JP3055394B2 - 内燃機関のトルク制御装置 - Google Patents

内燃機関のトルク制御装置

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JP3055394B2
JP3055394B2 JP6118183A JP11818394A JP3055394B2 JP 3055394 B2 JP3055394 B2 JP 3055394B2 JP 6118183 A JP6118183 A JP 6118183A JP 11818394 A JP11818394 A JP 11818394A JP 3055394 B2 JP3055394 B2 JP 3055394B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1497With detection of the mechanical response of the engine
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2250/00Engine control related to specific problems or objectives
    • F02D2250/28Control for reducing torsional vibrations, e.g. at acceleration

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のトルク制御装
置に係り、詳しくは、自動車等の車両における内燃機関
出力を駆動輪へ伝達する駆動系のねじり振動を抑制する
ためのトルク制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両を急速に加速し
た場合には、エンジンの出力トルクが急激に変化して、
エンジン出力を駆動輪へ伝達するための駆動系にねじり
振動が生じ、その結果、車両に加わる加速度が波状に変
動することが知られている。このため、急速に加速しよ
うとした場合には、駆動系のねじり振動によって車両が
前後に振動し、乗員に不快感を与えるおそれが生じるお
それがあった。
【0003】上記のねじり振動を抑制するための技術と
して、例えば特開昭60−26142号公報に開示され
たものが知られている。この技術では、ディーゼルエン
ジンにおいて、例えばエンジン回転数の変動量が検出さ
れ、それをもって駆動系のねじり振動量とされる。そし
て、その振動量の変化率に応じて、エンジントルクが、
ねじり振動を抑制する側に、燃料噴射量の補正或いは燃
料噴射時期の補正によって一定期間中制御される。すな
わち、ねじり振動量が大きいときには、トルクを低減す
るべく、燃料噴射量が少なくなるよう制御される。そし
て、かかるトルク制御により、ねじり振動によるトルク
変動が相殺され、もって上記の不具合が抑制されうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、加速度合いにかかわらず、ねじり振動に応じた
制御を行う期間が一定であった。そのため、その制御期
間が十分確保されない場合には、ねじり振動が十分減衰
収束されていない状態で制御が完了してしまうおそれが
あった。この場合には、制御完了後にねじり振動に基づ
く上記不具合が再度発生してしまうおそれがあった。
【0005】また、上記不具合を考慮して、制御期間を
予め長めに設定しておくことも考えられる。しかし、制
御期間中は、十分な燃料噴射量が得られなかったり、噴
射タイミングがそのときの加速にとって最適なタイミン
グとならないことが多い。このため、トルク制御が不要
となっているにもかかわらず、制御期間が長すぎるため
にトルク制御が継続して実行される場合が生じ、その結
果、加速性が悪化してしまうおそれがあった。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、ねじり振動量に基づき、トル
ク調整手段を制御するようにした内燃機関のトルク制御
装置において、ねじり振動に起因した車両振動の低減効
果の確実性を高めることができ、しかも、加速性の悪化
を最小限に止めることのできる内燃機関のトルク制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明においては、図1に示すよう
に、内燃機関M1の駆動系M2のねじり振動量を検出す
るねじり振動量検出手段M3と、前記内燃機関M1のト
ルクを調整するためのトルク調整手段M4と、前記ねじ
り振動量検出手段M3により検出されたねじり振動量に
基づき、前記トルク調整手段M4を制御するトルク制御
手段M5と前記ねじり振動量検出手段M3により検出
されたねじり振動量に応じて、前記トルク制御手段M5
によるトルク制御期間を可変とする制御期間変更手段M
と、前記内燃機関M1の加速時の負荷を検出する負荷
検出手段M7と、前記負荷検出手段M7により検出され
た負荷が全負荷であるときにのみ、前記制御期間変更手
段M6によるトルク制御期間の可変制御を許容する制御
期間変更調整手段M8とを備える内燃機関のトルク制御
装置をその要旨としている。
【0008】
【0009】さらに、請求項に記載の発明において
は、請求項1に記載の内燃機関のトルク制御装置におい
て、前記内燃機関M1はディーゼルエンジンであり、か
つ、前記トルク調整手段は燃料噴射量調整手段であり、
さらに、前記トルク制御手段M5は、前記ディーゼルエ
ンジンの運転状態に基づいて基本噴射量及び最大噴射量
を演算するとともに、そのうちのいずれか少ない方を採
択し、前記ねじり振動量検出手段M3により検出された
ねじり振動量に応じた補正をすることにより最終噴射量
を算出し、該最終噴射量に基づいて前記燃料噴射量調整
手段を制御するようにしたものであり、さらに、前記基
本噴射量が前記最大噴射量を超えるときには、前記トル
ク制御手段M5による燃料噴射量の補正を減量側におい
てのみ実施するようにしたことをその要旨としている。
【0010】
【作用】上記の請求項1に記載の発明によれば、図1に
示すように、ねじり振動量検出手段M3により、内燃機
関M1の駆動系M2のねじり振動量が検出される。ま
た、トルク調整手段M4により、内燃機関M1のトルク
が調整される。そして、ねじり振動量検出手段M3によ
り検出されたねじり振動量に基づき、トルク制御手段M
5によって、トルク調整手段M4が制御される。従っ
て、基本的には、上記トルク制御が行われることによ
り、ねじり振動によるトルク変動が相殺され、車両が前
後に振動したりするのが抑制される。
【0011】また、本発明によれば、制御期間変更手段
M6によって、トルク制御手段M5によるトルク制御期
間が、ねじり振動量検出手段M3により検出されたねじ
り振動量に応じて可変とされる。ここで、検出されたね
じり振動量の大きさは、ねじり振動が継続しうる期間に
相関している。このため、上記制御期間がねじり振動量
の大きさに応じて可変とされうることにより、その継続
しうる期間に合わせてトルク制御が行われることとな
る。従って、トルク制御の完了時期が早すぎることとな
ったり、遅すぎることとなったりするのが防止されう
る。
【0012】らに、負荷検出手段M7により、内燃機
関M1の加速時の負荷が検出される。また、制御期間変
更調整手段M8によって、制御期間変更手段M6による
トルク制御期間の可変制御の実行が、負荷検出手段M7
により検出された負荷が全負荷であるときのみ許容され
る。ここで、部分負荷加速時は、全負荷加速時に比べ
て、加速性があまり問題とならないことがわかってい
る。そして、本発明においては、トルク制御期間の可変
制御は全負荷加速時のみ実施され、車両振動及び加速性
があまり問題とならない部分負荷加速時には実施されな
いこととなる。
【0013】さらに、請求項に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、特に、ディーゼ
ルエンジンの燃料噴射量調整手段が制御されることによ
り、トルクが制御される。さらに、トルク制御手段M5
によって、ディーゼルエンジンの運転状態に基づいて基
本噴射量及び最大噴射量が演算されるとともに、そのう
ちのいずれか少ない方が採択され、その値に基づきねじ
り振動量に応じた補正がなされることにより最終噴射量
が算出される。そして、該最終噴射量に基づいて燃料噴
射量調整手段が制御される。
【0014】そして、本発明では、基本噴射量が最大噴
射量を超えるときには、トルク制御手段M5による燃料
噴射量の補正は、減量側においてのみ実施される。この
ため、最大噴射量を超えての増量補正はなされないこと
となり、余剰量の燃料噴射がなされなくなる。
【0015】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を内燃機関としてのディー
ゼルエンジンのトルク制御装置に具体化した第1実施例
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】図2はこの実施例において、車両に搭載さ
れたディーゼルエンジンのトルク制御装置を示す概略構
成図であり、図3はトルク調整手段としての分配型燃料
噴射ポンプ1を示す断面図である。燃料噴射ポンプ1は
ディーゼルエンジン2のクランクシャフト40にベルト
等を介して駆動連結されたドライブプーリ3を備えてい
る。そして、そのドライブプーリ3の回転によって燃料
噴射ポンプ1が駆動され、ディーゼルエンジン2の各気
筒(この場合は4気筒)毎に設けられた各燃料噴射ノズ
ル4に燃料が圧送されて燃料噴射が行われる。また、本
実施例では、クランクシャフト40等により駆動系が構
成されている。
【0017】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
また、そのドライブシャフト5の途中には、べーン式ポ
ンプよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展
開されている)6が設けられている。さらに、ドライブ
シャフト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられ
ている。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジ
ン2の気筒数と同数の、すなわち、この場合4個の切歯
が等角度間隔で形成され、更に各切歯の間には14個ず
つ(合計で56個)の突起が等角度間隔で形成されてい
る。そして、ドライブシャフト5の基端部は図示しない
カップリングを介してカムプレート8に接続されてい
る。
【0018】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿
ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数
のカムローラ10が取付けられている。カムフェイス8
aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ設けられ
ている。また、カムプレート8はスプリング11によっ
て常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0019】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、それらカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。すなわち、ドライブシャフト
5の回転力が図示しないカップリングを介してカムプレ
ート8に伝達されることにより、カムプレート8が回転
しながらカムローラ10に係合して、気筒数と同数だけ
図中左右方向へ往復駆動される。また、この往復駆動に
伴ってプランジャ12が回転しながら同方向へ往復駆動
される。つまり、カムプレート8のカムフェイス8aが
ローラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程でプ
ランジャ12が往動(リフト)され、その逆にカムフェ
イス8aがカムローラ10を乗り下げる過程でプランジ
ャ12が復動される。
【0020】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。また、プランジャ12の先端側外周に
は、ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16
と分配ポート17が形成されている。また、それら吸入
溝16及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジン
グ13には分配通路18及び吸入ポート19が形成さて
いる。
【0021】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。また、プランジャ12が復
動されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝
16の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃
料室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、
プランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧
縮行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズ
ル4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0022】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整するための
電磁スピル弁23が設けられている。この電磁スピル弁
23は常開型の弁であり、コイル24が無通電(オフ)
の状態では弁体25が開放されて高圧室15内の燃料が
燃料室21へスピルされる。また、コイル24が通電
(オン)されることにより、弁体25が閉鎖されて高圧
室15から燃料室21への燃料のスピルが止められる。
このため、本実施例では、この電磁スピル弁23が狭義
のトルク調整手段を構成しているといえる。
【0023】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調整が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。また、プランジャ12の往動中に、電磁スピ
ル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃
料噴射ノズル4からの噴射終了が調整されて燃料噴射量
が制御される。
【0024】ポンプハウジング13の下側には、燃料噴
射時期を制御するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、すなわちカムプ
レート8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更する
ためのものである。
【0025】タイマ装置26は制御油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピスト
ン28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリ
ング31等とから構成されている。そして、タイマピス
トン28はスライドピン32を介してローラリング9に
接続されている。
【0026】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置(以下、「タイマピストン位置」と
いう)が決定される。また、そのタイマピストン位置が
決定されることにより、ローラリング9の位置が決定さ
れ、カムプレート8を介してプランジャ12の往復動タ
イミングが決定される。
【0027】タイマ装置26の制御油圧として作用する
燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイマ
制御弁(TCV)33が設けられている。すなわち、タ
イマハウジング27の加圧室30と低圧室29とが連通
路34によって連通されており、同連通路34の途中に
TCV33が設けられている。このTCV33は、デュ
ーティ制御された通電信号によって開閉制御される電磁
弁であり、同TCV33の開閉制御によって加圧室30
内の燃料圧力が調整される。そして、その燃料圧力の調
整によって、プランジャ12のリフトタイミングが制御
され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期が制御さ
れる。
【0028】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるねじり振動量検出手段としての回転
数センサ35が、パルサ7の外周面に対向して取付けら
れている。この回転数センサ35はパルサ7の突起等が
横切る際に、それらの通過を検出してエンジン回転数N
Eに相当するタイミング信号、すなわち一定のクランク
角度(11.25°CA)毎のエンジン回転パルスを出
力する。また、この回転数センサ35は、そのエンジン
回転パルス毎の瞬時回転数を検出する。さらに、この回
転数センサ35は、ローラリング9と一体であるため、
タイマ装置26の制御動作に関わりなく、プランジャリ
フトに対して一定のタイミングで基準となるタイミング
信号を出力する。
【0029】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。この実施例において、ディーゼルエンジン2は図
示しないマニュアルトランスミッションに駆動連結され
ている。このディーゼルエンジン2ではシリンダボア4
1、ピストン42及びシリンダヘッド43によって各気
筒毎に対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されてい
る。また、それら各主燃焼室44に連通する副燃焼室4
5が各気筒毎に対応して設けられている。そして、各副
燃焼室45には、各燃料噴射ノズル4から噴射される燃
料が供給されるようになっている。また、各副燃焼室4
5には、始動補助装置としての周知のグロープラグ46
がそれぞれ取り付けられている。
【0030】ディーゼルエンジン2には、吸気通路47
及び排気通路48がそれぞれ設けられている。また、そ
の吸気通路47には過給機を構成するターボチャージャ
49のコンプレッサ50が設けられ、排気通路48には
ターボチャージャ49のタービン51が設けられてい
る。また、排気通路48には、過給圧PiMを調節する
ウェイストゲートバルブ52が設けられている。周知の
ようにこのターボチャージャー49は、排気ガスのエネ
ルギーを利用してタービン51を回転させ、その同軸上
にあるコンプレッサ50を回転させて吸入空気を昇圧さ
せる。この作用により、密度の高い混合気を主燃焼室4
4へ送り込んで燃料を多量に燃焼させ、ディーゼルエン
ジン2の出力を増大させるようになっている。
【0031】また、ディーゼルエンジン2には、排気通
路48内の排気の一部を吸気通路47の吸入ポート53
へ還流させるEGR通路54が設けられている。そし
て、そのEGR通路54の途中には、ダイヤフラム式の
エキゾーストガスリサーキュレイションバルブ(EGR
バルブ)55が設けられている。さらに、そのEGRバ
ルブ55を負圧の導入調節によって開度調節させるため
に、デューティ制御された通電信号により開度調節され
るエレクトリックバキュームレギュレーティングバルブ
(EVRV)56が設けられている。そして、このEV
RV56の作動により、EGRバルブ55の開度が調節
され、この調節により、EGR通路54を通じて排気通
路48から吸気通路47へ導かれるEGR量が調節され
る。
【0032】さらに、吸気通路47の途中には、アクセ
ルペダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットル
バルブ58が設けられている。また、そのスロットルバ
ルブ58に平行してバイパス通路59が設けられ、同バ
イパス通路59にはバイパス絞り弁60が設けられてい
る。このバイパス絞り弁60は、二つのVSV61,6
2の制御によって駆動される二段式のダイヤフラム室を
有するアクチュエータ63によって開閉制御される。こ
のバイパス絞り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御
されるものである。例えば、アイドル運転時には騒音振
動等の低減のために半開状態に制御され、通常運転時に
は全開状態に制御され、更に運転停止時には円滑な停止
のために全閉状態に制御される。
【0033】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46及び各VSV56,
61,62は電子制御装置(以下単に「ECU」とい
う)71にそれぞれ接続され、同ECU71によってそ
れらの駆動タイミングが制御される。この実施例では、
ECU71によってトルク制御手段、制御期間変更手段
及び制御期間変更調整手段が構成され、場合によっては
ねじり振動量検出手段、負荷検出手段が構成される。
【0034】ディーゼルエンジン2の運転状態を検出す
る手段を構成するセンサとしては、前述した回転数セン
サ35に加えて、以下の各種センサが設けられている。
すなわち、吸気通路47の入口に設けられたエアクリー
ナ64の近傍には、吸気温度THAを検出する吸気温セ
ンサ72が設けられている。また、スロットルバルブ5
8の開閉位置から、ディーゼルエンジン2の負荷に相当
するアクセル開度ACCPを検出するアクセルセンサ7
3が設けられている。吸入ポート53の近傍には、ター
ボチャージャ49によって過給された後の吸入空気圧
力、すなわち過給圧PiMを検出する吸気圧センサ74
が設けられている。さらに、ディーゼルエンジン2の冷
却水温THWを検出する水温センサ75が設けられてい
る。また、クランクシャフト40のエンジン回転再基準
位置を検出するクランク角センサ76が設けられてい
る。更にまた、図示しないトランスミッションには、そ
のギアの回転によって回されるマグネット77aにより
リードスイッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車
速)SPを検出する車速センサ77が設けられている。
なお、本実施例において、上記回転数センサ35、アク
セルセンサ73等により、負荷検出手段が構成されてい
る。
【0035】ECU71には上述した各センサ35,7
2〜77がそれぞれ接続されている。そして、ECU7
1は各センサ35,72〜77から出力される検出信号
に基づき、電磁スピル弁23、TCV33、グロープラ
グ46、EVRV56及びVSV61,62等を好適に
制御する。
【0036】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等を備えてい
る。そして、ECU71は、これら各部と入力ポート8
5及び出力ポート86等とをバス87によって接続した
論理演算回路として構成されている。
【0037】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセルセンサ73、吸気圧センサ74及び水
温センサ75が、各バッファ88,89,90,91、
マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して接続
されている。同じく、入力ポート85には、前述した回
転数センサ35、クランク角センサ76及び車速センサ
77が、波形整形回路95を介して接続されている。そ
して、CPU81は入力ポート85を介して入力される
各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値として
読み込む。また、出力ポート86には各駆動回路96,
97,98,99,100,101を介して電磁スピル
弁23、TCV33、グロープラグ46、EVRV56
及びVSV61,62等が接続されている。
【0038】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及び
VSV61,62等を好適に制御する。
【0039】次に、前述したECU71により実行され
るトルク制御(実際には燃料噴射量制御)の処理動作に
ついて図5〜11に従って説明する。図5に示すフロー
チャートは、ECU71により実行される各処理のう
ち、トルク制御を行う際に使用される、ねじり振動量の
大きさに相当する最大回転数変化量DLNEmax を決定
するための「最大回転数変化量決定ルーチン」であって
所定時間毎の定時割り込みで実行される。
【0040】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、ECU71は、回転数センサ3
5、クランク角センサ76等の検出値に基づき、エンジ
ン回転数NE、クランクシャフト40の回転位置信号C
NIRQを読み込むとともに、ROM82に予め記憶さ
れた前回エンジン回転数NEOL、トルク制御実行フラ
グF及び予備最大回転数変化量DLNEmax 0を読み込
む。このトルク制御実行フラグFは、別途のルーチンに
よって決定されるものであり、トルク制御を行う必要が
あると判定されたときには「1」に、そうでないときに
は「0」に設定される。上記トルク制御実行フラグFが
「1」に設定される際の条件としては、例えば(1)当
該車両がマニュアルトランスミッション車であること、
(2)始動時以外であること、(3)エンジン回転数N
Eが所定の範囲内にあること、(4)冷却水温THWが
所定値以上であること、(5)現在走行中であること、
(6)アイドル状態が解除されてからの経過時間が所定
時間以内であること、(7)アイドル状態でないこと、
(8)車速SPに対するエンジン回転数NEの比からギ
ヤ位置を推定したもの(NVR)が所定範囲内にあるこ
と、(9)レーシング時以外であること、等の種々の条
件のうち、複数又は単数の任意の条件が選択されうる。
【0041】次に、ステップ102においては、トルク
制御実行フラグFが「1」であるか否かを判定する。そ
して、該フラグFが「0」の場合には、トルク制御を実
行する必要がないものと判断して、ステップ103へ移
行し、最大回転数変化量DLNEmax を「0」に設定す
る。また、続くステップ104において、今回読み込ん
だエンジン回転数NEを前回エンジン回転数NEOLと
して設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0042】一方、ステップ102において、トルク制
御実行フラグFが「1」の場合には、トルク制御を実行
する必要があるものと判断して、ステップ105へ移行
し、回転位置信号CNIRQが例えば「2」であるか否
かを判断する。すなわち、所定の検出時期が到来したか
否かを判断する。ここで、上記処理は、クランクシャフ
ト40の1回転当たりに一回の割合で以降のカウント動
作等を行うために行われるものである。このため、上記
「2」の数値については何ら限定されるものではない。
そして、回転位置信号CNIRQが「2」でない場合に
は、以降の処理を行う必要がないものとして、その後の
処理を一旦終了する。
【0043】また、回転位置信号CNIRQが「2」の
場合には、次のステップ106において、今回読み込ん
だエンジン回転数NEから前回エンジン回転数NEOL
を減算した値を回転数変化量DLNEとして設定する。
【0044】次に、ステップ107においては、今回算
出した回転数変化量DLNEが、予備最大回転数変化量
DLNEmax 0よりも大きいか否かを判断する。そし
て、回転数変化量DLNEが、予備最大回転数変化量D
LNEmax 0よりも大きい場合には、ステップ108に
おいて、今回の回転数変化量DLNEを予備最大回転数
変化量DLNEmax 0として設定する。従って、図6に
示すように、ねじり振動が発生した場合に、微細な時間
の経過とともに回転数変化量DLNEは、当初徐々に増
大してゆくのであるが、その度ごとに予備最大回転数変
化量DLNEmax0は増大更新されてゆく。また、回転
数変化量DLNEのピークを超えたときには、経験上、
そのピークを上回ることがほとんどないことが分かって
いる。このため、今回読み込まれた回転数変化量DLN
Eが、増大更新された予備最大回転数変化量DLNE
max 0よりも大きくなることがなくなる。かかる場合に
は、ステップ109へ移行し、カウンタのカウント値N
を「1」ずつインクリメントする。
【0045】そして、ステップ108又はステップ10
9から移行して、ステップ110においては、カウント
値Nが、予め定められた所定値Na以上となったか否か
を判断する。そして、未だ、カウント値Nが所定値Na
以上となっていない場合には、ステップ104におい
て、今回読み込んだエンジン回転数NEを前回エンジン
回転数NEOLとして設定し、その後の処理を一旦終了
する。また、カウント値Nが所定値Na以上となった場
合には、本制御中において今後、回転数変化量DLNE
が予備最大回転数変化量DLNEmax 0を超えることは
ないものと判断して、ステップ111へ移行する。
【0046】そして、ステップ111においては、予備
最大回転数変化量DLNEmax 0を最大回転数変化量D
LNEmax として設定する。また、次のステップ112
においては、カウント値Nを「0」にクリヤする。そし
て、最後にステップ104に移行して今回読み込んだエ
ンジン回転数NEを前回エンジン回転数NEOLとして
設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0047】以上のように、この「最大回転数変化量決
定ルーチン」においては、そのときどき毎に算出された
回転数変化量DLNE等により、ねじり振動の一回目の
ピークに基づいて、最大回転数変化量DLNEmax が決
定される。
【0048】次に、上記の如く決定された最大回転数変
化量DLNEmax に基づき、トルク制御を行うべく最終
噴射量を算出するための処理について説明する。図7に
示すフローチャートはECU71により実行される各処
理のうち、トルク制御を行うために最終噴射量を算出す
るための「最終噴射量算出ルーチン」を示すものであっ
て所定時間毎の定時割り込みで実行される。
【0049】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ201において、ECU71は、前記「最大回転
数変化量決定ルーチン」で算出された最新の回転数変化
量DLNE及び同ルーチンで決定された最大回転数変化
量DLNEmax を読み込むとともに、トルク制御実行フ
ラグFを読み込む。また、これとともに、別途のルーチ
ンで算出された基本噴射量QBASE及び最大噴射量Q
FULLを読み込む。なお、基本噴射量QBASEの算
出は、先に読み込まれたエンジン回転数NE及びアクセ
ル開度ACCP等に基づいて行われる。すなわち、この
基本噴射量QBASEは、エンジン回転数NE及びアク
セル開度ACCP等をパラメータとする予め定められた
マップを参照して算出される。また、基本噴射量QBA
SEの算出に際しては、必要に応じて冷却水温THW、
アクセル開度ACCP及びエンジン回転数NE等の各値
に基づき、低温始動増量補正、加速増量補正及び減速増
量補正等が行われる。さらに、最大噴射量QFULL
は、エンジン回転数NE等に基づき、予め定めたマップ
と、過給圧PiMとにより求められる。
【0050】次に、ステップ202において、トルク制
御実行フラグFが「1」であるか否かを判定する。そし
て、該フラグFが「1」の場合には、トルク制御を実行
する必要があるものと判断して、ステップ203へ移行
する。ステップ203においては、最大回転数変化量D
LNEmax が「0」であるか否かを判断する。そして、
最大回転数変化量DLNEmax が「0」の場合には、ス
テップ204において、予め定められた初期値KT1を
制御時間KTとして設定する。
【0051】また、最大回転数変化量DLNEmax
「0」でない場合には、その最大回転数変化量DLNE
max の値に基づいて制御時間KTを算出する。この制御
時間KTの算出は、図8に示すように、最大回転数変化
量DLNEmax に対する制御時間KTの関係を定めたマ
ップに基づいて実行される。すなわち、最大回転数変化
量DLNEmax が大きいほどねじり振動の継続時間も長
くなるものであるとの経験的推測に基づき、最大回転数
変化量DLNEmax の増大に伴って、算出される制御時
間KTも大きくなる。このように、ステップ204又は
ステップ205の処理を経ることにより、制御時間KT
が設定される。
【0052】続いて、ステップ204又はステップ20
5から移行して、ステップ206においては、カウンタ
のカウント値(前記カウント値Nとは異なる)Tを
「1」ずつインクリメントする。次に、ステップ207
においては、そのカウント値Tが前記ステップ204又
はステップ205で定められた制御時間KT以上となっ
たか否かを判断する。そして、カウント値Tが未だ制御
時間KTを経過していない場合には、トルク制御を継続
する必要がるものと判断してステップ208へ移行す
る。ステップ208においては、今回読み込んだ回転数
変化量DLNEに基づき補正量QACC2 を算出する。
すなわち、この補正量QACC2 は、図9に示すマップ
が参照されることにより算出される。そして、例えば回
転数変化量DLNEが「0」のときには補正量QACC
2 が「0」に設定され、回転数変化量DLNEがマイナ
ス側に大きくなれば補正量QACC2 がプラス側に大き
く設定され、さらに、回転数変化量DLNEがプラス側
に大きくなれば補正量QACC2がマイナス側に大きく
設定される。
【0053】続いて、ステップ209においては、今回
読み込んだ基本噴射量QBASE及び最大噴射量QFU
LLのうち、いずれか小さい方に対し、上記の補正量Q
ACC2 を加算した値を予備最終噴射量QFINKとし
て設定する。
【0054】そして、ステップ210においては、今回
設定された予備最終噴射量QFINKと、最大噴射量Q
FULLとのうち、いずれか少ない方を最終噴射量QF
INとして設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0055】一方、前記ステップ207において、カウ
ント値Tが制御時間KTを経過した場合には、当初予定
した制御期間が過ぎ、今後トルク制御を行う必要がなく
なったものと判断して、ステップ211へ移行する。そ
して、ステップ211において、カウント値Tを「0」
にクリアする。また、次のステップ212においては、
補正量QACC2 を「0」に設定し、その後前記ステッ
プ209及びステップ210の処理を実行し、その後の
処理を一旦終了する。
【0056】さて、前記ステップ202においてトルク
制御実行フラグFが「0」の場合には、トルク制御を実
行する必要がないものと判断して、ステップ212、ス
テップ209及びステップ210の処理を実行し、その
後の処理を一旦終了する。
【0057】以上のように、この「最終噴射量算出ルー
チン」においては、図10に示すように、最終噴射量Q
FINが算出されるに際し、最大噴射量QFULL又は
基本噴射量QBASEに対して、そのときどきの回転数
変化量DLNEに応じた補正量QACC2 分だけ補正が
なされる。また、最大回転数変化量DLNEmax に基づ
いて制御時間KTが算出され、この制御時間KTの間だ
け、上記の補正制御が行われ、その制御期間KTの経過
後は、補正制御が実行されない。
【0058】さらに、補正量QACC2 分だけ補正演算
された予備最終噴射量QFINKが、最大噴射量QFU
LLを上回る場合には、最終噴射量QFINとして、最
大噴射量QFULLが採択される。すなわち、予備最終
噴射量QFINKが、最大噴射量QFULLを上回らな
い場合にだけ、上記補正制御が行われることとなる。よ
り詳しくは、全負荷以外の部分負荷のときには、補正量
QACC2 による加減算補正が実行され、全負荷の場合
であって、補正後の噴射量が最大噴射量QFULLを上
回りそうな場合には、補正量QACC2 による減算補正
のみが実行されることとなる。
【0059】以上説明したように、車両を急速に加速し
ようと、アクセルペダル57を踏み込んだりした場合に
は、ディーゼルエンジン1の出力トルクが急激に変化し
て、出力を駆動輪へ伝達するためのクランクシャフト4
0等の駆動系にねじり振動が生じる。しかし、本実施例
によれば、上記トルク制御が行われることにより、ねじ
り振動によるトルク変動が相殺され、車両が前後に振動
したりするのが抑制される。
【0060】また、本実施例によれば、トルク制御の期
間(制御期間KT)が、最大回転数変化量DLNEmax
に基づいて算出され、この制御時間KTの間だけ、上記
の燃料噴射量制御によるトルク補正制御が行われ、その
制御期間KTの経過後は、補正制御が実行されない。こ
こで、ねじり振動量たる最大回転数変化量DLNEma x
の大きさは、ねじり振動が継続しうる期間に相関してい
る。このため、上記制御期間KTがねじり振動量の大き
さに応じて可変とされうることにより、その継続しうる
期間に合わせてトルク制御が行われることとなる。従っ
て、トルク制御の完了時期が早すぎることとなったり、
遅すぎることとなったりするのが防止されうる。その結
果、ねじり振動に起因した車両振動の低減効果の確実性
を高めることができるとともに、加速性の悪化を最小限
に止めることができる。
【0061】さらに、本実施例によれば、補正量QAC
2 分だけ補正演算された予備最終噴射量QFINK
が、最大噴射量QFULLを上回る場合には、最終噴射
量QFINとして、最大噴射量QFULLが採択され
る。すなわち、全負荷以外の部分負荷のときには、補正
量QACC2 による加減算補正が実行され、全負荷の場
合であって、補正後の噴射量が最大噴射量QFULLを
上回りそうな場合には、補正量QACC2 による減算補
正のみが実行される。このため、最大噴射量QFULL
を超えての増量補正はなされないこととなる。その結
果、余剰量の燃料噴射がなされなくなり、ひいては燃費
の向上及びスモークの発生防止を図ることができる。
【0062】(第2実施例)次に、本発明を同じく内燃
機関としてのディーゼルエンジンのトルク制御装置に具
体化した第2実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
但し、本実施例における構成は、前述した第1実施例と
ほぼ同様であるため、同一の部材については同一の名称
及び符号を付すものとして、以下には相違点を中心に説
明する。
【0063】前記第1実施例においては、そのときのデ
ィーゼルエンジン1の負荷状態が全負荷であろうが部分
負荷であろうが、制御時間KTの間は補正量QACC2
を算出し、その値の基づいて補正演算を実行していた。
これに対し、本実施例では、部分負荷時においては、制
御時間KTを考慮していないという点で、上記第1実施
例とは異なっている。
【0064】図11に示すフローチャートは、ECU7
1により実行される各処理のうち、第2実施例における
トルク制御を行うために最終噴射量を算出するための
「最終噴射量算出ルーチン」を示すものであって所定時
間毎の定時割り込みで実行される。但し、ここで示す各
処理において、第1実施例の処理と同様の処理を行う部
分については、その説明が簡略化される。処理がこのル
ーチンへ移行すると、先ずステップ201において、回
転数変化量DLNE、最大回転数変化量DLNEmax
トルク制御実行フラグF、基本噴射量QBASE及び最
大噴射量QFULLを読み込み、次のステップ202に
おいて、トルク制御実行フラグFが「1」であるか否か
を判定する。そして、該フラグFが「1」の場合には、
トルク制御を実行する必要があるものと判断して、ステ
ップ301へ移行する。
【0065】ステップ301においては、今回読み込ん
だ基本噴射量QBASEが、最大噴射量QFULLより
も小さいか否かを判断する。すなわち、現在の負荷状態
が、全負荷時であるか、部分負荷時であるかを判断す
る。そして、基本噴射量QBASEが最大噴射量QFU
LL以上の場合には、現在の負荷状態が全負荷時である
ものとして、前記第1実施例と同様、ステップ203〜
ステップ207の処理を実行する。つまり、制御時間K
Tの間には、補正制御を行うべく、ステップ208〜ス
テップ210の処理を実行し、制御時間KTを経過した
場合には、補正量QACC2 を「0」に設定し、実質上
トルク制御を実行しない(ステップ211,212)。
【0066】一方、ステップ301において、基本噴射
量QBASEが最大噴射量QFULLよりも小さい場合
には、現在の負荷状態が部分負荷時であるものとして、
ステップ208にジャンプする。すなわち、制御時間K
Tを考慮することなく、回転数変化量DLNEに基づ
き、補正量QACC2 を算出し、それに基づいて最終噴
射量QFINの補正制御を行う(ステップ209,21
0)。
【0067】以上のように、この「最終噴射量算出ルー
チン」においても、上述した第1実施例と同様の作用効
果を奏する。また、本実施例においては、部分負荷時に
は、制御時間KTを考慮することなく、補正量QACC
2 を算出しトルク制御を行うようにしている。ここで、
部分負荷時には、加速性はさほど問題とならないことが
わかっている。このため、トルク制御期間の可変制御
(制御時間KT中のみ補正制御を行うこと)は全負荷時
のみ実施され、加速性があまり問題とならない部分負荷
時には実施されないこととなる。このため、部分負荷時
におけるトルク制御期間の可変制御のためのプログラム
が省略されうることとなり、ひいてはコストの低減を図
ることができる。
【0068】尚、本発明は上記各実施例に限定されず、
例えば次の如く構成してもよい。 (1)前記第1実施例において、制御時間KTを算出す
るための最大回転数変化量DLNEmax は、そのときど
き毎に算出された回転数変化量DLNE等により、ねじ
り振動の一回目のピークに基づいて決定されていた(図
6参照)が、最大回転数変化量DLNEmax を決定する
に際しては、その外にも種々の方法により決定すること
ができる。例えば、図12に示すように、一回目のねじ
り振動の正及び負側の最大振幅を最大回転数変化量DL
NEmax としてもよいし、一回目のねじり振動の負側の
最大振幅を最大回転数変化量DLNEmax としてもよ
い。また、二回目のねじり振動の正側の最大振幅を最大
回転数変化量DLNEmax としてもよい。この場合に
は、車両振動の発生時間との相関関係が高まり、より正
確な制御を行うことも可能となる。
【0069】また、ねじり振動量を検出するための手段
としては、回転数変化量DLNE以外のパラメータに基
づいて検出するようにしてもよい。 (2)前記実施例では、ディーゼルエンジン1の燃料噴
射量を制御することにより、トルク制御を行うようにし
たが、その外にも燃料噴射時期を制御することによりト
ルク制御を行うようにしてもよい。また、内燃機関とし
てガソリンエンジンを採用した場合には、点火時期、空
燃比、吸入空気量等を制御することにより、トルク制御
を行うこともできる。
【0070】(3)前記実施例では、最大回転数変化量
DLNEmax に対する制御時間KTの関係は比例関係と
した(図8参照)が、最大回転数変化量DLNEmax
増大に伴って、制御時間KTが加速度的に増大するよう
な曲線的な関係を有していてもよい。
【0071】(4)前記実施例では、回転数変化量DL
NEに対する補正量QACC2の関係も図9のようにし
たが、この関係もかならずしも直線状でなくてもよい。
【0072】
【0073】
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は2
記載の発明によれば、ねじり振動量に基づき、トルク調
整手段を制御するようにした内燃機関のトルク制御装置
において、ねじり振動に起因した車両振動の低減効果の
確実性を高めることができ、しかも、加速性の悪化を最
小限に止めることができるとう優れた効果を奏する。
【0075】
【0076】さらに、請求項に記載の発明によれば、
スモークの発生を防止することができるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な概念構成を説明する概念構成
図である。
【図2】本発明を具体化した第1実施例におけるディー
ゼルエンジンのトルク制御装置を示す概略構成図であ
る。
【図3】第1実施例において、ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプを示す断面図である。
【図4】第1実施例において、ECUの電気的構成を示
すブロック図である。
【図5】第1実施例において、ECUにより実行される
「最大回転数変化量決定ルーチン」の処理を示すフロー
チャートである。
【図6】第1実施例において、ねじり振動が発生したと
きの時間に対する回転数変化量の関係を示すグラフであ
る。
【図7】第1実施例において、ECUにより実行される
「最終噴射量算出ルーチン」の処理を示すフローチャー
トである。
【図8】第1実施例において、最大回転数変化量に対す
る制御時間の関係を定めたマップである。
【図9】第1実施例において、回転数変化量に対する補
正量の関係を定めたマップである。
【図10】第1実施例において、時間の経過に対するア
クセル開度、エンジン回転数、回転数変化量、補正量、
制御時間及び最終噴射量の関係を示すタイミングチャー
トである。
【図11】本発明を具体化した第2実施例において、E
CUにより実行される「最終噴射量算出ルーチン」の処
理を示すフローチャートである。
【図12】本発明を具体化した別の実施例において、ね
じり振動が発生したときの時間に対する回転数変化量の
関係を示すグラフであって、最大回転数変化量のその他
の例を示すものである。
【符号の説明】
1…トルク調整手段を構成する燃料噴射ポンプ、2…内
燃機関としてのディーゼルエンジン、35…ねじり振動
量検出手段及び負荷検出手段を構成する回転数センサ、
40…駆動系を構成するクランクシャフト、73…負荷
検出手段を検出するアクセルセンサ、71…トルク制御
手段、制御期間変更手段、負荷検出手段及び制御期間変
更調整手段を構成するECU。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の駆動系のねじり振動量を検出
    するねじり振動量検出手段と、 前記内燃機関のトルクを調整するためのトルク調整手段
    と、 前記ねじり振動量検出手段により検出されたねじり振動
    量に基づき、前記トルク調整手段を制御するトルク制御
    手段と、 前記ねじり振動量検出手段により検出されたねじり振動
    量に応じて、前記トルク制御手段によるトルク制御期間
    を可変とする制御期間変更手段と、 前記内燃機関の加速時の負荷を検出する負荷検出手段
    と、 前記負荷検出手段により検出された負荷が全負荷である
    ときにのみ、前記制御期間変更手段によるトルク制御期
    間の可変制御を許容する制御期間変更調整手段とを備え
    内燃機関のトルク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃機関はディーゼルエンジンであ
    り、かつ、前記トルク調整手段は燃料噴射量調整手段で
    あり、さらに、前記トルク制御手段は、ディーゼルエン
    ジンの運転状態に基づいて基本噴射量及び最大噴射量を
    演算するとともに、そのうちのいずれか少ない方を採択
    し、前記ねじり振動量検出手段により検出されたねじり
    振動量に応じた補正をすることにより最終噴射量を算出
    し、該最終噴射量に基づいて前記燃料噴射量調整手段を
    制御するようにした請求項1に記載の内燃機関のトルク
    制御装置において、 前記基本噴射量が前記最大噴射量を超えるときには、前
    記トルク制御手段による燃料噴射量の補正を減量側にお
    いてのみ実施するようにしたことを特徴とする内燃機関
    のトルク制御装置。
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