JP4752728B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の加速時に内燃機関のトルクを調整して車両の振動を抑制する内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関への燃料供給を停止して車両を惰行させているコースト状態から燃料供給を再開する際に内燃機関の出力を一時的に低下させて車両の前後振動を低減する車両の駆動力制御装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開平10−9018号公報 特開2003−41987号公報
車両の加速時に内燃機関のトルクが急激に変化すると、エンジンマウントの捩れ、前部サスペンションの伸張、後部サスペンションの縮み及びドライブシャフトの捩れなどが生じて車両に弾性エネルギが蓄積される。蓄積された弾性エネルギは、蓄積可能な上限を超えると放出され、車両を前後方向に振動させる。上述した従来の制御装置では、これらエンジンマウント、サスペンション及びドライブシャフトなどバネとして機能する各部に蓄積された弾性エネルギを考慮して内燃機関の出力などを制御していないため、内燃機関の出力を無駄に低下させて車両の加速性能を低下させたり、不十分な出力低下によって車両の前後振動が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、車両を速やかに加速でき、かつ車両の前後振動を適切に抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、車両の加速時に前記車両に搭載されている内燃機関のトルクを調整して前記車両の振動を抑制する内燃機関の制御装置において、前記車両の加速時に前記車両に蓄積され、前記車両の振動に影響を与える弾性エネルギの大きさを推定する弾性エネルギ推定手段と、前記弾性エネルギ推定手段の推定結果に基づいて前記車両の振動が抑制されるように前記内燃機関のトルクを調整するトルク制御手段と、を備え、前記弾性エネルギ推定手段は、前記車両の加速時における前記車両の前後方向の加速度の微分値及び前記車両が加速状態に維持された時間に基づいて前記車両に蓄積された弾性エネルギの大きさを推定することにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の制御装置によれば、推定した弾性エネルギの大きさに基づいて内燃機関のトルクが調整されるので、内燃機関のトルクの無駄な低下、及び不十分なトルク低下を防止できる。そのため、車両を速やかに加速させることができるとともに、車両の振動を適切に抑制できる。
両に作用する力は車両の加速度に比例するため、車両の加速度の微分値(ジャーク、加加速度、躍度などとも呼ばれる。)は単位時間あたりに車両に作用した力と比例関係を有する。車両には、車両に作用した力の一部が弾性エネルギとして蓄積されるため、車両に蓄積された弾性エネルギの大きさは加速度の微分値及び車両が加速状態に維持された状態に基づいて推定できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記トルク制御手段は、前記弾性エネルギ推定手段により推定された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲外の場合に前記内燃機関のトルクを低下させてもよい(請求項2)。この場合、車両に蓄積された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲内であれば内燃機関のトルク低下を行わないので、車両を速やかに加速させることができる。
この形態において、前記所定の許容範囲の上限値及び下限値には、前記車両に蓄積された弾性エネルギが放出されて前記車両が振動したときに前記車両のドライバに不快感を与えないような振動となる所定の弾性エネルギ範囲の上限値及び下限値が設定されていてもよい(請求項3)。この場合、ドライバに不快感を与えることなく車両を加速させることができる
また、前記内燃機関は、点火プラグを備えた火花点火式内燃機関であり、前記トルク制御手段は、前記弾性エネルギ推定手段により推定された弾性エネルギの大きさ前記所定の許容範囲外の場合、前記点火プラグの点火時期を遅角させて前記内燃機関のトルクを低下させてもよい(請求項4)。このように点火時期を遅角させることにより、速やかに内燃機関のトルクを低下させることができる。
さらに、前記内燃機関は複数の気筒を備えるとともに、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を休止させる減筒運転を実施可能であり、前記トルク制御手段は、前記点火プラグの点火時期の遅角にて低下させた前記内燃機関のトルクでは前記車両の振動が発生すると判断した場合、前記内燃機関の減筒運転を実施してもよい(請求項5)。減筒運転によって一部の気筒を休止させることにより、内燃機関のトルクを確実に低下させることができる。そのため、車両の振動を確実に抑制できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記弾性エネルギ推定手段は、前記車両に対して設定され、前記車両の各部の弾性係数と相関関係を有する弾性エネルギ推定係数を使用して前記車両に蓄積された弾性エネルギの大きさを推定し、前記車両の加速時における前記車両の前後方向の加速度の微分値の時間変化に基づいて前記弾性エネルギ推定係数を補正する推定係数補正手段をさらに備えていてもよい(請求項6)。弾性エネルギが蓄積される部分は、捩れや伸縮などの弾性変形が行われた回数によって弾性係数が変化するため、これらの部分に蓄積される弾性エネルギの大きさが変化する。この形態では、車両の各部の弾性係数が変化しても推定係数補正手段によって弾性エネルギ推定係数が補正されるので、車両に蓄積された弾性エネルギの大きさを精度良く推定することができる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関を支持する複数の支持部を有し、前記複数の支持部のバネ定数をそれぞれ変更して前記車両の振動を低減可能なアクティブエンジンマウントを介して前記内燃機関が前記車両に搭載されており、前記トルク制御手段は、前記車両に弾性エネルギが蓄積されている期間に前記車両に蓄積される弾性エネルギが低減されるように前記複数の支持部のバネ定数をそれぞれ変更してもよい(請求項7)。このように車両に蓄積される弾性エネルギを低減させることにより、車両の振動を抑制するために行う内燃機関のトルク低下の実施期間を短縮したり、省略できる。そのため、車両をより速やかに加速させることができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記トルク制御手段は、前記内燃機関のトルクを低下させるトルク低下制御時に前記車両の加速度が予め設定した所定加速度以上に変化した場合、前記トルク低下制御を中止してもよい(請求項8)。車両の各部に生じる捩れや伸縮は車両の加速が開始された直後に発生し、それらの部分の捩れや伸縮は車両の加速度がある程度より小さいときに戻る。そのため、車両の加速度がある程度以上では、すでに車両の各部に生じる捩れや伸縮が戻って弾性エネルギが放出されていると考えられるため、トルク低下制御を中止しても車両の振動を抑制することができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は、前記車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサを備えていてもよい(請求項9)。この場合、容易に車両の前後方向の加速度を取得することができる。
以上に説明したように、本発明の制御装置によれば、加速時に車両に蓄積される弾性エネルギの大きさを推定し、その推定した弾性エネルギの大きさに基づいて内燃機関のトルクを調整するので、内燃機関のトルクの無駄な低下、及び不十分なトルク低下を防止できる。そのため、車両を速やかに加速でき、かつ車両の振動を適切に抑制できる。
図1は、本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の一例を示している。図1の内燃機関(以下、エンジンと呼ぶこともある。)1は、複数(図1では4つ)の気筒2と、各気筒2にそれぞれ接続される吸気通路3及び排気通路4を備えている。吸気通路3には、各気筒2に対応して複数のインジェクタ5が設けられている。また、各気筒2には、それぞれ点火プラグ6が設けられている。図2に示したように、エンジン1は、車両100に走行用動力源として搭載される。エンジン1は、アクティブエンジンマウント101を介して車体102に取り付けられている。アクティブエンジンマウント101は、エンジン1を支持する支持部101aのバネ定数を変化させることによってエンジン1から車体102への振動の伝達を抑制可能な周知のものでよい。そのため、詳細な説明は省略する。
各インジェクタ5、各点火プラグ6及びアクティブエンジンマウント101の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)20によってそれぞれ制御される。ECU20は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、エンジン1及び車両100に設けられた各種センサから入力される信号に基づいてエンジン1の動作を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU20には、各種センサとして例えばエンジン1のクランク角度に対応した信号を出力するクランク角センサ31、車両100の前後方向(図2の左右方向)の加速度に対応した信号を出力する加速度センサ32、アクセル開度に対応した信号を出力するアクセル開度センサ33などが接続される。これらのセンサの情報に基づいてECU20は、例えばエンジン1が所定時間継続してアイドリング運転されるなどの所定の減筒運転条件が成立した場合に4つの気筒2のうちの一部(例えば2つ)の気筒2への燃料供給が停止されてエンジン1が減筒運転されるように各インジェクタ5の動作をそれぞれ制御する。また、ECU20は、エンジン1のクランク軸の回転数に応じて適切な時期に各気筒2にて燃焼が行われるように各点火プラグ6の点火時期を制御する。
図3は、ECU20が車両の加速時にエンジン1のトルクを制御するために、エンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行するエンジントルク制御ルーチンを示している。図3の制御ルーチンにおいてECU20は、まずステップS11で車両100が加速中か否か判断する。この判断は、例えば加速度センサ32の出力信号及びアクセル開度センサ33の出力信号に基づいて行い、アクセル開度が所定値より大きくかつ車両100の前後方向への加速度が検出されている場合に車両100が加速中と判断する。車両100が加速中ではないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、車両100が加速中と判断した場合はステップS12に進み、ECU20は車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさを推定する。車両100の加速時、車両100にはこのときの加速度に比例した力が作用し、その力の一部がドライブシャフトの捩れ、エンジンマウントの捩れ及びサスペンションの伸縮などにより車両100に弾性エネルギとして蓄積される。周知のように、部材内に蓄積される弾性エネルギの大きさは、この部材の弾性係数と部材に生じた歪みとを掛け合わせることによって算出できる。そこで、ドライブシャフト、エンジンマウント、及びサスペンションなどバネとして機能する各部の弾性係数に基づいて車両全体の弾性係数に相当する弾性エネルギ推定係数を設定し、この弾性エネルギ推定係数に加速度の微分値を掛け合わせることによって車両に蓄積されている弾性エネルギの大きさを推定する。なお、弾性エネルギ推定係数は、例えば実験や数値計算などによって予め求め、ECU20のRAMに記憶させておく。
次のステップS13においてECU20は、車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲内か否か判断する。所定の許容範囲の上限値及び下限値には、例えば車両100に蓄積された弾性エネルギが放出されて車両100が振動したときにドライバに不快感を与えない程度の振動が発生する弾性エネルギ範囲の上限値及び下限値が設定される。車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲内と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲外と判断した場合はステップS14に進み、ECU20はエンジン1のトルクを低下させるトルク低下制御を行う。トルク低下制御において、ECU20は、まず各点火プラグ6の点火時期を遅角させてエンジン1のトルクを低下させる。この際の遅角量は、例えば車両100に蓄積された弾性エネルギが大きいほど大きく設定する。なお、点火時期の遅角のみでは車両100の振動を十分に抑制できない大きさの弾性エネルギが車両100に蓄積されている場合は、一部の気筒2への燃料供給を停止させる減筒運転を実施する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図4を参照して図3の制御ルーチンにてエンジン1のトルクが制御された場合の車両100に蓄積される弾性エネルギの時間変化を説明する。図4は、上から順にアクセル開度、エンジン1のトルク、車両100の前後方向の加速度(前後加速度)、車両100の前後方向の加速度の微分値、車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさ、点火時期のそれぞれの時間変化の一例を示している。また、図5に図3の制御ルーチンによるトルク制御を禁止した場合、すなわち非制御時に車両100に蓄積される弾性エネルギの時間変化の一例を比較例として示す。なお、図5は、上から順にアクセル開度、エンジン1のトルク、車両100の前後方向の加速度、車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさのそれぞれの時間変化の一例を示している。
図4に示したように、時刻T1においてドライバがアクセルを開けると、エンジン1のトルクが増加し始める。これにより、車両100の加速が開始され、車両100に弾性エネルギが蓄積され始める。その後、徐々に車両100には弾性エネルギが蓄積される。時刻T2において車両100に蓄積された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲外になる、すなわち図3の制御ルーチンのステップS13が否定判断されるとトルク低下制御が行われる。上述したようにトルク低下制御では、各点火プラグ6の点火時期の遅角が行われる。これにより、エンジン1のトルクを低下させ、車両100の前方向への加速度を減少させる。このトルク低下制御が行われると、エンジンマウント、サスペンション及びドライブシャフトなどバネとして機能する車両100の各部に掛かる力が減少するため、これら各部の伸縮又は捩れの一部が戻り、これにより車両100に蓄積されていた弾性エネルギの一部が徐々に放出される。その後、弾性エネルギの大きさが許容範囲内に戻り、蓄積方向及び放出方向への振動が収まった時刻T3においてトルク低下制御が中止され、点火時期の進角が行われる。なお、図4の一番下の図に示したように、点火時期はその遅角が行われる前の時期程度まで進角され、その後エンジン1の運転状態に応じて適宜調整される。点火時期の進角が行われる時期は図4の時刻T3に限定されない。例えば、弾性エネルギの大きさが許容範囲内に戻った時点から点火時期の進角を行ってもよい。
図5の比較例では、時刻T11においてアクセルが開けられると、そのアクセル開度に応じてエンジン1のトルクが増加する。この比較例では図3の制御ルーチンによるトルク制御が禁止されているので、車両100には所定の許容範囲を超えて弾性エネルギが蓄積される。蓄積された弾性エネルギは、その後車両100に蓄積可能な上限を超えると放出されるため、車両100には最初の振動方向とは逆方向の振動が発生する。これにより、車両100が前後方向に揺れる振動、いわゆるしゃくり現象が生じ、ドライバに不快感を与える。
本発明の制御装置では、振動の要因となる弾性エネルギの大きさを推定し、その推定した弾性エネルギの大きさに基づいてエンジン1のトルクを制御するので、適切に振動を抑制することができる。例えば、エンジン1のトルクを低下させるか否か判断するための所定の許容範囲の上限値及び下限値を適切に設定することにより、ドライバが不快に感じる振動の発生を防止できる。また、車両100に蓄積されている弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲内の場合はエンジン1のトルク低下制御を実施しないので、エンジン1のトルクの無駄な低下を抑制できる。そのため、車両100を速やかに加速させることができる。
なお、ECU20は図3の制御ルーチンを実行することにより、本発明のトルク制御手段として機能し、図3の制御ルーチンのステップS12の処理を実行することにより本発明の弾性エネルギ推定手段として機能する。
図6は、ECU20がトルク低下制御を停止させるために所定の周期で繰り返し実行するトルク低下制御停止制御ルーチンを示している。図6のルーチンにおいてECU20は、ステップS21でトルク低下制御が行われているか否か判断する。この判断は、例えば図3のステップS14の処理が実行されたか否かに基づいて行う。トルク低下制御が行われていないと判断した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、トルク低下制御が行われていると判断した場合はステップS22に進み、ECU20は車両100の前後方向の加速度が予め設定した所定の停止判定加速度以上か否か判断する。周知のようにエンジン1の回転は、複数のギア及び複数の回転軸を介して車両100のドライブシャフトに伝達される。これらの複数のギア、複数の回転軸、及びドライブシャフトに捩れが生じると、これらの部分の捩れがエンジン1の回転の伝達を阻害するため、車両100の加速度が抑制されると考えられる。これらの部分の捩れは車両100の加速が開始された直後に発生し、これらの部分がそれぞれの弾性変形の上限に達すると戻る。これらの部分は車両100の加速が開始された初期の時期に速やかにその弾性変形の上限に達するため、車両100の加速度がある程度よりも小さいときにこれらの捩れは戻ると考えられる。そのため、車両100の加速度がある程度以上であれば、これらの部分の捩れは解消されていると考えられる。そこで、所定の停止判定加速度には、これらの部分の捩れが解消していると推定される加速度が設定される。なお、これらの部分の弾性変形の上限はこれらの部分の形状及び材質に応じて変化するため、所定の停止判定加速度はこれらのパラメータに応じて適宜設定される。車両100の前後方向の加速度が停止判定加速度未満の場合は、今回のルーチンを終了する。一方、車両100の前後方向の加速度が停止判定加速度以上の場合はステップS23に進み、ECU20はトルク低下制御を停止する。その後、今回のルーチンを終了する。
このようにトルク低下制御を停止させることにより、トルク低下制御を停止させた後に複数の回転軸、複数のギア及びドライブシャフトのそれぞれ捩れに起因する振動の発生を抑制できる。
図7は、ECU20がアクティブエンジンマウント101を制御するためにエンジン1の運転中に所定の周期で実行するアクティブエンジンマウント制御ルーチンを示している。
図7の制御ルーチンにおいてECU20は、まずステップS31においてアクセル開度センサ33及び加速度センサ32の出力信号に基づいてアクセル開度及び車両100の前後方向の加速度を取得する。次のステップS32においてECU20は、取得したアクセル開度及び車両100の加速度に基づいて車両100が加速中であり、かつ車両100への弾性エネルギの蓄積が行われているか否か判断する。車両100が加速中か否かは、例えばアクセル開度が所定開度以上の場合に加速中と判断する。車両100への弾性エネルギの蓄積が行われているか否かは、例えば取得した加速度の微分値が正の場合に行われていると判断する。
車両100が加速中であり、かつ車両100への弾性エネルギの蓄積が行われていると判断した場合はステップS33に進み、ECU20は各支持部101aのバネ定数がそれぞれ増加するようにアクティブエンジンマウント101を制御する。すでに各支持部101aのバネ定数を増加させていた場合、ECU20はそのバネ定数を維持する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、車両100が加速中ではない又は車両100への弾性エネルギの蓄積が行われていないと判断した場合はステップS34に進み、ECU20は各支持部101aのバネ定数をそれぞれ増加させる前の値である通常バネ定数に戻す。なお、通常バネ定数には、車両100に弾性エネルギが蓄積されていない状態においてエンジン1から車両100への振動の伝達が抑制される値が設定される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
各支持部101aのバネ定数を増加させることにより支持部101aの変形を抑えることができるので、エンジンマウントの捩れを抑えることができる。すなわち、エンジンマウントに蓄積される弾性エネルギを低減できる。そのため、このようにアクティブエンジンマウント101を制御することにより、加速時に車両100に蓄積される弾性エネルギを低減できるので、トルク低下制御の実施時間を短縮したり、トルク低下制御を省略できる。従って、車両100を速やかに加速させることができる。
なお、アクティブエンジンマウント101のバネ定数の変更は、車両100の前後方向の加速度のみに基づいて行ってもよい。例えば、車両100の加速度が予め設定した判定加速度以上の場合に各支持部101aのバネ定数をそれぞれ増加させてもよい。このように車両100の加速度のみに基づいてアクティブエンジンマウント101を制御することにより、この制御を簡易化できる。なお、判定加速度としては、例えば車両100への弾性エネルギの蓄積が行われる加速度範囲の下限値が設定される。
周知のようにサスペンションなどは弾性変形が繰り返し行われると、その弾性係数が変化する。これは、車両100に設けられてバネとして機能するエンジンマウント及びドライブシャフトなども同様である。そこで、ECU20は、弾性エネルギの大きさを推定するときに使用する弾性エネルギ推定係数を補正するべく図8に示した推定係数補正ルーチンをエンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行する。このルーチンを実行することによりECU20は本発明の推定係数補正手段として機能する。
図8のルーチンにおいてECU20は、まずステップS41で車両100の加速中にトルク低下制御が行われたか否か判断する。この判断は、例えば図3のステップS14の処理が実行されたか否かに基づいて行う。トルク低下制御が行われていないと判断した場合は今回のルーチンを終了する。一方、トルク低下制御が行われたと判断した場合はステップS42に進み、ECU20はこのトルク低下制御時に生じた車両100の振動が許容振動範囲内であったか否か判断する。図9を参照して許容振動範囲について説明する。図9は、上から順にアクセル開度の時間変化、トルク低下制御を行ったときの車両100の前後方向の加速度の時間変化、加速度の微分値の時間変化の一例をそれぞれ示している。図9の上の図のようにアクセル開度を変化させた場合、図9の中央の図のように車両100の前後方向の加速度が変化すると、図9の下の図のように加速度の微分値が大きく振動する。加速度の微分値は、単位時間あたりに車両100に作用した力と比例しているため、このように加速度の微分値が大きく変動すると、車両100に大きな振動が発生する。そこで、図9の下の図に示したようにドライバが不快に感じない振動の上限値及び下限値に相当する加速度の微分値を上限値+J、下限値−Jとて設定し、加速度の微分値が加速開始T21から所定時間Tの間に加速度の微分値の許容ジャーク範囲+J〜−Jから2回以上外れた場合に車両100に許容振動範囲外の振動が発生したと判断する。車両100の振動が許容振動範囲内と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、車両100の振動が許容振動範囲外と判断した場合はステップS43に進み、ECU20は弾性エネルギ推定係数を補正する。上述したように図3の制御ルーチンにて行われるトルク低下制御は、車両100の振動を抑制するために行われる。このトルク低下制御時に車両100の振動が許容振動範囲を外れた場合は、推定した弾性エネルギよりも大きい弾性エネルギが車両100に蓄積されていたと考えられる。これは、サスペンション、エンジンマウント及びドライブシャフトなどの弾性変形が繰り返し行われて車両100の弾性係数が変化したためと推定される。そこで、このようにトルク低下制御時に車両100の振動が許容振動範囲を外れた場合は弾性エネルギ推定係数を補正する。また、補正前の弾性エネルギ推定係数では車両100に蓄積されていた弾性エネルギが実際よりも小さく推定されていたと考えられるので、この補正では補正前よりも弾性エネルギ推定係数を増加させる。このときの補正量は、例えばトルク低下制御時における加速度の微分値の最大値と許容ジャーク範囲の最大値+Jとの差、又はトルク低下制御時における加速度の微分値の最小値と許容ジャーク範囲の最小値−Jとの差に基づいて設定する。
次のステップS24においてECU20は、RAMに記憶されていた弾性エネルギ推定係数の値を補正後の弾性エネルギ推定係数の値に書き換える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
このように車両100の弾性エネルギ推定係数を補正することにより、弾性エネルギの大きさの推定精度を向上させることができる。そのため、車両100の振動をさらに抑制しつつ車両100を速やかに加速させることができる。
加速度の微分値は、図10に示したように車両100が停止する前に車両100の減速が終了してブレーキが解除された際にも変動する。なお、図10は、上から順に車両100が減速後に加速される場合におけるアクセル開度、車両100の前後方向の加速度、その加速度の微分値のそれぞれの時間変化の一例を示している。図10では、時刻T31までブレーキによる車両100の減速が行われている。その後、時刻T31にてブレーキが解除され、続いて時刻T32においてアクセルが開けられる。アクセル開度が所定値に到達した時刻T33以降は、アクセル開度が所定値に維持されて車両100が加速状態に維持される。車両100の前後方向の加速度が図10に示したような時間変化を示すように車両100が運転された場合、時刻T31に発生したブレーキ解除に起因する加速度の微分値の変動も車両100に蓄積された弾性エネルギとして推定されるおそれがある。そこで、例えば車両100が停止する前にブレーキが解除され、続けてアクセルが開けられた場合はアクセルが開けられてから予め設定した推定禁止時間の間は車両100に蓄積される弾性エネルギの大きさの推定を禁止させてもよい。推定禁止時間には、ブレーキ解除に起因する加速度の微分値の変動が収まる程度の時間、例えば100msecが設定される。なお、この時間は車両によってそれぞれ異なるので、本発明が適用される車両に応じて適宜設定される。
このように推定禁止時間を設けることにより、ブレーキ解除後に続けてアクセルが開けられても車両100に蓄積される弾性エネルギの大きさの誤った推定を抑制できる。これにより弾性エネルギの大きさの推定精度をさらに向上させることができる。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明は火花点火式エンジンに限らず、ディーゼルエンジンに適用してもよい。
本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の一例を示す図。 図1の内燃機関が搭載された車両を示す図。 ECUが実行するエンジントルク制御ルーチンを示すフローチャート。 図3の制御ルーチンを実行した場合における車両の状態に関係する各パラメータの時間変化の一例を示す図。 図3の制御ルーチンを禁止した場合における車両の状態に関係する各パラメータの時間変化の一例を示す図。 ECUが実行するトルク低下制御停止制御ルーチンを示すフローチャート。 ECUが実行するアクティブエンジンマウント制御ルーチンを示すフローチャート。 ECUが実行する推定係数補正ルーチンを示すフローチャート。 トルク低下制御時におけるアクセル開度、車両の前後方向の加速度、加速度の微分値のそれぞれの時間変化の一例を示す図。 車両が停止する前に車両の減速が終了してブレーキが解除され、その後車両が加速されたときのアクセル開度、車両の前後方向の加速度、加速度の微分値のそれぞれの時間変化の一例を示す図。
符号の説明
1 エンジン
2 気筒
6 点火プラグ
20 エンジンコントロールユニット(弾性エネルギ推定手段、トルク制御手段、推定係数補正手段)
32 加速度センサ
100 車両
101 アクティブエンジンマウント
101a 支持部

Claims (9)

  1. 車両の加速時に前記車両に搭載されている内燃機関のトルクを調整して前記車両の振動を抑制する内燃機関の制御装置において、
    前記車両の加速時に前記車両に蓄積され、前記車両の振動に影響を与える弾性エネルギの大きさを推定する弾性エネルギ推定手段と、前記弾性エネルギ推定手段の推定結果に基づいて前記車両の振動が抑制されるように前記内燃機関のトルクを調整するトルク制御手段と、を備え
    前記弾性エネルギ推定手段は、前記車両の加速時における前記車両の前後方向の加速度の微分値及び前記車両が加速状態に維持された時間に基づいて前記車両に蓄積された弾性エネルギの大きさを推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記トルク制御手段は、前記弾性エネルギ推定手段により推定された弾性エネルギの大きさが所定の許容範囲外の場合に前記内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記所定の許容範囲の上限値及び下限値には、前記車両に蓄積された弾性エネルギが放出されて前記車両が振動したときに前記車両のドライバに不快感を与えないような振動となる所定の弾性エネルギ範囲の上限値及び下限値が設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、点火プラグを備えた火花点火式内燃機関であり、
    前記トルク制御手段は、前記弾性エネルギ推定手段により推定された弾性エネルギの大きさ前記所定の許容範囲外の場合、前記点火プラグの点火時期を遅角させて前記内燃機関のトルクを低下させることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関は複数の気筒を備えるとともに、前記複数の気筒のうちの一部の気筒を休止させる減筒運転を実施可能であり、
    前記トルク制御手段は、前記点火プラグの点火時期の遅角にて低下させた前記内燃機関のトルクでは前記車両の振動が発生すると判断した場合、前記内燃機関の減筒運転を実施することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記弾性エネルギ推定手段は、前記車両に対して設定され、前記車両の各部の弾性係数と相関関係を有する弾性エネルギ推定係数を使用して前記車両に蓄積された弾性エネルギの大きさを推定し、
    前記車両の加速時における前記車両の前後方向の加速度の微分値の時間変化に基づいて前記弾性エネルギ推定係数を補正する推定係数補正手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記内燃機関を支持する複数の支持部を有し、前記複数の支持部のバネ定数をそれぞれ変更して前記車両の振動を低減可能なアクティブエンジンマウントを介して前記内燃機関が前記車両に搭載されており、
    前記トルク制御手段は、前記車両に弾性エネルギが蓄積されている期間に前記車両に蓄積される弾性エネルギが低減されるように前記複数の支持部のバネ定数をそれぞれ変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記トルク制御手段は、前記内燃機関のトルクを低下させるトルク低下制御時に前記車両の加速度が予め設定した所定加速度以上に変化した場合、前記トルク低下制御を中止することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関は、前記車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサを備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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