JP2002089344A - 燃料噴射装置の経時変化判定装置 - Google Patents

燃料噴射装置の経時変化判定装置

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JP2002089344A JP2000271788A JP2000271788A JP2002089344A JP 2002089344 A JP2002089344 A JP 2002089344A JP 2000271788 A JP2000271788 A JP 2000271788A JP 2000271788 A JP2000271788 A JP 2000271788A JP 2002089344 A JP2002089344 A JP 2002089344A
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修 菱沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン固有の気筒間バラツキを考慮し、精度
の高い経時変化判定を実現すること。 【解決手段】燃料噴射装置は、燃料を高圧化してその高
圧燃料を気筒毎に分配する分配型燃料噴射ポンプ1と、
該燃料噴射ポンプ1から高圧燃料が圧送され、所定の開
弁圧にて開弁する噴射ノズル18とからなる。ECU3
0は、気筒毎の回転情報に基づいて、噴射ノズル18か
ら実際に噴射された実噴射量を気筒毎に推定し、該推定
した実噴射量と、予め気筒毎に記憶しておいた経時変化
前の実噴射量との比較により燃料噴射装置の経時変化量
を算出する。また、ECU30は、燃料噴射装置の経時
変化量に基づいて、各気筒への燃料噴射量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射装置の経
時変化判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射装置の経時変化(経時劣化)を
診断する従来方法として、アイドル運転時のアイドル回
転数制御(ISC制御)を実施し、その際のISC制御
量やオルタネータの駆動による負荷分に基づいて経時変
化診断を実施する技術が提案されている(特開平6−2
72598号公報、特開平6−272600号公報、特
開平6−294347号公報等)。こうした従来装置に
よれば、常に同一の条件下で経時変化の診断が行われる
ことから、経時変化の評価のバラツキが解消されるよう
になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、各
気筒の回転数を安定させるということには特に問題ない
が、多気筒エンジンではエンジン固有の気筒間バラツキ
が存在するため、その気筒間のバラツキ分を考慮しない
と燃料噴射装置の経時変化を正しく診断したことにはな
らない。また、エンジンの全気筒において同様の経時変
化が生じた場合には、気筒毎に経時変化の度合を把握で
きなくなることが考えられる。
【0004】今後は、より一層強化される排気規制及び
騒音規制等の各規制をクリアすべく多段噴射化(マルチ
噴射化)を進めることが検討されており、特にこうした
多段噴射を実施する上では各噴射量及び噴射時期を正確
に補正する必要がある。かかる場合において、上記従来
技術では個々の噴射に適合した十分な補正を行うことが
できないという問題が生じる。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、エンジン固有の
気筒間バラツキを考慮し、精度の高い経時変化判定を実
現することができる燃料噴射装置の経時変化判定装置を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】ポンプ装置や燃料噴射弁
といった燃料噴射装置は使用に伴い経時変化を生じ、経
時変化の前後を比較すると、経時変化後には燃料噴射装
置による気筒毎の噴射特性が変化する。こうした実状に
おいて、請求項1に記載の発明では、燃料噴射弁から実
際に噴射された実噴射量を気筒毎に推定し(実噴射量推
定手段)、前記推定した実噴射量と、予め気筒毎に記憶
しておいた経時変化前の実噴射量との比較により前記燃
料噴射装置の経時変化量を算出する(経時変化量算出手
段)。
【0007】上記発明によれば、気筒毎に随時推定され
る実噴射量と、予め記憶しておいた経時変化前の実噴射
量との差により燃料噴射装置の経時変化量が算出される
ので、エンジン固有の気筒間バラツキがあったとしても
そのバラツキ分を考慮しつつ経時変化の判定を行うこと
が可能となる。また、全気筒で同様の経時変化が発生し
たとしても、その経時変化が相殺されることなく個々に
判定できる。その結果、精度の高い経時変化判定が実現
できるようになる。
【0008】エンジン各気筒はエンジン固有の回転変動
特性を有し、また、気筒毎の噴射特性の違いを反映して
気筒間で回転挙動がばらつく。そこで、請求項2に記載
の発明では、気筒毎の回転情報を取得し(回転情報取得
手段)、取得した回転情報に基づいて気筒毎の実噴射量
を推定する。この場合、気筒毎の実噴射量を精度良く推
定することができる。
【0009】また請求項2の発明では、 ・請求項3に記載したように、気筒毎の膨張行程時にお
ける回転上昇量を取得し、該取得した回転上昇量から気
筒毎の実噴射量を推定する。 ・請求項4に記載したように、気筒毎の膨張行程時にお
ける回転上昇量と膨張行程直前の瞬時最小回転数とを取
得し、該取得した回転上昇量と瞬時最小回転数とから気
筒毎の実噴射量を推定する。といった構成を採用すると
良い。この場合、膨張行程時の回転上昇量から気筒毎の
実噴射量を推定することにより、その実噴射量は気筒毎
の爆発力を見込んだものとなる。また、回転上昇量は、
膨張行程直前の瞬時最小回転数によって相違することか
ら、その瞬時最小回転数をパラメータとして加えること
により、実噴射量の推定結果がより一層正しいものとな
る。
【0010】また、前記回転情報取得手段による回転情
報取得、並びに前記経時変化量算出手段による経時変化
量算出を実施する条件として、アイドル運転時であるこ
と又は定常安定状態であること(請求項5)を規定した
り、アイドル時の回転数が目標値に制御されていること
(請求項6)を規定したりすると良い。つまり、アイド
ル運転時又は定常安定状態である場合、経時変化に伴う
回転挙動の変化が顕著に現れる。特に、アイドル回転数
が目標値に制御されている場合には、回転数が安定する
ことから、経時変化に伴う回転挙動がより一層顕著にな
る。故に、上記実施条件下の回転情報を用いることによ
り、実噴射量の推定が容易となり、ひいては経時変化の
判定が容易に且つ精度良く実施できるようになる。
【0011】車両用エンジンの燃料噴射制御が実施され
る際、一般には、エンジン回転数と負荷とから設定され
る基本噴射量に対して各種補正が行われて最終の噴射量
指令値が決定される。そして、この最終の噴射量指令値
により燃料噴射が行われてエンジンが運転される。つま
り、各気筒での個々の燃焼サイクルを考える場合、実噴
射量には、基本噴射量相当分と補正相当分とが含まれ、
このうち補正相当分はその時々のエンジン運転状態に大
きく左右される。そこで、請求項7に記載の発明では、
前記推定した実噴射量からその時々のエンジン運転状態
に応じた補正分を差し引き、その結果により気筒毎に基
本噴射量相当の実噴射量を算出する。そして、前記算出
した基本噴射量相当の実噴射量と、予め記憶しておいた
経時変化前の基本噴射量相当の実噴射量との比較により
前記燃料噴射装置の経時変化量を算出する。これによ
り、より一層精度の高い経時変化判定が可能となる。
【0012】また、請求項8に記載の発明では、前記経
時変化量算出手段により算出した燃料噴射装置の経時変
化量を気筒毎にバックアップメモリに記憶するので、気
筒毎の経時変化量が正確に把握できる。また、その経時
変化量をバックアップすると共に、そのバックアップ値
を適宜更新(学習)することにより、燃料噴射装置の経
時変化量を常に正確に把握することが可能となる。
【0013】請求項9に記載の発明では、経時変化前と
みなされる初期条件の成立時において、気筒毎の回転情
報を取得すると共に、該取得した回転情報に基づいて経
時変化前の実噴射量を気筒毎に算出し、その結果をバッ
クアップメモリに記憶する。この場合、経時変化前の実
噴射量についても、前記推定される実噴射量(経時変化
後の実噴射量)と同様に、エンジン固有の気筒間バラツ
キを考慮したものとなり、経時変化判定の信頼性が向上
する。
【0014】また更に、請求項10に記載の発明では、
前記経時変化量算出手段により算出した燃料噴射装置の
経時変化量に基づいて、各気筒への燃料噴射量を補正す
る(補正手段)。この場合、燃料噴射装置の経時変化後
にも変化前と同等の噴射特性を維持することが可能とな
る。
【0015】本発明は、分配型燃料噴射ポンプと噴射ノ
ズルとを備える燃料噴射装置(請求項11)や、高圧燃
料ポンプとコモンレールと電磁駆動式インジェクタとを
備える燃料噴射装置(請求項12)に好適に用いること
ができ、これら燃料噴射装置の経時変化が精度良く判定
できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、
分配型燃料噴射ポンプを備えた4気筒ディーゼルエンジ
ンの燃料噴射システムにおいて、電子制御装置(以下、
ECUという)により燃料噴射量並びに燃料噴射時期を
制御しており、特に燃料噴射ポンプや噴射ノズルからな
る燃料噴射装置の経時変化量を把握しその経時変化量に
応じて燃料噴射補正を行うこととしている。なお、分配
型燃料噴射ポンプとしてはフェイスカム圧送又はインナ
カム圧送の何れの方式のものでも良いが、ここではフェ
イスカム圧送式を例にとって説明する。
【0017】先ず、図1に示されたフェイスカム圧送式
の分配型燃料噴射ポンプ1とECU30について説明す
る。燃料噴射ポンプ1において、ドライブシャフト2は
図示しないエンジンによって、エンジン回転数の2分の
1の回転数と同期して回転駆動される。ドライブシャフ
ト2にはシグナルロータ3が同軸的に取り付けられてお
り、その外周には凸状の歯が複数個形成されている。回
転数センサ4は、シグナルロータ3の外周に対向して取
り付けられており、シグナルロータ3の凸状歯の電磁誘
導によってエンジン回転数に応じたパルス信号を発生し
その信号をECU30へ出力する。なお、シグナルロー
タ3の外周には、エンジン回転数に応じたパルス信号
(Neパルス)を発生するように等間隔に密に形成され
た歯部と、凸状歯の一部を欠落させた欠歯部とが設けら
れている。欠歯部は気筒の数だけ等間隔に(4気筒なら
ば90度おきに)形成されている。
【0018】ドライブシャフト2には、燃料圧送用のプ
ランジャ6を駆動するフェイスカム7と、燃料のフィー
ドポンプであるベーン式のポンプ8(図1には90度展
開して示す)とが連結されている。フェイスカム7はス
プリング9により図の左方向へ付勢されており、これに
よりローラリング10に設けられたローラ11に押し付
けられる。
【0019】かかる場合、フェイスカム7とプランジャ
6とは一体回転可能となっており、フェイスカム7がド
ライブシャフト2によって回転駆動されると、それに連
動してプランジャ6が回転する。また、フェイスカム7
の凸部がローラ11に乗り上げると、フェイスカム7と
共にプランジャ6がその軸線方向に往復運動する。プラ
ンジャ6はポンプシリンダ12に挿入されてその先端に
圧力室13を形成しており、プランジャ6の往復運動に
よって圧力室13の容積が拡縮する。また、それと同時
にプランジャ6の回転運動によって圧力室13に開口す
る吸入側と吐出側のポートが切り換えられて連通する。
【0020】フィードポンプ8から吐出された燃料は燃
料室15に貯溜されているが、その燃料が圧力室13に
吸入されて高圧に加圧された後、所定のタイミングでデ
リバリ弁16及び高圧燃料通路17を通って噴射ノズル
18へ圧送される。そして、その噴射ノズル18から図
示しないエンジンの各気筒(燃焼室内)に対して燃料が
噴射される。ここで、噴射ノズル18は、エンジンの気
筒毎に設けられており、燃料噴射ポンプ1から供給され
る燃料圧力(噴射圧力)がばね等により設定される開弁
圧を上回ると、各気筒の燃焼室に対して燃料を噴射供給
するようになっている。
【0021】燃料噴射ポンプ1には、常開弁として構成
される電磁式のスピル弁19が設けられており、スピル
弁19をECU30によって開閉することにより燃料の
噴射開始時期や噴射量或いは噴射率が制御される。つま
り、コイル非通電(オフ)時にはスピル弁19が開放さ
れ、圧力室13内の燃料が燃料室15へスピル(溢流)
される。また、コイル通電(オン)時にはスピル弁19
が閉鎖され、圧力室13から燃料室15への燃料のスピ
ルが停止されるようになっている。
【0022】また、ポンプ下部には、燃料噴射時期を調
整するための油圧式のタイマ装置20が設けられてい
る。このタイマ装置20は、ドライブシャフト2の軸線
を中心としてローラリング10の回動位置を調整するこ
とにより、フェイスカム7がローラ11に係合する時
期、すなわちフェイスカム7及びプランジャ6の往復動
タイミング(燃料噴射時期)を制御する周知の構成を有
する。なお、図面では便宜上、タイマ装置20を90度
反転して示している。ローラリング10の回転位置を調
整するためのタイマピストン21の位置は、電磁式の油
圧制御弁22により制御されるようになっており、この
油圧制御弁22の開度はECU30によりデューティ制
御される。
【0023】ECU30は、CPU31、ROM32、
RAM33や、その他バックアップメモリとしてのSR
AM34を有する周知のマイクロコンピュータを主体と
して構成され、前述した回転数センサ4からNeパルス
信号を入力する他に、気筒判別信号(TDC信号)、エ
ンジン負荷の程度を示すアクセル開度信号、冷却水温信
号、吸気温信号、エアコン信号等を入力する。そして、
ECU30は、これらの各種入力信号等に基づいてスピ
ル弁19やタイマ装置20の油圧制御弁22の駆動を制
御し、燃料の噴射量及び噴射時期を最適に制御する。
【0024】ここで、燃料噴射にかかる基本動作につい
て図2を参照して説明する。図2は、多段噴射(マルチ
噴射)を実施する事例を示し、特にメイン噴射とそれに
先立って行われるパイロット噴射とが実施される様子を
示す。なお図中、時刻t1〜t2ではパイロット噴射を
行わせるべく、スピル弁指令がONされてスピル弁19
が閉弁される。また、時刻t3〜t4ではメイン噴射を
行わせるべく、スピル弁指令がONされてスピル弁19
が閉弁される。
【0025】図2において、時刻t1でスピル弁指令が
ONされた後プランジャ6のリフトが開始されると、そ
れに伴い噴射圧力(圧力室13内の燃料圧力)が上昇す
る。そして、噴射圧力が噴射ノズル18の開弁圧に達す
ると、噴射ノズル18が開弁し、パイロット噴射が行わ
れる(図のQp)。その後、時刻t2でスピル弁指令が
OFFされて一旦噴射圧力が低下するが、時刻t3でス
ピル弁指令が再びONされると噴射圧力が再び上昇す
る。そして、噴射圧力が噴射ノズル18の開弁圧に達す
ると、噴射ノズル18が再び開弁し、メイン噴射が行わ
れる(図のQm)。
【0026】かかる場合、パイロット噴射及びメイン噴
射についてスピル弁指令のON/OFF時期(t1,t
2,t3,t4)が制御されるが、パイロット噴射前の
スピル弁指令のON時期(t1)は、プランジャリフト
前で且つ圧力室13に燃料が十分に充填されるタイミン
グであれば良く、実質上それ以外のタイミング(t2,
t3,t4)が厳密に制御される。実際には、所定のク
ランク角位置(例えばシグナルロータ3の欠歯位置)を
基準にして、パイロット噴射の終了時期、メイン噴射の
開始及び終了時期を制御するためのθ1,θ2,θ3が
角度にて設定される。そして、これらθ1〜θ3での制
御動作が得られるよう、Neパルス信号のパルス番号と
余り角とによりスピル弁指令のON/OFFが制御され
る。なお、θ1〜θ3はスピル弁指令のための制御値で
あり、実際の噴射開始又は終了の時期とは異なるが、本
実施の形態では便宜上、θ1をパイロット噴射の終了時
期、θ2をメイン噴射の開始時期、θ3をメイン噴射の
終了時期と称することとする。
【0027】ところで、噴射ノズル18は、既述したよ
うに噴射圧力が所定の開弁圧に達した時に噴射を行う
が、その開弁圧の設定にばねを用いるため、ばねの経時
変化により噴射ノズル18の開弁圧が変わると、各気筒
に対する噴射特性が変わってしまう。また、ばねの経時
変化以外にも、燃料噴射ポンプ1のカム機構(図1のフ
ェイスカム7等)の摩耗等により噴射特性が変わった
り、ノズル噴孔部に形成されるデポジットにより噴孔面
積が変化し、それが原因で噴射ノズル18の噴射特性が
変わったりすることも考えられる。この場合、経時変化
の要因は気筒毎にばらつき、そのために噴射特性の変化
度合は気筒毎に異なったものとなる。
【0028】因みに、噴射ノズル18のばねは使用初期
にバネ力が低下し、その後一定のバネ力に安定すること
が知られており、これは一般に「初期経時変化(又は初
期劣化)」と称される。従って、噴射ノズル18の使用
初期の段階では、バネ力低下に起因して噴射特性が変化
することが考えられる。これに対して、ノズル噴孔部の
デポジット形成は、使用初期に限らず使用期間全般で起
こり、デポジットの形成→剥離が繰り返されることによ
り噴射特性が変化する。
【0029】そこで、本実施の形態では、噴射ノズル1
8や燃料噴射ポンプ1の経時変化に際してもそれに関係
なく、安定した噴射特性(初期設定した噴射特性)が維
持できるような燃料噴射制御手法を提案する。
【0030】要するに、経時変化に伴う噴射特性の変化
は気筒毎の回転挙動に現れ、この回転挙動を観測するこ
とにより気筒毎に経時変化の度合を簡易的に知ることが
できる。図3には気筒毎の回転挙動を示しており、
(a)は工場出荷時、すなわち経時変化前の回転挙動を
示し、(b)は経時変化により気筒毎の回転挙動がばら
つく様子を示す。なお、(a)において、工場出荷時、
すなわち経時変化が観測される以前は気筒間の回転挙動
がほぼ一致するが、エンジン固有の回転変動に起因して
僅かながら気筒間の回転バラツキが確認される。
【0031】かかる場合、(b)に示す気筒間の回転挙
動の違いは、各気筒に関する経時変化を反映した結果で
あり、概して、経時変化に伴うノズル開弁圧の低下時に
は燃料噴射量が増え、膨張行程時における所定区間内の
回転上昇量ΔNe#i(iは気筒番号を表す)が大きく
なる。但し、膨張行程直前における瞬時最小回転数Ne
min#iが高い程、同じ噴射量でも回転上昇量ΔNe
#iは小さくなる傾向がある。
【0032】また、エンジン平均回転数及びトルクを一
定条件として、各気筒の回転上昇量ΔNe#i、瞬時最
小回転数Nemin#i及び実噴射量の関係を示すと、
図4に示すものとなる。この図4によれば、回転上昇量
ΔNe#iと瞬時最小回転数Nemin#iとを気筒毎
に計測することにより、そのΔNe#iとNemin#
iとに基づいて、その時実際に噴射ノズル18から噴射
された噴射量(実噴射量)が求められるようになる。
【0033】本実施の形態では、例えばエンジン運転状
態が安定するアイドル時において、各気筒の回転情報
(ΔNe#i,Nemin#i)を検出すると共に、そ
の回転情報から当該気筒の実噴射量を推定する。そし
て、工場出荷時等の初期状態を基準にして、その状態か
らの実噴射量の変化度合から気筒毎に経時変化を診断す
る。またこのとき、ECU30からの噴射量指令値に
は、基本噴射量の他に、ISC補正項やガバナ補正項と
いった各種補正項が含まれており、この補正項を含んだ
状態で実噴射量が推定される。また、この補正項はその
時々のエンジン運転状態に応じて変動する。そこで、そ
の変動要素を含む補正項を実噴射量から取り除き、その
結果として初期噴射量と経時変化後の噴射量と「基本噴
射量相当の実噴射量」同士でを比較判定する。
【0034】次に、経時変化に伴うノズル開弁圧の低下
時において、燃料噴射特性がどのように変化し、本実施
の形態ではその噴射特性変化をどのように解消するか
を、図5を参照しながら以下に説明する。なお前述した
通り、パイロット噴射の終了時期、メイン噴射の開始時
期及び終了時期はそれぞれθ1,θ2,θ3で制御され
るようになっている。
【0035】図5(a)に示すように、経時変化により
ノズル開弁圧が低下すると、その影響として、噴射ノズ
ル18の開弁期間が長くなり、パイロット噴射時及びメ
イン噴射時の噴射量が増える。実際には、ハッチングを
付して示す経時変化前(初期時)の噴射量Qp1,Qm
1に対してΔQp,ΔQm分の噴射量が増加する。ま
た、パイロット噴射とメイン噴射との間隔(パイロット
間隔)が狭くなる。
【0036】そこで、噴射特性の変化を防止するための
対策として、パイロット噴射の終了時期θ1、メイン噴
射の開始時期θ2、メイン噴射の終了時期θ3を所定量
ずつ進角側に補正することを考える。実際には、図5
(b)に示すように、ノズル開弁圧の変化量、すなわち
経時変化の度合に応じて、パイロット噴射の終了時期を
Δθ1進角させ、メイン噴射の開始時期θ2をΔθ2進
角させ、メイン噴射の終了時期θ3をΔθ3進角させ
る。こうした補正により、ハッチングを付して示す補正
後のパイロット噴射時及びメイン噴射時の噴射量Qp
2,Qm2はそれぞれ、経時変化前(初期時)の噴射量
Qp1,Qm1に一致することとなる。
【0037】なお、デポジットの形成により噴射ノズル
18の噴孔面積が縮小された場合には、上記図5とは異
なり、噴射量が減少することとなる。この場合には、そ
の程度に応じてθ1,θ2,θ3を遅角側に補正すると
良い。
【0038】次に、経時変化量の判定及びその経時変化
量に応じた燃料噴射補正の手順について、図6〜図8の
フローチャートに従い説明する。なお、図6のフローチ
ャートは経時変化量算出ルーチン、図7のフローチャー
トは初期噴射量算出ルーチン、図8のフローチャートは
燃料噴射制御ルーチンを示し、これら各ルーチンはEC
U30内のCPU31により所定の時間周期で実施され
る。
【0039】ここで、気筒毎の経時変化の度合を表す経
時変化量ΔQは、気筒毎に推定される実噴射量Qbと、
経時変化前(初期状態)の実噴射量である初期噴射量Q
iniとの差により求められる。つまり、実噴射量Qb
は、図6のルーチンによりアイドル時等に算出され、初
期噴射量Qiniは、図7のルーチンにより工場出荷時
や噴射ノズル交換時等に算出されるようになっている。
以下には詳細に説明する。
【0040】さて、図6がスタートすると、先ずステッ
プ101では、経時変化量ΔQを算出する実施条件が成
立しているか否かを判別する。この場合、 ・アイドル運転時であること、 ・ISC制御(アイドル回転数制御)の実施条件が成立
していること、 といった実施条件が成立すれば、ステップ102以降の
処理を実施する。なお、アクセル操作されていない場合
にアイドル運転時であると判断される。また、アイドル
運転時であり、更に所定条件が併せて成立するとISC
制御の実施条件が成立する。例えば、エンジン始動直後
や、高速走行時にアクセル操作を行わない場合には、ア
イドル時であってもISC制御の実施条件は成立しな
い。
【0041】その後、ステップ102では、今回該当す
る気筒の回転上昇量ΔNe#iと瞬時最小回転数Nem
in#iとについて別途算出された値を読み込み、続く
ステップ103では、前記読み込んだΔNe#i及びN
emin#iに基づいて、今回該当する気筒の実噴射量
Qaを算出する。このとき、前述の図4の関係を定量化
したマップデータを参照することにより実噴射量Qaが
算出される。但し、回転上昇量ΔNe#iと瞬時最小回
転数Nemin#iとをパラメータとする関数にて実噴
射量Qaを算出することも可能であり、この場合、 Qa=f(ΔNe#i,Nemin#i) として、気筒毎の実噴射量Qaを算出する。
【0042】続くステップ104では、前記算出した実
噴射量Qaから各種補正分を差し引き、基本噴射量相当
の実噴射量Qbを算出する。最後に、ステップ105で
は、基本噴射量相当の実噴射量Qbと、これも基本噴射
量相当の初期噴射量Qiniとの差から経時変化量ΔQ
を算出し、そのΔQを気筒毎に分けてSRAM34に記
憶する。この場合、気筒判別信号により気筒判別を行
い、気筒番号と対応付けて経時変化量ΔQをSRAM3
4に記憶する。
【0043】なお、上記ステップ104では、ISC補
正分やガバナ補正分を実噴射量Qaから減算して基本噴
射量相当の実噴射量Qbを算出するが、それ以外にも、
エアコンやオルタネータの作動時における燃料補正分を
見込み、その補正分を実噴射量Qaから減算してQbを
算出するようにしても良い。
【0044】また、図7のルーチンにおいて、先ずステ
ップ201では、経時変化前の初期噴射量Qiniが全
気筒について既に算出されているか否かを判別し、まだ
算出されていない場合、続くステップ202では、今こ
れから初期噴射量Qiniを算出するか否かを判別す
る。そして、例えば、工場出荷時や修理工場などでの噴
射ノズル交換直後にはステップ202がYESとなり、
ステップ203以降の処理を実施する。
【0045】ステップ203では、今回該当する気筒の
回転上昇量ΔNe#iと瞬時最小回転数Nemin#i
とを読み込み、続くステップ204では、例えば図4の
関係を用い、ΔNe#i及びNemin#iに基づいて
今回該当する気筒の実噴射量Qaを算出する。この実噴
射量Qaは、ISC補正やガバナ補正等の補正分を含む
燃料噴射量であるため、続くステップ205では、実噴
射量Qaから各種補正分を差し引き、基本噴射量相当の
実噴射量Qbを算出する。最後に、ステップ206で
は、基本噴射量相当の実噴射量Qbを初期噴射量Qin
iとして、気筒毎に分けてSRAM34に記憶する。
【0046】一方、図8の燃料噴射制御ルーチンにおい
て、ステップ301では、エンジン回転数、アクセル開
度、冷却水温等のエンジン運転状態を読み込み、続くス
テップ302では、図示しない基本特性マップを用い、
エンジン回転数とアクセル開度とから基本噴射量Qbs
eを算出する。その後、ステップ303では、アイドル
運転時のISC補正やガバナ補正等、各種補正を実施
し、燃料噴射量Qneを算出する。また、ステップ30
4では、前記算出した燃料噴射量Qneを基に、パイロ
ット噴射指令値とメイン噴射指令値とを算出する。
【0047】その後、ステップ305では、前記図6の
処理にて算出した経時変化量ΔQをSRAM34から読
み出し、続くステップ306では、その経時変化量ΔQ
に応じて噴射補正値Δθ1,Δθ2,Δθ3を算出す
る。この噴射補正値Δθ1,Δθ2,Δθ3は、前述し
た通りパイロット噴射の終了時期θ1、メイン噴射の開
始時期θ2、メイン噴射の終了時期θ3を各々補正する
ための補正値であり(前記図5(b)参照)、例えば、
Δθi=Ki×f(ΔQ)として算出される(但し、i
=1,2,3)。なお、f(ΔQ)項は、その時々の経
時変化量ΔQが大きいほど小さい値に設定される。ま
た、K1,K2,K3は噴射量補正係数であり、例えば
図9の関係に従い算出される。この場合、図9(a),
(b),(c)において、噴射量補正係数K1,K2,
K3は、アイドル時であれば1近傍に設定される一方、
燃料噴射量Qne(エンジン負荷)とエンジン回転数に
応じて適宜設定される。
【0048】最後に、ステップ307では、前記算出し
た噴射補正値Δθ1,Δθ2,Δθ3により前記ステッ
プ304のパイロット噴射指令値及びメイン噴射指令値
(図5のθ1,θ2,θ3)を補正し、補正後のパイロ
ット噴射指令値及びメイン噴射指令値に基づいて燃料噴
射を実施する。
【0049】なお本実施の形態では、前記図6のステッ
プ102が本発明の「回転情報取得手段」に、ステップ
103及び104が「実噴射量推定手段」に、ステップ
105が「経時変化量算出手段」にそれぞれ相当する。
また、図8のステップ306及び307が「補正手段」
に相当する。
【0050】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。気筒毎に推定した実噴射量と、
予め記憶しておいた経時変化前の実噴射量との差により
燃料噴射装置の経時変化量ΔQを算出するようにしたの
で、エンジン固有の気筒間バラツキがあったとしてもそ
のバラツキ分を考慮しつつ経時変化の判定を行うことが
可能となる。また、全気筒で同様の経時変化が発生した
としても、その経時変化が相殺されることなく個々に判
定できる。その結果、精度の高い経時変化判定が実現で
きるようになる。
【0051】また、気筒毎の膨張行程時における回転上
昇量ΔNe#iと膨張行程直前の瞬時最小回転数Nem
in#iとを気筒毎の回転情報として取得し、このΔN
e#iとNemin#iとから気筒毎の実噴射量を推定
するようにした。この場合、回転上昇量ΔNe#iから
気筒毎の実噴射量を推定することにより、その実噴射量
は気筒毎の爆発力を見込んだものとなる。また、回転上
昇量ΔNe#iは、瞬時最小回転数Nemin#iによ
って相違することから、その瞬時最小回転数Nemin
#iをパラメータとして加えることにより、実噴射量の
推定結果がより一層正しいものとなる。それ故に、エン
ジン固有の気筒毎の回転変動特性を十分に考慮し、気筒
毎の実噴射量を精度良く推定することができるようにな
る。またこのとき、ΔNe#iとNemin#iとに対
する実噴射量の関係を予め定量化しておいたので(図4
参照)、実噴射量の推定が容易となる。
【0052】また、アイドル運転時であること、ISC
制御の実施条件が成立していることを条件に、回転情報
取得並びに経時変化量算出を実施するので、経時変化に
伴う回転挙動の変化を正確に把握し、経時変化の判定を
容易に且つ精度良く実施することができるようになる。
【0053】実噴射量(推定値)からISC補正やガバ
ナ補正等の補正分を差し引いて気筒毎に基本噴射量相当
の実噴射量を算出し、その基本噴射量相当の実噴射量
と、経時変化前の初期噴射量Qiniとの比較により燃
料噴射装置の経時変化量ΔQを算出するので、より一層
精度の高い経時変化判定が可能となる。この場合、初期
噴射量Qiniについても、気筒毎の回転情報に基づき
算出され、更に基本噴射量相当の噴射量として算出され
ているので、経時変化後の実噴射量と同様に、エンジン
固有の気筒間バラツキを考慮したものとなり、経時変化
判定の信頼性が向上する。
【0054】また、経時変化量を気筒毎にSRAM34
(バックアップメモリ)に記憶し、そのバックアップ値
を適宜更新(学習)することにより、燃料噴射装置の経
時変化量を常に正確に把握することが可能となる。
【0055】また更に、経時変化量ΔQに基づいて各気
筒への燃料噴射量を補正するので、燃料噴射装置の経時
変化後にも経時変化前と同等の噴射特性を維持すること
が可能となる。
【0056】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、気筒毎の膨張行程時
における回転上昇量ΔNe#iと膨張行程直前の瞬時最
小回転数Nemin#iとを気筒毎の回転情報として取
得し、このΔNe#iとNemin#iとから気筒毎の
実噴射量を推定したが、回転情報として回転上昇量ΔN
e#iだけを用い、気筒毎の実噴射量を推定するように
しても良い。この場合、図10の関係を用いて回転上昇
量ΔNe#iに基づき実噴射量を推定する。或いは、実
噴射量=f(ΔNe#i)といった関数を用いて実噴射
量を算出するようにしても良い。
【0057】上記実施の形態では、気筒判別信号により
気筒判別を行うように構成したが、その気筒判別信号が
無い場合にも本装置は実現できる。つまり、工場出荷時
に気筒毎の回転変動パターンの初期値をSRAM等に記
憶させておき、その後のエンジン運転時には、気筒毎の
経時変化を反映した回転変動パターンを用いて前回デー
タをその都度更新する。この場合、各気筒の経時変化は
エンジン運転時間において徐々に起こるためエンジン停
止時(イグニッションOFF時)に回転変動パターンの
更新を行うと良い。そして、経時変化の判定を行う場合
には、前回までの気筒毎の回転変動パターン(SRAM
データ)と今回の回転変動パターンとを比較参照して気
筒の特定を行い、更に気筒毎に燃料噴射指令値の補正を
行う。
【0058】上記実施の形態では、アイドル運転時であ
ること、ISC制御の実施条件が成立していることを条
件に経時変化量ΔQを算出したが、低速高負荷状態であ
ることを経時変化判定の実施条件としても良い。また、
気筒毎の回転情報として、各気筒における瞬時の最小回
転数と最大回転数との差を用いても良い。
【0059】上記実施の形態では、多段噴射を行う事例
について説明したが、勿論単発噴射を行う場合にも本発
明が有効となる。この場合にも、経時変化量に応じた補
正を行うことにより精度の高い燃料噴射制御が実現でき
る。
【0060】上記実施の形態では、分配型燃料噴射ポン
プと噴射ノズルとを備える燃料噴射装置として本発明を
具体化したが、それ以外に、高圧燃料ポンプとコモンレ
ール(蓄圧室)と電磁駆動式インジェクタとを備えるコ
モンレール式燃料噴射装置として本発明を具体化するこ
とも可能である。かかる場合にも、燃料噴射装置の経時
変化が精度良く判定できるようになる。特にコモンレー
ル式燃料噴射装置では、高圧燃料を噴射するために各気
筒でのインジェクタの僅かな経時変化が噴射特性のバラ
ツキとして顕著に現れるが、本発明を適用することによ
り、こうした不具合が解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるディーゼルエンジン
の燃料噴射制御システムの概要を示す構成図。
【図2】燃料噴射動作の基本波形を説明するためのタイ
ムチャート。
【図3】気筒毎の回転挙動を示す図。
【図4】回転上昇量と瞬時最小回転数と実噴射量との関
係を示す図。
【図5】経時変化時の燃料噴射形態を説明するためのタ
イムチャート。
【図6】経時変化量算出ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図7】初期噴射量算出ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図8】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図9】噴射量補正係数を算出するための図。
【図10】回転上昇量と実噴射量との関係を示す図。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、4…回転数センサ、18…噴射ノ
ズル、30…ECU、31…CPU、34…SRAM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菱沼 修 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 石原 彰太郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA03 BA13 CA03 CA05 DA04 DA10 DA21 DA22 DA23 EB20 FA13 FA34 FA39 3G301 HA02 HA06 JA05 JA15 JA17 KA07 KA21 LB15 MA11 MA23 NC02 ND21 NE19 PA10Z PB03A PB03Z PE02Z PE05Z PE08Z PF03Z PF13Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンの気筒毎に設けられる燃料
    噴射弁と、該燃料噴射弁に対して燃料を圧送するために
    駆動制御されるポンプ装置とを備えた燃料噴射装置に適
    用され、 前記燃料噴射弁から実際に噴射された実噴射量を気筒毎
    に推定する実噴射量推定手段と、 前記推定した実噴射量と、予め気筒毎に記憶しておいた
    経時変化前の実噴射量との比較により前記燃料噴射装置
    の経時変化量を算出する経時変化量算出手段と、を備え
    る燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  2. 【請求項2】気筒毎の回転情報を取得する回転情報取得
    手段を更に備え、 前記実噴射量推定手段は、取得した回転情報に基づいて
    気筒毎の実噴射量を推定する請求項1に記載の燃料噴射
    装置の経時変化判定装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の経時変化判定装置におい
    て、 前記回転情報取得手段は、気筒毎の膨張行程時における
    回転上昇量を取得し、前記実噴射量推定手段は、該取得
    した回転上昇量から気筒毎の実噴射量を推定する燃料噴
    射装置の経時変化判定装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の経時変化判定装置におい
    て、 前記回転情報取得手段は、気筒毎の膨張行程時における
    回転上昇量と膨張行程直前の瞬時最小回転数とを取得
    し、前記実噴射量推定手段は、該取得した回転上昇量と
    瞬時最小回転数とから気筒毎の実噴射量を推定する燃料
    噴射装置の経時変化判定装置。
  5. 【請求項5】請求項2〜4の何れかに記載の経時変化判
    定装置において、 アイドル運転時であることこと、又は定常安定状態であ
    ることを条件に、前記回転情報取得手段による回転情報
    取得、並びに前記経時変化量算出手段による経時変化量
    算出を実施する燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  6. 【請求項6】請求項2〜4の何れかに記載の経時変化判
    定装置において、 アイドル時の回転数が目標値に制御されていることを条
    件に、前記回転情報取得手段による回転情報取得、並び
    に前記経時変化量算出手段による経時変化量算出を実施
    する燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  7. 【請求項7】エンジン回転数と負荷とから設定される基
    本噴射量に対して各種補正が行われて最終の噴射量指令
    値が決定されるようになっており、 前記実噴射量推定手段は、前記推定した実噴射量からそ
    の時々のエンジン運転状態に応じた補正分を差し引き、
    その結果により気筒毎に基本噴射量相当の実噴射量を算
    出し、 前記経時変化量算出手段は、前記算出した基本噴射量相
    当の実噴射量と、予め記憶しておいた経時変化前の基本
    噴射量相当の実噴射量との比較により前記燃料噴射装置
    の経時変化量を算出する請求項1〜6の何れかに記載の
    燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  8. 【請求項8】前記経時変化量算出手段により算出した燃
    料噴射装置の経時変化量を気筒毎にバックアップメモリ
    に記憶する請求項1〜7の何れかに記載の燃料噴射装置
    の経時変化判定装置。
  9. 【請求項9】経時変化前とみなされる初期条件の成立時
    において、気筒毎の回転情報を取得すると共に、該取得
    した回転情報に基づいて経時変化前の実噴射量を気筒毎
    に算出し、その結果をバックアップメモリに記憶する請
    求項1〜8の何れかに記載の燃料噴射装置の経時変化判
    定装置。
  10. 【請求項10】前記経時変化量算出手段により算出した
    燃料噴射装置の経時変化量に基づいて、各気筒への燃料
    噴射量を補正する補正手段を更に備える請求項1〜9の
    何れかに記載の燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  11. 【請求項11】前記燃料噴射装置は、燃料を高圧化して
    その高圧燃料を気筒毎に分配する前記ポンプ装置として
    の分配型燃料噴射ポンプと、該燃料噴射ポンプから高圧
    燃料が圧送され、所定の開弁圧にて開弁する前記燃料噴
    射弁としての噴射ノズルとを備える請求項1〜10の何
    れかに記載の燃料噴射装置の経時変化判定装置。
  12. 【請求項12】前記燃料噴射装置は、燃料を高圧化する
    前記ポンプ装置としての高圧燃料ポンプと、該高圧燃料
    ポンプから圧送される高圧燃料を貯溜するコモンレール
    と、コモンレール内の高圧燃料を各気筒に噴射する前記
    燃料噴射弁としての電磁駆動式インジェクタとを備える
    請求項1〜10の何れかに記載の燃料噴射装置の経時変
    化判定装置。
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