JP2008303850A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッキングセンサを備えた筒内噴射式火花点火内燃機関において、ノッキング振動の誤検知を防止する。
【解決手段】ノッキング振動を検知するノッキングセンサと、吸気下死点近傍において気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁とを具備し、ノッキングセンサによってノッキング振動を検知する時には、燃料噴射弁は、吸気下死点(BDC)近傍において燃料を分割して噴射し(f1及びf2)、他気筒のノッキング振動検知期間(A1からA2)において燃料噴射を停止する。
【選択図】図3
【解決手段】ノッキング振動を検知するノッキングセンサと、吸気下死点近傍において気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁とを具備し、ノッキングセンサによってノッキング振動を検知する時には、燃料噴射弁は、吸気下死点(BDC)近傍において燃料を分割して噴射し(f1及びf2)、他気筒のノッキング振動検知期間(A1からA2)において燃料噴射を停止する。
【選択図】図3
Description
本発明は、筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
内燃機関において、ノッキングセンサによりノッキングの発生振動を検知すると、当該気筒の点火時期を遅角してノッキングの発生を抑制するノッキング制御が提案されている。また、筒内噴射式火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁に加えて、吸気ポートへ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備する場合には、各燃料噴射弁により気筒内へ供給される燃料量割合によって、ノッキングの発生態様が変化するために、燃料量割合に基づきノッキングセンサによるノッキング判定期間を変更することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、筒内噴射式火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁が吸気下死点近傍の燃料噴射期間において燃料噴射を終了する時の閉弁振動を、ノッキングセンサは、燃焼している気筒のノッキング振動と誤検知することがあり、このような誤検知は、特許文献1のようにノッキング判定期間を変更しても解消することができない。
従って、本発明の目的は、ノッキングセンサを備えた筒内噴射式火花点火内燃機関において、ノッキング振動の誤検知を防止することである。
本発明による請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、ノッキング振動を検知するノッキングセンサと、吸気下死点近傍において気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁とを具備し、前記ノッキングセンサによってノッキング振動を検知する時には、前記燃料噴射弁は、吸気下死点近傍において燃料を分割して噴射し、他気筒のノッキング振動検知期間において燃料噴射を停止することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、燃料噴射弁は、吸気下死点近傍において、燃料を分割して噴射し、他気筒のノッキング振動検知期間において燃料噴射を停止するために、ノッキング振動検知期間においては、燃料噴射気筒において燃料噴射弁の閉弁振動が発生することはなく、ノッキング振動の誤検知を防止することができる。また、燃料噴射弁は、燃料を分割して噴射する時にも吸気下死点近傍において燃料を噴射するために、例えば、気筒内へ生成されたタンブル流を強めて燃焼速度を速めるような吸気下死点近傍の燃料噴射の効果を得ることができる。
図1は本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の実施形態を示す概略縦断面図であり、図2はピストンの平面図であり、いずれも均質燃焼のための吸気行程における燃料噴射時期を示している。これらの図において、1は気筒上部略中心に配置されて気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁であり、2は燃料噴射弁1の吸気ポート側近傍に配置された点火プラグである。3はピストン、4は一対の吸気ポート、5は一対の排気ポートを、それぞれ示している。
本筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内に理論空燃比又は理論空燃比よりリーンな均質混合気を形成し、この均質混合気を点火プラグ2により着火燃焼させる均質燃焼を実施するものである。理論空燃比よりリーンな均質燃焼が実施される場合のリーン空燃比は、NOX生成量が比較的少なくなるように設定される(例えば、約20)。機関回転数及び機関負荷等により定まる機関運転状態毎に必要燃料量が設定されている。この必要燃料量が設定量以上であって高い機関出力が必要とされる時には、リッチ空燃比(例えば、約12.5)での均質燃焼を実施するようにしても良い。
気筒上部略中心に配置された燃料噴射弁1から吸気下死点近傍において、シリンダボアの排気ポート側下部又はピストン頂面の排気ポート側周囲部へ向けて燃料Fを噴射するようにすれば、各噴射燃料は、気筒内の排気ポート側を下降して吸気ポート側を上昇するように気筒内を縦方向に旋回するタンブル流T中へ噴射され、タンブル流によって気筒内全体に分散されるために、均質混合気の均質程度を高めるのに有利である。
また、こうして吸気下死点近傍においてタンブル流T中へ燃料を噴射することにより、噴射燃料の貫徹力によってタンブル流Tを強めることができる。それにより、そのままでは圧縮行程前半で消滅するタンブル流Tを圧縮行程後半まで持続させることができ、タンブル流Tをピストン3により押し潰すことにより、圧縮行程末期の点火時期において気筒内に乱れを存在させ、この乱れによって均質混合気の燃焼速度を高めて良好な均質燃焼を実現することができる。
本実施形態において、図1及び2に示すように、燃料噴射弁1は、略半円弧状スリット噴孔を有して中空半円錐形状に燃料を噴射するものである。また、燃料噴射弁1は、図2に一点鎖線で示すように、複数の丸噴孔を有して、吸気下死点近傍において、各噴孔からシリンダボアの排気ポート側下部又はピストン頂面の排気ポート側周囲部へ向けて複数の燃料を噴射するようにしても良い。
ところで、本実施形態の筒内噴射式火花点火内燃機関は、ノッキング振動を検知するノッキングセンサを備えており、少なくともノッキンクが発生し易い低回転高負荷時には、ノッキングセンサによりノッキング振動を検知し、ノッキング振動が検知されれば点火時期を遅角して各気筒のノッキングの発生を抑制する。
このようなノッキングの発生を抑制するための点火時期の制御において、もし、燃料が噴射される気筒(噴射気筒)における燃料噴射弁の閉弁振動を、燃焼している気筒(燃焼気筒)のノッキング振動として誤検知すると、当該燃焼気筒の点火時期が不必要に遅角されて機関出力を低下させてしまう。
このような誤検知を防止するために、本実施形態の筒内噴射式火花点火内燃機関では、低回転高負荷時のようにノッキングセンサによりノッキング振動を検知する時には、燃料噴射弁1は、吸気下死点近傍の燃料噴射を分割し、他気筒のためのノッキングセンサのノッキング振動検知期間において燃料噴射を停止するようにしている。
すなわち、図3に示すように、燃料噴射気筒において燃料噴射弁1は、例えば、吸気下死点(BDC)を燃料噴射終了時期とするような吸気下死点近傍の連続燃料噴射を、吸気下死点近傍の分割燃料噴射として、燃焼気筒のためのノッキングセンサのノッキング振動検知期間A1からA2において燃料噴射が停止されるようにする。
ノッキング振動検知期間の開始クランク角度A1は、例えば、各燃焼気筒の点火時期とされ、ノッキング振動検知期間の終了クランク角度A2は、例えば、各燃焼気筒のTDC後20クランク角度とされる。これらの各燃焼気筒のノッキング振動検知期間A1からA2に対応する各噴射気筒の吸気下死点近傍のクランク角度範囲A1’からA2’では燃料噴射が停止されるように、各噴射気筒の燃料噴射弁1は、開始クランク角度A1に対応する第一クランク角度A1’の直前と、終了クランク角度A2に対応する第二クランク角度A2’の直後とに分割して必要燃料量(f1及びf2)を噴射する。
それにより、各燃焼気筒のノッキング振動検知期間においては、噴射気筒の燃料噴射弁の閉弁振動が発生することはなく、ノッキング振動の誤検知を防止することができる。また、各噴射気筒の燃料噴射弁1は、燃料を分割して噴射する時にも吸気下死点近傍において燃料を分割して噴射するために、前述したように、気筒内へ生成されたタンブル流Tを良好に強めて燃焼速度を速めることができる。
本実施形態において、全ての機関運転状態においてノッキングセンサが各燃焼気筒のノッキング振動を検知する場合には、全ての機関運転状態において各噴射気筒の燃料噴射弁1は前述の分割燃料噴射を実施することとなる。しかしながら、例えば、低回転低負荷時のようにノッキングが発生し難い時に、ノッキングセンサによるノッキング振動の検知が中止されるならば、各噴射気筒の燃料噴射弁1は、吸気下死点近傍の連続燃料噴射を実施することができる。
本筒内噴射式火花点火内燃機関において、点火プラグ2は燃料噴射弁1より吸気ポート側に配置されているために、噴射燃料により濡らされてアークの発生が阻害されることはない。また、タンブル流Tを確実に強めるために、噴射燃料Fの貫徹力は、例えば、噴射開始から1ms後の燃料先端が60mm以上に達するように強くすることが好ましい。
本筒内噴射式火花点火内燃機関において、燃料噴射弁1は、部分円弧状、直線状、又は折れ線状のスリット噴孔を有して部分円弧断面、直線断面、又は折れ線断面の燃料を噴射するものでも、また、直線状又は折れ線状に配列された複数の丸噴孔を有して複数の柱状に燃料を噴射するものでも良く、このような場合において、噴射燃料は、シリンダボアの排気ポート側下部(略半円弧断面の帯状部分)又はピストン頂面の排気ポート側周囲部(略半円弧の帯状部分)に向かうようにされれば良い。もちろん、燃料噴射弁1は、吸気下死点近傍において、シリンダボアの排気ポート側下部(略半円弧断面の帯状部分)又はピストン頂面の排気ポート側周囲部(略半円弧の帯状部分)に向かうように中空又は中実円錐形状の燃料を噴射するものでも良い。
1 燃料噴射弁
2 点火プラグ
3 ピストン
4 吸気ポート
5 排気ポート
F 噴射燃料
T タンブル流
2 点火プラグ
3 ピストン
4 吸気ポート
5 排気ポート
F 噴射燃料
T タンブル流
Claims (1)
- ノッキング振動を検知するノッキングセンサと、吸気下死点近傍において気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁とを具備し、前記ノッキングセンサによってノッキング振動を検知する時には、前記燃料噴射弁は、吸気下死点近傍において燃料を分割して噴射し、他気筒のノッキング振動検知期間において燃料噴射を停止することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007153753A JP2008303850A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007153753A JP2008303850A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008303850A true JP2008303850A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40232777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007153753A Pending JP2008303850A (ja) | 2007-06-11 | 2007-06-11 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008303850A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012047052A (ja) * | 2010-08-24 | 2012-03-08 | Mazda Motor Corp | エンジンの燃料噴射時期制御装置 |
KR101180952B1 (ko) | 2010-11-17 | 2012-09-07 | 기아자동차주식회사 | Gdi엔진의 노크 제어장치 및 방법 |
-
2007
- 2007-06-11 JP JP2007153753A patent/JP2008303850A/ja active Pending
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KR101180952B1 (ko) | 2010-11-17 | 2012-09-07 | 기아자동차주식회사 | Gdi엔진의 노크 제어장치 및 방법 |
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