JP5585772B2 - エンジンの燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの燃料噴射時期制御装置に係り、特に、燃料噴射タイミングを吸気上死点後所定のクランク角度範囲内に設定したエンジンの燃料噴射時期制御装置に関する。
ノッキングセンサが、或る気筒での吸気行程におけるインジェクタの燃料噴射ノイズを、他の気筒の燃焼行程においてノッキングが発生したものと誤検知し、その誤検知に基づき、例えば、点火時期をリタード制御してトルクが低下するような問題を避けるために、ノッキングセンサでのノッキングの判定しきい値は、適切な値に設定する必要がある。
従来、そのような誤検知そのものを避けるために、インジェクタ発生ノイズが、ノッキング検出期間中及びその付近にあるとき、燃料噴射時期を遅いタイミングにずらすようにした技術が知られている(特許文献1)。
特開2005−171900号公報
ここで、燃料噴射時期を遅いタイミングにずらすと、そのずらした分、燃料の霧化時間が短くなることにより、燃料の霧化性が悪化し、燃焼安定性に悪影響を与える。従って、特許文献1のものでは、ノッキング検出期間中及びその付近において、燃料噴射時期を遅いタイミングにずらすようにしているので、それらの期間中、常時、燃料の霧化時間が短くなり、燃焼安定性に悪影響が生じるという問題がある。
また、近年、比較的圧縮比が高い高圧縮比型のエンジンが開発され、このような高圧縮比型エンジンでは、例えば、点火時期がクランク角1度ずれただけでもノッキングが生じる。そして、このような高圧縮比型エンジンでは、小さいノッキングでもエンジンの信頼性を損なうため、ノッキングセンサのノッキング判定しきい値を低くせざるを得ず、そのため、インジェクタの噴射ノイズを、ノッキングの発生と誤検知してしまう確率が高まるという問題が生じる。また、筒内に直接燃料を噴射する、いわゆる、直噴型エンジンでは、インジェクタにより噴射される燃料の圧力が高圧であり、インジェクタの噴射ノイズ自体が大きくなり、ノッキングセンサのノッキング判定しきい値を低くすると、さらに、誤検知の確率が高まるという問題が生じる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来るエンジンの燃料噴射時期制御装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来ると共に燃料霧化の悪化を抑制することが出来るエンジンの燃料噴射時期制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、燃料噴射を分割して実行させ、そのうちの1つの燃料噴射の燃料噴射タイミングをノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定し、ノッキングセンサ及び複数の気筒を有するエンジンの燃料噴射時期制御装置であって、所定の気筒における第1の燃料噴射タイミングであって、この所定の気筒とは異なる他の燃焼行程にある気筒の吸気上死点よりも前のタイミングで、且つ、他の燃焼行程にある気筒においてノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも前のタイミングで燃料を噴射させる第1の燃料噴射タイミングと、所定の気筒における第2の燃料噴射タイミングであって、他の燃焼行程にある気筒の吸気上死点よりも後のタイミングで、且つ、他の燃焼行程にある気筒においてノッキングが発生し易いクランク角度範囲内におけるタイミングで燃料を噴射させる第2の燃料噴射タイミングと、を設定し、非高負荷運転領域では、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定した第2の燃料噴射タイミングをそのままのタイミングに維持し、ノッキングが発生し易いエンジン運転条件である高負荷運転領域では、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定した第2の燃料噴射タイミングを、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ノッキングが発生し易い所定のエンジン運転条件では、第2の燃料噴射タイミングをノッキングが発生し易いクランク角度範囲外に変更するので、複数の気筒のうち、吸気行程にある気筒の燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来る。一方、このような燃料噴射タイミングの変更は、ノッキングが発生し易い所定のエンジン運転条件で行われるので、複数の気筒のうち、燃焼行程にある気筒のノッキングを精度良く検出することが出来る。例えば、ノッキングセンサの検出しきい値を低く設定し、小さなノッキングでもエンジンの信頼性に影響を与える高圧縮比型エンジンでのノッキング検出精度を高めることが出来る。
また、高負荷運転領域では、燃料噴射タイミングをノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更するので、燃料噴射ノイズに伴うノッキング誤検出を抑制することが出来る。また、ノッキングが発生し易い高負荷運転領域では気筒内の温度が高いので、燃料噴射タイミングを遅くしても燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。これらの結果、本発明によれば、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来ると共に燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。
さらに、本発明においては、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも前のタイミングに設定した第1燃料噴射タイミングと、この第1の燃料噴射タイミングよりも遅く、所定のクランク角度範囲内に設定した燃料噴射タイミングである第2の燃料噴射タイミングとを設定し、第2燃料噴射タイミングを、非高負荷運転領域ではノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定すると共に、高負荷運転領域ではノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更する。
従って、第1の燃料噴射により燃料の霧化悪化を抑制しつつ、第2の燃料噴射タイミングを、ノッキングが発生し易い高負荷運転領域では、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅くするので、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来る。さらに、高負荷運転領域では気筒内の温度が高いので、第2の燃料噴射タイミングを遅くしても燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。
本発明において、好ましくは、エンジンは、気筒内に直接燃料を噴射する筒内直噴式エンジンである。
このように構成された本発明においては、筒内噴射エンジンでは燃料噴射圧が高く、噴射ノイズも大きいが、その影響を抑制することが出来る。
本発明によるエンジンの燃料噴射時期制御装置によれば、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来る。また、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来ると共に燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。
本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置を備えたエンジンの概略構成図である。 本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置により実行される制御の制御フローを示すフローチャートである。 エンジン回転数と吸気負圧とに対し低回転高負荷領域を概略的に示す線図である。 図3の制御フローにより実行される制御内容の一例を示すためのクランク角度に対する第1燃料噴射タイミングと第2燃料噴射タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置を説明する。
先ず、図1により、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置を備えたエンジンの概略構成を説明する。図1は本発明の実施形態による燃料噴射時期制御装置を備えたエンジンの概略構成図である。
先ず、図1に示すように、エンジン1は、燃焼室2aを形成するシリンダ2と、このシリンダ2内で往復運動するピストン4と、このピストン4に一端が連結されたコネクティングロッド6と、このコネクティングロッド6の他端が連結されたクランクシャフト8と、燃焼室2aに燃料を供給する燃料供給装置10とを有する。このエンジン1は、複数の気筒を有する多気筒エンジンである。
また、エンジン1の燃焼室2aに空気を供給する吸気系統には、吸気を浄化するエアクリーナ12と、このエアクリーナ12から吸気ポート20まで延びる吸気通路13とが設けられ、吸気通路13には、エアクリーナ12を介して吸入された空気の温度及び流量を検出する吸気温/流量センサ14と、吸入空気量を変化させる電子制御スロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度を検出するスロットルバルブセンサ18とが設けられている。これらの吸気系統を介して吸入された空気は、燃焼室2aの吸気開口に連通した吸気ポート20及びその吸気開口を開閉する吸気バルブ22を介して、燃焼室2a内に流入する。また、エンジン1は、燃焼室2a内に流入した空気に燃料を噴射することによって得られる混合気を燃焼させる点火プラグ23を有する。
燃焼室2a内で燃焼された排気ガスは、燃焼室2aの排気開口に連通した排気ポート24及び排気開口を開閉する排気弁26を介して、エンジン1の排気系統に排出される。エンジン1の排気ガスを排気する排気系統には、リニアO2センサ28と、第1触媒30と、ラムダO2センサ32と、第2触媒34とが設けられている。
また、エンジン1は、クランクシャフト8の回転角を検出するクランク角センサ36と、エンジンのシリンダブロックのウォータージャケットを流れるエンジン冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ38と、各気筒で生じるノッキングを検出するノッキングセンサ39とを有する。本実施形態では、このノッキングセンサ39は、シリンダブロックの側面に1つ設けられている。
次に、図1に示すように、燃料供給装置10は、燃料を貯留する燃料タンク40と、この燃料タンク40内の燃料を圧送する低圧燃料ポンプ42と、この低圧燃料ポンプ42によって圧送された燃料を濾過する燃料フィルタ44と、低圧燃料ポンプによる加圧圧力を一定にする圧力レギュレータ46と、低圧燃料ポンプ42から圧送された燃料を加圧する高圧燃料ポンプ48と、高圧燃料ポンプ48によって加圧された燃料の圧力を検出する燃料圧力センサ50と、高圧燃料ポンプ48によって加圧された燃料を燃焼室2a内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁であるインジェクタ52と、このインジェクタ52に供給される圧力が所定の圧力以上になったとき、加圧された燃料を高圧燃料ポンプ48の上流側に戻す第2燃料圧力調整手段であるリリーフ弁54とを有する。
次に、図1に示すように、エンジン1は、そのシリンダヘッドの上部に、吸気側カムシャフト60と、排気側カムシャフト62を有する。これらの吸気側カムシャフト60及び排気側カムシャフト62には、カムシャフト60、62の回転に伴って回転し、吸気バルブ22及び排気弁26を作動させ、その作動により吸気ポート20の吸気開口を所定のタイミングで開閉し、また、排気ポート24の排気開口を所定のタイミングで開閉するように構成された吸気カム64及び排気カム66が設けられている。
また、エンジン1は、カムシャフト60の回転位相を検出する吸気カム角センサ68を有する。吸気カム角センサ68は、エンコーダであり、カムシャフト60が所定単位角度回転する毎に1パルスづつタイミングパルスを出力するよう構成されている。
また、エンジン1は、吸気バルブ22の開閉タイミングの位相を変化させる可変バルブタイミング機構70を有する。この可変バルブタイミング機構70は、吸気側カムシャフト60の一側端部に設けられ、電動モータにより、吸気バルブ22の開閉タイミングを所定量進角し或いは遅角させる(VVT進角、VVT遅角)よう構成されている。
次に、図2により、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置を説明する。図2は、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態によるエンジン1は、各センサの検出信号に基づいてエンジン1を制御するエンジン制御ユニット(ECU)80を有する。エンジン制御ユニット80は、具体的には、マイクロプロセッサ、メモリ及びそれらを作動させるプログラム等(以上、図示せず)から構成され、燃料噴射時期制御手段82を有する。エンジン制御ユニット80は、吸気温/流量センサ14、クランク角センサ36、エンジン水温センサ38、ノッキングセンサ39、吸気カム角センサ68などの検出信号に基づいて、燃料噴射パルス幅制御手段82により、インジェクタ52による燃料噴射時期を制御するよう構成されている。
本実施形態による燃料噴射時期制御装置は、吸気上死点より前の所定のタイミングで第1の燃料噴射(リーディングパルス噴射)を実行させ、吸気上死点より後の所定のタイミングで第2の燃料噴射(トレーリングパルス噴射)を実行させる分割噴射をするよう構成されている。
次に、図3乃至図5により、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置による制御内容を説明する。図3は本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置により実行される制御の制御フローを示すフローチャートであり、図4はエンジン回転数と吸気負圧とに対し低回転高負荷領域を概略的に示す線図であり、図5は図3の制御フローにより実行される制御内容の一例を示すためのクランク角度に対する第1燃料噴射タイミングと第2燃料噴射タイミングを示すタイミングチャートである。図3において、Sは各ステップを示す。
先ず、図3に示すように、S1において、エンジン1の筒内が、ノッキングが発生し易い条件か否かを判定する。
ノッキングが発生し易い条件として、本実施形態では、図4に示すように、第1の条件として、エンジン運転条件が、エンジン低回転且つ高負荷である領域Aであることを条件としている。本実施形態では、具体的に、S1において、クランク角センサ36及び吸気温/流量センサ14により検出された値に基づいて、「エンジン回転数3000rpm」且つ「吸気負圧Ce(空気量をエンジン回転数で割った1回転当たりの空気充填率)>0.5」が成立したときに、ノッキングが発生し易い条件であると判定している。この領域Aは、エンジン低回転且つ高負荷であるので、エンジン1の筒内が高温になり、ノッキングが発生しやすい領域である。
また、本実施形態では、他の条件として、吸気温度が高いことを第2の条件としている。吸気温度が高ければ、エンジン1の筒内が高温になり、ノッキングが発生しやすいからである。本実施形態では、S1において、吸気温/流量センサ14により検出された値に基づいて、「吸気温>30℃」が成立したときに、ノッキングが発生し易い条件であると判定している。
また、本実施形態では、他の条件として、オクタン価学習値が所定値未満であることを第3の条件としている。オクタン価が低ければ、ノッキングが発生しやすいからである。本実施形態では、S1において、メモリに記憶されているオクタン価に基づいて、「オクタン価学習値<91RON」が成立したときに、ノッキングが発生し易い条件であると判定している。
また、本実施形態では、他の条件として、エンジン水温が高いことを第4の条件としている。エンジン水温が高ければ、エンジン1の筒内が高温であることを示していることになり、ノッキングが発生しやすいからである。本実施形態では、S1において、吸気温/流量センサ14により検出された値に基づいて、「吸気温>30℃」が成立したときに、ノッキングが発生し易い条件であると判定している。
また、本実施形態では、他の条件として、VVT進角値が所定値以上であることを第5の条件としている。VVT進角値が所定値以上であるときには、有効圧縮比が高くなり、ノッキングが発生しやすいからである。本実施形態では、S1において、吸気カム角センサ68により検出された値に基づいて、「VVT進角量>30クランク角度」が成立したときに、ノッキングが発生し易い条件であると判定している。
本実施形態では、S1において、上述した条件のうち、少なくとも第1の条件が成立することにより、ノッキングが発生し易い条件であると判定する。以下では、上述した条件のうち、第1の条件が成立した場合を例に説明する。
S1において、ノッキングが発生し易い条件であると判定されない場合は、S2に進み、通常の噴射タイミングで燃料を噴射する。
本実施形態における、この通常の噴射タイミングを図5により説明する。
図5では、「通常時」として示してあるように、第1の燃料噴射(リーディングパルス)が、BTDC12°のタイミングで実行され、第2の燃料噴射(トレーリングパルス)が、ATDC30°のタイミングで実行される。なお、図5に示すように、第2の燃料噴射タイミングは、他の気筒においてノッキングが発生しやすいクランク角度範囲である約20°〜40°にある。なお、この約20°〜40°は一例であり、点火時期などにより変化する。
一方、S1において、ノッキングが発生し易い条件であると判定された場合は、S3に進み、第2燃料噴射(トレーリングパルス)タイミングをATDC30°から遅角する。
より詳細には、図5に示すように、第2燃料噴射が、他の気筒においてノッキングが発生しやすいATDC約20°〜40°の角度範囲よりも遅いタイミングで実行されるように変更する。
次に、S4に進み、他の気筒における点火時期が早期化された否かを判定し、早期化された場合には、S5に進み、第1燃料噴射(リーディングパルス)タイミングを進角する。これは、他の気筒における点火時期が早期化された場合、ノッキングの発生範囲もそれに応じて早期化することになり、燃料を噴射するこの気筒での第1燃料噴射タイミングと、他の気筒でのノッキングの発生範囲が重なる場合があるため、この第1燃料噴射タイミングを早期化(進角)するようにしている。これにより、燃料噴射ノイズに伴うノッキング誤検出を抑制するようにしている。
一方、S4において、他の気筒における点火時期が早期化されていないと判定された場合には、第1燃料噴射タイミングを早期化せず(S5の処理を実施せず)、図5に示すようなタイミングを維持する。
なお、本実施形態では、第1燃料噴射及び第2燃料噴射の分割噴射としているが、本実施形態の制御内容を、1回だけ燃料を噴射する燃料噴射装置に適用し、本実施形態と同様に、ノッキングが生じやすい運転条件では、その1回の燃料噴射のタイミングを遅くし、ノッキングが発生し易い所定のクランク角度範囲外にずらすようにしても良い。
次に、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射時期制御装置の作用効果を説明する。
本実施形態によれば、ノッキングが発生し易いエンジン運転条件では、燃料噴射タイミングを他の気筒におけるノッキングが発生し易いクランク角度範囲外に変更するので、複数の気筒のうち、吸気行程にある気筒の燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来る。一方、このような燃料噴射タイミングの変更は、ノッキングが発生し易いエンジン運転条件で行われるので、複数の気筒のうち、燃焼行程にある気筒のノッキングを精度良く検出することが出来る。例えば、ノッキングセンサの検出しきい値を低く設定し、小さなノッキングでもエンジンの信頼性に影響を与える高圧縮比型エンジンでのノッキング検出精度を高めることが出来る。
また、高負荷運転領域では、第2燃料噴射タイミングをノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更するので、燃料噴射ノイズに伴うノッキング誤検出を抑制することが出来る。また、ノッキングが発生し易い高負荷運転領域では気筒内の温度が高いので、燃料噴射タイミングを遅くしても燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。これらの結果、本実施形態によれば、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来ると共に燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。
また、第1燃料噴射タイミングを、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも前のタイミングに設定し、第2燃料噴射タイミングを、第2燃料噴射タイミングを、非高負荷運転領域では、ノッキングが発生し易いクランク角度範囲に設定すると共に、高負荷運転領域ではノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更するので、第1燃料噴射により燃料の霧化悪化を抑制しつつ、燃料噴射ノイズをノッキングと検出する誤検出を抑制することが出来る。さらに、高負荷運転領域では気筒内の温度が高いので、燃料噴射タイミングを遅くしても燃料霧化の悪化を抑制することが出来る。
また、エンジン1は、気筒内に直接燃料を噴射する筒内直噴式エンジンであり、このような筒内直噴式エンジンは、燃料噴射圧が高く、噴射ノイズも大きいが、上述したように、第1及び/又は第2の燃料噴射タイミングを、他の気筒におけるノッキングが発生し易いクランク角度範囲外に変更するので、その影響を抑制することが出来る。
1 多気筒直噴式エンジン
23 点火プラグ
52 インジェクタ
80 エンジン制御ユニット
82 燃料噴射時期制御手段

Claims (2)

  1. 燃料噴射を分割して実行させ、そのうちの1つの燃料噴射の燃料噴射タイミングをノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定し、ノッキングセンサ及び複数の気筒を有するエンジンの燃料噴射時期制御装置であって、
    所定の気筒における第1の燃料噴射タイミングであって、この所定の気筒とは異なる他の燃焼行程にある気筒の吸気上死点よりも前のタイミングで、且つ、上記他の燃焼行程にある気筒においてノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも前のタイミングで燃料を噴射させる第1の燃料噴射タイミングと、
    上記所定の気筒における第2の燃料噴射タイミングであって、上記他の燃焼行程にある気筒の吸気上死点よりも後のタイミングで、且つ、上記他の燃焼行程にある気筒においてノッキングが発生し易いクランク角度範囲内におけるタイミングで燃料を噴射させる第2の燃料噴射タイミングと、を設定し、
    非高負荷運転領域では、上記ノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定した第2の燃料噴射タイミングをそのままのタイミングに維持し、ノッキングが発生し易いエンジン運転条件である高負荷運転領域では、上記ノッキングが発生し易いクランク角度範囲内に設定した第2の燃料噴射タイミングを、上記ノッキングが発生し易いクランク角度範囲よりも遅いタイミングに変更することを特徴とするエンジンの燃料噴射時期制御装置。
  2. 上記エンジンは、上記気筒内に直接燃料を噴射する筒内直噴式エンジンである請求項1に記載のエンジンの燃料噴射時期制御装置。
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