JP2003148182A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2003148182A JP2001348628A JP2001348628A JP2003148182A JP 2003148182 A JP2003148182 A JP 2003148182A JP 2001348628 A JP2001348628 A JP 2001348628A JP 2001348628 A JP2001348628 A JP 2001348628A JP 2003148182 A JP2003148182 A JP 2003148182A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定気筒で内部排気再循環量(内部EGR量)
の過多によるトルク変動の増大が生じているとき、それ
に対して適切な対策を講じることのできる内燃機関の制
御装置を提供する。 【解決手段】所定気筒で内部EGR量が過多であるとき
には、その気筒の排気行程中に燃焼室2から吸気通路3
に戻る排気の量が多くなり、同気筒の吸気行程に対応す
る期間での吸気圧PMの推移が通常よりも高くなる。従
って、上記気筒でのトルク変動dln(i) が大きいこ
と、及び上記期間での吸気圧PMのピーク値PMmax
(i) が、上記気筒の直前に吸気行程であった気筒の吸気
行程に対応する期間での吸気圧PMのピーク値PMma
x(i-1) よりも所定値Bだけ大きいことに基づき、上記
気筒を内部EGR量の過多によるトルク変動増大が生じ
ている気筒と判別することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等に搭載される多気筒
内燃機関においては、排気エミッションの改善等を意図
して、内部排気再循環量(内部EGR量)を調整するこ
とが行われている。こうした内部EGR量の調整を行う
装置としては、例えば特開平10−89033公報に示
される可変バルブ特性装置が知られている。同公報に記
載の可変バルブ特性装置は、燃料燃焼時の燃焼室内に排
気を存在させるべく、排気行程中に吸気バルブを開かせ
て排気の一部を吸気通路に戻しておくようにしたもので
ある。
【0003】上記可変バルブ特性装置は、排気行程中に
吸気バルブを開かせるサブリフト部が形成された吸気バ
ルブ開閉用のカムと、同カムが設けられたカムシャフト
をその軸方向に変位させる移動機構とを備えている。ま
た、上記カムに設けられたサブリフト部の形状はカムシ
ャフトの軸方向に連続的に変化している。従って、移動
機構によってカムシャフトを軸方向に変位させ、排気行
程中でのサブリフト部による吸気バルブの開閉特性を変
更することにより、排気行程中に吸気通路に戻される排
気の量が変化して内部EGR量が調整されるようにな
る。
【0004】ところで、内燃機関の所定気筒において、
同気筒に対応するカムのサブリフト部に形状のばらつき
等があって内部EGR量が過多になると、その気筒では
トルク変動が増大することとなる。こうしたトルク変動
の増大については例えば機関出力軸の回転速度変動に基
づき検出可能であるが、当該トルク変動の増大は内部E
GR量の過多が原因となるだけでなく、例えば燃料噴射
系のばらつきや燃焼室内の気流の乱れといったことも原
因になる。
【0005】上記のように何らかの原因により所定気筒
でトルク変動が増大したときには、その気筒に対してト
ルク変動を抑制するための対策を講じることが、安定し
た機関運転を継続させる上で重要となる。こうしたトル
ク変動抑制のための対策としては、燃料噴射量、燃料噴
射時期、及び点火時期等を、燃焼が安定する方向に制御
することが考えれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トルク
変動増大の原因が内部EGR量の過多である場合、上記
のような燃焼安定化のための制御を対策として実行して
も、その対策がトルク変動増大の原因を取り除くものと
はならない。そのため、上記対策後も内部EGR量の過
多に伴う燃焼の悪化を十分に抑制することはできず、当
該対策によっては燃焼を安定させてトルク変動を抑える
という効果が得られない可能性が高い。
【0007】そのため、内部EGR量の過多に伴い所定
気筒でトルク変動が増大しているときには、それに適し
た上記とは別の対策を行ってトルク変動を的確に抑制で
きるようにする必要がある。ただし、上記のように単に
機関出力軸の回転速度の変動に基づいてトルク変動増大
の検出を行っているだけでは、そのトルク変動増大の原
因が何であるかは判別できず、内部EGR量の過多が原
因でトルク変動増大が起きているときに適切な対策を講
じることもできない。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、所定気筒で内部排気再循環
量(内部EGR量)の過多によるトルク変動の増大が生
じているとき、それに対して適切な対策を講じることの
できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、多気筒
内燃機関に適用され、前記各気筒の内部排気再循環量を
調整する調整手段を備える内燃機関の制御装置におい
て、内燃機関の各気筒毎の内部排気再循環量に応じて変
化するパラメータと、同機関の各気筒毎のトルク変動と
に基づき、前記内部排気再循環量の過多によって前記ト
ルク変動の増大が生じている気筒を判別する判別手段を
備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【0010】上記構成によれば、判別手段によって内部
排気再循環量の過多が原因でトルク変動の増大が生じて
いる気筒を判別できるため、所定気筒での内部排気再循
環量の過多によるトルク変動の増大に際して適切な対策
を講じることができる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記判別手段は、前記パラメータとし
て、内燃機関の定常運転時の吸気圧を採用するものとし
た。所定気筒で内部排気再循環量が多い場合には、排気
行程中に同気筒の燃焼室から吸気通路に戻る排気の量が
多くなっていることから、その気筒の吸気行程に対応し
た期間での吸気圧の推移が通常よりも高圧側での推移と
なる。従って、内燃機関の定常運転時の吸気圧と、各気
筒毎のトルク変動とに基づき、内部排気再循環量の過多
によってトルク変動の増大が生じている気筒を的確に判
別することができる。
【0012】請求項3記載の発明では、吸気カムシャフ
トの軸方向について連続的に形状変化するサブリフト部
が形成されたカムを各気筒毎に備える多気筒内燃機関に
適用され、前記カムを前記軸方向に変位させて排気行程
中の吸気バルブの開閉特性を変更することで各気筒の内
部排気再循環量を可変とする内燃機関の制御装置におい
て、内燃機関の定常運転時の吸気圧変動に基づき、前記
内部排気再循環量の過多によってトルク変動の増大が生
じている気筒を判別する判別手段を備えた。
【0013】所定気筒での内部排気再循環量の過多は、
同気筒に対応するカムのサブリフト部の形状ばらつき等
に起因する。所定気筒で内部排気再循環量が多い場合、
排気行程中に同気筒の燃焼室から吸気通路に戻る排気の
量が多くなっていることから、その気筒の吸気行程に対
応した期間での吸気圧の推移が他の気筒に比べて高圧側
での推移となる。従って、内燃機関の定常運転時の吸気
圧変動に基づき内部排気再循環量の過多によってトルク
変動の増大が生じている気筒を的確に判別することがで
きる。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項2又は3
記載の発明において、前記判別手段は、前記内部排気再
循環量の過多によってトルク変動の増大が生じている気
筒を判別するに際し、各気筒の吸気行程に対応した期間
での吸気圧のピーク値を用いるものとした。
【0015】所定気筒で内部排気再循環量が多い場合に
は、その気筒の吸気行程に対応した期間での吸気圧の推
移が他の気筒に比べて高圧側での推移となり、同期間で
の吸気圧のピーク値が他の気筒のものよりも高くなる。
従って、上記期間での吸気圧のピーク値に基づき、内部
排気再循環量の過多によってトルク変動の増大が生じて
いる気筒を的確に判別することができる。
【0016】なお、こうした判別が行われる条件とし
て、上記所定気筒のトルク変動が大であると判断される
ことも含めれば、当該判別を一層的確なものとすること
ができる。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、前記判別手段は、所定気筒の吸気行程に
対応した期間での吸気圧のピーク値が同気筒の直前に吸
気行程となった気筒の吸気行程に対応した期間での吸気
圧のピーク値よりも所定量だけ大きいとの判断に基づ
き、当該所定気筒を内部排気再循環量の過多によるトル
ク変動の増大が発生している気筒と判別するものとし
た。
【0018】所定気筒の吸気行程に対応した期間での吸
気圧のピーク値が、同気筒の直前に吸気行程となった気
筒の吸気行程に対応した期間での吸気圧のピーク値より
も所定量だけ大きいと判断されたとき、上記所定気筒で
内部排気再循環量の過多が生じている旨判断することが
できる。従って、上記のような状況であると判断された
とき、当該所定気筒を的確に内部排気再循環量の過多に
よるトルク変動の増大が発生している気筒と判別するこ
とができる。
【0019】請求項6記載の発明では、請求項1〜5の
いずれかに記載の発明において、前記判別手段によって
内部排気再循環量の過多によるトルク変動増大が生じて
いると判別された気筒に対し、トルク変動抑制のための
制御を実行する変動抑制手段を更に備えた。
【0020】上記構成によれば、内部排気再循環量の過
多によるトルク変動の増大が発生している気筒に対し、
そのトルク変動を可能な限り抑制することができるよう
になる。
【0021】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
発明において、前記変動抑制手段によるトルク変動抑制
のための制御には、少なくとも内部排気再循環量を減少
させる制御が含まれるものとした。
【0022】内部排気再循環量の過多によるトルク変動
の増大を抑制するのには、その内部排気再循環量を減少
させることが最も効果的である。従って、上記構成によ
れば、内部排気再循環量の過多によるトルク変動の増大
を効果的に抑制することができる。
【0023】なお、内部排気再循環量の減少は、調整手
段を制御することや、吸気カムシャフトの軸方向につい
ての位置を制御することによって実現される。
【0024】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明を
自動車用の直列四気筒エンジンに適用した第1実施形態
を図1〜図10に従って説明する。
【0025】図1に示されるエンジン1の一番〜四番気
筒#1〜#4(図1には一番気筒#1のみ図示)の燃焼
室2においては、吸気通路3から吸入される空気と燃料
噴射弁4から噴射される燃料との混合気に対して、点火
プラグ5による点火が行われる。この点火により燃焼室
2内の混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギに
よりピストン6が往復移動し、エンジン1の出力軸であ
るクランクシャフト9が回転するようになる。
【0026】上記吸気通路3は、図2に示されるように
サージタンク11内を通過し、その後に各気筒の燃焼室
2に向けて四つに分岐している。四つに分岐した吸気通
路3は、それぞれ二つに分岐した状態で各燃焼室2に接
続されている。図1に示されるように、吸気通路3と燃
焼室2との間には吸気バルブ13が設けられ、排気通路
7と燃焼室2との間には排気バルブ14が設けられてい
る。
【0027】吸気バルブ13は、クランクシャフト9の
回転が伝達される吸気カムシャフト15に設けられたカ
ム15aの回転に基づき開閉動作し、吸気通路3と燃焼
室2との間を連通・遮断する。排気バルブ14は、クラ
ンクシャフト9の回転が伝達される排気カムシャフト1
6に設けられたカム16aの回転に基づき開閉動作し、
排気通路7と燃焼室2との間を連通・遮断する。
【0028】また、エンジン1には、吸気バルブ13の
開閉特性を可変とする可変バルブ特性装置19が設けら
れている。こうした吸気バルブ13の開閉特性の変更
は、各気筒#1〜#4に対応する吸気バルブ用のカム1
5aのカムプロフィールを吸気カムシャフト15の軸方
向について連続的に変化させるとともに、吸気カムシャ
フト15をその軸方向に変位させることで実現される。
可変バルブ特性装置19は、上述した吸気バルブ用のカ
ム15aと、吸気カムシャフト15をその軸方向に変位
させる移動機構20とを備えている。
【0029】こうした移動機構20としては、油圧を利
用して上記変位を行わせるものや、電動モータを利用し
て上記変位を行わせるものを採用することができる。油
圧を利用した移動機構では、吸気カムシャフト15の軸
方向に油圧が作用させられ、これにより上記のように変
位が行われることとなる。また、電動モータを利用した
移動機構では、例えば吸気カムシャフト15に送りねじ
等を介して電動モータの出力軸が連結され、当該出力軸
の回転を送りねじで同シャフト15の軸方向移動に変換
することにより上記のような変位が行われることとな
る。
【0030】ここで、上述した吸気バルブ開閉用のカム
15aについて、図3及び図4を参照して詳しく説明す
る。なお、図3はカム15aのカムプロフィールを表す
斜視図であって、図中の矢印C、Sはそれぞれ吸気カム
シャフト15の回転方向及び軸方向を示している。ま
た、図4(a)はカム15aの正面図であり、図4
(b)はカム15aの左側面図である。
【0031】図3に示されるように、カム15aのノー
ズ21の高さは、吸気カムシャフト15の軸方向(図3
の矢印S)について一定とされている。また、カム15
aの方向R側の端面22寄りの部分においては、カムプ
ロフィールがバルブ開き側(図4(a)の左側)とバル
ブ閉じ側(図4(a)の右側)とでほぼ左右対称となっ
ている。一方、カム15aの方向F側(図3)の端面2
3寄りの部分において、バルブ開き側には吸気カムシャ
フト15の軸方向について連続的に形状変化するサブリ
フト部24が形成されている。こうしたサブリフト部2
4を形成することで、カム15aにおいて端面23寄り
の部分の開き側は、端面22寄りの部分の開き側に比べ
て、方向F側に向かうほど吸気バルブ13の高リフトが
得られるカムプロフィールを有することとなる。なお、
図4(a)において破線の円は吸気バルブ13のリフト
量ゼロのカム高さを示している。
【0032】従って、吸気カムシャフト15の回転に伴
う吸気バルブ13のリフト量の変化は、カム15aにお
いて端面23寄りの部分で吸気バルブ13を開閉させて
いる場合には図5(a)に示されるようになり、端面2
2寄りの部分で吸気バルブ13を開閉させている場合に
は図5(b)に示されるようになる。カム15aの端面
23寄りの部分にはサブリフト部24が形成されている
ため、端面23寄りの部分でのカム15aの作用角dθ
12における開弁タイミング側(図中左端)は、端面2
2寄りの部分でのカム15aの作用角dθ11よりも大
きく進角している。
【0033】なお、クランク角に対応した吸気バルブ1
3及び排気バルブ14のリフト量の変化は図6に示され
るようになる。図6(a)において、実線はカム15a
の端面23寄りの部分で吸気バルブ13を開閉させた場
合の同バルブ13のリフト量の変化を示し、二点鎖線は
排気バルブ14のリフト量の変化を示している。また、
図6(b)において、実線はカム15aの端面22寄り
の部分で吸気バルブ13を開閉させた場合の同バルブ1
3のリフト量の変化を示し、二点鎖線は上記と同じく排
気バルブ14のリフト量の変化を示している。
【0034】カム15aにおいて端面23寄りの部分で
吸気バルブ13を開閉させた場合には吸気バルブ13と
排気バルブ14とのバルブオーバラップ量が最大値Rp
maxとなり、端面22寄りの部分で吸気バルブ13を
開閉させた場合にはバルブオーバラップ量が最小値Rp
minとなる。また、カム15aにおけるサブリフト部
24は、上述したように吸気カムシャフト15の軸方向
について連続的に変化している。そのため、移動機構2
0(図1)の駆動により吸気カムシャフト15を軸方向
に変位させると、吸気バルブ13の開閉特性が変化して
バルブオーバラップ量が最小値Rpminと最大値Rp
maxとの間で無段階に調整されるようになる。
【0035】上記移動機構20は、エンジン1の燃料噴
射量、燃料噴射時期、及び点火時期等を制御する電子制
御装置25によって駆動制御される。この電子制御装置
25には、以下に示される各種センサからの検出信号が
入力される。
【0036】・クランクシャフト9の回転に対応した信
号を出力するクランクポジションセンサ10 ・サージタンク11に設けられて吸気通路3内の圧力
(吸気圧)を検出するバキュームセンサ12 ・吸気カムシャフト15の回転位置に対応した信号を出
力するカムポジションセンサ18 ・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセル
ペダル26の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出する
アクセルポジションセンサ27 電子制御装置25は、エンジン1の運転状態に応じて、
吸気バルブ13の開閉特性が最適になるよう移動機構2
0を駆動制御する。こうした移動機構20の駆動制御に
より、バルブオーバラップ量が無段階に調整されること
は上述したとおりであるが、バルブオーバラップ量が変
化すると内部排気再循環量(内部EGR量)も変化す
る。即ち、バルブオーバラップ量の変化に伴い排気行程
中に燃焼室2から吸気通路3に戻る排気の量が変化し、
燃料燃焼時に燃焼室2内に存在する排気の量が変化する
のである。
【0037】電子制御装置25による移動機構20の駆
動制御では、バルブオーバラップに伴う内部排気再循環
も考慮され、内部EGR量がエンジン1の運転状態に応
じて最適となるようにされる。ただし、吸気バルブ用の
カム15aにおけるサブリフト部24の形状にばらつき
等があると、当該カム15aに対応する気筒で内部EG
R量が過多になってエンジン1のトルク変動が増大する
おそれがある。こうしたトルク変動の増大は、当該トル
ク変動によって影響を受けるエンジン回転速度の変動に
基づき検出することが可能である。
【0038】また、トルク変動が増大する他の原因とし
ては、燃料噴射系のばらつきや燃焼室2内の気流の乱れ
等もあげられる。これらが原因のトルク変動の増大につ
いては、燃料噴射時期、燃料噴射量、及び点火時期等を
燃焼が安定する方向に制御するという対策をとることが
考えられる。しかし、内部EGR量の過多が原因のトル
ク変動増大については、上記のような燃焼安定化のため
の制御を対策として実行してもトルク変動増大の原因を
取り除けないことから、必要なトルク変動抑制を行えな
い可能性が高い。
【0039】そのため、内部EGR量の過多によるトル
ク変動増大が生じているときには、それに適した対策を
実行することがトルク変動を抑制する上で重要である。
ただし、トルク変動増大の検出を上記のように単にエン
ジン回転速度の変動に基づいて行っているだけでは、そ
のトルク変動増大の原因が何であるかは判別できない。
従って、内部EGR量の過多が原因のトルク変動増大が
起きているとき、それに対して適切な対策を講じること
もできない。
【0040】そこで本実施形態では、各気筒の吸気行程
に対応する期間の吸気圧が各気筒の内部EGR量に応じ
て変化することに着目し、アイドル運転など定常運転時
の吸気圧と、各気筒#1〜#4毎のトルク変動とに基づ
き、内部EGR量の過多によってトルク変動の増大が生
じている気筒を判別する。なお、所定気筒の内部EGR
量に応じて同気筒の吸気行程に対応する期間の吸気圧が
変化するのは、その内部EGR量が多いほど上記気筒の
排気行程中に燃焼室2から吸気通路3に戻る排気の量が
多くなっていることが原因である。
【0041】上記のように内部EGR量の過多によって
トルク変動の増大が生じている気筒を判別できるため、
同気筒に対して適切な対策を講じることができるように
なる。こうした対策としては例えば上記気筒で内部EG
R量を減量するといったことが行われ、これによりトル
ク変動増大の原因が適切に取り除かれるため、内部EG
R量の過多によるトルク変動増大が効果的に抑制され
る。
【0042】次に、エンジン1のトルク変動増大の検出
手順、及びそのトルク変動増大の抑制手順について、異
常時処理ルーチンを示す図7及び図8のフローチャート
を参照して説明する。この異常時処理ルーチンは、電子
制御装置25を通じて例えば所定クランク角毎の角度割
り込みにて実行される。
【0043】異常時処理ルーチンにおいては、エンジン
回転速度及びアクセル踏込量等に基づき、エンジン1が
アイドル運転中である旨判断されると(S101:YE
S:図7)、各気筒#1〜#4の吸気行程に対応する期
間の吸気圧PMのピーク値PMmax(i) が算出される
(S102)。各気筒#1〜#4の排気行程から吸気行
程への移行は一番気筒#1、三番気筒#3、四番気筒#
4、二番気筒#2の順で行われるため、各気筒#1〜#
4の排気行程中に燃焼室2から吸気通路3に排気が戻る
ことの影響が吸気圧PMに現れるのも上記の順になる。
こうした吸気圧PMへの影響は、各気筒#1〜#4の吸
気行程に対応した期間中に現れることとなる。ステップ
S102では、今回吸気行程であった気筒の当該吸気行
程中に対応する期間での吸気圧PMのピーク値PMma
x(i) が算出される。
【0044】続いて、各気筒#1〜#4毎にトルク変動
dln(i) が算出される(S103)。ここでは、上記
ピーク値PMmax(i) の算出が行われた気筒のトルク
変動dln(i) が算出される。所定気筒のトルク変動を
算出する際には、まず上死点を含む所定のクランク角度
分(例えば30°)を通過する際の角速度と、上死点か
ら90°進角して位置する所定のクランク角度分(例え
ば30°)を通過する際の角速度とが求められる。そし
て、それら角速度に基づき上記所定気筒での点火時にお
ける発生トルクを算出し、前回算出された発生トルクと
今回算出された発生トルクとの差を上記所定気筒でのト
ルク変動dln(i) とする。
【0045】その後、上記のように算出されたトルク変
動dln(i) 、及び以前に算出された他の気筒のトルク
変動dln(i) に基づき、各気筒#1〜#4のトルク変
動dln(i) の平均値である平均トルク変動dlnav
が算出される(S104)。こうして算出された平均ト
ルク変動dlnavに所定値A(例えば1.5)を乗算
した値「dlnav・A」と、ステップS103で算出
されたトルク変動dln(i) との比較に基づき、今回ト
ルク変動dln(i) が算出されたの気筒でトルク変動の
増大が生じているか否かが判断される。
【0046】即ち、上記トルク変動dln(i) が「dl
nav・A」未満であれば(S105:NO)、今回ト
ルク変動dln(i) が算出された気筒ではトルク変動の
増大が生じていない旨判断され、後述する増大フラグF
1(i) ,F2(i) が「0(トルク変動増大無し)」とさ
れる(S106)。増大フラグF1(i) は、各気筒#1
〜#4に対応して四つ用意されており、所定気筒で内部
EGR量の過多に伴うトルク変動増大が発生しているか
否かを判断するのに用いられる。また、増大フラグF2
(i) は、増大フラグF1(i) と同じく各気筒#1〜#4
に対応して四つ用意されており、所定気筒で内部EGR
量の過多以外の原因によりトルク変動増大が発生してい
るか否かを判断するのに用いられる。
【0047】ステップS105で上記トルク変動dln
(i) が「dlnav・A」以上であれば(S105:Y
ES)、今回トルク変動dln(i) が算出された気筒で
トルク変動の増大が生じている旨判断され、ステップS
107に進む。このステップS107の処理は、上記ト
ルク変動の増大が内部EGR量の過多によるものである
か否かを判断するためのものである。
【0048】各気筒#1〜#4での内部EGR量が適正
である場合、図9(a)に示されるように、各気筒#1
〜#4の吸気行程に対応した期間での吸気圧PMの推移
が大きくばらつくことはない。しかし、所定気筒、例え
ば一番気筒#1で内部EGR量の過多が生じていると、
図9(b)に示されるように、一番気筒#1の吸気行程
に対応した期間X1での吸気圧PMの推移が通常よりも
高圧側での推移となる。その結果、当該期間X1での吸
気圧PMのピーク値PMmax(i) が、一番気筒#1の
前に吸気行程であった気筒(二番気筒#2)の吸気行程
に対応した期間X2での吸気圧PMのピーク値PMma
x(i-1) よりも高くなる。
【0049】ステップS107では、上記ピーク値PM
max(i) ,PMmax(i-1) に基づき、上記トルク変
動dln(i) が算出された気筒でのトルク変動増大が内
部EGR量の過多によるものであるか否かが判断され
る。即ち、上記トルク変動dln(i) が算出された気筒
の吸気行程に対応した期間での吸気圧PMのピーク値P
Mmax(i) が、その気筒の前に吸気行程であった気筒
の吸気行程に対応した期間での吸気圧PMのピーク値P
Mmax(i-1) に所定値B(例えば0.5kpa)を加
算した値「PMmax(i-1) +B」以上であるか否かが
判断される。
【0050】ここで肯定判定がなされると、今回の気筒
(上記トルク変動dln(i) が算出された気筒)で内部
EGR量の過多に伴うトルク変動dln(i) の増大が生
じている旨判断される(S108)。そして、上記気筒
に対応する増大フラグF1(i) が、「1(内部EGR量
の過多によるトルク変動増大有り)」とされる(S10
9)。
【0051】一方、ステップS107で否定判定がなさ
れると、今回の気筒(上記トルク変動dln(i) が算出
された気筒)で内部EGR量の過多以外の原因によるト
ルク変動dln(i) の増大が生じている旨判断される
(S110)。そして、上記気筒に対応する増大フラグ
F2(i) が「1(内部EGR量の過多以外の原因による
トルク変動増大有り)」とされ(S111)、同気筒に
対応する増大フラグF1(i) が、「0(内部EGR量の
過多によるトルク変動増大無し)」とされる(S11
2)。
【0052】このように増大フラグF1(i) ,F2(i)
の設定が行われた後、トルク変動抑制のための処理(S
113〜S116:図8)が実行される。この処理で
は、増大フラグF1(i) が「1(内部EGR量の過多に
よるトルク変動増大有り)」であるとき(S113:Y
ES)、その増大フラグF1(i) に対応する気筒に対し
て内部EGR量の減量制御が実行される(S114)。
こうした内部EGR量の減量制御は、例えば上記気筒が
排気行程になるときだけ、バルブオーバラップ量が少な
くなるよう吸気カムシャフト15を図3の方向F側に移
動させることにより実現される。
【0053】例えば、一番気筒#1で内部EGR量の過
多によるトルク変動増大が生じている旨判断された場合
には、一番気筒#1が排気行程になるときに移動機構2
0を駆動制御するための指令値を、所定タイミングで且
つ所定期間だけバルブオーバラップ量が小となる側の値
に変更する。これにより、一番気筒#1で内部EGR量
が減量され、内部EGR量の過多によるトルク変動の増
大が抑制される。
【0054】なお、こうした内部EGR量の減量につい
ては、上記指令値の変更量、変更タイミング、及び変更
期間を調整することにより、トルク変動増大を抑制する
上で最も好ましい態様とすることが可能である。例え
ば、初回の内部EGR量の減量制御後も一番気筒#1で
内部EGR量の過多によるトルク変動増大が続いている
場合、内部EGR量を減量制御するための上記指令値
を、一番気筒#1が排気行程となる毎に徐々に吸気カム
シャフト15を図10(a)に示されるように方向F側
に大きく変位させる値となるよう可変とすることが考え
られる。
【0055】異常時処理ルーチンにおいて、ステップS
113(図8)で否定判定がなされると、増大フラグF
2(i) が「1(内部EGR量の過多以外の原因によるト
ルク変動増大有り)」であるか否かが判断される。ここ
で肯定判定であれば、上記増大フラグF2(i) に対応す
る気筒に対して燃料噴射量、燃料噴射時期、及び点火時
期等を、燃焼が安定する方向に制御する燃焼安定化制御
が実行される(S116)。
【0056】例えば、一番気筒#1で上記のようなトル
ク変動増大が生じている旨判断された場合には、一番気
筒#1において燃料噴射量の増量、燃料噴射時期の遅
角、及び点火時期の進角など、燃焼を安定させるための
制御が実行される。なお、初回の燃焼安定化制御後に一
番気筒#1でのトルク変動増大が続いている場合には、
図10(b)〜(d)に示されるように一番気筒#1だ
け燃料噴射量の増量、燃料噴射時期の遅角、及び点火時
期の進角等が徐々に進められるよう、燃料噴射量、燃料
噴射時期、及び点火時期等の指令値を可変とすることも
考えられる。
【0057】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。 (1)エンジン回転速度の変動から求められる各気筒#
1〜#4毎のトルク変動dln(i) からだけでは、所定
気筒でトルク変動dln(i) が増大しているとき、それ
が内部EGR量の過多に伴うものなのか、或いはそれ以
外の原因によるものなのかは判断できない。しかし、内
部EGR量の過多が所定の気筒で生じているときには、
その気筒での吸気行程に対応する期間で吸気圧の推移が
高圧側での推移となる。従って、上記気筒でのトルク変
動dln(i) が大きく、且つ上記期間中での吸気圧PM
のピーク値PMmax(i) が、上記気筒の直前に吸気行
程であった気筒の吸気行程に対応する期間での吸気圧P
Mのピーク値PMmax(i-1) よりも所定値Bだけ大き
いことに基づき、上記トルク変動dln(i) が大きい気
筒で内部EGR量の過多によるトルク変動増大が生じて
いる旨判断することができる。こうした判断が可能とな
ることで、内部EGR量の過多によるトルク変動増大が
生じている気筒を判別することができ、その気筒に対し
て適切な対策を講じることができるようになる。
【0058】(2)内部EGR量の過多によるトルク変
動増大が生じている気筒が判別されたとき、その気筒に
対して内部EGR量を減量する制御が行われる。これに
より、内部EGR量の過多によってトルク変動が増大し
ていることの原因が取り除かれるため、当該トルク変動
の増大を効果的に抑制することができる。
【0059】(3)一番気筒#1と三番気筒#3など、
燃焼が連続する複数の気筒で内部EGR量の過多による
トルク変動増大が生じる場合もある。この場合、上記複
数の気筒のうち、まず燃焼が先に行われる気筒について
内部EGR量の過多によるトルク変動増大が生じている
気筒であると判別され、内部EGR量の減量というトル
ク変動抑制が行われる。こうして上記気筒のトルク変動
増大が抑制されると、今度は上記複数の気筒のうち次に
燃焼が行われる気筒について内部EGRの過多によるト
ルク変動増大が生じている気筒であると判別され、その
気筒に対しても同じように内部EGR量の減量によるト
ルク変動抑制が行われる。従って、燃焼が連続する複数
の気筒で内部EGR量の過多によるトルク変動増大が生
じていたとしても、その増大が生じている気筒を的確に
判別して対策を講じることができる。
【0060】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図11及び図12に基づき説明する。この実施形
態は、所定気筒で内部EGR量の過多によるトルク変動
増大が生じているか否かを、当該気筒の吸気行程に対応
する期間での吸気圧PMのピーク値PMmax(i) のみ
に基づき判断するようにしたものである。
【0061】図11及び図12は、本実施形態の異常時
処理ルーチンを示すフローチャートである。この異常時
処理ルーチンにおいては、アイドル運転中であることを
条件に、上述したピーク値PMmax(i) 、トルク変動
dln(i) 、及び平均トルク変動dlnavが順次算出
される(S201〜S203:図11)。その後、今回
吸気行程であった気筒についての上記ピーク値PMma
x(i) が、当該気筒の前に吸気行程であった気筒につい
ての上記ピーク値PMmax(i-1) に所定値Bを加算し
た値「PMmax(i-1) +B」以上であるか否かが判断
される。
【0062】ここで肯定判定がなされると、今回吸気行
程であった気筒で内部EGR量の過多に伴うトルク変動
dln(i) の増大が生じている旨判断される(S20
6)。そして、上記気筒に対応する増大フラグF1(i)
が、「1(内部EGR量の過多によるトルク変動増大有
り)」とされる(S207)。
【0063】一方、ステップS205で否定判定がなさ
れると、今回トルク変動dln(i)が算出された気筒で
内部EGR量の過多以外の原因によるトルク変動dln
(i)の増大が生じているか否かが判断される。即ち、上
記トルク変動dln(i) が「dlnav・A」未満であ
れば(S208:NO)、今回トルク変動dln(i)が
算出された気筒ではトルク変動の増大が生じていない旨
判断され、当該気筒に対応する増大フラグF1(i) ,F
2(i) が「0(トルク変動増大無し)」とされる(S2
12)。
【0064】また、上記トルク変動dln(i) が「dl
nav・A」以上であれば(S208:YES)、今回
トルク変動dln(i) が算出された気筒で内部EGR量
の過多以外の原因によるトルク変動の増大が生じている
旨判断される(S209)。そして、上記気筒に対応す
る増大フラグF2(i) が「1(内部EGR量の過多以外
の原因によるトルク変動増大有り)」とされ(S21
0)、同気筒に対応する増大フラグF1(i) が、「0
(内部EGR量の過多によるトルク変動増大無し)」と
される(S211)。
【0065】このように増大フラグF1(i) ,F2(i)
の設定が行われた後、トルク変動抑制のための処理(S
213〜S216:図12)が実行される。本実施形態
によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0066】(4)所定気筒で内部EGR量の過多によ
りトルク変動dln(i) が増大しているときには、その
気筒での吸気行程に対応する期間で吸気圧の推移が高圧
側での推移となる。従って、上記気筒についてのピーク
値PMmax(i) が、上記気筒の直前に吸気行程であっ
た気筒についてのピーク値PMmax(i-1) よりも所定
値Bだけ大きいことに基づき、上記トルク変動dln
(i) が大きい気筒で内部EGR量の過多によるトルク変
動増大が生じている旨判断することができる。こうした
判断が可能となることで、内部EGR量の過多によるト
ルク変動増大が生じている気筒を判別することができ、
その気筒に対して適切な対策を講じることができるよう
になる。
【0067】(5)内部EGR量の過多によるトルク変
動増大が生じている気筒を判別する際、その判別がトル
ク変動dln(i) を加味することなく行われるため、当
該判別のための処理を行うことによる電子制御装置25
への負荷を低減することができる。なお、第1実施形態
のように、所定気筒を内部EGR量の過多によるトルク
変動増大が生じている気筒と判別する際の条件として、
当該気筒のトルク変動が大であることを含めるようにす
れば、上記判別は一層的確なものとなる。
【0068】[その他の実施形態]上記各実施形態は、
例えば以下のように変更することもできる。 ・所定気筒の吸気行程に対応する期間での吸気圧PMの
積算値が上記気筒の直前に吸気行程であった気筒の吸気
行程に対応する期間での吸気圧PMの積算値よりも所定
量だけ大きいことに基づいて、内部EGR量の過多によ
り吸気圧PMの推移が通常よりも高くなっている旨判断
してもよい。この場合、所定気筒でのトルク変動dln
(i) が大きいこと、及び当該気筒についての上記積算値
が同気筒の直前に吸気行程であった気筒についての積算
よりも所定量だけ大きいことに基づき、上記トルク変動
dln(i) が大きい気筒を内部EGR量の過多によるト
ルク変動増大が生じている気筒と判別することができ
る。
【0069】・所定気筒で内部EGR量の過多によるト
ルク変動増大が生じているとき、その対策として内部E
GR量の減量というトルク変動抑制のための対策を講じ
たが、本発明はこれに限定されない。例えば、内部EG
R量の過多によるトルク変動増大が生じている気筒を記
憶しておくという対策を講じ、これにより後でカム15
aの調整等を簡単に行えるようにするだけでもよい。ま
た、内部EGR量の過多によるトルク変動増大が生じて
いる気筒を何らかの方法で運転者に知らせるという対策
を講じるだけでもよい。
【0070】・所定気筒で内部EGR量の過多によるト
ルク変動増大が生じているとき、その気筒に対して内部
EGR量の減量という対策を行う他に、燃料噴射量、燃
料噴射時期、及び点火時期等を燃焼が安定化する方向に
制御するという燃焼安定化制御を更に行っても良い。
【0071】・内部EGR量に応じて変化するパラメー
タとしてエンジン1のアイドル運転中における吸気圧P
Mを例示したが、これに変えて各気筒#1〜#4に繋が
る吸気通路3内の吸気行程中での吸気空燃比(吸気中の
酸素濃度)や吸気温度を上記パラメータとして用いても
よい。
【0072】・トルク変動増大の検出をアイドル運転中
以外のエンジン定常運転時に行ってもよい。 ・上記各実施形態では、上述したサブリフト部24を備
えたカム15aを吸気カムシャフト15の軸方向に変位
させて内部EGR量を可変としたが、本発明はこれに限
定されない。例えば、クランクシャフト9に対する吸気
カムシャフト15の相対回転位相を変更するバルブタイ
ミング可変機構を備えたエンジンにおいては、同機構に
より吸気バルブ13の開弁タイミングを変更してバルブ
オーバラップ量を可変とすることで、内部EGR量を可
変としてもよい。また、サブリフト部24がなくノーズ
21の高さが吸気カムシャフト15の軸方向に連続的に
変化するカムを備えたエンジンにおいても、同カムを上
記軸方向に変位させることで、吸気バルブ13の開弁タ
イミングを変更してバルブオーバラップ量を可変とし、
内部EGR量を可変とすることができる。
【0073】次に、以上の実施形態から把握することの
できる技術思想について、その効果とともに以下に記載
する。 (1)請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御
装置において、前記判別手段は、各気筒の吸気行程に対
応した期間での吸気圧の積算値に基づき、前記内部排気
再循環量の過多によって前記トルク変動の増大が生じて
いる気筒を判別するものである内燃機関の制御装置。
【0074】所定気筒で内部排気再循環量が多い場合に
は、その気筒の吸気行程に対応した期間での吸気圧の推
移が他の気筒に比べて高圧側での推移となり、同期間で
の吸気圧の積算値が他の気筒に比べて大なる。従って、
上記期間での吸気圧の積算値に基づき、内部排気再循環
量の過多によってトルク変動の増大が生じている気筒を
的確に判別することができる。
【0075】なお、こうした判別が行われる条件とし
て、上記所定気筒のトルク変動が大であると判断される
ことも含めれば、当該判別を一層的確なものとすること
ができる。
【0076】(2)上記(1)に記載の内燃機関の制御
装置において、所定気筒の吸気行程に対応した期間での
吸気圧の積算値が同気筒の直前に吸気行程となった気筒
の吸気行程に対応した期間での吸気圧の積算値よりも所
定量だけ大きいと判断されたとき、当該所定気筒を内部
排気再循環量の過多によるトルク変動の増大が発生して
いる気筒と判別するものである内燃機関の制御装置。
【0077】所定気筒の吸気行程に対応した期間での吸
気圧の積算値が、同気筒の直前に吸気行程となった気筒
の吸気行程に対応した期間での吸気圧の積算値よりも所
定量だけ大きいとき、上記所定気筒で内部排気再循環量
の過多が生じている旨判断することができる。従って、
上記のような状況であると判断されたとき、当該所定気
筒を的確に内部排気再循環量の過多によるトルク変動の
増大が発生している気筒と判別することができる。
【0078】(3)上記(1)又は(2)に記載の内燃
機関の制御装置において、前記判別手段によって内部排
気再循環量の過多によるトルク変動増大が生じていると
判別された気筒に対し、トルク変動抑制のための制御を
実行する変動抑制手段を更に備えることを特徴とする内
燃機関の制御装置。
【0079】上記構成によれば、内部排気再循環量の過
多によるトルク変動の増大が発生している気筒に対し、
そのトルク変動を可能な限り抑制することができるよう
になる。
【0080】(4)上記(3)に記載の内燃機関の制御
装置において、前記変動抑制手段によるトルク変動抑制
のための制御には、少なくとも内部排気再循環量を減少
させる前記調整手段の制御が含まれることを特徴とする
内燃機関の制御装置。
【0081】内部排気再循環量の過多によるトルク変動
の増大を抑制するのには、その内部排気再循環量を減少
させることが最も効果的である。従って、上記構成によ
れば、内部排気再循環量の過多によるトルク変動の増大
を効果的に抑制することができる。
【0082】なお、内部排気再循環量の減少は、調整手
段を制御することや、吸気カムシャフトの軸方向につい
ての位置を制御することによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御装置が適用されるエンジン
全体を示す略図。
【図2】同エンジンの吸気通路を示す略図。
【図3】吸気バルブ用のカムを示す斜視図。
【図4】上記カムの形状説明図。
【図5】吸気バルブのリフト量で表す上記カムのプロフ
ィール説明図。
【図6】上記カムによるバルブオーバーラップ状態説明
図。
【図7】第1実施形態におけるトルク変動増大の検出手
順、及びそのトルク変動増大の抑制手順を示すフローチ
ャート。
【図8】第1実施形態におけるトルク変動増大の検出手
順、及びそのトルク変動増大の抑制手順を示すフローチ
ャート。
【図9】時間経過に対する吸気圧の推移を示すタイムチ
ャート。
【図10】トルク変動を抑制するための吸気カムシャフ
トの変位態様、燃料噴射量の増量態様、燃料噴射時期の
遅角態様、及び点火時期の進角態様を示すタイムチャー
ト。
【図11】第2実施形態におけるトルク変動増大の検出
手順、及びそのトルク変動増大の抑制手順を示すフロー
チャート。
【図12】第2実施形態におけるトルク変動増大の検出
手順、及びそのトルク変動増大の抑制手順を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴
射弁、5…点火プラグ、9…クランクシャフト、10…
クランクポジションセンサ、11…サージタンク、12
…バキュームセンサ、13…吸気バルブ、14…排気バ
ルブ、15…吸気カムシャフト、15a…カム、16…
排気カムシャフト、16a…カム、18…カムポジショ
ンセンサ、19…可変バルブ特性装置、20…移動機
構、21…ノーズ、22…端面、23…端面、24…サ
ブリフト部、25…電子制御装置、27…アクセルポジ
ションセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364D F02M 25/07 F02M 25/07 B (72)発明者 高木 登 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 岸 宏尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB07 AB17 BA04 CA13 EA02 EA11 EA12 EA22 EA23 EA31 EA35 FA01 FA06 FA07 FA08 FA09 FA23 GA08 3G062 AA00 BA04 BA05 BA08 CA03 DA02 GA02 GA05 3G084 BA13 BA15 BA17 BA23 CA03 CA05 DA11 EA11 EB25 FA10 FA11 FA29 FA32 FA38 FA39 3G092 AA01 AA11 AA17 BA09 BB01 DA03 DA12 DG09 EA08 EA09 FA05 GA04 GA08 HA05Z HA13X HA13Z HB01X HB02X HC08X HD05Z HE03Z HE05Z HF08Z 3G301 HA19 JA05 KA07 KA21 LA07 MA11 MA18 NA01 NA08 NE17 PA07Z PD02Z PE03Z PE05Z PE07Z PE10Z PF03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒内燃機関に適用され、前記各気筒の
    内部排気再循環量を調整する調整手段を備える内燃機関
    の制御装置において、 内燃機関の各気筒毎の内部排気再循環量に応じて変化す
    るパラメータと、同機関の各気筒毎のトルク変動とに基
    づき、前記内部排気再循環量の過多によって前記トルク
    変動の増大が生じている気筒を判別する判別手段を備え
    ることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記判別手段は、前記パラメータとして、
    内燃機関の定常運転時の吸気圧を採用する請求項1記載
    の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】吸気カムシャフトの軸方向について連続的
    に形状変化するサブリフト部が形成されたカムを各気筒
    毎に備える多気筒内燃機関に適用され、前記カムを前記
    軸方向に変位させて排気行程中の吸気バルブの開閉特性
    を変更することで各気筒の内部排気再循環量を可変とす
    る内燃機関の制御装置において、 内燃機関の定常運転時の吸気圧変動に基づき、前記内部
    排気再循環量の過多によってトルク変動の増大が生じて
    いる気筒を判別する判別手段を備えることを特徴とする
    内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記判別手段は、前記内部排気再循環量の
    過多によってトルク変動の増大が生じている気筒を判別
    するに際し、各気筒の吸気行程に対応した期間での吸気
    圧のピーク値を用いる請求項2又は3記載の内燃機関の
    制御装置。
  5. 【請求項5】前記判別手段は、所定気筒の吸気行程に対
    応した期間での吸気圧のピーク値が同気筒の直前に吸気
    行程となった気筒の吸気行程に対応した期間での吸気圧
    のピーク値よりも所定量だけ大きいとの判断に基づき、
    当該所定気筒を内部排気再循環量の過多によるトルク変
    動の増大が発生している気筒と判別する請求項4記載の
    内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関
    の制御装置において、 前記判別手段によって内部排気再循環量の過多によるト
    ルク変動増大が生じていると判別された気筒に対し、ト
    ルク変動抑制のための制御を実行する変動抑制手段を更
    に備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】前記変動抑制手段によるトルク変動抑制の
    ための制御には、少なくとも内部排気再循環量を減少さ
    せる制御が含まれる請求項6記載の内燃機関の制御装
    置。
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