JP4089563B2 - 筒内噴射式エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁の開閉時期を変更可能であると共に、1作動サイクルの燃料を複数回に分けて噴射可能な筒内噴射式エンジンの制御装置に関する。
筒内噴射式エンジンは、燃焼室内に直接燃料を噴射するものであり、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードと、吸気行程で燃料噴射を行う吸気行程噴射モードとが切り換え可能となっている。この圧縮行程噴射モードでは、点火プラグの周囲に理論空燃比近傍の混合気を形成した上で超リーンな全体空燃比を実現する層状燃焼が可能であり、吸気行程噴射モードでは、燃焼室に均一な混合気を形成する均一燃焼が可能となっている。また、このような筒内噴射式エンジンでは、所定の運転領域で1作動サイクル中に燃料を複数回に分けて噴射し、ノッキングを抑制することが可能となっている。
このような従来の筒内噴射式エンジンの制御装置としては、下記の特許文献1がある。この特許文献1の「筒内噴射型内燃機関」は、エンジンの運転状態が高回転・高負荷であるときに、所定量の燃料を吸気行程と圧縮行程とで分割して噴射すると共に、その空燃比を理論空燃比近傍に制御し、先行する燃料噴射で希薄な混合気を生成した上で、その混合気中に点火に近いタイミングで後続する燃料噴射を行うことで、効率的な燃焼が継続して輝炎の急冷によるスモークを防止して燃焼冷却を実施することなくノッキングを抑制することができるものである。
特開2000−240492号公報
ところで、エンジンの動弁系において、吸気弁や排気弁の開閉タイミングや開放時間を変更できるようにしたバルブタイミング可変機構がある。このバルブタイミング可変機構は、例えば、クランクシャフトとカムシャフトを位相可変に連結し、クランクシャフトとカムシャフトとの相対位相を調節することで、高速時と低速時とでそれぞれ最適な開閉タイミングや開弁期間開放に調整できるようにしたものである。
そして、上述したシングル噴射モードと多段噴射モードとを切換可能な筒内噴射型内燃機関(特許文献1)にこのバルブタイミング可変機構を適用すると、エンジンの高速運転時にカム位相を変更して体積効率を増大させると共に、多段噴射(吸気行程噴射と圧縮行程噴射)を行うことで、体積効率の増大によるトルクアップを図ることができると共に、ノッキングを抑制することができる。
ところが、多段噴射モードは、エンジンの高回転・高負荷状態という所定の運転条件で実行することで、そのときのノッキングを抑制することができるものであり、シングル噴射モードと多段噴射モードとでは吸気弁の最適な開閉タイミング(カム位相)が相違している。そのため、例えば、多段噴射モードからシングル噴射モードに切換えられたとき、吸気弁の開閉タイミングはシングル噴射モードとして最適な開閉タイミングとはなっておらず、エンジンの燃焼状態が悪化してしまうという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するものであって、燃料噴射モードに応じて吸気弁の閉弁時期が最適となるように制御することで出力を向上する一方、燃焼状態の悪化やノッキングを抑制し、ドライバビリティの向上を図った筒内噴射式エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る筒内噴射式エンジンの制御装置は、
少なくとも吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブタイミング可変手段と、
1作動サイクルの燃料を1回で噴射するシングル噴射モードと1作動サイクルの燃料を複数回に分けて噴射する多段噴射モードとを切換可能な噴射モード制御手段と、
前記バルブタイミング可変手段による前記多段噴射モード時における前記吸気弁の閉弁時期を前記シングル噴射モード時における前記吸気弁の閉弁時期よりも進角側に設定するバルブタイミング制御手段とを具え
前記噴射モード制御手段は、
前記多段噴射モードから前記シングル噴射モードに切換えるとき、
前記バルブタイミング制御手段により前記吸気弁の閉弁時期が遅角側に変更されたことを条件として、
前記シングル噴射モードへの切換えを許可する
ことを特徴とするものである。
筒内噴射式エンジンの制御装置によれば、バルブタイミング制御手段によりバルブタイミング可変手段による多段噴射モード時における吸気弁の閉弁時期をシングル噴射モード時における吸気弁の閉弁時期よりも下死点側に設定するので、ノッキングが抑制される多段噴射モードでは、体積効率が増大する吸気弁の閉弁時期を設定して出力を向上することができる一方、シングル噴射モードでは燃料噴射弁の負担を軽減することができ、また、各燃料噴射モードで燃焼状態の悪化やノッキングを抑制し、ドライバビリティを向上することができる。
筒内噴射式エンジンの制御装置によれば、多段噴射モード時における吸気弁の閉弁時期をシングル噴射モード時における吸気弁の閉弁時期よりも進角側に設定するので、吸気弁の閉弁時期の進角にて増大する体積効率に対して複数回に分けて所定量の燃料が噴射されることとなり、燃焼状態の悪化やノッキングを抑制することができる。
筒内噴射式エンジンの制御装置によれば、多段噴射モード時に1作動サイクルの燃料を吸気行程及び圧縮行程で噴射するので、全噴射燃料量の一部として吸気行程で噴射した燃料噴霧により生成した混合気は相対的にリーンとなって自己着火を起こし難く、また、圧縮行程で噴射した燃料噴霧による混合気は燃焼室全体に拡がらずに自己着火を起こし難いため、ノッキングを抑制することができる。
筒内噴射式エンジンの制御装置によれば、多段噴射モードからシングル噴射モードに切換えられるとき、その切換前に吸気弁の閉弁時期を遅角側に変更するので、シングル噴射モードに切換えられる前に、このモードにおいても、ノッキングが発生しない体積効率及び実圧縮比となる吸気弁の閉弁時期とすることで、ノッキングを抑制することができる。
筒内噴射式エンジンの制御装置によれば、シングル噴射モードにおける最適閉弁領域と多段噴射モードにおける最適閉弁領域を設定し、多段噴射モードからシングル噴射モードに切換えるとき、吸気弁の閉弁時期がシングル噴射モードにおける最適閉弁領域に変更されたことを条件としてシングル噴射モードへの切換えを許可するので、吸気弁の閉弁時期がシングル噴射モードの最適閉弁領域に変更された後に、多段噴射モードからシングル噴射モードに切換えることとなり、ノッキングを抑制することができる。
本発明の筒内噴射式エンジンの制御装置を実施するための最良の形態は、バルブタイミング可変手段により吸気弁の開閉時期を変更可能とすると共に、噴射モード制御手段により吸気行程で燃料を噴射するシングル噴射モードと吸気行程及び圧縮行程で燃料を噴射する多段噴射モードとを切換可能とし、バルブタイミング制御手段により多段噴射モード時における吸気弁の閉弁時期をシングル噴射モード時における吸気弁の閉弁時期よりも下死点側(進角側)に設定することにより、出力を向上すると共に燃焼状態の悪化やノッキングを抑制し、ドライバビリティを向上するようにしたものであり、以下に、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1に本発明の一実施例に係る筒内噴射式エンジンの制御装置のブロック構成、図2に本実施例の筒内噴射式エンジンの制御装置による制御のフローチャート、図3に吸気弁の開閉状態を表すグラフ、図4に吸気弁の閉弁タイミングに対するエンジン運転状態を表すグラフを示す。
本実施例の筒内噴射式エンジンの制御装置において、図1に示すように、内燃機関(以下、エンジンと称する。)10は、燃料を直接燃焼室に噴射する筒内噴射型ガソリンエンジンであって、吸気行程で燃料噴射を行う吸気行程噴射モードと、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードとが切換え可能となっている。この吸気行程噴射モードでは、燃焼室に均一な混合気を形成する均一燃焼が可能であり、圧縮行程噴射モードでは、点火プラグの周囲に理論空燃比(ストイキ)近傍の混合気を形成した上で超リーンな全体空燃比を実現する層状燃焼が可能となっている。
即ち、エンジン10のシリンダヘッド11には各気筒毎に点火プラグ12が取付けられると共に、燃焼室14内に噴射口が開口したインジェクタ13が取付けられている。このインジェクタ13には図示しない燃料パイプを介して燃料タンク擁した燃料供給装置が接続されており、燃料タンク内の燃料が高燃圧で供給され、この燃料をインジェクタ13により燃焼室14内に向けて所望の燃圧で噴射することができる。このとき、燃料噴射量は燃料ポンプの燃料吐出圧とインジェクタ13の開弁時間(燃料噴射時間)とから決定されものであり、ドライバ15により制御されている。また、エンジン10のシリンダ16にはピストン17が上下に摺動自在に支持され、ピストン17の頂面には半球状に窪んだキャビティ18が形成され、キャビティ18によって吸気流に通常のタンブル流とは逆の逆タンブル流を発生させることができる。
シリンダヘッド11には燃焼室14を臨む略直立方向に沿った吸気ポート19と略水平方向に沿った排気ポート20が形成され、吸気ポート19は吸気弁21の駆動によって開閉され、排気ポート20は排気弁22の駆動によって開閉されるようになっている。そして、シリンダヘッド11の上部には吸気側のカムシャフト23及び排気側のカムシャフト24が回転自在に支持され、各カムシャフト23,24には吸気カム25及び排気カム26が設けられており、吸気側のカムシャフト23の回転で吸気カム25により吸気弁21が駆動され、排気側のカムシャフト24の回転で排気カム26により排気弁22が駆動されるようになっている。
吸気ポート19には吸気マニホールド27を介して吸気管28が接続され、吸気管28の空気取入口にはエアクリーナ29が取付けられている。そして、この吸気管28にはスロットルボデー30が設けられ、スロットルボデー30には流路を開閉するスロットル弁31が設けられると共に、スロットル弁31の開度を検出するスロットルポジションセンサ32が取付けられている。また、このスロットル弁31の上流側には吸入空気量を検出するエアフローセンサ33が取付けられている。一方、排気ポート20には排気マニホールド34を介して排気管35が接続され、この排気管35には排気浄化触媒装置36が設けられている。
また、各気筒の所定のクランク位置でクランク角信号SGTを出力するベーン型のクランク角センサ37が設けられ、クランク角センサ37はエンジン回転速度を検出可能としている。更に、運転者がアクセルペダルを踏み込んだアクセル開度を検出するアクセル開度センサ38が設けられている。
本実施例では、吸気弁21と排気弁22の閉弁時期(開弁時期)を変更するバルブタイミング可変機構39が設けられており、このバルブタイミング可変機構39を制御することで、各弁21,22の開閉時期や開弁期間、つまり、VVT位相を変更可能となっている。なお、このバルブタイミング可変機構39は、例えば、タイミングプーリに一体回転可能なハウジングを装着する一方、カムシャフト23,24の端部に一体回転可能なベーン部材を装着してハウジング内に収容し、このハウジングとベーン部材との間に進角用油室及び遅角用油室を形成し、油圧制御弁を制御してこの進角用油室と遅角用油室の一方の油室に作動油を供給すると同時に他方の油室から作動油を排出することで、タイミングプーリとカムシャフトとの相対位置を変更してバルブ開閉タイミング及び開弁期間を調整できるものであり、その他にテンショナ式、ヘリカルスプライン式などがある。
車両には入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を有するECU(電子コントロールユニット)40が設けられており、このECU40によりエンジン10を含めた総合的な制御が行われる。即ち、ECU40の入力側には、前述したスロットルポジションセンサ32、エアフローセンサ33、クランク角センサ37、アクセルポジションセンサ38などの各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。一方、ECU40の出力側には、点火コイルを介して上述した点火プラグ12やインジェクタ13のドライバ15、バルブタイミング可変機構39等が接続されており、これら点火プラグ12、ドライバ15、バルブタイミング可変機構39等には、各種センサ類からの検出情報に基づいて演算された燃料噴射量、点火時期、吸排気タイミング等の最適値がそれぞれ出力される。これにより、吸気弁21及び排気弁22が適正なタイミングで開閉すると共に、インジェクタ13から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ12によって適正なタイミングで点火が実施される。
実際にECU40では、アクセルポジションセンサ38からのアクセル開度情報とクランク角センサ37からのエンジン回転速度情報とに基づいてエンジン負荷に対応する目標筒内圧、即ち目標平均有効圧Peを求めるようにされており、更に、この目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴射モードを設定するようにされている。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときには、燃料噴射モードは圧縮行程噴射モードとされて燃料が圧縮行程で噴射される一方、目標平均有効圧Peが大きくなり、あるいはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行程噴射モードとされ、燃料が吸気行程で噴射される。そして、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/F)が設定され、適正量の燃料噴射量がこの目標A/Fに基づいて決定される。
また、本実施例では、前述したように、ECU40は、燃料噴射モードを圧縮行程噴射モード(シングル噴射モード)と吸気行程噴射モード(シングル噴射モード)との間で切換可能であると共に、所定の運転状態で1作動サイクル中の燃料を複数回に分けて噴射する多段噴射モードに切換可能となっている。具体的には、エンジン10が加速状態にある低回転・高負荷時に、シングル噴射モードから吸気行程と圧縮行程の両行程で燃料を噴射する2段噴射モードへの切換が可能であり、所定時間経過後に吸気行程噴射モード(シングル噴射モード)に再び切換えられるようになっている。
そして、ECU40は、前述したバルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期が変更可能であり、図3に示すように、2段噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期(閉弁領域)と、シングル噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期(閉弁領域)とを設定している。この場合、2段噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期は、シングル噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期よりも下死点(BDC)側、つまり、進角側に設定(バルブタイミング制御手段)されている。更に、ECU40は、燃料噴射モードが2段噴射モードからシングル噴射モードに切換えられるとき、その切換前にバルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を遅角側、つまり、シングル噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期に変更するようにしている。
ここで、上述した本実施例の筒内噴射式エンジンの制御装置におけるECU40の制御を図2のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
エンジン10の運転中、ステップS11にて、エンジン回転数Neが所定回転数N1(例えば、2500rpm)以下であるかどうかを判定し、エンジン回転数Neが所定回転数N1以下であれば、ステップS12に移行し、目標エンジン負荷Peが所定負荷P1(例えば、800kPa)以上であるかどうかを判定し、目標エンジン負荷がPeが所定負荷P1以上であれば、ステップS15に移行する。一方、ステップS11でエンジン回転数Neが所定回転数N1より高い高回転であったり、ステップS12で目標エンジン負荷Peが所定負荷P1より低い低負荷であったときは、ステップS13に移行する。このステップS13では、2段噴射モードカウンタをリセットし、ステップS14にて、通常の燃料噴射モードの制御を行う。即ち、エンジン回転数Neと目標エンジン負荷Peとに基づいて設定された燃料噴射モードマップ(図示略)に基づいて燃料噴射モード(吸気行程噴射モードまたは圧縮行程噴射モード)を設定し、インジェクタ13から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ12によって適正なタイミングで点火が実施される。
ステップS11でエンジン回転数Neが所定回転数N1以下の低回転領域にあると判定され、ステップS12で目標エンジン負荷Peが所定負荷P1以上の高負荷領域にあると判定されると、ステップS15にて、燃料噴射モードを2段噴射モードに変更する。そして、ステップS16で2段噴射モードカウンタをスタートし、ステップS17で2段噴射モードカウンタのカウンタ値Tnが所定カウント値T1(例えば、20秒)を超えていないことを確認し、ステップS18にて、バルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を進角し、2段噴射モード時における最適吸気閉弁領域に設定する。
この2段噴射モードでは、図4に示すように、吸気弁21の閉弁時期が進角されてピストン17の下死点側の最適位相に設定され、燃焼室14内に取り込まれる吸気量が増えて体積効率が上昇すると共に、燃料が吸気行程と圧縮行程とに分けて噴射される。2段噴射モードでは、シングル噴射モードに比較してノッキング限界点火時期が進角側にあるため、体積効率及び圧縮比が上昇しても点火時期をリタードする必要がなく、体積効率が上昇した分だけ出力トルクを向上することができる。また、燃焼状態の悪化やノッキングを抑制することができる。
そして、エンジン回転数Neが低回転で目標エンジン負荷Peが高負荷である状態が継続されると、ステップS16の2段噴射モードカウンタがカウンタ値Tnを加算し、ステップS17でこのカウンタ値Tnが所定カウント値T1以上になると、2段噴射モードを解除してシングル噴射モードに切り換える。このとき、まず、ステップS19にて、バルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を遅角し、シングル噴射モードに変更する。ステップS20では、VVT位相、つまり、吸気弁21の閉弁時期がシングル噴射モードの最適領域(最適位相−αから最適位相+αの領域)に入ったかどうかを判定し、入っていなければステップS19に戻って吸気弁21の閉弁時期を更に遅角する。そして、ステップ20で吸気弁21の閉弁時期がシングル噴射モードの最適領域に入ったと判定されたら、ステップS21にて、ステップS22にて、燃料噴射モードをシングル噴射モードに変更する。
即ち、図4に示すように、バルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を進角側に設定した2段噴射モードの最適位相では、出力トルクやノック限界点火時期において、2段噴射モードとシングル噴射モードに大きな違いがあり、特に、この位相ではシングル噴射モード゛にとっては不利となっている。そのため、2段噴射モードを開始し所定時間経過後にシングル噴射モードに変更されるとき、バルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を遅角してシングル噴射モードの最適位相に調整してから、シングル噴射モードに変更するようにしている。従って、2段噴射モードからシングル噴射モードに変更したとき、このシングル噴射モードでは、出力トルクやノック限界点火時期が最良となる吸気弁21の閉弁時期で制御が開始されることとなり、燃焼状態の悪化やノッキングを抑制することができる。
なお、2段噴射モードでの制御中に、2段噴射モードカウンタのカウンタ値Tnが所定カウント値T1を超える前に、ステップS11,S12で判定したエンジン10の低回転高負荷領域を外れた場合、ステップS13に移行し、2段噴射モードカウンタをリセットしてから、ステップS14にて、通常の燃料噴射モードの制御を行うこととなる。
このように本実施例の筒内噴射式エンジンの制御装置にあっては、燃料噴射モードを、1作動サイクル中の燃料を圧縮行程や吸気行程で噴射するシングル噴射モードと、燃料を圧縮行程及び吸気行程で2回に分けて噴射する2段噴射モードとの間で切換可能とすると共に、バルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を変更可能とし、2段噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期と、シングル噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期とを設定し、2段噴射モード時における吸気弁21の閉弁時期をシングル噴射モード時における吸気弁21の閉弁時期よりも下死点側に設定するようにしている。
従って、燃料噴射モードに応じて吸気弁21の開閉タイミングが最適となるように制御することで、2段噴射モードではエンジン10の加速時などにおける体積効率の増大に比例して出力トルクを向上することができる一方、シングル噴射モードでは燃料噴射弁の負担を軽減することができ、また、各燃料噴射モードで燃焼状態の悪化やノッキングを抑制し、ドライバビリティを向上することができる。
また、燃料噴射モードを、2段噴射モードからシングル噴射モードに切換えるとき、その切換前にバルブタイミング可変機構39により吸気弁21の閉弁時期を遅角側、つまり、シングル噴射モード時における吸気弁21の最適な閉弁時期に変更するようにしている。従って、2段噴射モードからシングル噴射モードに変更したとき、このシングル噴射モードでは、出力トルクやノック限界点火時期が最良となる吸気弁21の閉弁時期で制御が開始されることとなり、燃焼状態の悪化やノッキングを抑制することができる。
なお、上述の実施例では、多段噴射モードを、燃料を吸気行程と圧縮行程でそれぞれ噴射する2段噴射モードとしたが、燃料を吸気行程で2回噴射する2段噴射モードや、燃料を吸気行程で2回と圧縮行程でそれぞれ噴射する3段噴射モードなどとしてもよい。
本発明に係る筒内噴射式エンジンの制御装置は、吸気弁の閉弁時期を変更可能とすると共にシングル噴射モードと多段噴射モードとを切換可能とし、多段噴射モード時の吸気弁の閉弁時期をシングル噴射モード時の吸気弁の閉弁時期よりも下死点側に設定するもので、筒内噴射式のエンジンであれば、気筒数や型式などに拘わらずいずれのエンジンにも本発明の装置を適用することができる。
本発明の一実施例に係る筒内噴射式エンジンの制御装置のブロック構成図である。 本実施例の筒内噴射式エンジンの制御装置による制御のフローチャートである。 吸気弁の開閉状態を表すグラフである。 吸気弁の閉弁タイミングに対するエンジン運転状態を表すグラフである。
符号の説明
10 筒内噴射式エンジン
12 点火プラグ
13 インジェクタ
14 燃焼室
21 吸気弁
32 スロットルポジションセンサ
37 クランク角センサ
38 アクセル開度センサ
39 バルブタイミング可変機構
40 電子制御ユニット、ECU(噴射モード制御手段、バルブタイミング制御手段)

Claims (1)

  1. 少なくとも吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブタイミング可変手段と、
    1作動サイクルの燃料を1回で噴射するシングル噴射モードと1作動サイクルの燃料を複数回に分けて噴射する多段噴射モードとを切換可能な噴射モード制御手段と、
    前記バルブタイミング可変手段による前記多段噴射モード時における前記吸気弁の閉弁時期を前記シングル噴射モード時における前記吸気弁の閉弁時期よりも進角側に設定するバルブタイミング制御手段とを具え
    前記噴射モード制御手段は、
    前記多段噴射モードから前記シングル噴射モードに切換えるとき、
    前記バルブタイミング制御手段により前記吸気弁の閉弁時期が遅角側に変更されたことを条件として、
    前記シングル噴射モードへの切換えを許可する
    ことを特徴とする筒内噴射式エンジンの制御装置。
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