JPH07279737A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH07279737A
JPH07279737A JP6065283A JP6528394A JPH07279737A JP H07279737 A JPH07279737 A JP H07279737A JP 6065283 A JP6065283 A JP 6065283A JP 6528394 A JP6528394 A JP 6528394A JP H07279737 A JPH07279737 A JP H07279737A
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JP
Japan
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fuel injection
signal
rotation
fuel
time
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Application number
JP6065283A
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English (en)
Inventor
Kanji Kizaki
幹士 木崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は回転センサの出力信号に基づいて電磁
スピル弁の開閉制御を行う内燃機関の燃料噴射制御装置
に関し、始動時におけるスモーク発生及びクランキング
回転数の低下を防止することを目的とする。 【構成】クランクシャフトの回転に対応して回転すると
共に基準位置を検出するため気筒に対応して形成された
欠歯(A2)と所定クランク角毎に形成された複数の突起(A
3)とが形成されたパルサ(A4)と、上記欠歯(A2)及び突起
(A3)の通過を検知することにより回転信号を出力する発
電式センサ(A5)とにより構成される回転検出手段(A6)
と、少なくとも回転検出手段(A6)より出力される回転信
号に基づき電磁スピル弁(A7)の開閉制御を行い燃料噴射
を実行する燃料噴射制御手段(A8)とを具備しており、上
記パルサ(A4)に形成された欠歯(A2)の形成位置を上記ク
ランクシャフトの回転速度最大位置近傍に配置したこと
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料噴射制御
装置に係り、特に回転センサの出力信号に基づいて電磁
スピル弁の開閉制御を行う内燃機関の燃料噴射制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より燃料噴射装置のひとつとして、
エンジン回転に応じて所定のクランク角度で回転信号を
出力する発電式(いわゆる、電磁ピックアップ式)の回
転センサを備えたものがある。この種の回転センサは磁
束の変化を検出する原理であるため、低速回転時にはセ
ンサ内の検出コイルの起電力が小さくなる欠点がある。
従って、例えば低温時やバッテリ電圧低下時にエンジン
を始動した場合、その回転が著しく低くなって回転セン
サからの回転信号が検出できず、回転信号に応じた燃料
噴射制御が実行されずに始動不能になってしまう問題点
が考えられる。
【0003】そこで、その対策として、例えば特開昭6
1−258951号公報に開示されいるように、燃料噴
射制御が電磁スピル弁を用いて実行される場合におい
て、始動時には回転信号とは関係なく常時電磁スピル弁
をオン状態とし、燃料を常時噴射状態とすることにより
問題解決を図る方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
制御方法では、始動時に電磁スピル弁を常時閉弁して燃
料ポンプ能力の最大限噴射を行っていたため、燃料噴射
量が過多となる場合が殆どであった。
【0005】このように、燃料噴射量が過多となると、
始動時におけるスモークが大となり、またポンプ駆動ト
ルクも過大となるためクランキング回転数が低下し、最
悪の場合には始動不能を引き起こしてしまうという問題
点があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、欠歯位置をクランクシャフトの回転速度最大位置
近傍に設け低回転領域においても欠歯検出を行いうるよ
う構成することにより、始動時における燃料噴射量制御
の精度を向上し始動不良や黒煙の発生を防止した内燃機
関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。
【0008】同図に示されるように、上記課題を解決す
るために本発明では、内燃機関(A1)に設けられたクラン
クシャフトの回転に対応して回転すると共に基準位置を
検出するため気筒に対応して形成された欠歯(A2)と所定
クランク角毎に形成された複数の突起(A3)とが形成され
たパルサ(A4)と、このパルサ(A4)と対向配設されており
上記欠歯(A2)及び突起(A3)の通過を検知することにより
回転信号を出力する発電式センサ(A5)とにより構成され
る回転検出手段(A6)と、少なくとも上記回転検出手段(A
6)より出力される回転信号に基づき電磁スピル弁(A7)の
開閉制御を行い燃料噴射を実行する燃料噴射制御手段(A
8)とを具備しており、上記パルサ(A4)に形成された欠歯
(A2)の形成位置を上記クランクシャフトの回転速度最大
位置近傍に配置したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】例えば始動時のような機関回転数が低い運転状
態においては、上死点近傍において更にクランクシャフ
トの回転速度は低下してしまい、発電式センサ(A5)から
出力される信号のレベルが低下して回転検出手段(A6)が
回転信号を出力できなくなってしまう。
【0010】また、燃料噴射制御手段(A8)は回転検出手
段(A6)から出力される回転信号より欠歯位置を検出し、
この欠歯位置を絶対基準としてスピル弁(A7)の駆動制御
を行う。このため、回転検出手段(A6)が回転信号を出力
できなくなると絶対基準となる欠歯位置の検出ができな
くなり、よって燃料噴射量制御が不能となってしまう。
【0011】上記の現象は発電式センサ(A5)の特性に起
因して発生する。即ち、発電式センサ(A5)は被検出体と
なるパルサ(A4)の回転速度に比例した出力レベルの信号
を出力する構成とされている。よって、クランクシャフ
トの回転速度が速くなり、これに伴いパルサ(A4)の回転
速度が速くなると発電式センサ(A5)は高い出力レベルの
信号を出力するが、クランクシャフトの回転速度が遅く
なり、これに伴いパルサ(A4)の回転速度が遅くなると発
電式センサ(A5)は高い出力レベルの信号を出力する。
【0012】そこで、パルサ(A4)に形成された欠歯(A2)
の形成位置を上記クランクシャフトの回転速度最大位置
近傍に配置することにより、始動時のようなクランクシ
ャフトの回転速度が遅い領域においても、変動する回転
速度の最も速い位置近傍に欠歯の形成位置が設定されて
いるため、燃料噴射量制御の絶対基準となる欠歯(A2)の
検出を行うことができる。このように、始動時等のクラ
ンクシャフトの回転速度が遅い領域であっても燃料噴射
量制御の絶対基準となる欠歯(A2)の検出を行うとができ
ることにより、始動時における燃料噴射量制御の精度を
向上させることが可能となり、始動不良や黒煙の発生を
防止することができる。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0014】図2はこの実施例における過給機付ディー
ゼルエンジンの燃料噴射制御装置を示す概略構成図であ
り、図3はその分配型燃料噴射ポンプ1を示す断面図で
ある。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2のクラ
ンクシャフト40にタイミングベルト等を介して駆動連
結されたドライブプーリ3を備えている。そして、その
ドライブプーリ3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆
動され、ディーゼルエンジン2の各気筒(この場合は4
気筒)毎に設けられた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送
されて燃料噴射を行う。
【0015】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、ベーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。
【0016】更に、ドライブシャフト5の基端側には円
板状のパルサ7が取付けられている。従って、このパル
サ7はドライブシャフト5,ドライブプーリ3等を介し
てクランクシャフト40に接続された構成とされてお
り、クランクシャフト40の回転に同期して回転する構
成となっている。また、ドライブシャフト5の基端部
は、図示しないカップリングを介してカムプレート8に
接続されている。
【0017】ここで、図5にパルサ7を拡大して示す。
このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2の気
筒数と同数の、即ち本実施例の場合4個の欠歯7aが等
角度間隔で形成され、更に各欠歯7aの間にはクランク
角度にして、例えば 7.5°CA毎に突起(歯)7bが等
角度間隔で形成されている。
【0018】また、前記のようにドライブシャフト5は
クランクシャフト40の回転に同期して回転する構成と
されているが、本実施例においては、パルサ7に形成さ
れた欠歯7aの形成位置をクランクシャフト40の回転
速度最大位置近傍に配置したことを特徴とする。即ち、
クランクシャフト40の回転速度は常に変動のない滑ら
かな安定した回転を行っているわけではなく、各気筒の
工程(吸気,圧縮,爆発,排気)に応じて変動してい
る。本実施例においては、この変動するクランクシャフ
ト40の回転速度が最高速度となった状態において、各
欠歯7aが後述する回転数センサ35と略対抗するよう
その形成位置を設定したことを特徴とするものである。
【0019】上記の如く欠歯7aの形成位置をクランク
シャフト40の回転速度最大位置近傍に配置方法として
は、クランクシャフト40の回転速度が最大となるクラ
ンクアングルはTDC(上死点)+90°CA近傍であ
るため、このクランクシャフト40の回転速度が最大と
なった状態におけるドライブシャフト5の回転位置(以
下、この回転位置を最高速度回転角度という)において
欠歯7aが回転数センサ35と略対抗するようドライブ
シャフト5にパルサ7を固定する。
【0020】このようにパルサ7をドライブシャフト5
に取り付けることにより、クランクシャフト40の回転
速度が最大となった状態において回転数センサ35から
欠歯7aの存在を示す回転信号を出力させることができ
る。
【0021】尚、図5には図示の便宜上、隣接された欠
歯7a間に配設された突起7bの数は11歯として描か
れているが、実際のパルサ7には突起7bが21歯形成
されている。
【0022】図1に戻り説明を続ける。パルサ7とカム
プレート8との間には、ローラリング9が設けられ、同
ローラリング9の円周に沿ってカムプレート8のカムフ
ェイス8aに対向する複数のカムローラ10が取付けら
れている。カムフェイス8aはディーゼルエンジン2の
気筒数と同数だけ設けられている。又、カムプレート8
はスプリング11によって常にカムローラ10に付勢係
合されている。
【0023】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、よってカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5の
回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達さ
れることにより、カムプレート8が回転しながらカムロ
ーラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中左右方向へ
往復駆動される。又、この往復運動に伴ってプランジャ
12が回転しながら同方向へ往復駆動される。
【0024】つまり、カムプレート8のカムフェイス8
aがローラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程
でプランジャ12が往動(リフト)され、その逆にカム
フェイス8aがカムローラ10を乗り下げる過程でプラ
ンジャ12が復動される。
【0025】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17が形成されている。又、それら吸入溝16
及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13
には分配通路18及び吸入ポート19が形成されてい
る。
【0026】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。又、プランジャ12が復動
されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝1
6の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料
室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0027】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整する溢流調
整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。この
電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無
通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室1
5内の燃料が燃料室21へスピルされる。又、コイル2
4が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖さ
れて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止め
られる。
【0028】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調量が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。又、プランジャ12の往動中に、電磁スピル
弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射ノズル4からの燃料噴射量が制御される。
【0029】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を調整するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレー
ト8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更するため
のものである。
【0030】このタイマ装置26は油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピスト
ン28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリ
ング31等とから構成されている。そして、タイマピス
トン28はスライドピン32を介してローラリング9に
接続されている。
【0031】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。又、タイマピストン
28の位置が決定されることにより、ローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0032】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコン
トロールバルブ33が設けられている。即ち、タイマハ
ウジング27の加圧室30と低圧室29とは連通路34
によって連通されており、同連通路34の途中にタイミ
ングコントロールバルブ33が設けられている。このタ
イミングコントロールバルブ33は、デューティ制御さ
れた通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同
タイミングコントロールバルブ33の開閉制御によって
加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃
料圧力調整によって、プランジャ12のリフトタイミン
グが制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期
が調整される。
【0033】ローラリング9の上部には、図2,図3に
加え図5に示す如く、電磁ピックアップコイルよりなる
エンジン回転検出手段としての回転数センサ35がパル
サ7の外周面に対向して取付けられている。この回転数
センサ35は、パルサ7の欠歯7a或いは突起7bが横
切る際に変化する磁束の変化を検出してエンジン回転数
NEに相当するタイミング信号(即ち所定のクランク角
度毎の回転角度信号としてのエンジン回転パルス)、及
び欠歯信号を出力する。また、この回転数センサ35
は、ローラリング9と一体であるため、タイマ装置26
の制御動作に関わりなく、プランジャリフトに対して一
定のタイミングで基準となるタイミング信号を出力す
る。
【0034】上記の回転数センサ35は電磁ピックアッ
プ式であるため、低回転時にはセンサ内の検出コイルの
起電力が小さくなり、エンジン回転パルスが出力できな
くなる。特に始動時においては、エンジン回転数が低い
上に、かつクランクシャフト40の回転には各気筒にお
ける工程の状態に応じて回転変動(脈動)が発生してい
るため、回転変動に伴いエンジン回転数が低下した場合
には回転数センサ35はエンジン回転パルスを全く出力
できなくなる。
【0035】しかるに上記したように、本実施例におい
ては、パルサ7に形成された欠歯7aの形成位置をクラ
ンクシャフト40の回転速度最大位置近傍に配置した構
成としているため欠歯信号を検出することができ、よっ
て始動時においても燃料噴射量制御を確実に実行するこ
とができる。尚、この点については説明の便宜上後述す
る。
【0036】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。このディーゼルエンジン2ではシリンダ41、ピ
ストン42及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に
対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。又、
それら各主燃焼室44が、同じく各気筒毎に対応して設
けられた副燃料室45に連設されている。そして、各副
燃焼室45に各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が
供給される。又、各副燃焼室45には、始動補助装置と
しての周知のグロープラグ46がそれぞれ取付けらてい
る。
【0037】クランクシャフト40にはスタータモータ
37が接続しうる構成とされており、始動時においてス
タータモータ37は駆動されると共にクランクシャフト
40と接続されてモータ回転力によりクランクシャフト
40を強制的に回転付勢する構成とされている。また、
始動時以外においてはクランクシャフト40とスタータ
モータ37との接続は解除され、スタータモータ37に
よりクランクシャフト40の回転負荷が増大するのを防
止する構成とされている。このスタータモータ37はイ
グニションスイッチ78を操作することによりバッテリ
38を電源として起動する構成とされている。尚、ディ
ーゼルエンジン2の停止時にもイグニションスイッチ7
8は操作される。 また、ディーゼルエンジン2には吸
気管47及び排気管50がそれぞれ設けられ、その吸気
管47には過給機を構成するターボチャージャ48のコ
ンプレッサ49が設けられ、排気管50にはターボチャ
ージ48のタービン51が設けられている。又、排気管
50には、過給圧力PIMを調節するウェイストゲート
バルブ52が設けられている。
【0038】周知のようにこのターボチャージャ48
は、排気ガスのエネルギーを利用してタービン51を回
転させ、その同軸上にあるコンプレンサ49を回転させ
て吸入空気を昇圧させる。これによって、密度の高い混
合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に燃焼さ
せ、ディーゼルエンジン2の出力を増大させるようにな
っている。
【0039】また、ディーゼルエンジン2には、排気管
50内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還
流させる還流管54が設けられている。そして、その還
流管54の途中には排気の還流量を調節するエキゾース
トガスリサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55
が設けられている。このEGRバルブ55はバキューム
スイッチングバルブ(VSV)56の制御によって開閉
制御される。
【0040】更に、吸気管47の途中には、アクセルペ
ダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバル
ブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ5
8に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路
59にはバイパス絞り弁60が設けられている。
【0041】このバイパス絞り弁60は、二つのVSV
61,62の制御によって駆動される二段のダイヤフラ
ム室を有するアクチュエータ63によって開閉制御され
る。このバイパス絞り弁60は各種運転状態に応じて開
閉制御されるものである。例えば、アイドル運転時には
騒音振動等の低減のために半開状態に制御され、通常運
転時には全開状態に制御され、更に運転停止時には円滑
な停止のために全閉状態に制御される。
【0042】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及び各VSV56,61,62は電子制御装置(以
下単に「ECU」という)71にそれぞれ電気的に接続
され,、同ECU71によってそれらの駆動タイミング
が制御される。
【0043】運転状態を検出するセンサとしては、回転
数センサ35に加えて以下の各種センサが設けられてい
る。即ち、吸気管47にはエアクリーナ64の近傍にお
ける吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設け
られている。又、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセル開度センサ73が設けら
れている。吸入ポート53の近傍には、ターボチャージ
ャ48によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過給
圧力PIMを検出する吸気圧センサ74が設けられてい
る。また、バッテリ38にはバッテリ電圧(B)を検出
するバッテリ電圧センサ39が接続されており、バッテ
リ電圧(B)の変化を検出できる構成とされている。
【0044】更に、ディーゼルエンジン2の冷却水温T
HWを検出する水温センサ75、ディーゼルエンジン2
のクランクシャフト40の回転基準位置(例えば特定気
筒の上死点)に対するクランクシャフト40の回転位置
を検出するクランク角センサ76、図示しないトランス
ミッションに設けられトランスミッション内のギアの回
転によって回されるマグネット77aによりリードスイ
ッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPを
検出する車速センサ77等が設けられている。
【0045】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜77、及び回転数センサ35,バッテリ電圧セン
サ39が夫々接続される。又、ECU71は各センサ3
5,39,72〜77から出力される信号に基づいて、
電磁スピル弁23、タイミングコントロールバルブ3
3、グロープラグ46及びVSV56,61,62等を
好適に制御する。
【0046】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84、所定のクロッ
ク信号を生成するクロック92等と、これら各部と入力
ポート85及び出力ポート86等とをバス87によって
接続した論理演算回路として構成されている。
【0047】入力ポート85には、前述したバッテリ電
圧センサ39、吸気温センサ72、アクセル角度センサ
73、吸気圧センサ74及び水温センサ75が、各バッ
ファ80,88〜91、マルチプレクサ93及びA/D
変換器94を介して接続されている。同じく、入力ポー
ト85には、前述した回転数センサ35、クランク角セ
ンサ76及び車速センサ77が、波形整形回路95を介
して接続されている。また、イグニションスイッチ78
も入力ポート85に接続されている。
【0048】上記のCPU81は入力ポート85を介し
て入力される各センサ35,39,72〜77等の検出
信号を入力値として読み込む。また、出力ポート86に
は各駆動回路96〜101を介して電磁スピル弁23、
タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ46
及びVSV56,61,62等が接続されている。
【0049】そして、CPUI81は各センサ35,3
9,72〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁ス
ピル弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロ
ープラグ46及びVSV56,61,62等を好適に制
御する。尚、前記した燃料噴射制御手段(A8)は、上記E
CU71が実行するソフトウェアプログラムとして構成
される。
【0050】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射制御処理について図6乃至図9を用いて説明
する。尚、本実施例においては4気筒のディーゼルエン
ジン2を例に挙げて説明しているが、以下の説明におい
ては説明の便宜上、4つある気筒の内一つの気筒におけ
る燃料噴射制御を例に挙げて説明する。
【0051】図6及び図7に示すフローチャートは、E
CU71により実行される燃料噴射制御処理を示してお
り、また図8は燃料噴射量制御において用いられるマッ
プを示している。更に図9(A)はクランクシャフト4
0の瞬時回転数(瞬時NE)、(B)は回転数センサ3
5から出力されるエンジン回転数信号(NE信号)、
(C)は電磁スピル弁23の駆動信号を夫々示すタイミ
ングチャートである。先ず、図9を用いて本実施例の基
本的な原理について説明する。
【0052】前記したように始動時においてはエンジン
回転数は低くまたその回転変動は大きいものとなる。図
9(A)に示されるように、エンジン回転数の瞬時NE
の回転変動は湾曲状波形が繰り返される変動となる。い
ま、仮に回転数センサ35の検出限界が55rpmであ
ったとすると(図中、NELIMIT と示す)、エンジン回
転数がこの検出限界NELIMIT より以下となっている時
間(図中、矢印t1,t2で示す時間)においては図9
(B)に示されるようにエンジン回転数信号(NE信
号)は出力されなくなる。
【0053】一方、欠歯信号は燃料噴射量制御において
絶対基準となるものであり、欠歯7aがエンジン回転数
信号の検出不可領域に形成された場合には欠歯信号が検
出できなくなり、電磁スピル弁23の開弁位置及び閉弁
位置を決定することができず燃料噴射量制御ができなく
なってしまう。このため、従来においてはNE信号が検
出されない始動時においても始動性の向上を図るため、
始動時において全量噴射を行うことが行われていた。し
かるに、始動時において全量噴射を行うと、始動不良や
黒煙の発生の原因となることは前記した通りである。
【0054】ここで、エンジン回転数の回転変動に注目
すると、始動時においては図9(A)に実線で示される
ようにエンジン回転数の瞬時NEの回転変動は湾曲波形
状が気筒に対応してが繰り返される変動となる。また、
エンジン回転数が低下してくると、瞬時NEの回転変動
は上記湾曲状波形を維持しつつ全体的に低下する特性を
示す。即ち、エンジン回転数が低下してくると、図9
(A)に実線で示す特性から一点鎖線で示す特性に変化
する。
【0055】このように、エンジン回転数が低下してく
ると、エンジン回転数信号の検出不可領域が増大してし
まい、実線で示すエンジン回転数が比較的高い場合にお
いてはエンジン回転数信号(NE信号)の出力されない
時間がt1, t2であったものが、一点鎖線で示すエン
ジン回転数が低い場合にはNE信号が出力されない時間
はt’1, t’2と長くなってしまう(t1<t’1,
t2<t’2)。
【0056】従って、燃料噴射量制御において絶対基準
となる欠歯信号は、エンジン回転数が変動してもNE信
号の出力可能な領域に形成することが重要となる。この
エンジン回転数が変動してもNE信号の出力可能な領域
とは、図9(A)から明らかなように湾曲波形状の最上
点である。よって、瞬時NEの回転変動の最高ピークと
なる点、換言すればクランクシャフト40の回転速度最
大位置に欠歯7aを配置することにより、エンジン回転
数が低い状態下においても欠歯信号を出力させることが
できる。
【0057】図9(A)に示す例では、矢印t0で示す
位置が瞬時NEの回転変動の最高ピーク(クランクシャ
フト40の回転速度最大位置)であり、この位置に対応
するパルサ7の所定位置に欠歯7aが形成されている。
従って、図9(B)に示されるように、欠歯信号(図中
矢印Aで示す)は瞬時NEの回転変動の最高ピークで出
力されている。
【0058】このように、欠歯7aの形成位置をクラン
クシャフト40の回転速度最大位置に配置することによ
り、始動時のようなクランクシャフト40の回転速度が
遅い領域においても、変動する回転速度の最も速い位置
近傍に欠歯7aの形成位置が設定されているため、燃料
噴射量制御の絶対基準となる欠歯7aの検出を行うこと
ができる。よって、始動時等のクランクシャフト40の
回転速度が遅い領域であっても、始動時燃料噴射量制御
の精度を向上させることが可能となり、始動不良や黒煙
の発生を防止することができる。
【0059】尚、欠歯7aの形成位置は瞬時NEの回転
変動の最高ピーク位置に高精度に形成する必要はなく、
上記最高ピーク位置から若干量ずれた位置に形成した構
成としてもよい。ここで、若干量とは突起7bの1歯分
のクランクアングル(本実施例では±7.5°CA)を
言う。
【0060】これは、欠歯7aは突起7bにして約3歯
分にわたり歯を欠いた構成とされておりその幅を有し、
かつ上記の最高ピーク位置もディーゼルエンジン2の運
転状態によって若干変化するものであるため、高精度に
欠歯7aの形成位置を最高ピーク位置に一致させても、
これにより燃料噴射量制御の精度向上がさほど望めない
からである。
【0061】続いて、上記してきた本実施例の基本的原
理に基づき、ECU71が実行する燃料噴射制御処理に
ついて、図6及び図7に示すフローチャートを用いて説
明する。
【0062】図6に示すのは欠歯判断処理であり、回転
数センサ35からエンジン回転数信号(NE信号)が入
力される毎にECU71で実行される。同図に示す処理
が起動すると、先ずステップ10においてNE信号No
カウンタCNIRQをゼロリセットする(CNIRQ=
0)。ここでNE信号NoカウンタCNIRQとは、欠
歯信号がECU71に供給された後、NE信号が入力さ
れる毎にインクリメントされるカウンタであり、図9
(B)に示す数字がこれに該当する。
【0063】続くステップ11では、前回の割り込み処
理の時間と今回の割り込み処理の時間とにより、NE信
号間隔TNINT(i)を算出する。よって仮に今回の
割り込み処理がNE信号の5パルス目の処理であった場
合、図9(B)に矢印TNINT(5)で示す時間がN
E信号間隔となる。ステップ10で演算された今回の割
り込み処理のNE信号間隔TNINT(i)は、ECU
71内のRAM83内に格納される。
【0064】続くステップ12では、前回の割り込み処
理において演算されたNE信号間隔TNINT(i−
1)をRAM83から読み出し、このNE信号間隔TN
INT(i−1)が所定値より大きい否かが判断され
る。本実施例ではこの所定値を15ms(約83rp
m)に設定している。
【0065】このステップ12で前回のNE信号間隔T
NINT(i−1)が所定値を越えているか否かを検出
するのは、ディーゼルエンジン2の運転状態が欠歯検出
を行いうる状態であるかどうかを判断するためである。
即ち、ディーゼルエンジン2が低回転となると回転数セ
ンサ35からエンジン回転数信号が出力されなくなりN
E信号間隔TNINTは長くなる。逆に、ディーゼルエ
ンジン2のエンジン回転数が増大するとこれに伴いNE
信号間隔TNINTは短くなる。上記の所定値は、回転
数センサ35がエンジン回転数信号を出力しうる限界の
エンジン回転数におけるNE信号間隔時間が設定されて
いる。
【0066】従って、前回のNE信号間隔TNINT
(i−1)が所定値を越えている場合は、ディーゼルエ
ンジン2のエンジン回転数は、回転数センサ35がエン
ジン回転数信号を出力しうる限界のエンジン回転数以下
となっている場合である。よって、ステップ12で肯定
判断がされた場合は欠歯判断も行うことができないた
め、ステップ14以降の欠歯判断を行うことなく欠歯判
断処理を終了する構成とした。
【0067】一方、ステップ12で否定判断がされ場合
には、欠歯判断が可能な機関状態であるため、処理はス
テップ14に進む。ステップ14では、前回のNE信号
間隔TNINT(i−1)を3倍した値が今回の割り込
み処理におけるNE信号間隔TNINT(i)よりも大
きいか否かが判断される。前記したように、欠歯7aは
突起7bにして約3歯分にわたり突起7b(歯)を欠い
た構成とされている。よって、図9(B)に示されるよ
うに、NE検出信号パルスが約3歯分出力されない信号
状態を欠歯検出信号として欠歯7aの検出を行ってい
る。
【0068】そこでステップ14においては、今回のN
E信号間隔TNINT(i)が前回のNE信号間隔TN
INT(i−1)を3倍した値よりも大きい場合には、
ECU71は欠歯7aが検出されたと判断する。そし
て、ECU71はこの欠歯7aが検出された位置を基準
として燃料噴射量制御処理を実行する。
【0069】一方、ステップ14において今回のNE信
号間隔TNINT(i)が前回のNE信号間隔TNIN
T(i−1)を3倍した値よりも小さいと判断された場
合には、処理はステップ18に進み、NE信号Noカウ
ンタCNIRQを1カウントだけインクリメントした後
に処理を終了する。上記した一連の欠歯判断処理を実行
することにより、燃料噴射量制御において絶対基準とな
る欠歯7aをNE信号NoカウンタCNIRQの値がゼ
ロ(CNIRQ=0)となったことにより検知すること
ができる。
【0070】また上記した一連の欠歯判断処理におい
て、欠歯7aの形成位置はクランクシャフト40の回転
速度最大位置に配置されている。このため、始動時のよ
うなクランクシャフト40の回転速度が遅い領域におい
ても欠歯7aの検出を確実に行うことが可能となる。
【0071】更に、前記したステップ12においては、
ディーゼルエンジン2の運転状態が欠歯7aの検出を行
い得る運転状態か否かを判断し、欠歯7aの検出を行い
得る状態である時のみステップ14,16の欠歯判断を
行う構成とされている。よって、この構成によっても欠
歯7aの検出を確実に行うことができる。
【0072】このように、低回転領域においても欠歯7
aの検出を高精度に行うことが可能となることにより、
始動時等のクランクシャフト40の回転速度が遅い領域
であっても、始動時燃料噴射量制御の精度を向上させる
ことが可能となり、始動不良や黒煙の発生を防止するこ
とができる。
【0073】続いて、図7を用いて燃料噴射量制御につ
いて説明する。図7に示すのは燃料噴射量制御処理であ
り、前記した欠歯判断処理と同様に回転数センサ35か
らエンジン回転数信号(NE信号)が入力される毎にE
CU71で実行されるものである。
【0074】同図に示す処理が起動すると、先ずステッ
プ20において、回転数センサ35から出力されるエン
ジン回転数信号に基づき、エンジン回転数(NE)が1
20rpmを越えているか否かが判断される。ステップ
20で肯定判断がされた状態はエンジン回転数(NE)
が120rpmを越えた状態であり、回転数センサ35
から出力されるエンジン回転数信号に基づき確実に欠歯
7a及び突起7bの検出を確実に検出できる機関状態で
ある。よって、ステップ20で肯定判断がされた場合
は、処理はステップ30に進み、通常の電磁スピル弁2
3の制御処理を行う構成とした。
【0075】一方、ステップ20で否定判断がされた場
合はエンジン回転数(NE)が低く、よって欠歯7a及
び突起7bの検出がされるかどうか不確実な状態である
か、或いは全く欠歯7a及び突起7bの検出ができない
状態である。従って、ステップ20で否定判断がされた
場合には処理はステップ22に進み、機関状態が欠歯7
aの検出を行いうる状態か否かを判断する。
【0076】ステップ22で実行される欠歯7aの検出
処理は、図6のステップ10或いはステップ18により
求められるNE信号NoカウンタCNIRQがゼロであ
るかどうかにより判断することができる。そして、NE
信号NoカウンタCNIRQがゼロでない場合(CNI
RQ≠0)は欠歯7aの検出はできないと判断し、また
NE信号NoカウンタCNIRQがゼロである場合(C
NIRQ=0)は欠歯7aの検出は可能であると判断す
る。
【0077】そして、ステップ22で否定判断がされた
場合、即ち欠歯7aの検出ができないと判断された場合
には、処理はステップ32に進み、従来と同様に全量噴
射を行う構成とした。このように、欠歯7aの検出がで
きない場合に全量噴射を行う構成としたのは次の理由に
よる。即ち、欠歯検出は燃料噴射量制御において絶対基
準となるものであるため、欠歯7aが検出不可である場
合には電磁スピル弁23の開弁位置及び閉弁位置を決定
することができず燃料噴射量制御ができなくなってしま
う。しかるに、このような燃料噴射量制御が不能な領域
であっても、全量噴射を行うことによりスモーク発生等
の問題はあるものの始動性を向上できるためである。
【0078】一方、ステップ22で肯定判断がされた場
合、即ち欠歯7aの検出が可能であると判断された場合
には、処理はステップ24に進む。ステップ24では、
欠歯判断処理のステップ10で求めた今回のNE信号間
隔TNINTと、同じくステップ16,18で求めたN
E信号NoカウンタCNIRQとにより電磁スピル弁2
3をOFFするスピル弁OFFタイミング時間TSPを
演算する。
【0079】このスピル弁OFFタイミング時間TSP
は、図8に示されるNE信号間隔TNINTとNE信号
NoカウンタCNIRQとの2元マップにより求める。
同図に示す2元マップは予め実験により求められている
ものであり、ECU71のROM82に格納されてい
る。
【0080】また、上記のスピル弁OFFタイミング時
間TSPを決定するパラメータであるNE信号間隔TN
INT及びNE信号NoカウンタCNIRQは、共にN
E信号が入力される毎にその値が変化するため、スピル
弁OFFタイミング時間TSPもNE信号が入力される
毎にその値が更新される構成となっている。また、スピ
ル弁OFFタイミング時間TSPは、NE信号が入力さ
れた時刻より電磁スピル弁23をOFFするまでの時間
とされている。
【0081】従って、仮にNE信号間隔TNINTがT
NINT=10msで等間隔となっていた場合を想定す
ると、図8及び図9よりCNIRQ=6の時はTSP=
50msとなり、CNIRQ=7の時はTSP=40m
sとなり、以下順次NE信号NoカウンタCNIRQが
増大するほどスピル弁OFFタイミング時間TSPは小
さくなる。これは、電磁スピル弁23をOFFする時刻
は決まっているため、NE信号NoカウンタCNIRQ
が増大するほどスピル弁OFFタイミング時間TSPは
小さくなるためである(図9参照)。
【0082】上記のように、スピル弁OFFタイミング
時間TSPをNE信号が入力される毎に更新する構成と
することにより、図9に時間t1,t2で示すNE信号
検出不能領域に電磁スピル弁23をOFFする時刻(図
9(C)に矢印TOFF で示す)が存在する場合であって
も、NE信号検出不能領域に入る直前のNE信号Noカ
ウンタ(図9に示す例ではCNIRQ=9)及びNE信
号間隔(図9に示す例ではTNINT=9)に基づきス
ピル弁OFFタイミング時間(本実施例の場合ではTS
P=20ms)は演算される。
【0083】このように、決定されたスピル弁OFFタ
イミング時間TSPは、NE信号検出不能領域に入る直
前のNE信号NoカウンタCNIRQ及びNE信号間隔
TNINTに基づいて演算されるため、最新の機関状態
を反映しており電磁スピル弁23をOFFする時刻T
OFF を高精度に設定することができ、これによっても燃
料噴射量の適正化を図ることができ、始動不良の発生及
びスモークの発生等を防止することができる。
【0084】図7に戻って燃料噴射量制御の説明を続け
る。ステップ24でスピル弁OFFタイミング時間TS
Pが演算されると、続くステップ26で今回のNE信号
NoカウンタCNIRQがゼロ(CNIRQ=0)であ
るか否かが判断される。前記したように、CNIRQ=
0と判断された状態は欠歯検出が行われた状態である。
本実施例においては、この欠歯検出された時刻を電磁ス
ピル弁23をONする時刻(図9(C)に矢印TONで示
す)としている。従って、ステップ26でCNIRQ=
0と判断された場合は、処理をステップ28に進め電磁
スピル弁23をONし燃料噴射を開始する構成としてい
る。
【0085】一方、ステップ26で否定判断がされた状
態は欠歯ではない状態であり、この場合には処理をステ
ップ34に進め、前記したステップ24で求められたス
ピル弁OFFタイミング時間TSPに基づき電磁スピル
弁23のOFF制御を行う構成としている。よって、前
記のようにディーゼルエンジン2のエンジン回転数が低
下してNE信号検出不能領域となっても、ステップ34
の処理により電磁スピル弁23を電磁スピル弁23をO
FFする所定時刻TOFF で確実に電磁スピル弁23をO
FFすることができる。
【0086】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、始動時であ
っても欠歯の検出を行うことが可能となり、始動時にお
ける燃料噴射量制御の精度の向上を図れるため、スモー
クの低減及びクランキングトルクの低下防止等を図るこ
とができる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である過給付ディーゼルエン
ジンの燃料噴射量制御装置を説明する概略構成図であ
る。
【図3】本発明の一実施例における燃料噴射ポンプを拡
大して示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるECUの構成を示す
ブロック図である。
【図5】パルサ近傍を拡大して示す図である。
【図6】ECUにより実行される燃料噴射制御処理を示
すフローチャートである。
【図7】ECUにより実行される燃料噴射制御処理を示
すフローチャートである。
【図8】燃料噴射制御処理を実行する際に用いるマップ
を示す図である。
【図9】本実施例の制御原理を説明するためのタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 2 ディーゼルエンジン 4 燃料噴射ノズル 6 燃料フィードポンプ 7 パルサ 7a 欠歯 7b 突起 8 カムプレート 9 ローラリング 10 カムローラ 12 燃料加圧用プランジャ 21 燃焼室 22 スピル通路 23 電磁スピル弁 26 タイマ装置 35 回転数センサ 37 スタータモータ 38 バッテリ 39 バッテリ電圧センサ 40 クランクシャフト 41 シリンダ 42 ピストン 48 ターボチャージャ 57 アクセルペダル 58 スロットルバルブ 71 ECU 73 アクセル開度センサ 76 クランク角センサ 81 CPU 82 ROM 83 RAM

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に設けられたクランクシャフト
    の回転に対応して回転すると共に基準位置を検出するた
    め気筒に対応して形成された欠歯と所定クランク角毎に
    形成された複数の突起とが形成されたパルサと、該パル
    サと対向配設されており該欠歯及び該突起の通過を検知
    することにより回転信号を出力する発電式センサとによ
    り構成される回転検出手段と、 少なくとも該回転検出手段より出力される回転信号に基
    づき電磁スピル弁の開閉制御を行い燃料噴射を実行する
    燃料噴射制御手段とを具備しており、 該パルサに形成された該欠歯の形成位置を該クランクシ
    ャフトの回転速度最大位置近傍に配置したことを特徴と
    する内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP6065283A 1994-04-01 1994-04-01 内燃機関の燃料噴射制御装置 Pending JPH07279737A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001023740A1 (de) * 1999-09-30 2001-04-05 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzpumpe
KR100373053B1 (ko) * 2000-12-05 2003-02-15 현대자동차주식회사 디젤 엔진의 시동 연료량 보상 제어방법

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WO2001023740A1 (de) * 1999-09-30 2001-04-05 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzpumpe
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