量)」という)よう、電動モータ76の所定の回転量を回転体74に伝達する動力伝達機構(図示せず)等から構成されている。
動力伝達機構は、外歯歯車のサンギアと、サンギアに対して同心円上に配置された内歯歯車のリングギアと、これらのサンギアとリングギアとに噛合するピニオンギアを自転且つ公転自在に保持するキャリアとを回転要素とする歯車機構である。
図4に示すように、本実施形態によるエンジン1は、各センサの検出信号に基づいてエンジン1を制御するエンジン制御ユニット(ECU)90を有する。エンジン制御ユニット90は、具体的には、マイクロプロセッサ、メモリ及びそれらを作動させるプログラム等(以上、図示せず)から構成され、所定の条件下で吸気バルブ22が開閉するバルブタイミングを制御するために、可変バルブタイミング機構70の電動モータ76を制御するVVT進角/遅角制御手段92、及び、所定の条件下で電子制御スロットルバルブ16の開度を制御するスロットルバルブ開度制御手段94を有する。
上述したように、S1では、VVT進角量を図6に示すように遅角するように目標を設定し、そのような目標VVT進角が得られるよう電動モータ76を制御するが、実際には、図6の破線で示す実VVT進角で示すように、VVT遅角に応答遅れが生じ、吸気バルブ22の閉じタイミングが、目標とするタイミングより早くなる。このような応答遅れに伴い、図7に示すように、スロットルバルブ16の開度の上昇に対して吸気通路13の吸気圧力(以下、「インマニ圧」という)の上昇の応答が早くなり、図6及び図7のAで示すような時期範囲でプリイグニッションが発生し、或いは、発生し易くなってしまう。なお、図7に示すスロットル開度の線図は、ドライバーのアクセル要求に対応したスロットル開度である。本実施形態によるエンジンの制御装置による制御(図5)では、このような時期範囲Aのプリイグニッションを抑制するよう、以下のようにS2以降の処理を実行する。
S1において、VVT遅角させた後、S2において、現時点でのエンジン運転状態、より詳細には、現時点でのクランク角における、有効圧縮比限界を演算する。本実施形態における有効圧縮比限界とは、プリイグニッションが生じない有効圧縮比の限界である。
図8(a)に示すように、有効圧縮比限界(y)は、インマニ圧(x)を変数とし、有効圧縮比限界多項式モデルを使用して演算される。
先ず、有効圧縮比限界多項式モデルとは、最も簡単に表すと「有効圧縮比(y)=ax2+bx+c」のような2次式で表されるモデル(y=f(x))であり、このモデルにおいて、変数xはインマニ圧、a、b、cは定数である。実際に使用される2次式のモデルは、有効圧縮比限界をより正確に予測するために、より複雑な式となる。定数には、図8(a)に示すように、燃料噴射時期、エンジン回転数、吸気バルブを閉じた時点での筒内温度、燃料のオクタン価が代入される。
エンジン回転数は、S2の処理時点においてクランク角センサ36により検出された値が、上記モデルの定数として代入される。
筒内温度は、S2の処理時点において、吸気温/流量センサ14により検出された吸気通路13内の空気温度、及び、エンジン水温センサ38により検出されたエンジン水温の値より推定され、上記モデルの定数として代入される。なお、吸気バルブを閉じた時点は、吸気カム角センサ68により検出される。
燃料のオクタン価は、エンジン制御ユニット90のメモリに学習されたオクタン価が、上記モデルの定数として代入される。
このS3では、S2により演算され得られた限界有効圧縮比を基に、可変バルブタイミング機構70のVVT進角限界を演算する。即ち、可変バルブタイミング機構70のVVT進角量の増大による吸気バルブ22の閉じタイミングの早期化と、それに伴う有効圧縮比の増大との関係から、VVT進角限界を演算する。このS3で演算されたVVT進角限界も、図9に示すように、S2で演算された限界有効圧縮比限界と同様の2次曲線となる。
S7において、現時点でのVVT進角量を、吸気カム角センサ68により検出された吸気バルブ22のバルブ閉じタイミングを基に演算し、それを変数yとする。そして、S2で使用した有効圧縮比限界多項式モデル(2次式)の逆関数「x=g(y)」により、インマニ圧xを求める。なお、現時点での有効圧縮比を変数yとして、限界インマニ圧を演算しても良い。ここで、現時点でのVVT進角量yから、有効圧縮比限界多項式モデルの逆関数を使用してインマニ圧を演算しているので、その演算されたインマニ圧xは、現時点での、プリイグニッションが生じない限界インマニ圧である。
S1〜S9の処理の繰り返しにより、S8においては、図10に示すように、クランク角に応じた限界空気充填効率が演算され、このような図10のような限界空気充填効率に従って、S9でスロットル開度が調整され、図11に示すように電子制御スロットルバルブ16の開度が制御され、それに応じて、図11に示すような、インマニ圧の応答が得られる。
本実施形態によれば、アイドル時からオフアイドル時への移行時、検出されるVVT進角量(VVTの実位相)に基づいて、プリイグニッションが生じる限界空気量を演算し、その演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットルバルブ16の開度を制限するので、VVTの応答遅れに伴う期間Aでのプリイグニッションの発生を抑制することが出来る(図6、図7、図11参照)。
14 吸気温/流量センサ
16 電子制御スロットルバルブ
18 スロットルバルブ開度センサ
36 クランク角センサ
38 エンジン水温センサ
68 吸気カム角センサ
70 可変バルブタイミング機構
76 可変バルブタイミング機構のVVT進角用或いはVVT遅角用の電動モータ
90 エンジン制御ユニット
92 VVT進角/遅角制御手段
94 スロットルバルブ開度制御手段
Claims (3)
- 吸気バルブをVVT遅角させ或いはVVT進角させてその開閉タイミングを可変にする可変バルブタイミング機構を備えたエンジンの制御装置であって、
上記可変バルブタイミング機構を、アイドル時にVVT進角させ、オフアイドル時に、そのVVT進角位置からVVT遅角させるVVT遅角制御手段と、
アイドル時からオフアイドル時への移行時、その移行時のVVTの実位相に基づいて、プリイグニッションが生じる限界空気量を演算する第1限界空気量演算手段と、
この演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度を設定する第1スロットル弁開度設定手段と、を有することを特徴とするエンジンの制御装置。 - さらに、低回転時において、VVTの実位相に基づいて、プリイグニッションが生じる限界空気量を演算する第2限界空気量演算手段と、
この演算された限界空気量以上に実空気量が増加しないようにスロットル弁開度を設定する第2スロットル弁開度設定手段と、を有する請求項1に記載のエンジンの制御装置。 - 上記第1限界空気量演算手段及び/又は上記第2限界空気量演算手段によるプリイグニッションの限界空気量の演算は、先ず、実インマニ圧から所定の多項式モデルを使用してプリイグニッションが生じる有効圧縮比限界を演算し、次に、VVTの実位相から上記所定の多項式モデルの逆関数を使用して上記プリイグニッションが生じる限界空気量を演算する請求項1又は請求項2に記載のエンジンの制御装置。
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WO2010001711A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 日産自動車株式会社 | 可変動弁機構付き内燃機関の制御装置 |
JP2010190193A (ja) * | 2009-02-20 | 2010-09-02 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の制御装置 |
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