JP5573442B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構とを具備し、機関中負荷運転時および機関高負荷運転時には実圧縮比を一定に保持した状態で機関負荷が低くなるにつれて機械圧縮比を増大すると共に吸気弁の閉弁時期を遅くするようにした内燃機関が知られている。このよう内燃機関においては、可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる。
また、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁のリフト量を変更可能な可変リフト機構と、筒内燃料噴射装置とを具備し、実圧縮比に基づいて燃料噴射量を算出する内燃機関も知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−190358号公報
しかしながら、機械圧縮比や吸気弁の閉弁時期が制御され、その制御された実圧縮比が同じであっても吸気弁の閉弁時期や筒内燃料噴射装置による燃料噴射タイミングの変化により、もたらされる実空燃比と目標空燃比との間に大きなズレを生じる場合がある。すなわち、機械圧縮比や吸気弁の閉弁時期が制御され、その制御された最終的な実圧縮比が同じであっても、例えば、吸気弁が閉弁される時期に対する後の筒内燃料噴射装置による燃料噴射タイミングによっては、燃料噴射される際の筒内燃料噴射装置の先端バルブにかかる筒内圧が変わるため、調整された燃圧(燃料の圧力)との差圧が変わり、実際に噴射される燃料量に要求燃料量からのズレが生じ、このことに起因して、実空燃比と目標空燃比との間に大きなズレを生じる場合がある。
本発明は上記課題に鑑み、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、実空燃比と目標空燃比とのズレなどを抑制しうるように、吸気弁の閉弁時期や燃料噴射時期などの変化によりもたらされる筒内圧の変化を考慮して燃料噴射を適切に制御することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、前記燃料噴射制御においては、吸入空気量と目標空燃比とに基づいて基本燃料噴射量が算出されるとともに、該算出された基本燃料噴射量が筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、制御された実圧縮比と前記吸気弁の閉弁時期と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいて筒内圧補正係数が算出され、該筒内圧補正係数にて前記基本燃料噴射量が補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
すなわち、請求項1の記載の発明では、可変圧縮比機構と可変バルブタイミング機構と筒内燃料噴射装置とを具備し、機械圧縮比の変更と吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置において、機械圧縮比の変更と吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御を行うようにすることで、筒内燃料噴射装置の先端バルブにかかる筒内圧の変化を考慮した適切な燃料噴射制御を実行することができ、機械圧縮比の変更と吸気弁の閉弁時期の変更とが行われる場合においても、実際に噴射される燃料量と要求燃料量とのズレを抑制することを可能し、実空燃比と目標空燃比との間に大きなズレが生じることなどを抑制することを可能とする。
請求項2に記載の発明によれば、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、前記燃料噴射制御においては、機関回転数と吸入空気量とに基づいて前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射の基本目標燃圧が算出されるとともに、該算出された基本目標燃圧が筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、制御された実圧縮比と前記吸気弁の閉弁時期と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいて燃圧補正係数が算出され、該燃圧補正係数にて前記基本目標燃圧が補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、機関排気通路内に配設され排気空燃比を検出する空燃比センサを備え、該空燃比センサの出力値に基づいてフィードバックパラメータとなるフィードバックゲインを用いて排気空燃比を目標空燃比に制御すべく燃料噴射量をフィードバックにより補正するフィードバック制御手段を有し、前記燃料噴射制御においては、前記フィードバックゲインが筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、前記吸気弁の閉弁時期の変化量と前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変化量と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいてフィードバックゲイン補正値が算出され、該フィードバックゲイン補正値にて前記フィードバックゲインが補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
各請求項に記載の発明によれば、変圧縮比機構と可変バルブタイミング機構と筒内燃料噴射装置とを具備し、機械圧縮比の変更と吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置において、機械圧縮比の変更と吸気弁の閉弁時期の変更とが行われ場合においても、実空燃比と目標空燃比とのズレなどを抑制しうるように、吸気弁の閉弁時期や燃料噴射時期などの変化によりもたらされる筒内圧の変化に応じた適切な燃料噴射制御を可能にする共通の効果を奏する。
内燃機関の全体図である。 可変圧縮比機構の分解斜視図である。 図解的に表した内燃機関の側面断面図である。 可変バルブタイミング機構を示す図である。 吸気弁及び排気弁のリフト量を示す図である。 機械圧縮比、実圧縮比及び膨張比を説明するための図である。 本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の一実施形態のフローチャートである。 吸気弁の閉弁時期と筒内圧との関係の一例を示す図である。 吸気弁の閉弁時期と実圧縮比とに基づいて筒内圧補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。 吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいて第2の筒内圧補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。 本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。 吸気弁の閉弁時期と実圧縮比とに基づいて燃圧補正値を算出するマップの一実施形態を示す図である。 吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいて燃圧補正値補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。 本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。 機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量とに基づいてフィードバックゲインを算出するマップの一実施形態を示す図である。 吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいてフィードバックゲイン補正値補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。 本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。
図1に火花点火式内燃機関の側面断面図を示す。
図1を参照すると、1はクランクケース、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火プラグ、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結される。また、シリンダヘッド3の内壁面周辺部には筒内(気筒内)に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置13が配置される。
サージタンク12は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結され、吸気ダクト14内の機関吸気通路にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17と例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18とが配置される。また、サージタンク12にはサージタンク12内の圧力を検出するための圧力センサ23が設けられる。一方、排気ポート10は排気マニホルド24を介して例えば三元触媒を内蔵した触媒コンバータ25に連結され、排気マニホルド24内には機関排気通路内に配設され排気空燃比を検出する空燃比センサ26が配置される。
一方、図1に示した実施形態ではクランクケース1とシリンダブロック2との連結部にクランクケース1とシリンダブロック2のシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることによりピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更可能な可変圧縮比機構Aが設けられており、更に実際の圧縮作用の開始時期を変更するために吸気弁7の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構Bが設けられている。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。吸入空気量検出器18の出力信号及び空燃比センサ26の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火プラグ6、筒内燃料噴射装置13、スロットル弁駆動用アクチュエータ16、可変圧縮比機構A及び可変バルブタイミング機構Bに接続される。
図2は図1に示す可変圧縮比機構Aの分解斜視図を示しており、図3は図解的に表した内燃機関の側面断面図を示している。図2を参照すると、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50内にはそれぞれ断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁面上には互いに間隔を隔ててそれぞれ対応する突出部50の間に嵌合せしめられる複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52内にもそれぞれ断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
図2に示したように一対のカムシャフト54、55が設けられており、各カムシャフト54、55上には一つおきに各カム挿入孔51内に回転可能に挿入される円形カム56が固定されている。これらの円形カム56は各カムシャフト54、55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム56間には図3においてハッチングで示すように各カムシャフト54、55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム58が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示したようにこれら円形カム58は各円形カム56間に配置されており、これら円形カム58は対応する各カム挿入孔53内に回転可能に挿入されている。
図3(A)に示すような状態から各カムシャフト54、55上に固定された円形カム56を図3(A)において実線の矢印で示したように互いに反対方向に回転させると偏心軸57が下方中央に向けて移動するために円形カム58がカム挿入孔53内において図3(A)の破線の矢印に示すように円形カム56とは反対方向に回転し、図3(B)に示したように偏心軸57が下方中央まで移動すると円形カム58の中心が偏心軸57の下方へ移動する。
図3(A)と図3(B)とを比較するとわかるようにクランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離によって定まり、円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース1から離れる。シリンダブロック2がクランクケース1から離れるとピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は増大し、従って各カムシャフト54、55を回転させることによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更することができる。
図2に示したように各カムシャフト54、55をそれぞれ反対方向に回転させるために駆動モータ59の回転軸にはそれぞれ螺旋方向が逆向きの一対のウォームギア61、62が取付けられており、これらウォームギア61、62と噛合する歯車63、64がそれぞれ各カムシャフト54、55の端部に固定されている。この実施形態では駆動モータ59を駆動することによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を広い範囲に亘って変更することができる。なお、図1〜図3に示した可変圧縮比機構Aは一例を示すものであっていかなる形式の可変圧縮比機構でも用いることができる。
一方、図4は図1において吸気弁7を駆動するためのカムシャフト70の端部に取付けられた可変バルブタイミング機構Bを示している。図4を参照すると、この可変バルブタイミング機構Bは機関のクランク軸によりタイミングベルトを介して矢印方向に回転せしめられるタイミングプーリ71と、タイミングプーリ71と一緒に回転する円筒状ハウジング72と、吸気弁駆動用カムシャフト70と一緒に回転し且つ円筒状ハウジング72に対して相対回転可能な回転軸73と、円筒状ハウジング72の内周面から回転軸73の外周面まで延びる複数個の仕切壁74と、各仕切壁74の間で回転軸73の外周面から円筒状ハウジング72の内周面まで延びるベーン75とを具備しており、各ベーン75の両側にはそれぞれ進角用油圧室76と遅角用油圧室77とが形成されている。
各油圧室76、77への作動油の供給制御は作動油供給制御弁85によって行われる。この作動油供給制御弁85は各油圧室76、77にそれぞれ連結された油圧ポート78、79と、油圧ポンプ80から吐出された作動油の供給ポート81と、一対のドレインポート82、83と、各ポート78、79、81、82、83間の連通遮断制御を行うスプール弁84とを具備している。
吸気弁駆動用カムシャフト70のカムの位相を進角すべきときは図4においてスプール弁84が右方に移動せしめられ、供給ポート81から供給された作動油が油圧ポート78を介して進角用油圧室76に供給されると共に遅角用油圧室77内の作動油がドレインポート83から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印方向に相対回転せしめられる。
これに対し、吸気弁駆動用カムシャフト70のカムの位相を遅角すべきときは図4においてスプール弁84が左方に移動せしめられ、供給ポート81から供給された作動油が油圧ポート79を介して遅角用油圧室77に供給されると共に進角用油圧室76内の作動油がドレインポート82から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印と反対方向に相対回転せしめられる。
回転軸73が円筒状ハウジング72に対して相対回転せしめられているときにスプール弁84が図4に示した中立位置に戻されると回転軸73の相対回転動作は停止せしめられ、回転軸73はそのときの相対回転位置に保持される。従って可変バルブタイミング機構Bによって吸気弁駆動用カムシャフトのカムの位相を所望の量だけ進角させることができ、遅角させることができることになる。
図5において実線は可変バルブタイミング機構Bによって吸気弁駆動用カムシャフトのカムの位相が最も進角されているときを示しており、破線は吸気弁駆動用カムシャフト70のカムの位相が最も遅角されているときを示している。従って吸気弁7の開弁期間は図5において実線で示す範囲と破線で示す範囲との間で任意に設定することができ、従って吸気弁7の閉弁時期も図5において矢印Cで示す範囲内の任意のクランク角に設定することができる。
図1及び図4に示した可変バルブタイミング機構Bは一例を示すものであって、例えば吸気弁の開弁時期を一定に維持したまま吸気弁の閉弁時期のみを変えることのできる可変バルブタイミング機構等、種々の形式の可変バルブタイミング機構を用いることができる。また、本発明では実際の圧縮作用の開始時期を変更するために可変バルブタイミング機構Bを用いているが、可変バルブタイミング機構ではなくても実際の圧縮作用の開始時期を変更可能な実圧縮作用開始時期変更機構であればいかなる形式の実圧縮作用開始時期変更機構も用いることができる。
次に図6を参照しつつ本願において使用されている用語の意味について説明する。なお、図6の(A)、(B)、(C)には説明のために燃焼室容積が50mlでピストンの行程容積が500mlであるエンジンが示されており、これら図6の(A)、(B)、(C)において燃焼室容積とはピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室の容積を表している。
図6(A)は機械圧縮比について説明している。機械圧縮比は圧縮行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であってこの機械圧縮比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6(A)に示した例ではこの機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図6(B)は実圧縮比について説明している。この実圧縮比は実際に圧縮作用が開始されたときからピストンが上死点に達するまでの実際のピストン行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの実圧縮比は(燃焼室容積+実際の行程容積)/燃焼室容積で表される。すなわち、図6(B)に示したように圧縮行程においてピストンが上昇を開始しても吸気弁が開弁している間は圧縮作用は行われず、吸気弁が閉弁したときから実際の圧縮作用が開始される。従って実圧縮比は実際の行程容積を用いて上記のように表される。図6(B)に示した例では実圧縮比は(50ml+450ml)/50ml=10となる。
図6(C)は膨張比について説明している。膨張比は膨張行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの膨張比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6(C)に示した例ではこの膨張比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
ところで、上記でも述べたように、機械圧縮比や吸気弁の閉弁時期が制御され、その制御された最終的な実圧縮比が同じであっても、例えば吸気弁が閉弁された時期に対する後の筒内燃料噴射装置による噴射タイミングによっては、燃料噴射される際の筒内燃料噴射装置の先端バルブにかかる筒内圧が変わるため、調整された燃圧(燃料の圧力)との差圧が変わり、実際に噴射される燃料量に要求燃料量からのズレが生じ、このことに起因して、実空燃比と目標空燃比との間に大きなズレを生じる場合がある。
このことに基づいて本発明においては、実空燃比と目標空燃比とのズレなどを抑制しうるように、吸気弁の閉弁時期や燃料噴射時期などの変化によりもたらされる筒内圧の変化を考慮して適切な燃料噴射制御を実行することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
図7は、本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の一実施形態のフローチャートである。図7に示される燃料噴射制御においては、吸入空気量と目標空燃比とに基づいて基本燃料噴射量が算出され、該算出された基本燃料噴射量を筒内圧の変化に応じて補正制御することで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。具体的には、まず、ステップ101において、圧縮行程における燃料噴射であるか否かが判定される。そして、圧縮行程における燃料噴射であることが確認されると、続くステップ102に進み、機械圧縮比と吸気弁の閉弁時期とに基づいて実圧縮比が算出される。続くステップ103においては、算出された実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くための筒内圧補正係数が算出され、続くステップ104にて、該筒内圧補正係数と基本燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量を算出し、ステップ105において燃料噴射が実行される。
図8は、吸気弁の閉弁時期と筒内圧との関係の一例を示す図である。より具体的には図8においては、実圧縮比が同一であるが吸気弁の閉弁時期が異なる場合における筒内圧の変化の典型的な一例が示される。図8から理解されうるごとく、実圧縮比が同じであっても、吸気弁の閉弁時期によって筒内圧の変化が異なり、同じタイミングにて燃料噴射が行われる場合においては、吸気弁の閉弁時期の相違により燃料噴射される際の筒内燃料噴射装置の先端バルブにかかる筒内圧が異なるものとなる。
図9は、吸気弁の閉弁時期と実圧縮比とに基づいて筒内圧補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。より具体的には、該マップは、筒内圧と吸気弁の閉弁時期とが図8に示されるような関係にある場合において、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くための筒内圧補正係数を算出するためのマップの一実施形態を示す図である。図8から理解されうるごとく、実圧縮比が同一である場合であって燃料噴射タイミングが同じである場合には、吸気弁の閉弁時期が早いほど燃料噴射される際の筒内圧が高く、よって、吸気弁の閉弁時期が早いほど燃料噴射量を増量する必要がある。このことに基づいて図9に示されるマップにおいては、実圧縮比が同一である場合には吸気弁の閉弁時期が早いほど燃料噴射量が増量されるように、より大きな筒内圧補正係数が適用される。尚、図9に示されるマップにおいて、燃料噴射開始時期と吸気弁が閉弁時期とが一致する場合には実圧縮比に関わらず筒内圧補正係数が1.0に設定される。また、本マップは、試験評価や解析評価などに基づいて予め作成され、電子制御ユニット30のメモリ内に格納されて使用されるものとする。
本実施形態においては、このような図9に示されたマップを使用して上記ステップ103において筒内圧補正係数が算出され、該筒内圧補正係数を使用して、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くことで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。
尚、図7に示される燃料噴射制御の実施形態においては、燃料噴射開始時期については一定であることを前提しているが、燃料噴射開始時期を変更する場合も想定される。図8から理解されうるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど燃料噴射される際の筒内圧は大きくなり、よって、燃料噴射量を増量する必要がある。このことに基づいて、上記ステップ103において、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くための第1の筒内圧補正係数を算出するとともに、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔においてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くための第2の筒内圧補正係数を算出し、これらの第1及び第2の筒内圧補正係数と基本燃料噴射量とに基づいて目標燃料噴射量が算出されてもよい。図10は、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいて第2の筒内圧補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。図10に示されるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど、筒内圧補正係数が大きくなるように構成される。尚、図9及び図10に示されたそれぞれのマップは、一つの3次元マップとして構成されてもよい。
図11は、本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。図11に示される燃料噴射制御においては、機関回転数と吸入空気量とに基づいて基本目標燃圧が算出され、該算出された基本目標燃圧を筒内圧の変化に応じて補正制御することで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。具体的には、まず、ステップ201において、圧縮行程における燃料噴射であるか否かが判定される。そして、圧縮行程における燃料噴射であることが確認されると、続くステップ202に進み、機械圧縮比と吸気弁の閉弁時期とに基づいて実圧縮比が算出される。続くステップ203においては、算出された実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃圧を導くための燃圧補正値が算出され、続くステップ204にて、該燃圧補正値と基本目標燃圧とに基づいて目標燃圧が算出され、ステップ205において燃料噴射が実行される。
尚、本実施形態においては、機関回転数と吸入空気量とに基づいて基本目標燃圧が算出されるが、機関回転数と、内燃機関の各気筒内に充填された新気の量を表す負荷率(KL)とに基づいて基本目標燃圧が算出されてもよい。内燃機関の各機筒内に充填された新気の量を表す負荷率(KL)とは、内燃機関の負荷を表す一つのパラメータであり、例えば次式により定義される。
KL(%)=Mcair/((DSP/NCYL)×ρastd)×100
ここで、Mcairは吸気弁が開弁し次いで閉弁したときに各気筒の筒内に充填されている新気の量である筒内充填新気量(g)を、DSPは機関の排気量(リットル)を、NCYLは気筒数を、ρastdは標準状態(1気圧、25℃)における空気密度(約1.2g/リットル)をそれぞれ示している。
図12は、吸気弁の閉弁時期と実圧縮比とに基づいて燃圧補正値を算出するマップの一実施形態を示す図である。より具体的には、該マップは、筒内圧と吸気弁の閉弁時期とが図8に示されるような関係にある場合において、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃圧を導くための燃圧補正値を算出するためのマップの一実施形態を示す図である。図8から理解されうるごとく、実圧縮比が同一である場合であって燃料噴射タイミングが同じである場合には、吸気弁の閉弁時期が早いほど燃料噴射される際の筒内圧が高くなり、よって、吸気弁の閉弁時期が早いほど燃圧を高くする必要がある。このことに基づいて図12に示されるマップにおいては、実圧縮比が同一である場合には吸気弁の閉弁時期が早いほど燃圧が高くされるように、より大きな燃圧補正係数が適用される。尚、図12に示されるマップにおいて、燃料噴射開始時期と吸気弁が閉弁時期とが一致する場合には実圧縮比に関わらず燃圧補正値が0に設定される。また、本マップは、試験評価や解析評価などに基づいて予め作成され、電子制御ユニット30のメモリ内に格納されて使用されるものとする。
本実施形態においては、このような図12に示されたマップを使用して上記ステップ203において燃圧補正値が算出され、該燃圧補正値を使用して、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃圧を導くことで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。
尚、図11に示される燃料噴射制御の実施形態においては、燃料噴射開始時期については一定であることを前提しているが、燃料噴射開始時期を変更する場合も想定される。図8から理解されうるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど燃料噴射される際の筒内圧は大きくなり、よって、燃料噴射量を増量する必要がある。このことに基づいて、上記ステップ203において、実圧縮比と吸気弁の閉弁時期とにおいてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃圧を導くための燃圧補正値を算出するとともに、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔においてもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃圧を導くための燃圧補正値補正係数を算出し、これらの燃圧補正値と燃圧補正値補正係数と基本目標燃圧とに基づいて目標燃圧が算出されてもよい。図13は、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいて燃圧補正値補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。図13に示されるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど、燃圧補正値補正係数が大きくなるように構成される。尚、図12及び図13に示されたそれぞれのマップは、一つの3次元マップとして構成されてもよい。
本発明の図1に示される一実施形態においては、機関排気通路内に配設され排気空燃比を検出する空燃比センサを備え、該空燃比センサの出力値に基づいてフィードバックパラメータとなるフィードバックゲインを用いて排気空燃比を目標空燃比に制御すべく燃料噴射量がフィードバックにより補正されるフィードバック制御が実行されるように構成される。このような構成を有する内燃機関において実行されうる本発明における燃料噴射制御の一実施形態を以下に説明する。
図14は、本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。図14に示される燃料噴射制御においては、空燃比センサの出力値に基づく燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインを筒内圧の変化に応じて補正制御することで、筒内圧の変化を考慮した適切な燃料噴射制御の実行を可能とする。
筒内圧の変化は機械圧縮比の変化量および吸気弁の閉弁時期の変化量に依存し、機械圧縮比の変化量および吸気弁の閉弁時期の変化量が大きい場合には筒内圧の変化は大きくなる。筒内圧の変化が大きい場合においても燃料噴射制御を適切に追従させるためには、機械圧縮比の変化量および吸気弁の閉弁時期の変化量、すなわち、筒内圧の変化の大きさに応じて燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインを補正制御することが必要となる。このことに基づいて本実施形態における燃料噴射制御においては、吸気弁の閉弁時期の変化量と機械圧縮比の変化量とに基づいて、燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインが補正制御される。
図14に示される燃料噴射制御においては、まず、ステップ301において、圧縮行程における燃料噴射であるか否かが判定される。そして、圧縮行程における燃料噴射であることが確認されると、続くステップ302に進み、所定の機関サイクル前からの機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量とが算出される。続くステップ303においては、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量との各々の変化量がそれぞれの所定量よりも大きいか否かが判定される。各々の変化量がそれぞれの所定量よりも大きいと判定されると、続くステップ304において、燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインが通常運転時において設定されているフィードバックゲインよりも大きなフィードバックゲインに補正制御され、燃料噴射量のフィードバック制御が実行され、ステップ305にて燃料噴射が実行される。
図15は、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量とに基づいてフィードバックゲインを算出するマップの一実施形態を示す図である。上述したように、機械圧縮比や吸気弁の閉弁時期の変化が大きい場合においても燃料噴射制御を適切に追従させるためには、機械圧縮比の変化量および吸気弁の閉弁時期の変化量、すなわち、筒内圧の変化の大きさに応じて燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインを補正制御することが必要となる。このことに基づいて、図15に示されるマップにおいては、機械圧縮比が同一である場合には吸気弁の閉弁時期の変化量が大きくなるほどフィードバックゲインが大きくなるように算出され、また、吸気弁の閉弁時期が同一である場合には機械圧縮比の変化量が大きくなるほどフィードバックゲインが大きくなるように算出される。尚、本マップは、試験評価や解析評価などに基づいて予め作成され、電子制御ユニット30のメモリに格納されて使用されるものとする。また、該燃料噴射量のフィードバック制御が例えばPID制御にて実行されるような場合においては、P項(比例項)、D項(微分項)、I項(積分項)のそれぞれのフィードバックゲインが同様のマップに算出されるように構成されうる。
本実施形態においては、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量との各々の変化量がそれぞれの所定量よりも大きいと判定された場合においては、このような図15に示されるマップを使用して上記ステップ304においてフィードバックゲインが算出され、該フィードバックゲインを使用して、機械圧縮比および吸気弁の閉弁時期の変化によりもたらされる筒内圧の変化に適した目標燃料噴射量を導くことで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。尚、フィードバックゲインの補正制御の必要性の有無を判定する閾値となる、機械圧縮比および吸気弁の閉弁時期の変化量に対するそれぞれの所定量は、試験評価や解析評価などに基づいて予め設定されるものとする。
尚、図14に示される燃料噴射制御の実施形態においては、燃料噴射開始時期については一定であることを前提しているが、燃料噴射開始時期を変更する場合も想定される。図8から理解されうるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど燃料噴射される際の筒内圧は大きくなり、よって、燃料噴射量を増量する必要がある。このことに基づいて、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁開始時期の変化量とに応じたフィードバックゲイン補正値を算出するとともに、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に応じた筒内圧の変化に適したフィードバックゲイン補正値補正係数が算出されてもよい。図16は、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に基づいてフィードバックゲイン補正値補正係数を算出するマップの一実施形態を示す図である。図16に示されるごとく、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔が大きくなるほど、フィードバックゲイン補正値補正係数が大きくなるように構成される。尚、図15及び図16に示されたそれぞれのマップは、一つの3次元マップとして構成されてもよい。
図17は、本発明の内燃機関の制御装置における燃料噴射開始時期を考慮した燃料噴射制御の別の一実施形態のフローチャートである。具体的には、上記のような吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔による筒内圧の変化を考慮した燃料噴射制御の一実施形態を示すフローチャートである。図17に示される燃料噴射制御においては、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁開始時期の変化量とに応じたフィードバックゲイン補正値を算出するとともに、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に応じた筒内圧の変化に適したフィードバックゲイン補正値補正係数を算出し、燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインを筒内圧の変化に応じて補正制御することで、筒内圧の変化を考慮した適切な燃料噴射制御の実行を可能とする。
具体的には、まず、ステップ401において、圧縮行程における燃料噴射であるか否かが判定される。そして、圧縮行程における燃料噴射であることが確認されると、続くステップ402に進み、所定の機関サイクル前からの機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量が算出される。続くステップ403においては、機械圧縮比の変化量と吸気弁の閉弁時期の変化量とに基づいて、燃料噴射量のフィードバック制御において使用されるフィードバックゲインに対する補正値すなわちフィードバックゲイン補正値が、図15に示されるようなマップと同様のマップを使用して算出される。続くステップ404においては、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射開始時期との間隔に応じたフィードバックゲイン補正値に対する補正係数すなわちフィードバックゲイン補正値補正係数が算出される。続くステップ405においては、ステップ403で算出されたフィードバックゲイン補正値とステップ404にて算出されたフィードバックゲイン補正値補正係数とに基づいて最終的なフィードバックゲイン補正値を算出し、該最終的なフィードバックゲイン補正値にもとづいてステップ406にて最終的なフィードバックゲインが算出され、該最終的なフィードバックゲインにて燃料噴射量のフィードバック制御がなされ、ステップ407にて燃料噴射が実行される。本実施形態における筒内圧の変化に応じた燃料噴射の補正制御においては、吸気弁の閉弁時期の変化量と機械圧縮比の変化量と筒内燃料噴射装置による燃料噴射開始時期とに基づいてフィードバックゲイン補正値が算出され、該フィードバックゲイン補正値にてフィードバックゲインを補正制御することで、筒内圧の変化を考慮した適切な料燃料噴射制御の実行を可能とする。
1 クランクケース
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 ピストン
5 燃焼室
7 吸気弁
70 吸気弁駆動用カムシャフト
A 可変圧縮比機構
B 可変バルブタイミング機構

Claims (3)

  1. 機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、
    前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、
    前記燃料噴射制御においては、吸入空気量と目標空燃比とに基づいて基本燃料噴射量が算出されるとともに、該算出された基本燃料噴射量が筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、
    前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、
    制御された実圧縮比と前記吸気弁の閉弁時期と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいて筒内圧補正係数が算出され、該筒内圧補正係数にて前記基本燃料噴射量が補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、
    前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、
    前記燃料噴射制御においては、機関回転数と吸入空気量とに基づいて前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射の基本目標燃圧が算出されるとともに、該算出された基本目標燃圧が筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、
    前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、
    制御された実圧縮比と前記吸気弁の閉弁時期と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいて燃圧補正係数が算出され、該燃圧補正係数にて前記基本目標燃圧が補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構と、筒内に直接的に燃料を噴射する筒内燃料噴射装置とを具備し、前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とにより実圧縮比が制御されうる内燃機関の制御装置であって、
    前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変更と前記可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の変更とによりもたらされる筒内圧の変化に応じて燃料噴射制御がなされるようにし、
    機関排気通路内に配設され排気空燃比を検出する空燃比センサを備え、該空燃比センサの出力値に基づいてフィードバックパラメータとなるフィードバックゲインを用いて排気空燃比を目標空燃比に制御すべく燃料噴射量をフィードバックにより補正するフィードバック制御手段を有し、
    前記燃料噴射制御においては、前記フィードバックゲインが筒内圧の変化に応じて補正制御されるようにし、
    前記筒内圧の変化に応じた補正制御においては、
    前記吸気弁の閉弁時期の変化量と前記可変圧縮比機構による機械圧縮比の変化量と前記筒内燃料噴射装置による燃料噴射時期とに基づいてフィードバックゲイン補正値が算出され、該フィードバックゲイン補正値にて前記フィードバックゲインが補正制御される、ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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