JP3166616B2 - 電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置 - Google Patents

電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置

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JP3166616B2
JP3166616B2 JP14940996A JP14940996A JP3166616B2 JP 3166616 B2 JP3166616 B2 JP 3166616B2 JP 14940996 A JP14940996 A JP 14940996A JP 14940996 A JP14940996 A JP 14940996A JP 3166616 B2 JP3166616 B2 JP 3166616B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子制御ディーゼ
ル機関の噴射制御装置に係り、特に、車載用電子制御デ
ィーゼル機関に、良好な始動性と良好な排気特性とを付
与するうえで好適な電子制御ディーゼル機関の噴射制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、本出願人は、車載用内燃機関
として電子制御ディーゼル機関を用いている。本出願人
が用いる電子制御ディーゼル機関(以下、単にディーゼ
ル機関と称す)は、内燃機関の回転角に対応して周期的
に燃料の昇圧を図る燃料噴射ポンプ、燃料噴射ポンプの
高圧室を開放または閉塞するスピル弁、および、ディー
ゼル機関の回転角が変化することに応答してパルス信号
を発生するNEパルサを備えている。
【0003】上記のディーゼル機関において、スピル弁
が開弁されている場合、すなわち、燃料噴射ポンプの高
圧室が開放状態である場合は、高圧室の内圧が昇圧され
ることはない。従って、かかる環境下では、燃料ポンプ
が作動を続けても内燃機関に燃料が噴射されることはな
い。一方、スピル弁が閉弁されている場合、すなわち、
燃料噴射ポンプの高圧室が閉空間とされている場合は高
圧室の内圧を昇圧することが可能である。従って、かか
る状況下では、燃料ポンプの作動に対応して内燃機関に
燃料が噴射される。
【0004】上記従来のディーゼル機関において、NE
パルサは、ディーゼル機関の回転角が、ディーゼル機関
の何れかの気筒に着目した場合に制御上の基準となる回
転角に到達する毎に所定条件(以下、この条件を欠歯条
件と称す)を満たすパルス信号を出力すると共に、欠歯
条件を満たすパルス信号を出力した後、次に欠歯条件を
満たすパルス信号を出力するまでの間は、ディーゼル機
関が所定角回転する毎にパルス信号を出力する。
【0005】上記従来のディーゼル機関が備える電子制
御ユニットは、欠歯条件を満たすパルス信号が出力され
た後に検出されたパルス信号の数(以下、この数をパル
ス番号と称す)に基づいてディーゼル機関の回転角を検
出する。そして、所定のパルス番号が検出された時点で
スピル弁を閉弁状態とし、その後、ディーゼル機関の回
転角が燃料噴射を終了させるべき回転角に到達したらス
ピル弁を開弁状態とする。上記の処理によれば、ディー
ゼル機関の回転角に対応した適切な時期に燃料噴射を行
うことができる。
【0006】図12は、上記従来のディーゼル機関が備
える電子制御ユニットにおいて実行される制御ルーチン
の一例のフローチャートを示す。図12に示すルーチン
は、NEパルサからパルス信号が出力される毎に起動さ
れるルーチンである。以下、このよに起動されるルーチ
ンをNE割り込みルーチンと称す。図12に示すルーチ
ンは、ディーゼル機関の回転角が所定回転角に到達する
毎にスピル弁をオン(閉弁)し、かつ、燃料噴射を終了
すべき時期にスピル弁をオフ(開弁)するために実行さ
れる。図12に示すルーチンが起動されると、先ずステ
ップ200の処理が実行される。
【0007】ステップ200では、カウンタCNIRQ
をインクリメントする処理が実行される。CNIRQ
は、パルス番号を計数するためのカウンタである。上記
の処理が終了すると、次にステップ202の処理が実行
される。
【0008】ステップ202では、CNIRQに計数さ
れるパルス番号が通常制御のオフNEパルスであるか否
かが判別される。オフNEパルスは、燃料噴射を終了さ
せるべき時期(以下、燃料噴射終了時期と称す)から逆
算されるパルス番号であり、燃料噴射終了時期に最も近
い時期に検出されるパルス番号である。上記の判別の結
果、CNIRQがオフNEパルスであると判定される場
合は、次にステップ204の処理が実行される。一方、
CNIRQがオフNEパルスでないと判別される場合
は、次にステップ208の処理が実行される。ステップ
204では、スタータスイッチSTAがオンであり、か
つ、機関回転数NEが150rpm に比して低いか否かが
判別される。上記の条件が不成立である場合は、ディー
ゼル機関がクランキング中でないと判断することができ
る。この場合、次にステップ206でアウトプットコン
ペアレジスタにスピル弁をオフ(開弁)する時間がセッ
トされる。上記の如くアウトプットレジスタにオフ時間
がセットされると、以後、現在時刻がそのオフ時間に一
致すると、スピル弁がオフ(開弁)される。上記の処理
が終了すると、次にステップ208の処理が実行され
る。
【0009】一方、上記ステップ204の条件が成立す
る場合は、ディーゼル機関がクランキング中であり、か
つ、機関回転数NEが十分に立ち上がっていない、すな
わち、ディーゼル機関が適正に始動されていないと判断
することができる。この場合、ステップ206の処理が
実行されることなく今回のルーチンが終了される。この
場合、アウトプットコンペアレジスタにオフ時間がセッ
トされていないため、スピル弁がオフ(開弁)されるこ
とはない。
【0010】ステップ208では、今回検出されたパル
ス信号が欠歯条件を満たすか否かが判別される。その結
果、欠歯条件が満たされていると判別された場合は、次
にステップ210で、CNIRQを“0”にクリアする
処理が行われる。一方、欠歯条件が満たされていないと
判別された場合は、ステップ210の処理がジャンプさ
れる。
【0011】ステップ212では、CNIRQが所定値
“8”に到達しているか否かが判別される。所定値
“8”は、上記従来のディーゼル機関の回転角が、スピ
ル弁を閉弁させる回転角に達した際に実現されるパルス
番号である。上記の判別の結果、CNIRQ=8が成立
すると判別された場合は、次にステップ214でスピル
弁をオン(閉弁)とする処理が実行された後、今回のル
ーチンが終了される。一方、CNIRQ=8が不成立で
あると判別された場合は、ステップ214の処理がジャ
ンプされ、そのまま今回のルーチンが終了される。上記
の処理によれば、ディーゼル機関の運転中に、カウンタ
CNIRQに“8”が計数される毎にスピル弁をオン
(閉弁)とすることができる。
【0012】上述の如く、スピル弁は、ディーゼル機関
が始動された後、CNIRQ=8が成立する毎にオン
(閉弁)状態とされる。そして、オン(閉弁)状態とさ
れたスピル弁は、クランキング中に150rpm 以上の機
関回転数NEが検出されていれば通常制御のオフNEパ
ルスが計数された直後にオフ(開弁)とされ、一方、ク
ランキング中に150rpm 以上の機関回転数NEが検出
されていない場合はオン(閉弁)状態のまま維持され
る。
【0013】スピル弁がオン(閉弁)状態に維持される
と、燃料噴射ポンプによって圧送される全ての燃料は、
スピル弁から漏出されることなくディーゼル機関に供給
される。以下、この形態の燃料噴射を燃料の全量噴射と
称す。ディーゼル機関において燃料の全量噴射が行われ
ると、ディーゼル機関に多量の燃料が供給されることに
伴い始動性が向上する。従って、ディーゼル機関の始動
の確保が困難である場合には、燃料の全量噴射を行うこ
とが有効である。一方、燃料の全量噴射が行われると、
多量の燃料が供給されることに伴ってディーゼル機関の
排気特性が悪化する。このため、ディーゼル機関の始動
の確保が容易である場合には、燃料の全量噴射を行わな
いことが適切である。
【0014】上記従来のディーゼル機関によれば、クラ
ンキング中に150rpm 以上の機関回転数NEが得られ
ている場合、すなわち、ディーゼル機関の始動の確保が
容易であると判断できる場合には燃料の全量噴射が実行
されない。一方、クランキング中に150rpm 以上の機
関回転数NEが得られていない場合、すなわち、ディー
ゼル機関の始動の確保が困難であると判断できる場合に
は燃料の全量噴射が実行される。このため、上記従来の
ディーゼル機関によれば、優れた始動性と優れた排気特
性とを両立することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ディーゼル機関の回転
速度は、何れかの気筒のピストンが上死点に向かって移
動する際に、回転負荷が増加することに起因して低下す
る。そして、その回転速度は、ピストンが上死点を通過
した後に上昇する。このように、ディーゼル機関の回転
速度は、その回転角に応じた周期的な変動を示す。従っ
て、機関回転数NEを正確に算出するためには、その一
周期に渡る回転速度を基礎とする必要がある。
【0016】上記従来のディーゼル機関においては、欠
歯条件を満たすパルス信号が検出された後、CNIRQ
に最大のパルス番号が計数されるまでに要した時間に基
づいて、その間の平均回転速度を求め、その平均回転速
度に基づいて機関回転数NEを算出することとしてい
る。かかる算出方法によれば、ディーゼル機関の回転角
に応じて変動する回転速度の一周期分を基礎として、正
確な機関回転数NEを得ることができる。
【0017】しかし、上記の算出手法によると、ディー
ゼル機関が始動された後、欠歯条件を満たすパルス信号
が検出され、その後、CNIRQに最大のパルス番号が
計数されるまでは、機関回転数NEを算出することがで
きない。以下、この期間をNE算出条件不成立期間と称
す。上記従来のディーゼル機関において、NE算出条件
不成立期間中は、機関回転数NEが“0”として算出さ
れる。このため、上記従来のディーゼル機関において
は、以下に述べる如く、NE算出条件不成立期間中に不
必要に燃料の全量噴射が行われる場合がある。
【0018】図13は、従来のディーゼル機関におい
て、始動が開始された直後に実現されるタイムチャート
を示す。図13(A)は、NEパルサから出力されるパ
ルス信号を示す。また、図13(B)および(C)は、
それぞれスピル弁に対する駆動信号、および、燃料噴射
ポンプが備えるプランジャのリフト変化を示している。
尚、図13(A)中にパルス信号の上部に記される番号
は、CNIRQに計数されるパルス番号を表す。また、
図13(A)中にパルス番号“0”を付して表すパルス
信号は、欠歯条件を満たすパルス信号に相当する。
【0019】図13に示すタイムチャートは、ディーゼ
ル機関が始動された後、始めて欠歯条件を満たすパルス
信号が検出される前に、CNIRQ=8が成立する場合
に実現される。上記従来のディーゼル機関において、C
NIRQ=8が成立すると、その時点でスピル弁に対す
る駆動信号がオフからオンに切り換えられる。スピル弁
は、その後、所定の応答時間を経て閉弁状態となる。
【0020】上記従来のディーゼル機関において、通常
制御のオフ時期は、機関回転数NEやディーゼル機関の
負荷に基づいて、パルス番号として“4”〜“6”が計
数される頃に設定される。しかしながら、上記従来のデ
ィーゼル機関は、NE算出条件不成立期間中は機関回転
数NEを“0”と算出する。そして、上記従来のディー
ゼル機関は、クランキング中に機関回転数NEが150
rpm に満たない場合は、通常制御のオフ時期にスピル弁
がオフ(開弁)されるのを禁止する。
【0021】このため、図13に示す如く、欠歯条件を
満たすパルス信号が始めて検出される前にスピル弁がオ
(閉弁)とされると、そのスピル弁は、その後欠歯条
件を満たす2個目のパルス信号が検出され、更にその後
4個〜6個のパルス信号が検出されるまでの間は、継続
的にオン(閉弁)状態に維持されることになる。そし
て、スピル弁が上記の如くオン(閉弁)状態に維持され
ると、図13中にで示す期間中は、ディーゼル機関に
おいて燃料の全量噴射が行われる。
【0022】図13中にで示す期間が開始されるまで
に現実の機関回転数NEが150rpm に達していない場
合は上記の全量噴射は有効な全量噴射である。しかしな
がら、図13中にで示す期間が開始されるまでに現実
の機関回転数NEが150rpm に達している場合は、上
記の全量噴射は不必要な全量噴射である。燃料の全量噴
射が不必要に実行されると、ディーゼル機関の排気特性
が損なわれる。この点、上記従来のディーゼル機関は、
より優れた排気特性を実現する余地を残すものであっ
た。
【0023】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ディーゼル機関が始動された後、機関回転数が
算出され始めるまでの間に不必要に燃料の全量噴射が行
われるのを防止して、良好な排気特性を実現する電子制
御ディーゼル機関の噴射制御装置を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、燃料噴射ポンプの高圧室を閉塞または
開放するスピル弁と、ディーゼル機関の回転角を検出す
る回転角検出手段と、前記回転角検出手段の検出値が所
定回転角に到達する毎に前記スピル弁を閉弁状態とする
スピル弁閉弁手段と、燃料噴射の終了時期に合わせて前
記スピル弁を開弁状態とするスピル弁開弁手段と、機関
回転数が所定回転数に満たない場合に前記スピル弁開弁
手段により前記スピル弁が開弁状態とされるのを禁止す
る低回転時開弁禁止手段と、を備える電子制御ディーゼ
ル機関の噴射制御装置において、ディーゼル機関の始動
が開始された後、機関回転数が算出され始めるまでは、
前記スピル弁閉弁手段により前記スピル弁が閉弁状態と
されるのを禁止する算出前閉弁禁止手段を備え、前記算
出前閉弁禁止手段による禁止が解除された後、前記スピ
ル弁閉弁手段により閉弁される前に前記スピル弁を閉弁
状態とするスピル弁初回閉弁手段を備える電子制御ディ
ーゼル機関の噴射制御装置によって達成される。
【0025】本発明において、ディーゼル機関には、ス
ピル弁が閉弁することにより燃料が噴射される。ディー
ゼル機関が適正な機関回転数を保って作動している場合
は、スピル弁の閉弁時期および開弁時期をスピル弁閉弁
手段、および、スピル弁開弁手段に任せることで適正な
作動状態が維持される。一方、例えば冷間始動時等、機
関回転数が上昇しにくい状態にある場合は、通常時に比
して多量の燃料を噴射することが望ましい。低回転時開
弁禁止手段は、このような状況下での燃料噴射量を増量
すべく、機関回転数が所定回転数に満たない場合にはス
ピル弁が開弁されるのを禁止して燃料噴射ポンプが全量
噴射を実行し得る状態を実現する。ところで、ディーゼ
ル機関の始動が開始された後、ディーゼル機関がある程
度回転するまでは、機関回転数を正確に算出することは
できない。また、ディーゼル機関の始動後、機関回転数
が正確に算出され始めるまでの間は、低回転時閉弁禁止
手段において機関回転数が所定回転数に満たないと判断
される。このため、機関回転数が算出される前にスピル
弁が閉弁されるとすれば、その後、実際には機関回転数
が所定回転数を超えているにも関わらず機関回転数が算
出されていないためにスピル弁の開弁が禁止される事
態、すなわち、不必要な全量噴射が実行される事態が生
じ得る。本発明において、算出前閉弁禁止手段は、機関
回転数が算出される前にスピル弁が閉弁状態となるのを
禁止する。そして、スピル弁初回閉弁手段は、機関回転
数が算出された後、速やかにスピル弁を閉弁状態とす
る。ディーゼル機関において優れた始動性を得るために
は、始動が開始された後、速やかに燃料噴射が開始され
ることが望ましい。従って、スピル弁の初回の閉弁処理
がスピル弁初回閉弁手段によって実行されると、その処
理がスピル弁閉弁手段によって実行される場合に比して
優れた始動性が実現される。
【0026】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、燃料噴射ポンプの高圧室を閉塞または開放するス
ピル弁と、ディーゼル機関の回転角を検出する回転角検
出手段と、前記回転角検出手段の検出値が所定回転角に
到達する毎に前記スピル弁を閉弁状態とするスピル弁閉
弁手段と、燃料噴射の終了時期に合わせて前記スピル弁
を開弁状態とするスピル弁開弁手段と、機関回転数が所
定回転数に満たない場合に前記スピル弁開弁手段により
前記スピル弁が開弁状態とされるのを禁止する低回転時
開弁禁止手段と、を備える電子制御ディーゼル機関の噴
射制御装置において、 ディーゼル機関の始動が開始さ
れた後、機関回転数が算出され始めるまでに前記スピル
弁閉弁手段により前記スピル弁が閉弁状態とされた際に
は、ディーゼル機関が所定角回転する際の回転数に基づ
いて、前記スピル弁開弁手段が開弁時期として定める時
期に到達する前に、暫定的な機関回転数を演算する暫定
機関回転数演算手段を備えると共に、前記暫定機関回転
数演算手段によって暫定的な機関回転数が算出されてい
る場合は、前記低回転時開弁禁止手段が、前記暫定的な
機関回転数に基づいてスピル弁の開弁の可否を判断する
電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置によっても達成
される。
【0027】本発明において、ディーゼル機関の始動が
開始された後、その回転角が所定回転角に到達すると、
機関回転数が算出され始める前であってもスピル弁は閉
弁状態とされる。機関回転数が算出される前にスピル弁
が閉弁状態とされた場合は、暫定機関回転数演算手段に
よって暫定的な機関回転数が演算されると共に、その暫
定的な機関回転数に基づいてスピル弁の開弁の可否が判
断される。従って、ディーゼル機関の始動が開始された
後、正確な機関回転数が算出できないことに起因して不
必要に全量噴射が行われることはない。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
噴射制御装置を搭載するディーゼル機関10のシステム
構成図を示す。ディーゼル機関10は、燃料噴射制御を
電気的に実行する機能を備えた電子制御式ディーゼル機
関である。ディーゼル機関10は、電子制御ユニット1
2(以下、ECU12と称す)によって制御される。
【0029】ディーゼル機関10は、エアフィルタ14
を備えている。エアフィルタ14は、吸気管16に接続
されている。吸気管16にはその内部を流通する空気の
温度を検出する吸気温センサ18が配設されている。吸
気温センサ18の出力信号はECU12に供給されてい
る。ECU12は、吸気温センサ18の出力信号に基づ
いて吸入空気の温度THAを検出する。
【0030】吸気管16は、ターボチャージャ20のコ
ンプレッサ室22に連通している。また、コンプレッサ
室22の下流には、吸気管24が連通されている。吸気
管24の内部には、吸気絞り弁26が配設されている。
吸気絞り弁26は、アクセルペダル28と連動して開閉
するように構成されている。更に、吸気絞り弁26の近
傍には、吸気絞り弁26の開度に応じた電気信号を出力
するアクセル開度センサ30が配設されている。アクセ
ル開度センサ30の出力信号がECU12に供給されて
いる。ECU12は、アクセル開度センサ30の出力信
号に基づいて、吸気絞り弁26の開度、すなわち、アク
セルペダル28の操作量を検出する。
【0031】吸気管24には、吸気絞り弁26をバイパ
スするバイパス通路32が設けられている。バイパス通
路32には、バイパス絞り弁34が配設されている。バ
イパス絞り弁34には、負圧アクチュエータ36が連結
されている。更に、負圧アクチュエータ36には、バキ
ューム・スイッチング・バルブ(以下、VSVと称す)
38および40が連通している。VSV38,40は、
ECU12によって駆動される。ECU12は、ディー
ゼル機関10が停止状態である場合にはバイパス絞り弁
34が全閉状態となるように、ディーゼル機関10がア
イドル状態である場合にはバイパス絞り弁34が半開状
態となるように、また、ディーゼル機関10が通常運転
状態である場合にはバイパス絞り弁34が全開状態とな
るように、VSV38,40を制御する。
【0032】吸気管24には、吸気絞り弁26およびバ
イパス絞り弁34の下流側において吸気圧センサ42が
連通されている。吸気圧センサ42は、吸気管24の内
圧に応じた電気信号を出力する。吸気圧センサ42の出
力信号はECU12に供給されている。ECU12は、
吸気圧センサ42の出力信号に基づいて、吸気絞り26
およびバイパス絞り34の下流側の吸気圧を検出する。
【0033】ディーゼル機関10は、シリンダヘッド4
4を備えている。シリンダヘッド44の内部には、副燃
焼室46および排気ポート48が形成されている。ディ
ーゼル機関10は4気筒エンジンであり、シリンダヘッ
ド44には、副燃焼室46および排気ポート48が4気
筒分設けられている。シリンダヘッド44には、その先
端部が副燃焼室46に露出されるように、燃料噴射弁5
0およびグロープラグ52が配設されている。
【0034】ディーゼル機関10は、シリンダブロック
54、および、その内部を摺動するピストン56を備え
ている。ピストン56の上面とシリンダヘッド44の底
面との間には、主燃焼室58が形成されている。副燃焼
室46および排気ポート48は、共に主燃焼室58に連
通している。シリンダヘッド44には、機関回転角に応
じて排気ポートを開閉する排気バルブ60が組み込まれ
ている。
【0035】シリンダブロック54の壁面には、ウォー
タージャケット62が形成されている。また、シリンダ
ブロック54には、その先端部がウォータージャケット
62内に露出されるように、水温センサ64が配設され
ている。水温センサ64の出力信号はECU12に供給
されている。ECU12は、水温センサ12の出力信号
に基づいて、ウォータージャケット62内を流通する冷
却水の温度THWを検出する。
【0036】ピストン56には、クランクシャフト66
が連結されている。また、シリンダブロック54には、
クランクシャフト66の回転角が基準回転角に到達した
際にパルス信号を発生する基準位置センサ68が配設さ
れている。基準位置センサ68の出力信号はECU12
に供給されている。ECU12は、基準位置センサ68
からパルス信号が供給された際に、クランクシャフト6
6の回転角が基準回転角に到達したと判断する。
【0037】シリンダヘッド44に形成された排気ポー
ト48には、排気管68が連通されている。排気管68
は、ターボチャージャ20のタービン室70に連通して
いる。また、タービン室70の下流側には、大気に連通
する排気管72が接続されている。更に、排気管68と
排気管72とは、排気管68側に所定値を超える圧力が
生じた場合に開弁するウェストゲートバルブ74を介し
て連通されている。
【0038】ディーゼル機関10の燃料噴射弁50に
は、燃料噴射弁50から燃料を噴射すべき時期に、燃料
噴射ポンプ80から高圧の燃料が供給される。燃料噴射
弁50は、燃料噴射ポンプ80から所定圧力を超える燃
料が供給されると、副燃焼室46に向けて燃料を噴射す
る。
【0039】燃料噴射ポンプ80は、ベルト等を介して
クランクシャフト66に連結されるドライブプーリ82
を備えている。ドライブプーリ82は、ドライブシャフ
ト84の一端に固定されている。燃料噴射ポンプ80
は、ドライブシャフト84に伝達される駆動トルクを動
力源として作動するフィードポンプ86を備えている。
尚、図1は、燃料フィードポンプ86を90°転回させ
た状態、すなわち燃料フィードポンプ86を側面視で表
した状態を表している。
【0040】フィードポンプ86には、低圧通路88お
よびフィード通路90が連通している。低圧通路88に
は、図示しない燃料タンクより状態の燃料が供給され
る。また、フィード通路90は、燃料噴射ポンプ80の
内部に形成される燃料室92に連通している。フィード
ポンプ86は、ベーン式のポンプであり、低圧通路88
内の燃料をフィード通路90を介して燃料室92に圧送
する。
【0041】ドライブシャフト84には、ロータ94が
嵌挿されている。図2は、ロータ94を、図1における
側面視で表した図を示す。図2に示す如く、ロータ94
は、その外周に4つの有歯領域96と4つの欠歯領域9
8とを備えている。4つの有歯領域96には、それぞれ
14の歯96-0〜96-13 が所定間隔毎に設けられてい
る。また、4つの欠歯領域98は、それぞれ等間隔で形
成されている。
【0042】図1に示す如く、ロータ94の上部には、
電磁ピックアップコイル100が配設されている。ま
た、電磁ピックアップコイル100の上部にはマグネッ
ト102が配設されている。電磁ピックアップコイル1
00およびマグネット102は、保持部材104に固定
されている。マグネット102の発する磁束は、マグネ
ット102→保持部材104→ロータ94→エアギャッ
プ→電磁ピックアップコイル100→マグネット102
の経路を辿って、またはその逆の経路を辿って還流す
る。電磁ピックアップコイル100は、上記の経路で還
流する磁束の変化に応じた電圧信号を発生する。
【0043】上記の経路を還流する磁束の強度は、エア
キャップが小さいとき、すなわち、電磁ピックアップコ
イル100がロータ94の歯96-0〜96-13 の何れか
に対向しているときに大きく、エアギャップが大きいと
き、すなわち、電磁ピックアップコイル100がロータ
94の歯96-0〜96-13 の何れにも対向していないと
きに小さくなる。従って、電磁ピックアップコイル10
0は、ロータ94が回転することにより、すなわちディ
ーゼル機関10が回転することにより、その近傍を歯9
6-0〜96-13 の何れかが通過する毎にパルス信号を発
する。尚、以下の記載においては、ディーゼル機関10
の回転に伴って上記の如くパルス信号を発生する機構
を、NEパルサ106と称す。
【0044】電磁ピックアップコイル100とロータ9
4との位相は、ディーゼル機関10の回転角が、♯1〜
♯4気筒のそれぞれに着目した場合に制御上の基準とな
る回転角に到達した際に、4つの有歯領域96がそれぞ
れ備える歯96-0の何れかが電磁ピックアップコイル1
00と対向するように調整されている。
【0045】NEパルサ106から出力されるパルス信
号はECU12に供給される。ECU12は、NEパル
サ106から、ほぼ一定の周期でパルス信号が出力され
ている場合は、電磁ピックアップコイル100がロータ
94の有歯領域96に対向していると判断する。また、
上記の周期に比して十分に長い期間NEパルサ106か
らパルス信号が出力されない場合は、電磁ピックアップ
コイル100が欠歯領域98に対向していると判断す
る。そして、その後NEパルサ106から再びパルス信
号が出力されると、その時点で、電磁ピックアップコイ
ル100が歯96-0に対向している、すなわち、ディー
ゼル機関10の回転角が制御上の基準回転角に到達して
いると判断する。
【0046】ドライブシャフト84の端部は、図示しな
いカップリングを介してカムプレート108に接続され
ている。カムプレート108には、その周縁部に、所定
間隔毎に4つの起伏を有するカムフェイス110が形成
されている。ロータ94とカムプレート108との間に
は、ローラリング112が配設されている。ローラリン
グ112には、その円周に沿って、カムフェイス110
に対向する複数のカムローラ114が取付けられてい
る。カムプレート108は、カムフェイス110がカム
ローラ114に当接するように、スプリング116によ
って付勢されている。
【0047】カムプレート108には、プランジャ11
8の端部が固定されている。燃料噴射ポンプ80には、
シリンダ120が形成されている。プランジャ118は
シリンダ120に、回動可能に、かつ、摺動可能に挿入
されている。プランジャ118の先端面とシリンダ12
0の端面との間には、ポンプ室122が隔成されてい
る。
【0048】燃料噴射ポンプ80には、ポンプ室122
に連通するスピル通路124が設けられている。スピル
通路124の他端は、スピル弁126に連通している。
スピル弁126は、常態で開弁状態を維持する電磁開閉
弁である。スピル弁126はECU12に接続されてい
る。スピル弁126は、ECU12から駆動信号が供給
されることにより閉弁状態となる。
【0049】スピル弁126には、燃料室92に通じる
燃料通路128が連通されている。スピル弁126が開
弁状態である場合は、スピル通路124と燃料通路12
8とが導通し、ポンプ室122が燃料室92に導通され
る。また、スピル弁126が閉弁状態である場合は、ス
ピル通路124と燃料通路128とが遮断され、ポンプ
室122が燃料室92から遮断される。
【0050】プランジャ118の先端部には、その外周
面に、4本の吸入溝130が等間隔で設けられている。
燃料噴射ポンプ80は、プランジャ118の外周面の吸
入溝130が延在する部分に開口する燃料通路132を
備えている。燃料通路132の他端は、燃料室92に連
通している。また、プランジャ118には、その先端面
と側面とに開口する吐出通路134が設けられている。
燃料噴射ポンプ80は、プランジャ118が所定角回転
する毎に順次吐出通路134と連通する4本の燃料分配
通路136を備えている。燃料分配通路のそれぞれは、
燃料供給通路138を介してディーゼル機関10の各気
筒に配設される燃料噴射弁50に連通している。
【0051】燃料噴射ポンプ80において、カムプレー
ト108およびプランジャ118はドライブシャフト8
4と共に回転する。カムプレート108は、カムフェイ
ス110をカムローラ114に当接させた状態で回転す
る。このためカムプレート108が回転すると、カムプ
レート108およびプランジャ118は、カムフェイス
110の起伏に起因して、プランジャ118の軸方向に
往復運動する。
【0052】燃料通路132は、プランジャ118が図
1に於ける左方へ向けて変位する際に、すなわち、プラ
ンジャ118がポンプ室122の容積を拡大させる方向
に変位する際に何れかの吸入溝130と連通するように
設けられている。このため、プランジャ118が上記の
方向に変位する過程でポンプ室122には燃料が吸入さ
れる。以下、この行程を吸入行程と称す。
【0053】また、燃料分配通路136は、プランジャ
118が図1に於ける右方へ向けて変位する際に、すな
わち、プランジャ118がポンプ室122の容積を縮小
させる方向に変位する際に吐出通路134と連通するよ
うに設けられている。プランジャ118が上記の方向に
変位する過程では、ポンプ室122の内圧の昇圧が図ら
れる。以下、この行程を吐出行程と称す。スピル弁12
6が閉弁された状態で吐出行程が行われると、ポンプ室
122で昇圧された燃料は、吐出通路134、燃料分配
通路136、燃料供給通路138、および、燃料噴射弁
50を介して副燃焼室46内に吐出される。一方、吐出
行程の途中でスピル弁126が開弁されると、ポンプ室
122内の高圧燃料が燃料室92内に漏出され、副燃焼
室46への燃料噴射が停止される。
【0054】燃料噴射ポンプ80は、燃料噴射ポンプ8
0において吸入行程および吐出行程が行われる時期と、
ディーゼル機関10の回転角との関係を可変とするため
のタイマ装置140を備えている。尚、図1は、タイマ
装置140を90°転回させた状態、すなわち、タイマ
装置140を側面視で表した状態を表している。
【0055】タイマ装置140は、ピストン142を備
えている。ピストン142の一端面側(図1に於ける左
方側)には低圧通路88に連通する低圧室144が形成
されている。また、ピストン142の他端面側(図1に
於ける右方側)には、燃料室92に連通する高圧室14
6が形成されている。
【0056】低圧室144には、ピストン142を高圧
室146側へ付勢するスプリング148が配設されてい
る。また、低圧室144と高圧室146とは、タイミン
グコントロールバルブ150を介して連通されている。
タイミングコントロールバルブ150は、ECU12に
よってデューティ制御されることにより、高圧室146
と低圧室144との導通状態と制御する。
【0057】タイミングコントロールバルブ150が、
高圧室146と低圧室とを導通状態とすると、高圧室1
46の内圧がほぼ低圧室144の内圧と等しくなる。こ
の場合、ピストン142は、スプリング148の付勢力
により、高圧室146側に偏った位置に維持される。一
方、タイミングコントロールバルブ150が、高圧室1
46と低圧室とを遮断状態とすると、高圧室146の内
圧が低圧室144の内圧に比して高圧となる。この場
合、ピストン142は、高圧室146と低圧室144と
の差圧によって、低圧室144側に偏った位置に維持さ
れる。
【0058】ピストン142には、ローラーリング11
2に固定されたスライドピン152が係合している。ロ
ーラリング112は、スライドピン152が図1に於け
る左右方向に変位することにより、すなわち、現実には
図1の紙面に垂直な方向に変位することにより、紙面に
垂直な平面内で回動することができるように構成されて
いる。ローラリング112が上記の如く回動すると、カ
ムローラ114がカムフェース110の凸部に当接する
タイミングと、ディーゼル機関10の回転角との関係が
変化し、その結果、吸入行程および吐出行程が行われる
タイミングと、ディーゼル機関10の回転角との関係が
変化する。
【0059】ECU12は、ディーゼル機関10の運動
状態に応じて、適切な量の燃料が、適切な時期に噴射さ
れるように、スピル弁126の開閉時期を制御し、ま
た、タイミングコントロールバルブ150をデューティ
制御する。
【0060】次に、図3乃至図7を参照して本実施例の
噴射制御装置の動作について説明する。図3および図4
は、上記の機能を実現すべくECU12が実行する制御
ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3および図
4に示すルーチンは、NEパルサ106からパルス信号
が出力される毎に起動されるNE割り込みルーチンであ
る。本ルーチンが起動されると、先ずステップ400の
処理が実行される。
【0061】ステップ400では、前回パルス信号が検
出された時刻と、今回パルス信号が検出された時刻との
差、すなわち、パルス信号の間隔TNINTが演算され
ると共に、カウンタCNIRQをインクリメントする処
理が実行される。NEパルサ106のロータ94が備え
る歯96-0〜96-13 は、ディーゼル機関10が11.
25°回転する毎にパルス信号が生成されるように形成
されている。
【0062】このため、間隔TNINTの値は、電磁ピ
ックアップコイル100がロータ94の歯96-1〜96
-13 に対向している場合は、ディーゼル機関10が1
1.25°回転するのに要する時間に一致し、電磁ピッ
クアップコイル100がロータ94の歯96-0に対向し
ている場合は、ディーゼル機関10が33.75°回転
するのに要する時間に一致する。
【0063】また、カウンタCNIRQの計数値は、後
述の如く欠歯条件を満たすパルス信号が検出される毎に
“0”にクリアされる。このため、CNIRQに計数さ
れるパルス番号は、欠歯条件を満たすパルス信号が検出
された後に出力されたパルス信号の数に一致する。上記
の処理が終了すると、次にステップ402の処理が実行
される。
【0064】ステップ402では、CNIRQに計数さ
れたパルス番号が、燃料噴射の終了時期から逆算される
値CANGに到達しているか否かが判別される。ECU
12は、機関回転数NEやディーゼル機関10の負荷状
態等に基づいて燃料噴射を終了させるべき回転角θp
(以下、噴射終了回転角θpと称す)を求める。本実施
例のシステムでは、ディーゼル機関10の回転角が噴射
終了回転角θpに到達する時期が燃料噴射の終了時期に
設定される。
【0065】燃料噴射の終了時期の基礎として設定され
る噴射終了回転角θpは、NEパルサ106からパルス
信号が発せられる回転間隔“11.25°”を整数倍し
た値“11.25*n”と、余り角“θr”とに分解す
ることができる。上記のCANGには、θp≧11.2
5*nなる条件を満たす最も大きな整数値nが代入され
る。従って、上記ステップ402で、CNIRQ=CA
NGが成立すると判別された場合は、以後、ディーゼル
機関10が余り角θrだけ回転した時点で燃料噴射の終
了時期が到来すると判断することができる。この場合、
次にステップ404の処理が実行される。
【0066】一方、上記ステップ402で、CNIRQ
=CANGが不成立であると判別された場合は、次回の
パルス信号が検出されるまでに燃料噴射の終了時期が到
来しないと判断することができる。この場合、ステップ
404〜410の処理がジャンプされ、次にステップ4
12の処理が実行される。
【0067】ステップ404では、ディーゼル機関10
の始動が開始された後、ECU12がリセット復帰され
る現象が生じたか否かが判別される。具体的には、車両
のIGスイッチがオンされることによりリセット起動さ
れたECU12が、その後、スタータスイッチSTAが
オンとされた状況下でリセット復帰されたか否かが判別
される。その結果、ECU12が、ディーゼル機関10
の始動が開始された後リセット復帰されていると判別さ
れた場合は、次にステップ406の処理が実行される。
【0068】ディーゼル機関10のスタータモータに作
用する回転負荷は、何れかの気筒のピストンが上死点に
向かう過程で増加し、そのピストンが上死点を通過した
後に減少する。このため、バッテリ能力が低下している
場合には、ピストンが上死点に向かう過程でECU12
がリセットされ、そのピストンが上死点を超えた後にE
CU12がリセット状態から復帰されることがある。上
記ステップ404の条件は、バッテリ能力が低下してお
り、ディーゼル機関10の始動が開始された後、上記の
現象が生じた場合に成立する。
【0069】ステップ406では、正規の欠歯が検出済
であるか否かが判別される。NEパルサ106は、欠歯
条件を満たすパルス信号を出力した後、順に13のパル
ス信号を出力し、その後再び欠歯条件を満たすパルス信
号を出力する。本ステップでは、ECU12がリセット
復帰された後に、パルス番号が“13”までカウントア
ップされ、かつ、その後に欠歯条件を満たすパルス信号
が検出される現象が検出されている場合に、正規の欠歯
が検出済であると判別される。
【0070】上記ステップ406の処理は、上述の如く
バッテリ能力が低下している場合に実行される。また、
上記ステップ406で、未だ正規の欠歯が検出されてい
ないと判別された場合は、ECU12がリセット復帰さ
れた後、ディーゼル機関10の運転状態が、未だ安定し
た状態に移行していないと判断することができる。
【0071】バッテリ能力が低下しており、かつ、ディ
ーゼル機関10の運転状態が未だ安定状態に移行してい
ない状況下では、燃料の全量噴射を実行してディーゼル
機関10の始動性の向上を図ることが好ましい。このた
め、上記ステップ404の条件が成立し、かつ、上記ス
テップ406の条件が不成立である場合は、以後、燃料
の全量噴射を実行し得る状態が維持されることが適切で
ある。この場合、ステップ408および410の処理が
ジャンプされ、次にステップ412の処理が実行され
る。
【0072】一方、上記ステップ404でECU12は
リセット復帰されていないと判別された場合、すなわ
ち、バッテリ能力が低下していないと判別された場合、
および、上記ステップ406で既に正規の欠歯が検出さ
れていると判別された場合は、次にステップ408の処
理が実行される。
【0073】ステップ408では、スタータスイッチS
TAがオンであり、かつ、機関回転数NEが150rpm
に比して低いか否かが判別される。上記の条件が不成立
である場合は、ディーゼル機関10がクランキング中で
ないと判断することができる。この場合、次にステップ
410でスピル弁126をオフ(開弁)するための処理
が実行される。一方、上記の条件が成立する場合は、デ
ィーゼル機関10がクランキング中であり、かつ、機関
回転数NEが十分に立ち上がっていない、すなわち、デ
ィーゼル機関10が適正に始動されていないと判断する
ことができる。この場合、スピル弁126をオフ(開
弁)するための処理が実行されることなく、次にステッ
プ412の処理が実行される。
【0074】上記の処理によれば、ECU12がリセ
ット復帰された後、未だ正規の欠歯が検出されていない
場合、および、ディーゼル機関10のクランキング中
に150rpm 以上の機関回転数NEが検出されていない
場合に、燃料の全量噴射の実行が可能な状態が形成され
る。
【0075】ところで、本実施例において、ECU12
は、従来のディーゼル機関の場合と同様に、欠歯条件を
満たすパルス信号が検出された後、パルス番号を計数す
るカウンタCNIRQに最大のパルス番号が計数される
までの平均回転速度に基づいて機関回転数NEを算出す
る。このため、ディーゼル機関10の始動が開始された
後、CNIRQにパルス番号の最大値が計数されるまで
の間、すなわち、NE算出条件不成立期間中は、機関回
転数NEが“0”として算出される。
【0076】機関回転数NEが上記の手法により算出さ
れると、NE算出条件不成立期間中は、常に全量噴射の
可能な状態が形成される。本実施例の噴射制御装置は、
このようにNE算出条件不成立期間中に全量噴射の可
能な状態が形成されるにも関わらず不必要な全量噴射の
実行を回避することができる点、および、クランキン
グ時の回転速度が極低速である場合には適切に燃料の全
量噴射を実行し得る点に特徴を有している。
【0077】ステップ410では、ディーゼル機関10
が余り角θrだけ回転するのに要する時間TSPと現在
時刻とを加算した時刻(以下、燃料噴射終了時刻と称
す)がアウトプットコンペアレジスタにセットされる。
ECU12は、現在時刻がアウトプットコンペアレジス
タにセットされた燃料噴射終了時刻に到達すると、通常
制御のオフ時期が到来したと判断し、スピル弁126を
オフ(開弁状態)とする。
【0078】上記のTSPは、ECU12が本ルーチン
と共に実行する噴射量算出ルーチン中で演算される。T
SPは、噴射量算出ルーチン中で、ディーゼル機関10
の回転角が噴射終了回転角θpを通過する際の回転速度
と、余り角θrの大きさとに基づいて演算される。以
下、その具体的な演算手法について説明する。
【0079】ECU12は、本ルーチン中でCNIRQ
=CANGが成立すると判別した場合、今回の処理の起
因となったパルス信号と前回検出されたパルス信号との
間隔TNINTをメモリTS1に記憶する。また、EC
U12は、次回の処理時、および、次次回の処理時に、
それぞれステップ400で算出される間隔TNINTを
順次メモリTS2およびTS3に記憶する。
【0080】上記の処理によれば、ディーゼル機関10
が、噴射終了回転角θpを含む11.25°(以下、こ
の回転角領域を領域2と称す)を回転するのに要する時
間がメモリTS2に、その前後の11.25°(以下、
これらの回転角領域をそれぞれ領域1および領域3と称
す)を回転するのに要する時間がそれぞれメモリTS1
およびTS3に記憶される。これらメモリTS1〜TS
3の値は、ディーゼル機関10が領域1を回転する際の
回転速度ω1 、ディーゼル機関10が領域2を回転する
際の回転速度ω2 、および、ディーゼル機関10が領域
3を回転する際の回転速度ω3 の特性値として把握する
ことができる。
【0081】ディーゼル機関10の回転速度は、その運
転中に急激に変化することはない。このため、次回再び
ディーゼル機関10の回転角が領域1〜3に到達した際
に、それぞれの領域1〜3において実現される回転速度
ω1 〜ω3 は、今回の回転速度ω1 〜ω3 に基づいて推
定することができる。また、噴射終了回転角θpは、デ
ィーゼル機関10の運転中に急激に変化することはな
い。このため、次回の燃料噴射に対して算出される噴射
終了回転角θpは、必ず領域1〜3の何れかに属する。
【0082】従って、ディーゼル機関10の回転角が次
回の燃料噴射に対して設定される噴射終了回転角θpを
通過する際の回転速度は、今回の燃料噴射に対して記憶
されたメモリTS1〜TS3の値から精度良く求めるこ
とができる。ECU12は、噴射量算出ルーチン中で、
前回の燃料噴射に対して記憶されたメモリTS1〜TS
3の値と、今回の燃料噴射に対して設定された余り角θ
rとに基づいてTSPを演算する。
【0083】図3および図4に示すルーチンにおいて上
記ステップ410の処理が終了すると、次にステップ4
12の処理が実行される。ステップ412では、先ず、
エンストカウンタCENSTJBの値がメモリCENS
TJに記憶され、次いで、エンストカウンタCENST
JBが“0”にリセットされる。エンストカウンタCE
NSTJBは、IGスイッチがオンとなると同時に作動
し始めて500msecを上限値としてインクリメントされ
ると共に、本ステップ412が実行される毎にリセット
されるカウンタである。このため、メモリCENSTJ
には、ディーゼル機関10が始動された後初回の処理で
は、IGスイッチがオンとされた後、始めてパルス信号
が発生するまでに要した時間が記憶される。また、2回
目以降の処理では、前回のパルス信号と今回のパルス信
号との間隔が記憶される。上記の処理が終了すると、次
にステップ414の処理が実行される。
【0084】ステップ414では、今回検出されたパル
ス信号が欠歯条件を満たしているか否かが判別される。
具体的には、前回の処理時に演算された間隔TNINT
と今回の処理時に演算された間隔TNINTとの比が所
定値を超えているか否かが判別される。その結果、上記
の条件が不成立であると判別された場合は、今回検出さ
れたパルス信号が歯96-0に起因するものではないと判
断される。この場合、以後、ステップ416〜420の
処理がジャンプされ、次に図4に示すステップ422の
処理が実行される。一方、上記ステップ414で、欠歯
条件が満たされていると判別された場合は、今回検出さ
れたパルス信号が歯96-0に起因するものであると判断
される。この場合、次にステップ416の処理が実行さ
れる。
【0085】ステップ416では、CNIRQに計数さ
れるパルス番号が“0”にリセットされる。上記の処理
が終了すると、次にステップ418の処理が実行され
る。
【0086】ステップ418では、スタータスイッチS
TAがオンであるか否かが判別される。その結果、スタ
ータスイッチSTAがオンであると判別された場合は、
ディーゼル機関10がクランキング状態にあると判断さ
れる。この場合、ステップ420でフラグXSPVON
Eがオンとされた後、ステップ422の処理が実行され
る。一方、スタータスイッチSTAがオンでないと判別
された場合は、ステップ420が実行されることなく、
次にステップ422の処理が実行される。
【0087】本実施例のシステムにおいて、ディーゼル
機関10が始動される際には、先ずIGスイッチがオン
とされ、次いでスタータスイッチSTAがオンとされ
る。スタータスイッチSTAがオンとされた後、欠歯条
件を満たすパルス信号が検出されると、上記ステップ4
14および418の条件が共に成立し、XSPVONE
がオンとされる。
【0088】本実施例のシステムにおいて、欠歯条件が
成立するためには、ディーゼル機関10の始動が開始さ
れた後、少なくとも3つのパルス信号が検出されている
必要がある。このため、本ルーチンの処理によれば、デ
ィーゼル機関10が始動された後、少なくとも3回のパ
ルス信号が検出されるまでは、フラグXSPVONEが
オンとされることはない。
【0089】上述の如く、エンストカウンタCENST
JBは、IGスイッチがオンとされた後本ルーチンが始
めて実行される際には、パルス信号の間隔ではなく、I
Gスイッチがオンとされた後、初回のパルス信号が検出
されるまでに要した時間を計数する。これに対して、I
Gスイッチがオンとされた後、3つ目以降のパルス信号
が検出された際にエンストカウンタCENSTJBに計
数されている時間は、確実にパルス信号の間隔に相当し
ている。このため、フラグXSPVONEがオンであれ
ば、エンストカウンタCENSTJBの計数値が確実に
パルス間隔を表していると判断することができる。
【0090】ステップ422では、メモリCENSTJ
のストア値、すなわち、IGスイッチがオンとされた後
初回のパルス信号が検出されるまでに要した時間、また
は、パルス信号の間隔に相当する値が、所定時間、例え
ば61msec以上であるか否かが判別される。本実施例の
ディーゼル機関2において、CENSTJ≧61msecな
る条件は、IGスイッチがオンとされた後初回のパル
ス信号が検出されるまでに61msec以上の時間を要した
とき、ディーゼル機関10にエンジンストールが生じ
たとき、および、ディーゼル機関10が極低速で回転
しているときに成立する。上記ステップ416の条件が
成立すると判別される場合は、更にステップ424およ
び426において場合分けが進められる。一方、上記ス
テップ422の条件が成立しないと判別される場合は、
ステップ424〜430がジャンプされ、次にステップ
432の処理が実行される。
【0091】ステップ424では、スタータスイッチS
TAがオンであるか否かが判別される。上記ステップ4
22の条件が成立し、かつ、スタータスイッチSTAが
オンでない場合は、ディーゼル機関10にエンジンスト
ールが生じたと判断することができる。この場合、ステ
ップ430でスピル弁126をオフ(弁)する処理が
行われる。一方、本ステップ424で、スタータスイッ
チSTAがオンであると判別された場合は、次にステッ
プ426の処理が実行される。
【0092】ステップ426では、フラグXSPVON
Eがオンであるか否かが判別される。フラグXSPVO
NEがオンでない場合は、上述の如く、エンストカウン
タCENSTJBの値がパルス信号の間隔を表していな
い場合がある。従って、XSPVONEがオンでない場
合は、CENSTJ≧61msecが成立していても、ディ
ーゼル機関10の回転速度が極低速であると判断するこ
とはできない。この場合、次にステップ430でスピル
弁126をオフ(開弁)する処理が実行される。
【0093】一方、フラグXSPVONEがオンである
と判別された場合は、エンストカウンタCENSTJB
の値が確実にパルス信号の間隔を表していると判断でき
る。従って、この場合は、ディーゼル機関10がクラン
キング中において、極低速で回転していると判断するこ
とができる。このような状況下では、燃料の全量噴射を
行って始動性を高めることが適切である。このため、上
記の判別がなされた場合は、次に、ステップ428で、
スピル弁126をオン(閉弁)する処理が実行される。
【0094】ECU12は、クランキング中の機関回転
数NEが低回転である場合は、通常制御のオフ時期が到
来してもスピル弁126をオフ(開弁)しない。このた
め、上記の如くステップ428でスピル弁がオン(閉
弁)されると、以後、ディーゼル機関10において燃料
の全量噴射が実行される。このように、本実施例のシス
テムによれば、ディーゼル機関10が始動の確保が困難
な状況にある場合には、燃料の全量噴射を実行すること
でディーゼル機関10の始動性を高めることができる。
【0095】上記の処理が終了すると、次にステップ4
32の処理が実行される。ステップ432では、フラグ
XSPV1Sがオンであるか否かが判別される。フラグ
XSPV1Sは、後述の如く、ECU12が機関回転数
NEを正確に検出し得る状況が形成されることによりオ
ンとされるフラグである。従って、ディーゼル機関10
が始動された後、CNIRQにパルス番号の最大値“1
3”が計数されるまでの間は、本ステップ432の条件
が不成立であると判別される。
【0096】上記ステップ432の条件が不成立である
と判別されると、次にステップ434の処理が実行され
る。ステップ434では、CNIRQの計数値であるパ
ルス番号が最大値“13”に達しているか否かが判別さ
れる。その結果、CNIRQ=13が成立しない場合
は、未だNE算出条件不成立期間が終了していないと判
断することができる。この場合は、以後、スピル弁12
6をオン(閉弁)することなく、次にステップ440の
処理が実行される。一方、上記ステップ434で、CN
IRQ=13が成立すると判別される場合は、NE算出
条件不成立期間が既に終了している、すなわち、機関回
転数NEを正確に算出し得る状況が既に形成されている
と判断することができる。この場合、次にステップ43
6の処理が実行される。
【0097】ステップ436では、スピル弁126をオ
(閉弁)する処理が実行される。このようにしてスピ
ル弁126がオン(閉弁)されると、以後、上記ステッ
プ410の処理が実行されてスピル弁126がオフ(開
弁)されるまで、すなわち、機関回転数NEが150rp
m 以上に上昇し、かつ、通常制御のオフ時期が到来する
まで、スピル弁126はオン(閉弁)状態に維持され
る。上記の処理が終了すると、次にステップ438の処
理が実行される。
【0098】ところで、上記ステップ436の処理は、
機関回転数NEが正確に算出され得ることを前提として
実行される。従って、ステップ436の処理に従ってス
ピル弁126がオン(閉弁)された場合には、その後、
機関回転数NEが算出できないことに起因して上記ステ
ップ408の条件が成立することはない。このため、本
実施例のシステムによれば、ディーゼル機関10の始動
が開始された後、機関回転数NEが算出できないことに
起因して燃料の全量噴射が実行されることはない。
【0099】ステップ438では、フラグXSPV1S
をオンとする処理が実行される。上記の処理が終了する
と、次にステップ440の処理が実行される。本ステッ
プ438でフラグXSPV1Sがオンとされると、以
後、本ルーチンが起動された場合には、ステップ432
に次いでステップ442の処理が実行される。
【0100】ステップ440では、機関回転数NEを算
出する処理、パルス信号の間隔を記憶する処理等が実行
される。これらの処理が終了すると、今回のルーチンが
終了される。
【0101】ステップ432でフラグXSPV1Sがオ
ンであると判別された場合に実行されるステップ442
では、CNIRQに計数されているパルス番号が“8”
であるか否かが判別される。その結果、CNIRQ=8
が成立する場合は、次にステップ444においてスピル
弁126がオン(閉弁)された後、ステップ440の処
理が実行される。一方、CNIRQ=8が不成立である
場合は、ステップ444がジャンプされ、スピル弁12
6がオン(閉弁)されることなくステップ440の処理
が実行される。
【0102】上記の処理によれば、ディーゼル機関10
の回転角が、パルス番号“8”に対応する回転角に到達
する毎にスピル弁126がオン(閉弁)とされる。そし
て、機関回転数NEが十分に上昇している場合は、以
後、通常制御のオフ時期に到達する毎にスピル弁126
がオフ(開弁)されることにより、適正な出力特性およ
び排気特性を実現する燃料噴射制御が実現される。ま
た、機関回転数NEが十分に上昇していない場合は、ス
ピル弁126がオン(閉弁)状態に維持されることによ
り、始動の確保に有利な燃料噴射制御が実現される。
【0103】本実施例において、スピル弁126には、
ディーゼル機関10の始動が開始された後、パルス番号
が“13”に到達した時点で始めてオフ(開弁)指令が
発せられる。また、本実施例において、通常制御の実行
中は、パルス番号が“8”に達する毎にスピル弁126
にオフ(開弁)指令が発せられる。上述の如く、スピル
弁126は、オン(閉弁)指令を受けた後所定の応答時
間を経た後に閉弁状態となる。このため、スピル弁12
6に対するオン(閉弁)指令は、実際に燃料噴射が開始
される時期よりスピル弁126の応答時間分だけ早く発
する必要がある。
【0104】通常制御におけるオフ指令の発生時期は、
ディーゼル機関10が高速運転中であっても、燃料噴射
ポンプ80が吐出行程を開始する前にスピル弁126が
閉弁状態となることができるように「CNIRQに
“8”が計数された時点」に設定されている。従って、
通常制御の実行中は、ディーゼル機関10が如何なる回
転数領域で運転していても、燃料噴射ポンプ80で吐出
行程が開始される以前にスピル弁126を閉弁状態とす
ることができる。
【0105】CNIRQに“13”が計数された時点で
スピル弁126にオン(閉弁)指令を発することとする
と、通常制御時に比して、スピル弁126が閉弁状態に
なる時期が遅延する。しかし、本実施例のシステムにお
いて、CNIRQに“13”が計数された時点でスピル
弁126にオン(閉弁)指令が発せられるのは、ディー
ゼル機関10の始動時のみ、すなわち、ディーゼル機関
10が極めて低速で回転している場合のみである。この
ため、本実施例のシステムにおいては、スピル弁126
に対する初回のオフ(開弁)指令がCNIRQに“1
3”が計数された時点で発せられることにより、何ら弊
害が生ずることはない。
【0106】ところで、ディーゼル機関10がエンジン
ストール状態に陥ると、以後、NEパルサ106からE
CU12にパルス信号が供給されることはない。パルス
信号の入力が停止されると、上記図3および図4に示す
ルーチンが起動されず、スピル弁126が閉弁状態に維
持され、また、フラグXSPVONEがオン状態に維持
される事態が生じ得る。一方、エンジンストールにより
停止したディーゼル機関10が再始動される際には、ス
ピル弁126が開弁状態とされ、かつ、フラグXSPV
ONEがオフ状態とされていることが望ましい。
【0107】図5は、上記の機能を実現すべくECU1
26が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。図5に示すルーチンは、所定時間毎、例えば8ms
ec毎に起動されるルーチンである。図5に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ500の処理が実行され
る。
【0108】ステップ500では、メモリCENSTJ
にストアされている値が500msec以上であるか否かが
判別される。メモリCENSTJには、上述の如く上記
ステップ412で、エンストカウンタCENSTJBの
値がストアされている。このため、ディーゼル機関10
にエンジンストールが生じ、エンストカウンタCENS
TJBの値が上限値500msecに到達すると、メモリC
ENSTJにはその上限値500msecがストアされる。
【0109】上記ステップ500で、CENSTJ≧5
00が不成立であると判別された場合は、ディゼル機関
10にエンジンストールが生じていないと判断すること
ができる。この場合、以後、何ら処理が進められること
なく今回のルーチンが終了される。一方、上記ステップ
500で、CENSTJ≧500が成立すると判別され
た場合は、ディーゼル機関10にエンジンストールが生
じていると判断することができる。この場合、以後ステ
ップ502の処理が実行される。
【0110】ステップ502では、フラグXSPVON
Eをオフとする処理が実行される。上記の処理が終了す
ると、次にステップ504の処理が実行される。
【0111】ステップ504では、スピル弁126をオ
(開弁)する処理が実行される。上記の処理が終了す
ると、今回のルーチンが終了される。図5に示すルーチ
ンによれば、ディーゼル機関10にエンジンストールが
生じた後、ディーゼル機関10が再始動されるまでの間
に、確実にスピル弁126を開弁状態とし、かつ、フラ
グXSPVONEをオフとすることができる。
【0112】図6は、本実施例のシステムにおいて、ス
タータスイッチSTAがオンとされた後、ディーゼル機
関10が速やかに始動した際に実現されるタイムチャー
トを示す。図6(A)はNEパルサ106から出力され
るパルス信号を、図6(B)はスピル弁126に対する
駆動信号を、また、図6(C)は燃料噴射ポンプ80の
プランジャ118のリフト変化を示す。尚、図6(A)
中にパルス信号の上部に記される番号は、CNIRQに
計数されるパルス番号を表す。また、図6(A)中にパ
ルス番号“0”を付して表すパルス信号は、欠歯条件を
満たすパルス信号に相当する。
【0113】IGスイッチがオンとされた後、ECU1
2に初回のパルス信号が検出されるまでには、61msec
の比して十分に長い時間が経過する。従って、ディーゼ
ル機関10の始動が開始された後、始めてパルス信号が
検出され、その結果、始めて図3および図4に示すルー
チンが起動された際には、上記ステップ422および4
24の条件が成立する。しかしながら、本実施例のシス
テムでは、欠歯条件を満たすパルス信号が検出されるま
で、フラグXSPVONEがオフ状態に維持される。こ
のため、スピル弁126は、初回のパルス信号が入力さ
れた後もオフ(開弁)状態に維持される。
【0114】スピル弁126は、ディーゼル機関10の
始動が開始された後、61msecを超えるパルス間隔が検
出されない場合は、パルス番号が“13”に達するまで
オフ(開弁)状態に維持される。また、ディーゼル機関
10の始動が開始された後、パルス番号が“13”に達
した後は、機関回転数NEを正確に算出することができ
る。このため、スピル弁126がオン(閉弁)状態とさ
れた後、通常制御のオフ時期が到来した時点で実際の機
関回転数NEが150rpm 以上であれば、確実にスピル
弁126はその時点でオフ(開弁)状態とされる。この
ため、ディーゼル機関10においては、始動時に不必要
な全量噴射が行われることがない。
【0115】スピル弁126がオン(閉弁)状態とされ
た後、通常制御のオフ(開弁)時期が到来した時点で実
際の機関回転数NEが150rpm に達していない場合
は、スピル弁126がオン(閉弁)状態のまま維持され
る。このため、ディーゼル機関10においては、始動の
確保が困難である場合には、適切に燃料の全量噴射が実
行される。このように、本実施例のシステムによれば、
ディーゼル機関10の状態に応じて、真に必要とされる
場合にのみ燃料の全量噴射を行うことができる。
【0116】図7は、本実施例のシステムにおいて、ス
タータスイッチSTAがオンとされた後、ディーゼル機
関10が極低速で回転し始めた場合に実現されるタイム
チャートを示す。図7(A)〜図7(C)は、上記図7
(A)〜図7(C)と同様に、それぞれNEパルサ10
6から出力されるパルス信号、スピル弁126に対する
駆動信号、および、プランジャ118のリフト変化を示
す。
【0117】バッテリの能力が著しく低下しているよう
な場合には、スタータスイッチSTAがオンとされた
後、クランキング速度が極低速となる場合がある。この
ような場合には、クランキングが開始された後、速やか
に燃料噴射を開始することが適切である。
【0118】図7は、クランキングが開始された後、機
関回転数NEが低下した結果、電磁ピップアップコイル
100が有歯領域96に対向している間に、欠歯条件が
満たされると共に、CENSTJ≧61msecが成立した
場合を示す。このような場合には、上記ステップ422
の処理が実行されることにより、ディーゼル機関10の
クランキングが開始された後、速やかにスピル弁126
がオン(閉弁)とされる。
【0119】その結果、以後、ディーゼル機関10で
は、上記ステップ424でスタータスイッチSTAがオ
フされたと判別されるまで、または、上記ステップ40
8で機関回転数NEが150rpm 以上であると判別され
るまで、燃料の全量噴射が継続される。そして、ディー
ゼル機関10が適正に始動されると、その後、通常制御
のオフ時期にスピル弁126がオフ(開弁)される。
【0120】このように、本実施例のシステムによれ
ば、ディーゼル機関10のクランキング速度が極低速で
ある場合には、クランキングが開始された後、速やかに
燃料の全量噴射を開始させることができる。従って、本
実施例のシステムによれば、ディーゼル機関10に対し
て、優れた始動性と、優れた排気特性との双方を付与す
ることができる。
【0121】尚、上記の実施例においては、NEパルサ
106が前記請求項1記載の「回転角検出手段」に相当
すると共に、ECU12が上記ステップ442の処理を
実行することにより前記請求項1記載の「スピル弁閉弁
手段」が、ECU12が上記ステップ400および41
0の処理を実行することにより前記請求項1記載の「ス
ピル弁を開弁手段」が、ECU12が上記ステップ40
8の処理を実行することにより前記請求項1記載の「低
回転時開弁禁止手段」が、ECU12が上記ステップ4
32および434の処理を実行することにより前記請求
項1記載の「算出前閉弁禁止手段」が、それぞれ実現さ
れている。
【0122】更に、上記の実施例においては、ECU1
2が上記ステップ436の処理を実行することにより前
記請求項1記載の「スピル弁初回閉弁手段」が実現され
ている。
【0123】次に、図8乃至図11を参照して、本発明
の第2実施例のついて説明する。本実施例の噴射制御装
置は、上記図1に示すシステム構成において、ECU1
2に上記図5に示すルーチンを実行させると共に、EC
U12に上記図3および図4に示すルーチンに代えて図
8および図9に示すルーチンをそれぞれ実行させ、か
つ、上述したTSPを図10に示すルーチンに従って演
算させることにより実現される。
【0124】上述した第1実施例は、ディーゼル機関1
0が極低速で回転している場合を除き、NE算出条件不
成立期間が経過するまではスピル弁126をオン(閉
弁)としないこととしている。かかる制御手法は、NE
算出条件不成立期間中に不必要な全量噴射が実行される
のを防止し得る点で有効である。しかし、上記の制御手
法によれば、ディーゼル機関10が極低速で回転してい
る場合を除き、NE算出条件不成立期間中は常に燃料噴
射がされないことになる。ディーゼルNE機関10に良
好な始動性を付与するためには、NE算出条件不成立期
間中であっても燃料噴射が実行し得ることが望ましい。
本実施例の噴射制御装置は、不必要な全量噴射が実行さ
れるのを回避しつつ、NE算出条件不成立期間中の燃料
噴射を可能とした点に特徴を有している。
【0125】図8および図9は、スピル弁126をオン
(閉弁)とする処理、通常制御のオフ時期をアウトプッ
トコンペアレジスタにセットする処理、および、機関回
転数NEを算出する処理等を実現するためにECU12
が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図8および図9に示すルーチンは、パルス信号が検
出される毎に起動されるNE割り込みルーチンである。
尚、図8および図9において、上記図3および図4に示
すステップと同一の処理を実行するステップには括弧書
きにより同一の符号を付して、その説明を省略または簡
略する。
【0126】図8および図9に示すルーチンが起動され
ると、ステップ600の処理が実行された後ステップ6
02の処理が実行される。ステップ602では、間隔積
算値WT45が演算される。間隔積算値WT45は、デ
ィーゼル機関10が45°CA回転するのに要する時間
(以下、この時間を45°CA時間と称す)を求めるた
めの演算値であり、前回の処理時に演算されたWT45
に間隔TNINTを加算することで求められる。ステッ
プ602の処理が終了すると、次にステップ604の処
理が実行される。
【0127】ステップ604では、CNIRQに計数さ
れたパルス番号が1、5、9、13の何れかに一致して
いるか否かが判別される。ディーゼル機関10は、パル
ス番号が1から5に変化する間に45°CA回転する。
同様に、パルス番号が5から9に変化する間、9から1
3に変化する間、および、13から1に変化する間にデ
ィーゼル機関10は45°CA回転する。本ルーチンで
は、パルス番号が1、5、9、13の何れかに一致する
毎に45°CA時間が演算される。本ステップ604の
条件が成立すると判別された場合は、その演算を実行す
べく次にステップ606の処理が実行される。一方、上
記の条件が不成立であると判別された場合は、今回はそ
の演算を実行する必要がないため、ステップ606〜6
10の処理がジャンプされる。
【0128】ステップ606では、CNIRQに計数さ
れているパルス番号(1、5、9、13の何れか)に応
じて変数“i”が設定される。変数iは、CNIRQ=
1の場合は“1”に、CNIRQ=5の場合は“2”
に、CNIRQ=9の場合は“3”に、また、CNIR
Q=13の場合は“4”に設定される。上記の処理が終
了すると、次にステップ608の処理が実行される。
【0129】ステップ608では、メモリT45iに間
隔積算値WT45の値が記憶される。また、上記の処理
が終了すると、次にステップ610で、間隔積算値WT
45が“0”にクリアされる。このように、間隔積算値
WT45は、CNIRQに1、5、9、13の何れかが
計数される毎に“0”にリセットされる。そして、その
後間隔積算値WT45には、ディーゼル機関10が45
°CA回転する間、パルス信号が検出される毎に間隔T
NINTが加算される。上記の処理によれば、メモリT
45i(i=1〜4)には、それぞれの回転角領域に対
する45°CA時間が正確に記憶される。
【0130】上記の処理終了すると、次にステップ61
2においてCNIRQに計数されているパルス番号がC
ANGに一致しているか否かが判別される。その結果、
CNIRQ=CANGが成立すると判別された場合は、
次にステップ614の処理が実行される。一方、上記の
条件が成立しないと判別された場合は、ステップ614
〜626の処理がジャンプされる。
【0131】ステップ614では、機関回転数NEが
“0”であるか否かが判別される。本実施例において、
ECU12は、メモリT451〜T454に記憶されて
いる値を加算することでディーゼル機関10が180°
CA回転するのに要する時間を演算し、その演算値に基
づいて機関回転数NEを演算する。そして、ディーゼル
機関10が始動された後、メモリT451〜T454の
全てに“0”でない数が記憶されるまでは機関回転数N
Eを“0”として検出する。従って、本ステップ614
では、ディーゼル機関10が始動された後、未だメモリ
T451〜T454の全てに“0”でない数が記憶され
ていない場合、すなわち、ディーゼル機関10が始動さ
れた後、未だCNIRQにパルス番号“13”が計数さ
れていない場合にNE=0が成立すると判別される。
【0132】上記ステップ614でNE=0が不成立で
あると判別された場合は、既にNE算出条件不成立期間
が終了していると判断することができる。この場合、以
後、ステップ620の処理が実行される。一方、上記ス
テップ614でNE=0が成立すると判別された場合
は、次にステップ616の処理が実行される。
【0133】ステップ616では、スピル弁126に対
する駆動信号YSPVがオンとされているか否かが判別
される。本ルーチンでは、後述の如く、CNIRQに計
数されるパルス番号が“8”に達する毎にスピル弁12
6に対する駆動信号YSPVがオフからオンに切り換え
られる。このため、ディーゼル機関10が始動された
後、NE算出条件不成立期間が終了する前に8つのパル
ス信号が検出されれば、NE算出条件不成立期間中であ
ってもその時点で駆動信号YSPVはオンとされる。
【0134】上記ステップ616の条件は、このように
NE算出条件不成立期間中に駆動信号YSPVがオンと
された場合に成立する。上記ステップ616の条件が成
立すると判別された場合は、スピル弁126をオフ(開
弁)する時期を設定すべく、次にステップ618の処理
が実行される。一方、上記ステップ616でYSPVが
オンでないと判別された場合は、スピル弁126をオフ
(開弁)する時期を設定する必要がない。このため、か
かる判別がなされた場合は、ステップ618〜626の
処理がジャンプされる。
【0135】ステップ618では、メモリT452の値
が50msec以上であるか否かが判別される。本実施例に
おいて、ディーゼル機関10が始動された後、欠歯条件
を満たす始めてのパルス信号が検出され、更にその後パ
ルス番号が“13”に到達するまでは機関回転数NEを
算出することができない。その間、パルス番号に“1”
が計数された時点でメモリT451に、パルス番号
“5”が計数された時点でメモリT452に、パルス番
号“9”が計数された時点でメモリT453に、また、
パルス番号“13”が計数された時点でメモリT454
に、それぞれ45°CA時間が記憶される。
【0136】ところで、ディーゼル機関10の始動が開
始された後、欠歯条件を満たす最初のパルス信号が検出
されるまでは、CNIRQに計数されるパルス信号とデ
ィーゼル機関10の回転角との関係が適正でない場合が
ある。このため、始動が開始された後、欠歯条件を満た
す最初のパルス信号が検出された後、パルス番号“1”
が計数された時点でメモリT451に記憶される値は正
確に45°CA時間を表していない場合がある。これに
対して、その後パルス番号“5”が計数された時点でメ
モリT452に記憶される値は、常に正確に45°CA
時間に一致する。従って、本実施例においては、メモリ
T452が、4つのメモリT45iのうち、最も早期に
正確な45°CA時間を記憶するメモリとなる。
【0137】上記ステップ618の処理は、ディーゼル
機関10が始動された後、NE算出条件不成立期間が終
了するまでの間に限り実行される。この間にディーゼル
機関10が低速で回転している場合は、T452には5
0msecに比して長い時間が記憶される。この場合、上記
ステップ618の条件は成立すると判別される。一方、
NE算出条件不成立期間中にディーゼル機関10が適正
な速度で回転している場合は、上記ステップ618の条
件が不成立であると判別される。
【0138】NE算出条件不成立期間中に、ディーゼル
機関10が適正な速度で回転している場合は、燃料の全
量噴射を実行するべきではない。従って、かかる判別が
なされた場合は、以後、通常制御のオフ時期に、スピル
弁126の駆動信号YSPVをオンからオフに切り換え
るべきである。このため、上記ステップ618で、T4
52≧50msecが成立すると判別された場合は、次にス
テップ620の処理が実行される。
【0139】一方、ディーゼル機関10が低速で回転し
ている場合は、燃料の全量噴射を実行して始動性を高め
ることが適切である。このため、上記ステップ618
で、T452≧50msecが成立すると判別された場合
は、通常制御のオフ時期をセットするステップ620〜
624の処理がジャンプされる。ステップ620〜62
4の処理がジャンプされると、アウトプットコンペアレ
ジスタにオフ時期がセットされないため、以後、ディー
ゼル機関10の回転角が増しても、スピル弁126に対
する駆動信号YSPVがオン状態からオフ状態に切り換
えられることはない。その結果、ディーゼル機関10に
おいて、燃料の全量噴射が実行される。
【0140】ステップ620及び622では、ECU1
2がリセット復帰された直後であるか否かが判別され
る。そして、ECU12がリセット復帰された直後でな
い場合には、ステップ624でアウトプットコンペアレ
ジスタに終了時期がセットされる。この場合、以後、適
当な時期にスピル弁126がオフ(開弁)される。一
方、ECU12がリセット復帰された直後である場合
は、ステップ624の処理がジャンプされる。
【0141】上述したステップ600〜626の処理が
終了すると、次に図9に示すステップ628以降の処理
が実行される。ステップ628〜652の処理は、上記
図3および図4に示すステップ412〜430、およ
び、ステップ440〜444の処理と同様である。本ル
ーチンでは、これらの処理を実行することで、ディーゼ
ル機関10のクランキング速度が極低速である場合を除
き、CNIRQに計数されたパルス番号が“8”に達す
る毎にスピル弁126に対する駆動信号がオンとされ
る。ステップ652の処理が終了すると今回のルーチン
が終了される。
【0142】ところで、上記図8および図9に示すルー
チンにおいて、ディーゼル機関10が始動された後、始
めてステップ626の処理が実行される際には、TSP
を算出する基礎とすべきTS1〜TS3に適当な値が記
憶されていない。従って、本実施例のシステムを実現す
るためには、TS1〜TS3を用いることなく適正にT
SPを演算し得ることが要求される。
【0143】図10は、上記の機能を実現すべくECU
12が実行する噴射量算出ルーチンの一例のフローチャ
ートを示す。図10に示すルーチンは、所定時間毎に起
動される定時割り込みルーチンである。図10に示すル
ーチンが起動されると、先ずステップ700の処理が実
行される。
【0144】ステップ700では、機関回転数NE、ア
クセル開度等のパラメータに基づいて、ディーゼル機関
10の運転状態に応じた燃料噴射量の指令値が算出され
る。上記の算出処理が終了すると、次にステップ702
の処理が実行される。
【0145】ステップ702では、上記の如く算出され
た燃料噴射量指令値から、CANGと余り角θrとが算
出される。尚、CANGは、上記第1実施例の場合と同
様に、噴射終了回転角θpに対してθp≧11.25*
nなる条件を満たす最も大きなパルス番号nに相当す
る。また、余り角θrは、CANGに対応する回転角と
噴射終了回転角θpとの偏差に相当する。上記の処理が
終了すると、次にステップ704の処理が実行される。
【0146】ステップ704では、TS1〜TS3が
“0”であるか否かが判別される。TS1〜TS3に
は、上記第1実施例の場合と同様に、スピル弁126に
対する駆動信号YSPVがオンからオフに切り換えられ
る毎に、噴射終了回転角θpの直前の11.25°CA
の領域(領域1)、噴射終了回転角θpを含む11.2
5°CAの領域(領域2)、および、噴射終了回転角θ
pの直後の11.25°CAの領域(領域3)をディー
ゼル機関10が回転するのに要する時間が記憶される。
【0147】ディーゼル機関10が始動された後、既に
スピル弁126に対する駆動信号YSPVがオンからオ
フに切り換えられる現象が生じている場合は、上記ステ
ップ704で、TS1〜TS3=0が不成立であると判
別される。この場合、次にステップ706において、上
記第1実施例の場合と同様の手法によりTSPが算出さ
れた後、今回のルーチンが終了される。
【0148】一方、ディーゼル機関10が始動された
後、スピル弁126に対する駆動信号YSPVが未だ一
度もオンからオフに切り換えられていない場合は、上記
ステップ704で、TS1〜TS3=0が成立すると判
別される。この場合、次にステップ708の処理が実行
される。
【0149】ステップ708では、T452の記憶値に
基づいてTSPが算出される。T452には、ディーゼ
ル機関10が、噴射終了回転角θpの直前の45°CA
の領域を回転するのに要する時間が記憶されている。従
って、その記憶値を基礎とすれば、ディーゼル機関10
が噴射終了角θpを通過する際の回転速度を精度良く求
めることができる。このため、本ステップ708では、
その回転速度と、余り角θrとに基づいて、適切にTS
Pを算出することができる。上記の処理が終了すると、
今回のルーチンが終了される。
【0150】図11は、本実施例のシステムにおいて、
スタータスイッチSTAがオンとされた後、ディーゼル
機関10が速やかに始動した際に実現されるタイムチャ
ートを示す。図11(A)はNEパルサ106から出力
されるパルス信号を、図11(B)はスピル弁126に
対する駆動信号を、また、図11(C)は燃料噴射ポン
プ80のプランジャ118のリフト変化を示す。
【0151】スタータスイッチSTAがオンとされた
後、ディーゼル機関10が回転し始めると、カウンタC
NIRQにパルス番号が計数され始める。本実施例にお
いては、CNIRQにパルス番号“8”が計数された時
点でスピル弁126に対する駆動信号YSPVがオンと
される。
【0152】欠歯条件を満たす始めてのパルス信号が検
出された後、パルス番号“1”が計数されると、その時
点で間隔積算値WT45に積算されている値がメモリT
451に代入される。この場合、間隔積算値WT45
に、正確な45°CA時間が積算されていない場合があ
る。従って、欠歯条件を満たすパルス信号が始めて検出
された直後にメモリT451に記憶された値には、誤差
が含まれている可能性がある。
【0153】CNIRQに計数されるパルス番号が
“5”に至ると、その時点で間隔積算値WT45に積算
されている値がメモリT452に代入される。間隔積算
値WT45には、この時点では、正確に45°CA時間
を表す値が積算されている。従って、メモリT452に
は、正確な45°CA時間が記憶される。
【0154】ディーゼル機関10の始動が開始された
後、機関回転数NEが適正に上昇していると、メモリT
452には50msecに比して短い時間が記憶される。こ
のため、かかる状況下では、CNIRQにパルス番号
“5”が計数された後、速やかに通常制御のオフ時期が
設定される。そして、現在時刻がそのオフ時期に到達す
ると、スピル弁126に対する駆動信号YSPVがオン
からオフに切り換えられる。この場合、ディーゼル機関
10には、その始動が開始された後、上記の如く駆動信
号YSPVがオンからオフに切り換えられるまでの間
に、適正な量の燃料が適正な時期に噴射される。従っ
て、本実施例のシステムによれば、ディーゼル機関10
に対して、優れた始動性と優れた排気特性とを付与する
ことができる。
【0155】ディーゼル機関10の始動が開始された
後、機関回転数NEが適正に上昇しない場合、すなわ
ち、ディーゼル機関10の始動の確保が困難である場合
は、ディーゼル機関10が始動された後、NE算出条件
不成立期間中にメモリT452に記憶される値が50ms
ecを超える場合がある。この場合、ECU12は、スピ
ル弁126に対する駆動信号YSPVをオン状態に維持
する。このため、ディーゼル機関10においては、その
始動の確保が困難である場合には、クランキングが開始
された後、速やかに燃料の全量噴射が実行される。従っ
て、本実施例のシステムによれば、始動の確保が困難な
状態にあるディーゼル機関10を、良好に始動させるこ
とができる。
【0156】尚、上記の実施例においては、NEパルサ
106が前記請求項2記載の「回転角検出手段」に相当
すると共に、ECU12が上記ステップ642の処理を
実行することにより前記請求項2記載の「スピル弁閉弁
手段」が、ECU12が上記ステップ612および62
4の処理を実行することにより前記請求項2記載の「ス
ピル弁を開弁手段」が、また、ECU12が上記ステッ
プ616および618の処理を実行することにより前記
請求項2記載の「低回転時開弁禁止手段」および「暫定
機関回転数演算手段」がそれぞれ実現されている。
【0157】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ディーゼル機関の始動が開始された後、スピル弁を
始めて閉弁状態とする処理は、機関回転数が算出された
後速やかに実行することができる。このため、本発明に
係る電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置によれば、
ディーゼル機関に対して優れた始動性を付与することが
できる。
【0158】また、請求項2記載の発明によれば、正確
な機関回転数が算出される前にスピル弁が閉弁された際
には、暫定的な機関回転数を算出して、その算出値に基
づいて、全量噴射を実行すべきか否かを判断することが
できる。このため、本発明に係る電子制御ディーゼル機
関の噴射制御装置によれば、不必要な全量噴射を行うこ
となく、良好な始動性と良好な排気特性とを両立させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のシステム構成図である。
【図2】図1に示すディーゼル機関が備えるロータの正
面図である。
【図3】本発明の第1実施例において実行されるNE割
り込みルーチンの一例のフローチャート(その1)であ
る。
【図4】本発明の第1実施例において実行されるNE割
り込みルーチンの一例のフローチャート(その2)であ
る。
【図5】本発明の第1実施例において実行される定時割
り込みルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施例において適正なクランキン
グ速度が得られた場合に実現されるタイムチャートの一
例である。
【図7】本発明の第1実施例において極低速のクランキ
ング速度が生じた場合に実現されるタイムチャートの一
例である。
【図8】本発明の第2実施例において実行されるNE割
り込みルーチンの一例のフローチャート(その1)であ
る。
【図9】本発明の第2実施例において実行されるNE割
り込みルーチンの一例のフローチャート(その2)であ
る。
【図10】本発明の第2実施例において実行される噴射
量算出ルーチンの一例のフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施例において適正はクランキ
ング速度が得られた場合に実現されるタイムチャートで
ある。
【図12】従来の制御ルーチンの一例のフローチャート
である。
【図13】従来のディーゼル機関において実現されるタ
イムチャートである。
【符号の説明】
10 ディーゼル機関 50 燃料噴射弁 80 燃料噴射ポンプ 94 ロータ 96 有歯領域 96-0〜96-13 歯 98 欠歯領域 100 磁気検出素子 106 NEパルサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/06 375 F02D 1/02 311 F02D 45/00 F02M 41/12 310

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射ポンプの高圧室を閉塞または開
    放するスピル弁と、ディーゼル機関の回転角を検出する
    回転角検出手段と、前記回転角検出手段の検出値が所定
    回転角に到達する毎に前記スピル弁を閉弁状態とするス
    ピル弁閉弁手段と、燃料噴射の終了時期に合わせて前記
    スピル弁を開弁状態とするスピル弁開弁手段と、機関回
    転数が所定回転数に満たない場合に前記スピル弁開弁手
    段により前記スピル弁が開弁状態とされるのを禁止する
    低回転時開弁禁止手段と、を備える電子制御ディーゼル
    機関の噴射制御装置において、 ディーゼル機関の始動が開始された後、機関回転数が算
    出され始めるまでは、前記スピル弁閉弁手段により前記
    スピル弁が閉弁状態とされるのを禁止する算出前閉弁禁
    止手段を備え、 前記算出前閉弁禁止手段による禁止が解除された後、前
    記スピル弁閉弁手段により閉弁される前に前記スピル弁
    を閉弁状態とするスピル弁初回閉弁手段を備えることを
    特徴とする電子制御ディーゼル機関の噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料噴射ポンプの高圧室を閉塞または開
    放するスピル弁と、ディーゼル機関の回転角を検出する
    回転角検出手段と、前記回転角検出手段の検出値が所定
    回転角に到達する毎に前記スピル弁を閉弁状態とするス
    ピル弁閉弁手段と、燃料噴射の終了時期に合わせて前記
    スピル弁を開弁状態とするスピル弁開弁手段と、機関回
    転数が所定回転数に満たない場合に前記スピル弁開弁手
    段により前記スピル弁が開弁状態とされるのを禁止する
    低回転時開弁禁止手段と、を備える電子制御ディーゼル
    機関の噴射制御装置において、 ディーゼル機関の始動が開始された後、機関回転数が算
    出され始めるまでに前記スピル弁閉弁手段により前記ス
    ピル弁が閉弁状態とされた際には、ディーゼル機関が所
    定角回転する際の回転数に基づいて、前記スピル弁開弁
    手段が開弁時期として定める時期に到達する前に、暫定
    的な機関回転数を演算する暫定機関回転数演算手段を備
    えると共に、 前記暫定機関回転数演算手段によって暫定的な機関回転
    数が算出されている場 合は、前記低回転時開弁禁止手段
    が、前記暫定的な機関回転数に基づいてスピル弁の開弁
    の可否を判断することを特徴とする電子制御ディーゼル
    機関の噴射制御装置
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