JP2006348862A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

内燃機関の始動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006348862A
JP2006348862A JP2005176793A JP2005176793A JP2006348862A JP 2006348862 A JP2006348862 A JP 2006348862A JP 2005176793 A JP2005176793 A JP 2005176793A JP 2005176793 A JP2005176793 A JP 2005176793A JP 2006348862 A JP2006348862 A JP 2006348862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
internal combustion
combustion engine
ignition
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005176793A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Kojima
進 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005176793A priority Critical patent/JP2006348862A/ja
Publication of JP2006348862A publication Critical patent/JP2006348862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

【課題】内燃機関の始動装置において、良好な始動性を確保すると共に燃焼悪化による排気ガス浄化特性の低下を防止する。
【解決手段】エンジン10が各気筒の停止位置や排気弁22の開閉状態に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、スタータモータ50とインジェクタ41及び点火プラグ45を作動して再始動する一方、始動不能領域にあるときには、インジェクタ41及び点火プラグ45を停止してスタータモータ50の作動により再始動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射及び点火を行って燃焼させ、その燃焼エネルギにより内燃機関を始動させる内燃機関の始動装置に関するものである。
近年、排気ガス対策や燃費向上などの手法として、車両がアイドル状態で停止しているときにエンジンを自動的に停止させ、発進時に自動的に再始動して円滑に発進させるようにした技術が各種提案されている。この場合、エンジンの再始動に時間が掛かるとドライバの発進意思に対してレスポンスが遅れてドライバビリティが悪化するため、素早く再始動させることが重要である。ところが、エンジンを始動する場合、一般にスタータモータを用いており、このエンジンを素早く再始動させることが困難である。また、頻繁にエンジンの停止と始動を繰り返すことで、このスタータモータや周辺部品の寿命低下、また、バッテリの使用過多による充電量の低下などを招いてしまう。
そこで、例えば、下記特許文献1では、燃料を吸気ポートではなく燃焼室に直接噴射する筒内噴射式のエンジンにて、スタータモータを用いることなくエンジンを始動可能としている。この特許文献1に記載された「エンジンの始動装置」は、筒内噴射式エンジンにて、このエンジンの停止時に、膨張行程にある気筒のピストン停止位置がこの気筒の燃焼によって再始動可能な領域である場合には、スタータを作動させることなく膨張行程にある気筒に対して燃料噴射と点火を行ってエンジンを再始動させる一方、膨張行程にある気筒のピストン停止位置がこの気筒の燃焼によって再始動可能な領域よりも上死点側または下死点側である場合には、再始動開始時点からスタータを作動させながら膨張行程にある気筒に対して燃料噴射と点火を行ってエンジンを再始動させるようにしたものである。
特開2004−124754号公報
上述した従来の「エンジンの始動装置」にあっては、膨張行程にある気筒のピストン停止位置が再始動可能な領域よりも上死点側または下死点側である場合、つまり、膨張行程にある気筒に燃料噴射と点火を行ってもその燃焼によってエンジンを再始動しにくい場合には、スタータを併用してエンジンを再始動させるようにしている。ところが、膨張行程にある気筒のピストン停止位置が再始動可能な領域よりも上死点側または下死点側であるときに、この気筒に燃料噴射と点火を行うと、スタータを併用しているためにエンジンを再始動することができるものの、燃焼が不完全となって排気ガス浄化特性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、良好な始動性を確保すると共に燃焼悪化による排気ガス浄化特性の低下を防止した内燃機関の始動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の始動装置は、燃焼室と、該燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートと、前記吸気ポート及び前記排気ポートを開閉する吸気弁及び排気弁と、前記燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記燃焼室内の混合気に点火する点火手段と、クランキングを行うスタータモータと、内燃機関のクランク角度を検出するクランク角度検出手段と、前記クランク角度検出手段の検出結果に基づいて膨張行程にある気筒に対して前記燃料噴射手段により燃料噴射を実行すると共に前記点火手段により点火を実行する着火始動手段と、前記内燃機関の始動状態に基づいて該内燃機関が前記着火始動手段による始動不能領域にあるかどうかを判定する始動不能領域判定手段と、前記内燃機関の始動時に前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動すると共に前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定したときには前記着火始動手段の作動を停止する制御手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記着火始動手段は、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射及び点火を実行した後、後続する気筒に対して圧縮行程で燃料噴射を実行すると共に、圧縮上死点近傍で点火を実行するものであり、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定したとき、前記着火始動手段による膨張行程にある気筒への燃料噴射及び点火と圧縮行程にある気筒への燃料噴射及び点火との少なくともいずれか一方を停止することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記始動不能領域判定手段は、膨張行程にある気筒の停止位置が圧縮上死点から圧縮上死点後10度までの領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記始動不能領域判定手段は、膨張行程にある気筒の停止位置が排気弁の開放領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記始動不能領域判定手段は、圧縮行程にある気筒の停止位置が圧縮上死点前10度から圧縮上死点近傍までの領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記始動不能領域判定手段は、前記内燃機関の冷却水温が予め設定された所定温度以下、または、前記燃料噴射手段に連通する燃料系の残圧が予め設定された所定圧力以下であるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記内燃機関の始動時に、前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にないと判定して前記着火始動手段を作動するときに点灯する第1表示手段と、前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定して前記着火始動手段を停止するときに点灯する第2表示手段とを設けたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記着火始動手段を作動した後、予め設定された所定期間の経過後に前記スタータモータを作動することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記内燃機関の始動時に、前記スタータモータの作動遅れ時間を検出してこの作動遅れ時間に基づいて次回の前記内燃機関の始動時における前記スタータモータの作動開始時間を補正するスタータモータ作動時間補正手段を設けたことを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記内燃機関のフリクションを検出するフリクション検出手段を設け、前記制御手段は、前記フリクション検出手段の検出結果に基づいて前記スタータモータを停止する始動回転数を補正可能とし、前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動した後、前記内燃機関の回転数が前記始動回転数以上になったときに前記スタータモータを停止することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記フリクション検出手段は、前記内燃機関の冷却水温または前記吸気弁の進角時期を検出するものであり、冷却水温が低温または吸気弁進角時期が大きいときにフリクションが大きいとして前記始動回転数を高く補正することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置では、前記制御手段は、前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動した後、前記内燃機関の回転数が予め設定された始動回転数以上になったときに前記スタータモータを停止し、該スタータモータの停止後に前記内燃機関の回転数が予め設定されたストール回転数以下になったときには、前記スタータモータを再作動すると共に、前記始動回転数を高く補正することを特徴としている。
本発明の内燃機関の始動装置によれば、クランキングを行うスタータモータと、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する着火始動手段と、内燃機関の始動状態に基づいてこの内燃機関が着火始動手段による始動不能領域にあるかどうかを判定する始動不能領域判定手段とを設け、制御手段は、内燃機関の始動時にスタータモータ及び着火始動手段を作動すると共に、始動不能領域判定手段により内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定したときには着火始動手段の作動を停止するようにしたので、内燃機関の始動時に、内燃機関の始動状態が始動不能領域にないとき、つまり、内燃機関の始動状態が始動可能領域にあるときには、スタータモータ及び着火始動手段を作動して内燃機関を始動する一方、内燃機関の始動状態が始動不能領域にあるときには、着火始動手段の作動を停止してスタータモータを作動して内燃機関を始動することとなり、スタータモータにより内燃機関を確実に始動して良好な始動性を確保することができると共に、始動可能な領域にない気筒への燃料噴射及び点火をやめて不完全燃焼による排気ガス浄化特性の低下を防止することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の始動装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の始動装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御および始動制御を表すフローチャート、図3は、実施例1の内燃機関の始動装置におけるエンジン停止時の気筒内挙動を表す概略図、図4−1乃至図4−4は、実施例1の内燃機関の始動装置におけるエンジン再始動不能領域を表す概略図である。
実施例1の内燃機関の始動装置が適用されたエンジンにおいて、図1に示すように、この内燃機関としてのエンジン10は4気筒筒内噴射式であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とピストン14により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が図示しないローラロッカアームを介して吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
従って、エンジン10に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26がローラロッカアームを作動させ、吸気弁21及び排気弁22が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27,28となっている。この吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29,30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31,32からの油圧をこのVVTコントローラ29,30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23,24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33,34が設けられている。
吸気ポート19には、インテークマニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットル弁39を有する電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ41が装着されており、このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜している。各気筒に装着されるインジェクタ41はデリバリパイプ42により連結され、このデリバリパイプ42には燃料供給管43を介して高圧ポンプ44が連結され、この高圧ポンプ44には図示しない燃料供給管を介して低圧ポンプ、燃料タンクが連結されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。この場合、インジェクタ41と点火プラグ45により本発明の着火始動手段が構成されている。
一方、排気ポート20には、エギゾーストマニホールド46を介して排気管47が連結されており、この排気管47には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する触媒装置48,49が装着されている。また、エンジン10には、クランキングを行うスタータモータ50が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト16を回転することができる。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)51が搭載されており、このECU51は、インジェクタ41や点火プラグ45などを制御可能となっている。即ち、吸気管37の上流側にはエアフローセンサ52及び吸気温センサ53が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ54が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU51に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ55が装着されており、現在のスロットル開度をECU51に出力しており、アクセルポジションセンサ56は、現在のアクセル開度をECU51に出力している。更に、クランク角センサ57は、検出した各気筒のクランク角度をECU51に出力し、このECU51は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の各行程を判定すると共に、エンジン回転数を算出している。また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ58が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU51に出力している。また、各インジェクタ41に連通するデリバリパイプ42には燃圧センサ59が設けられており、検出した燃料圧力をECU51に出力している。
従って、ECU51は、検出した燃料圧力に基づいてこの燃料圧力が所定圧力となるように高圧ポンプ44を駆動すると共に、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。
また、ECU51は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27,28を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
このように構成されたエンジン10にあっては、車両がアイドル状態で停止しているときにこのエンジン10を自動的に停止させるエンジン自動停止機能と、エンジン10が自動停止しているときに発進指令により自動的に再始動させるエンジン再始動機能を有している。そして、本実施例では、エンジン10の再始動時に、スタータモータ50を使用するのに加えて、筒内噴射機構を用いてエンジン10を着火始動するようにしている。
即ち、制御手段としてのECU51は、エンジン10の停止後に、クランク角センサ57の検出結果に基づいてピストン14が膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、エンジン10の再始動時に、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料を噴射し、混合気に点火することで燃焼させて爆発力を得て、この爆発力によりピストン14を移動してクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を駆動することでクランクシャフト16に駆動力を付与してエンジン10を再始動する。
本実施例の場合、エンジン10が筒内噴射式の4気筒直列型であるため、図3に示すように、例えば、第1気筒#1が圧縮上死点(TDC)を越えて膨張行程で停止したとき、続く第3気筒#3は圧縮行程で停止している。この停止状態から、膨張行程で停止した第1気筒#1に対して燃料噴射と点火を実行して燃焼させて爆発力を得て、この第1気筒#1の爆発力によりピストン14を押し下げると共に、クランクシャフト16を介して第3気筒#3のピストン14を押し上げる。即ち、圧縮行程にある第3気筒#3では、第1気筒#1の爆発力によりピストン14が上昇して燃焼室18内の空気を圧縮し、この圧縮行程の後半で燃料噴射と点火を実行して燃焼させる。そして、この第3気筒#3の爆発力を得てピストン14を押し下げてクランクシャフト16に駆動力を与える。
この場合、膨張行程にある第1気筒#1では、ピストン14がこの膨張行程における特定の領域、つまり、上死点(TDC)側または下死点(BDC)で停止したときには、燃料噴射と点火を実行しても完全燃焼せずに十分な爆発力を得ることができない。また、圧縮行程にある第3気筒#3では、ピストン14がこの圧縮行程における特定の領域、つまり、上死点(TDC)側で停止したときには、燃料噴射と点火を実行しても完全燃焼せずに十分な爆発力を得ることができない。
そこで、本実施例では、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止する第1気筒#1におけるピストン14の停止位置を検出し、また、圧縮行程で停止する第3気筒#3におけるピストン14の停止位置を検出し、始動不能領域判定手段としてのECU51は、各停止位置が燃料噴射と点火による着火始動が困難な始動不能領域にあるかどうかを判定している。そして、膨張行程で停止する第1気筒#1や圧縮行程で停止する第3気筒#3のピストン14の停止位置が、着火始動が困難な始動不能領域にない、つまり、着火始動が可能な領域あると判定されたときには、エンジン10の再始動時に、スタータモータ50と燃料噴射及び点火を実行してエンジン10を再始動させる。一方、膨張行程で停止する第1気筒#1や圧縮行程で停止する第3気筒#3のピストン14の停止位置が、着火始動が困難な始動不能領域にあると判定されたときには、エンジン10の再始動時に、燃料噴射及び点火を停止してスタータモータ50だけを作動してエンジン10を再始動させる。
即ち、図4−1に示すように、膨張行程で停止する第1気筒#1におけるピストン14の停止位置が、TDCからATDC(上死点後)10度までの領域Aにあるときには、第1気筒#1内の空気量(酸素量)が少ないため、燃料を噴射した後に点火しても完全燃焼せずに燃焼が悪化してしまう。そのため、膨張行程で停止する第1気筒#1がTDCからBTDC10度までの領域Aで停止したときには、始動不能領域にあると判定する。従って、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止する第1気筒#1に対する燃料噴射及び点火を停止する。
また、図4−2に示すように、膨張行程で停止する第1気筒#1におけるピストン14の停止位置が、排気弁22の開放領域Bにあるときには、第1気筒#1の排気ポート20が開放されているため、燃料を噴射した後に点火して燃焼してもこの燃焼ガスが排気ポート20から排出されてしまい、駆動力を得ることができない。そのため、膨張行程で停止する第1気筒#1が排気弁22の開放領域Bで停止したときには、始動不能領域にあると判定する。従って、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止する第1気筒#1に対する燃料噴射及び点火を停止する。
更に、図4−3に示すように、圧縮行程で停止する第3気筒#3におけるピストン14の停止位置が、BTDC(上死点前)10度からTDCまでの領域Cにあるときには、第3気筒#3内の空気量(酸素量)が少なく、且つ、圧縮比が十分でないため、燃料を噴射した後に点火しても完全燃焼せずに燃焼が悪化してしまう。そのため、圧縮行程で停止する第3気筒#3がATDC10度からTDCまでの領域Cで停止したときには、始動不能領域にあると判定する。また、本実施例では、エンジン10が直列4気筒式であるため、圧縮行程で停止する第3気筒#3がATDC10度からTDCまでの領域Cで停止したとき、膨張行程で停止する第1気筒#1が排気弁22の開放領域Bで停止している場合が多い。従って、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止する第1気筒#1及び圧縮行程で停止する第3気筒#3に対する燃料噴射及び点火を停止する。
なお、エンジン10が筒内噴射式の直列4気筒式であるため、圧縮行程で停止する第3気筒#3がATDC10度からTDCまでの領域Cで停止したとき、膨張行程で停止する第1気筒#1が排気弁22の開放領域Bで停止していると説明したが、エンジンがV型6気筒式である場合には異なる。即ち、図4−4に示すように、圧縮行程で停止する第3気筒#3におけるピストン14の停止位置が、ATDC10度からTDCまでの領域Cにあるとき、膨張行程で停止する第1気筒#1は排気弁22の開放領域Bにない。そのため、圧縮行程で停止する第3気筒#3のみが始動不能領域にあると判定し、エンジン10の再始動時に、圧縮行程で停止する第8気筒#8に対する燃料噴射及び点火を停止する。
ここで、上述した実施例1の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図2のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、ステップS1にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定する。ここで、エンジン10の自動停止とは、アイドル運転中にエンジンを停止する、所謂、アイドルストップである。この場合、エンジン10の自動停止条件とは、例えば、車速が0km/h、ブレーキスイッチがON状態、シフトレバーの操作位置がニュートラル(N)位置であることが所定時間継続したことであり、このとき、車両は赤信号灯で停車していると判断して自動停止条件が成立したと判定する。なお、車両の減速中にエンジン10を停止しても良く、この場合、エンジン10の自動停止条件とは、車速が一定速度以下、エンジン回転数が一定回転以下、エンジン冷却水温が一定温度以下、冷暖房装置がOFF状態であり、このとき、車両は減速中であると判断して自動停止条件が成立したと判定する。
このステップS1にて、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS2に移行し、ここで、ECU51は、エンジン10を停止する。即ち、インジェクタ41による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ45による点火を停止する。
その後、ステップS3では、エンジン10が自動停止している状態で、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定する。ここで、エンジン10の再始動条件とは、例えば、車速が0km/h、ブレーキスイッチがON状態、シフトレバーの操作位置が走行(1、2、D、R)位置であるときに、ドライバに発進する意思があると判断して再始動条件が成立したと判定する。このステップS3にて、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS4以降でエンジン10の着火始動を実行する。
即ち、ステップS4にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定し、ステップS5,S6にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にあるかどうか、つまり、この気筒に燃料噴射と点火を行っても適正に着火始動できるかどうかを判定する。また、ステップS8,S14では、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあるかどうか、つまり、この気筒に燃料噴射と点火を行っても適正に着火始動できるかどうかを判定する。
具体的に説明すると、ステップS5では、膨張行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域であるTDC近傍(TDCからBTDC10度までの領域)にあるかどうかを判定し、この膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS6に移行する。このステップS6では、膨張行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域である排気弁22の開放領域にあるかどうかを判定し、この膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS7に移行する。
このようにステップS5,S6にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されると、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射及び点火を実行することで着火始動が可能であるため、ステップS7にて、エンジン再始動条件の成立時から所定時間の経過後にスタータ始動の開始を設定する。
続いて、このステップS8では、圧縮行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域であるTDC近傍(ATDC10度からTDCまでの領域)にあるかどうかを判定し、この圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS9に移行する。
そして、ステップS5,S6,S8にて、膨張行程で停止している気筒と圧縮行程で停止している気筒のいずれも始動不能領域にないと判定されると、ステップS9にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。即ち、膨張行程で停止している気筒の燃焼室18に対してインジェクタ41により所定量の燃料を噴射した後、点火プラグ45により混合気に点火することで、この気筒は燃焼を開始して爆発力を得てピストン14を下降させる。
この膨張行程で停止している気筒が燃焼を開始してピストン14が下降すると、クランクシャフト16が回転し、この回転力が膨張行程で停止している気筒に続く気筒、つまり、圧縮行程で停止している気筒に伝達され、この圧縮行程で停止している気筒のピストン14が上昇して圧縮行程が開始される。そして、この気筒の所定時期に、前述と同様に、インジェクタ41により所定量の燃料を噴射した後、点火プラグ45により混合気に点火することで、この気筒は燃焼を開始して爆発力を得てピストン14を下降させる。
また、このとき、膨張行程で停止している気筒の燃焼室18に燃料を噴射して点火することで、燃焼による爆発力でピストン14が下降し始めたとき、エンジン再始動条件の成立時から所定時間が経過するため、スタータモータ50による始動が開始され、着火始動をアシストする。なお、ステップS9にて、膨張行程、圧縮行程で停止している気筒に続く気筒に対しては、通常通りに吸気ポート19から空気を吸入し、インジェクタ41から所定量の燃料を噴射すると共に、点火プラグ45により混合気に点火することで燃焼し、爆発力を得てピストン14を下降させることとなる。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS10では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらステップS11に移行し、スタータモータ50による始動を終了し、エンジン10は適正に再始動される。
一方、ステップS8にて、圧縮行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたらステップS12に移行する。すると、ステップS5,S6で、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定され、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあると判定されると、ステップS12にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。即ち、膨張行程で停止している気筒の燃焼室18に対してインジェクタ41により所定量の燃料を噴射した後、点火プラグ45により混合気に点火することで、この気筒は燃焼を開始して爆発力を得てピストン14を下降させる。
この膨張行程で停止している気筒が燃焼を開始してピストン14が下降するとき、圧縮行程で停止している気筒が膨張行程に至っても、この気筒には、燃料噴射及び点火が実行されないが、所定時間が経過してスタータモータ50による始動が開始される。そして、膨張行程、圧縮行程で停止している気筒に続く気筒に対しては、通常通りに吸気ポート19から空気を吸入し、インジェクタ41から所定量の燃料を噴射すると共に、点火プラグ45により混合気に点火することで燃焼し、爆発力を得てピストン14を下降させることとなる。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、前述と同様に、ステップS10では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらステップS11に移行し、スタータモータ50による始動を終了し、エンジン10は適正に再始動される。
また、ステップS5,S6にて、膨張行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域にあると判定されたらステップS13に移行し、ここで、スタータモータ50による始動を開始する。
続いて、ステップS14では、圧縮行程で停止している気筒におけるピストン14の停止位置が、始動不能領域にあるかどうかを判定し、この圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS15に移行する。
そして、ステップS5,S6にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にあり、ステップS14にて、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されると、ステップS15にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。即ち、まず、スタータモータ50による始動が開始されてクランクシャフト16が回転し始めると、圧縮行程で停止している気筒の燃焼室18に対してインジェクタ41により所定量の燃料を噴射した後、点火プラグ45により混合気に点火することで、この気筒は燃焼を開始して爆発力を得てピストン14を下降させる。
そして、膨張行程、圧縮行程で停止している気筒に続く気筒に対しては、通常通りに吸気ポート19から空気を吸入し、インジェクタ41から所定量の燃料を噴射すると共に、点火プラグ45により混合気に点火することで燃焼し、爆発力を得てピストン14を下降させることとなる。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、前述と同様に、ステップS10では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらステップS11に移行し、スタータモータ50による始動を終了し、エンジン10は適正に再始動される。
一方、ステップS13にて、スタータモータ50による始動を開始した後、ステップS14にて、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあると判定されたらステップS10に移行する。即ち、膨張行程で停止している気筒及び圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあると判定されたため、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、スタータモータ50によるエンジン10の再始動を開始する。
なお、この場合も、膨張行程、圧縮行程で停止している気筒に続く気筒に対しては、通常通りに吸気ポート19から空気を吸入し、インジェクタ41から所定量の燃料を噴射すると共に、点火プラグ45により混合気に点火することで燃焼し、爆発力を得てピストン14を下降させることとなる。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、前述と同様に、ステップS10では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらステップS11に移行し、スタータモータ50による始動を終了し、エンジン10は適正に再始動される。
このように実施例1の内燃機関の始動装置にあっては、エンジン10のクランキングを行うスタータモータ50と、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射を実行するインジェクタ41及び点火を実行する点火プラグ45を設け、ECU51は、エンジン10が各気筒の停止位置や排気弁22の開閉状態に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、スタータモータ50とインジェクタ41及び点火プラグ45を作動して再始動する一方、始動不能領域にあるときには、インジェクタ41及び点火プラグ45を停止してスタータモータ50の作動により再始動するようにしている。
従って、エンジン10の停止状態が始動不能領域にあるときには、燃料噴射と点火による着火始動の作動を停止することで、始動可能な領域にない気筒への燃料噴射及び点火をやめて不完全燃焼による排気ガス浄化特性の低下を防止することができ、また、このとき、スタータモータ50を作動してエンジン10を再始動するため、このスタータモータ50によりエンジン10を確実に始動して良好な始動性を確保することができる。
また、実施例1では、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射及び点火を実行した後、後続する気筒に対して圧縮行程で燃料噴射を実行すると共に、圧縮上死点近傍で点火を実行しており、ECU51は、エンジン10の始動時に、このエンジン10の停止状態が始動不能領域にあると判定したとき、膨張行程にある気筒への燃料噴射及び点火と、圧縮行程にある気筒への燃料噴射及び点火との少なくともいずれか一方を停止するようにしている。従って、始動可能な領域にない気筒への燃料噴射及び点火をやめて不完全燃焼による排気ガス浄化特性の低下を防止することができる。
そして、膨張行程で停止した気筒では、その停止位置が圧縮上死点から圧縮上死点後10度までの領域にあるとき、始動不能領域にあると判定している。従って、膨張行程で停止している気筒内の空気量(酸素量)が少ないときは、燃料噴射を実行しても不完全燃焼しやすく、この燃焼の悪化を抑制することができる。また、その気筒の停止位置が排気弁22の開放領域にあるときに、始動不能領域にあると判定している。従って、排気弁22が開放領域にあるときには、排気ポート20が開放されて燃焼ガスが排出されてしまい、駆動力を得ることができないため、無駄な燃焼をやめて燃費の低下を防止することができる。
また、圧縮行程で停止した気筒では、その停止位置が圧縮上死点前10度から圧縮上死点までの領域にあるときに、始動不能領域にあると判定している。従って、圧縮行程で停止している気筒内の空気量(酸素量)が少なく、且つ、圧縮比が十分でないため、燃料噴射を実行して十分に燃焼せず、着火始動を停止することでこの燃焼の悪化を抑制することができる。
図5は、本発明の実施例2に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャート、図6は、エンジン停止後のエンジン冷却水温の変化を表すグラフ、図7は、エンジン停止後の燃料圧力の変化を表すグラフである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、前述した実施例1と同様に、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
この場合、エンジン冷却水温が低水温であるときには、燃焼室18に噴射した燃料が気化しにくく、点火を実行しても完全燃焼せずに十分な爆発力を得ることができない。また、各インジェクタ41に連結されるデリバリパイプ42内の燃料圧力が低圧力であるとき、燃焼室18に噴射した燃料が気化しにくく、点火を実行しても完全燃焼せずに十分な爆発力を得ることができない。そこで、本実施例では、エンジン10の再始動時に、ECU51は、水温センサ58が検出したエンジン冷却水温と、燃圧センサ59が検出した燃料圧力が、燃料噴射と点火による着火始動が困難な始動不能領域にあるかどうかを判定している。
そして、エンジン冷却水温及び燃料圧力が着火始動の困難な始動不能領域にない、つまり、着火始動が可能な領域あると判定されたときには、エンジン10の再始動時に、スタータモータ50の作動と燃料噴射及び点火を実行してエンジン10を再始動させる。一方、エンジン冷却水温及び燃料圧力が着火始動の困難な始動不能領域にあると判定されたときには、エンジン10の再始動時に、燃料噴射及び点火を停止してスタータモータ50だけを作動してエンジン10を再始動させる。
即ち、図6に示すように、エンジン冷却水温がTSの状態で、時間t1でエンジン10を停止すると、エンジン冷却水温は時間の経過と共に低下し、時間t2で予め設定された所定温度TL以下になると、燃料噴射と点火による着火始動が困難となるため、この領域を始動不能領域と判定する。
また、図7に示すように、燃料圧力がPSの状態で、時間t1でエンジン10を停止すると、燃料圧力はエンジンの熱により一時的に上昇するが、時間t2でリリーフ弁が開放されて一定となり、その後、時間の経過と共に低下し、時間t3で予め設定された所定圧力PE以下になると、膨張行程で停止した気筒での燃料噴射と点火による着火始動が困難となるため、この領域を膨張行程で停止した気筒における始動不能領域と判定する。そして、燃料圧力は時間の経過と共に更に低下し、時間t4で予め設定された所定圧力PC以下になると、圧縮行程で停止した気筒での燃料噴射と点火による着火始動が困難となるため、この領域を圧縮行程で停止した気筒における始動不能領域と判定する。この場合、圧縮行程で停止した気筒では、エンジン10の再始動時にピストン14が上昇して圧力が上昇するため、膨張行程で停止した気筒より低い燃料圧力で着火始動が可能となる。
ここで、上述した実施例2の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図5に示すように、ステップS21にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS22に移行し、ここで、エンジン10を停止する。即ち、インジェクタ41による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ45による点火を停止する。
その後、ステップS23では、エンジン10が自動停止している状態で、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS24以降でエンジン10の着火始動を実行する。即ち、ステップS24にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS25,S26,S27にて、エンジン冷却水温と燃料圧力が始動不能領域にあるかどうか、つまり、この膨張行程や圧縮行程で停止している気筒に燃料噴射と点火を行っても適正に着火始動できるかどうかを判定する。また、ステップS28,S29にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にあるかどうか、ステップS31,S37では、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあるかどうか、つまり、この各気筒に燃料噴射と点火を行っても適正に着火始動できるかどうかを判定する。
具体的に説明すると、ステップS25では、エンジン冷却水温が始動不能領域である所定温度TL以下かどうかを判定し、このエンジン冷却水温が所定温度TLより高く、始動不能領域にないと判定されたらステップS26に移行する。このステップS26では、燃料圧力が圧縮行程で停止している気筒の始動不能領域である所定圧力PC以下かどうかを判定し、燃料圧力が所定圧力PCより高く、始動不能領域にないと判定されたらステップS27に移行する。このステップS27では、燃料圧力が膨張行程で停止している気筒の始動不能領域である所定圧力PE以下かどうかを判定し、燃料圧力が所定圧力PEより高く、始動不能領域にないと判定されたらステップS28に移行する。
続いて、ステップS28では、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍(TDCからBTDC10度までの領域)にあるかどうかを判定し、この気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS29に移行する。このステップS29では、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にあるかどうかを判定し、この気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS30に移行する。
このようにステップS25〜S29にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されると、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射及び点火を実行することで着火始動が可能であるため、ステップS30にて、エンジン再始動条件の成立時から所定時間の経過後にスタータ始動の開始を設定する。
続いて、このステップS31では、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍(ATDC10度からTDCまでの領域)にあるかどうかを判定し、この気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS32に移行する。
そして、ステップS25〜S31にて、膨張行程で停止している気筒と圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されると、ステップS32にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。即ち、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火が実行されることで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降する。ここで、エンジン再始動条件の成立時から所定時間が経過するため、スタータモータ50による始動が開始され、着火始動をアシストする。すると、クランクシャフト16が回転し、この回転力が圧縮行程で停止している気筒に伝達され、この気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火が実行されることで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転する。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS33では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらステップS34に移行し、スタータモータ50による始動を終了し、エンジン10は適正に再始動される。
一方、ステップS31にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたらステップS35に移行する。すると、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定され、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあると判定されると、ステップS35にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。また、所定時間が経過してスタータモータ50による始動が開始される。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。その後、ステップS33にて、エンジン回転数が始動回転数以上となったら、ステップS34にて、スタータモータ50による始動を終了する。
また、ステップS27にて、燃料圧力が膨張行程で停止している気筒の始動不能領域である所定圧力PE以下であると判定されたらステップS36に移行する。更に、ステップS28,S29にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたらステップS36に移行する。そして、このステップS36にて、スタータモータ50による始動を開始する。
続いて、ステップS37では、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあるかどうかを判定し、この気筒が始動不能領域にないと判定されたらステップS38に移行する。そして、ステップS28,S29にて、膨張行程で停止している気筒が始動不能領域にあり、ステップS37にて、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にないと判定されると、ステップS38にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。従って、各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。その後、ステップS33にて、エンジン回転数が始動回転数以上となったら、ステップS34にて、スタータモータ50による始動を終了する。
一方、ステップS36にて、スタータモータ50による始動を開始した後、ステップS37にて、圧縮行程で停止している気筒が始動不能領域にあると判定されたら、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、スタータモータ50によるエンジン10の再始動を開始する。
また、ステップS25にて、エンジン冷却水温が始動不能領域である所定温度TL以下にあったり、ステップS26にて、燃料圧力が始動不能領域である所定圧力PC以下にあるときは、ステップS39に移行する。そして、このステップS39でスタータモータ50による始動を開始した後、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、スタータモータ50によるエンジン10の再始動を開始する。
このように実施例2の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10がエンジン冷却水温や燃料圧力に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、スタータモータ50とインジェクタ41及び点火プラグ45を作動して再始動可能とする一方、始動不能領域にあるときには、インジェクタ41及び点火プラグ45を停止してスタータモータ50の作動により再始動するようにしている。
従って、エンジン10の停止状態が始動不能領域にあるときには、燃料噴射と点火による着火始動の作動を停止することで、燃料の気化不足による排気ガス浄化特性の低下を防止することができる。
図8は、本発明の実施例3に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、前述した実施例1と同様に、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
ところが、膨張行程で停止している気筒の停止位置が、TDC近傍(TDCからBTDC10度)までの領域にあるとき、また、排気弁22の開放領域にあるときには、燃焼ガスにより駆動力を得ることができない。そのため、ECU51は、エンジン10が始動不能領域にあると判定し、再始動時に、膨張行程で停止する気筒に対する着火始動を停止する。また、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が、TDC近傍(ATDC10度からTDC)までの領域にあるときには、燃料噴射と点火による着火始動を実行しても完全燃焼せずに十分な爆発力を得ることができない。そのため、ECU51は、エンジン10が始動不能領域にあると判定し、再始動時に、圧縮行程で停止する気筒に対する着火始動を停止する。
そして、このように膨張行程や圧縮行程で停止している気筒に対する着火始動を実行しない場合、着火始動を行う場合に比べて始動時間が若干長くなり、ドライバに対して違和感を与えてしまう。そこで、本実施例では、インストルメントパネルに表示灯を設け、エンジン10の自動停止中にはこの表示灯を白色点灯し、正常な着火始動中には緑色点灯(第1表示手段)する一方、一部の気筒に対する着火始動を停止するときには始動時間が長くなるため、黄色点灯(第2表示手段)するようにしている。
ここで、上述した実施例3の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図8のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図8に示すように、ステップS41にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS42に移行し、ここで、エンジン10を停止する。即ち、インジェクタ41による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ45による点火を停止した後、ステップS43にて、インストルメントパネルの表示灯を白色に点灯する。
ステップS44では、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS45にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS46にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定され、ステップS47にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にないと判定されたら、ステップS48にて、エンジン再始動条件の成立時から所定時間の経過後にスタータ始動の開始を設定する。
続いて、ステップS49にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定されたら、ステップS50にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。即ち、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火が実行されることで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降する。続いて、エンジン再始動条件の成立時から所定時間が経過するため、スタータモータ50による始動が開始され、着火始動をアシストする。すると、クランクシャフト16が回転し、この回転力が圧縮行程で停止している気筒に伝達され、この気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火が実行されることで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転する。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
このように膨張行程で停止した気筒、圧縮行程で停止した気筒、更に後続する気筒に対して連続して着火始動が実行されたとき、ステップS51にて、インストルメントパネルの表示灯を緑色に点灯する。その後、ステップS52にて、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したと判定されたら、ステップS53にて、スタータモータ50による始動を終了する。
一方、ステップS49にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたら、ステップS54にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。このように圧縮行程で停止している各気筒に対する着火始動が停止されると、始動時間が若干遅れるため、ステップS55にて、インストルメントパネルの表示灯を黄色に点灯する。
また、ステップS46,S47にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、ステップS56にて、スタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS57にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にないと判定されたら、ステップS58にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。このように膨張行程で停止している各気筒に対する着火始動が停止されると、始動時間が若干遅れるため、ステップS59にて、インストルメントパネルの表示灯を黄色に点灯する。
更に、ステップS57にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。このように膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対する着火始動が停止されると、始動時間が若干遅れるため、ステップS59にて、インストルメントパネルの表示灯を黄色に点灯する。
このように実施例3の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10の停止状態に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、スタータモータ50とインジェクタ41及び点火プラグ45を作動して再始動し、表示灯を緑色に点灯する一方、エンジン10が始動不能領域にあるときには、インジェクタ41及び点火プラグ45を停止してスタータモータ50の作動により再始動し、表示灯を黄色に点灯するようにしている。
従って、エンジン10の停止状態が始動不能領域にあるときには、燃料噴射と点火による着火始動の作動を停止することで、燃料の気化不足による排気ガス浄化特性の低下を防止することができ、このときの始動遅れを表示灯により表示することで、ドライバに違和感を与えることなく、ドライバビリティを向上することができる。
なお、本実施例では、エンジン10の停止状態が始動不能領域にあるかどうかの判定を気筒におけるピストンの停止位置により判定したが、エンジン冷却水温や燃料圧力などにより判定してもよい。また、表示灯をエンジン10の始動状態に応じて緑色や黄色に点灯するようにしたが、始動時間に応じて3色以上を点灯するようにしてもよく、着火始動に不具合が生じたときには、赤色を点灯するようにしてもよい。
図9は、本発明の実施例4に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャート、図10は、エンジン再始動時のクランク角度及びスタータ電流値を表すグラフである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
そして、本実施例では、このエンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対して着火始動を実行した後、予め設定された所定期間tSの経過後にスタータモータ50を作動させるようにしている。
ここで、上述した実施例4の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図9のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図9に示すように、ステップS61にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS62に移行し、ここで、エンジン10を停止する。即ち、インジェクタ41による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ45による点火を停止する。
ステップS63では、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS64にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS65にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定され、ステップS66にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にないと判定され、ステップS67にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定されたら、ステップS68以降にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行すると共に、スタータモータ50により着火始動をアシストする。
即ち、ステップS68にて、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降してクランクシャフト16が回転を開始する。ステップS69では、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。なお、この所定時間tSは、膨張行程で停止している気筒に対する燃料噴射、点火が実行され、燃焼が開始するまでの時間を考慮して決定している。続いて、ステップS70にて、圧縮行程で停止している気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転し続ける。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS71にて、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したと判定されたら、ステップS72にて、スタータモータ50による始動を終了する。
一方、ステップS67にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたら、ステップS73にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。そして、ステップS74にて、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。
また、ステップS65,S66にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、ステップS75にて、スタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS76にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にないと判定されたら、ステップS77にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。
更に、ステップS76にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。
ここで、エンジン10の再始動時におけるスタータモータ50の電力消費について説明する。図10に実線で示すように、時間t1にエンジン始動指令が出力されると、膨張行程で停止している気筒への着火始動が開始され、クランクシャフト16が回転を開始してクランク角度が変化する。続いて、膨張行程で停止している気筒への着火始動が開始されてから所定時間tSが経過した時間t2にて、スタータモータ50に通電して駆動を開始すると、このスタータモータ50の駆動時に大きな電流が流れてから、この電流値はほぼ一定となり、時間t3にてスタータモータ50が停止する。一方、図10に一点鎖線で示すように、時間t2に、膨張行程で停止している気筒への着火始動とスタータモータ50への通電を同時に開始すると、スタータモータ50の駆動時に大きな電流が流れた後にギヤの噛み合い時に再び大きな電流が流れることとなり、消費電力が増大してしまう。
このように実施例4の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10の停止状態に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、インジェクタ41及び点火プラグ45による着火始動を実行してから所定時間の経過後にスタータモータ50を作動する一方、エンジン10が始動不能領域にあるときには、この着火始動を停止してスタータモータ50を作動してエンジン10を再始動するようにしている。
従って、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、インジェクタ41及び点火プラグ45による着火始動を実行してから所定時間の経過後にスタータモータ50を作動するため、回転を開始したクランクシャフト16の回転をスタータモータ50によりアシストすることとなり、大きな電力を不要として消費電力の増大を防止して燃費を向上することができる。
なお、本実施例では、膨張行程で停止している気筒への着火始動が開始されてから所定時間tSが経過した後に、スタータモータ50を作動することで、スタータモータ50の作動タイミングを遅らせるようにようにしたが、前述した実施例1のように、エンジン再始動条件の成立時から所定時間の経過後にスタータモータ50を作動することで、スタータモータ50の作動タイミングを遅らせるようにしてもよい。
図11は、本発明の実施例5に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャート、図12は、エンジン再始動時におけるスタータ作動指令に対するスタータモータの電圧及び電流を表すタイムチャートである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
このエンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対して着火始動を実行した後、スタータモータ50を作動させるが、このスタータモータ50の作動は、イグニッションキースイッチやECU51からの信号に基づいてスタータリレーを介してマグネットスイッチを作動し、このマグネットスイッチが作動することでバッテリ電圧(バッテリ電流)がスタータモータ50に与えられて行われる。この場合、イグニッションキースイッチやECU51からの信号がスタータリレーとマグネットスイッチを経由することから、この部分の機械作動遅れが発生し、スタータモータ50の作動タイミングがばらついてしまう。そこで、本実施例にて、ECU51は、初めてのエンジン始動時に、スタータモータ50の作動遅れ時間を検出し、この作動遅れ時間に基づいて次回のエンジン始動時におけるスタータモータ50の作動開始時間を補正(スタータモータ作動時間補正手段)するようにしている。
ここで、上述した実施例5の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図11のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図11に示すように、ステップS81にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS82に移行し、ここで、エンジン10を停止する。即ち、インジェクタ41による燃料噴射を停止すると共に、点火プラグ45による点火を停止する。
ステップS83では、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS84にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS85にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定され、ステップS86にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にないと判定され、ステップS87にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定されたら、ステップS88以降にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行すると共に、スタータモータ50により着火始動をアシストする。
即ち、ステップS88にて、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降してクランクシャフト16が回転を開始する。ステップS89では、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。このとき、ステップS90では、スタータ指令の出力からスタータモータ50の作動開始までの遅れ時間を検出し、次回のエンジン再始動時におけるスタータ指令の出力タイミングを補正する。続いて、ステップS91にて、圧縮行程で停止している気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転し続ける。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS92にて、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したと判定されたら、ステップS93にて、スタータモータ50による始動を終了する。このとき、ステップS94では、スタータ指令の出力からスタータモータ50の作動終了までの遅れ時間を検出し、次回のエンジン再始動時におけるスタータ指令の出力タイミングを補正する。
一方、ステップS87にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたら、ステップS95にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。そして、ステップS96にて、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。このとき、前述と同様に、ステップS97にて、スタータ指令の出力からスタータモータ50の作動開始までの遅れ時間を検出し、次回のエンジン再始動時におけるスタータ指令の出力タイミングを補正する。
また、ステップS85,S86にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、ステップS98にて、スタータモータ50による始動を開始する。このとき、前述と同様に、ステップS99にて、スタータ指令の出力からスタータモータ50の作動開始までの遅れ時間を検出し、次回のエンジン再始動時におけるスタータ指令の出力タイミングを補正する。続いて、ステップS100にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にないと判定されたら、ステップS101にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。
更に、ステップS100にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。
ここで、スタータモータ50の作動時におけるバッテリ電力及びバッテリ電流について説明する。図12に示すように、時間t1にスタータモータ50への作動指令が出力されると、機械作動遅れ時間tSが経過した後の時間t2にバッテリ電圧が低下すると共にバッテリ電流が上昇し、実際には、この時間t2でスタータモータ50が作動を開始する。また、時間t3にスタータモータ50への停止指令が出力されると、機械作動遅れ時間tEが経過した後の時間t4にバッテリ電圧が上昇すると共にバッテリ電流が低下し、実際には、ここでスタータモータ50が作動を停止する。従って、このスタータモータ50の作動時における機械作動遅れ時間tSとスタータモータ50の停止時における機械作動遅れ時間tEを考慮し、次回、スタータモータ50が作動及び停止するときの指令の出力タイミングを補正(学習制御)する。
このように実施例5の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10の停止状態に基づいて燃料噴射と点火による着火始動ができない始動不能領域にあるかどうかを判定し、エンジン10の再始動時に、このエンジン10が始動不能領域にないときには、インジェクタ41及び点火プラグ45による着火始動を実行してから所定時間の経過後にスタータモータ50を作動し、このときのスタータモータ50の作動遅れ時間を検出し、この作動遅れ時間に基づいて次回のエンジン始動時におけるスタータモータ50の作動開始時間を補正するようにしている。
従って、エンジン10の再始動時に、スタータモータ50の作動遅れ時間を検出し、この作動遅れ時間に基づいて次回のエンジン始動時におけるスタータモータ50の作動開始時間が補正されるため、着火始動を実行した後に最適なタイミングでスタータモータ50を作動することができ、エンジン10の始動性を向上することができる。
図13は、本発明の実施例6に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
そして、本実施例では、このエンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対して着火始動を実行した後、スタータモータ50を作動させ、エンジン回転数が予め設定された所定の始動回転数以上まで上昇したら、スタータモータ50を停止するようにしている。ところが、エンジン10が始動するためには、このエンジン10がフリクションに打ち勝って回転し続ける必要があり、このフリクションはエンジン10の停止状態によって変化する。そのため、スタータモータ50を停止するための始動回転数を規定値にすると、エンジンフリクションが大きいときには、スタータモータ50を停止した後にエンジン10がストールしてしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、エンジン10のフリクションを検出するフリクション検出手段として、エンジン冷却水温を検出する水温センサ58と、吸気弁21の進角時期を検出するカムポジションセンサ33を設け、ECU51は、エンジン冷却水温と吸気弁21の進角時期に基づいてスタータモータ50を停止する始動回転数を補正するようにしている。具体的には、エンジン冷却水温が低温であるときに、フリクションが大きいとして始動回転数が高くなるように補正する。また、吸気弁進角時期が大きいときに、フリクションが大きいとして始動回転数が高くなるように補正する。
ここで、上述した実施例6の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図13のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図13に示すように、ステップS111にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS112に移行し、ここで、エンジン10を停止する。
ステップS113では、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS114にて、エンジン10の再始動前に、クランク角センサ57の検出結果に基づいて膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS115にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定され、ステップS116にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にないと判定され、ステップS117にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定されたら、ステップS118以降にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行すると共に、スタータモータ50により着火始動をアシストする。
即ち、ステップS118にて、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降してクランクシャフト16が回転を開始する。ステップS119では、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS120にて、圧縮行程で停止している気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転し続ける。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS121にて、ECU51は、エンジン冷却水温と吸気弁21の進角時期に基づいてスタータモータ50の始動回転数を補正する。この場合、例えば、エンジン冷却水温と吸気弁進角時期が予め設定された所定の適正範囲にあるときには、フリクションが小さいとして始動回転数は補正しない。そして、エンジン冷却水温と吸気弁進角時期が適正範囲より高いときには、始動回転数が高くなるように補正する。一方、エンジン冷却水温と吸気弁進角時期が適正範囲より低いときには、始動回転数が低くなるように補正する。そして、ステップS122では、エンジン回転数がこの始動回転数以上まで上昇したと判定されたら、ステップS123にて、スタータモータ50による始動を終了する。
一方、ステップS117にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたら、ステップS124にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。そして、ステップS125にて、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。
また、ステップS115,S116にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、ステップS126にて、スタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS127にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にないと判定されたら、ステップS128にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。
更に、ステップS127にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。
このように実施例6の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対してインジェクタ41及び点火プラグ45による着火始動を行った後に、スタータモータ50を作動し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらスタータモータ50を停止してエンジン10を再始動可能とし、この始動回転数をエンジンフリクションとしてのエンジン冷却水温と吸気弁21の進角時期に基づいて補正するようにしている。
従って、スタータモータ50の始動回転数を、エンジン冷却水温が低温であるときには高くなるように補正し、また、吸気弁進角時期が大きいときには高くなるように補正するため、エンジン10は再始動後にストールすることはなく、短時間で確実に再始動することができ、スタータモータ50の消費電力を低減することができると共に、耐久性を向上することかでき、その結果、エンジン10の始動性を向上することができる。
図14は、本発明の実施例7に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャート、図15は、エンジン再始動後のエンジン回転数を表すグラフである。なお、本実施例の内燃機関の始動装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例1で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7の内燃機関の始動装置が適用されたエンジン10にあっては、エンジン自動停止機能とエンジン再始動機能を有し、エンジン10の再始動時に、ECU51は、膨張行程で停止している気筒を判定し、この膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火による着火始動を実行することで燃焼させ、爆発力を得てクランクシャフト16を駆動し、続いてスタータモータ50を作動してアシストすることでエンジン10を再始動するようにしている。
そして、本実施例では、このエンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対して着火始動を実行した後、スタータモータ50を作動させ、エンジン回転数が予め設定された所定の始動回転数以上まで上昇したら、スタータモータ50を停止するようにしている。ところが、エンジン10が始動するためには、このエンジン10がフリクションに打ち勝って回転し続ける必要があり、このフリクションはエンジン10の停止状態によって変化する。そのため、スタータモータ50を停止するための始動回転数を規定値にすると、エンジンフリクションが大きいときには、スタータモータ50を停止した後にエンジン10がストールしてしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、エンジン回転数が所定の始動回転数以上まで上昇したら、スタータモータ50を一時的に停止し、その後、エンジン回転数が予め設定されたストール回転数以下になったときには、スタータモータ50を再作動すると共に始動回転数が高くなるように補正する。
ここで、上述した実施例7の内燃機関の始動装置における停止制御及び再始動制御について、図14のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
図1及び図14に示すように、ステップS131にて、ECU51は、車両の運転中にエンジン10の自動停止条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定されると、ステップS132に移行し、ここで、エンジン10を停止する。ステップS133では、エンジン再始動条件が成立したかどうかを判定し、エンジン10の再始動条件が成立したと判定されると、ステップS134にて、膨張行程で停止している気筒を判定する。そして、ステップS135にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定され、ステップS136にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域である排気弁22の開放領域にないと判定され、ステップS137にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にないと判定されたら、ステップS138に移行する。
ステップS138では、膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始され、その爆発力によりピストン14が下降してクランクシャフト16が回転を開始する。ステップS139では、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS140にて、圧縮行程で停止している気筒の所定時期に、この気筒に対して燃料噴射と点火を実行することで燃焼が開始されて爆発力を得て、クランクシャフト16を回転し続ける。このように各気筒での爆発力が所定時間継続されると共に、スタータモータ50から付与される駆動力によりエンジン10が再始動される。
その後、ステップS141では、エンジン回転数が始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、始動回転数以上となったら、ステップS142にて、スタータモータ50を一時的に停止する。そして、ステップS143にて、エンジン回転数が予め設定されたストール回転数まで低下したかどうかを判定し、ストール回転数まで低下しなければ、ステップS144にて、スタータモータ50による始動を終了する。なお、このストール回転数は、始動回転数より低く、これ以上低下するとスタータモータ50による再始動時に大きな負荷が作用する回転数である。
一方、ステップS143にて、エンジン回転数がストール回転数まで低下したら、ステップS145にて、スタータモータ50を再始動し、ステップS146にて、スタータモータ50の始動回転数が高くなるように補正する。そして、再び、ステップS141に戻り、エンジン回転数が補正した始動回転数以上まで上昇したかどうかを判定し、始動回転数以上となったら、前述と同様に、ステップS142にて、スタータモータ50を一時的に停止する。このステップS141からステップS146までの処理を繰り返すことで、エンジン10を確実に再始動させる。
一方、ステップS137にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域であるTDC近傍にあると判定されたら、ステップS147にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。そして、ステップS148にて、膨張行程で停止している気筒に対する着火始動から所定時間の経過後にスタータモータ50による始動を開始する。
また、ステップS135,S136にて、膨張行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、ステップS149にて、スタータモータ50による始動を開始する。続いて、ステップS150にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にないと判定されたら、ステップS151にて、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止し、圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。
更に、ステップS150にて、圧縮行程で停止している気筒の停止位置が始動不能領域にあると判定されたら、エンジン10の再始動時に、膨張行程及び圧縮行程で停止している各気筒に対して燃料噴射及び点火を停止する。
ここで、エンジン10の再始動時におけるエンジン回転数について説明する。図15に示すように、時間t1にて、膨張行程で停止している気筒に対して着火始動が実行され、時間t2にて、スタータモータ50の作動指令が出力されると、エンジン10が再始動してエンジン回転数が上昇する。そして、時間t3にて、エンジン回転数が始動回転数NE1になると、スタータモータ50の停止指令が出力されて停止する。その後、図15に二点鎖線で示すように、エンジン回転数がアイドル回転数NIまで上昇すれば、スタータモータ50による始動を完全に終了する。ところが、時間t4にて、図15に実線で示すように、エンジン回転数が低下してストール回転数NSより低くなったら、スタータモータ50の作動指令を再度出力し、エンジン10を再始動してエンジン回転数を上昇させる。そして、時間t5にて、エンジン回転数が補正された始動回転数NE2になると、スタータモータ50の停止指令が出力されて停止する。その後、エンジン回転数がアイドル回転数NIまで上昇すれば、スタータモータ50による始動を完全に終了する。
このように実施例7の内燃機関の始動装置にあっては、ECU51は、エンジン10の再始動時に、膨張行程で停止している気筒に対してインジェクタ41及び点火プラグ45による着火始動を行った後に、スタータモータ50を作動し、エンジン回転数が始動回転数以上となったらスタータモータ50を停止し、その後、エンジン回転数が低下してストール回転数より低くなったら、スタータモータ50を再び作動すると共に、始動回転数が高くなるように補正するようにしている。
従って、エンジン回転数が始動回転数以上となってスタータモータ50を停止した後、エンジン回転数が低下してストール回転数より低くなったときには、スタータモータ50を再び作動すると共に、この始動回転数を補正するため、エンジン10は再始動後にストールすることはなく、短時間で確実に再始動することができ、スタータモータ50の消費電力を低減することができると共に、耐久性を向上することかでき、その結果、エンジン10の始動性を向上することができる。
なお、上述した各実施例では、エンジン10を再始動するときに、膨張行程で停止している気筒の燃焼室18に対して燃料を噴射すると共に、点火することで燃焼させるようにしている。この場合、停止クランク角度及びエンジン冷却水温、更に、クランクケース内圧に基づいて燃料噴射量を設定するとよい。即ち、停止クランク角度により燃焼室18の容積がわかり、エンジン冷却水温により空気密度がわかり、クランクケース内圧により筒内圧がわかるため、これらのデータにより最適な燃料噴射量を設定することができる。
また、上述した各実施例では、本発明の内燃機関の始動装置を、エンジン10が自動停止したときの再始動装置として適用したが、エンジン10が完全に停止した状態から、イグニッションキースイッチの操作により始動する始動装置としても適用することができる。
そして、上述した各実施例では、本発明の内燃機関の始動装置を筒内噴射式の4気筒エンジンに適用して説明したが、この形式のエンジンに限らず、6気筒エンジンや直列型またはV型エンジンに適用することもできる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の始動装置は、始動時に膨張行程にある気筒に燃料噴射と点火を行って燃焼による爆発力で始動する内燃機関において、内燃機関の始動状態が始動不能領域にあるときには、着火始動を停止してスタータモータにより再始動するようにしたものであり、筒内噴射式の内燃機関であれば、いずれの種類の内燃機関に用いても好適である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の始動装置を表す概略構成図である。 実施例1の内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御および始動制御を表すフローチャートである。 実施例1の内燃機関の始動装置におけるエンジン停止時の気筒内挙動を表す概略図である。 実施例1の内燃機関の始動装置における膨張行程停止気筒のエンジン再始動不能領域を表す概略図エンジン停止時における吸気管負圧に対するスロットル開度を表すグラフである。 実施例1の内燃機関の始動装置における膨張行程停止気筒のエンジン再始動不能領域を表す概略図エンジン停止時における吸気管負圧に対するスロットル開度を表すグラフである。 実施例1の内燃機関の始動装置における圧縮行程停止気筒のエンジン再始動不能領域を表す概略図エンジン停止時における吸気管負圧に対するスロットル開度を表すグラフである。 実施例1の内燃機関の始動装置における圧縮行程停止気筒のエンジン再始動不能領域を表す概略図エンジン停止時における吸気管負圧に対するスロットル開度を表すグラフである。 本発明の実施例2に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 エンジン停止後のエンジン冷却水温の変化を表すグラフである。 エンジン停止後の燃料圧力の変化を表すグラフである。 本発明の実施例3に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 エンジン再始動時のクランク角度及びスタータ電流値を表すグラフである。 本発明の実施例5に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 エンジン再始動時におけるスタータ作動指令に対するスタータモータの電圧及び電流を表すタイムチャートである。 本発明の実施例6に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 本発明の実施例7に係る内燃機関の始動装置におけるエンジン停止制御及び始動制御を表すフローチャートである。 エンジン再始動後のエンジン回転数を表すグラフである。
符号の説明
10 エンジン
14 ピストン
16 クランクシャフト
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
27 吸気可変動弁機構
28 排気可変動弁機構
37 吸気管(吸気通路)
39 スロットル弁
40 電子スロットル装置
41 インジェクタ(燃料噴射手段、着火始動手段)
45 点火プラグ(点火手段、着火始動手段)
50 スタータモータ
51 電子制御ユニット、ECU(制御手段、始動不能領域判定手段)
52 エアフローセンサ
54 吸気圧センサ
55 スロットルポジションセンサ
57 クランク角センサ(クランク角度検出手段)
58 水温センサ
59 燃圧センサ

Claims (12)

  1. 燃焼室と、該燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートと、前記吸気ポート及び前記排気ポートを開閉する吸気弁及び排気弁と、前記燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記燃焼室内の混合気に点火する点火手段と、クランキングを行うスタータモータと、内燃機関のクランク角度を検出するクランク角度検出手段と、前記クランク角度検出手段の検出結果に基づいて膨張行程にある気筒に対して前記燃料噴射手段により燃料噴射を実行すると共に前記点火手段により点火を実行する着火始動手段と、前記内燃機関の始動状態に基づいて該内燃機関が前記着火始動手段による始動不能領域にあるかどうかを判定する始動不能領域判定手段と、前記内燃機関の始動時に前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動すると共に前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定したときには前記着火始動手段の作動を停止する制御手段とを具えたことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、前記着火始動手段は、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射及び点火を実行した後、後続する気筒に対して圧縮行程で燃料噴射を実行すると共に、圧縮上死点近傍で点火を実行するものであり、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定したとき、前記着火始動手段による膨張行程にある気筒への燃料噴射及び点火と圧縮行程にある気筒への燃料噴射及び点火との少なくともいずれか一方を停止することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置において、前記始動不能領域判定手段は、膨張行程にある気筒の停止位置が圧縮上死点から圧縮上死点後10度までの領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  4. 請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置において、前記始動不能領域判定手段は、膨張行程にある気筒の停止位置が排気弁の開放領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  5. 請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置において、前記始動不能領域判定手段は、圧縮行程にある気筒の停止位置が圧縮上死点前10度から圧縮上死点近傍までの領域にあるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関の始動装置において、前記始動不能領域判定手段は、前記内燃機関の冷却水温が予め設定された所定温度以下、または、前記燃料噴射手段に連通する燃料系の残圧が予め設定された所定圧力以下であるときに、始動不能領域にあると判定することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の内燃機関の始動装置において、前記内燃機関の始動時に、前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にないと判定して前記着火始動手段を作動するときに点灯する第1表示手段と、前記始動不能領域判定手段により前記内燃機関の始動状態が始動不能領域にあると判定して前記着火始動手段を停止するときに点灯する第2表示手段とを設けたことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  8. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記着火始動手段を作動した後、予め設定された所定期間の経過後に前記スタータモータを作動することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  9. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、前記内燃機関の始動時に、前記スタータモータの作動遅れ時間を検出してこの作動遅れ時間に基づいて次回の前記内燃機関の始動時における前記スタータモータの作動開始時間を補正するスタータモータ作動時間補正手段を設けたことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  10. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、前記内燃機関のフリクションを検出するフリクション検出手段を設け、前記制御手段は、前記フリクション検出手段の検出結果に基づいて前記スタータモータを停止する始動回転数を補正可能とし、前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動した後、前記内燃機関の回転数が前記始動回転数以上になったときに前記スタータモータを停止することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  11. 請求項10に記載の内燃機関の始動装置において、前記フリクション検出手段は、前記内燃機関の冷却水温または前記吸気弁の進角時期を検出するものであり、冷却水温が低温または吸気弁進角時期が大きいときにフリクションが大きいとして前記始動回転数を高く補正することを特徴とする内燃機関の始動装置。
  12. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、前記制御手段は、前記スタータモータ及び前記着火始動手段を作動した後、前記内燃機関の回転数が予め設定された始動回転数以上になったときに前記スタータモータを停止し、該スタータモータの停止後に前記内燃機関の回転数が予め設定されたストール回転数以下になったときには、前記スタータモータを再作動すると共に、前記始動回転数を高く補正することを特徴とする内燃機関の始動装置。
JP2005176793A 2005-06-16 2005-06-16 内燃機関の始動装置 Pending JP2006348862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005176793A JP2006348862A (ja) 2005-06-16 2005-06-16 内燃機関の始動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005176793A JP2006348862A (ja) 2005-06-16 2005-06-16 内燃機関の始動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006348862A true JP2006348862A (ja) 2006-12-28

Family

ID=37644966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005176793A Pending JP2006348862A (ja) 2005-06-16 2005-06-16 内燃機関の始動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006348862A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008223564A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Mazda Motor Corp バッテリの劣化検出装置
CN101586503A (zh) * 2008-05-19 2009-11-25 福特环球技术公司 发动机起动同步的方法
JP2010077859A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジン始動装置及びエンジン始動制御方法
JP2012145117A (ja) * 2012-02-27 2012-08-02 F C C:Kk 動力伝達装置
JP2013087710A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Toyota Motor Corp 車両用内燃機関の始動制御装置
US8801573B2 (en) 2009-03-18 2014-08-12 Kabushiki Kaisha F.C.C. Power transmitting apparatuses
WO2014128974A1 (ja) * 2013-02-25 2014-08-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
WO2014170962A1 (ja) * 2013-04-16 2014-10-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
WO2014203616A1 (ja) * 2013-06-20 2014-12-24 日産自動車株式会社 内燃エンジンの始動制御装置及び始動制御方法
JP2015014240A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 日産自動車株式会社 内燃エンジンの始動制御装置及び始動制御方法
US9156468B2 (en) 2011-09-06 2015-10-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for hybrid vehicle
JP2016173072A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の制御装置
CN112483270A (zh) * 2020-11-25 2021-03-12 潍柴动力股份有限公司 发动机气缸的控制方法、装置和发动机

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11125136A (ja) * 1997-08-11 1999-05-11 Ford Global Technol Inc 多気筒4サイクル直接噴射火花点火エンジン
JPH11218039A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Mitsubishi Electric Corp 車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置
JP2004028046A (ja) * 2002-06-28 2004-01-29 Denso Corp 内燃機関の始動制御装置
JP2004293474A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Mazda Motor Corp エンジンの始動装置
JP2004316455A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11125136A (ja) * 1997-08-11 1999-05-11 Ford Global Technol Inc 多気筒4サイクル直接噴射火花点火エンジン
JPH11218039A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Mitsubishi Electric Corp 車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置
JP2004028046A (ja) * 2002-06-28 2004-01-29 Denso Corp 内燃機関の始動制御装置
JP2004293474A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Mazda Motor Corp エンジンの始動装置
JP2004316455A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4715781B2 (ja) * 2007-03-12 2011-07-06 マツダ株式会社 バッテリの劣化検出装置
JP2008223564A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Mazda Motor Corp バッテリの劣化検出装置
CN101586503B (zh) * 2008-05-19 2014-05-21 福特环球技术公司 发动机起动同步的方法
CN101586503A (zh) * 2008-05-19 2009-11-25 福特环球技术公司 发动机起动同步的方法
JP2010077859A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジン始動装置及びエンジン始動制御方法
US8801573B2 (en) 2009-03-18 2014-08-12 Kabushiki Kaisha F.C.C. Power transmitting apparatuses
US9156468B2 (en) 2011-09-06 2015-10-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for hybrid vehicle
JP2013087710A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Toyota Motor Corp 車両用内燃機関の始動制御装置
JP2012145117A (ja) * 2012-02-27 2012-08-02 F C C:Kk 動力伝達装置
WO2014128974A1 (ja) * 2013-02-25 2014-08-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP5962840B2 (ja) * 2013-02-25 2016-08-03 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6036994B2 (ja) * 2013-04-16 2016-11-30 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
WO2014170962A1 (ja) * 2013-04-16 2014-10-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
CN105121241B (zh) * 2013-04-16 2017-06-30 丰田自动车株式会社 车辆的控制装置
CN105121241A (zh) * 2013-04-16 2015-12-02 丰田自动车株式会社 车辆的控制装置
WO2014203616A1 (ja) * 2013-06-20 2014-12-24 日産自動車株式会社 内燃エンジンの始動制御装置及び始動制御方法
JP2015014240A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 日産自動車株式会社 内燃エンジンの始動制御装置及び始動制御方法
CN105986913A (zh) * 2015-03-17 2016-10-05 丰田自动车株式会社 多缸内燃机的控制装置
JP2016173072A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の制御装置
CN112483270A (zh) * 2020-11-25 2021-03-12 潍柴动力股份有限公司 发动机气缸的控制方法、装置和发动机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4321497B2 (ja) 内燃機関の始動装置
JP2006348862A (ja) 内燃機関の始動装置
JP2006348863A (ja) 内燃機関の始動装置
JP4957611B2 (ja) 内燃機関の制御方法
JP3945442B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2008111375A (ja) エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法
JP4710788B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009114942A (ja) エンジンの始動制御装置
JP2004124753A (ja) エンジンの始動装置
JP2011089467A (ja) 内燃機関の制御方法及び内燃機関システム
JP2008095655A (ja) エンジンの制御装置
JP3945441B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2008133792A (ja) エンジン停止制御装置
JP4419800B2 (ja) エンジン始動装置
JP2005030236A (ja) 車両の制御装置
JP4196711B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2007218088A (ja) 内燃機関の制御装置、及び内燃機関の始動方法
JP4770787B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP2005337110A (ja) 内燃機関
JP4206847B2 (ja) 車両の制御装置
JP4200937B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4175200B2 (ja) 車両の制御装置
JP4645625B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関の始動装置
JP2005030237A (ja) 車両の制御装置
JP2008057403A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110125