JPH0913499A

JPH0913499A - 鉄骨梁の接合部構造

Info

Publication number: JPH0913499A
Application number: JP16732895A
Authority: JP
Inventors: Tetsumi Okamoto; 哲美岡本
Original assignee: Tomoe Corp
Current assignee: Tomoe Corp
Priority date: 1995-07-03
Filing date: 1995-07-03
Publication date: 1997-01-14

Abstract

(57)【要約】【課題】鉄骨梁の接合部構造において、鉄骨梁上部を
隠す天井仕上げ工法を用いる際、小梁の大梁に対する横
座屈止め（回転拘束）機能を損なうことなく、天井面の
下に従来のガセットプレートやボルトが露出しないよう
にする。【解決手段】大梁１と小梁２を大梁上端面に小梁上端
面を一致させて接合する場合、接合部における大梁１と
小梁２の上に大梁と小梁に跨がる連結材１０または１１
を設け、この連結材と大梁上端面および小梁上端面とを
直接ボルト７で、またはリブプレート１０・１１を介し
てボルト１３で接合する。小梁上端面を大梁上端面より
下げて接合する場合には、大梁１にブラケットプレート
２０を、小梁２にリブプレート２１を設け、両者を連結
材２２を介してボルト２３で接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、鉄骨屋根架構な
どにおける鉄骨梁の接合部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨屋根架構における従来の大梁と小梁
の接合部構造は、図４に示すように、大梁１の接合部に
おける上フランジ１ａと下フランジ１ａ’の間にガセッ
トプレート５０を取付け、このガセットプレート５０を
小梁２の接合端部におけるウェブ２ｂにボルト５１で接
合する構造であり、ガセットプレート５０により大梁１
の横座屈止めも兼用するのが一般的である。

【０００３】なお、大梁１と小梁２とは、図４(i) に示
すように、大梁上端面と小梁上端面を一致させて接合し
ているが、大梁１の上端面から母屋材３の上端面までの
寸法を少しでも低く抑えるために、図４(ii)に示すよう
に、小梁２の上端面を大梁１の上端面より少し下げて取
り合う方法も用いられている。いずれの方法にしても、
小梁２のウェブ面を大梁１のガセットプレート５０にボ
ルト接合して、大梁１の横座屈による回転を止める役目
をさせている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来の接合部構造において、大梁１および小梁２
の上フランジおよび母屋材３などを天井仕上材４で隠す
工法を用いた場合には、ガセットプレート５０およびボ
ルト５１が天井面より下に露出してしまい、外観上の体
裁が悪いという問題があった。

【０００５】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、鉄骨梁の上部を隠す
天井仕上げ工法を用いた場合でも、小梁の大梁に対する
横座屈止め（回転拘束）機能を損なうことなく、天井面
の下に従来のようなガセットプレートやボルトが露出し
ない鉄骨梁の接合部構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る第１の鉄
骨梁の接合部構造は、図１(i) に示すように、大梁（Ｈ
形鋼など）と小梁（ＣＴ形鋼，Ｈ形鋼など）を大梁上端
面に小梁上端面を一致させて接合してなる鉄骨梁の接合
部構造において、接合部における大梁と小梁の上に大梁
と小梁に跨がる連結材（ＣＴ形鋼，Ｈ形鋼など）を設
け、この連結材と大梁上端面および小梁上端面とをそれ
ぞれボルトまたは溶接で接合してなることを特徴とす
る。

【０００７】前記構造とすることにより、鉄骨梁の上部
を隠す天井仕上げ工法を適用した場合、小梁の上下方向
中間部位置に天井仕上材が取付けられるため、連結部材
やボルト等が天井仕上材の裏側に位置し、従来のように
ガセットプレートやそのボルトが天井面の下に露出する
のを解消することができる。しかも、小梁の大梁に対す
る回転拘束機能は、連結材によって小梁と大梁が一体化
することにより、確保される。

【０００８】この発明に係る第２の鉄骨梁の接合部構造
は、図１(ii)に示すように、第１発明と同様の大梁（Ｈ
形鋼など）と小梁（ＣＴ形鋼，Ｈ形鋼など）を大梁上端
面に小梁上端面を一致させて接合してなる鉄骨梁の接合
部構造において、接合部における大梁と小梁の上にリブ
プレートをそれぞれ立設し、これらリブプレートに連結
材（板材など）を添設してボルトまたは溶接で接合して
なることを特徴とする。この場合も、連結部材，リブプ
レート，ボルト等が天井仕上材の裏側に位置し、連結部
材とリブプレートにより、小梁の大梁に対する回転拘束
機能が確保される。

【０００９】この発明に係る第３の鉄骨梁の接合部構造
は、図１(iii) に示すように、大梁（Ｈ形鋼など）と小
梁（ＣＴ形鋼，Ｈ形鋼など）を大梁上端面より小梁上端
面を下げて接合してなる鉄骨梁の接合部構造において、
接合部における大梁上部にブラケットプレートを小梁に
向けて突設し、接合端部における小梁の上にリブプレー
トを突設し、前記ブラケットプレートと前記リブプレー
トに連結材（板材など）を添設してボルトまたは溶接で
接合してなることを特徴とする。

【００１０】また、前記第３の鉄骨梁の接合部構造にお
いては、図１(iii) に示すように、小梁の上フランジと
一致するブラケットプレートを接合部における大梁上部
に設け、前記小梁の上フランジと前記ブラケットプレー
トに連結材（板材など）を添設してボルトまたは溶接で
接合する接合構造を必要に応じて付加する。

【００１１】この場合も、ブラケットプレート，リブプ
レート，連結材，ボルト等が天井仕上材の裏側に位置
し、上部位置のブラケットプレート，リブプレート，連
結材により（軽微な屋根架構などの場合）、必要に応じ
て付加した下部位置のブラケットプレート，小梁の上フ
ランジ，連結材により、小梁の大梁に対する回転拘束機
能が確保される。

【００１２】この発明に係る第４の鉄骨梁の接合部構造
は、図２に示すように、プレート（鋼板からなる縦板）
と形鋼材（溝形鋼などの添材）で組立材とした大梁の上
端面と小梁の上端面を一致させて接合してなる鉄骨梁の
接合部構造において、前記大梁の上端部、即ち前記形鋼
材より小梁に向けてガセットプレートを突設し、該ガセ
ットプレートと小梁とをボルトまたは溶接で接合してな
ることを特徴とする。

【００１３】この場合には、天井仕上材を大梁の形鋼材
よりも下に位置させれば、形鋼材，ガセットプレート，
ボルト等は天井裏に位置し、小梁による大梁の回転拘束
機能は、大梁の添材である形鋼材およびガセットプレー
トにより確保される。

【００１４】

【実施例】以下、この発明を図示する実施例に基づいて
説明する。これは、鉄骨屋根架構に適用した例であり、
図１(i) に第１実施例、図１(ii)に第２実施例、図１(i
ii) に第３実施例、図２に第４実施例を示す。

【００１５】図１(i) は、大梁１の上端面と小梁２の上
端面を一致させ、大梁１と小梁２とを連結材５で直接接
合する例である。大梁１の接合部分における上フランジ
１ａと下フランジ１ａ’との間に補剛プレート６を取付
け、この接合部分における大梁１の上端から母屋材３の
上端までの空間を利用して、大梁１と小梁２の上に連結
材５を配設する。

【００１６】連結材５は、ＣＴ（カットティー）形鋼や
Ｈ形鋼などとし、大梁１を中心に一対の小梁２の端部に
跨がって配設し、大梁１の上フランジ１ａおよび小梁２
の上フランジ２ａと連結材５の下フランジ５ａとをそれ
ぞれボルト７で接合することにより、大梁１と小梁２を
連結材５を介して一体化させる。なお、大梁１の上に位
置する母屋材３は、連結材５のウェブ５ｂに溶接等で固
定する。

【００１７】図１(ii)は、図１(i) と同様の大梁１の上
端面と小梁２の上端面を一致させた構造において、大梁
１および小梁２の上に立設したリブプレート１０，１１
を介して連結材１２を取付ける例である。リブプレート
１０および１１は、それぞれ大梁１の上フランジ１ａ、
小梁２の上フランジ２ａに溶接で固定する。

【００１８】連結材１２は、プレートとし、リブプレー
ト１０，１１に添設し、また必要に応じてリブプレート
１０，１１を挟むように二枚配設し、リブプレート１
０，１１と連結材１２とをそれぞれボルト１３で接合す
ることにより、大梁１と小梁２をリブプレート１０・１
１および連結材１２を介して一体化する。

【００１９】図１(iii) は、大梁１の上端面から母屋材
３の上端面までの寸法を少しでも低く抑えるべく、小梁
２の上端面を大梁１の上端面より少し下げた場合に適用
した例である。大梁１には、補剛プレート６の上部を小
梁２側に一体的に突出させることにより、ブラケットプ
レート２０を設ける。小梁２の接合端部には、上フラン
ジ２ａの上にリブプレート２１を立設する。なお、ブラ
ケットプレート２０の上下方向長さは、小梁２とリブプ
レート２０の合計の上下方向長さに一致させる。

【００２０】このようなブラケットプレート２０とリブ
プレート２１の上部においてプレート状の連結材２２を
添設し、また必要に応じて連結材２２をブラケットプレ
ート２０・リブプレート２１を挟むように二枚配設し、
ブラケットプレート２０・リブプレート２１と連結材２
２とをそれぞれボルト２３で接合することにより、大梁
１と小梁２をブラケットプレート２０・リブプレート２
１および連結材２２を介して一体化する。なお、大梁１
上の母屋材３は、横に寝かせて配設し、他の母屋材３の
上端レベルと一致させる。

【００２１】さらに、ブラケットプレート２０の側面
に、水平のブラケットプレート２４を小梁２の上フラン
ジ２ａと一致させて突設し、水平ブラケットプレート２
４と上フランジ２ａにプレート状の連結材２５を二枚添
設し、水平ブラケットプレート２４・上フランジ２ａと
連結材２５をボルト２６で接合することにより、水平ブ
ラケットプレート２４と小梁２の上フランジ２ａとを一
体化させる。

【００２２】この第３実施例では、軽微な屋根架構であ
れば、ブラケットプレート２４と連結材２５による小梁
２の上フランジ２ａの接合は省略し、ブラケットプレー
ト２０・リブプレート２１・連結材２２による上部の接
合のみでも可能である。

【００２３】また、図２の第４実施例では、大梁１を縦
板１ｂと添材１ｃとをボルトまたは溶接で接合した組立
材としている。添材１ｃは縦板１ｂの上部に左右一対で
添設して縦板１ｂを補強し、一方、小梁２の接合端部に
おけるフランジ２ａおよびウェブ２ｂ上部には、添板１
ｃを収納し得る切欠４２を設けている。このような添板
１ｂと小梁２とをガセットプレート４０で接合する。ガ
セットプレート４０は、その基部を添材１ｃに溶接等で
固定し、その先端部を小梁２のウェブ２ｂに添設してボ
ルト４１で固定する。なお、添材１ｃには、溝形鋼，Ｌ
形鋼あるいは鋼板（水平リブ）等が考えられる。

【００２４】なお、以上の各実施例において、小梁２と
しては、Ｈ形鋼あるいはＣＴ形鋼などを使用することが
でき、設計条件によって適宜決定される。また、小梁２
が大梁１に直交して接合される場合に限らず、斜めに交
わる場合にも、適用できることはいうまでもない。

【００２５】前記の各実施例において、接合が完了する
と、天井仕上材（セメントボードなど）４が小梁２のウ
ェブ２ｂの中間位置に取付けられ、大梁１の上フランジ
１ａおよび小梁２の上フランジ２ａが覆われる。図３
（ａ）に示すように、チャンネル材からなる母屋材３に
は、Ｌ金具３１を下部に固定したフック３０が取付けら
れ、Ｌ金具３１にドライブィットまたはタッピングネジ
３２により天井仕上材４が取付けられる。また、図３
（ｂ），（ｃ）に示すように、ＣＴ形鋼からなる小梁２
のウェブ２ｂには、Ｌ金具３１が溶接等により取付けら
れ、Ｌ金具３１にドライブィットまたはタッピングネジ
３２により天井仕上材４の端部が取付けられる。

【００２６】以上のような接合構造において、図１(i)
の実施例では連結材５・ボルト７が、図１(ii)の実施例
ではリブプレート１０・１１・連結材１２・ボルト１３
が、図１(iii) の実施例では上部位置のブラケットプレ
ート２０・リブプレート２１・連結材２２・ボルト２
３、下部位置の水平ブラケットプレート２４・連結材２
５・ボルト２６が、図２の実施例では添材１ｃ・ガセッ
トプレート４０・ボルト４１が、母屋材３の上端面より
下方の空間において天井仕上材４の裏側に位置すると共
に、前記各部材により大梁１と小梁２が一体化し、小梁
２の大梁１に対する回転拘束機能が確保される。

【００２７】また、図１の各実施例では、大梁１の下フ
ランジ１ａ’および補剛プレート６が天井面より下方に
露出するが、図２の実施例では、天井面より下方に露出
する部分を縦板１ｃのみとすることができる利点があ
る。

【００２８】なお、以上の実施例において、ボルト接合
部分は溶接接合でもよい。また、鉄骨屋根架構に適用し
た例について示したが、中間階の鉄骨梁にも適用するこ
とができる。

【００２９】

【発明の効果】この発明は、以上のような構成からなる
ので、接合構造部材を天井面の裏側に納めることがで
き、鉄骨梁の上部を隠す天井仕上げ工法を用いた場合で
も、従来のように天井面の下にガセットプレートやボル
トが露出せず、天井面より下に現れる部分を大梁と小梁
の下部のみとなり、意匠的な外観が極めて良好になると
共に、小梁の大梁に対する横座屈止め（回転拘束）機能
を十分に確保することができる。さらに、大梁をプレー
トと上部の形鋼材からなる組立材とする構造とすれば、
天井面より下方に現れる部分を板材のみとすることがで
きるので、シンプルに鉄骨梁を見せることができて意匠
上の効果がより大となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る鉄骨梁の接合部構造を屋根架構
に適用した例を示す断面図であり、(i) は第１実施例、
(ii)は第２実施例、(iii) は第３実施例である。

【図２】この発明に係る鉄骨梁の接合部構造の第４実施
例を示す断面図である。

【図３】鉄骨梁上部を天井仕上材で隠す工法であり、
（ａ）は母屋材との取り合いを示す断面図、（ｂ）は小
梁との取り合いを示す側面図、（ｃ）は小梁との取り合
いを示す断面図である。

【図４】従来の屋根架構鉄骨梁の接合部構造の例を示す
断面図であり、(i) は大梁上端面と小梁上端面が一致す
る場合、(ii)は大梁上端面より小梁上端面を下げた場合
である。

【符号の説明】

１…大梁、１ａ…上フランジ、１ａ’…下フランジ、１
ｂ…縦板、１ｃ…添材、２…小梁、３…母屋材、４…天
井仕上材、５…連結材、６…補剛プレート、７…ボル
ト、１０…リブプレート、１１…リブプレート、１２…
連結材、１３…ボルト、２０…ブラケットプレート、２
１…リブプレート、２２…連結材、２３…ボルト２４…
水平ブラケットプレート、２５…連結材、２６…ボル
ト、４０…ガセットプレート、４１…ボルト。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】大梁と小梁を大梁上端面に小梁上端面を
一致させて接合してなる鉄骨梁の接合部構造において、
接合部における大梁と小梁の上に大梁と小梁に跨がる連
結材を設け、この連結材と大梁上端面および小梁上端面
とをそれぞれボルトまたは溶接で接合してなることを特
徴とする鉄骨梁の接合部構造。
【請求項２】大梁と小梁を大梁上端面に小梁上端面を
一致させて接合してなる鉄骨梁の接合部構造において、
接合部における大梁と小梁の上にリブプレートをそれぞ
れ立設し、これらリブプレートに連結材を添設してボル
トまたは溶接で接合してなることを特徴とする鉄骨梁の
接合部構造。
【請求項３】大梁と小梁を大梁上端面より小梁上端面
を下げて接合してなる鉄骨梁の接合部構造において、接
合部における大梁上部にブラケットプレートを小梁に向
けて突設し、接合端部における小梁の上にリブプレート
を突設し、前記ブラケットプレートと前記リブプレート
に連結材を添設してボルトまたは溶接で接合してなるこ
とを特徴とする鉄骨梁の接合部構造。
【請求項４】請求項３に記載の鉄骨梁の接合部構造に
おいて、小梁の上フランジと一致するブラケットプレー
トを接合部における大梁上部に設け、前記小梁の上フラ
ンジと前記ブラケットプレートに連結材を添設してボル
トまたは溶接で接合してなることを特徴とする鉄骨梁の
接合部構造。
【請求項５】プレートと形鋼材で組立材とした大梁の
上端面と小梁の上端面を一致させて接合してなる鉄骨梁
の接合部構造において、前記大梁の上端部より小梁に向
けてガセットプレートを突設し、該ガセットプレートと
小梁とをボルトまたは溶接で接合してなることを特徴と
する鉄骨梁の接合部構造。