JPH09139343A - 基板処理装置及びパターン形成方法 - Google Patents

基板処理装置及びパターン形成方法

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JPH09139343A
JPH09139343A JP8182330A JP18233096A JPH09139343A JP H09139343 A JPH09139343 A JP H09139343A JP 8182330 A JP8182330 A JP 8182330A JP 18233096 A JP18233096 A JP 18233096A JP H09139343 A JPH09139343 A JP H09139343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度の良いレジストパターンを得る。 【解決手段】 被加工基板1にレジスト膜2を形成する
工程と、レジスト膜2上に含水性ポリマーの溶液4を塗
布する工程と、含水性ポリマー内の高分子を架橋させて
所定の膜厚のハイドロゲル膜4aを形成する工程と、こ
のハイドロゲル膜を介してレジスト膜2をパターン露光
し、その後にハイドロゲル膜4aを除去する工程と、を
備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板処理装置及び
フォトレジストのパターン形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路の製造に使用さ
れるフォトレジストパターンの形成にフォトリソグラフ
ィー技術が用いられている。回路の集積化に伴いパター
ン寸法も微細化し、高精度にパターン寸法を制御するこ
とがますます重要になってきている。
【0003】フォトレジストを露光する際、露光光がレ
ジスト膜内で多重反射するため、レジスト膜厚の変動に
伴いパターン寸法も変動する。これを回避するためにレ
ジスト膜上に反射防止膜を形成した後に、レジスト膜を
露光し、現像することによってパターンを形成する方法
がとられていた。例えば、図5に示すように、フォトレ
ジスト膜2が形成された被加工基板1上に反射防止膜3
を形成することにより、反射防止膜3、レジスト膜2を
通過した露光光6は被加工基板1とレジスト膜2の界面
で反射され、この反射光7の一部はレジスト膜2と反射
防止膜3の界面で反射されて再びレジスト膜2中を進行
する光8となる。一方、残りの光9は反射防止膜3と大
気との界面で反射され、反射防止膜3とレジスト膜2と
の界面を透過する。そして上記反射された光8と透過し
た光を干渉させて打消すことによりレジスト膜2内の多
重反射を低減させるものである。
【0004】このような反射防止膜3を設ける方法にお
いては、レジスト膜2の屈折率をnR 、露光光6の波長
をλとすると、反射防止膜3の屈折率nT が(nR
0.5 かつ反射防止膜3の膜厚dがλ/(4nT )の奇数
倍に近付くほどのその効果は大きい。現在用いられてい
る例えばノボラック系のフォトレジストの屈折率は約
1.7であるから、nT =1.3であるような物質が反
射防止膜として最も望ましい。反射防止膜3として現在
提案されているものとしては、ポリシロキサン(特開昭
60−38821号公報)、ポリエチルビニルエーテル
(PEVE)、パーフルオロアルキルポリエーテル(P
FAE)、ポリビニルアルコール(PVA)等がある
(T.Tanaka et al.J.Electrochem.Soc.,137,12,PP3900,
1990参照)。そしてこれらの屈折率は、例えば波長54
6nmにおいて各々1.43,1.48,1.29,
1.52であり、PFAEの屈折率が最も1.3に近
い。なお、g線(436nm)、i線(365nm)に
おいてもPEVE、PFAE、PVA、ポリシロキサン
の屈折率は変わらない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがPFAEを除
去するためにはフロンが必要である。フロンは環境的に
は好ましくない。また、ポリシロキサンの除去にはキシ
レン等の有機溶剤が必要であるが、これらの有機溶剤を
用いると、反射防止膜の剥離の際に、レジスト膜2の上
層が溶解する等の問題があり、レジストパターンとして
は寸法精度の良いものではなかった。また、他に屈折率
が1.3に近い物質として水(屈折率n=1.342、
λ=365nm)があり、水を反射防止膜として用いる
方法も提案されているが(特開平5−343315号公
報参照)、露光中に水の蒸発が起こり、膜厚が変動して
しまうため、寸法精度の良いレジストパターンが得られ
ず、実用的に難しい。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、寸法精度の良いレジストパターンを得ること
のできるパターン形成方法およびこのパターン形成方法
を実施するのに使用される基板処理装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるパターン形
成方法の第1の態様は、被加工基板にレジスト膜を形成
する工程と、前記レジスト膜上に含水性ポリマーの溶液
を塗布する工程と、前記含水性ポリマー内の高分子を架
橋させて所定の膜厚のハイドロゲル膜を形成する工程
と、このハイドロゲル膜を介して前記レジスト膜をパタ
ーン露光し、その後に前記ハイドロゲル膜を除去する工
程と、を備えていることを特徴とする。
【0008】このように構成された本発明のパターン形
成方法の第1の態様によれば、レジスト膜上に含水性ポ
リマーの溶液が塗布された後、架橋されて所定の膜厚の
ハイドロゲル膜にされる。このハイドロゲル膜は保水性
のゲルなので屈折率は水の屈折率に近くすることが可能
となり、かつ膜厚も変化することがなく、寸法精度の良
いものを得ることができる。
【0009】また本発明によるパターン形成方法の第2
の態様は第1の態様のパターン形成方法において、前記
ハイドロゲル膜は、可逆的な反応により前記含水性ポリ
マー内の高分子間に物理的結合を形成し、架橋させるこ
とにより形成することを特徴とする。
【0010】また本発明によるパターン形成方法の第3
の態様は第1の態様のパターン形成方法において、前記
ハイドロゲル膜を形成する工程は、不可逆的反応により
前記含水性ポリマー内の高分子間に化学的な結合を形成
し、この化学的な結合に基づく架橋点密度が前記含水性
ポリマーのゲル化点における架橋点密度より低くなるよ
うに架橋させる工程と、可逆反応により前記含水性ポリ
マー内の高分子間に物理的結合を形成し、架橋させる工
程と、を備えていることを特徴とする。
【0011】また本発明によるパターン形成方法の第4
の態様は第3の態様のパターン形成方法において、前記
不可逆的反応により架橋させる工程は、光架橋反応を用
いることを特徴とする。
【0012】また本発明によるパターン形成方法の第5
の態様は第3の態様のパターン形成方法において、前記
不可逆反応により架橋させる工程は、架橋剤を用いるこ
とを特徴とする。
【0013】また本発明によるパターン形成方法の第6
の態様は第1乃至第5のいずれかの態様のパターン形成
方法において、前記含水性ポリマーは多糖類、タンパク
質、ポリビニルアルコールまたはポリアクリルアミドの
いずれかであることを特徴とする。
【0014】また本発明によるパターン形成方法の第7
の態様は、第1または第2の態様のパターン形成方法に
おいて、前記含水性ポリマーは、可逆的にゾル−ゲル転
移を起こすものであることを特徴とする。
【0015】また本発明によるパターン形成方法の第8
の態様は、第2の態様のパターン形成方法において、前
記含水性ポリマーは、不可逆反応によりゲル化された第
1のポリマーと、可逆的なゾル−ゲル転移を起こす第2
のポリマーとを混合させたゾル状態のものが用いられる
ことを特徴とする。
【0016】本発明による基板処理装置の第1の態様
は、基板を台上に保持して前記基板を回転させる回転手
段と、前記基板上に塗布するための薬液を貯蔵する貯蔵
手段と、前記貯蔵手段に貯蔵されている薬液を前記台上
に保持された基板上に供給するための配管と、前記配管
を介して供給される薬液を前記基板上に吐出するための
吐出手段と、前記基板を冷却して室温より低い第1の温
度に保持する冷却手段と、前記貯蔵手段に貯蔵されてい
る薬液、前記配管内の薬液、及び吐出手段から吐出され
る薬液が室温より高い温度となるように調整する薬液温
度調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【0017】また本発明による基板処理装置の第2の態
様は、第1の態様の基板処理装置において、前記基板上
に吐出された薬液のうち前記基板からあふれ出た薬液
を、温度調整された液体を用いて除去する手段を更に備
えていることを特徴とする。
【0018】また本発明による基板処理装置の第3の態
様は、第1または第2の態様の基板処理装置において、
前記薬液が吐出されている前記基板に水蒸気で飽和せし
めた湿潤空気を供給する湿潤空気供給手段を更に備えて
いることを特徴とする。
【0019】また本発明による基板処理装置の第4の態
様は、第1乃至第3のいずれかの態様の基板処理装置に
おいて、前記冷却手段によって前記第1の温度に冷却保
持されている前記基板の近傍の空気の水蒸気分圧を、前
記第1の温度における飽和圧力以下に保つ手段を更に備
えていることを特徴とする。
【0020】また本発明による基板処理装置の第5の態
様は、第1乃至第4のいずれかの態様の基板処理装置に
おいて、前記台上に保持された前記基板に室温よりも高
温の水を供給する手段を更に備えていることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によるパターン形成方法の
第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。
この実施の形態のパターン形成方法は、反射防止膜4に
含水性ポリマーである、けん化率95モル%、重合度2
500のポリビニルアルコール(以下、PVAという)
を用いたものである。
【0022】まず上記PVAを精製水に溶解させ5wt
%(重量%)のPVA溶液を調製する。
【0023】一般に含水性ポリマーが水を含むと、水の
比率が増えるに従いその混合物の屈折率nT の値は水の
屈折率(1.342)に近付く。よってこのように水を
多く含むポリマーを反射防止膜として用いればその効果
も従来のものよりも大きくなると期待できる。例えば、
屈折率1.553のPVA(けん化率95モル%)の5
wt%水溶液の屈折率nT は次のようにして1.352
と求められる。
【0024】多成分混合系の誘電率εは有効媒質近似に
より下記の式のように表せるが、この式とε=n2 の関
係より上記水溶液の屈折率nT が求まる。
【0025】VP (εp −ε)/(εp +2ε)=Vs
(εs −ε)/(εs +2ε) ここでVp :ポリマーの体積分率 Vs :溶媒(水)の体積分率 εp :ポリマーの誘電率 εs :溶媒(水)の誘電率 ε :水溶液の誘電率 である。
【0026】この式により求めた各ポリマー濃度におけ
るnT の値を図2に示す。この図2から分かるようにポ
リマーの濃度が数パーセント程度であれば、その水溶液
の屈折率はほぼ水の屈折率に近い値を取ることができ
る。
【0027】上述したように5wt%のPVA溶液を調
製した後、図1(a)に示すように、被加工基板1上に
例えばノボラック系のレジストを塗布してレジスト膜2
を形成し、このレジスト膜2をプリベークした後に上記
PVA溶液4を所定の膜厚となるように塗布する。続い
て上記PVA溶液4が塗布された基板を−6℃以下の温
度で大気圧下に1時間おいてPVA分子を架橋させ、レ
ジスト膜2上に含水率95wt%、膜厚67.5nmの
ハイドロゲル膜4aを形成する(図1参照)。このとき
のハイドロゲル膜4aは波長365nmの露光光を充分
に透過し、屈折率は1.352であり(図2参照)、ほ
ぼ水の屈折率に近い値となっている。
【0028】なお、上記PVA溶液4が塗布された基板
を−6℃以下の温度、圧力4〜10Nm-2下で例えば数
時間〜10時間程度置き、上記PVA溶液を固形化(凍
結乾燥)させることによりPVA分子を架橋させ、レジ
スト膜2上にハイドロゲル膜4aを形成した後、30分
間上記基板1を水に浸漬し、ハイドロゲル膜4aを膨潤
させてこのハイドロゲル膜4aの含水率を95wt%、
膜厚を67.5nmとなるようにしても良い、なお、凍
結乾燥及び膨潤の一連の工程では膜厚変動は2%程度以
内に収まっている。
【0029】次にマスク50を用いてマスク合わせを行
った後に波長365nmの光6を用いて露光を行う(図
1(c)参照)。その後、PVAゲルの融点が60℃で
あるので例えば80℃以上の熱湯12を用いて、例えば
熱湯を注ぐ等によりハイドロゲル膜4aをPVA溶液4
として除去し(図1(d)参照)、続いて例えば90〜
110℃でポストエクスポージャーベークを用い(図1
(e)参照)、現像してレジストパターン2aを形成す
る(図1(f)参照)。なお、このときハイドロゲル膜
4の除去のために基板を熱湯12に浸漬させるようにす
ることでポストエクスポージャーベークの工程を兼ねる
ことも可能である。
【0030】このように本実施の形態のパターン形成方
法においては、レジスト膜2上に塗布されたPVA溶液
4を保水性のハイドロゲル膜4aに変えたことにより、
水が蒸発することもなく、したがってハイドロゲル膜4
aの膜厚、及び屈折率が変化することもない。更にこの
ハイドロゲル膜4aは温度を上げるとゲルから水溶性の
ゾルに転移するので、レジストに損傷を与えることな
く、容易にかつ環境を破壊せずに除去することが可能と
なる。
【0031】また図3に、従来の反射防止膜3(屈折率
1.4)および本実施の形態の反射防止膜4a(屈折率
1.352)を用いたそれぞれの場合について、レジス
ト膜2の膜厚に対するレジストに吸収される露光光のエ
ネルギーを計算した結果を示す。この図3のグラフの縦
軸は、単位体積当りのレジストに吸収される露光光のエ
ネルギーを示し、この露光光のエネルギーの変動はレジ
スト膜2の寸法の変動に相当する。この図3から分かる
ように従来の反射防止膜を用いた場合(破線のグラフ参
照)に比べて、本実施の形態のように含水性ポリマーを
反射防止膜として用いた方(実線のグラフ参照)がエネ
ルギーの変動の振幅が1/2程度に抑えられていること
が分かる。
【0032】以上説明したように本実施の形態のパター
ン形成方法を用いることにより、環境を破壊することな
く、寸法精度の良いレジストパターンを得ることができ
る。
【0033】なお、上記実施の形態のパターン形成方法
においては、塗布したPVA溶液をゲル化する際に若干
の体積の変動がある。そこでどの程度まで体積変動が許
されるかを以下のように見積った。
【0034】まず反射防止膜4aの膜厚に対するスウィ
ング比の関係のシミュレーション結果を図4に示す。こ
のスウィング比は、レジストに吸収される露光光のエネ
ルギーとレジスト膜厚との関係を示す図3において、周
期性曲線の1つの周期における山と谷の値の比率であ
る。したがってこのスウィング比が1に近い程、レジス
ト膜厚の変動による吸収光エネルギーの変動の誤差が小
さくなり、均一な露光を確保することが、より容易とな
る。上記シミュレーションに用いたパラメータは以下の
通りである。
【0035】 a)露光光の波長λ 0.365μm b)レジスト ノボラック系樹脂 屈折率 1.7070−0.0156i 膜厚 1.03±0.3μm c)下地(基板) シリコン 屈折率 5.9602−2.9028i 膜厚 5.00μm d)反射防止膜 本実施の形態 n=1.352(実線) 従来 n=1.40 (破線) 上記図4から分かるように、本実施の形態の形成方法の
ように反射防止膜4aの最適膜厚67.5nmに対して
膜厚変動が−13%〜+16%の範囲内にあれば従来の
反射防止膜より寸法制御の効果が大きい。また最適膜厚
に対して膜厚変動が−4%〜+8%の範囲内であれば、
従来の反射防止膜に対して2倍若しくは、それに近い寸
法制御効果があることになる。ゼラチンの場合、ゲル化
の際の体積収縮は実験結果から水溶液の体積に対して2
%程度であり、他のゲルについても体積変化はゼラチン
と同程度であると思われるので、PVA溶液塗布後の膜
厚はゲルの最適膜厚67.5nmと同じでも良好な結果
が得られると考えられる。
【0036】なお上記実施の形態においては、ハイドロ
ゲル膜4aの含水率は95wt%若しくはそれ以上であ
ったが、本発明者の知見によれば含水率が90wt%若
しくはそれ以上のハイドロゲルを用いても良好な結果が
得られるものと考えられる。
【0037】次に本発明によるパターン形成方法の第2
の実施の形態を説明する。この実施の形態のパターン形
成方法は、反射防止膜4に用いられる含水性ポリマーと
して、ゼラチン水溶液を用いたものである。
【0038】まずゼラチンを90℃の湯に溶かし、5w
t%のゼラチン水溶液を調整した。
【0039】シリコン基板上に通常の方法でレジストを
塗布しプリベークしたのち、上記ゼラチン水溶液を塗布
し、−3℃にて1時間放置してゼラチンをゲル化させ、
レジスト上に膜厚70nmのハイドロゲル膜を形成させ
た。このゼラチンゲルは波長365nmの光を充分に透
過する。また屈折率はほぼ1.3に近い。その後、第1
の実施の形態と同様に365nmの光で露光を行い、続
いて例えば50℃以上の湯を注ぐことによりゼラチン膜
を除去した後、ポストエクスポージャーベークを行い、
レジストパターンを形成した。なお、この際、ゼラチン
膜除去のために基板を熱湯に含浸させるようにすること
でポストエクスポージャーベークの工程を兼ねることも
可能である。さらにゼラチンの融点は40℃程度であ
り、現像液を40℃以上に熱することが可能であるなら
ば、ハイドロゲル膜の除去工程で現像工程まで兼ねるこ
とができる。これらの操作によりハイドロゲルによる反
射防止膜を用いない場合に比べ、基板の段差の影響を受
ない寸法精度の良いパターンを形成することができる。
【0040】次に本発明によるパターン形成方法の第3
の実施の形態を説明する。この実施の形態のパターン形
成方法は、反射防止膜に用いられる含水性ポリマーとし
てκ−カラギーナン水溶液を用いたものである。
【0041】まずκ−カラギーナンを80℃の塩化アン
モニウム水溶液に溶かし、5wt%のκ−カラギーナン
水溶液を調整する。その後シリコン基板上に通常の方法
でレジストを塗布し、プリベークしたのち、上記κ−カ
ラギーナン水溶液をレジスト上に塗布し、0℃にて20
分間放置してゲル化させ膜厚67.5nmのハイドロゲ
ル膜を形成した。このカラギーナンゲルは波長365n
mの光を充分に透過する。また屈折率はほぼ1.3に近
い。その後、第1の実施の形態の場合と同様に365n
mの光で露光を行い、例えば80℃以上の湯でカラギー
ナンゲル膜を除去した後、ポストエクスポージャーベー
クを行い、レジストパターンを形成した。なお、この
際、カラギーナンゲル膜除去のために基板を熱湯に含浸
させるようにすることでポストエクスポージャーベーク
の工程を兼ねることも可能である。これらの操作により
ハイドロゲルによる反射防止膜を用いない場合に比べ、
基板の段差の影響を受ない寸法精度の良いパターンを形
成する事ができる。
【0042】なお、上記実施の形態においては含水性ポ
リマーとしてPVA、ゼラチンおよびκ−カラギーナン
を用いたが、含水性ポリマーで塗布後ゲル化し、除去が
容易であるようなアガロース、ポリアクリルアミドなど
を用いても構わない。また、上記実施の形態においては
露光波長を365nmとしたが、反射防止膜が上述した
反射防止の条件を満たせばほかの波長でも構わない。
【0043】なお、上記実施の形態においてはフォトレ
ジストとしてはノボラック系の樹脂(屈折率η=1.
7)について説明したが、本発明はこれに限られるもの
ではない。将来用いられる可能性のあるレジストとして
は、a)アクリル系樹脂(例えばポリメタルクリル酸メ
チル(PMMA)、屈折率n=1.501(λ=436
nm))、b)シリコン含有レジスト(例えば、ポリシ
ロキサン(屈折率η=1.43(λ=546nm))、
c)フッ素含有レジスト(例えばポリメタクリル酸ヘキ
サフルオロブチル(FBM)(例えば同様にフッ素を含
むフッ素樹脂としてパーフルオロアルキルエーテル(P
FAE)、屈折率n=1.29(λ=546nm))が
考えられる。このように将来用いられるレジストの屈折
率は現在用いられているレジスト(ノボラック系)の屈
折率より小さくなる可能性があるが、これらに対しても
従来の水溶性の反射防止膜(例えばPVA)の屈折率よ
りも本発明の反射防止膜の屈折率のほうがレジストの屈
折率の平方根に近い値となるため、効果は大きくなると
考えられる。
【0044】上記第1乃至第3の実施の形態のパターン
形成方法においては、反射防止膜としてのハイドロゲル
は、ポリビニルアルコール等のポリマーの水溶液(ゾル
状態)の温度などの環境条件を変化させて高分子鎖間に
架橋をつくり3次元網目構造を形成することでゲル状態
を実現していた。そして反射防止膜の除去が容易である
ことから、可逆的なゾル−ゲル転移を起こす含水性ポリ
マーが用いられていた。このため、上記高分子鎖間の結
合は水素結合や分子鎖間のらせん構造による結合等の物
理的結合が用いられていた。このような物理的結合は冷
却などの温度変化を与えて実現されるが、一般にゲル化
が完了するまでに時間がかかることが多く、スループッ
トや安定性などの点で問題が残る。例えばゼラチン水溶
液は冷却することにより高分子内のNH基とCO基との
間に水素結合が生じ、これにより分子同志でらせん構造
を形成することでゲル化するが、ゲル化が完了するまで
には数時間を要する。
【0045】光照射や架橋剤等の手段を用いて高分子鎖
同志を架橋させゲル化させる方法が考えられる。この方
法は、時間的には速い。光で架橋するゲルには例えばポ
リビニルアルコールに四級スチルバゾリウム基を導入し
たもの(以下PVA−SbQと略す)や、類似の構造を
持つオキシスチリルキノリウム基を導入したもの(以下
PVA−OQQと略す)が挙げられる(市村、高分子加
工、23,443、1984)。これは図6に示す構造
を持つ。PVA鎖に導入されたスチルバゾリウム基が光
のエネルギーにより二量化反応を起こし架橋する。この
架橋点により網目構造が形成されゲルができる(図7参
照)。ゲル化に要する時間はわずか数秒程度と短い。化
学結合のみで架橋点が形成され、ゼラチンなどの場合の
様に高分子の高次構造の変化を必要としないため、短い
時間でゲル化が達成できるものと考えられる。しかし、
共有結合などの化学的な結合が形成されるためゾル−ゲ
ル転移は不可逆的であり、反射防止膜として用いた場合
除去が困難になる。
【0046】そこでフォトレジスト上に設けられる反射
防止膜として理想的な屈折率をもつハイドロ膜をより短
時間で形成可能であるとともに、除去が容易であるパタ
ーン形成方法を以下説明する。
【0047】図8は溶液のゲル分率と高分子溶液内の架
橋点の密度との関係を示したものである。架橋がある程
度進むと高分子によって形成された網目系全体に広が
る。そして高分子溶液の流動性がなくなる(粘度が急激
に増える)。この系全体に広がった無限網目に属してい
る1次分子(分子間架橋が生じる前の分子)の数と、系
全体の1次分子の数との比がゲル分率であり、無限網目
に属する高分子が現れる点をゲル化点と呼び、このとき
の架橋点密度(単位体積当たりの架橋点の数)をPc
する(図8参照)。以下の実施の形態のパターン形成方
法においては、架橋点密度PがP<Pc となるように架
橋剤の添加や光照射等で化学的な結合による架橋点を形
成させる(図8中15で示した領域)。この状態ではま
だポリマー溶液は“ゾル状態”である。その後冷却など
の方法により可逆的なゾル−ゲル転移をさせてハイドロ
ゲル膜を形成する(図8中16で示した領域)。なお、
ゲル化の順番は、可逆的な工程、不可逆的な工程の順に
行っても構わない。架橋反応の一部分を架橋剤の添加や
光照射で行うことにより、全てを温度変化でゲル化させ
るよりも短い時間でゲル化させることができる。パター
ン露光後は温度を変化させてゲルからゾルに変えること
で除去することができる。
【0048】ゲル化点における架橋点密度Pc より少な
い架橋点密度の状態を実現するためには以下のようにす
れば良い。すなわち、ゲル化点による架橋点密度Pc
りも架橋点密度が少なければ、ゾル状態、多ければゲル
になっているわけであるからゲル化点を決めることがで
きれば、上記の状態は実現できる。ゲル化点を決めるに
は、通常、落球法、粘性を調べる方法、弾性を調べる方
法、光散乱により平均分子量を調べる方法等が用いられ
る。例えば、光で架橋が起こる系ならば、照射量を漸次
増加させていき、例えば落球法であれば球が落ちるかど
うかを調べて球の落ちなくなった状態、粘性を調べる方
法であれば溶液の粘性が無限大に発散する状態、弾性を
調べる方法であれば弾性がゼロから或る有限の値に変化
する状態、あるいは光散乱により平均分子量を調べる方
法であれば平均分子量が無限大に発散する状態がそれぞ
れゲル化点になる。この様にして、ゲル化点を決定し、
その時の照射量を調べ、この値とゾル状態での照射量と
の関係を調べる。照射量が増えるほど架橋反応は進行す
る。よって、ゲル化点における照射量よりも少ない照射
量を設定してやれば、試料はゾル状態であり、したがっ
てP<Pc が実現される。
【0049】あるいは、共有結合によりゲル化している
例えばポリアクリルアミドと可逆的ゾル−ゲル転移を起
こす例えばゼラチンとを混合させてゾル状にしておき、
温度変化などによりゲル化させる場合などにおいては、
不可逆的ゲルの濃度とゲル化点との関係を調べておき、
上記と同様の手法によりP<Pc を実現する濃度を決定
してやれば良い。また、架橋剤の添加により化学的な結
合を形成させる系においては、架橋密度は架橋剤の添加
量によるから、ゲル化点での架橋剤の量を上記の手法に
より求め、実際には添加する架橋剤の量をそれよりも少
なくしてやれば良い。
【0050】例えば上記の光で架橋するポリマーについ
ていえば、SbQ基やOQQ基の導入率が十分に少なけ
れば、また、照射量が十分に少なければ光を照射して架
橋反応が起こっても完全なゲル化までは到達しない。よ
ってこの後冷却などによってゲル化させ、反射防止膜と
して利用した後、加熱等によりゾルに変化させ、除去す
ることが可能になる。
【0051】このような可逆的な手段と不可逆的な手段
との両方の手段を用いて反射防止膜を形成する場合のパ
ターン形成方法の実施の形態を以下説明する。
【0052】本発明によるパターン形成方法の第4の実
施の形態を図9及び図10を参照して説明する。この実
施の形態のパターン形成方法においては、反射防止膜を
形成する含水ポリマーとしてオキシスチリルキノリウム
基を導入したポリビニルアルコールの5wt%水溶液を
用いた。実際に反射防止膜として含水ポリマーを塗布す
る前に以下の様にして感光基の導入率、及び光架橋させ
る際の光の照射量を決定した。上記高分子を架橋させる
際の光の波長はレジストを感光させる光のそれに近い。
よって、レジスト露光の際に照射される光は、同時に上
記高分子の架橋も促進する。レジストへの影響を考える
と照射量は少ない方が良い。したがって上記高分子の感
度は高い方が良いが、レジスト露光の際にゲル化しない
程度に架橋密度を抑える必要がある。そこで感光基導入
率はレジストを露光する際の照射量程度ではゲル化が起
こらない0.8モル%とした。この際ゲル化するかどう
かは落球法により判断した。すなわち容器内に高分子水
溶液を入れ、光を照射した後、溶液表面に小さな球を静
かに置き、球が沈むかどうかでゲル化したかどうかの判
断を行った。
【0053】また、上記高分子を架橋させる照射量には
レジスト露光の際の照射量も考慮し以下の実験により決
定した。すなわち上記高分子水溶液にレジストを露光す
るための光を照射し、その後架橋を形成する光を照射し
た。照射量を変えることによりゲル化点を求めた。な
お、ゲル化点の決定はやはり落球法により行った。図9
に示すように光10の照射量を増やしていき、球が沈ま
なくなったのでこの照射量において架橋密度がPc にな
ったものと判断し(ゲル化点)、上記高分子を架橋させ
る際の光10の照射量は、架橋密度PがP<Pc になる
ようゲル化点での照射量より十分少ない10mJ/cm
2 と決定した。なお、ゲル化点の決定は今回は落球法に
より行ったが、溶液の粘性により決定する方法でも構わ
ない。また、光散乱法により決めるのでも良い。
【0054】パターン形成は図10に示すようにして行
った。シリコン基板21上に通常の方法でレジスト22
を塗布しプリベークした後、上記高分子水溶液24を塗
布した(図10(a))。これにコーターデベロッパー
内に設置された水銀ランプにより波長488nmの光2
6を10mJ/cm2 照射して部分的に架橋している高
分子水溶液(ゾル状態)24aを形成する(図10
(b)参照)。この後、この水溶液24aを冷却してハ
イドロゲル膜24bを形成する(図10(c)参照)。
なお、このハイドロゲル膜24bの膜厚は70nmであ
り、その屈折率はハイドロゲル膜24bの成分のほとん
どが水であるため、1.3に近い。
【0055】続いてマスク50を用いてマスク合わせを
行った後、波長365nmの光28を用いてレジスト2
2を露光する(図10(d)参照)。その後熱湯30を
用いてハイドロゲル膜24bをPVA−OQQ膜24a
に戻し、このPVA−OQQ膜24aを除去する(図1
0(e),(f)参照)。そしてポストエクスポージャ
ーベークを行い、現像してレジストパターン22aを形
成した(図10(g)参照)。
【0056】なお、この際ハイドロゲル膜24b除去の
ために基板を熱湯に含浸させることでポストエクスポー
ジャーベークの工程をかねることも可能である。これら
の操作により従来よりも短時間かつ簡便な方法でハイド
ロゲル膜を形成することができ、しかもハイドロゲル膜
からなる反射防止膜を用いない場合に比べて基板の段差
の影響を受けない寸法精度の良いパターンを形成するこ
とができる。
【0057】なお、上記実施の形態においては、オキシ
スチリルキノリウム基を導入したポリビニルアルコール
を用いたが、ゲル化の程度が調整できるようであれば例
えばスチルバゾリウム基を導入したポリビニルアルコー
ルなど他の物質でも構わない。すなわち導入されるべき
感光基はスチルピリジニウム基、キノリウム基等の様に
光により架橋反応を起こすものが望ましく、また、上記
感光基をポリマーに導入する際は、そのホルミル置換体
のアセタール化により行うので、導入される高分子とし
てはその構造内に水酸基を多くもち、かつゲル形成可能
な、例えばポリビニルアルコールや、デンプン、アガロ
ース等の多糖類ポリマー等が望ましい。
【0058】また、上記実施の形態においては用いた高
分子の感光基導入率を0.8モル%、水溶液の濃度を5
wt%としたが、十分に光を照射してもゲル化するほど
には架橋反応が進まず、かつ形成されるハイドロゲル膜
について理想的な屈折率が実現できるような条件であれ
ば、他の導入率、濃度でも構わない。
【0059】さらに上記実施の形態においては光架橋反
応の際の光の波長を488nm、照射量を10mJ/c
2 としたが高分子溶液を上述した条件で架橋させるこ
とができるのであれば他の波長、照射量でも構わない。
上記第4の実施の形態においてはハイドロゲル膜を形成
させるための高分子を架橋させる光とレジストを露光さ
せる光の波長を違うものとしたが、上記高分子を架橋さ
せる際、レジストに影響を与えないような条件であれ
ば、同じ波長を用いても構わない。
【0060】また、上記実施の形態においてはまず光架
橋を行い、その後温度変化によりゲル化させたが、ゲル
化の順番はこの逆でも構わない。さらに不可逆的架橋の
手段として光による化学反応を用いたが、架橋点密度を
適宜に決めることができる系であれば、架橋剤を用いた
反応などの手段を用いても構わない。例えば、ポリビニ
ルアルコールや、多糖類ポリマーなど水酸基を有するポ
リマーにグルタルアルデヒド、ジカルボン酸等を反応さ
せて高分子鎖同志を反応させて架橋させた後に温度変化
等により可逆的にゲル化させる方法も可能である。
【0061】あるいは、共有結合によりゲル化している
例えばポリアクリルアミドと可逆的ゾル−ゲル転移を起
こす例えばゼラチンとを混合させてゾル状にしておき、
温度変化などによりゲル化させるようにすれば、ゼラチ
ンのみをゲル化させる場合に比べ、短い時間でゲル化を
行うことが可能となる。
【0062】また、上記実施の形態においてはレジスト
の露光波長に365nmを用いたが、反射防止膜が上述
したような反射防止の条件を満たせば他の波長でも構わ
ない。
【0063】上記第4の実施の形態のパターン形成方法
においては、不可逆的架橋の手段として光架橋反応を用
いた。光架橋型含水性ポリマーとしては次の3種類が知
られている。
【0064】a)水溶性高分子+光架橋剤の混合物。
【0065】b)水溶性高分子+ビニルモノマー+光重
合開始剤の混合物。
【0066】c)感光基と結合した水溶性高分子。 これらの3種類の含水性ポリマーのうち、a)及びb)
項の含水性ポリマーの光架橋反応はラジカル反応であ
り、制御が難しい。これに対してc)項の含水性ポリマ
ーは架橋の程度を感光基の仕込み量や露光量で調整する
ことが可能であり、このc)項の含水性ポリマーを反射
防止膜用として用いるほうが望ましい。
【0067】このc)項の含水性ポリマーの具体例とし
て、ベースポリマーとなる水溶性高分子には、ゼラチ
ン、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリビニルピロ
リドン等が挙げられる。また感光基としては、桂皮酸
基、α−フェニルマレイミド基、アリリデンアセトフェ
ノン基、カルコン基、スチリル系四級塩感光基(例えば
スチリルピリジニウム基(SbQ)、スチリルキノリウ
ム基(QQ)、オキシスチリルピリジニウム基(OSb
Q)、オキシスチリルキノリウム基(OQQ)、および
スチリルベンツチアゾリウム基)、シンナミリデン基、
アントラセン基、フリルアクリル酸、アジド系感光基、
およびニトロ基を含有するものが挙げられる。感光基の
感光波長の極大値がレジストの露光波長からなるべく外
れたものを選ぶとすれば、図11に示す構造のオキシス
チリルキノリウム基(極大波長422nm)、およびス
チリル系の感光基で図12(a),(b),(c)に示
す構造のものになる。
【0068】また、上記a)項の含水性ポリマーの例と
しては、ベースポリマーとしてPVA、ポリビニルピロ
リドンがあり、光架橋剤としてクロム酸アンモニウム、
ジアゾ樹脂、ビスアジド等が有名である。
【0069】また、化学反応により架橋する含水性ポリ
マーの具体例を図13に示す。この含水性ポリマーはベ
ースポリマーがどのような官能基を持つかで架橋剤が決
まってくる。
【0070】また水溶性高分子の具体例を以下に示す。
【0071】天然高分子(含む半合成高分子)の多糖類
としては、デンプン、ガラクトマンナン、セルロース誘
導体(メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース等)、デキストリン、ペク
チン酸、ペクチニン酸、アルギン酸、カラギーナン、プ
ロテオブリカン、グリコプロティン、キチン誘導体(キ
トサン等)やヒアルロン酸などのムコ多糖類、ペクチ
ン、アラビアゴム、ガラクトマンナン、グルコマンナ
ン、ジェランガム、キサンタンガム、デンプンの誘導
体、アルギン酸誘導体、クインスシード、トラガントガ
ム、コンドロイチン硫酸誘導体、等があり、天然高分子
のタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイ
ン、ヒストン、プロタミン、アクチン、チューブリン、
インスリン、フィブリン、ミオシン、コラーゲン等があ
る。
【0072】また、合成高分子としては、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリビニル
メチルエーテル、ポリジメチルアクリルアミド、および
各種共重合体、ポリエチレングリコール、ポリエチレン
イミン、水溶性ナイロン、残基として、アミノ基、カル
ボキシル基、水酸基等を有するポリペプチド及びポリア
ミノ酸、等がある。
【0073】次に、本発明による基板処理装置の一実施
の形態を説明する前に、上記第1乃至第4の実施の形態
のパターン形成方法に使用される含水性ポリマーを、図
14に示すような従来のスピンコーターを用いて塗布す
る場合の問題点を説明する。なお、図14において基板
(ウエハ)は、回転軸と一体となって回転する台上に保
持され、基板を回転させながら含水性ポリマーが塗布さ
れる。
【0074】このような従来のスピンコーターによって
含水性ポリマーからなる上述の反射防止膜を基板上に形
成すると、次の問題が生じる。
【0075】すなわち、(a)反射防止膜の前駆物質で
ある溶液が、その封入されている容器内、及び基板表面
に供給する途中の配管の内部でゲル化し、そのために配
管の目詰まりや塗膜の欠陥が発生する。(b)コーター
カップの内壁にゲル被膜が堆積し、それが剥がれること
により発生したパーティクルがウエハ上に堆積し、製品
の歩留まりを低下せしめる。(c)上記反射防止膜を形
成しようとする基板の温度が室温程度の低い温度である
ために、ゾル状態で供給された溶液が基板に接した瞬間
にその粘性が上昇し、塗膜厚の不均一性を引き起こす。
(d)スピンコーティングによって反射防止膜を成膜す
る際に水分が気化するため、塗膜中の水分量が減少し、
反射防止性能が低下する。(e)上記溶液を基板ごと冷
却せしめてゲルを形成する際に、その周囲の空気も冷却
されるため、冷却機構およびゲル皮膜上に空気中の水分
が凝結し、塗膜の欠陥が発生する原因となる。
【0076】そこでこの問題点を解決するために本発明
による基板処理装置が考え出された。
【0077】本発明による基板処理装置の一実施の形態
の構成を図15乃至図21を参照して説明する。
【0078】本実施の形態においては、反射防止膜材料
として体積分率にして3%の仔牛皮由来ゼラチンの水溶
液を用いている。この水溶液に対してあらかじめ、ゾル
−ゲル転移を起こす温度を、落球法により求めた結果、
32℃でゲルからゾルの状態に転移することが分かっ
た。したがって、この溶液をテフロンボトル78中及び
配管82中でこれ以上の温度に保持することで、本材料
は流動状態となっている。本実施の形態ではこれを50
℃でゾル状態に保持するため、以下の施策を施してい
る。
【0079】すなわち、図15に示すよう、ゼラチン溶
液を保管するための容積約1リットルのテフロンボトル
78は、温調タンク79中に封入されている。このタン
ク79には温水の流入口80、排出口81が設けられて
おり、外部の循環式恒温層に接続している。外部恒温層
からは、絶えず50℃に調整された純水が供給される。
【0080】また、ボトル78からノズル97までの
間、ゼラチン溶液を輸送するためのテフロン製の薬液配
管22を取り囲むように、ビニル製の配管76が設けら
れている。この配管76にも、外部の循環恒温層に接続
するための流入口80a、排出口81aがあり、50℃
に温調された純水が2重配管の内部を循環する仕組みに
なっている。
【0081】本実施の形態においては温調水による配管
系の温度保持を行っているが、もちろん熱媒体として他
の流体を用いることができる。かかる流体は液体であっ
ても気体であってもよく、たとえば水および沸点上昇の
ための添加剤を混入した水、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、シリコーンオイル、脂肪族炭化水素
などの液体、空気、窒素、アルゴン、水蒸気などの気体
を加熱して用いることができる。反射防止膜材料はゾル
状態では水溶液であって、加熱に用いる流体の温度は水
の沸点程度まで加熱できるものが好ましい。また、配管
82の途中にベローズポンプ,フィルター,バルブ等複
雑な形状の部位が存在する場合には、配管76をそれら
をおおう袋状の構造体とし、それらと配管82の間に高
温の気体を流すことができる。このような気体としては
空気、もしくはアルゴン、窒素、ネオン、ヘリウムのよ
うな不活性気体およびそれらの混合物を用いることが望
ましい。
【0082】また本実施の形態においては、ノズル収納
部83の内部に50℃の純水84が供給されている。こ
の部分に供給される温純水はノズル97に直接接触する
ために、配管系の温調に用いると同様に循環水を直接利
用することは、汚染のために望ましくない。したがって
本実施の形態においては、図16に示すように、クリー
ンルームに供給されているライン純水から配管を施し、
これを一旦、恒温層85中に固定した純水タンク86に
輸送し、このタンク中で純水を所望の温度としたのち、
ノズル収納部83に送り込む方式を取った。
【0083】なお、純水タンク86の代わりに蛇管を用
いても良く、こうすると加熱効率が高まり、温調純水を
連続的に供給することが可能となる。
【0084】また本実施の形態において図15中の符号
75は、細かな孔の穿たれた温水供給パイプであり、こ
のパイプの孔より温水が流れ出て、カップ壁面に付着し
た反射防止膜材料を洗浄する。この洗浄機構を設けたコ
ーターカップの断面図を図17に示した。この温水供給
パイプ75が洗浄機構であって、これは内側カップおよ
び外側カップの壁面上部に設置されているドーナツ型の
パイプであり、温水を放出するための直径1ミリ程度の
細かな孔77が穿たれている。これを内側カップ70に
装着した状態の俯瞰図を図18に示す。図18において
配管76を介して温水が温水供給パイプ75に供給さ
れ、孔77より流出してカップ壁面を洗浄する。同一の
機構を外側カップの内壁にも設ける。
【0085】これにより、コーターカップの内壁にゲル
被膜が堆積することを防止することが可能となり、製品
の歩留まりの低下を防止することができる。
【0086】この洗浄機構において使用される温調純水
も、先に述べたノズル収納部83内に供給される温水と
同様に温調されたものである。
【0087】また、本実施の形態においては、温水を基
板表面に供給するノズル94を設けており、反射防止膜
材料を基板上に供給する前に、50℃に温調された純水
を供給することにより、基板温度を50℃に調整した。
もちろん基板を温調する方法はこれに限らず、たとえば
スピンチャック自身に抵抗線を埋め込むなどの加熱機構
を設けて50℃に保ち、ホットプレートであらかじめ5
0℃に加熱した基板をそのスピンチャックに搬送するこ
とでもなされる。これにより均一の厚さの塗膜を得るこ
とができる。
【0088】なお、図15において温水ノズル94およ
び薬液ノズル97は、ウエハ69の中央部まで移動して
液体を噴射する。
【0089】更に本実施の形態の基板処理装置にかかる
スピンコーターは塗布過程の間、基板69近傍を湿潤空
気で充満させることにより、回転中の塗膜からの水分の
脱離を防ぐ機構が設けられている。例えぱ図19に示す
ようにコーターカップ部を、隔壁88で囲っている。ウ
エハ69の搬送の際には、ゲートバルブ93が開閉し、
ゲートバルブ93を閉じた状態で隔壁88内部に湿潤空
気92を送る。この湿潤空気は、乾燥空気91をバルブ
95aを介して飽和槽89に送り込んで加湿させた空気
と、バルブ95bを介して送り込まれた乾燥空気とを混
合することによって得られる。なお、湿潤空気92の調
整はバルブ95aとバルブ95bを介して行う。本実施
の形態ではいわゆる分流法による加湿を行っているが、
加湿の方法としては、他に二温度法、二圧力法、飽和塩
法として知られる種々の方法が利用できる。基板69の
近傍に送り込む湿潤空気中の水蒸気分圧が、基板69の
近傍の温度における飽和水蒸気圧より高ければ、塗膜形
成中の反射防止膜材料からの水分の気化は防ぐことがで
きるが、あまり高すぎると塗膜表面およびコーターの各
部分に液化した水が付着することとなり、ミストに代表
される異物の発生を引き起こす可能性がある。このため
好ましくは供給する湿潤空気の水蒸気分圧Psと、基板
周辺の空気の水蒸気分圧Ptの比Pt/Psが、0.9
から1.1程度の値となるように調整することが望まし
い。これにより、塗膜中の水分量が減少するのを防止す
ることが可能となり、反射防止性能の低下を防止するこ
とができる。
【0090】可逆的なハイドロゲルを形成する際には、
反射防止膜材料によって基板表面を被覆した後に基板ご
と塗膜を冷却する方法が採られる。通常ゲル化温度は室
温より低いため、通常のコーター/デベロッパにかかる
冷却機構を乗せると、室温の空気に含まれていた水蒸気
が反射防止膜上や冷却機構周辺に凝結する。これを防止
するため、図19に示すように本実施の形態の基板処理
装置には、水溶液塗膜を氷点まで冷却することのできる
冷却機構96を隔壁98で囲み、この隔壁98で囲まれ
た空間の水蒸気量を飽和量以下に保つようにしている。
基板69は冷却機構96の冷却板上に置かれて冷却され
る。なお、隔壁98で囲まれた空間への基板69の搬入
及び上記空間からの搬出はゲートバルブ99を開閉する
ことによって行う。この隔壁98で囲まれた空間には、
外部に設けられた湿度調整部によって湿度調整された空
気が導入される。この湿度調整部は図20に示すように
流量計120a,120bと、バルブ122a,122
bと、飽和槽124とを備えている。乾燥空気91が流
量計120a、バルブ122aを介して飽和槽124に
送られて加湿され、隔壁で囲まれた空間に送られるとと
もに、加湿されないで流量計120b、バルブ122b
を介して上記空間に送られる。したがって湿度調整はバ
ルブ122a,122bの開度によって行われることに
なる。
【0091】例えば、本実施の形態において、基板上に
形成された塗膜を0℃で冷却する場合には、空気の水蒸
気分圧がその温度における飽和水蒸気圧0.00603
atm以下になるように乾燥空気を供給すればよい。具
体的に、冷却板をとりまく気体の温度を25℃とした場
合、その飽和水蒸気圧は0.0325atmであるか
ら、冷却板をとりまく空気の82%を乾燥空気で置換す
ることによって、0℃に降温しても水の凝縮もしくは凝
固を避けることが可能となり、塗膜に欠陥が発生するの
を防止することができる。
【0092】なお、本実施の形態の基板処理装置におい
ては、湿度調整は分流法によって行っているが、二温度
法、二圧力法、飽和塩法として知られている種々の方法
を利用することが可能である。
【0093】以上説明した本実施の形態の基板処理装置
を用いて、フォトレジスト上に反射防止膜を形成するプ
ロセスを説明する。
【0094】まず、通常のスピンコーティング法によっ
て、シリコン基板69上にノボラック樹脂および感光剤
を含むポジ型フォトレジスト被膜を形成する。
【0095】ついで、上記基板(ウエハともいう)69
を95℃に保持したホットプレート上に置き、90秒保
持した。
【0096】ついで図19に示すスピンコーターのゲー
トバルブ93を開き、スピンチャック部へウエハ69を
搬送する。
【0097】ついで、ウエハ69上に、50℃に保たれ
た温水を60秒間供給し続け、その後300rpmで基
板を回転して余剰の温水を飛散させる。
【0098】ついで、スピンコーター部のゲートバルブ
93を閉じ、スピンコーター内に25℃で水蒸気にて飽
和せしめた湿潤空気92を導入する。
【0099】ついで、薬液供給ノズル97より、50℃
に温調されたゼラチン溶液を基板69上に4cc滴下
し、基板69を回転させて水溶液塗膜を形成する。
【0100】その後湿潤空気92の供給を停止し、ゲー
トバルブ93を開き基板を、0℃に保持した冷却板96
上に搬送する。
【0101】ついで図20に示す空気湿度調整部から0
℃における飽和水蒸気圧以下に湿度調整した空気を冷却
部96に供給する。
【0102】その状態で、5分間の基板冷却を行い、ゼ
ラチンハイドロゲルからなる反射防止膜を得る。
【0103】この冷却の間、薬液吐出を行っていない状
態のノズル97は図15に示すノズル収納部83内にて
保持し、かつ洗浄ノズル75から30秒間温水を放出し
てカップ壁面を洗浄する。
【0104】この被膜の厚さを光干渉式膜厚系によって
測定した結果、6インチウエハ面内で60±2nmの厚
さでゲル被膜が形成できていることが判明した。
【0105】以上の手続きを繰り返して100枚の基板
上に反射防止膜を形成したが、その前後で膜厚のばらつ
きおよび異物微粒子の発生は無く、良好な塗膜形成がで
きた。
【0106】本実施の形態においては反射防止膜材料と
して3%の仔牛皮由来ゼラチン水溶液を用いているが、
本発明はこの材料のみならず、ポリマー水溶液を用いて
スピン塗布法により成膜する全ての塗膜材料に対して用
いうる。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルフェノール、多糖類、蛋白質およびそれらの誘導
体の適当な濃度の水溶液に対して用いることができる。
【0107】また実施の形態においては薬液ノズルを収
納する部位には温水を満たしているが、これは高温の水
蒸気であっても良い。
【0108】温調に用いる水、カップ洗浄に用いる水
は、実施の形態においては純水であるが、必要に応じて
これに適当な添加物を加えて用いることが可能である。
たとえばレジストとの親和性を向上するための界面活性
剤、液中でバクテリアが発生することを防止するための
滅菌剤、沸点上昇剤・凝固点降下剤、廃液中の有機物を
分解するための酵素、消泡剤などがこれに相当する。
【0109】なお、上記実施の形態の基板処理装置にお
いては反射防止膜塗布ユニット(スピンコーター)を備
えていたが、図21に示すようにこの反射防止膜塗布ユ
ニットと、他の処理ユニットとを組合わせたコーターデ
ベロッパ140を用いて基板を処理しても良い。
【0110】図21において、キャリアステーション1
41に送り込まれた基板は搬送アーム142によって、
密着性促進処理ユニット147に搬送され、密着性促進
処理が施される。この密着性促進処理は基板とこの基板
上に形成されるフォトレジストとの密着性を促進するた
めに行われる。この密着性促進処理が終了した基板は搬
送アーム146によってレジスト塗布カップ143に搬
送され、上記基板上にフォトレジストが塗布される。そ
してフォトレジストが塗布された基板は搬送アーム14
6によってベーカー148に送られプリベークが行われ
る。その後、搬送アーム146によって、図20に示す
ような冷却ユニット149に搬送され、冷却処理が行わ
れる。冷却処理後は、搬送アーム146によって、上述
の実施の形態の反射防止膜塗布ユニット144に搬送
し、反射防止膜が基板上に塗布される。そして反射防止
膜が塗布された基板は搬送ユニット146によって再
度、冷却ユニット149に送られ、冷却処理が行われ、
ハイドロゲル膜が形成される。ハイドロゲル膜が形成さ
れた基板は受け渡し部150を介して図示しない露光装
置に送られ、露光処理が行われる。そして露光処理され
た基板は受け渡し部150を介して現像処理ユニット1
45に送られ、現像処理が行われる。現像処理が終了し
た基板はキャリアステーション141を介して外部に搬
送される。図21に示すこのコーターデベロッパを用い
ても、歩留りを低下させずに、理想的な光学的性質を有
する反射防止膜の成膜が可能となる。
【0111】
【発明の効果】以上述べたように本発明のパターン形成
方法によれば、高精度のレジストパターンを形成するこ
とができる。
【0112】また本発明の基板処理装置によれば、歩留
りを低下せずに、理想的な光学的性質を有する反射防止
膜の成膜が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパターン形成方法の第1の実施の
形態の工程断面図。
【図2】各ポリマー濃度における高分子水溶液の屈折率
を示すグラフ。
【図3】本発明と従来の反射防止膜を用いた場合のレジ
スト膜厚に対する単位体積当りのレジストに吸収される
露光光のエネルギーを示すグラフ。
【図4】反射防止膜の膜厚とスウィング比との関係を示
すグラフ。
【図5】反射防止膜の原理を説明する説明図。
【図6】光によりゲル化を起こす物質の構造を示す化学
式。
【図7】図6に示す物質の光架橋反応を説明する説明
図。
【図8】架橋点密度とゲル分率の関係を示すグラフ。
【図9】ゲル化点を決定する方法を説明する説明図。
【図10】本発明によるパターン形成方法の第4の実施
の形態の工程断面図。
【図11】オキシスチリルキノリウム基を有するポリビ
ニルアルコールの構造を示す化学式。
【図12】スチリル系の感光基を有するポリビニールア
ルコールの構造を示す化学式。
【図13】化学反応により架橋する高分子とその架橋剤
を示す表。
【図14】従来のスピンコーターの構造を示す断面図。
【図15】本発明による基板処理装置の一実施の形態の
構成図。
【図16】図15に示す実施の形態の薬液供給系の温調
機構を説明する図。
【図17】図15に示す実施の形態のカップ洗浄機構を
有するスピンコーターの断面図。
【図18】図17に示すスピンコーターの斜視図。
【図19】本発明による基板処理装置にかかる、スピン
コーター内の湿度調整機構を説明する図。
【図20】本発明による基板処理装置にかかる基板冷却
機構を説明する図。
【図21】本発明による基板処理装置の他の実施の形態
の構成を示す平面図。
【符号の説明】
1 被加工基板 2 フォトレジスト膜 3 反射防止膜 4 高分子水溶液(ゾル状) 4a ハイドロゲル膜 6 露光光 7 基板から反射防止膜へ向かう反射光 8 フォトレジスト−反射防止膜界面から基板へ向かう
反射光 9 反射防止膜−大気界面から基板へ向かう反射光 10 光 12 熱湯 13 フォトレジスト−反射防止膜界面 14 反射防止膜−大気界面 21 被加工基板 22 フォトレジスト膜 24 高分子水溶液 24a 高分子水溶液(ゾル状) 24b ハイドロゲル膜 26 光(部分的に架橋させるため) 28 露光光 30 熱湯 50 マスク 69 被加工基板 70 内側カップ 71 外側カップ 75 温水供給パイプ 76 温水配管 77 孔 78 テフロンボトル 79 温調タンク 80 温調水流入口 80a 温調水流入口 81 温調水排出口 81a 温調水排出口 83 ノズル収納部 84 高温純水 85 恒温槽 86 純水タンク 87 ライン純水 88 隔壁 89 飽和槽 90a,90b 流量計 91 乾燥空気 92 湿潤空気 93 ゲートバルブ 94 温水ノズル 95a,95b バルブ 96 冷却機構 97 薬液ノズル 98 隔壁 99 ゲートバルブ 100 排出口 120a,120b 流量計 122a,122b バルブ 124 飽和槽 140 コーターデベロッパー 141 キャリアステーション 146 搬送アーム 143 レジスト塗布カップ 144 反射防止膜塗布ユニット 145 現像処理ユニット 146 搬送アーム 147 密着性促進処理ユニット 148 ベーカー 149 冷却ユニット 150 露光装置への受け渡し部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工基板にレジスト膜を形成する工程
    と、前記レジスト膜上に含水性ポリマーの溶液を塗布す
    る工程と、前記含水性ポリマー内の高分子を架橋させて
    所定の膜厚のハイドロゲル膜を形成する工程と、このハ
    イドロゲル膜を介して前記レジスト膜をパターン露光
    し、その後に前記ハイドロゲル膜を除去する工程と、を
    備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】前記ハイドロゲル膜は、可逆的な反応によ
    り前記含水性ポリマー内の高分子間に物理的結合を形成
    し、架橋させることにより形成することを特徴とする請
    求項1記載のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】前記ハイドロゲル膜を形成する工程は、 不可逆的反応により前記含水性ポリマー内の高分子間に
    化学的な結合を形成し、この化学的な結合に基づく架橋
    点密度が前記含水性ポリマーのゲル化点における架橋点
    密度より低くなるように架橋させる工程と、 可逆反応により前記含水性ポリマー内の高分子間に物理
    的結合を形成し、架橋させる工程と、 を備えていることを特徴とする請求項1記載のパターン
    形成方法。
  4. 【請求項4】前記不可逆的反応により架橋させる工程
    は、光架橋反応を用いることを特徴とする請求項3記載
    のパターン形成方法。
  5. 【請求項5】前記不可逆反応により架橋させる工程は、
    架橋剤を用いることを特徴とする請求項3記載のパター
    ン形成方法。
  6. 【請求項6】前記含水性ポリマーは多糖類、タンパク
    質、ポリビニルアルコールまたはポリアクリルアミドの
    いずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れかに記載のパターン形成方法。
  7. 【請求項7】前記含水性ポリマーは、可逆的にゾル−ゲ
    ル転移を起こすものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のパターン形成方法。
  8. 【請求項8】前記含水性ポリマーは、不可逆反応により
    ゲル化された第1のポリマーと、可逆的なゾル−ゲル転
    移を起こす第2のポリマーとを混合させたゾル状態のも
    のが用いられることを特徴とする請求項2記載のパター
    ン形成方法。
  9. 【請求項9】基板を台上に保持して前記基板を回転させ
    る回転手段と、 前記基板上に塗布するための薬液を貯蔵する貯蔵手段
    と、 前記貯蔵手段に貯蔵されている薬液を前記台上に保持さ
    れた基板上に供給するための配管と、 前記配管を介して供給される薬液を前記基板上に吐出す
    るための吐出手段と、 前記基板を冷却して室温より低い第1の温度に保持する
    冷却手段と、 前記貯蔵手段に貯蔵されている薬液、前記配管内の薬
    液、及び吐出手段から吐出される薬液が室温より高い温
    度となるように調整する薬液温度調整手段と、 を備えていることを特徴とする基板処理装置。
  10. 【請求項10】前記基板上に吐出された薬液のうち前記
    基板からあふれ出た薬液を、温度調整された液体を用い
    て除去する手段を更に備えていることを特徴とする請求
    項9記載の基板処理装置。
  11. 【請求項11】前記薬液が吐出されている前記基板に水
    蒸気で飽和せしめた湿潤空気を供給する湿潤空気供給手
    段を更に備えていることを特徴とする請求項9または1
    0記載の基板処理装置。
  12. 【請求項12】前記冷却手段によって前記第1の温度に
    冷却保持されている前記基板の近傍の空気の水蒸気分圧
    を、前記第1の温度における飽和圧力以下に保つ手段を
    更に備えていることを特徴とする請求項9乃至11のい
    ずれかに記載の基板処理装置。
  13. 【請求項13】前記台上に保持された前記基板に室温よ
    りも高温の水を供給する手段を更に備えていることを特
    徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の基板処理
    装置。
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