JPH09138938A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09138938A
JPH09138938A JP29862495A JP29862495A JPH09138938A JP H09138938 A JPH09138938 A JP H09138938A JP 29862495 A JP29862495 A JP 29862495A JP 29862495 A JP29862495 A JP 29862495A JP H09138938 A JPH09138938 A JP H09138938A
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JP
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magnetic
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acid
magnetic recording
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JP29862495A
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English (en)
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Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行性、走行耐久性、耐熱性、電磁変換特性
に優れた磁気記録媒体を提供する。 【構成】 テレフタル酸60モル%以上、一般式(I)
で示されるグリコールを60モル%以上含む芳香族ポリ
エステルジオールを必須構成成分とするポリウレタン樹
脂を磁性層の結合剤成分として用いた磁気記録媒体。 一般式(I):HOCHR−CH2 OH (R:炭素数10以下の炭化水素基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ、磁気ディス
ク、磁気カード等の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汎用的磁気記録媒体である磁気テープ、
フロッピィディスクは、長軸1μm以下の針状磁性粒子
を分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等の添加剤とともに結合
剤溶液に分散させて磁性塗料を調合し、これをポリエチ
レンテレフタレートフィルムに塗布して製造されてい
る。磁性層の結合剤に要求される特性としては、磁性粒
子の分散性、充填性、配向性、磁性層の耐久性、耐摩耗
性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等があげられ、結
合剤は非常に重要な役割を果たしてる。磁性層の結合剤
としては従来よりアジペートタイプあるいはポリカプロ
ラクトンタイプのポリウレタン樹脂とニトロセルロース
あるいは塩ビ系共重合体との混合系が主に用いられてい
る。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】磁気記録媒体では、S
/N比(シグナル/ノイズ比)の向上、高記録密度化の
ために、磁性層の表面を平滑にすることや、より微粒子
化した磁性粒子を磁性層中に高充填し高配向することが
必要とされ、これらのために磁性粒子の分散が良好な結
合剤が求められている。磁性層の表面が平滑になればな
る程、摩擦係数が高くなり、磁気テープの走行性、走行
耐久性は悪くなる。そのため耐久性、耐摩耗性、耐熱
性、非磁性支持体との接着性の良好な結合剤が求められ
ている。また磁気テープの汎用化に伴い、低温から高温
まで、また低湿から高湿まであらゆる条件下での耐久性
の向上が求められている。さらには磁性層の薄膜化に伴
い磁性層の強度、伸度、弾性率といった物理的特性の大
幅な向上が求められている。
【0004】芳香族ポリエステルジオールを高分子量ポ
リオールの一成分とするポリウレタン樹脂は機械的強
度、耐摩耗性、耐熱性等が優れ、これらの要求にたいし
て改良の方向にはあるが、完全に問題を解決するには至
っていない。また磁気記録媒体ではS/N比の向上、高
記録密度化のために、より微粒子化した磁性粉、メタル
磁性粉のような高Hc(高抗磁力)の磁性粉を磁性層中
に高充填し高配向することがなされているが、従来の結
合剤ではこれらの磁性粉を分散することは困難になる。
分散不良は電磁変換特性の低下だけでなく、磁性層中の
空隙率の増加を伴い、空隙率の増加は磁性層の走行耐久
性を悪化させる。ポリウレタン中にスルホン酸金属塩基
を導入することは磁性粉の分散性の改良に極めて有効で
あるが、スルホン酸金属塩基の導入だけでは、より高度
になる要求を満足できず、従来の結合剤ではこれらの要
求に対して不十分である。
【0005】本発明の目的は磁性粉の分散性、走行耐久
性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等が良
好な結合剤を使用することにより走行性、走行耐久性、
電磁変換特性等が優れた磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はポリウレタ
ン樹脂を鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち本発明は強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性材料
を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体において、磁
性層の結合剤成分として分子量500以上の高分子量ポ
リオール(A)、有機ジイソシアネート(B)、および
必要により分子量500以下のポリオール化合物(C)
よりなるポリウレタン樹脂を含み、前記高分子量ポリオ
ール(A)は二塩基酸成分が芳香族二塩基酸であり、か
つ全二塩基酸成分の60モル%以上がテレフタル酸で、
全グリコール成分の60モル%以上が一般式(I)で示
されるグリコールを含む芳香族ポリエステルジオール
(A−1)と他の高分子量ポリオール(A−2)からな
り、前記芳香族ポリエステルジオール(A−1)と他の
高分子量ポリオール(A−2)の重量比が100:0〜
50:50の範囲であることを特徴とする磁気記録媒体
である。 一般式(I) HOCHR−CH2 OH (R:炭素数10以下の炭化水素基)
【0007】本発明で使用される芳香族ポリエステルジ
オール(A−1)の二塩基酸成分は芳香族二塩基酸であ
り、かつ全二塩基酸成分の60モル%以上がテレフタル
酸である。グリコール成分は全グリコール成分の60モ
ル%以上が一般式(I)で示されるグリコールである。
この組合せとこの範囲から、強靭性、耐熱性、可撓性、
有機溶剤溶解性等がすぐれたポリエステルジオールが得
られる。また、テレフタル酸と一般式(I)で示される
グリコールからは昇華性や結晶性の強い低分子量化合物
の生成は少ない。そのため、本発明の磁気記録媒体を長
期に走行させても、磁気ヘッドの汚染が少なく、走行耐
久性が優れる。
【0008】テレフタル酸以外の二塩基酸成分として
は、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル
酸、2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸が挙げられ、特に、イソフタル酸、オルソフタル
酸、2,6−ナフタル酸が望ましい。グリコール成分は
全グリコール成分の60モル%以上が一般式(I)で現
されるグリコールである。その他のグリコールとしては
エチレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,
4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオ−ル、シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、
ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプ
ロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド
付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタン
ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオ−ル、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデ
カンジメタノール等が挙げられ、これらのうちエチレン
グリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサン
ジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エス
テル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
【0009】芳香族ポリエステルジオールは、親水性極
性基を分子中に勧誘することが好ましく、親水性極性基
としては、スルホン酸金属塩基、カルボン酸塩基、リン
酸塩基、アミノ基、スルホベタイン基などの磁性粒子の
分散性を高めることが知られている公知の極性基であ
る。これらの極性基の中でスルホン酸金属塩基を分子中
に含有することが望ましく、スルホン酸金属塩基を導入
するための原料としては、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウム
スルホテレフタル酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−
ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムス
ルホ−2,5−ヘキサンジオール等のジカルボン酸ある
いはグリコールが挙げられ、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸が好まし
い。
【0010】本発明における芳香族ポリエステルジオー
ル中のスルホン酸金属塩基等の親水性極性基量は10〜
400当量/106 gの範囲で含有する。10当量/1
6gより少ないと磁性粉の分散性が不十分であり、4
00当量/106 gを超えるとボリウレタン樹脂溶液や
磁気塗料の粘度が高くなり取扱上また磁気記録媒体の生
産上の障害が多くなる。特に好ましい範囲は40〜20
0当量/106 gである。
【0011】本発明における芳香族ポリエステルジオー
ルは本発明の目的を失わない範囲でトリメチロールプロ
パン、トリメリット酸、ペンタエリスリトール等の3官
能以上の成分を含んでもよい。含有量としては、全酸成
分あるいは全グリコール成分中で5モル%以下、好まし
くは3モル%以下である。
【0012】本発明におけるポリウレタン樹脂を構成す
る高分子量ポリオール(A)は芳香族ポリエステルジオ
ール(A−1)以外の高分子量ポリオール(A−2)を
使用してもよい。(A−1)以外の高分子量ポリオール
(A−2)としては、脂肪族ポリエステル、脂環族ポリ
エステル、ポリエーテル、ポリカーボネートあるいは
(A−1)以外の芳香族ポリエステル等が挙げられる。
脂肪族や脂環族ポリエステルとしては、具体的には、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メ
チル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー
酸等の一種類以上のジカルボン酸とエチレングリコ−
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−
ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−
ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、シクロヘキサンジメタノ
−ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、ネオペンチルヒドロ
キシピバリン酸エステル、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール等の一種類以上のグリコール
の組合せがある。ポリエーテルとしてはポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等のポリエーテルが挙げられる。また、
ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネ
ート等も挙げられる。
【0013】本発明で使用する高分子量ポリオール
(A)は前記芳香族ポリエステルジオール(A−1)と
他の高分子量ポリオール(A−2)との重量比が10
0:0〜50:50の範囲である。こと範囲より芳香族
ポリエステルジオール(A−1)が少なくなるとテレフ
タル酸と一般式(I)で表されるグリコールに起因する
特性が見られなくなる。
【0014】本発明におけるポリウレタン樹脂の有機ジ
イソシアネート成分としては、2,4−トリレンジイソ
シアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、p−
フェニレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネ−ト、ヘキサ
メチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシア
ネ−ト、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレ
ンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジィソシアネ
−ト、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’
−ジメチル−4,4’−ジイソシアネ−ト、4,4’−
ジイソシアネ−トジフェニルエ−テル、1,5−キシリ
レンジイソシアネ−ト、1,3−ジイソシアネ−トメチ
ルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネ−トメチルシ
クロヘキサン、4,4’−ジイソシアネ−トシクロヘキ
サン、4,4’−ジイソシアネ−トシクロヘキシルメタ
ン、イソホロンジイソシアネ−ト等が挙げられる。
【0015】必要により用いられる分子量500以下の
ポリオール化合物はポリウレタン樹脂中のウレタン基濃
度を調節しポリウレタン樹脂に特有な強靭性を付与した
り、三官能以上のポリオールでは硬化剤との反応性を高
め架橋密度を増す効果がある。たとえば,エチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ
−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ
−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ
−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロ
キシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサスド付加物等のジオール化合物、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール等の三官能以上のポリ
オール化合物が挙げられ、特にネオペンチルグリコ−
ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、トリ
メチロールプロパン、グリセリンが望ましい。
【0016】本発明におけるポリウレタン樹脂の分子量
は5000から80000、望ましくは10000から
50000のものを用いる。分子量が5000未満では
機械的強度が不足し、走行耐久性が劣る。分子量が80
000を超えると溶液粘度が大きくなり、作業性が悪く
なるとともに、磁性粉、研磨剤、カーボンブラック等の
分散性が悪化する。
【0017】本発明においては、本発明で用いるポリウ
レタン樹脂以外に、可撓性の調節、耐寒性・耐熱性の向
上等の目的のために他の樹脂を添加するか、および/ま
たは架橋剤を混合することが望ましい。他の樹脂として
は塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙
げられる。一方、架橋剤としてはポリイソシアネート化
合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、酸無水
物等があり、特にこれらの中でポリイソシアネート化合
物が好ましい。本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用さ
れる強磁性磁性粒子としては、γ−Fe23 、γ−Fe
23 とFe34 の混晶、コバルトを被着したγ−F
2 3 またはFe24 、バリウムフェライト等の強
磁性酸化物、Fe−Co、Fe−Co−Ni等の強磁性
合金粉末等を挙げることができる。
【0018】本発明の磁気記録媒体にはその他必要に応
じてジブチルフタレート、トリフェニルホスフェートの
ような可塑剤、ジオクチルナトリウムスルホサクシネー
ト、t−ブチルフェノールポリエチレンエーテル、エチ
ルナフタレンスルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネー
ト、ステアリン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーンオ
イルのような潤滑剤や種々の帯電防止剤を添加すること
もできる。
【0019】
【作用】本発明の磁気記録媒体には、磁性層の結合剤成
分として、テレフタル酸と一般式(I)で表される置換
基を有する1,2−ジオールを主体とする芳香族ポリエ
ステルジオール(A−1)を高分子量ポリオール(A)
として含むポリウレタン樹脂を用いる。前記芳香族ポリ
エステルジオール(A−1)は強靭性、耐熱性、可撓
性、有機溶剤溶解性等が優れる。その結果、走行耐久
性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等が良
好な磁気記録媒体が得られる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。 ポリウレタン樹脂の合成例 1 温度計、撹拌機、還流式冷却管及び蒸留管を具備した反
応容器に表1に記載したポリエステルジオール(A)1
00部、トルエン100部を仕込み溶解後、トルエン2
0部を蒸留させトルエン/水の共沸により反応系を脱水
した。60℃まで冷却後ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)34.5部を投入し80℃で2時間加熱
後、メチルエチルケトン80部、分子量2000のポリ
カプロラクトン部、ネオペンチルグリコール5部、さら
に反応触媒としてジブチルチンジラウレート0.03部
を加えた。80℃で6時間反応後、トルエン141部、
メチルエチルケトン141部を加え、固形分濃度30%
のポリウレタン樹脂1の溶液を得た。ポリウレタン樹脂
1の特性を表1に示す。表1中、数平均分子量はテトラ
ハイドロフラン溶液でゲル浸透クロマトグラフィーによ
り、ガラス転移温度は110ヘルツで測定した動的粘弾
性の保存弾性率(E’)の屈曲点の温度により示した。
また、抗張力は引っ張り速度200mm/分、測定温度
20℃で行った。
【0021】ポリウレタン樹脂の合成例2〜6及び比較
合成例1〜5 ポリウレタン樹脂の合成例1と同様にして、表1に示し
た原料によりポリウレタン樹脂溶液を得た。得られたポ
リウレタン樹脂の特性を表1及び表2に示す。ただし、
比較合成例1では合成例1で用いた芳香族ポリエステル
とポリカプロラクトンの比率が特許請求の範囲外のも
の。比較合成例2では合成例2で用いたポリエステルA
の代わりに一般式(I)で表せるプロピレングリコール
の比率が特許請求の範囲外のもの。比較合成例3では合
成例4で用いたポリエステルCの代わりに、一般式
(I)で表せるプロピレングリコールの比率が特許請求
の範囲外で、しかも、テレフタル酸を使用しないポリエ
ステルFを用いた。比較合成例3のMEK/トルエンの
ポリウレタン溶液(固形分濃度30%)は室温で1週間
後沈澱が析出していた。なお、合成例4の同様の溶液で
は沈澱の析出はみられなかった。比較合成例4と5は芳
香族ポリエステルのテレフタル酸の比率が特許請求の範
囲外のものである。
【0022】実施例 1 下記の配合割合の組成物をボールミルにいれて24時間
分散してから、ポリイソシアネート化合物であるミリオ
ネートMR(日本ポリウレタン工業社製)を硬化剤とし
て1部、潤滑剤としてステアリン酸0.2部、ステアリ
ン酸ブチル0.2部加え、更に1時間混合して磁性塗料
を得た。これを厚み15μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、乾燥後の厚みが4μmになるように
塗布し2000ガウスの磁場をかけながら乾燥し、80
℃、線圧200Kg/cmでカレンダーロールに通し磁
性層表面の平滑化処理を行い磁気テープを作成した。得
られた磁気テープを60℃で1日放置後1/2インチに
スリットした。カレンダー加工前の磁性層の表面光沢、
及び得られたテープの角形比を測定した。カレンダー処
理前後の磁性層の表面粗さも測定した。更に、下記に記
載した方法により磁性層とベースフィルムとの接着性、
磁性層充填性を測定した。また、市販のVTRデッキで
10℃及び40℃で100回走行後の磁性層の摩耗状態
を観察した。結果を表2に示す。
【0023】 合成例1で得られたポリウレタン樹脂の溶液 10部 (MEK/トルエン=1/1の30%溶液) 磁性粉(コバルト被着フェライト、BET値45m2 /g)15〃 シクロヘキサノン 8〃 トルエン 8〃 MEK 8〃 アルミナ(平均粒径0.05μ) 0.5〃
【0024】磁性層接着性 磁性層にニチバン製セロハンテープを張り付け、引っ張
り速度100mm/分で、ポリエステルフィルムを18
0度折り曲げ、剥離した。測定温度は20℃。 磁性層充填性 あらかじめ精秤した磁気テープ(重量 W1)をシリコ
ーンオイル中に30分間浸積した。磁気テープの表面に
付着したシリコーンオイルを拭き取った後、重量(W
2)を精秤した。磁性層を溶剤で拭き取ったのち、フィ
ルムを精秤(W3)して、磁性層の重さを求めた。磁性
層の重量に対するシリコーンオイル浸積による重量増加
量、つまり(W2−W1)/(W1−W3)を求めた。
シリコーンオイルは磁性層中の空隙に進入するため、シ
リコーンオイル浸積による重量増加率(百分率で表示)
が小さいほど、磁性層の充填率は高い。
【0025】実施例2〜12及び比較例1〜8 実施例1と同様にして、ただしポリウレタン樹脂は表1
〜2に示した合成例2〜6及び比較合成例1〜5のポリ
ウレタン樹脂を用いて磁気テープを作成した。これらの
特性を表3〜7に示す。
【0026】実施例、比較例から明らかなように、優れ
た種々の機械的特性や有機溶剤溶解性を有するポリウレ
タン樹脂を磁性粒子の結合剤として用いることにより、
本発明の磁気記録媒体は磁性粒子の分散性が優れるだけ
でなく、カレンダー加工性、磁性層とベースフィルムと
の接着性、磁性層の走行耐久性等も優れている。
【0027】
【表1】
【0028】表中の略号の使用原料組成、数平均分子量
(MN)は以下の通り。 ポリエステルA:T/DSN//PG/DMH(97/3//80/20モル 比) MN=1500 ポリエステルB:T/DSN//1,2−BD/EG/CHDM(97/3/ /75/15/10) MN=3000 ポリエステルC:T/DSN//PG/EG(95/5//75/25) MN=2000 ポリエステルD:T/I/DSN//PG/CHDM(65/32/3//7 5/25モル比) MN=2000 ポリエステルE:T/DSN//PG/DMH(97/3//40/60モル 比) MN=2000 ポリエステルF:I/DSN//PG/EG(95/5//30/70モル比 ) MN=2000 ポリエステルG:T/I/DSN//PG/CHDM(35/62/3//7 5/25モル比) MN=2000 PCL2000: ポリカプロラクトン MN=2000 PPG2000: ポリプロピレングリコール MN=2000 NPG : ネオペンチルグリコール MDI : 4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート ただし T :テレフタル酸 I :イソフタル酸 DSN :ジメチル5−ナトリウムスルホイソフタル酸 PG :プロピレングリコール DMH :2−ブチル−2−エチル−1,3−プロピレング リコール EG :エチレングリコール 1,2-BD:1,2−ブチレングリコ−ル CHDM:シクロヘキサンジメタノール
【0029】
【表2】 表中のニッポラン2301は日本ポリウレタン社製ポリ
ブチレンテレフタレート系ポリウレタン樹脂、VAGH
はユニオンカーバイド社製塩ビ系重合体である。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【発明の効果】本発明におけるポリウレタン樹脂は、一
般式(I)で示される特定のジオール成分を含有する芳
香族ポリエステルジオールを必須成分としているため、
強靭性、耐熱性、可撓性、有機溶剤、溶解性に優れ、か
つ昇華性や結晶性の強い低分子量化合物の生成が少な
い。このため、本発明におけるポリウレタン樹脂を用い
た磁気記録媒体は、磁性粒子の分散性が優れるのみなら
ず、カレンダー加工性、磁性層とベースフィルムとの接
着性に優れ、走行性、走行耐久性、耐摩耗性、耐熱性、
電磁変換特性等に優れた磁気記録媒体を提供することが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性
    材料を非磁性支持体上に塗布した磁気記録媒体におい
    て、磁性層の結合剤成分として分子量500以上の高分
    子量ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)、
    および必要により分子量500以下のポリオール化合物
    (C)よりなるポリウレタン樹脂を含み、前記高分子量
    ポリオール(A)は二塩基酸成分が芳香族二塩基酸であ
    り、かつ全二塩基酸成分の60モル%以上がテレフタル
    酸で、全グリコール成分の60モル%以上が一般式
    (I)で示されるグリコールを含む芳香族ポリエステル
    ジオール(A−1)と他の高分子量ポリオール(A−
    2)からなり、前記芳香族ポリエステルジオール(A−
    1)と他の高分子量ポリオール(A−2)の重量比が1
    00:0〜50:50の範囲であることを特徴とする磁
    気記録媒体。 一般式(I) HOCHR−CH2 OH (R:炭素数10以下の炭化水素基)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005293769A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Toyobo Co Ltd 磁気記録媒体およびコーティング剤

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