JPH0533714A - デイーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

デイーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置

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JPH0533714A
JPH0533714A JP19038591A JP19038591A JPH0533714A JP H0533714 A JPH0533714 A JP H0533714A JP 19038591 A JP19038591 A JP 19038591A JP 19038591 A JP19038591 A JP 19038591A JP H0533714 A JPH0533714 A JP H0533714A
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pulse
spill
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fuel
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジン回転変動の影響を受けることなく燃料
噴射量制御の精度を向上させる。 【構成】目標スピル時期までのエンジン回転パルスの数
(スピル時期パルス数CANGLa)とその1パルス分
に満たない余り角度θREMの時間換算値とから決定さ
れる時刻タイミングにより燃料噴射ポンプの電磁スピル
弁を開かせて所要の燃料噴射量を得る。ここで、ディー
ゼルエンジンの前回の爆発行程直後に瞬時回転速度が低
下する今回のカウント周期における所定期間で、その瞬
時回転速度の変化を曲線近似する。そして、その曲線近
似された瞬時回転速度の変化に基づき、今回の余り角度
θREMの時間換算のために使用される1パルス分の所
要時間を予測して求める。これにより、エンジン回転変
動の影響を受けることなく、該当する1パルス分の所要
時間が高精度に求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車に適用
されるディーゼルエンジンに係り、詳しくは燃料溢流式
の燃料噴射ポンプを備えてその燃料噴射ポンプにおける
燃料の溢流を電子制御することにより噴射量制御を行う
燃料噴射量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプにおいては、そのプランジャのリフトに応
じて得られる燃料噴射量が目標値になるように、例えば
電磁スピル弁等を制御してスピルポートを開放させるよ
うにしている。これにより、プランジャ高圧室からの燃
料を燃料室へ溢流(スピル)させ、燃料の圧送終わり、
即ち燃料噴射の終了を制御し、所要の燃料噴射量を得る
ようにしている。
【0003】このような電磁スピル弁では、通常、プラ
ンジャのリフトに同期し、且つ一定のポンプ回転角度毎
に入力される信号、例えばエンジン回転パルスと平均エ
ンジン回転速度とにより目標スピル角度を時間換算して
目標スピル時期を決定し、その目標スピル時期に基づい
て電磁スピル弁をオン・オフ制御するようにしている。
【0004】例えば、特開昭62−267547号公報
に開示された技術では、その時々の運転状態に応じて決
定される燃料噴射量を得るべく、噴射終了時期に相当す
る目標スピル時期に電磁スピル弁によりスピルポートを
開放させている。ここで、目標スピル時期を決定するに
は、一定のクランク角毎に得られるエンジン回転パルス
に基づき、そのエンジン回転パルスのある基準位置から
目標スピル角度までのパルスカウント数と1パルス分に
満たない余り角度を求める。そして、その余り角度につ
いては、前回のスピル時期を含む1パルス分の所要時間
(スピル時パルス時間)に基づいて時間換算するように
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来公
報の技術では、エンジンの回転変動が大きい場合に、上
記のスピル時パルス時間の差が大きくなる。例えば、今
回の目標スピル時期周辺の瞬時回転速度が、前回のスピ
ル時期周辺のそれに比べて落ち込むような場合には、今
回のスピル時パルス時間が前回のスピル時パルス時間に
比べて長くなる。従って、そのような回転変動の大きい
状態で求められた前回のスピル時パルス時間にに基づい
て余り角度を時間換算した場合には、その時間換算の誤
差が非常に大きくなり、燃料噴射量制御の精度が悪化す
るおそれがあった。又、燃料噴射量制御の精度悪化に起
因して、エンジンの回転変動を更に誘発させて出力低下
を招来するというおそれもあった。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、エンジン回転変動の影響を
受けることなく燃料噴射量制御の精度を向上させること
の可能なディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明においては、図1に示すように、ディーゼ
ルエンジンM1の回転に連動して往復駆動されるプラン
ジャM2により高圧室M3にて加圧される燃料をディー
ゼルエンジンM1へ圧送して噴射する燃料噴射ポンプM
4と、その燃料噴射ポンプM4からの燃料噴射量を調整
すべく、高圧室M3での燃料加圧を終了させるために開
かれて高圧室M3からの燃料の溢流を調整する溢流調整
弁M5と、ディーゼルエンジンM1の運転状態に応じて
決定される燃料噴射量を得るべく、その噴射終了時期に
相当する目標溢流時期を演算する溢流時期演算手段M6
と、ディーゼルエンジンM1の一定クランク角度毎にエ
ンジン回転パルスを検出すると共に、そのエンジン回転
パルス毎の瞬時回転速度を検出するエンジン回転検出手
段M7と、そのエンジン回転検出手段M7により順次に
検出されるエンジン回転パルスに基づき、そのエンジン
回転パルスのある基準位置から溢流時期演算手段M6に
より演算される目標溢流時期までのエンジン回転パルス
のカウント数とその1パルス分に満たない余り角度を演
算する余り角度演算手段M8と、その余り角度演算手段
M8により演算される余り角度を1パルス分の所要時間
に基づいて時間換算する角度時間換算手段M9と、高圧
室M3からの燃料の溢流を実行すべく、余り角度演算手
段M8により演算される目標溢流時期までのエンジン回
転パルスのカウント数と角度時間換算手段M9による余
り角度の時間換算値とから決定される時刻タイミングに
より溢流調整弁M5を開かせる溢流調整実行手段M10
とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置に
おいて、ディーゼルエンジンM1の前回の爆発行程直後
に瞬時回転速度が低下する所定期間で、エンジン回転検
出手段M7により検出される瞬時回転速度の変化を曲線
近似する速度変化近似手段M11と、その速度変化近似
手段M11により曲線近似された瞬時回転速度の変化に
基づき、角度時間換算手段M9にて時間換算のために使
用されるべき今回の目標溢流時期に対応する1パルス分
の所要時間を予測するパルス所要時間予測手段M12と
を備えている。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、ディ
ーゼルエンジンM1の回転に連動してプランジャM2が
往復駆動されることにより、高圧室M3にて加圧される
燃料がディーゼルエンジンM1へ圧送されて噴射され
る。このとき、溢流調整弁M5が開かれることにより、
高圧室M3から燃料が溢流されて高圧室M3での燃料加
圧が終了され、燃料噴射ポンプM4からの燃料噴射量が
調整される。
【0009】そして、ディーゼルエンジンM1の運転中
に、溢流時期演算手段M6はその運転状態に応じて決定
される燃料噴射量を得るべく、噴射終了時期に相当する
目標溢流時期を演算する。又、エンジン回転検出手段M
7は、ディーゼルエンジンM1の一定クランク角度毎に
エンジン回転パルスを検出すると共に、そのエンジン回
転パルス毎の瞬時回転速度を検出する。更に、余り角度
演算手段M8は、エンジン回転検出手段M7により順次
に検出されるエンジン回転パルスに基づき、そのエンジ
ン回転パルスのある基準位置から溢流時期演算手段M6
により演算される目標溢流時期までのエンジン回転パル
スのカウント数とその1パルス分に満たない余り角度を
演算する。又、角度時間換算手段M9は、余り角度演算
手段M8により演算される余り角度を1パルス分の所要
時間に基づいて時間換算する。そして、溢流調整実行手
段M10は、余り角度演算手段M8により演算される目
標溢流時期までのエンジン回転パルスのカウント数と角
度時間換算手段M9による余り角度の時間換算値とから
決定される時刻タイミングにより溢流調整弁M5を開か
せ、これによって高圧室M3からの燃料の溢流が行われ
る。
【0010】ここで、速度変化近似手段M11は、ディ
ーゼルエンジンM1の前回の爆発行程直後に瞬時回転速
度が低下する所定期間で、エンジン回転検出手段M7に
より検出される瞬時回転速度の変化を曲線近似する。
又、パルス所要時間予測手段M12は、その曲線近似さ
れた瞬時回転速度の変化に基づき今回の目標溢流時期に
対応する1パルス分の所要時間を予測する。従って、エ
ンジン回転変動の影響を受けることなく目標とする1パ
ルス分の所要時間が求められ、その所要時間が角度時間
換算手段M9にて余り角度の時間換算のために使用され
る。
【0011】
【実施例】以下、この発明におけるディーゼルエンジン
の燃料噴射量制御装置を自動車に具体化した一実施例を
図2〜図12に基づいて詳細に説明する。
【0012】図2はこの実施例における過給機付ディー
ゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を示す概略構成図で
あり、図3はその分配型燃料噴射ポンプ1を示す断面図
である。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2のク
ランク軸40にベルト等を介して駆動連結されたドライ
ブプーリ3を備えている。そして、そのドライブプーリ
3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、ディー
ゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)毎に設け
られた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴射
を行う。
【0013】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、べーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。更に、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2
の気筒数と同数の、即ちこの場合4個の切歯が等角度間
隔で形成され、更に各切歯の間には14個ずつ(合計で
56個)の突起が等角度間隔で形成されている。そし
て、ドライブシャフト5の基端部は図示しないカップリ
ングを介してカムプレート8に接続されている。
【0014】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿
ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数
のカムローラ10が取付けられている。カムフェイス8
aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ設けられ
ている。又、カムプレート8はスプリング11によって
常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0015】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、それらカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5の
回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達さ
れることにより、カムプレート8が回転しながらカムロ
ーラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中左右方向へ
往復駆動される。又、この往復運動に伴ってプランジャ
12が回転しながら同方向へ往復駆動される。つまり、
カムプレート8のカムフェイス8aがローラリング9の
カムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往
動(リフト)され、その逆にカムフェイス8aがカムロ
ーラ10を乗り下げる過程でプランジャ12が復動され
る。
【0016】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17が形成されている。又、それら吸入溝16
及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13
には分配通路18及び吸入ポート19が形成さている。
【0017】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。又、プランジャ12が復動
されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝1
6の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料
室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0018】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整する溢流調
整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。この
電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無
通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室1
5内の燃料が燃料室21へスピルされる。又、コイル2
4が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖さ
れて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止め
られる。
【0019】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調量が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。又、プランジャ12の往動中に、電磁スピル
弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射ノズル4からの燃料噴射量が制御される。
【0020】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を調整するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレー
ト8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更するため
のものである。
【0021】このタイマ装置26は油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピスト
ン28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリ
ング31等とから構成されている。そして、タイマピス
トン28はスライドピン32を介してローラリング9に
接続されている。
【0022】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。又、タイマピストン
28の位置が決定されることにより、ローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0023】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコン
トロールバルブ33が設けられている。即ち、タイマハ
ウジング27の加圧室30と低圧室29とは連通路34
によって連通されており、同連通路34の途中にタイミ
ングコントロールバルブ33が設けられている。このタ
イミングコントロールバルブ33は、デューティ制御さ
れた通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同
タイミングコントロールバルブ33の開閉制御によって
加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃
料圧力調整によって、プランジャ12のリフトタイミン
グが制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期
が調整される。
【0024】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるエンジン回転検出手段としての回転
数センサ35がパルサ7の外周面に対向して取付けられ
ている。この回転数センサ35はパルサ7の突起等が横
切る際に、それらの通過を検出してエンジン回転数NE
に相当するタイミング信号、即ち所定のクランク角度
(11.25°CA)毎の回転角度信号としてのエンジ
ン回転パルスを出力する。又、この回転数センサ35
は、そのエンジン回転パルス毎の瞬時回転速度を検出す
る。更に、この回転数センサ35は、ローラリング9と
一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関わりな
く、プランジャリフトに対して一定のタイミングで基準
となるタイミング信号を出力する。
【0025】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。このディーゼルエンジン2ではシリンダ41、ピ
ストン42及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に
対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。又、
それら各主燃焼室44が、同じく各気筒毎に対応して設
けられた副燃焼室45に連設されている。そして、各副
燃焼室45に各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が
供給される。又、各副燃焼室45には、始動補助装置と
しての周知のグロープラグ46がそれぞれ取付けられて
いる。
【0026】ディーゼルエンジン2には、吸気管47及
び排気管50がそれぞれ設けられ、その吸気管47には
過給機を構成するターボチャージャ48のコップレッサ
49が設けられ、排気管50にはターボチャージャ48
のタービン51が設けられている。又、排気管50に
は、過給圧力PiMを調節するウェイストゲートバルブ
52が設けられている。周知のようにこのターボチャー
ジャー48は、排気ガスのエネルギーを利用してタービ
ン51を回転させ、その同軸上にあるコンプレッサ49
を回転させて吸入空気を昇圧させる。これによって、密
度の高い混合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量
に燃焼させ、ディーゼルエンジン2の出力を増大させる
ようになっている。
【0027】又、ディーゼルエンジン2には、排気管5
0内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還流
させる還流管54が設けられている。そして、その還流
管54の途中には排気の還流量を調節するエキゾースト
ガスリサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55が
設けられている。このEGRバルブ55はバキュームス
イッチングバルブ(VSV)56の制御によって開閉制
御される。
【0028】更に、吸気管47の途中には、アクセルペ
ダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバル
ブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ5
8に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路
59にはバイパス絞り弁60が設けられている。このバ
イパス絞り弁60は、二つのVSV61,62の制御に
よって駆動される二段のダイヤフラム室を有するアクチ
ュエータ63によって開閉制御される。このバイパス絞
り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御されるもので
ある。例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減の
ために半開状態に制御され、通常運転時には全開状態に
制御され、更に運転停止時には円滑な停止のために全閉
状態に制御される。
【0029】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及び各VSV56,61,62は溢流時期演算手
段、余り角度演算手段、角度時間換算手段、溢流調整実
行手段、速度変化近似手段及びパルス所要時間予測手段
を構成する電子制御装置(以下単に「ECU」という)
71にそれぞれ電気的に接続され、同ECU71によっ
てそれらの駆動タイミングが制御される。
【0030】運転状態を検出するセンサとしては、回転
数センサ35に加えて以下の各種センサが設けられてい
る。即ち、吸気管47にはエアクリーナ64の近傍にお
ける吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設け
られている。又、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセル開度センサ73が設けら
れている。吸入ポート53の近傍には、ターボチャージ
ャ48によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過給
圧力PiMを検出する吸気圧センサ74が設けられてい
る。更に、ディーゼルエンジン2の冷却水温THWを検
出する水温センサ75が設けられている。又、ディーゼ
ルエンジン2のクランク軸40の回転基準位置、例えば
特定気筒の上死点に対するクランク軸40の回転位置を
検出するクランク角センサ76が設けられている。更に
又、図示しないトランスミッションには、そのギアの回
転によって回されるマグネット77aによりリードスイ
ッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPを
検出する車速センサ77が設けられている。
【0031】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜77がそれぞれ接続されると共に回転数センサ3
5が接続されている。又、ECU71は各センサ35,
72〜77から出力される信号に基づいて、電磁スピル
弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロープ
ラグ46及びVSV56,61,62等を好適に制御す
る。
【0032】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等と、これら各
部と入力ポート85及び出力ポート86等とをバス87
によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0033】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74及
び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,9
1、マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して
接続されている。同じく、入力ポート85には、前述し
た回転数センサ35、クランク角センサ76及び車速セ
ンサ77が、波形整形回路95を介して接続されてい
る。そして、CPU81は入力ポート85を介して入力
される各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値
として読み込む。又、出力ポート86には各駆動回路9
6,97,98,99,100,101を介して電磁ス
ピル弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロ
ープラグ46及びVSV56,61,62等が接続され
ている。
【0034】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及びVSV56,61,62等を好適に制御する。
【0035】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射量制御の処理動作について図5〜図12に従
って説明する。図5〜図7のフローチャートはECU7
1により実行される各処理のうち、回転数センサ35か
ら入力されるエンジン回転数NEのエンジン回転パルス
の立ち上がりで割り込まれるNE割込みルーチンを示し
ている。
【0036】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、エンジン回転パルスをカウント
するパルスカウンタCNIRQの数が「0」であるか否
かを判断する。この実施例では、パルスカウンタCNI
RQにより「0〜12」の数が周期的にカウントされ、
そのカウント周期毎に各回の燃料噴射量制御の処理が実
行される。そして、ステップ101において、パルスカ
ウンタCNIRQの数が「0」でない場合には、そのま
まステップ103へ移行する。
【0037】又、ステップ101において、パルスカウ
ンタCNIRQの数が「0」である場合には、ステップ
102において、前回のカウント周期で求められたパル
ス時間TNINTの最大値としての最大パルス時間TM
AXを「0」にリセットし、その後ステップ103へ移
行する。ここで、パルス時間TNINTとは、エンジン
回転パルスの1パルス分に相当するクランク角度(1
1.25°CA)だけ進むのに要する時間である。
【0038】ステップ101又はステップ102から移
行してステップ103においては、今回の制御周期にお
けるパルスカウンタCNIRQの数に対応するパルス時
間TNINTを求め、その時間をパルス時間配列TNI
NT(i)で順次記憶する。即ち、図8に示すように、
パルスカウンタCNIRQの数が「0〜12」と変わる
順に、求められるパルス時間TNINTを順次にRAM
83に記憶させるのである。ここで、各パルス時間TN
INTの大きさの逆数が瞬間回転速度の大きさに相当す
ることになる。
【0039】その後、ステップ104において、最終ス
ピル角(最終噴射量)QFINに位相補正電圧VRPを
加算してスピル開角度ANGSPVを算出する。ここ
で、最終噴射量QFINは、別途のメインルーチンによ
りエンジン回転数NE、アクセル開度ACCP及び冷却
水温THW等に基づいて算出される値である。
【0040】続いて、ステップ105において、その求
められたスピル開角度ANGSPVより、以下の計算式
(1)に従い、図9に示すようにスピル時期パルス数C
ANGLa及び余り角度θREMを算出する。
【0041】 ANGSPV=11.25×CANGLa+θREM …(1) その後、ステップ106においては、今回求められたス
ピル時期パルス数CANGLaと前回のカウント周期で
求められた最低瞬時回転速度となるパルス数(最低速パ
ルス数)CBOTMとを比較し、そのスピル時期パルス
数CANGLaが最低速パルス数CBOTM以下である
か否かを判断する。
【0042】ここで、ステップ106において、今回の
スピル時期パルス数CANGLaが前回の最低速パルス
数CBOTM以下である場合には、今回のスピル時期パ
ルス数CANGLaが前回の瞬時回転速度変化の変曲点
を越えていないものとして、ステップ107へ移行す
る。そして、同ステップ107において、今回のカウン
ト周期におけるパルスカウンタCNIRQの「0」か
ら、今回のカウント周期におけるスピル時期パルス数C
ANGLaより一つ前の数までの各パルス時間TNIN
Tの値に基づき、図8に破線で示すように今回の瞬時回
転速度の変化を最小自乗曲線により近似する。そして、
その瞬時回転速度変化の近似結果に基づき、今回のカウ
ント周期におけるスピル時期パルス数CANGLaより
一つ後の数におけるパルス時間TNINTを算出し、そ
の算出結果をスピル時パルス時間TS1125aとして
設定する。即ち瞬時回転速度変化の予測変曲点における
スピル時パルス時間TS1125aを設定するのであ
る。その処理の後、ステップ111へ移行する。
【0043】一方、ステップ106において、今回のス
ピル時期パルス数CANGLaが前回の最低速パルス数
CBOTM以下でない場合には、今回のスピル時期パル
ス数CANGLaが前回の瞬時回転速度変化の変曲点を
越えたものとして、ステップ108へ移行する。そし
て、同ステップ108においては、今回のスピル時期パ
ルス数CANGLaより二つ前の数におけるパルス時間
TNINTの値を、今回の変曲点前パルス時間TNIN
TKとして設定する。即ち、瞬時回転速度変化の予測変
曲点よりも一つ前の時間を、パルス時間TNINTとし
て設定する。
【0044】次に、ステップ109において、ディーゼ
ルエンジン2の爆発行程での爆発力の回転上昇補正係数
KFIREを算出する。即ち、今回求められたスピル開
角度ANGSPVと前回求められたスピル開角度ANG
SPVとしての前回スピル開角度ANGBとの差から、
先ず図10のマップを参照して仮回転上昇補正係数KF
IREAを求める。次に、その仮回転上昇補正係数KF
IREA、実噴射時期ACTCA、前回の実噴射時期A
CTB及び爆発時のエンジン回転数NEFIRを用い、
以下の計算式(2)に従い回転上昇補正係数KFIRE
を算出する。
【0045】 KFIRE=1−{KFIREA+0.1×(ACTCA−ACTB)} ×(2400−NEFIR)/2000 …(2) ここで、実噴射時期ACTCAは実際の噴射時期を示す
値であり、別途のメインルーチンにおいて、回転数セン
サ35によるエンジン回転数パルスの検出タイミング
と、クランク角センサ76によるクランク軸40の所定
回転位置の示す基準位置信号の検出タイミングとの位相
差に基づいて求められる。又、爆発時のエンジン回転数
NEFIRはその時のエンジン回転数NEに応じて一義
的に定められる値であり、エンジン回転数NEが「24
00rpm」よりも大きい場合には「2400rpm」
に、エンジン回転数NEが「400rpm」よりも小さ
い場合には「400rpm」にそれぞれ定められる。
【0046】その後、ステップ110において、前回の
変曲点後パルス時間TNINTA、前回の変曲点前パル
ス時間TNINTB、今回の変曲点前パルス時間TNI
NTK及び回転上昇補正係数KFIREにより、以下の
計算式(3)に従って今回のスピル時パルス時間TS1
125aを算出する。その後、ステップ111へ移行す
る。
【0047】 TS1125a=TNINTK×(TNINTA/TNINTB) ×KFIRE…(3) ステップ107又はステップ110から移行してステッ
プ111においては、今回のスピル時期パルス数CAN
GLaより一つ前の数でのパルス時間TNINTの値
を、スピル時期前パルス時間TS1125bとして設定
する。
【0048】その後、ステップ112において、スピル
時パルス時間TS1125a及び余り角度θREMよ
り、以下の計算式(4)に従い角度時間換算を行ってス
ピル時刻TSPONaを算出する。
【0049】 TSPONa=(θREM/11.25)×TS1125a …(4) 続いて、ステップ113において、ECU71による演
算処理速度を考慮し、多重割込みによる遅れを防止する
ために、スピル時刻TSPONaが所定の「88μs」
よりも小さいか否かを判断する。ここで、スピル時刻T
SPONaが所定の「88μs」よりも小さい場合に
は、ステップ114において、図11に示すように、ス
ピル時刻TSPONaにスピル時期前パルス時間TS1
125bを加算した結果を最終スピル時刻TSPONと
して設定する。又、ステップ115において、スピル時
期パルス数CANGLaから「1」だけ減算した結果を
最終スピル時期パルス数CANGLとして設定し、ステ
ップ118へ移行する。
【0050】一方、ステップ113において、スピル時
刻TSPONaが所定の「88μs」以上である場合に
は、ステップ116において、図12に示すように、ス
ピル時刻TSPONaをそのまま最終スピル時刻TSP
ONとして設定する。又、ステップ117において、ス
ピル時期パルス数CANGLaをそのまま最終スピル時
期パルス数CANGLとして設定し、ステップ118へ
移行する。
【0051】そして、ステップ115又はステップ11
7から移行してステップ118においては、設定された
最終スピル時期パルス数CANGL及び最終スピル時刻
TSPONに基づき、電磁スピル弁23をオフさせて、
燃料噴射ポンプ1からの燃料噴射の終了時期、即ち燃料
噴射量を制御する。その後、ステップ119へ移行す
る。
【0052】ステップ119においては、今回のパルス
時間TNINTが前回のカウント周期における最大パル
ス時間TMAX以上であるか否かを判断する。ここで、
そのパルス時間TNINTが最大パルス時間TMAX以
上でない場合には、そのままステップ122へ移行す
る。又、パルス時間TNINTが最大パルス時間TMA
X以上である場合には、ステップ120において、次回
のカウント周期の演算で用いるために、今回のパルス時
間TNINTを最大パルス時間TMAXとして設定す
る。
【0053】その後、ステップ121において、今回の
パルスカウンタCNIRQの数を今回のカウント周期に
おける仮最低速パルス数CBOTMaとして設定し、そ
の後ステップ122へ移行する。
【0054】そして、ステップ119又はステップ12
1から移行してステップ122においては、今回のパル
スカウンタCNIRQの数が「12」であるか否かを判
断する。ここで、パルスカウンタCNIRQの数が「1
2」でない場合には、そのままステップ126へ移行す
る。又、そのパルスカウンタCNIRQが「12」であ
る場合には、ステップ123において、次回のカウント
周期の演算で用いるために、仮最低速パルス数CBOT
Maの数より一つ後の数におけるパルス時間TNINT
(CBOTMa+1)を変曲点後パルス時間TNINT
Aとして設定する。
【0055】又、ステップ124において、同じく次回
のカウント周期の演算で用いるために、仮最低速パルス
数CBOTMaの数より一つ前の数におけるパルス時間
TNINT(CBOTMa−1)を変曲点前パルス時間
TNINTBとして設定する。
【0056】更に、ステップ125において、同じく次
回のカウント周期の演算で用いるために、仮最低速パル
ス数CBOTMaを次回のカウント周期の演算で用いる
ために最低速パルス数CBOTMとして設定した後、ス
テップ126へ移行する。
【0057】ステップ122又はステップ125から移
行してステップ126においては、今回のパルスカウン
タCNIRQの数が最終スピル時期パルス数CANGL
で、かつ電磁スピル弁23がオフされたか否かを判断す
る。ここで、上記の判断が否定である場合には、そのま
まその後の処理を一旦終了する。又、上記の判断が肯定
である場合には、ステップ127において、次回のカウ
ント周期で演算に用いるために、今回のカウント周期で
求められたスピル開角度ANGSPVを前回スピル開角
度ANGBとして設定する。
【0058】そして、ステップ128において、今回の
実噴射時期ACTCAを前回の実噴射時期ACTBとし
て設定し、その後の処理を一旦終了する。以上説明した
ようにしてディーゼルエンジン2の燃料噴射量制御が実
行される。そして、この実施例では、余り角度θREM
を時間換算するために使用される1パルス分の所要時間
をより正確に予測して設定している。即ち、今回のスピ
ル時期パルス数CANGLaが前回の最低速パルス数C
BOTMと同じかそれよりも小さい場合には、図8に破
線で示すように、今回のカウント周期におけるパルスカ
ウンタCNIRQの「0」から、今回のカウント周期に
おけるスピル時期パルス数CANGLaより一つ前の数
までの各パルス時間TNINTの値に基づき、今回の瞬
時回転速度の変化を最小自乗曲線により近似する。又、
その瞬時回転速度変化の近似結果に基づき、今回のカウ
ント周期におけるスピル時期パルス数CANGLaより
一つ後の数におけるパルス時間TNINTを算出し、そ
の算出結果をスピル時パルス時間TS1125aとして
いる。つまり、今回のカウント周期における瞬時回転速
度の変化からその変化の成り行きを曲線近似し、その曲
線近似から今回のスピル時パルス時間TS1125aを
予測している。
【0059】従って、この場合には、ディーゼルエンジ
ン2の回転変動に起因して、今回の目標スピル時期周辺
での瞬時回転速度が前回のスピル時期周辺のそれに比べ
て大きく落ち込むような状態でも、その瞬時回転速度変
化の曲線近似により、目標スピル時期周辺でのスピル時
パルス時間TS1125aをより高精度に予測して求め
ることができる。そして、その高精度に予測されたスピ
ル時パルス時間TS1125aに基づいて余り角度を時
間換算していることから、より高精度なスピル時刻TS
PONaを求めることができる。そして、高精度なスピ
ル時刻TSPONaを使用して燃料噴射量制御を実行し
ていることから、ディーゼルエンジン2に回転変動が生
じても、その回転変動の影響を受けることなく燃料噴射
量制御を精度良く行うことができ、燃料噴射量制御の精
度を向上させることができる。又、燃料噴射量制御の精
度を向上できることから、エンジン回転変動の誘発を未
然に防止してディーゼルエンジン2の出力低下を抑える
こともできる。
【0060】一方、今回のスピル時期パルス数CANG
Laが前回の最低速パルス数CBOTMより大きくなっ
た場合には、今回のスピル時期パルス数CANGLaよ
り二つ前の数におけるパルス時間TNINTの値を、今
回の変曲点前パルス時間TNINTKとして設定する。
又、爆発行程での爆発力による回転上昇補正係数KFI
REを算出する。そして、今回の変曲点前パルス時間T
NINTKに、回転上昇補正係数KFIREと、前回の
変曲点前パルス時間TNINTBに対する前回の変曲点
後パルス時間TNINTAの比を掛け算した結果を今回
のスピル時パルス時間TS1125aとして設定しい
る。つまり、前回と今回の爆発力の差によりスピル時パ
ルス時間TS1125aを補正している。
【0061】従って、この場合には、ディーゼルエンジ
ン2の回転変動の影響が補償されることになり、もって
スピル時パルス時間TS1125aをより高精度に予測
して求めることができる。そして、その高精度に予測さ
れたスピル時パルス時間TS1125aに基づいて余り
角度を時間換算していることから、より高精度なスピル
時刻TSPONaを求めることができる。そして、高精
度なスピル時刻TSPONaを使用して燃料噴射量制御
を実行していることから、ディーゼルエンジン2に回転
変動が生じても、その回転変動の影響を受けることなく
燃料噴射量制御を精度良く行うことができ、燃料噴射量
制御の精度を向上させることができる。更には、エンジ
ン回転変動の誘発を未然に防止してディーゼルエンジン
2の出力低下を抑えることもできる。
【0062】又、この実施例では、上記のようにエンジ
ン回転変動の影響を受けることなく燃料噴射量制御を実
行している。そのため、ノーマルフライホイールやフラ
イホイールダンパー等のように回転変動に差のある機構
を採用した異なるディーゼルエンジンの間で制御される
燃料噴射量に差が生じることはなく、噴射量制御のため
に同一の噴射量指令値を用いても差し支えがない。
【0063】更に、フライホイールダンパーをディーゼ
ルエンジンに採用した場合には、エンジン回転数の整数
倍に比例しないエンジン回転変動が生じる。しかし、こ
の場合でも、本実施例によれば、エンジン回転変動に影
響されることなく、燃料噴射量制御を高精度に行うこと
ができるので、エンジン回転変動の増大を抑えることが
できる。その結果、極低速領域でのドライバビリティを
改善することもできる。
【0064】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、今回の瞬時回転速度の変化を最
小自乗曲線により近似するために、今回のカウント周期
におけるパルスカウンタCNIRQの「0」から、今回
のカウント周期におけるスピル時期パルス数CANGL
aより一つ前の数までの各パルス時間TNINTの値を
使用しているが、それら全てのパルス時間TNINTの
値を使用することなく、その中から適宜に選択した複数
の値を使用してもよい。
【0065】(2)前記実施例では、過給機付のディー
ゼルエンジン2に具体化して説明したが、過給機を持た
ないディーゼルエンジンに具体化することもできる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、目標溢流(スピル)時期までのエンジン回転パルス
のカウント数とその1パルス分に満たない余り角度の時
間換算値とから決定される時刻タイミングにより燃料噴
射ポンプの溢流調整弁を開かせて所要の燃料噴射量を得
るようにしたディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
において、今回の余り角度の時間換算のために使用され
る1パルス分の所要時間を、ディーゼルエンジンの前回
の爆発行程直後に瞬時回転速度が低下する所定期間で、
その瞬時回転速度の変化を曲線近似してその曲線近似さ
れた瞬時回転速度の変化に基づいて予測しているので、
エンジン回転変動の影響を受けることなく目標とする1
パルス分の所要時間を高精度に求めることができて余り
角度の時間換算を高精度に行うことができ、もって燃料
噴射量制御の精度を向上させることができるという優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概念構成図である。
【図2】この発明を具体化した一実施例における過給付
ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を説明する概
略構成図である。
【図3】一実施例における燃料噴射ポンプを示す断面図
である。
【図4】一実施例におけるECUの構成を示すブロック
図である。
【図5】一実施例においてECUにより実行され、エン
ジン回転パルスの立ち上がりで割り込まれるNE割込み
ルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】一実施例においてECUにより実行されるNE
割込みルーチンの続きを説明するフローチャートであ
る。
【図7】一実施例においてECUにより実行されるNE
割込みルーチンの続きを説明するフローチャートであ
る。
【図8】一実施例において瞬時回転速度の変化に対する
スピル時パルス時間の求め方を説明する説明図である。
【図9】一実施例においてスピル時期パルス数と余り角
度等の求め方を説明するタイムチャートである。
【図10】一実施例においてスピル開角度と前回スピル
開角度との差に対する回転上昇補正係数の関係を予め定
めたマップを示す図である。
【図11】一実施例においてスピル時刻が88μsより
も小さい場合のエンジン回転パルスと電磁スピル弁作動
との対応関係、最終スピル時期パルス数及び最終スピル
時刻等を説明するタイムチャートである。
【図12】一実施例においてスピル時刻が88μs以上
の場合のエンジン回転パルスと電磁スピル弁の作動との
対応関係、最終スピル時期パルス数及び最終スピル時刻
等を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…ディーゼルエンジン、12…
プランジャ、15…高圧室、23…溢流調整弁としての
電磁スピル弁、35…エンジン回転検出手段としての回
転数センサ、71…溢流時期演算手段、余り角度演算手
段、角度時間換算手段、溢流調整実行手段、速度変化近
似手段及びパルス所要時間予測手段を構成するECU、
TS1125a…スピル時パルス時間、θREM…余り
角度。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ディーゼルエンジンの回転に連動して往
    復駆動されるプランジャにより高圧室にて加圧される燃
    料をディーゼルエンジンへ圧送して噴射する燃料噴射ポ
    ンプと、 前記燃料噴射ポンプからの燃料噴射量を調整すべく、前
    記高圧室での燃料加圧を終了させるために開かれて前記
    高圧室からの燃料の溢流を調整する溢流調整弁と、 前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて決定される
    燃料噴射量を得るべく、その噴射終了時期に相当する目
    標溢流時期を演算する溢流時期演算手段と、 前記ディーゼルエンジンの一定クランク角度毎にエンジ
    ン回転パルスを検出すると共に、そのエンジン回転パル
    ス毎の瞬時回転速度を検出するエンジン回転検出手段
    と、 前記エンジン回転検出手段により順次に検出されるエン
    ジン回転パルスに基づき、そのエンジン回転パルスのあ
    る基準位置から前記溢流時期演算手段により演算される
    目標溢流時期までのエンジン回転パルスのカウント数と
    その1パルス分に満たない余り角度を演算する余り角度
    演算手段と、 前記余り角度演算手段により演算される余り角度を1パ
    ルス分の所要時間に基づいて時間換算する角度時間換算
    手段と、 前記高圧室からの燃料の溢流を実行すべく、前記余り角
    度演算手段により演算される前記目標溢流時期までのエ
    ンジン回転パルスのカウント数と前記角度時間換算手段
    による余り角度の時間換算値とから決定される時刻タイ
    ミングにより前記溢流調整弁を開かせる溢流調整実行手
    段とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
    において、 前記ディーゼルエンジンの前回の爆発行程直後に前記瞬
    時回転速度が低下する所定期間で、前記エンジン回転検
    出手段により検出される瞬時回転速度の変化を曲線近似
    する速度変化近似手段と、 前記速度変化近似手段により曲線近似された瞬時回転速
    度の変化に基づき、前記角度時間換算手段にて時間換算
    のために使用されるべき今回の目標溢流時期に対応する
    1パルス分の所要時間を予測するパルス所要時間予測手
    段とを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃
    料噴射量制御装置。
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