JP2009036051A - 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法 - Google Patents

内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009036051A
JP2009036051A JP2007199609A JP2007199609A JP2009036051A JP 2009036051 A JP2009036051 A JP 2009036051A JP 2007199609 A JP2007199609 A JP 2007199609A JP 2007199609 A JP2007199609 A JP 2007199609A JP 2009036051 A JP2009036051 A JP 2009036051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
internal combustion
engine
excessive
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007199609A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Nagai
正勝 永井
Shuji Yuda
修事 湯田
Takahiro Uchida
孝宏 内田
Tomohiro Nakano
智洋 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007199609A priority Critical patent/JP2009036051A/ja
Publication of JP2009036051A publication Critical patent/JP2009036051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】過度時と定常時の排気脈動のズレを考慮して、過度時においても最適なVTT制御を行うことが可能な内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及び内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ECU51は、エンジン10が過度状態の場合に、過度時の排気温度と定常時の排気温度との差分に基づいて、エンジン回転数の過度時と定常時との排気脈動のズレ分を補正し、補正したエンジン回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及び内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法に関し、詳細には、内燃機関の排気弁の開閉タイミングの変更することができる内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及び内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法に関する。
内燃機関の運転状態に応じて、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを制御し、出力増加または燃費の改善を図ることのできるバルブ開閉タイミング制御装置は公知である。
例えば、特許文献1のバルブタイミング制御装置では、内燃機関の吸気弁または排気弁の開閉タイミングを、少なくとも2段階に非連続的に切換可能なバルブ開閉タイミング可変アクチュエータ(VVT)を備えたバルブ開閉タイミング制御装置において、機関の運転状態パラメータに応じて、VVTの切換タイミングとなる機関回転数の目標値を、変速機のシフト位置に基づいた値と、機関回転数の変化率に基づいた値の2通り演算し、このうち現在の機関回転数に近い方が最適目標値として選択し、この最適目標値に実際の機関回転数が達した時にVVTの切換タイミングを切り換えるように構成している。
特開平8−144793号公報
しかしながら、上記従来技術では、定常運転時(以下「定常時」と称する)と過度運転時(以下「過度時」と称する)との排気温度の差を考慮していないという問題がある。定常時と過度時では、排気温度が異なるため、排気温度の変化に起因して排気脈動の周波数が変化する。
図7は、定常時と過度時の排気脈動を説明するための図である。同図に示すように、過度時の排気脈動と定常時の排気脈動はズレがあるため、VVT最適値が変化する。このため、過度時に定常時と同様なVVT制御を行うと、定常時のエンジントルクを再現することができない(トルクダウンとなる)。例えば、過度時には、排気脈動の負圧波{排気脈動の極小部分近傍(正圧波も含む場合がある)を負圧波と言う}を、オーバーラップ期間(吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なる期間、換言すれば吸気弁と排気弁とが共に開弁している期間)に当てる(一致させる)ことができない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、過度時と定常時の排気脈動のズレを考慮して、過度時においても最適なVVT制御を行うことが可能な内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及び内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、運転状態に応じて、少なくとも内燃機関の排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置において、前記内燃機関が過度状態の場合に、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、補正した機関回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出するVVT制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記VVT制御手段は、前記内燃機関が定常状態の場合において、機関回転数と、負荷と、排気VVT目標値を関連づけた排気VVT目標値マップと、 前記内燃機関が定常状態の場合において、機関回転数と、負荷と、及び定常時の排気温度を関連づけた定常排気温度マップと、前記内燃機関が過度状態において、変速機のギヤポジション毎に、機関回転数と、負荷と、及び過度時の排気温度を関連づけた過度排気温度マップと、を備え、前記内燃機関が定常状態である場合には、前記定常排気VVTマップを参照して、機関回転数と、負荷とに基づいて、排気VVT目標値を算出し、前記内燃機関が過度状態である場合には、前記過度排気温度マップを参照して、前記変速機のギヤポジションと、機関回転数と、負荷に基づいて、過度時の排気温度を算出し、また、前記定常排気温度マップを参照して、機関回転数、及び負荷に基づいて定常時の排気温度を算出し、前記定常時の排気温度と前記過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の過度状態と定常状態との排気脈動のズレ分を補正し、前記定常排気温度マップを参照して、前記補正した機関回転数、及び負荷に基づいて、排気VVT目標値を算出する排気VVT目標値算出手段と、を備えることが望ましい。
上記した課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、運転状態に応じて、少なくとも内燃機関の排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法において、内燃機関が過度状態の場合に、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、補正した機関回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出する工程を備えることが望ましい。
本発明に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置によれば、運転状態に応じて、少なくとも内燃機関の排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置において、内燃機関が過度状態の場合に、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、補正した機関回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出するVVT制御手段を備えているので、過度時と定常時の排気脈動のズレを考慮して、過度時においても最適なVTT制御を行うことが可能な内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置を適用したエンジンを表す概略構成図である。
図1に示すように、内燃機関としてのエンジン10は多気筒筒内噴射式であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
従って、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジン10は、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing−intelligent)27、28となっている。この吸気・排気可変動弁機構27、28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29、30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31、32からの油圧をこのVVTコントローラ29、30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23、24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27、28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33、34が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットル弁39を有する電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)41が装着されており、このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜して配置されている。各気筒に装着されるインジェクタ41はデリバリパイプ42に連結され、このデリバリパイプ42には高圧燃料供給管43を介して高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)44が連結されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。
一方、排気ポート20には、排気マニホールド46を介して排気管47が連結されており、この排気管47には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する三元触媒48、49が装着されている。また、エンジン10には、クランキングを行うスタータモータ50が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト16を回転することができる。
ところで、車両には、エンジン10の各部を制御するECU(電子制御ユニット)51が搭載されており、このECU51は、CPU(中央処理ユニット)、メモリ、入出力インターフェイス等で構成されており、CPUは、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、エンジン10の各部を制御する。
吸気管37の上流側にはエアフローセンサ52及び吸気温センサ53が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ54が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU51に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ55が装着されており、現在のスロットル開度をECU51に出力しており、アクセルポジションセンサ56は、現在のアクセル開度をECU51に出力している。また、ギヤポジションセンサ80は、変速機の現在のギヤポジションをECU51に出力している。変速機(不図示)は、エンジン10の出力軸に接続されており、公知の形式の有段変速機であり、自動変速機またはクラッチ付き手動変速機である。
更に、回転速度検出手段としてのクランク角センサ57は、検出した各気筒のクランク角度をECU51に出力し、このECU51は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。なおここで、エンジン回転数は、言い換えれば、クランクシャフト16の回転速度に対応し、このクランクシャフト16の回転速度が高くなれば、クランクシャフト16の回転数、すなわち、エンジン10のエンジン回転数も高くなる。
また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ58が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU51に出力している。更に、シリンダヘッド12には燃焼室18内の圧力、つまり、筒内圧力を検出する筒内圧検出手段としての筒内圧センサ59が設けられており、検出した筒内圧力をECU51に出力している。また、各インジェクタ41に連通するデリバリパイプ42には燃料圧力を検出する燃圧センサ60が設けられており、検出した燃料圧力をECU51に出力している。一方、排気管47には、三元触媒48の上流側及び下流側に位置して排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ61、62が設けられており、検出した酸素濃度をECU51に出力している。
従って、ECU51は、検出した燃料圧力に基づいてこの燃料圧力が所定圧力となるように高圧燃料ポンプ44を駆動すると共に、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射時間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。また、ECU51は、検出した排気ガスの酸素濃度をフィードバックして空燃比がストイキ(理論空燃比)となるように燃料噴射量を補正している。
また、ECU51は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27、28を制御可能となっている。すなわち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
また、ECU51は、後述する排気VVT目標値算出処理(図4及び図5参照)を実行して、過度時と定常時の排気温度の相違に基づく排気脈動のズレを補正して、排気弁22の排気VVT目標値(目標進角量、遅角量)を算出する。
つぎに、過度時におけるECU51のVVT制御(排気温度補正)について詳細に説明する。上述したように、過度時では、定常時のエンジントルクが再現できない。その理由として、定常時と過度時の排気温度の違い(上昇遅れ)に起因する排気脈動のズレの影響がある。
図2は、定常時と過度時の排気温度とエンジントルクの実験結果の一例を示す図である。同図は、定常時と、過度時(ギヤポジション:1st、5th)のエンジントルク(N・m)と排気マニュホールド集合部の排気温度(℃)の特性を示しており、横軸はエンジン回転数、縦軸は、エンジントルク(N・m)、排気マニュホールド集合部の排気温度(℃)を示している。
図3は、過度時の排気脈動の排圧の実験結果の一例を示す図である。同図は、エンジン回転数を変化させた場合の排気脈度の排圧の特性を示しており、横軸はクランク角度、縦軸は、エンジン回転数(rpm)及び排気脈度の排圧(kPa)を示している。
図2に示すように、定常時と過度時では排気温度が異なっている。排気温度は、排気脈動に直接影響するため、定常時と過度時では、エンジン回転数は同じでも、排気温度が相違しており、排気脈動は同等ではない。特に、図2のAの領域では、定常時と過度時で、エンジントルクが異なっている。図2のAの領域は、図3のBの領域に対応しており、この図3のBの領域では、排気脈動の正圧域であるために、排気温度による排気脈動のズレによるエンジントルクの影響度が大きく(エンジントルクの低下が大きく)、この領域での最適VVT値は、定常時と過度時とでは大きく異なる。例えば、定常時には、排気脈動の負圧域をオーバーラップ区間に当てて、最適排気VVT値としているが、定常時と過度時でオーバーラップ区間を同じにした場合には、過度時には、オーバーラップ区間に、排気脈動の負圧域を当てることができず、正圧域が当たることになるため、エンジントルクが低下してしまう。
また、上記図2に示すように、過度時の排気温度の上昇速度は、ギヤポジションにより異なり、エンジン回転数上昇速度の影響を受けるため、本実施例では、過度時の排気温度を算出するために、ギヤポジション毎に過度排気温度マップを設け、過度時の排気温度を算出する。その過度時の排気温度と定常時の排気温度の差から排気脈動のズレ分に対応するエンジン回転数のズレ量を算出し、エンジン回転数のズレ量を補正して、排気VVT目標値を算出する。
図4は、ECU51の排気VVT目標値算出処理を説明するためのフローチャートである。図5は、ECU51が排気VVT目標値算出処理を説明するための説明図であり、定常排気温度マップ、過度排気温度マップ、排気VVT目標値マップの一例を示している。
図4及び図5において、両者のステップ番号は対応している。
ECU51は、図5に示すような、定常排気温度マップ101、過度排気温度マップ102、排気VVT目標値マップ103を備えている。
定常排気温度マップ101は、予め定常状態での実験を行い、エンジン回転数と負荷(例えば、吸入空気量、スロットル開度、排気負圧)を変数として、定常時の排気温度を格納したものである。ECU51は、この定常排気温度マップ101を参照して、検出したエンジン回転数及び負荷に基づいて、定常時の排気温度を算出する。
過度排気温度マップ102は、予めギヤポジション(1st〜8th)毎に過度状態での実験を行い、ギヤポジション(1st〜8th)毎に、エンジン回転数と負荷(例えば、吸入空気量、スロットル開度、排気負圧)を変数として、過度時の排気温度を格納したものである。ECU51は、この過度排気温度マップ102を参照して、検出したギヤポジション、エンジン回転数、及び負荷に基づいて、過度時の排気温度を算出する。
排気VVT目標値マップ103は、予め定常状態で実験を行い、エンジン回転数と負荷(例えば、吸入空気量、スロットル開度、排気負圧)を変数として、最適なエンジントルクとなる排気VVT目標値(目標進角量、遅角量)を格納したものである。ECU51は、この排気VVT目標値マップ103を参照して、検出したエンジン回転数及び負荷に基づいて、排気VVT目標値(目標作用角)を算出する。
図4を参照して、ECU51の排気VVT目標値算出処理を説明する。同図において、ECU51は、まず、現在のエンジン回転が所定数以上で、かつ、現在のスロットル開度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ECU51は、現在のエンジン回転が所定数以上で、かつ、現在のスロットル開度が所定値以上である場合に、エンジンが過度時と判定して、S3〜S8の排気温度補正制御を行う。
ECU51は、現在のエンジン回転数が所定数以上で、かつ、現在のスロットル開度が所定値以上でない場合には(ステップS1の「No」)、排気VTT目標値マップ103を参照して、現在のエンジン回転数及び負荷に基づいて、排気VVT目標値を算出する(ステップS2)。
他方、ECU51は、現在のエンジン回転数が所定数以上で、かつ、現在のスロットル開度が所定値以上である場合には(ステップS1の「Yes」)、過度排気温度マップ102を参照して、現在のギヤポジション、エンジン回転数、及び負荷に基づいて、過度時の排気温度を算出する(ステップS3)。
つづいて、ECU51は、定常排気温度マップ101を参照して、現在のエンジン回転数及び負荷に基づいて、定常時の排気温度を算出し(ステップS4)、定常時の排気温度と過度時の排気温度の差分(排気温度低下分)Sを算出する(ステップS5)。
ECU51は、排気脈動のズレ量に対応するエンジン回転数のズレ量P=排気温度低下分S×補正係数K(排気システムで定まる定数)の演算式により、排気脈動のズレ量に対応するエンジン回転数のズレ量Pを算出する(ステップS6)。排気温度と排気脈動の相関は、その排気システム(排気ポート容量、長さ、排気管径、長さ)で決定される。例えば、実験結果から排気温度が1℃下がった場合の排気脈動によるエンジン回転数のズレ量Pが3.9rpmとなる場合は、補正係数K=3.9となる。過度時の排気温度が定常時の排気温度より80℃低くなる場合には、排気脈動によるエンジン回転数のズレ量P=80×3.9=312となり、排気脈動は312rpm下がったエンジン回転数と同じになる。
ECU51は、現在のエンジン回転数からエンジン回転数のズレ量Pを減算して、補正エンジン回転数を算出し(ステップS7)、排気VVT目標値マップ103を参照して、算出した補正エンジン回転数及び負荷に基づいて、排気VVT目標値を算出する(ステップS8)。
ECU51は、排気可変動弁機構28の排気弁22の進角量・遅角量が、算出した排気VVT目標値(目標進角量、遅角量)となるように、排気可変動弁機構28を制御する。
以上説明したように、本発明の実施例1に係るエンジン10によれば、ECU51は、エンジン10が過度状態の場合に、過度時の排気温度と定常時の排気温度との差分に基づいて、エンジン回転数の過度時と定常時との排気脈動のズレ分を補正し、補正したエンジン回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出することとしたので、過度時と定常時の排気脈動のズレを考慮して、過度時においても最適なVTT制御を行うことが可能となる。
また、本発明の実施例1に係るエンジン10によれば、ECU51は、定常状態の場合において、エンジン回転数と、負荷と、排気VVT目標値を関連づけた排気VVT目標値マップ103と、定常状態の場合において、エンジン回転数と、負荷と、及び定常時の排気温度を関連づけた定常排気温度マップ101と、過度状態の場合において、変速機のギヤポジション毎に、エンジン回転数と、負荷と、及び過度時の排気温度を関連づけた過度排気温度マップ102と、を備え、過度状態である場合には、過度排気温度マップ102を参照して、変速機のギヤポジションと、エンジン回転数と、負荷に基づいて、過度時の排気温度を算出し、また、定常排気温度マップ101を参照して、エンジン回転数、及び負荷に基づいて定常時の排気温度を算出し、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、エンジン回転数の過度状態と定常状態との排気脈動のズレ分を補正し、排気VVT目標値マップ103を参照して、補正したエンジン回転数と、負荷とに基づいて、排気VVT目標値を算出することとしたので、簡単な構成及び処理により、過度時の排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出することが可能となる。
図6を参照して、本発明の実施例2に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置を説明する。内燃機関システムの概略構成は、図1(実施例1)と同様であるので、その説明は省略する。実施例2では、排気VVT目標値マップ201を3Dテーブル化(ギヤポジション、エンジン回転数、負荷、排気VVT目標値)したものである。
図6は、実施例2に係る排気VVT目標値マップ201の一例を示す図である。排気VVT目標値マップ103は、予めギヤポジション(1st〜8th)毎に定常状態での実験を行い、ギヤポジション(1st〜8th)毎に、エンジン回転数と負荷(例えば、吸入空気量、スロットル開度、排気負圧)を変数として、最適なエンジントルクとなる排気VVT目標値(目標進角量、遅角量)を格納したものである。ECU51は、この排気VVT目標値マップ201を参照して、検出したギヤポジション、エンジン回転数、及び負荷に基づいて、排気VVT目標値(目標進角量、遅角量)を算出する。これにより、エンジン回転数の上昇が速い(排気温度の上昇遅い)低速ギヤでも常に最適なエンジントルクを得ることができるVVT制御が可能となる。
なお、本発明は、上記実施例1、2に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、本発明の内燃機関の制御装置を筒内噴射式の多気筒エンジンに適用して説明したが、この形式のエンジンに限らず、直列型またはV型エンジンに適用することもでき、ポート噴射式の内燃機関に適用しても同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施例1、2では、エンジン10が過度状態の場合に、過度時の排気温度と定常時の排気温度との差分に基づいて、エンジン回転数の過度時と定常時との排気脈動のズレ分を補正し、補正したエンジン回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出することとしたが、これに加えて、エンジン10が過度状態の場合に、過度時の排気温度と定常時の排気温度との差分に基づいて、エンジン回転数の過度時と定常時との排気脈動のズレ分を補正し、補正したエンジン回転数に基づいて、吸気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出することにしてもよい。
本発明に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及び内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法は、排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)を備えた内燃機関に広く利用可能である。
本発明の実施例1に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置を適用したエンジンを表す概略構成図である。 定常時と過度時の排気温度とエンジントルクの実験結果の一例を示す図である。 過度時の排気脈動の排圧の実験結果の一例を示す図である。 ECUが実行する排気VVT目標値算出処理を説明するためのフローチャートである。 ECUが実行する排気VVT目標値算出処理を説明するための説明図である。 本発明の実施例2に係る排気VVT目標値マップの一例を示す図である。 定常時と過度時の排気脈動のズレを説明するための図である。
符号の説明
10 エンジン(内燃機関)
14 ピストン
16 クランクシャフト
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
23 吸気カムシャフト
24 排気カムシャフト
25 吸気カム
26 排気カム
27 吸気可変動弁機構
28 排気可変動弁機構
29、30 VVTコントローラ
41 インジェクタ
45 点火プラグ
51 ECU
57 クランク角センサ
59 筒内圧センサ
80 ギヤポジションセンサ
101 定常排気温度マップ
102 過度排気温度マップ
103、201 排気VVT目標値マップ

Claims (3)

  1. 運転状態に応じて、内燃機関の少なくとも排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置において、
    内燃機関が過度状態の場合に、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、補正した機関回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出するVVT制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置。
  2. 前記VVT制御手段は、
    前記内燃機関が定常状態の場合において、機関回転数と、負荷と、排気VVT目標値を関連づけた排気VVT目標値マップと、
    前記内燃機関が定常状態の場合において、機関回転数と、負荷と、及び定常時の排気温度を関連づけた定常排気温度マップと、
    前記内燃機関が過度状態において、変速機のギヤポジション毎に、機関回転数と、負荷と、及び過度時の排気温度を関連づけた過度排気温度マップと、
    を備え、
    前記内燃機関が過度状態である場合には、前記過度排気温度マップを参照して、前記変速機のギヤポジションと、機関回転数と、負荷に基づいて、過度時の排気温度を算出し、また、前記定常排気温度マップを参照して、機関回転数、及び負荷に基づいて定常時の排気温度を算出し、前記定常時の排気温度と前記過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、前記定常排気温度マップを参照して、前記補正した機関回転数と、負荷とに基づいて、排気VVT目標値を算出する排気VVT目標値算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置。
  3. 運転状態に応じて、内燃機関の少なくとも排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法において、
    内燃機関が過度状態の場合に、定常時の排気温度と過度時の排気温度との差分に基づいて、機関回転数の定常状態と過度状態との排気脈動のズレ分を補正し、補正した機関回転数に基づいて、排気VVT(Variable Valve Timing)目標値を算出する工程を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブ開閉タイミング制御方法。
JP2007199609A 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法 Pending JP2009036051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007199609A JP2009036051A (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007199609A JP2009036051A (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009036051A true JP2009036051A (ja) 2009-02-19

Family

ID=40438195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007199609A Pending JP2009036051A (ja) 2007-07-31 2007-07-31 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009036051A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185464A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の制御装置
JP2017106763A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 株式会社小野測器 エンジン特性試験方法およびエンジン特性試験システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185464A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の制御装置
JP2017106763A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 株式会社小野測器 エンジン特性試験方法およびエンジン特性試験システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2564880A1 (en) Control system for internal combustion engine
JP2005207273A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2009150324A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US8682567B2 (en) Intake air control apparatus and intake air control method for internal-combustion engine
JP2007231798A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2006067581A1 (en) Valve characteristic control apparatus for internal combustion engine
JP4983747B2 (ja) 内燃機関
JP5573442B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009250055A (ja) 内燃機関の内部egr制御装置
JP4841382B2 (ja) 内燃機関
JP2008157104A (ja) 内燃機関
JP3771101B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007126992A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005194965A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP2009036051A (ja) 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置及びその方法
JP2008002329A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2010048108A (ja) 内燃機関
JP5045600B2 (ja) 内燃機関
JP5708407B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4816591B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009275617A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004316545A (ja) 圧縮着火式内燃機関の気筒別制御装置
JP2009127485A (ja) 内燃機関
JP4687578B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置
JP2009121332A (ja) シリンダヘッド及び内燃機関