JP3375498B2 - 燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御方法及び装置 - Google Patents

燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御方法及び装置

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JP3375498B2
JP3375498B2 JP26201696A JP26201696A JP3375498B2 JP 3375498 B2 JP3375498 B2 JP 3375498B2 JP 26201696 A JP26201696 A JP 26201696A JP 26201696 A JP26201696 A JP 26201696A JP 3375498 B2 JP3375498 B2 JP 3375498B2
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control
injection timing
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榎本  滋郁
文規 鈴木
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてディーゼ
ルエンジンに燃料を供給する燃料噴射ポンプの燃料噴射
時期制御に係り、特に、燃料噴射時期を、デューティ比
の制御されたパルス駆動信号により開閉される油圧制御
弁を介して制御する燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御
方法、及びこの方法を実施する燃料噴射時期制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポンプハウジング内に供給された燃料の
圧力に応じて噴射時期を調整する装置を備えた分配型燃
料噴射ポンプは、従来公知である(例えば、実開昭56
−173736号公報参照。)。また、従来より燃料噴
射ポンプの燃料噴射時期を調節するため、図11に示す
ようにタイマ高圧室22の油圧によって位置決めされる
タイマピストン21を介して燃料噴射ホンプのローラリ
ング10の回転角度位置を調節するタイマ装置28と、
デューティ比の変化するパルス駆動信号により開閉さ
れ、タイマ高圧室22の油圧を制御してタイマピストン
21の位置を決定するために、タイマ高圧室22とタイ
マ低圧室24とを結ぶ通路に挿入された油圧制御弁27
と、燃料噴射ホンプの低圧室とタイマ高圧室22とを連
通する通路50とを備えた燃料噴射時期制御装置が用い
られている。
【0003】この燃料噴射時期制御装置の制御方法の従
来技術について説明する。図12は、電子式制御装置内
で繰り返し実行され、燃料噴射時期がディーゼル機関の
運転状態に応じて設定される目標燃料噴射時期となるよ
うに、油圧制御弁に加えるパルス駆動信号のデューティ
比をフィードバック制御するパルス駆動信号の制御処理
を表わしている。
【0004】この処理が開始されるとまずステップ50
1を実行し、冷却水温センサ、吸気温センサ、吸気圧セ
ンサ、及びアクセルセンサより出力された、ディーゼル
機関の運転状態を表わす各種検出信号を読み込み、ステ
ップ502に移行する。ステップ502では後述するル
ーチンにて算出されたエンジン回転数N及びステップ5
01にて読み込まれた機関の運転状態を表わす検出信号
に基づき目標燃料噴射時期を算出する。つまり、エンジ
ン回転数Nとアクセルセンサによって検出されたアクセ
ルペダルの踏み込み量とをパラメータとして、基本とな
る目標燃料噴射時期を算出し、その後この求められた値
を冷却水温THW、吸気温Ta、吸気圧Pa等により補
正することによって目標燃料噴射時期を決定する、とい
った従来の手法により目標燃料噴射時期を算出するので
ある。
【0005】次にステップ503においてはTDCセン
サ及び回転角センサからの検出信号に基づき実燃料噴射
時期を算出し、ステップ504に移行する。なお、この
処理は上述のように回転角センサからの検出信号に基づ
いて燃料噴射の開始時期を検知することができるので、
回転角センサから出力される検出信号と、TDCセンサ
から出力される検出信号とを用いて、ディーゼル機関の
クランク角度に対する燃料噴射時期を算出するのであ
る。
【0006】次にステップ504においては上記ステッ
プ502において求められた目標燃料噴射時期と、ステ
ップ503において求められた実燃料噴射時期との誤差
Terrを算出し、ステップ505に移行する。そし
て、ステップ505では、次に示す方法でパルス駆動信
号ON割合DFINを計算する。 DFIN=DI+DH ここで、DIは積分項、DHは比例項であり、積分項D
Iは、 DI(n) =DI(n-1) +ΔDI であり、ΔDIは、図9に示す関係より求める。ここ
で、DI(n-1) は、前回のDIを意味する。また、比例
項DHは、図10に示す関係より求める。
【0007】そして、ステップ506に移行する。ステ
ップ506では、ステップ505で計算したパルス駆動
信号ON割合DFINが6.14%未満であるか否かを
比較して判定し、6.14%より小さい場合は、ステッ
プ507に移行し、パルス駆動信号ON割合DFINを
6.14%にして本ルーチンの処理を一旦終了する。ま
た、6.14%以上の場合はステップ508に移行し
て、パルス駆動信号ON割合が94.21%より大きい
か否かを比較して判定し、パルス駆動信号ON割合DF
IN≦94.21%の場合は、本ルーチンの処理を終了
する。DFIN>94.21%の場合はステップ509
に移行し、DFINを94.21%として、本ルーチン
の処理を終了する。
【0008】次に、図13は回転角センサからNEパル
ス信号が出力される毎に実行されるNEパルス信号割り
込み処理を示すもので、油圧制御弁27の開弁・閉弁を
回転同期制御するためのパルス駆動信号を出力するため
のものである。処理が開始されるとまずステップ601
を実行する。ステップ601では前回にこの割り込み処
理が実行された後、今回実行されるまでの時間、即ち回
転角信号のパルス間隔Tpを算出し、ステップ602に
移行する。
【0009】ステップ602においては、ステップ60
1において求められたパルス間隔Tpと、前回の処理の
際に求められたパルス間隔Tp(n−1)に定数Kを乗
算した値とを大小比較することにより、今回入力された
回転角信号が基準信号であるか否かを判断する。これは
基準信号入力時には、その間のパルス間隔Tpが通常よ
り2.5倍程度の大きな値となるので、例えば定数Kの
値を2.28とし、パルス間隔Tpが前回のパルス間隔
Tp(n−1)に対してK倍以上であれば、今回の回転
角信号が基準信号であることを検知することができる。
そしてこのステップ602において回転角信号が基準信
号でないと判断されると、ステップ603に移行する。
【0010】一方、上記ステップ602において回転角
信号が基準信号である旨判断されると、ステップ607
を実行し、後述の処理においてパルス駆動信号出力時期
を検知するのに用いるNEパルス番号Cの値をクリアし
(Cの値を0にする)、次のステップ608に移行す
る。
【0011】次に、ステップ608では、回転角センサ
からの検出信号に基づき、エンジン回転数Nを算出し
て、次のステップ609に移行する。ステップ609で
は、油圧制御弁27の駆動を回転同期制御で行うか、4
0Hz一定で制御を行うかを判別するフラグFがF=1か
どうか判断する。F=1の場合にはステップ610に移
行し、ステップ610では、エンジン回転数N>125
0rpm かどうか判断する。N>1250rpm でない場合
は、そのまま、本ルーチンの処理を終了する。N>12
50rpm のときは、次のステップ611に移行し、フラ
グFに2を代入し、本ルーチンの処理を終了する。
【0012】一方、ステップ609でF=1でないと判
断された場合は、次のステップ612に移行する。ステ
ップ612では、エンジン回転数N<1200rpm かど
うか判断する。N<1200rpm でない場合は、そのま
ま本ルーチンの処理を終了する。N<1200rpm のと
きは、次のステップ613に移行し、フラグFに1を代
入し、本ルーチンの処理を終了する。
【0013】次にステップ602において回転角信号が
基準信号でないと判断された場合には、ステップ603
に移行して、NEパルス番号Cの値を1だけ増加させ
る。次のステップ604では、油圧制御弁27の駆動を
回転同期制御で行うか否かを判別する。すなわち、F=
1でないと判断された場合は、本ルーチンの処理を終了
し、F=1と判断された場合は、次のステップ605に
移行する。そして、次のステップ605にて、C=11
かどうか判断する。このステップ605の処理は、油圧
制御弁27にパルス駆動信号を出力するタイミングを検
知するための処理であって、C=11でない場合にはパ
ルス駆動信号の出力タイミングでないと判断し、そのま
ま本ルーチンの処理を終了する。
【0014】一方ステップ605においてC=11であ
ると判断された場合、即ちパルス駆動信号の出力タイミ
ングを検知した場合には、次のステップ606に移行す
る。そしてステップ606では、駆動回路から出力する
パルス駆動信号をON状態となるよう制御信号を出力す
ると共に、そのパルス駆動信号をOFF状態に反転する
までの時間、すなわちパルス駆動信号のONの割合とエ
ンジン回転数Nからパルス駆動信号のON時間を設定
し、本ルーチンの処理を終了する。
【0015】次に、図14は、油圧制御弁27の開弁・
閉弁を回転と非同期(40Hz,デューティ比制御)で行
うためのものである。25msごとにこのルーチンが開始
され、ステップ701ではフラグF=2かどうか判断す
る。F=2でないと判断された時は、本ルーチンの処理
は終了する。一方、F=2と判断された時は次のステッ
プ702に移行する。ステップ702では、駆動回路4
2から出力するパルス駆動信号がON状態となるよう制
御信号を出力すると共に、そのパルス駆動信号がOFF
状態に反転するまでの時間を設定して本ルーチンの処理
を終了する。
【0016】図15は、以上の従来技術における、油圧
制御弁27の駆動周波数と機関回転数Nの関係をディー
ゼル機関が4気筒の場合についてまとめたものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の燃料噴射時
期制御装置の制御方法では、油圧制御弁27の回転同期
制御と回転非同期制御(40Hz,デューティ比制御)の
切り替え時に、噴射時期の急変、つまり段差が生じると
いう問題があった。即ち、図16に示すように、プラン
ジャ6の圧送行程時には圧力室13は高圧となる。した
がって、図1に示すような燃料噴射ホンプ1において、
圧力室13の圧力をフェイスカム7が受け、そのトルク
反力は、ローラリング10、スライドピン19を介して
タイマピストン21に伝わり、タイマピストン21を図
11において右側に押す力となる。そのため、図16に
示すように圧送行程時にはタイマ高圧室22は高圧とな
る。そして、図16に示すように回転同期制御において
は、油圧制御弁27への通電タイミングを圧送直後とす
ることにより、ある一定の開弁デューティ比までは、ト
ルク反力によりタイマ高圧室22が高圧となっている時
は、油圧制御弁27は閉弁している。
【0018】しかしながら、回転非同期制御である40
Hz一定制御においては、トルク反力によりタイマ高圧室
22が高圧となっている時と油圧制御弁27が開弁して
いる時とが重なる場合と、重ならない場合が時事刻々と
かわり、重なった時は大量にタイマ高圧室22からタイ
マ低圧室24に燃料が流れ込み、通常よりも大きくタイ
マピストンは図11において右側(遅角)に動く。その
ため、比較的長い時間のスパン(約0.2秒)で見た場
合、回転同期制御と40Hz一定制御とが切り替わる瞬間
には、同一デューティ比では噴射時期の急変、つまり段
差が生起し安定性の悪化を招来していた。
【0019】また、従来は回転同期制御がN≒1200
rpm 以下の回転数の範囲に限られ、それ以上の領域では
できなかったが、近年の油圧制御弁27の高性能化、即
ち、油圧制御弁27の応答の高速化により、更に高回転
の領域まで行われるようになってきた。これは、デュー
ティ比制御よりも回転同期制御の方が、圧送時において
常に油圧制御弁27を閉弁することができるため、安定
性がよくて望ましいからである。そのために、図12に
示すステップ506〜509によってパルス駆動信号O
N割合DFINを6.14%〜94.21%に制限して
いるが、高回転時においては、ON割合DFINが6.
14%ではON時間が短かすぎるために、ON時間の終
了までに電子式制御装置に多重割り込みが発生すると、
短時間ながら電子式制御装置のCPUが割り込みの処理
を行なう間は油圧制御弁27を閉弁させることができな
くなるために、ON時間が終了しても油圧制御弁27が
開弁したままになるので、タイマ高圧室22の圧力が過
度に低下してタイマピストン21が過度に遅角側へ移動
することにより進角応答性が悪化する。それを避けるた
めに、パルス駆動信号のON割合の下限のガード値を大
きくしなければならないという問題が発生した。一方、
近年の油圧制御弁27の応答の高速化により、低回転時
には、従来の応答性が低い油圧制御弁ならば開弁しない
程度のパルス駆動信号ON割合DFIN=6.14%に
おいて、油圧制御弁27の応答が過敏になったために
油圧制御弁27が常に僅かに開弁し、その結果、タイマ
高圧室22の圧力が過度に低下してタイマピストン21
が遅角側へ移動することにより進角応答性が悪化するた
め、パルス駆動信号のON割合の下限のガード値を小さ
くしたいという相反する要求が出てきた。
【0020】本発明は、従来技術の有する叙上の問題点
に鑑みて創出されたものであり、その目的は、油圧制御
弁の回転同期制御と回転非同期制御の切替り時に、噴射
時期の急変、つまり段差が発生しないようにした燃料噴
射ポンプの燃料噴射時期制御方法を提供することで
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は特許請求の範囲の各請求項に記載された方
法又は装置を採用することができる。請求項1〜3又は
の手段によると、アクセル開度が大きい程、圧力
室の圧力が大きくなり、しかもその期間が長くなるた
め、トルク反力による影響は大きくなる。そして、回転
同期制御から回転非同期制御に切替った時は、噴射時期
が遅角側になるためパルス駆動信号のON割合(デュー
ティ比)を小さくする必要があるので、補正係数を1よ
りも小さくすると共に、アクセル開度が大きいときほど
小さくする。また、回転非同期制御から回転同期制御に
切替った時は、噴射時期が進角側になるため、補正係数
を1よりも大きくすると共に、アクセル開度が大きいと
きほど大きくする。
【0022】以上のように、回転同期制御から回転非同
期制御に切替った時に、トルク反力の影響により同一の
駆動信号のON割合(デューティ比)では噴射時期は遅
角側になってしまうが、その駆動信号のON割合(デュ
ーティ比)をアクセル開度、つまり、トルク反力の大き
さに基づいた補正係数によって補正するので、噴射時期
の急変、つまり段差の発生を防止することができる。ま
た、回転非同期制御から回転同期制御に切替った時も同
様に、噴射時期の急変、つまり段差の発生を防止するこ
とができるので、いずれの場合も、円滑な燃料噴射を達
成することができる。
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の燃料噴射ポンプの燃料噴
射時期制御方法の実施の形態が適用されるフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のシステムの概略構成
図である。ドライブプーリ54とドライブシャフト2は
締結されており、図示しないエンジンによって、エンジ
ンの回転数の2分の1の回転数に同期して回転駆動され
る。ドライブシャフト2にはシグナルロータ3が同軸的
に取り付けられており、その外周には凸状の歯が複数個
形成されている。4は回転角センサであってシグナルロ
ータ3の外周に対向しており、シグナルロータ3の凸状
歯の電磁誘導によって機関回転数に応じた信号を発生し
て、電子式制御装置5へ出力する。ドライブシャフト2
には燃料を圧送するプランジャ6を駆動するフェイスカ
ム7と、燃料のフィードポンプであるベーン式のポンプ
8が連結されている。フェイスカム7はプランジャ6と
一体となって、スプリング9によってローラリング10
に設けられたローラ11に押しつけられる。
【0025】従って、フェイスカム7がドライブシャフ
ト2によって回転駆動されることにより、フェイスカム
7の凸部がローラ11に乗り上げて、フェイスカム7自
体とそれに一体化されたプランジャ6が、回転運動を伴
うプランジャ6の軸線方向の往復運動をすることにな
る。プランジャ6はポンプシリンダ12のシリンダボア
12a内に挿入されて、その先端に圧力室13を形成し
ているので、プランジャ6の往復運動の成分によって圧
力室13の容積が拡縮し、それと同時に回転運動の成分
によって圧力室13にはそれに開口する吸入側と吐出側
のポートが切り換えられて連通する。フィードポンプ8
によって加圧された燃料は低圧室15に貯溜されている
が、その燃料が圧力室13に吸入され、プランジャ6の
圧送行程により高圧に加圧されて、所定のタイミングに
おいて燃料噴射弁16へ圧送され、ディーゼル機関30
の各気筒の燃焼室29内へ噴射されることになる。
【0026】燃料噴射ポンプ1のハウジング17には圧
力室13の圧力を解放する電磁スピル弁18が設けられ
ており、電磁スピル弁18を電子式制御装置5によって
開閉することによって、燃料の噴射開始時期や噴射量、
噴射率を制御することができる。ローラリング10はド
ライブシャフト2の軸線を中心として所定の角度範囲内
で回動することができる。その回動によってローラ11
の位置が回転方向に移動するので、フェイスカム7の凸
部がローラ11に乗り上げる時期が変化し、それによっ
て燃料噴射時期を変化させることができる。ローラリン
グ10を回動させるために、スライドピン19がローラ
リング10から図1の下方へ伸びており、その下端が、
タイマピストン21に係合している。
【0027】プランジャ6の圧送行程においては、プラ
ンジャ6に作用する燃料の圧縮反力に起因して、タイマ
ピストン21がフェイスカム7によりスライドピン19
を介して図11の右方向に力を受けるため、タイマピス
トン21の右側のタイマ高圧室22の圧力が高くなる。
従来の技術の項において説明した図11に示すようにタ
イマ高圧室22は、通路50を介して低圧室15に連通
している。それによって、タイマ高圧室22はフィード
ポンプ8によって加圧された燃料を受け入れる。その油
圧がタイマピストン21を左方へ押すことになるが、そ
れに対抗してタイマピストン21の左側のタイマ低圧室
24内にはタイマスプリング25が装着されている。タ
イマ低圧室24は通路14によってフィードポンプ8の
吸入ポートに連通していて、作動中は常に低圧になって
いる。タイマ高圧室22に作用している燃料の油圧即ち
供給圧は、機関回転数、従ってドライブシャフト2の回
転数に関連して大小に変化するので、その油圧による付
勢力とタイマスプリング25の付勢力とが釣り合う位置
へタイマピストン21が移動し、スライドピン19を介
してローラリング10が回動調節されることによって、
燃料の噴射時期が機関回転数に応じて変化することにな
る。タイマ高圧室22とタイマ低圧室24との間に電磁
弁からなる油圧制御弁27が挿入されており、油圧制御
弁27を電子式制御装置5に電気的に連結して開閉制御
することによって、タイマ高圧室22内の油圧を部分的
にタイマ低圧室24側へ逃がして調整し、タイマピスト
ン21の位置とローラリング10の回転方向の位置を変
化させ、それによって燃料の噴射時期を制御している。
【0028】このように、図1に示されたフェイスカム
圧送式の分配型燃料噴射ポンプ1のためのタイマ装置2
8は、基本的には従来のものと同様に、タイマシリンダ
20とタイマピストン21、及びタイマピストン21に
連動するローラリング10、タイマピストン21の位置
を制御する油圧制御弁27等からなっている。
【0029】タイマ装置28及び油圧制御弁27により
回転方向に位置決めされるローラリング10には、シグ
ナルロータ3と対向する位置で、シグナルロータ3の外
周面に形成された突起が横切る度に検出信号を発生する
回転角センサ4が設けられているので、燃料噴射ポンプ
1の回転数、即ちディーゼル機関30の機関回転数と、
燃料噴射ポンプの燃料噴射周期とを夫々検出することが
できる。即ちこのシグナルロータ3の外周面には、図2
に示すように、外周面を4等分する4箇所の欠歯部を除
いて56個の突起43が形成されていることから、回転
角センサ4からは図3(イ)に示すような検出信号が出
力され、この検出信号を波形整形することによって図3
(ロ)に示すように、燃料噴射周期と同期した基準信号
A及び回転角を表わす回転角信号Bが得られることにな
る。またこの回転角センサ4はローラリング10に固定
されており、その回動と共に移動することから、基準信
号A及び回転角信号Bからフェイスカム7のリフト時
期、即ち燃料の噴射時期を検出することができる。
【0030】ドライブプーリ54には突起56が設けら
れており、突起56の通過時期を検知するTDCセンサ
57の出力信号が電子式制御装置5に入力されている。
また、前述のように、回転角センサ4はローラリング1
0の外周面10a上に担持されており、その出力信号が
電子式制御装置5に入力されている。
【0031】次にディーゼル機関30には、その冷却水
温を検出する冷却水温センサ31、吸気温度を検出する
吸気温センサ32及び吸気圧を検出する吸気圧センサ3
3が設けられており、それらの検出信号からディーゼル
機関30の運転状態を検出することができるようになっ
ている。また34はアクセルペダル35の踏み込み量を
検出するアクセルセンサであって、これらによってもデ
ィーゼル機関30の運転状態の他の面を検出することが
できるようになっている。
【0032】これらの冷却水温センサ31、吸気温セン
サ32、吸気圧センサ33、及びアクセルセンサ34か
らの検出信号、及び図1に示すようにドライブシャフト
2のドライブプーリ54に形成された突起56の通過を
検出するTDCセンサ57や回転角センサ4からの検出
信号は、各々電子式制御装置5に入力され、電磁スピル
弁18や油圧制御弁27が駆動制御されることとなる。
即ち電子式制御装置5では、上記各種センサにより検出
されたディーゼル機関30の運転状態に応じて電磁スピ
ル弁18及び油圧制御弁27を駆動制御することによ
り、ディーゼル機関30への燃料噴射量や燃料噴射時期
を制御するように構成されている。
【0033】そしてこの電子式制御装置5は、図4に示
すように、上記の各センサから出力されるアナログ信号
をデジタル信号に変換するA/D変換器36、上記の各
センサから出力される信号を波形整形する波形整形回路
37、A/D変換器36あるいは波形整形回路37を介
して入力された各センサの検出信号に基づき燃料噴射ポ
ンプ1の燃料噴射制御を実行するCPU38、CPU3
8によって制御処理を実行する際に必要な制御プログラ
ムや各種データが予め記憶されたROM39、CPU3
8によって制御処理を実行する際に必要なデータが一時
的に書き込まれて読み出されるRAM40、及び電磁ス
ピル弁18や油圧制御弁27に各々駆動信号を出力する
駆動回路41,42から構成されている。
【0034】次に、この実施形態の作用を図5から図1
0を用いて説明する。図5は、電子式制御装置5内にお
いて繰り返し実行され、燃料噴射時期がディーゼル機関
30の運転状態に応じて設定される目標燃料噴射時期と
なるように、油圧制御弁27を駆動するために、駆動回
路42に加えるパルス駆動信号のデューティ比をフィー
ドバック制御するパルス駆動信号の制御処理を表わして
いる。
【0035】この処理が開始されると、まずステップ1
01を実行し、冷却水温センサ31、吸気温センサ3
2、吸気圧センサ33、及びアクセルセンサ34より出
力された、ディーゼル機関30の運転状態を表わす各種
検出信号を読み込み、ステップ102に移行する。ステ
ップ102では後述するルーチンにて算出されたエンジ
ン回転数N及びステップ101にて読み込まれた機関の
運転状態を表わす検出信号に基づいて目標燃料噴射時期
を算出する。つまり、エンジン回転数Nと、アクセルセ
ンサ34によって検出されたアクセルペダルの踏み込み
量とをパラメータとして、基本となる目標燃料噴射時期
を算出し、算出された値を冷却水温THW、吸気温T
a、吸気圧Pa等により補正することによって目標燃料
噴射時期を決定する、といった従来の手法により目標燃
料噴射時期を算出するのである。
【0036】次にステップ103においてはTDCセン
サ57及び回転角センサ4からの検出信号に基づいて実
燃料噴射時期を算出し、ステップ104に移行する。な
お、この処理は、上述のように回転角センサ4からの検
出信号に基づいて燃料噴射の開始時期を検知することが
できるので、回転角センサ4から出力される検出信号
と、TDCセンサ57から出力される検出信号とを用い
て、ディーゼル機関30のクランク角度に対する燃料噴
射時期を算出するのである。
【0037】次にステップ104においては上記ステッ
プ102において求められた目標燃料噴射時期と、ステ
ップ103において求められた実燃料噴射時期との誤差
Terrを算出し、ステップ105に移行する。そし
て、ステップ105においては次に示す方法でパルス駆
動信号ON割合DFINを計算する。 DFIN=DI+DH ここで、DIは積分項、DHは比例項であり、積分項D
Iは、 DI(n) =DI(n-1) +ΔDI であり、ΔDIは、図9に示す関係より求める。ここ
で、DI(n-1) は、前回のDIを意味する。また、比例
項DHは、図10に示す関係より求めることができる。
【0038】そして、ステップ106に移行する。ステ
ップ106においては、ステップ105において計算し
たパルス駆動信号ON割合DFINが0%未満であるか
否かを比較して判定し、0%より小さい場合にはステッ
プ107に移行し、パルス駆動信号ON割合DFINを
0%として本ルーチンの処理を一旦終了する。また、0
%以上の場合は、ステップ108に移行し、パルス駆動
信号ON割合が100%より大きいか否かを比較して判
定し、パルス駆動信号ON割合DFIN≦100%の場
合は、本ルーチンの処理を終了する。更に、DFIN>
100%の場合は、ステップ109に移行し、DFIN
を100%として、本ルーチンの処理を終了する。な
お、DFINの0%以下、及び100%以上は物理的に
はあり得ないが、計算上存在するため、ステップ106
〜109において0〜100%にガードをかけているの
である。
【0039】次に、図6は回転角センサ4からNEパル
ス信号が出力される毎に実行されるNEパルス信号割り
込み処理を示すもので、油圧制御弁27の開弁・閉弁を
回転同期制御するためのパルス駆動信号を出力するため
のものである。処理が開始されるとまずステップ201
を実行する。ステップ201では前回にこの割り込み処
理が実行された後、今回実行されるまでの時間、即ち回
転角信号のパルス間隔Tpを算出し、ステップ202に
移行する。
【0040】ステップ202においては、ステップ20
1において求められたパルス間隔Tpと、前回の処理の
際に求められたパルス間隔Tp(n−1)に定数Kを乗
算した値とを大小比較することにより、今回入力された
回転角信号が基準信号であるか否かを判断する。これは
基準信号入力時には、その間のパルス間隔Tpが通常よ
り2.5倍程度の大きな値となるので、例えば定数Kの
値を2.28とし、パルス間隔Tpが前回のパルス間隔
Tp(n−1)に対してK倍以上であれば、今回の回転
角信号が基準信号であることを検知することができる。
そしてこのステップ202において回転角信号が基準信
号でないと判断されると、ステップ203に移行する。
【0041】一方、上記ステップ202において回転角
信号が基準信号である旨判断されると、ステップ207
を実行し、後述の処理においてパルス駆動信号出力時期
を検知するのに用いるNEパルス番号Cの値をクリアし
(Cの値を0にする)、次のステップ208に移行す
る。
【0042】次に、ステップ208では、回転角センサ
4からの検出信号に基づき、エンジン回転数Nを算出し
て、次のステップ209に移行する。ステップ209に
おいては、油圧制御弁27の駆動を回転同期制御で行う
か、100Hz一定で制御を行うかを判別するフラグFが
F=1かどうかを判断する。そして、F=1の場合には
ステップ210に移行し、ステップ210においてはエ
ンジン回転数N>3050rpm かどうか判断する。N>
3050rpm でないと判断した場合には、そのまま、本
ルーチンの処理を終了する。
【0043】ステップ210においてN>3050rpm
の場合には、次のステップ211に移行し、フラグFに
2を代入する。そして、次のステップ212において
は、補正係数K1をアクセル開度とパルス駆動信号ON
割合DFINに基づくマップから求め、前回のDFIN
を新しいDFINに補正して、本ルーチンの処理を終了
する。ここで、アクセル開度が大きい程、電磁スピル弁
18への通電時間(図16参照)は長くなり、圧力室1
3の圧力は大きくしかも期間も長くなるため、トルク反
力による影響は大きくなる。そして、回転同期制御から
100Hz一定制御に切り替わった時は、噴射時期は遅角
側になるため、DFINを小さくする必要があるので、
ステップ212の補正係数 1 は1より小さく、アクセ
ル開度が大きいほど小さくする。
【0044】以上のように回転同期制御から100Hz一
定制御に切り替わった時に、トルク反力の影響により同
一デューティ比では、遅角側になってしまうが、そのD
FINをアクセル開度、つまり、トルク反力の大きさに
基づいた補正係数K1 によって修正するため、噴射時期
の急変、つまり段差は発生しない。
【0045】一方、ステップ209においてF=1でな
いと判断された場合は、次のステップ213に移行す
る。ステップ213においては、エンジン回転数N<3
000rpm かどうか判断する。N<3000rpm でない
と判断された場合には、そのまま本ルーチンの処理を終
了する。N<3000rpm の場合には、次のステップ2
14に移行し、フラグFに1を代入する。そして、次の
ステップ215においては、補正係数K2をアクセル開
度とパルス駆動信号ON割合DFINに基づくマップか
ら求め、前回のDFINを新しいDFINに補正して、
本ルーチンの処理を終了する。ここで、アクセル開度が
大きい程、電磁スピル弁18への通電時間(図16参
照)は長くなり、圧力室13の圧力は大きくしかも期間
も長くなるため、トルク反力による影響は大きくなる。
そして、100Hz一定制御から回転同期制御に切り替わ
った時は噴射時期は進角側になるため、ステップ215
の補正係数 2 は1より大きく、アクセル開度が大きい
ほど大きい。
【0046】以上のように、回転非同期制御から回転同
期制御に切替った時に、トルク反力の影響により同一デ
ューティ比では進角側になってしまうが、そのDFIN
をアクセル開度、つまり、トルク反力の大きさに基づい
た補正係数K2 によって補正するため、噴射時期の急
変、つまり段差は発生しない。
【0047】次にステップ202において回転角信号が
基準信号でないと判断された場合には、ステップ203
に移行して、NEパルス番号Cの値を1だけ増加させ
る。次のステップ204においては、油圧制御弁27の
駆動を回転同期制御で行うか否かを判別する。すなわ
ち、F=1でないと判断された場合は、本ルーチンの処
理を終了し、F=1と判断された場合は、次のステップ
205に移行する。そして、次のステップ205にて、
C=11かどうか判断する。このステップ205の処理
は、油圧制御弁27にパルス駆動信号を出力するタイミ
ングを検知するための処理であって、C=11でない場
合にはパルス駆動信号の出力タイミングでないと判断
し、そのまま本ルーチンの処理を終了する。
【0048】一方ステップ205においてC=11であ
ると判断された場合、即ちパルス駆動信号の出力タイミ
ングを検知した場合には、次のステップ206に移行す
る。ステップ206においては、後述する図8に示すル
ーチンを行ない、その後、本ルーチンの処理を終了す
る。
【0049】次に、図7は、油圧制御弁27の開弁・閉
弁を回転非同期制御(100Hz,デューティ比制御)で
行うためのものである。この処理においては、10msご
とにルーチンが開始され、ステップ301においてフラ
グF=2かどうか判断する。そして、F=2でないと判
断された場合には、本ルーチンの処理を終了する。一
方、F=2と判断された場合には次のステップ302に
移行する。また、ステップ302においては、後述する
図8に示すルーチンを行ない、その後、本ルーチンの処
理を終了する。
【0050】次に、図8はパルス駆動信号の処理を行な
うルーチンを示し、ステップ401においては、エンジ
ン回転数N又は、図6に示すルーチンによって設定され
るフラグFから、パルス駆動信号の周期Tを算出する。
【0051】そして、ステップ402においては、パル
ス駆動信号のON割合DFIN=0%か否かを判断し、
DFIN=0%の場合には、ステップ410に移行し、
駆動回路42から出力されるパルス駆動信号がOFF状
態となるように制御信号を出力して、本ルーチンは終了
する。一方、DFIN=0%でないと判断された場合に
は、次のステップ403に移行する。
【0052】ステップ403においては、パルス駆動信
号のON割合DFIN=100%か否かを判断し、DF
IN=100%の場合には、ステップ411に移行し、
駆動回路42から出力するパルス駆動信号をON状態と
なるよう制御信号を出力して、本ルーチンは終了する。
一方、DFIN=100%でないと判断された場合には
次のステップ404に移行する。そして、ステップ40
4においては、パルス駆動信号の周期Tおよびエンジン
回転数NまたはフラグFの値からパルス駆動信号ON時
間tを算出し、次のステップ405に移行する。
【0053】ステップ405においては、ON時間t<
0 か否かを判断し、t<t0 の場合にはステップ40
8に移行してt=t0 とし、ステップ407に移行す
る。一方、t<t0 でないと判断された場合には、ステ
ップ406に移行する。この時間t0 については、後で
説明する。そして、ステップ406においてはT−t<
0 か否かを判断する。T−t<t0 の場合には、ステ
ップ409に移行してt=T−1msとし、ステップ40
7に移行する。一方、T−t<t0 でないと判断された
場合には、ステップ407に移行する。そして、ステッ
プ407においては、駆動回路42から出力されるパル
ス駆動信号がON状態となるように制御信号を出力する
と共に、そのパルス駆動信号がOFF状態に反転するま
での時間t、即ち、ステップ404において求めたtを
設定し、本ルーチンの処理を終了する。
【0054】ここで、図8に示す制御方法の効果につい
て説明する。油圧制御弁27が開弁するためには、t1
以上のON時間tが必要であり、t<t1 では油圧制御
弁27は開弁せず、t≧t1 で油圧制御弁27は開弁す
る。従来の油圧制御弁27はt1 =6.0msであった
が、近年の油圧制御弁27の高性能化、即ち、油圧制御
弁27の応答の高速化によりt1 =1.8msとなった。
従って、例えばN=800rpm の時、DFIN=6.1
4%では、ON時間t=2.3025msとなり、油圧制
御弁が常に開弁してしまうので進角応答性が悪化してし
まう。そこで、従来の制御方法である図12に示すステ
ップ506,507のON時間の下限のガード値を6.
14%よりもっと小さくしたい。
【0055】一方、従来はN≒1200rpm までしか回
転同期制御ができなかったが、更に高回転まで行えるよ
うになった。これは、同期制御の方が、圧送時には常に
油圧制御弁27を閉弁させることができるため、安定性
がよく望ましいからである。例えばN=3000rpm の
時、DFIN=6.14%では、ON時間t=0.61
4msとなり、電子式制御装置5に多重割り込みが発生す
と、0.614msのように短いON時間では、それが
終了して油圧制御弁27が閉弁すべき時期にCPU38
が未だ割り込みの処理をしているために油圧制御弁27
を閉弁させる処理ができないので、油圧制御弁27が開
弁したままになる結果、タイマ高圧室2が過度に低圧と
なって、タイマピストン1が遅角側へ偏ってしまうの
で、それを防止するため従来の制御方法である図12に
おけるステップ506,507のON時間の下限のガー
ド値を6.14%よりももっと大きくしたい。ここで、
本実施形態の場合は、電子式制御装置5に多重割り込み
が発生する時間t2=0.8msである。
【0056】そこで、以上の相反する要求を満足するも
のとして案出したものが図8に示す制御方法であって、
2 <t0 <t1 を満たすt0 よりもON時間が短い時
は、t=t0 とすることにより、上記の相反する要求の
両立を図っている。なお、図8に示す例では具体的にt
0 は、例えば1msとすることができる。
【0057】また、本発明においては、図8に示すルー
チンの代わりに、別の実施形態として、図17に示すパ
ルス駆動信号の処理を行なうルーチンを用いてもよい。
この場合も図8の例と同様に、まずステップ401にお
いては、エンジン回転数N又は、図6に示すルーチンに
よって設定されるフラグFから、パルス駆動信号の周期
Tを算出する。そして、ステップ404において、パル
ス駆動信号の周期Tおよびエンジン回転数Nまたはフラ
グFの値からパルス駆動信号ON時間tを算出し、次の
ステップ405に移行する。
【0058】ステップ405においては、ON時間t<
0 の場合にステップ412に移行し、駆動回路42か
ら出力されるパルス駆動信号がOFF状態となるように
制御信号を出力して、本ルーチンを終了する。なお、本
実施形態の場合、具体的にはt0 =1msとするが、t0
はt2 <t0 <t1 の条件を満たす任意の値であっても
よい。一方、ステップ405においてt<t0 でないと
判断された場合には、次のステップ406に移行する。
【0059】ステップ406においては、T−t<1ms
か否かを判断する。T−t<1msの場合には、ステップ
413に移行し、駆動回路42から出力されるパルス駆
動信号がON状態となるように制御信号を出力して、本
ルーチンは終了する。一方、ステップ406においてT
−t<1msでないと判断された場合には、ステップ40
7に移行する。そして、ステップ407においては、駆
動回路42から出力されるパルス駆動信号がON状態と
なるように制御信号を出力すると共に、そのパルス駆動
信号がOFF状態に反転するまでの時間t、即ち、ステ
ップ404で求めたtを設定して、本ルーチンの処理を
終了する。
【0060】図17に示すルーチンを用いても、図8を
示すルーチンと同様な効果が得られる。また、図17の
ルーチンの方が、ステップ数を少なくすることができる
という利点もある。なお、本発明は、フェイスカム圧送
式噴射ポンプだけでなく、インナーカム圧送式噴射ポン
プにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御方
法の実施の態様が適用されるフェイスカム圧送式の分配
型燃料噴射ポンプシステムの概略構成図である。
【図2】フェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプの
構成部品であるシグナルロータの断面図である。
【図3】回転角センサから出力される検出信号及び該検
出信号が波形整形された信号を示す波形図であり、図3
(イ)は、回転角センサから出力される検出信号の波形
図を示し、図3(ロ)は該検出信号が波形整形された波
形図を示す。
【図4】フェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプシ
ステムを構成する電子式制御装置のブロック図である。
【図5】パルス駆動信号の制御処理を表わすフローチャ
ートである。
【図6】パルス駆動信号を出力するためのフローチャー
トである。
【図7】油圧制御弁の開弁、閉弁を回転非同期制御で行
なうためのフローチャートである。
【図8】パルス駆動信号の処理を行なうルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】パルス駆動信号のON割合のうちの積分項の補
正値(ΔDI)と燃料噴射時期の誤差(Terr)との
関係を示す特性図である。
【図10】パルス駆動信号のON割合のうちの比例項
(DH)と燃料噴射時期の誤差(Terr)との関係を
示す特性図である。
【図11】従来の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装
置のタイマ装置を拡大して示す一部切截拡大断面図であ
る。
【図12】従来のパルス駆動信号の制御処理を表わすフ
ローチャートである。
【図13】従来のパルス駆動信号を出力するためのフロ
ーチャートである。
【図14】従来の油圧制御弁の開弁、閉弁を回転非同期
制御で行なうためのフローチャートである。
【図15】従来における油圧制御弁の駆動周波数と機関
回転数との関係を示す特性図である。
【図16】従来技術における、NEパルス信号、プラン
ジャのリフト量、電磁スピル弁への駆動信号、圧力室の
圧力、タイマ高圧室の圧力、油圧制御弁への駆動信号と
の関係を表わすタイムチャートである。
【図17】図8とは異なる別の実施形態としてのルーチ
ンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…フェイスカム圧送式の分配型燃料噴射ポンプ 3…シグナルロータ 4…回転角センサ 5…電子式制御装置 6…プランジャ 7…フェイスカム 10…ローラリング 12…ポンプシリンダ 13…圧力室 15…低圧室 18…電磁スピル弁 19…スライドピン 20…タイマシリンダ 21…タイマピストン 22…タイマ高圧室 24…タイマ低圧室 27…油圧制御弁 28…タイマ装置 30…ディーゼル機関 34…アクセルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 372 F02D 45/00 372B F02M 41/12 320 F02M 41/12 320A 350 350A (72)発明者 鈴木 文規 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 後藤 守康 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−153548(JP,A) 特開 平5−214998(JP,A) 特開 平7−42864(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/18 F02D 41/04 385 F02D 41/14 330 F02D 41/20 385 F02D 41/40 F02D 45/00 372 F02M 41/12 320 F02M 41/12 350

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分配型燃料噴射ポンプのローラリング或
    いはそれに相当するものの回転位置を、燃料の供給圧力
    に基づく油圧によって位置決めされるタイマピストンを
    介して制御することによって燃料の噴射時期を調節する
    ことができる燃料噴射時期調節手段と、 駆動信号によって開閉され、上記燃料噴射時期調節手段
    のタイマピストンに加える油圧を制御する常時閉弁型の
    油圧制御弁と、 上記燃料噴射ポンプを介して燃料供給される内燃機関の
    運転状態に基づき、上記燃料噴射ポンプの目標燃料噴射
    時期を算出する目標燃料噴射時期算出手段と、 上記燃料噴射時期調節手段によって調節される燃料噴射
    時期と、上記目標燃料噴射時期算出手段によって算出さ
    れた目標燃料噴射時期との差を小さくするように、上記
    油圧制御弁に出力する駆動信号を制御する駆動信号制御
    手段と、 制御された駆動信号を上記油圧制御弁に出力する駆動信
    号出力手段と、 上記燃料噴射ポンプの回転角度を検出する回転角度検出
    手段と、 を備えていて、前記回転角度検出手段の検出する信号か
    ら算出されるエンジン回転数が所定値以下のときは回転
    同期制御を実行し、エンジン回転数が所定値以上のとき
    は回転非同期制御を実行する燃料噴射ポンプの燃料噴射
    時期制御方法において、 上記タイマピストンの一側のタイマ高圧室がトルク反力
    によって高圧となっている時には閉弁している上記油圧
    制御弁の回転同期制御と、周波数が一定のデューティ比
    制御である回転非同期制御との切替り時における噴射時
    期の急変を防止するために、回転同期制御中にエンジン
    回転数が所定値を超えて回転非同期制御に切替ったとき
    と、回転非同期制御中にエンジン回転数が所定値以下と
    なって回転同期制御に切替ったときにのみ、上記駆動信
    号をアクセル開度の大きさに基づいた補正係数によって
    補正することを特徴とする燃料噴射ポンプの燃料噴射時
    期制御方法。
  2. 【請求項2】 回転同期制御から回転非同期制御に切替
    ったとき、上記補正係数は1よりも小さく且つアクセル
    開度が大きいときほど小さいことを特徴とする請求項1
    記載の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御方法。
  3. 【請求項3】 回転非同期制御から回転同期制御に切替
    ったとき、上記補正係数は1よりも大きく且つアクセル
    開度が大きいときほど大きいことを特徴とする請求項1
    記載の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御方法。
  4. 【請求項4】 分配型燃料噴射ポンプのローラリング或
    いはそれに相当するものの回転位置を、燃料の供給圧力
    に基づく油圧によって位置決めされるタイマピストンを
    介して制御することによって燃料の噴射時期を調節する
    ことができる燃料噴射時期調節手段と、 駆動信号によって開閉され、上記燃料噴射時期調節手段
    のタイマピストンに加える油圧を制御する常時閉弁型の
    油圧制御弁と、 上記燃料噴射ポンプを介して燃料供給される内燃機関の
    運転状態に基づき、上記燃料噴射ポンプの目標燃料噴射
    時期を算出する目標燃料噴射時期算出手段と、 上記燃料噴射時期調節手段によって調節される燃料噴射
    時期と、上記目標燃料噴射時期算出手段によって算出さ
    れた目標燃料噴射時期との差を小さくするように、上記
    油圧制御弁に出力する駆動信号を制御する駆動信号制御
    手段と、 制御された駆動信号を上記油圧制御弁に出力する駆動信
    号出力手段と、 上記燃料噴射ポンプの回転角度を検出する回転角度検出
    手段と、 を備えていて、前記回転角度検出手段の検出する信号か
    ら算出されるエンジン回転数が所定値以下のときは回転
    同期制御を実行し、エンジン回転数が所定値以上のとき
    は回転非同期制御を実行する燃料噴射ポンプの燃料噴射
    時期制御装置において、上記タイマピストンの一側のタイマ高圧室がトルク反力
    によって高圧となっている時には閉弁している上記油圧
    制御弁の回転同期制御と、周波数が一定のデューティ比
    制御である回転非同期制御との切替り時における噴射時
    期の急変を防止するために、回転同期制御中にエンジン
    回転数が所定値を超えて回転非同期制御に切替ったとき
    と、回転非同期制御中にエンジン回転数が所定値以下と
    なって回転同期制御に切替ったときにのみ、上記駆動信
    号をアクセル開度の大きさに基づいた補正係数によって
    補正する ことを特徴とする燃料噴射ポンプの燃料噴射時
    期制御装置
  5. 【請求項5】 回転同期制御から回転非同期制御に切替
    ったとき、上記補正 係数は1よりも小さく且つアクセル
    開度が大きいときほど小さいことを特徴とする請求項4
    記載の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置
  6. 【請求項6】 回転非同期制御から回転同期制御に切替
    ったとき、上記補正係数は1よりも大きく且つアクセル
    開度が大きいときほど大きいことを特徴とする請求項4
    記載の燃料噴射ポンプの燃料噴射時期制御装置
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