JP3027907B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

Info

Publication number
JP3027907B2
JP3027907B2 JP6086642A JP8664294A JP3027907B2 JP 3027907 B2 JP3027907 B2 JP 3027907B2 JP 6086642 A JP6086642 A JP 6086642A JP 8664294 A JP8664294 A JP 8664294A JP 3027907 B2 JP3027907 B2 JP 3027907B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
fuel
internal combustion
combustion engine
plunger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6086642A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07293308A (ja
Inventor
幹士 木崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP6086642A priority Critical patent/JP3027907B2/ja
Publication of JPH07293308A publication Critical patent/JPH07293308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3027907B2 publication Critical patent/JP3027907B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射制
御装置に係り、特にディーゼル機関の燃料噴射装置に好
適な内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼル機関の燃料噴射装
置として、例えば特開平2−37153号公報に開示さ
れるように、プランジャの往復動により燃料の圧送を図
る燃料噴射ポンプと、該燃料噴射ポンプの高圧室と所定
の低圧室との導通状態を制御するスピル弁とを用い、燃
料を噴射する際の送油率を可変とした装置が知られてい
る。
【0003】すなわち、上記公報に開示される装置にお
けるプランジャは、そのストローク量が大きくなるにつ
れて変位速度が増すようにカム駆動されている。従っ
て、プランジャによって単位時間当たりに圧送される燃
料の量、すなわちプランジャの燃料圧送能力は、プラン
ジャのストローク量が大きいほど多量となる。
【0004】ところで、燃料噴射ポンプの高圧室に連通
するスピル弁が開弁している場合、高圧室の内圧は低圧
室に開放されることとなり、プランジャの変位に関わら
ずその内圧が昇圧することはなく、従って燃料噴射ポン
プから燃料が噴射されることはない。
【0005】一方、プランジャの往動過程においてスピ
ル弁が開弁状態から閉弁状態に変化すると、その後高圧
室の内圧は昇圧することになり、従って燃料噴射ポンプ
から、プランジャの燃料圧送能力に応じた送油率で燃料
が噴射されることになる。
【0006】つまり、上記公報に開示された装置におい
ては、スピル弁が閉弁している場合にのみ燃料噴射が行
われ、その開閉時期を適当に制御することで燃料噴射期
間を精度良く制御することが可能である。
【0007】更に、上記構成の装置は、プランジャの圧
送能力がそのストロークの増加に伴って変化することか
ら、燃料噴射の開始前にプランジャに与えるストローク
量(以下、プレストローク量と称す)を如何なる量に設
定するかによって、燃料を噴射する際の送油率を変更す
ることができる。
【0008】ここで、圧縮着火式内燃機関であるディー
ゼル機関においては、高い噴射圧で燃料を噴射すること
が良好な排気特性の確保に有利である。一方、燃料噴射
量の制御は、噴射圧が低いほど容易な場合がある。従っ
て、上記公報記載の装置の如く、燃料噴射期間と燃料の
送油率とを共に制御し得る燃料噴射装置は、内燃機関の
運転状態に応じた適切な燃料噴射条件を実現するうえで
有効である。
【0009】ところで、上記公報記載の装置の如くスピ
ル弁を開閉弁することで燃料噴射期間を制御する構成に
おいては、所定クランク角毎に発せられるクランク角信
号等のパルス信号を基準に燃料噴射期間を制御する構成
が従来より用いられている。
【0010】この場合、クランク角信号等のパルス信号
は非連続的な信号であるため、内燃機関の運転状態等に
基づいて演算される燃料噴射開始時期、及び終了時期
は、必ずしもパルス信号のエッジタイミングとは同期し
ない。従って、その開始又は終了時期を精度良く実現す
るためには、パルス信号のエッジタイミングと実現すべ
き開始又は終了時期との差角分を時間に変換し、その推
定時間に基づいてスピル弁の開閉を制御する、いわゆる
余り角制御を行う必要がある。
【0011】ここで、上記の時間変換の手法としては、
その直前の機関回転数に対するパルス間隔から余り角の
回転に要する時間を推定する手法が考えられるが、この
ような推定を前提とした場合、機関回転数が急変する状
況下では、精度良く時間変換を行うことはできない。
【0012】このため、上記公報記載の装置において
は、加速時等の高負荷時においては機関回転数が急変し
易いことに鑑み、内燃機関が軽負荷状態である場合に限
りプレストローク制御による送油率の向上を図り、軽負
荷状態でない場合にはプレストローク制御を実行しない
こととしている。
【0013】この場合、内燃機関が加速中等の高負荷状
態にあれば、燃料噴射が低送油率領域で行われると共
に、燃料噴射の開始時期において余り角制御が実行され
ないことから、燃料噴射制御の制御精度向上に有利な燃
料噴射制御が実現され、一方、内燃機関が軽負荷状態に
あれば、排気特性の向上に有利な燃料噴射が実現される
ことになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車載用の内燃
機関においては、例えばシフト位置としてハイギヤが選
択されている際に内燃機関の低回転領域で生ずるいわゆ
るシャクリにより、または内燃機関のトルク変動と車両
の共振周波数とが一致する近傍において車体振動として
生ずるサージ現象により、その負荷が軽負荷であっても
機関回転数に急変が生ずる場合がある。
【0015】そして、かかる状況下でプレストローク制
御が実行された場合、高送油率の下比較的多量に燃料噴
射量誤差が生じ、更にシャクリやサージが増長され、車
両挙動上好ましくない。また、燃料噴射量が狙いからず
れる為、スモーク等の排出が防止できず排気の悪化をも
招くことになる。この意味で、上記従来の燃料噴射装置
は、プレストローク制御を行うことについての弊害を十
分に解消していないという問題を有していた。
【0016】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、機関回転数の変動を検出し、その変動が大きい
場合にはプレストローク量を小さく設定して燃料噴射の
際の送油率低下を図り、もって機関回転数の変動が燃料
噴射量に与える影響を抑制することにより、上記の課題
を解決する内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を解
決する内燃機関の燃料噴射制御装置の原理構成図を示
す。すなわち上記の目的は、ストロークの増加と共に高
い送油率で燃料を圧送するプランジャM1aを有し、燃
料噴射の開始前に前記プランジャM1aに与えるべきス
トローク量であるプレストローク量を変更することで、
燃料噴射の際の送油率を変更し得る燃料噴射ポンプM1
を備える内燃機関の燃料噴射装置において、内燃機関の
回転数と、変速装置のシフトポジションとに基づいて、
内燃機関の回転変動が生じ得る状況を予想する回転変動
予想手段M2と、該回転変動予想手段により回転変動が
生じ得る状況が予想される場合は、予想されない場合に
比べて前記プレストローク量を小さく設定するプレスト
ローク量設定手段M3とを備える内燃機関の燃料噴射装
置により達成される。
【0018】
【作用】本発明に係る内燃機関の燃料噴射装置におい
て、内燃機関の回転数が変速機のシフトポジションに応
じて定まる所定回転数を下回ると、いわゆるシャクリ等
の現象が生ずることで内燃機関は不安定となる。従っ
て、回転変動予想手段M2は、内燃機関の回転数と変速
機のシフトポジションとに基づいて、回転変動が生じ得
る状況を予想できる。前記プレストローク量設定手段M
3は、前記回転変動予想手段M2によって内燃機関の回
転変動が生じ得る状況が予想される場合に、予想されな
い場合に比べてプレストローク量を小さく設定する。
【0019】従って、回転変動が生じ得る状況が予想さ
れない場合には、前記プランジャM1aが比較的大きく
ストロークした後に、すなわち該プランジャM1aが比
較的大きな圧送能力を発揮する領域で、燃料噴射が行わ
れることになり、前記燃料噴射ポンプM1において高い
送油率が実現される。この場合、高圧の燃料噴射により
良好な排気特性が実現される。
【0020】一方、回転変動が生じ得る状況が予想され
場合には、前記プランジャM1aのストロークが比較
的小さい領域、すなわち該プランジャM1aが比較的小
さな圧送能力を発揮する領域で燃料噴射が行われること
になり、前記燃料噴射ポンプM1において低い送油率が
実現される。この場合、燃料噴射期間の誤差が燃料噴射
量に与える影響が抑制されることで、回転変動の増大が
未然に防止される。
【0021】
【0022】
【実施例】図2は本実施例における内燃機関の燃料噴射
制御装置を示す概略構成図であり、図3はその分配型燃
料噴射ポンプ(以下、単に燃料噴射ポンプと称す)1を
示す断面図である。燃料噴射ポンプ1はディーゼル機関
2のクランク軸40にベルト等を介して駆動連結された
ドライブプーリ3を備えている。そして、そのドライブ
プーリ3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、
ディーゼル機関2の各気筒(この場合は4気筒)毎に設
けられた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴
射を行う。
【0023】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、ベーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。更に、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。
【0024】パルサ7の外周部には、クランクアングル
にして3.75度毎に突起が等角度間隔で形成され、更にデ
ィーゼル機関2の各気筒に対応して、上記の突起が存在
しない領域、即ち欠歯が、ディーゼル機関2の気筒数と
同じ数だけ(本実施例においては4つ)等角度間隔で形
成されている。
【0025】ドライブシャフト5の基端部は図示しない
カップリングを介してカムプレート8に接続されてい
る。また、パルサ7とカムプレート8との間には、ロー
ラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿っ
てカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数の
カムローラ10が取付けられている。カムフェイス8a
はディーゼル機関2の気筒数と同数だけ(本実施例では
4個)設けられている。又、カムプレート8はスプリン
グ11によって常にカムローラ10に付勢係合されてい
る。
【0026】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が、一体回転可能に取付けられ、それらカム
プレート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の
回転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5
の回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達
されることにより、カムプレート8が回転しながらカム
ローラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中左右方向
へ往復駆動される。
【0027】また、この往復運動に伴ってプランジャ1
2が回転しながら同方向へ往復駆動される。つまり、カ
ムプレート8のカムフェイス8aがローラリング9のカ
ムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往動
(リフト)され、その逆にカムフェイス8aがカムロー
ラ10を乗り下げる過程でプランジャ12が復動され
る。
【0028】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼル機関2の気筒数と同数の吸入溝16と分配ポ
ート17が形成されている。又、それら吸入溝16及び
分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13には
分配通路18及び吸入ポート19が形成されている。
【0029】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。
【0030】また、プランジャ12が復動されて高圧室
15が減圧される吸入工程中に、吸入溝16の一つが吸
入ポート19に連通することにより、燃料室21から高
圧室15へと燃料が導入される。一方、プランジャ12
が往動されて高圧室15が加圧される圧縮工程中に、分
配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル4へ燃料が圧
送されて噴射される。
【0031】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整する溢流調
整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。この
電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無
通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室1
5内の燃料が燃料室12へスピルされる。又、コイル2
4が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖さ
れて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止め
られる。
【0032】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調量が行われ
る。この場合、プランジャ12の圧縮工程中に電磁スピ
ル弁23が開弁していれば、高圧室15の内圧は昇圧せ
ず、従って燃料噴射ノズル4に高圧燃料が供給されるこ
とはない。
【0033】つまり、プランジャ12が往動過程にあっ
ても、電磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15
内の燃料圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料
噴射が行われない。又、プランジャ12の往動中に、電
磁スピル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することによ
り、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射量が制御される。
【0034】ポンプハウシング13の下側には、ドライ
ブシャフト5の回転方向に対するローラリング9の位置
を変更するタイマ装置(この図では90度展開されてい
る)26が設けられている。
【0035】このタイマ装置26は油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌挿されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハジング27内一側の低圧室29にてタイマピストン
28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリン
グ31等とから構成されている。そして、タイマピスト
ン28はスライドピン32を介してローラリング9に接
続されている。
【0036】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。又、タイマピストン
28の位置が決定されることにより、ローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0037】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコン
トロールバルブ33が設けられている。即ち、タイマハ
ウジング27の加圧室30と低圧室29とは連通路34
によって連通されており、同連通路34の途中にタイミ
ングコントロールバルブ33が設けられている。
【0038】このタイミングコントロールバルブ33
は、デューティ制御された通電信号によって開閉制御さ
れる電磁弁であり、同タイミングコントロールバルブ3
3の開閉制御によって加圧室30内の燃料圧力が調整さ
れる。そして、その燃料圧力調整によって、プランジャ
12のリフトタイミングが制御され、ドライブシャフト
5の回転角、すなわち内燃機関のクランク角に対する燃
料噴射ポンプ1の噴射特性が変更される。
【0039】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるエンジン回転検出手段としての回転
数センサ35がパルサ7の外周面に対向して取付けられ
ている。この回転数センサ35はパルサ7の突起等がそ
の直近部を横切る際に生ずる磁束の変化を検出すること
でそれらの通過を検出してエンジン回転数NEに相当す
るタイミング信号、即ち所定のクランク角度毎(本実施
例の場合は3.75°CA毎)の回転角度信号としてのエン
ジン回転パルスを出力する。
【0040】尚、この回転数センサ35は、ローラリン
グ9と一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関
わりなく、プランジャのリフト量に対して一対のタイミ
ングで、基準となるタイミング信号を出力する。
【0041】次に、ディーゼル機関2について説明す
る。このディーゼル機関2ではシリンダ41、ピストン
42及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に対応す
る主燃焼室44がそれぞれ形成されている。又、それら
各主燃焼室44が、同じく各気筒毎に対応して設けられ
た副燃焼室45に連設されている。そして、各副燃焼室
45に各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が供給さ
れる。又、各副燃焼室45には、始動補助装置としての
周知のグロープラグ46がそれぞれ取付けられている。
【0042】ディーゼル機関2には、吸気管47及び排
気管50がそれぞれ設けられ、その吸気管47には過給
機を構成するターボチャージャ48のコップレッサ49
が設けられ、排気管50にはターボチャージャ48のタ
ービン51が設けられている。又、排気管50には、過
給圧力を調節するウェイストゲートバルブ52が設けら
れている。
【0043】周知のようにこのターボチャージャ48
は、排気ガスのエネルギーを利用してタービン51を回
転させ、その同軸上にあるコンプレッサ49を回転させ
て吸入空気を昇圧させる。これによって、密度の高い混
合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に燃焼さ
せ、ディーゼル機関2の出力を増大させるようになって
いる。
【0044】又、ディーゼル機関2には、排気管50内
の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還流させ
る還流管54が設けられている。そして、その還流管5
4の途中には排気の還流量を調節するエキゾーストガス
リサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55が設け
られている。このEGRバルブ55はバキュームスイッ
チングバルブ(VSV)56の制御によって開閉制御さ
れる。
【0045】更に、吸気管47の途中には、アクセルペ
ダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバル
ブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ5
8に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路
59にはバイパス絞り弁60が設けられている。
【0046】このバイパス絞り弁60は、二つのVSV
61,62の制御によって駆動される二段のダイヤフラ
ム室を有するアクチュエータ63によって開閉制御され
る。このバイパス絞り弁60は各種運転状態に応じて開
閉制御されるものである。例えば、アイドル運転時には
騒音振動等の低減のために半開状態に制御され、通常運
転時には全開状態に制御され、更に運転停止時には円滑
な停止のために全閉状態に制御される。
【0047】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1、
電磁スピル弁23、タイミングコントロールバルブ3
3、グロープラグ46及び各VSV56,61,62
は、前記した回転数変動検出手段M2、及びプレストロ
ーク量設定手段M3を構成する電子制御装置(以下、E
CUと称す)71にそれぞれ電気的に接続され、同EC
U71によってそれらの駆動タイミングが制御される。
【0048】この場合において、本実施例の内燃機関の
燃料噴射制御装置は、内燃機関の運転状態を検出するセ
ンサとして、回転数センサ35に加えて以下の各種セン
サを備えている。
【0049】即ち、吸気管47にはエアクリーナ64の
近傍における吸気温度THAを検出する吸気温センサ7
2が設けられている。又、スロットルバルブ58の開閉
位置から、ディーゼル機関2の負荷に相当するアクセル
開度を検出するアクセル開度センサ73が設けられてい
る。
【0050】吸入ポート53の近傍には、ターボチャー
ジャ48によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過
給圧力を検出する吸気圧センサ74が設けられている。
更に、ディーゼル機関2のシリンダブロックには、冷却
水温を検出する水温センサ75が設けられている。又、
ティーゼルエンジン2のクランク軸40近傍には、クラ
ンク軸40の回転基準位置、例えば特定気筒の上死点に
対するクランク軸40の回転位置を検出するクランク角
センサ76が設けられている。
【0051】更に、図示しないトランスミッションに
は、そのギアの回転によって回されるマグネット77a
によりリードスイッチ77bをオン・オフさせて車両速
度(車速)を検出する車速センサ77が設けられてい
る。
【0052】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜78、及び回転数センサ35が接続され、ECU
71はこれら各センサ35,72〜77の出力信号に基
づいて、電磁スピル弁23、タイミングコントロールバ
ルブ33、グロープラグ46及びVSV56,61,6
2等を好適に制御する。
【0053】次に、前述したECU71の構成につい
て、図5のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等と、これら各
部と入力ポート85及び出力ポート86、基準となるク
ロックパルスを発生するクロック回路92等とをバス8
7によって接続した論理演算回路として構成されてい
る。
【0054】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74、
及び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,
91、マルチプレクサ93及びA/D変換機94を介し
て接続されている。
【0055】同じく、入力ポート85には、前述した回
転数センサ35、クランク角センサ76及び車速センサ
77が、波形整形回路95を介して接続されている。そ
して、CPU81は入力ポート85を介して入力される
各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値として
読み込む。又、出力ポート86には各駆動回路96,9
7,98,99,100,101を介して電磁スピル弁
23、タイミングコントロールバルブ33、グロープラ
グ46及びVSV56,61,62等が接続されてい
る。
【0056】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及びVSV56,61,62等を好適に制御する。
【0057】ところで、本実施例の燃料噴射装置は、燃
料噴射ポンプ1のプランジャ12が往動方向に変位して
いる際に電磁スピル弁23を開閉させて燃料噴射期間を
制御する構成である。
【0058】すなわち、図5(A)は回転数センサ35
から発せられるパルス信号を分周した回転角信号、図5
(B)はECU71から電磁スピル弁23に向けて発せ
られる開閉弁信号、図5(C)は、プランジャ12のリ
フト変化をそれぞれ表したものであるが、回転角信号に
基づいて図5(B)中実線で示す如く電磁スピル弁23
を開閉弁すれば、図5(C)中に示す期間が燃料噴射
期間となり、図5(B)中破線で示す如く電磁スピル弁
23を開閉弁すれば、図5(C)中に示す期間が燃料
噴射期間となる。
【0059】この際、圧縮着火式内燃機関であるディー
ゼル機関2においては、各気筒が圧縮工程過程で適当な
着火温度に到達する時点で適当な着火が行われるように
燃料噴射を行う必要があることから、基本的にはクラン
ク角センサ76の検出するクランク角を基準に電磁スピ
ル弁23の開閉弁を制御する必要があるが、本実施例の
燃料噴射装置においては、上述の如くタイマ装置26の
機能によりプランジャ12の往復動と内燃機関のクラン
ク角との関係を変更することが可能である。
【0060】従って、本実施例の燃料噴射装置において
は、クランク角に対して適当なタイミングを維持しつ
つ、図5(C)中に又はで示すように、プランジャ
12の異なるリフト領域を燃料噴射期間に設定すること
が可能である。
【0061】ところで、ディーゼル機関2において良好
な排気特性を得るためには、燃焼室44に供給する燃料
の微粒化を促進して燃焼性を高める意味で、高い圧力で
燃料噴射を行うことが望ましく、この意味では図5
(C)中に示す如くプランジャ12のストロークが所
定のプレストロークに到達した後の領域を燃料噴射期間
に設定することが有利である。
【0062】しかしながら、かかる高送油率領域を燃料
噴射期間に設定した場合、燃料噴射期間に僅かな制御誤
差が生じただけでも、燃料噴射量に大きな誤差を生じさ
せる。一方、図5(C)中に示す如く低送油率の領域
を燃料噴射期間とすれば、燃料噴射期間の制御精度が多
少悪化してもその影響が燃料噴射量に影響し難く、安定
した燃料噴射期間制御を実現するうえでは有利である。
【0063】ここで、電磁スピル弁23の開閉弁制御
は、上記の如く図5(A)に示す回転角信号に基づいて
行うが、この回転角信号は所定回転角毎に発生する非連
続的なパルス信号である。これに対して内燃機関の運転
状態に応じた最適な燃料噴射期間は、必ずしも回転角信
号のアップエッジ又はダウンエッジの時期に整合せず、
ECU71は、回転角信号のエッジ間において電磁スピ
ル弁23に開閉弁信号を発することが必要である。
【0064】この場合、具体的には、先ず電磁スピル弁
23が開弁又は閉弁すべき回転角(以下、開閉弁回転角
と称す)を演算し、次に回転角信号が発せられる所定回
転角に対する開閉弁回転角の余り角を演算し、更にその
余り角の回転に要する時間(以下、余り角時間と称す)
を推定し、所定回転角における回転角信号のエッジを検
出後、推定した余り角時間の経過時に開閉弁信号を発す
ることが必要となる。
【0065】ところで、上述した余り角時間の推定は、
前の気筒の同じ位相における回転角信号の発生周期と、
パルサ7の突起間隔とに基づいて行うことができるが、
かかる手法による推定結果には、回転角信号の発生周期
の変化、すなわち機関回転数の変化割合に応じた誤差が
重畳される。
【0066】つまり、非連続信号である回転角信号に基
づいて燃料噴射期間を設定する燃料噴射装置において
は、機関回転数が安定していれば精度良く燃料噴射期間
を制御することができるが、その回転数が不安定な場合
は、燃料噴射期間の制御精度がその影響で悪化すること
になる。
【0067】そこで、本実施例の燃料噴射装置において
は、機関回転数の変動状態を検出し、その変動が小さい
場合には燃料噴射開始前にプランジャ12に与えるプレ
ストロークを大きく設定して高送油率による燃料噴射を
実現し、一方機関回転数の変動が大きい場合には、プラ
ンジャ12に与えるプレストロークを小さく、すなわち
燃料噴射ポンプ1の送油率を低下させて、制御誤差の影
響を小さくすることとした。
【0068】以下、ECU71が上記の機能を実現すべ
く処理の内容について説明する。
【0069】図6は、回転数センサ35又はクランク角
センサ76から発せられるパルス信号に基づいて機関回
転数の変動状態を検出すべくECU71が実行するNE
割り込みルーチンの一例のフローチャートを示す。尚、
本実施例においては、ECU71が本ルーチンを実行す
ることにより、前記した回転数変動検出手段M4が実現
される。
【0070】図6に示すルーチンが起動すると、先ずス
テップ100において所定クランク角を表す回転角信号
が検出されたかを見る。内燃機関の回転負荷は、圧縮工
程にある気筒が上死点近傍に到達する時点で最も大き
く、機関回転数は図7に示す如く周期的に変動してい
る。このため、機関回転数の変動状態を把握するために
は、同一位相のクランク角における瞬時回転数同士を比
較する必要がある。
【0071】従って、上記ステップ100において所定
回転角を表す回転角信号が検出されていないと判別され
た場合には、何らの処理を行うことなく今回のルーチン
を終了する。尚、本ルーチンにおいては、図7に示す如
く機関回転数が最大となる時点で発生される信号をNE
0信号とし、この信号を所定回転角を表す信号としてい
る。
【0072】上記ステップ100においてNE0が検出
されたと判別された場合は、ステップ102へ進んで機
関回転数変動率TNRAの演算を行う。ここで、ECU
71は、図7に示すようにNE0の所定回転角前に発せ
られるNEn信号が検出されてから、NE0が検出され
るまでの時間をTN(i)として計測しており、本ステ
ップ102では、今回処理時における計測時間TN
(i)と前回処理時における計測時間TN(i−1)と
を用いて次式の如くTNRAを演算する。
【0073】 TNRA=TN(i)/TN(i−1) ・・・(1) かかる演算を終えたら、ステップ104へ進んで演算さ
れたTNRAが所定の範囲内に維持されているかを見
る。上述の如くTNRAは今回処理時におけるTN
(i)と前回処理時におけるTN(i−1)との比、す
なわち前回処理時における機関回転数と今回処理時にお
ける機関回転数との比であり、その値は機関回転数の変
動状態の代用特性値として扱うことができるからであ
る。
【0074】尚、本ルーチンにおいては、0.8<TN
RA<1.25が成立するか否かにより機関回転数が急
変したか否かを判別することとしており、上記条件が成
立する場合には機関回転数は安定していると判断してス
テップ106で安定フラグに“1”をセットし、一方上
記条件が不成立の場合には、機関回転数が急変したと判
断してステップ108で安定フラグに“0”をセットし
て今回の処理を終了する。
【0075】図8は、上記したNE割り込みルーチンの
判別結果に基づいて、燃料噴射ポンプ1に与えるべきプ
レストロークを設定する噴射演算ルーチンの一例のフロ
ーチャートであり、本実施例においては、ECU71が
本ルーチンを実行することにより前記したプレストロー
ク設定手段M5が実現される。
【0076】すなわち、本実施例においては、機関回転
数が安定している場合には上記図5(B)中に実線で示
す如く所定のプレストローク制御に基づいた燃料噴射期
間制御を実行し、一方機関回転数が急変している場合に
は、上記図5(B)中に破線で示す如くプレストローク
のない燃料噴射期間制御を実行することとしている。
【0077】このため、本ルーチンにおいては、先ずス
テップ200において上記した安定フラグが“0”であ
るかを判別し、“0”でない場合にはステップ202へ
進んでプレストローク有りモードを選択し、一方安定フ
ラグが“0”である場合にはステップ204へ進んでプ
レストローク無しモードを選択して今回の処理を終了す
る。
【0078】この結果、本実施例の燃料噴射装置によれ
ば、機関回転数が安定しており、精度良く余り角制御を
実行できる場合に限り、燃料噴射ポンプ1のプランジャ
12に所定のプレストロークが与えられ、高送油率、高
噴射圧による排気特性に優れた燃料噴射期間制御が実行
される。そして、機関回転数が比較的変動し易い状況下
では、低送油率の下安定した燃料噴射量の確保を優先し
た燃料噴射期間制御が実現され、広い運転領域に渡って
良好な排気特性と良好な運動特性とを両立することがで
きる。
【0079】尚、上記ステップ202においてプレスト
ローク有りのモードが選択された際にプランジャ12に
与えるべきプレストロークQPSは、例えば図9に示す
如くパラメータtQPSMについて設定した機関回転数
NEの一次元マップに基づいて以下の如く設定すること
ができ、この場合、ディーゼル機関2の運転状態に応じ
た適切な燃料噴射期間制御を実現することができる。
【0080】 QPS=tQPSM+tKQPOF−QNCM4 ・・・(2) 但し QNCM4=NE1×tKMQNCM4/400 tKQPOF=82.5°CA tKMQNCM4=1.875°CA また、上記図8に示すルーチンにおいては、安定フラグ
=“0”、すなわち機関回転数が急変していると判別さ
れた場合、プレストローク無しとすることとしていが、
これに限るものではなく、例えば上記図9のマップを参
照して演算されるQPSに比べて小さなQPS′を演算
し、そのQPS′をもってプレストローク制御を実行す
る構成としてもよい。
【0081】この場合、燃料噴射ポンプ1の送油率低下
を実現しつつ比較的高圧の燃料噴射圧を維持することが
でき、安定した燃料噴射量の確保と、良好な排気特性の
確保とを高い次元で両立することが可能である。
【0082】尚、上記の如くプレストロークの異なる2
つもモードで燃料噴射期間制御を行う構成では、各モー
ドにおいて送油率が異なることに起因して、最適燃料噴
射量が異なる場合があるが、かかる場合には、アクセル
開度、機関回転数、吸気圧等から燃料噴射量を演算する
際に参照すべき燃料噴射量マップを、個々のモードに対
応して予め設定し、選択されたモードに応じて適切なマ
ップを選択することにより、理想的な燃料噴射期間制御
を実現することができる。
【0083】ところで、上記実施例において機関回転数
が急変する場合にプレストロークを小さくしたのは、か
かる状況下では余り角制御の時間的誤差が増大し易いこ
とに着目したためである。
【0084】これに対して、図10に示す噴射演算ルー
チンは、機関回転数が急変する場合には、プレストロー
クを回転角信号のパルスエッジ時期に固定し、これによ
り余り角制御による時間的誤差を抑制して安定した燃料
噴射量を確保すべくECU71が実行するルーチンであ
る。尚、この意味で、本ルーチンは前記したプレストロ
ーク設定手段M5の第2の例に相当する。
【0085】すなわち、図10に示すルーチンが起動す
ると、先ずステップ300において安定フラグが“0”
であるかを見る。そして、フラグば“0”でない場合、
すなわち機関回転数が安定している場合は、ステップ3
02へ進んで通常のプレストローク制御を実行するモー
ドを選択して今回の処理を終了する。
【0086】一方、上記ステップ300において安定フ
ラグが“0”であると判別された場合は、ステップ30
4へ進んで回転角信号NEi検出時にプレストロークの
割り込みを実行するモードを選択して今回の処理を終了
する。
【0087】この場合、通常のプレストローク制御を実
行する場合と異なり、燃料噴射終了時期においてのみ余
り角制御を行えば足り、機関回転数の変動に伴う余り角
制御の時間的誤差の影響を小さく抑制することができ、
高精度な燃料噴射期間制御を実現することができる。
【0088】図11は、本実施例の燃料噴射装置におい
て、ECU71が機関回転数の変動状態を検出すべく実
行する第2の実施例のフローチャートを示す。すなわち
上記図6に示すNE割り込みルーチンは、所定クランク
角における機関回転数変化に基づいて直接的にその変動
状態を検出するルーチンであるが、本ルーチンは、機関
回転数NEとシフトポジションより機関回転数に大きな
変動が生じる状況を予測するルーチンである。
【0089】つまり、本ルーチンが起動すると、先ずス
テップ400において機関回転数NEと車速との比“A
=NE/車速”を演算し、次にステップ402におい
て、使用されているシフトポジションを推定する。すな
わち、各シフトに対するAは、そのギヤ比により決まる
ため図12に如く車両毎に既知であり、上記ステップ4
02では、ECU71が記憶しているかかるマップを検
索することによりシフトポジションを判定する。
【0090】シフトポジションの推定を終えたら、ステ
ップ404へ進んで内燃機関が所定の不安定状態で運転
中かを判別する。ここで、本ルーチンにおいては、車両
にいわゆるシャクリ等の現象が生じる状況を不安定状態
として設定しており、シフトポジションが5速であれば
NE<1200rpm の領域、シフトポジションが4速で
あればNE<900rpm の領域をそれぞれ不安定領域と
している。
【0091】そして、上記条件が不成立である場合に
は、内燃機関は安定状態にあると判断し、ステップ40
6へ進んで安定フラグに“1”をセットして今回の処理
を終了し、一方上記の条件が成立する場合には、機関回
転数に変動が生じ得ると判断してステップ408で安定
フラグに“0”をセットして今回の処理を終了する。
【0092】この場合、車両にシャクリ現象が生じると
予測される領域においては、燃料噴射量の安定化を優先
したプレストロークが設定され、シャクリが増大される
ことがない。また、本ルーチンにおいては、現実にシャ
クリによる機関回転数の変動が生ずる以前にプレストロ
ークの適正化が行われることから、かかる現象の未然防
止が図れ、内燃機関において優れた運動特性を実現する
ことができるという効果をも有している。
【0093】尚、上記実施例においては、内燃機関の回
転数の変動を直接監視することで前記した回転数変動検
出手段を実現しているが、これに限るものではなく、例
えば車載のスピードセンサ、Gセンサ、サスペンション
用ストロークセンサ、プロペラシャフトの捩じり測定セ
ンサ等により、車両挙動の変化を検出し、その検出結果
より機関回転数の変動の有無を検出する構成としてもよ
い。
【0094】また、燃料噴射期間を制御する機構とし
て、電磁スピル弁23を用いているが、これに限るもの
ではなく、例えば燃料加圧用プランジャにスピルリング
を設ける構成等としてもよい。
【0095】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、機関回転
数が比較的安定している状況下では、高い送油率の下、
高圧の燃料噴射により良好な排気特性を実現することが
できる。また、機関回転数が変動し、スピル弁の開閉弁
時期に誤差が生じやすい状況下では、低い送油率で燃料
噴射を行うことにより、スピル弁の開閉弁時期の誤差が
燃料噴射量に与える影響を小さく抑えることができる。
【0096】このため、本発明に係る内燃機関の燃料噴
射装置によれば、従来の装置の如く、特定の運転状況下
において、車両のいわゆるシャクリやサージングを増大
させることがなく、車両振動を有効に抑制して良好な乗
り心地を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の燃料噴射装置の原理図
である。
【図2】本発明の一実施例である内燃機関の燃料噴射装
置の概略構成図である。
【図3】本実施例における燃料噴射ポンプを拡大して示
す断面図である。
【図4】本実施例におけるECUの構成を示すブロック
図である。
【図5】本実施例において電磁スピル弁及びタイマ装置
により燃料噴射期間を設定する手法を説明するためのタ
イムチャートである。
【図6】ECUにより実行されるNE割り込みルーチン
の一例のフローチャートである
【図7】機関回転数の変動状態を表す図である。
【図8】ECUにより実行される噴射量演算ルーチンの
一例のフローチャートである。
【図9】噴射量演算ルーチンにおいて用いるマップの一
例である。
【図10】ECUにより実行される噴射量演算ルーチン
の他の例のフローチャートである。
【図11】ECUにより実行される判定ルーチンの一例
のフローチャートである。
【図12】判定ルーチンにおいて用いる他のマップの一
例である。
【符号の説明】
M1,1 燃料噴射ポンプ M1a プランジャ M2 回転数変動検出手段 M3 プレストローク量設定手段 2 ディーゼル機関 4 燃料噴射ノズル 6 燃料フィードポンプ 7 パルサ 8 カムプレート 9 ローラリング 10 カムローラ 12 燃料加圧用プランジャ 21 燃焼室 22 スピル通路 23 電磁スピル弁 26 タイマ装置 35 回転数センサ 40 クランク軸 41 シリンダ 42 ピストン 48 ターボチャージャ 57 アクセルペダル 58 スロットルバルブ 71 ECU 73 アクセル開度センサ 76 クランク角センサ 81 CPU 82 ROM 83 RAM

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストロークの増加と共に高い送油率で燃
    料を圧送するプランジャを有し、燃料噴射の開始前に前
    記プランジャに与えるべきストローク量であるプレスト
    ローク量を変更することで、燃料噴射の際の送油率を変
    更し得る燃料噴射ポンプを備える内燃機関の燃料噴射装
    置において、内燃機関の回転数と、変速装置のシフトポジションとに
    基づいて、内燃機関の回転変動が生じ得る状況を予想す
    る回転変動予想手段と該回転変動予想手段により回転変動が生じ得る状況が予
    想される場合は、予想されない場合に比べて 前記プレス
    トローク量を小さく設定するプレストローク量設定手段
    とを備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
JP6086642A 1994-04-25 1994-04-25 内燃機関の燃料噴射装置 Expired - Fee Related JP3027907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6086642A JP3027907B2 (ja) 1994-04-25 1994-04-25 内燃機関の燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6086642A JP3027907B2 (ja) 1994-04-25 1994-04-25 内燃機関の燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07293308A JPH07293308A (ja) 1995-11-07
JP3027907B2 true JP3027907B2 (ja) 2000-04-04

Family

ID=13892687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6086642A Expired - Fee Related JP3027907B2 (ja) 1994-04-25 1994-04-25 内燃機関の燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3027907B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07293308A (ja) 1995-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3027907B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP3239366B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御方法及び極低回転数検出装置
JP2687833B2 (ja) エンジンのクランク角度の時間変換装置
JP2687768B2 (ja) エンジンの制御装置
JP3055394B2 (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP3561952B2 (ja) ディーゼルエンジンのトルク制御装置
JPH11141373A (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JPH0571385A (ja) デイーゼル機関の燃料噴射量制御装置
JP2800456B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射時期制御装置
JP2985470B2 (ja) 燃料噴射時期制御装置
JP2910411B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3709644B2 (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP3082187B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
JP3195479B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
JP2003148182A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09217639A (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP3316999B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3139280B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置
JP2857948B2 (ja) 燃料噴射時期制御装置
JP2888123B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2692490B2 (ja) エンジンのクランク角度の時間変換装置
JP2830512B2 (ja) アイドル状態検出方法
JP2870332B2 (ja) ディーゼルエンジンのegr制御装置
JPH07332146A (ja) 内燃機関の回転角基準位置検出装置
JPH11132069A (ja) 車載内燃機関のトルク制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees