JP2004293474A - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドルストップを行うエンジンにおいて、簡単な機構でピストンを適正位置に停止させ易くするとともに、気筒内に残存する既燃ガスの量を削減して再始動性を更に向上させる。
【解決手段】吸気通路が分岐する分岐部より上流の共通吸気通路15cに設けられたスロットル弁17と、エンジン停止条件成立後のエンジン停止動作期間中にスロットル弁17を制御するスロットル弁制御手段とを備え、スロットル弁制御手段は、エンジン停止時に圧縮行程となる気筒3Cおよび膨張行程となる気筒3Aにおいてピストン4の上死点方向への移動に対する抵抗を大きくするとともに各気筒3の掃気を促進すべく、エンジン停止条件成立後、速やかにスロットル弁17の開度を増大させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドリング時等に自動的にエンジンを一旦停止させ、その後に自動的に再始動させるエンジンの始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費低減およびCO排出量抑制等のため、アイドル時に自動的にエンジンをいったん停止させ、その後に発進操作等の再始動条件が成立したときに自動的にエンジンを再始動させる(以下アイドルストップ又はI/Sという)ようにしたエンジンの始動装置が開発されてきている。
【0003】
アイドルストップにおける再始動は、発進操作等に応じて即座に始動させることが要求されるため、スタータ(始動用のモータ)によりエンジン出力軸を駆動するクランキングを経てエンジンを始動させるような、始動完了までにかなりの時間を要する従来の一般的な始動の方法は好ましくない。
【0004】
そこで、停止状態のエンジンの特定気筒(膨張行程にある気筒)に燃料を供給して着火、燃焼を行わせ、そのエネルギーでエンジンが即時的に始動されるようにすることが望ましい。しかし、膨張行程にある気筒に燃料を供給して着火させても、必ずしも燃焼が起こるとは限らず、また燃焼が起こってもエンジン始動のための充分なトルクが得られるとは限らない。円滑に再始動を行うためには一定以上の着火性と発生トルクの大きさが求められる。
【0005】
このような問題の対策として、例えば特許文献1に示されるように、エンジンのクランク軸に対して制動装置を設け、エンジン停止時に膨張行程となる気筒のピストンが行程途中の適正位置で停止するように制動装置を制御するようにしたもの、あるいは特許文献2に示されるように、IG OFF(点火停止)後、排気弁の閉時期を制御してピストンが適正位置にある状態でエンジンを停止させ易くしたものなどが提案されている。
【0006】
再始動するためのピストンの適正停止位置とは、一般的には上死点後90°CA(クランク角)前後、即ち上死点と下死点の中間付近であり、この位置でピストンを停止させると、適度に存在する筒内空気と再始動時に供給される燃料とで良好な燃焼が得られ、再始動に充分なトルクを発生させ易い。即ち、特許文献1及び特許文献2は、燃焼によって充分な再始動トルクが得られるように、ピストンの停止位置を規制しようとするものである。
【0007】
【特許文献1】
実開昭60−128975号公報
【特許文献2】
WO 01/44636 A2号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に示された始動装置は、車両の制動装置とは別にクランク軸を制動し得る装置が必要になって機構が複雑化する上、ピストンが適正位置に停止するように制動装置を精度良くコントロールすることが非常に困難である。
【0009】
また、上記特許文献2に示された始動装置は、排気弁を適時に閉じて気筒内にガスを閉じ込め、ピストンが上死点付近にあるときの筒内圧を高めるようにしている。このため、気筒内に既燃ガス(排気)が残存し易く、再始動性を悪化させる要因となっている。
【0010】
特許文献2に限らず、一般的にアイドルストップを行うアイドル運転中は吸気量が少ないので、エンジン停止時の掃気が不十分になり易い。従って、たとえピストンを適正位置に停止させて再始動性を向上させても、一方では気筒内に残存する既燃ガスによって再始動時の燃焼が妨げられ、再始動性向上効果を目減りさせるという問題があった。
【0011】
特に吸気通路の分岐部より上流にスロットル弁が設けられている場合には吸気容積が大きいため吸気系の遅れが大きくなり易く、また、エンジン停止直前の運転状態がアイドル運転中であって、その空燃比が理論空燃比或いはそれよりリッチ側である状態では、スロットル弁が略全閉状態のため、エンジン停止時の掃気が不十分となり、始動性の悪化が避け難いものであった。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑み、簡単な機構でピストンを適正位置に停止させ易くするとともに、気筒内に残存する既燃ガスの量を削減して再始動性を更に向上させることにより、一層の燃費低減およびCO排出量抑制等を図ることができるエンジンの始動装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときに自動的に燃料供給を停止してエンジンを停止させるとともに、エンジン停止後における再始動条件成立時に、膨張行程にある気筒に対して燃料を噴射させて点火、燃焼を行わせ、エンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、各気筒の吸気通路が分岐する分岐部より上流の共通吸気通路に設けられ、エンジンの気筒に導入される吸気量を調節するスロットル弁と、エンジン停止条件成立後のエンジン停止動作期間中に上記スロットル弁の開度を調節するスロットル弁制御手段とを備え、上記スロットル弁制御手段は、エンジン停止時に圧縮行程となる気筒および膨張行程となる気筒においてピストンの上死点方向への移動に対する抵抗を大きくするとともに各気筒の掃気を促進すべく、上記エンジン停止条件成立後、速やかに上記スロットル弁の開度を増大させることを特徴とする。
【0014】
この構成によると、エンジン停止動作期間を経てエンジン停止に至るときに、圧縮行程にある気筒(以下圧縮行程気筒という)ではピストンが上死点に近づくにつれて当該気筒内の空気が圧縮され、その圧力でエンジンが逆転して圧縮行程気筒のピストンが下死点側に押し返されるとともに膨張行程にある気筒(以下膨張行程気筒という)のピストンが上死点側に移動し、それに伴い膨張行程気筒内の空気が圧縮され、その圧力で膨張行程気筒のピストンが下死点側に押し返され、このような動作の繰り返しでピストンがある程度振動してから停止する。この際、圧縮行程気筒及び膨張行程気筒においてそれぞれピストンが上死点に近いほどこれを押し戻す力が大きくなり、特に上記のようにエンジン停止前に吸気量が増加されれば、上死点に近づいたときにピストンを押し戻す力が増大するので、極めて高い確率でピストンが行程中間部に近い所定範囲内に停止することとなる。
【0015】
このように停止位置が調整されることにより、エンジンの始動時には、膨張行程気筒で燃焼用の空気量が少なくなりすぎたり、燃焼によるエネルギーがうまくピストンに作用しなくなったりすることが避けられ、良好に膨張行程気筒での燃焼による始動が行われる。
【0016】
更に、エンジン停止条件成立後、速やかにスロットル弁の開度を増大させるので、各気筒の掃気が促進され、再始動時の新気割合が増加して良好な燃焼を行い易くなり、再始動性の向上が図られる。特に各気筒の吸気通路の分岐部より上流の共通吸気通路にスロットル弁が設けられており、比較的吸気系の遅れが生じ易いエンジンであっても、或いはエンジン停止条件が成立した時の運転状態が、理論空燃比ないしはそれよりリッチ側の空燃比でアイドル運転されているエンジンであっても、掃気性が高められ、高い再始動性向上効果が得られる。
【0017】
なお、ここでいう速やかとは、略同時または直後の意味であり、特にエンジン停止条件成立時点と燃料供給停止時点との間に時間差がある場合は、少なくとも燃料供給停止時点にはスロットル弁の開度を増大させる制御が開始していることを言う。また、共通吸気通路をバイパスする吸気経路を形成するISC(アイドルスピードコントロール)バルブが設けられたエンジンの場合、スロットル弁にはこのISCバルブを含むものとする。
【0018】
本発明の装置において、上記分岐部にサージタンク(容積室)が設けられ、上記スロットル弁は、そのサージタンクよりも上流に設けられているようにしても良い。
【0019】
サージタンクを設けると、通常運転時には吸気脈動が低減される等、吸気性能が向上するものの、アイドルストップによるエンジンの自動停止時には吸気系の遅れによって掃気が不十分となり易い。しかし本構成によると、エンジン停止条件成立後、速やかにスロットル弁の開度を増大させるので、吸気系の遅れを補って掃気の促進が充分に行われ、再始動性を向上させることができる。
【0020】
請求項3の発明は、燃焼のための火花を発生させる点火プラグと、その点火プラグの点火時期を制御する点火制御手段とを備え、上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記点火制御手段が点火時期をリタードさせるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする。
【0021】
更に請求項4の発明は、少なくとも吸気弁の開閉タイミングを変更可能にするバルブタイミング可変手段と、上記バルブタイミング可変手段による吸気弁の開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御手段とを備え、上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記バルブタイミング制御手段が上記吸気弁の閉時期を有効膨張比に対して有効圧縮比が所定量小さくなるように遅延させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする。
【0022】
そして請求項5及び請求項6の発明は、空燃比を調節する空燃比制御手段を備え、上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記空燃比制御手段が空燃比をアイドル運転時(理論空燃比もしくはそれよりリッチ側が望ましい)よりも増大(理論空燃比よりもリーン側が望ましい)させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項3の構成によると点火時期のリタードにより、請求項4の構成によると有効圧縮比の低減により、請求項5及び6の構成によると空燃比の増大(リーン化)により、何れの場合もエンジン停止条件成立後の発生トルクを減少させ、トルク変動を抑制させることができる。従ってエンジン停止時の回転数減少特性のばらつきが減少し、ピストンが適正位置に停止する確率を向上させることができる。
【0024】
また、上記スロットル弁よりも上記各気筒寄りの上記共通吸気通路と排気通路とを連通して排気を還流するEGR通路と、上記EGR通路に設けられ、排気還流量を調節するEGR弁と、上記EGR弁の開度を調節するEGR弁制御手段とを備え、上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記EGR弁制御手段が上記EGR弁を閉弁させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うように構成すれば、EGR(排気還流)を行うエンジンにおいて、アイドルストップによるエンジンの自動停止中に排気の還流がなされず、気筒内の掃気が更に促進される。
【0025】
また、上記スロットル弁の開度の増大は、上記エンジン停止条件成立と同期してなされる(条件成立後、可及的速やかに制御を開始する)ようにすれば、スロットル弁の開度増大効果を最も多く得ることができ、気筒内の掃気をより一層促進させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1及び図2は本発明の一実施形態によるエンジンの概略構成を示している。これらの図において、エンジン1の本体はシリンダヘッド2a及びシリンダブロック2で構成される。当実施形態ではエンジン1は4気筒4サイクルエンジンであり、4つの気筒3(詳しくは、図2に示す状態で左から順に1番気筒3A、2番気筒3B、3番気筒3C、4番気筒3D)を有している。各気筒3にはピストン4が嵌挿され、ピストン4の上方に燃焼室5が形成されている。上記ピストン4はコンロッドを介してクランクシャフト6に連結されている。
【0028】
各気筒3の燃焼室5の頂部には点火プラグ7が装備され、そのプラグ先端が燃焼室5内に臨んでいる。
【0029】
更に、燃焼室5の側方部には、燃焼室5内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁8が設けられている。この燃料噴射弁8は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵し、パルス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を噴射するように構成されている。そして、点火プラグ7付近に向けて燃料を噴射するように燃料噴射弁8の噴射方向が設定されている。なお、この燃料噴射弁8には図外の燃料ポンプにより燃料供給通路等を介して燃料が供給され、かつ、圧縮行程での燃焼室内の圧力よりも高い燃料圧力を与え得るように燃料供給系統が構成されている。
【0030】
また、各気筒3の燃焼室5に対して吸気ポート9及び排気ポート10が開口し、これらのポート9,10に吸気弁11及び排気弁12が装備されている。これら吸気弁11及び排気弁12は、カムシャフト26,27等からなる動弁機構により駆動される。そして、後に詳述するように各気筒が所定の位相差をもって燃焼サイクルを行うように、各気筒の吸・排気弁の開閉タイミングが設定されている。
【0031】
吸気弁11及び排気弁12の開閉時期は、カム位相可変機構26a,27aによって可変となっている。カム位相可変機構26a,27aは、カムシャフト26,27の回転位相をクランクシャフトの回転位相に対して変動させる、従来から知られた機構であり、バルブタイミング可変手段として機能する。図2に示すように吸気弁11側のカムシャフト26にはカム位相可変機構26aが、排気弁12側のカムシャフト27にはカム位相可変機構27aが設けられており、それぞれ独立して制御されている。従って、吸気弁11及び排気弁12の開閉時期は、カム位相可変機構26a,27aによってそれぞれ独立して全体的に前後に変動させることができる。
【0032】
吸気ポート9及び排気ポート10には吸気通路15及び排気通路16が接続されている。吸気通路15は、サージタンク15bの下流に気筒別の分岐吸気通路15aを有し、各分岐吸気通路15aの下流端が各気筒の吸気ポート9に連通する。サージタンク15bの上流の共通吸気通路15cには、気筒3に導入される吸気量を調節するスロットル弁17が設けられている。スロットル弁17はスロットル弁アクチュエータ18により、その開度が調節されるようになっている。吸気通路15の更に上流には吸気量を検出するエアフローセンサ20が設けられている。
【0033】
共通吸気通路15cのスロットル弁17より下流の部分と排気通路16との間には、これらを連通するEGR通路50が設けられている。EGR通路50には、EGR弁51が設けられ、EGR弁アクチュエータ52によってその開度が調節されるようになっている。EGR弁アクチュエータ52によってEGR弁51が開弁状態とされると、排気通路16を通る排気の一部がEGR通路50を介して共通吸気通路15cに還流され、再び吸気として気筒3に供される。即ちEGR(排気還流)がなされる。
【0034】
また、上記クランクシャフト6に対し、その回転角を検出するクランク角センサが設けられており、当実施形態では、後に詳述するように、互いに一定量だけ位相のずれたクランク角信号を出力する2つのクランク角センサ21,22が設けられている。さらにカムシャフト26,27に対し、その特定回転位置を検出することで気筒識別信号を与えることのできるカム角センサ23が設けられている。また、エンジン1を始動させるためのモータであるスタータ28が設けられており、このスタータ28の駆動力が図外のスタータギヤを介してクランクシャフト6に直接伝達されることにより、エンジン1が始動するように構成されている。
【0035】
なお、この他にもエンジン1の制御に必要な検出要素として、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ24、アクセル開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ25(図3参照)等が装備されている。
【0036】
図3は、エンジン1の制御ブロック図であり、ECU(エンジンコントロールユニット)30を中心に、信号を入力するスイッチやセンサと、出力する装置やアクチュエータ等を示す。なお、このブロック図は、アイドルストップ制御に関するものなので、その他の制御に関する部分については省略している。
【0037】
ECU30の入力側には、上記エアフローセンサ20、クランク角センサ21,22、カム角センサ23、水温センサ24及びアクセル開度センサ25に加え、I/S(アイドルストップ)を行うためのセンサ類として、ブレーキの踏み込み深さを検出するブレーキセンサ62、車速を検出する車速センサ63、AT(自動変速機)のシフトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ64、パーキングブレーキのON/OFFを検出するパーキングブレーキスイッチ65、ウインカのON/OFFを検出するウインカスイッチ66、エアコンのON/OFFを検出するエアコンスイッチ67及びブレーキ負圧(制動力を補う倍力装置を構成するブースター内の負圧)を検出するブレーキ負圧センサ68がそれぞれ接続され、各検出信号が入力される。
【0038】
またECU30の出力側には、上記点火プラグ7、燃料噴射弁8、スロットル弁アクチュエータ18、EGR弁アクチュエータ52、カム位相可変機構26a,27a及びスタータ28に加え、アイドルストップ表示ランプ71、電動オイルポンプ72、ATF切換弁73及びヒルホルダ用ソレノイド弁74が接続され、各装置類への駆動信号を出力する。
【0039】
アイドルストップ表示ランプ71は、I/Sの実施状況を運転者に示すためのランブで、詳細は後述するが、I/Sによるエンジンの停止中であることや、I/Sが禁止中であること、或いはエンジンを再始動すること等を表示するランプの総称である。
【0040】
電動オイルポンプ72は、I/Sによるエンジン停止中に、ATへの油圧を供給する電動のオイルポンプである。通常運転時、AT内部のクラッチは、クランクシャフト6に直結して駆動される図外の機械式オイルポンプを油圧供給源として作動する。従って、I/Sによってエンジンが停止すると、油圧が低下し、クラッチは解放する。これではエンジン再始動後、クラッチを再締結させるための時間ロスが発生し、発進性が悪化する。それを防止するため、エンジンの停止中には別途電動オイルポンプ72によってATに油圧を供給するように構成されている。
【0041】
ATF切換弁73は、油圧供給源からATへのATF(自動変速機油)の通路を切換える切換え弁である。通常の運転時には機械式オイルポンプからATにATFを導き、I/Sによるエンジン停止中には電動オイルポンプ72から導くように切換える。
【0042】
ヒルホルダ用ソレノイド弁74は、ブレーキオイルの供給通路を遮断する図略のヒルホルダーを駆動するためのソレノイド弁である。通常運転時にはエンジンに連動する倍力装置が作動し、ブレーキ油圧が高められている。しかしエンジン停止中にはこの倍力装置が作動しないため、ブレーキ油圧が低下し、制動力が減少する。従って、例えば坂道等でアイドルストップを行った場合、制動力不足によって車両が動く可能性がある。それを防止するため、ヒルホルダは、ヒルホルダ用ソレノイド弁74でブレーキオイルの供給通路を遮断することによってブレーキ油圧を高い状態で保持するように構成されている。
【0043】
ECU30は、内部にスロットル弁制御手段31、燃料噴射弁制御手段32、点火制御手段33、EGR弁制御手段39、カム位相制御手段35、アイドルストップ制御手段34、表示制御手段36、AT制御手段37及びヒルホルダ制御手段38を含む。
【0044】
スロットル弁制御手段31は、アクセル開度センサ25からのアクセル開度情報や、クランク角センサ21,22からのクランク角速度情報に基づくエンジン回転数等から、必要なスロットル弁17の開度を演算し、スロットル弁アクチュエータ18を制御する。
【0045】
燃料噴射弁制御手段32及び点火制御手段33は、上記アクセル開度情報やエンジン回転数情報に加え、エアフローセンサ20による吸気量情報や水温センサ24による冷却水温度情報等から、必要な燃料噴射量とその噴射時期及び適正な点火時期を演算し、燃料噴射弁8及び点火プラグ7に制御信号を出力する。
【0046】
スロットル弁制御手段31によって調節される吸気量と燃料噴射弁制御手段32によって調節される供給燃料量とによって空燃比が決定する。即ち、スロットル弁制御手段31と燃料噴射弁制御手段32とは空燃比制御手段として機能する。通常のアイドル運転時、空燃比は理論空燃比もしくはそれよりリッチ側の設定となっている。そして後述するように、アイドルストップのためのエンジン停止動作期間において、出力トルクの変動を抑制するために空燃比はアイドル運転時よりもリーン側、より好ましくは理論空燃比よりもリーン側の設定とされる。
【0047】
EGR弁制御手段39は、必要なEGR弁51の開度をEGR弁アクチュエータ52に出力し、EGR量(還流される排気の量)を制御する。通常運転時には、EGR量を多くすることにより吸気中の酸素の量を抑制して燃焼温度を低下させてNOx排出量を削減したり、エンジンの冷間時に排気によって筒内温度を上昇させたりする制御等を行う。そして後述するように、アイドルストップのためのエンジン停止動作期間において、各気筒3内の掃気を促進させるためにEGR弁51を閉弁させる制御を行う。
【0048】
カム位相制御手段35は、クランクシャフト6に対するカムシャフト26,27の位相変動信号をカム位相可変機構26a,27aに出力し、吸気弁11及び排気弁12の開閉時期を制御する。通常運転時は、エンジンの回転数に応じた最適な吸排気弁の開閉時期を設定し、広回転域に亘って高出力を得るための制御等を行う。そして後述するように、アイドルストップのためのエンジン停止動作期間において、出力トルクの変動を抑制するために吸気弁11の閉時期を遅らせる制御を行う。
【0049】
アイドルストップ制御手段34は、I/Sの実行条件を判定したり、ECU30内の各手段にI/Sを実行するための必要な情報を提供したりする。
【0050】
I/Sの実行条件としては、基本停止条件、基本再始動条件及びI/S禁止条件に類別される。各条件は適宜設定して良いが、例えばブレーキセンサ62から得られるブレーキの踏み込み深さが所定値以上、かつ車速センサ63から得られる車速がゼロ、かつインヒビタスイッチ64から得られるATのシフトレバー位置が非走行レンジ、かつパーキングブレーキスイッチ65の信号がON、かつウインカスイッチ66の信号がOFF、かつエアコンスイッチ67がOFFの場合に基本停止条件が成立とされる。
【0051】
また、例えばブレーキの踏み込み深さが所定値以下、又は車速が所定値以上、又はATのシフトレバー位置が走行レンジ、又はウインカスイッチ66の信号がON、又はエアコンスイッチ67がON、又はブレーキ負圧センサ68から得られるブレーキ負圧が所定値以下の場合に基本再始動条件が成立とされる。
【0052】
そして、例えばエンジン冷却水温度Tcが所定値以下(例えばTc<60℃)、又はバッテリのモニタ電圧が所定値以下、又は前回の再始動からの経過時間が所定値以下の場合にI/S禁止条件が成立とされる。
【0053】
基本停止条件が成立し、かつI/S禁止条件が成立しないとき、最終的にエンジンの停止条件が成立(当明細書では、これをエンジン停止条件の成立という)したとされ、I/Sによるエンジンの自動停止が行われる。即ち燃料噴射弁8からの燃料噴射を停止させるとともに、点火プラグ7の点火を停止させる。
【0054】
エンジン停止の際の制御としては、まずエンジン停止条件成立時にEGR弁51が開弁していればこれを閉弁して気筒3内の掃気が促進されるようにする。そして出力トルクの変動を抑制するために点火時期のリタード(又は吸気弁11の閉弁時期を遅らせる、或いは空燃比をリーン側にする、でも良い)を行う。更にスロットル弁17を所定開度、所定期間開弁して燃料カット後における気筒3内の掃気を促進するとともに、ピストン4が適正位置(図4の範囲A)に停止し易くなるようにする。
【0055】
エンジンの自動停止中に基本再始動条件またはI/S禁止条件が成立すると、最終的に再始動条件が成立(当明細書では、これを再始動条件の成立という)したとされ、再始動がなされる。即ち燃料噴射弁8からの燃料噴射と点火プラグ7の点火を復帰させる。
【0056】
再始動の際の制御としては、先ずエンジン停止時に圧縮行程となる気筒(説明の都合上、これを3番気筒3Cであると想定し、以下圧縮行程気筒3Cと記す。)に対して初回の燃焼を実行してエンジンを少し逆転させることにより、エンジン停止時に膨張行程となる気筒(同様に1番気筒3Aであると想定し、以下膨張行程気筒3Aと記す。)のピストン上昇によって筒内圧力を高めるようにしてから、当該膨張行程気筒3Aで燃焼を行わせるようにする。
【0057】
当実施形態では、圧縮行程気筒3Cでの初回燃焼、膨張行程気筒3Aでの燃焼を行わせるとともに、初回燃焼後の圧縮行程気筒3Cの筒内に燃焼用空気を残存させて圧縮行程気筒3Cのピストン4が上昇に転じてから上死点付近に達したときに再燃焼を行わせる第1再始動制御モードと、圧縮行程気筒3Cでの初回燃焼及び膨張行程気筒3Aでの燃焼は行わせるが圧縮行程気筒3Cでの再燃焼を行わせない第2再始動制御モードと、圧縮行程気筒3Cでの初回燃焼を行わずにスタータ28でアシストしつつ膨張行程気筒3Aでの燃焼及びその次の圧縮行程気筒3Cでの燃焼により始動を行う第3再始動制御モードとを、ピストン4の停止位置に応じて選択的に実行するようになっている。
【0058】
表示制御手段36は、I/Sの実行状況に応じてアイドルストップ表示ランプ71のON/OFF制御を行う。アイドルストップ表示ランプ71は、図外の自動停止中ランプ、アイドルストップ禁止中ランプ及び再始動ランプによって構成されている。I/Sによるエンジンの自動停止中は、自動停止中ランプを点灯させ、I/S禁止条件が成立中はアイドルストップ禁止中ランプを点灯させ、エンジンの再始動時には再始動ランプを点灯させる。このようにして、運転者がアイドルストップの制御状況を認識できるようにしている。
【0059】
AT制御手段37は、アイドルストップが実行されることにより、自動変速機に供給される作動油の圧力が低下した場合に、ATF切換弁73に切換指令信号を出力して上記作動油の供給経路をエンジン1によって駆動される図外の機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ72側に切換えるとともに、電動オイルポンプ72を作動させる作動指令信号を出力して、この電動オイルポンプ72から自動変速機に所定圧力の作動油を供給するように構成されている。
【0060】
ヒルホルダ制御手段38は、I/Sによるエンジン停止中に、ヒルホルダ用ソレノイド弁74によってヒルホルダの制御を行う。
【0061】
アイドルストップによるエンジン停止時のピストン4の停止位置は、クランク角センサ21,22からの信号によって以下のように検出される。図5はクランクシャフト6が回転することによって得られるパルス信号であり、クランク角センサ21からの第1クランク角信号CA1と、クランク角センサ22からの第2クランク角信号CA2とを示す。図5(a)は正転時(図1の状態で右回り)のもの、図5(b)は逆転時のものを示す。エンジンの正転時には、図5(a)のように、第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2が半パルス幅程度の位相遅れをもって生じることにより、第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がLow、第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がHighとなる。一方、エンジンの逆転時には、図5(b)のように、第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2が半パルス幅程度の位相の進みをもって生じることにより、エンジンの正転時とは逆に第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がHigh、第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がLowとなる。ECU30は、この差異を検出して、クランクシャフト6が正転中か逆転中かを判定しつつパルス信号をカウントする。カウントした値はCAカウンタ値として記憶され、エンジン1が作動中は常時更新される。そして、CAカウンタ値の増減がなくなった状態がエンジン1の停止であり、そのときのCAカウンタ値によってピストン4の停止位置が検出される。
【0062】
図6は、CAカウンタ値の積算フローチャートである。スタート後、ステップS51で、第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がLowとなっているか、或いは第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がHighとなっているかの判定がなされ、YESであればエンジン1は正転していることを示すので、ステップS52に移行して計測したパルス数をCAカウンタ値に加算する(CAカウンタup)。ステップS51でNOであれば、エンジン1が逆転していることを示すので、ステップS53に移行して計測したパルス数をCAカウンタ値から減算する(CAカウンタdown)。
【0063】
以上のような当実施形態の装置の作用を次に説明する。4気筒4サイクルエンジンであるエンジン1では、各気筒3が所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなるサイクルを行うようになっており、図7に示すように、上記サイクルが1番気筒3A、3番気筒3C、4番気筒3D、2番気筒3Bの順にクランク角で180°(180°CA)ずつの位相差をもって行われるようになっている。
【0064】
エンジン1が運転されている状態においてエンジン1の出力を要しない所定のアイドリング状態となった場合には、エンジン停止条件成立か否かの判定に基づき、アイドルストップが実行される。
【0065】
図7は、アイドルストップにおけるエンジン停止までの説明図である。また、図8はその際のECU30の概略制御フローチャートを示す。制御スタート後、各種センサ類(図3参照)からの信号を読み取る(ステップS1)。次にその信号に基づき、エンジン停止条件が成立したか否かの判定を行い(ステップS3)、NOであればリターンするが、YESであれば以下のエンジン自動停止のための一連の制御(図7のエンジン停止条件成立時点t1からエンジン停止までの制御)を行う。まずエンジン停止条件成立時点t1でEGR弁51が開弁していれば、EGR弁制御手段39からEGR弁アクチュエータ52に閉弁指令を発信してこれを閉弁させる(ステップS4)。こうすることで気筒3内に排気が還流されなくなるので掃気が促進されるようになる。
【0066】
続いてステップS5で、点火制御手段33によって点火プラグ7の点火時期をリタードさせる(又は吸気弁11の閉弁時期を遅らせる、或いは空燃比をリーン側にする、でも良い)。こうすることでエンジン1の発生トルクを減少させ、トルク変動を抑制させているので、エンジン停止時の回転数減少特性のばらつきが減少し、ピストン4が適正位置(図4の範囲A)に停止する確率を向上させている。
【0067】
更に次のステップS6でスロットル弁制御手段31によってスロットル弁17を所定開度開弁する(図7に示すように所定のスロットル開度とされる)。スロットル弁17の開弁は、吸気量を増大させて気筒3内の掃気を促進するためになされるものである。しかし当実施形態のスロットル弁17は比較的各気筒3から離れた共通吸気通路15cに設けられており、しかも各気筒3との間にサージタンク15bが設けられているので、スロットル弁17の開弁から実際に吸気量が増大するまでの応答遅れが比較的長い構造となっている。そこで当実施形態では、図8のステップS4〜S6の制御をエンジン停止条件成立時点t1に同期(ステップS3でYESと判定されてから可及的速やかに開始)させている。こうしてエンジン停止動作期間における最も早いタイミングであるエンジン停止条件成立時点t1でスロットル弁17を開弁し、応答遅れによって吸気量の増大効果が目減りすることを可及的に防止している。従って、たとえエンジン停止条件成立時点t1では理論空燃比ないしはそれよりリッチ側の空燃比でアイドル運転していても、このように早いタイミングからなされた吸気の増大により、各気筒の掃気が充分になされるので、エンジン停止後の再始動時には充分な酸素によって良好な燃焼が得られ易くなっている。つまり再始動性が向上している。
【0068】
続いてステップS7でエンジン回転数が燃料カット許容回転数域(650±10rpm)にあるか否かの判定を行う。ここでNOであれば、YESとなるまで待機する。ステップS7でYESと判定されたとき、燃料噴射弁8からの燃料供給を停止(燃料カット)し、点火プラグ7での点火を停止する(ステップS9)。このように当実施形態では、燃料カット許容回転数域を設け、エンジン回転数が燃料カット許容回転数域内にある時を狙って燃料カットを行うようにしている。例えばアイドル回転数が650±50rpmにフィードバック制御されているとき、燃料カット許容回転数域は上記のように650±10rpmに設定される。つまり、アイドル時には650±50rpmの範囲でエンジン回転数にふらつきが発生するところ、その中で650±10rpmの範囲に入った瞬間を狙って燃料カットを行うのである。これは、ピストン4を再始動のための好ましい範囲内(図4の範囲A)で停止させるためになされるもので、燃料カット許容回転数域で燃料カットを行うと、ピストン4が好ましい範囲内で停止する確率が高くなることが確認されている。エンジン停止条件成立時点t1でのエンジン回転数が、燃料カット許容回転数域にあれば時点t1に同期して燃料カットがなされる。しかしそうでない場合は、図7に示すようにエンジン回転数が燃料カット許容回転数域に入る時点t2まで燃料カットが保留される。
【0069】
時点t2(エンジン回転数N2)で燃料カットを行った後、エンジン回転数が予め設定された所定回転数N3(当実施形態ではN3=500rpm)まで低下した時点t3でスロットル弁17を閉じるように制御される(ステップS13、S15)。これにより、気筒3内の空気の圧力を利用してエンジン停止位置が好ましい範囲内となる確率を高めるようにしている。
【0070】
すなわち、上記時点t1からt3の間、スロットル弁17が所定開度に開かれることにより、多少の時間的遅れをもって一時的に吸気負圧が減少(吸気量が増大)し、その後に吸気圧負圧が増大(吸気量が減少)するが、一時的に吸気負圧が減少する期間が、膨張行程気筒3Aの吸気行程の期間に概ね対応するように予め上記所定回転数等が設定されている。これにより、スロットル弁17が開かれない場合と比べ、更にはスロットル弁17が燃料カット時点t2で開く場合と比べても、エンジン停止前に各気筒3に吸入される空気量が増加し、そのうちでも特に膨張行程気筒3Aに流入する吸気量が多くなる。
【0071】
そして、エンジン停止に至るときには、圧縮行程気筒3Cではピストン4が上死点に近づくにつれて当該気筒3C内の空気が圧縮されてピストン4を押し返す方向に圧力が作用し、これによりエンジン1が逆転して圧縮行程気筒3Cのピストン4が下死点側に押し返されると、膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点側に移動し、それに伴い当該気筒3A内の空気が圧縮され、その圧力で膨張行程気筒3Aのピストン4が下死点側に押し返される。このようにしてピストン4がある程度振動してから停止し、この際、圧縮行程及び膨張行程においてそれぞれピストン4が上死点に近いほどこれを押し戻す力が大きいため、ピストン4の停止位置は行程中間部に近い位置(図4の範囲A)となる場合が多い。
【0072】
更に、上記のようなスロットル弁17の制御により膨張行程気筒3Aの吸気量が圧縮行程気筒3Cと比べて多くなるようにすれば、膨張行程気筒3Aにおいてピストン4が行程中間部に近い範囲のうちでも多少下死点寄り(図4の範囲A2)に停止することが多くなる。
【0073】
なお、燃料カット時点t2からエンジン1が完全に停止するまでに慣性でエンジン1が数回転する間に充分掃気がなされ、膨張行程といえども筒内は殆ど新気となる。また、エンジン1が停止すると圧縮行程気筒3Cでも圧力は直ぐにリークする。従って、エンジン停止後は、いずれの気筒も筒内には略大気圧の新気が存在する状態となる。
【0074】
また、スロットル弁17をエンジン停止まで閉弁しないようにしても良いが、そうするとエンジン停止までずっと吸気量が多い状態が続くので、吸気の圧縮によるピストン4の押し下げ力が減衰し難く、ピストン4の振動回数が増加してエンジン停止時に揺れ戻しが大きくなる場合がある。従って、当実施形態に示すように好適な時点t3でスロットル弁17を閉弁するのが望ましい。
【0075】
続いて、エンジン停止の判定行うため、常時カウント中のCAカウンタ値(図6参照)を読み取る(ステップS16)。次のステップS17で、CAカウンタ値の変化度合いからエンジン1が完全に停止したか否かの判定がなされ、YESであればCAカウンタ値から決定されるピストン4の停止位置を記憶(ステップS19)してリターンする。
【0076】
次にエンジン1の再始動について説明する。エンジン停止後に上記基本再始動条件またはI/S禁止条件が成立すると、再始動条件が成立したとされ、自動的にエンジン1を再始動する制御が行われる。この際、ピストン4の停止位置が膨張行程気筒3Aにおいて行程中間部付近の所定範囲内で、かつ、上死点寄りの範囲A1(図4)にある場合は、第1再始動制御モードが実行される。
【0077】
図9は上記第1再始動制御モードによる場合のエンジンの各気筒の行程と始動制御開始時点からの各気筒における燃焼(図中に燃焼の順序に従って▲1▼,▲2▼,▲3▼……で示す)との関係を示すとともに、各燃焼によるエンジンの動作方向を矢印で示しており、また図10は、上記第1再始動制御モードによる場合のエンジン回転速度、クランク角、角気筒の筒内圧及び図示トルクの時間的変化を示している。
【0078】
これらの図に示すように、上記第1再始動制御モードによる場合には、先ず圧縮行程気筒3Cにおいて燃焼空燃比は理論空燃比よりもリーンとされつつ初回燃焼(図9中の▲1▼)が行われ、この初回燃焼による燃焼圧(図10中のa部分)で圧縮行程気筒のピストン4が下死点側に押し下げられてエンジン1が逆転方向に駆動され、それに伴い、膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点に近づくことにより当該気筒3A内の空気が圧縮されて筒内圧が上昇する(図10中のb部分)。そして、膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点に充分に近づいた時点で当該気筒3Aに対する点火が行われて、予め当該気筒3Aに噴射されている燃料が燃焼し(図9中の▲2▼)、その燃焼圧(図10中のc部分)でエンジン1が正転方向に駆動される。さらに、上記圧縮行程気筒3Cに対して適当なタイミングで燃料が噴射されることにより、圧縮行程気筒3Cの上死点付近で当該気筒3Cにおける2回目の燃焼が行われる(図9中の▲3▼)。その燃焼圧(図10中のd部分)でエンジン駆動力が高められる。
【0079】
この場合、圧縮行程気筒3Cの初回燃焼では空燃比がリーンとされたことにより初回燃焼後も当該気筒3Cに空気が残存するため、上記2回目の燃焼が可能となる。そして、上記初回燃焼により圧縮行程気筒3C内の温度が高くなっている状態で燃料が噴射されるとともに圧縮が行われるため、当該気筒3Cでの2回目の燃焼は圧縮自己着火により行われる。
【0080】
このようにして上記2回目の燃焼が行われてから、当該気筒3Cの次に圧縮行程を迎える気筒(4番気筒3D)の圧縮上死点に達した後は、通常制御により各気筒で順次燃焼が行われ、再始動が完了する。
【0081】
ピストン4の停止位置が膨張行程気筒3Aにおいて行程中間部付近の所定範囲内で、かつ、下死点寄りの範囲A2(図4参照)にある場合の再始動時には、第2再始動制御モードによる制御が行われる。
【0082】
この第2再始動制御モードによる制御としては、先ず圧縮行程気筒3Cにおいて燃焼空燃比が略理論空燃比もしくはそれよりリッチとされつつ初回燃焼(図9中の▲1▼に相当する燃焼)が行われる。そして、初回燃焼により圧縮行程気筒3Cのピストン4が押し下げられてエンジン1が逆転方向に駆動され、それに伴い膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点に近づくことにより当該気筒3A内の空気が圧縮されて筒内圧が上昇し、膨張行程気筒3Aのピストンが上死点に充分に近づいた時点で当該気筒3Aに対する点火が行われて、予め当該気筒3Aに噴射されている燃料が燃焼すること(図9中の▲2▼に相当)によりエンジン1が正転方向に駆動されることは、第1再始動制御モードによる制御と同様である。ただし、第2再始動制御モードでは、膨張行程気筒3Aの燃焼後に圧縮行程気筒3Cが上死点を過ぎるときに燃焼(図9中の▲3▼の燃焼)は行われず、次に圧縮行程を迎える気筒(4番気筒3D)の圧縮上死点に達するまでエンジンの回転が慣性で維持され、その後は通常制御に移行して再始動が完了する。
【0083】
上述のように第1再始動制御モードと第2再始動制御モードとがピストン4の停止位置によって使い分けられることにより、エンジン1の再始動が効果的に行われる。この点を図11も参照しつつ説明する。
【0084】
図11はエンジン停止時のピストン位置と圧縮行程気筒3Cの初回燃焼(逆転用)における要求空燃比、圧縮行程気筒3Cの空気量、膨張行程気筒3Aの空気量及び発生頻度との関係を示しており、この図のように、エンジン停止時に膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点寄り(圧縮行程気筒3Cのピストン4が下死点寄り)となるほど膨張行程気筒3Aの空気量が少なくて圧縮行程気筒3Cの空気量が多くなり、逆に膨張行程気筒3Aのピストン4が下死点寄り(圧縮行程気筒3Cのピストン4が上死点寄り)となるほど膨張行程気筒3Aの空気量が多くて圧縮行程気筒3Cの空気量が少なくなる。
【0085】
また、圧縮行程気筒3Cでの初回燃焼では、圧縮行程気筒3Cのピストン4が下死点より少し手前(膨張行程気筒3Aのピストン4が上死点より少し手前)となる所定位置までエンジンを逆転させるだけのトルクを生じさせることが要求されるが、圧縮行程気筒3Cのピストン4が上死点寄りにあれば、圧縮行程気筒3C内の空気量が少なく、かつ、上記所定位置までの逆転に要求されるトルクが比較的大きいので、要求空燃比がリッチとなり、一方、圧縮行程気筒3Cのピストン4が下死点寄りにあれば圧縮行程気筒内3Cの空気量が多く、かつ、上記所定位置までの逆転に要求されるトルクが比較的小さいので、要求空燃比がリーンとなる。
【0086】
膨張行程気筒3Aにおいては、ピストン4が下死点寄りにある程空気量が多いため燃料を多く燃焼させることができる。
【0087】
従って、エンジン停止時に膨張行程気筒3Aのピストン位置が中間部より下死点寄り(圧縮行程気筒3Cのピストン位置が上死点寄り)の所定範囲A2にある場合、圧縮行程気筒3Cでは初回燃焼時の空燃比が上記要求に適合するようにリッチとされ、初回燃焼後に燃焼用空気が残存しないため圧縮上死点付近での2回目の燃焼は行われないが、膨張行程気筒3Aでは空気量が比較的多くて、それに応じた燃料が噴射された上で、圧縮されてから着火、燃焼が行われるため、比較的大きなトルクが得られ、上記圧縮行程気筒3Cの圧縮上死点を過ぎてさらに次の気筒の圧縮上死点を越えるまでエンジンを回転させることができ、再始動を達成することができる。
【0088】
一方、エンジン停止時に膨張行程気筒3Aのピストン位置が中間部より上死点寄り(圧縮行程気筒3Cのピストン位置が下死点寄り)の所定範囲A1にある場合、範囲A2にある場合と比べると、膨張行程気筒内3Aの空気量が少ないため膨張行程での燃焼により得られるトルクが小さくなるが、圧縮行程気筒3Cでは初回燃焼時の空燃比が上記要求に対応してリーンとされ、それにより初回燃焼後も残存する余剰空気が利用されて圧縮上死点付近での2回目の燃焼が行われるため、エンジン正転方向の駆動のためのトルクが補われ、膨張行程気筒3Aでの燃焼と圧縮行程気筒3Cにおける2回目の燃焼の両方により、再始動を達成するに足るトルクが得られる。
【0089】
ところで、当実施形態では、前述のようにエンジン停止の際、エンジン停止条件成立時点t1後に速やかに所定期間だけスロットル弁17の開度を増大させて吸気量を増加させることにより、圧縮行程気筒3C及び膨張行程気筒3Aにおいてピストン4の上死点方向への移動に対する抵抗を大きくし、かつ、膨張行程気筒3Aの吸気量をより多くしているため、図11中にも示すように、エンジン停止時の膨張行程気筒3Aにおけるピストン位置は行程中間部付近の所定範囲A内となることが殆どであり、そのうちでも多少下死点寄りの範囲A2内となることが多く、このように停止位置が調整されることで効果的に再始動が行われる。
【0090】
すなわち、ピストン停止位置が上記範囲Aよりも膨張行程気筒3Aの上死点側(圧縮行程気筒3Cの下死点側)に近づきすぎた場合には、エンジン逆転方向の移動量を充分にとることができなくなるとともに、膨張行程気筒3Aの空気量が少なくなるので膨張行程気筒3Aでの燃焼により得られるトルクが少なくなり、また、上記範囲よりも膨張行程気筒3Aの下死点側(圧縮行程気筒3Cの上死点側)に近づきすぎた場合には、圧縮行程気筒3Cの空気量が少なくなるのでエンジン逆転のためのトルクが充分に得られなくなる。これに対し、ピストン停止位置が上記範囲A内にあれば、圧縮行程気筒3Cでの初期燃焼による逆転駆動が可能で、かつ、膨張行程気筒3Aでの燃焼が良好に行われてその燃焼エネルギーを充分にピストンに作用させることができ、とくにピストン停止位置が膨張行程気筒3Aの下死点寄りの範囲A2にあれば膨張行程気筒3Aの空気量を充分に多く確保でき、膨張行程気筒3Aでの燃焼エネルギーを増大させ、始動性を高めることができる。
【0091】
なお、稀にエンジン停止時のピストン位置が上記範囲Aから外れた場合や、エンジン停止中に筒内温度が低下し、冷却水温度Tcが所定の温度よりも低温(Tc<60℃)となった場合には、第3再始動制御モードが実行されてスタータ28により始動がアシストされる。
【0092】
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明の装置の具体的構成は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で種々変更可能である。例えばアイドル回転数(650±50rpm)や燃料カット許容回転数(650±10rpm)の具体的な値は、エンジンの特性によって適宜設定して良い。また、アイドルアップ(比較的エンジン温度状態が低温のときにアイドル回転数を上昇させる制御)がなされているときには、それに応じて燃料カット許容回転数も変更させるようにしても良い。
【0093】
上記実施形態では、EGR弁51の閉弁、スロットル弁17の開度の増大及び点火時期のリタード(又は吸気弁11の閉時期の遅延又は空燃比のリーン化)が、上記エンジン停止条件成立と同期してなされているが、これらはエンジン停止条件成立時点t1後、速やかに、少なくとも燃料カット時点t2には開始しているようになされれば良く、その範囲でエンジン停止条件成立時点t1から若干の遅れをもった設定としても良い。但し、スロットル弁17の開弁時期をエンジン停止条件成立時点t1に近づけるほど吸気系の遅れを補う効果が大となり、同期させた場合には最も大なる効果を得ることができる。
【0094】
上記実施形態では、エンジン停止動作期間において、点火制御手段33によって点火プラグ7の点火時期をリタードさせる制御に替えて、吸気弁11の閉弁時期を遅らせる、或いは空燃比をリーン側にする、でも良い(図8のステップS5参照)とした。その選択はエンジン1の特性に合わせて最適なものとすれば良いが、必要に応じてこれらの制御のうち幾つかを併せて行うようにしても良い。
【0095】
上記実施形態では、エンジン停止時のピストン位置が所定範囲内にあるときのエンジン始動時に、圧縮行程気筒3Cで初回燃焼を行わせてエンジンを少し逆転させてから膨張行程気筒3Aでの燃焼を行わせるようにしているが、上記圧縮行程気筒3Cでの初回燃焼によるエンジン逆転を行わず、エンジン停止状態でいきなり膨張行程気筒3Aに燃料を供給し、所定時間後に点火することにより、膨張行程気筒3Aでの燃焼を最初に行わせるようにしてもよい。
【0096】
この場合も、膨張行程気筒3Aのピストン停止位置が上死点に近づきすぎていると筒内の空気量が少ないので燃焼によるエネルギーが充分に得られず、また、上記停止位置が下死点に近づきすぎていると燃焼によるエネルギーがピストン4に作用する行程が極端に短くなるため、充分な駆動トルクが得られない。
【0097】
従って、前述のような停止動作期間における吸気量の調節によりピストン停止位置が行程途中の所定範囲A内となる確率を高めるようにすることが始動性向上のために有効であり、特に下死点寄りの範囲A2内に停止すれば、燃焼によるエネルギーがピストン4に作用する行程が極端に短くなることは避けつつ、筒内の空気量を比較的多くして燃焼エネルギーを高めることができ、始動性向上に有利となる。
【0098】
【発明の効果】
以上のように本発明のエンジンの始動装置によると、所定のエンジン停止条件が成立したときに自動的に燃料供給を停止してエンジンを停止させるとともに、エンジン停止後における再始動条件成立時に、膨張行程にある気筒に対して燃料を噴射させて点火、燃焼を行わせ、エンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、各気筒の吸気通路が分岐する分岐部より上流の共通吸気通路に設けられ、エンジンの気筒に導入される吸気量を調節するスロットル弁と、エンジン停止条件成立後のエンジン停止動作期間中に上記スロットル弁の開度を調節するスロットル弁制御手段とを備え、上記スロットル弁制御手段は、エンジン停止時に圧縮行程となる気筒および膨張行程となる気筒においてピストンの上死点方向への移動に対する抵抗を大きくするとともに各気筒の掃気を促進すべく、上記エンジン停止条件成立後、速やかに上記スロットル弁の開度を増大させることを特徴とするので、簡単な機構でピストンを適正位置に停止させ易くするとともに、比較的吸気系の遅れが大である構造であっても、或いはエンジン停止条件が成立した時の運転状態が、理論空燃比ないしはそれよりリッチ側の空燃比でアイドル運転されているエンジンであっても、掃気を促進し、気筒内に残存する既燃ガスの量を削減して再始動性を更に向上させることができる。その結果、一層の燃費低減およびCO排出量抑制等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による始動装置を備えたエンジンの概略断面図である。
【図2】上記エンジンの概略平面図である。
【図3】上記エンジンの概略制御ブロック図である。
【図4】エンジン停止時のピストン位置に応じた再始動制御モード選択のための範囲の設定を示す説明図である。
【図5】2つのクランク角センサからのクランク角信号を示すものであって、(a)はエンジン正転時の信号、(b)はエンジン逆転時の信号である。
【図6】エンジン停止時のピストン位置を検出するための処理を示すフローチャートである。
【図7】エンジン停止時のエンジン回転数、スロットル開度及び吸気管負圧の変化並びに各気筒のサイクルを示す説明図である。
【図8】アイドルストップにおけるエンジンの自動停止のための制御フローチャートである。
【図9】エンジン再始動時の各気筒のサイクル及び燃焼動作を示す説明図である。
【図10】エンジン再始動時のエンジン回転数、クランク角、各気筒の筒内圧及び図示トルクの変化を示す説明図である。
【図11】エンジン停止時のピストン位置と圧縮行程気筒の要求空燃比、圧縮行程気筒の空気量、膨張行程気筒の空気量及び発生頻度との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a エンジン
3(3A,3B,3C,3D) 気筒(1番気筒,・・・,4番気筒)
4 ピストン
7 点火プラグ
8 燃料噴射弁
11 吸気弁
12 排気弁
15 吸気通路
15a 分岐吸気通路
15b サージタンク
15c 共通吸気通路
16 排気通路
17 スロットル弁
26a,27a カム位相可変機構(バルブタイミング可変手段)
30 ECU
31 スロットル弁制御手段(空燃比制御手段)
32 燃料噴射弁制御手段(空燃比制御手段)
33 点火制御手段
35 カム位相制御手段(バルブタイミング制御手段)
39 EGR弁制御手段
50 EGR通路
51 EGR弁

Claims (8)

  1. 所定のエンジン停止条件が成立したときに自動的に燃料供給を停止してエンジンを停止させるとともに、エンジン停止後における再始動条件成立時に、膨張行程にある気筒に対して燃料を噴射させて点火、燃焼を行わせ、エンジンを再始動させるエンジンの始動装置において、
    各気筒の吸気通路が分岐する分岐部より上流の共通吸気通路に設けられ、エンジンの気筒に導入される吸気量を調節するスロットル弁と、
    エンジン停止条件成立後のエンジン停止動作期間中に上記スロットル弁の開度を調節するスロットル弁制御手段とを備え、
    上記スロットル弁制御手段は、エンジン停止時に圧縮行程となる気筒および膨張行程となる気筒においてピストンの上死点方向への移動に対する抵抗を大きくするとともに各気筒の掃気を促進すべく、上記エンジン停止条件成立後、速やかに上記スロットル弁の開度を増大させることを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 上記吸気通路が分岐する分岐部にサージタンクが設けられ、上記スロットル弁は、そのサージタンクよりも上流に設けられていることを特徴とする請求項1記載のエンジンの始動装置。
  3. 燃焼のための火花を発生させる点火プラグと、その点火プラグの点火時期を制御する点火制御手段とを備え、
    上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記点火制御手段が点火時期をリタードさせるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする請求項1または2記載のエンジンの始動装置。
  4. 少なくとも吸気弁の開閉タイミングを変更可能にするバルブタイミング可変手段と、
    上記バルブタイミング可変手段による吸気弁の開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御手段とを備え、
    上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記バルブタイミング制御手段が上記吸気弁の閉時期を有効膨張比に対して有効圧縮比が所定量小さくなるように遅延させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。
  5. 空燃比を調節する空燃比制御手段を備え、上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記空燃比制御手段が空燃比をアイドル運転時よりも増大させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。
  6. 上記空燃比制御手段は、アイドル運転時の空燃比を理論空燃比もしくはそれよりリッチ側とし、上記エンジン停止条件成立後の増大させた空燃比を理論空燃比よりもリーン側とすることを特徴とする請求項5記載のエンジンの始動装置。
  7. 上記スロットル弁よりも上記各気筒寄りの上記共通吸気通路と排気通路とを連通して排気を還流するEGR通路と、
    上記EGR通路に設けられ、排気還流量を調節するEGR弁と、
    上記EGR弁の開度を調節するEGR弁制御手段とを備え、
    上記エンジン停止条件成立後、速やかに、上記EGR弁制御手段が上記EGR弁を閉弁させるとともに上記スロットル弁制御手段が上記スロットル弁の開度の増大を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。
  8. 上記スロットル弁の開度の増大は、上記エンジン停止条件成立と同期してなされることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。
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