JPH0912633A - ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents

ポリブタジエンの製造方法

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JPH0912633A
JPH0912633A JP16089395A JP16089395A JPH0912633A JP H0912633 A JPH0912633 A JP H0912633A JP 16089395 A JP16089395 A JP 16089395A JP 16089395 A JP16089395 A JP 16089395A JP H0912633 A JPH0912633 A JP H0912633A
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JP
Japan
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cobalt
butadiene
carrier
polymerization
supported
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JP16089395A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Tsujimoto
信弘 辻本
Megumi Tsukahara
恵 塚原
Kazuhiro Akigawa
和宏 秋川
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)担体に担持させたコバルト錯体成分、
並びに、(B)二硫化炭素、イソチオシアン酸フェニル
及びキサントゲン酸化合物からなる群から選ばれた化合
物成分からなる触媒系を用いて、ブタジエンを重合する
ことを特徴するポリブタジエンの製造方法。 【効果】 粒度分布の制御されたSPBが容易に得られ
る。シリカ等をコアとしまわりにSPBをシェルとす
る、コア−シェルタイプポリマーが容易に得られる。生
成ポリマーの重合槽への付着の少なく、かつ重合後処理
の容易な気相重合法よる改良されたSPBの製造方法を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンジオタクチック1,
2-構造を主要構造とするポリブタジエンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチック1,2-構造を主要構造
とするポリブタジエン(以下「SPB」という)は、側
鎖にビニル基を有していることから、他のポリマーやエ
ラストマーとの反応性が高いことが期待される。又、 1
50℃程度以上の比較的高い融点を有するものは強靱な樹
脂であることが知られている。そのため、SPBは各種
ゴムの補強用、あるいは、ポリマーアロイの原料として
広範な用途が見込まれている。
【0003】SPBは、コバルト化合物、I 〜III 族有
機金属化合物、及び、二硫化炭素からなる触媒を用い
て、1,3-ブタジエンを重合することにより得られること
が知られていた(特公昭47-19892号公報、特公昭47-198
93号公報)。しかしながら、従来の重合方法では生成ポ
リマーの形状が不均一で粒度分布が広く、また重合中、
生成ポリマーが重合槽へ付着するなどの問題点があっ
た。
【0004】
【本発明の目的】本発明の目的は、担体に担持させたコ
バルト錯体成分を用いて重合して、生成ポリマーの形状
が均一で粒度分布の制御された、生成ポリマーの重合槽
への付着が少ない改良されたSPBの製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題解決のための手段】本発明は、(A)担体に担持
させたコバルト錯体成分、並びに、(B)二硫化炭素、
イソチオシアン酸フェニル及びキサントゲン酸化合物か
らなる群から選ばれた化合物成分からなる触媒系を用い
て、ブタジエンを重合することを特徴するポリブタジエ
ンの製造方法に関する。
【0006】本発明における(A)成分においてコバル
ト錯体を担持する担体としては、一般的な無機化合物や
有機高分子化合物を使用することができる。無機化合物
としては、無機酸化物、無機塩化物、無機水酸化物が好
ましく、少量の炭酸塩、硫酸塩を含有したものも採用で
きる。無機酸化物の具体例としては、シリカ、アルミ
ナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、カルシアなど
が挙げられる。無機塩化物の具体例としては、塩化マグ
ネシウム、塩化亜鉛、塩化カルシウムなどが挙げられ
る。
【0007】これらの無機酸化物は、平均粒子径が 5〜
150 μ、比表面積が2 〜800m2/g の多孔性微粒子が好ま
しく、例えば100 〜800 ℃で熱処理して用いることがで
きる。
【0008】担体の有機高分子化合物としては、SP
B、α−オレフィンホモポリマー、α−オレフィンコポ
リマー、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、ビニ
ルアルコール、スチレン、ジビニルベンゼンなどのホモ
ポリマーや共重合体などが挙げられる。さらにこれらポ
リマーを化学変成して、側鎖にビニル基、芳香族環、置
換芳香族環、あるいはヒドロキシ基、カルボキシル基、
エステル基、ハロゲン原子などの官能基を有するものを
挙げることができる。
【0009】これらの有機高分子化合物は、平均粒子径
が 5〜250 μの球状微粒子が用いられる。
【0010】担体に担持させるコバルト錯体としては、
1,3-ブタジエンコバルト錯体又は1,3-ブタジエンと置換
可能な配位子を持つコバルト錯体を用いることができ
る。
【0011】1,3-ブタジエンコバルト錯体の具体例とし
ては、(1,3-ブタジエン)[1-(2-メチル-3- ブテニ
ル)- π- アリル]コバルトなどが挙げられる。
【0012】1,3-ブタジエンと置換可能な配位子を持つ
コバルト錯体の具体例としては、トリス- π- アリルコ
バルト、ビスアクリルニトリルコバルト- π- アリルコ
バルト、ビス- π-1,5- シクロオクタジエン-tert-ブチ
ルニトリルコバルト、π- シクロオクテニル- π-1,5-
シクロオクタジエンコバルト、π- シクロペンタジエニ
ル-1,3,5,7- シクロオクタテトラエンコバルト、π- シ
クロペンタジエニル-1,5- シクロオクタジエンコバル
ト、ビシクロ- [3,3,0 ]- オクタジエニル-1,5- シク
ロオクタジエンコバルト、ビス- (π- アリル)シクロ
ペンタジエニルコバルト、ビス- (π- アリル)ハロゲ
ノコバルト(ただし、ハロゲン原子は塩素、臭素、沃素
のうちから選ばれる)、π- アリル- トリ(カルボニ
ル)コバルト、ビス- (π-1,5- シクロオクタジエン)
エチルコバルト、ビス- (ビシクロ-[2,2,1 ]-1,5-
ペンタジエン)- テトラ(カルボニル)ジコバルト、ト
リカルボニル(π-1- メチルクロル)コバルト、トリカ
ルボニル(π-4- メチル-2- ペンチル)コバルトなどが
挙げられる。
【0013】中でも、(1,3-ブタジエン)[1-(2-メチ
ル-3- ブテニル)- π- アリル]コバルト、π- シクロ
オクテニル- π-1,5- シクロオクタジエンコバルトなど
が好ましい。
【0014】コバルト錯体は、Polym.Comm. Vol.29, 30
5 (1988)に記載の方法に準じて調製できる。例えば、例
えば、エタノール中、 -30℃で、塩化コバルト(CoC
2)、ソディウムボロンハイドライド(NaBH4
及び1,3-ブタジエンから得る方法が挙げられる。
【0015】担体にコバルト錯体を担持させる方法とし
ては、少量の1,3-ブタジエン又は1,3-ブタジエンと置換
可能な配位子の存在下に、コバルト化合物とI 〜III 族
有機金属化合物との反応生成物を担体に含浸させる方
法、あるいは、コバルト化合物を担体に担持させたもの
を少量の1,3-ブタジエン又は1,3-ブタジエンと置換可能
な配位子の存在下に、I 〜III 族有機金属化合物で反応
処理する方法などを用いることができる。
【0016】コバルト化合物としては、コバルトの有機
酸塩や錯化合物、あるいは塩化物が挙げられる。具体例
としては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバル
ト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コ
バルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルト
のビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネ
ート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化
コバルトのピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯
体、もしくはエチルアルコール錯体等が挙げられる。
【0017】I 〜III 族の有機金属化合物としては、有
機リチウムや有機マグネシウム、有機アルミニウム等が
用いられる。これらの化合物の内で好ましいのは、トリ
アルキルアルミニウムやジアルキルアルミニウムクロラ
イド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルア
ルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセ
スキブロマイド等である。中でも、トリエチルアルミニ
ウム、トリブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウムなどのトリアリキルアルミニウムが特に好ましい。
【0018】反応温度は -60〜50℃の範囲が好ましい。
反応は、トルエン、ベンゼン、キシレン、n-ヘキサン、
ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の
炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒等の溶媒中で行ってもよい。ただし、これらの
溶媒は、反応温度において、共役ジエンやコバルト化合
物、有機金属化合物と反応しないものが好ましい。
【0019】1,3-ブタジエン又は1,3-ブタジエンと置換
可能な配位子は、コバルト化合物 1モルに対し、3 〜10
000 モルの範囲になるようにすることが好ましい。コバ
ルト化合物とI 〜III 族の有機金属化合物の割合は、
0.1〜 500(モル/モル)の範囲が好ましい。
【0020】置換可能な配位子としては、イソプレン、
クロロプレン、ミルセン等の共役ジエンの他、シクロオ
クタジエン、シクロペンタジエンなどのジエン類を用い
ることができ、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ブテ
ン-2、イソブテン、ペンテン-1等のオレフィン、及び/
又はスチレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化
合物等を含んでいてもよい。
【0021】本発明の(A)成分の担体に担持させたコ
バルト錯体成分の具体的な調製方法として以下のものが
挙げられる。
【0022】(調製方法1)不活性炭化水素溶媒中で、
少量の1,3-ブタジエン又は1,3-ブタジエンと置換可能な
配位子、コバルト化合物及び有機アルミニウム化合物を
反応させ、この反応溶液に未処理又はあらかじめ脱水乾
燥処理した担体を投入し、スラリー状とする。このスラ
リーを好ましくは 0〜 100℃で 5分以上反応させた後、
そのまま又は溶媒を留去したのち真空下に充分乾燥して
担持担体を得る。少量の1,3-ブタジエン又は1,3-ブタジ
エンと置換可能な配位子/コバルト化合物のモル比は好
ましくは 3以上、コバルト化合物/担体の重量比は好ま
しくは 0.001〜20wt%、有機アルミニウム/コバルト化
合物のモル比は好ましくは 0.5〜 500である。
【0023】(調製方法2)あらかじめ脱水乾燥処理し
た担体を不活性炭化水素溶媒中に投入しスラリーとした
後、これに不活性炭化水素に可溶なコバルト化合物を添
加する。コバルト化合物/担体の重量比は好ましくは
0.001〜20wt%である。このスラリーを好ましくは 0〜
100℃で 5分以上反応させた後、この系に少量の1,3-ブ
タジエン又は1,3-ブタジエンと置換可能な配位子、及び
有機アルミニウム化合物を添加して反応させる。5 分以
上反応させた後、溶媒を留去して得られる固体を真空下
に充分乾燥して担持担体を得る。
【0024】(調製方法3)担体の水スラリーに水溶性
コバルト化合物を溶解し、担体に吸着させた後、濾過し
て得られる固体を窒素気流下に、好ましくは50〜 600℃
で 0.5〜10時間加熱処理する。得られた固体を不活性炭
化水素溶媒でスラリーとして、これに少量の1,3-ブタジ
エン又は1,3-ブタジエンと置換可能な配位子、及び有機
アルミニウム化合物を添加して反応させる。5 分以上反
応させた後、溶媒を留去して得られる固体を真空下に充
分乾燥して担持担体を得る。
【0025】(調製方法4)あらかじめ脱水乾燥処理し
た担体を不活性炭化水素溶媒中に投入しスラリーとした
後、これに不活性炭化水素に可溶なコバルト錯体を添加
する。コバルト錯体/担体の重量比は好ましくは 0.001
〜20wt%である。このスラリーを好ましくは0〜 100℃
で 5分以上反応させた後、そのまま又は溶媒を留去した
後真空下に充分乾燥して担持担体を得る。
【0026】本発明の(B)成分は、二硫化炭素、フェ
ニルイソチオシアン酸及びキサントゲンからなる群から
選ばれる化合物(以下「二硫化炭素等」と略す)であ
る。二硫化炭素等の添加量は、コバルト原子 1モル原子
に対し、 0.1モル以上の範囲が好ましく、特に等モル〜
100モルの範囲が好ましい。
【0027】本発明においては、さらに融点調節剤を添
加してもよい。融点調節剤としてはアルコール、アルデ
ヒド、ケトン、エステル、ニトリル、スルホキシド、ア
ミド、燐酸エステルなどが挙げられる。これらの化合物
は官能基を1つだけ有していてもよいし2つ以上有して
いてもよい。
【0028】中でも、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n-ブチルアルコール、シクロヘキサノール等のアル
コール、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン、ジメチルスルホキシ
ド、 N,N'-ジメチルホルムアミドなどが好適に用いられ
る。アセトンが特に好適である。
【0029】融点調節剤の添加量は、所望するポリマー
の融点及び融点調節剤の種類に応じて適宜調節される。
【0030】本発明においては、重合時に、さらにI 〜
III 族の有機金属化合物を加えてもよい。I 〜III 族の
有機金属化合物としては、前記のコバルト錯体の調製時
に用いたものと同じものを挙げることができる。例え
ば、有機リチウムや有機マグネシウム、有機アルミニウ
ム等が用いられる。これらの化合物の内で好ましいの
は、トリアルキルアルミニウムやジアルキルアルミニウ
ムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、ア
ルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミ
ニウムセスキブロマイド等である。中でも、トリエチル
アルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウムなどのトリアリキルアルミニウムが特に好
ましい。
【0031】重合時に追加する場合のI 〜III 族の有機
金属化合物の添加量は、コバルト原子 1モル原子に対
し、0.1 〜500 モルの範囲が好ましく、特に 0.5〜300
の範囲が好ましい。
【0032】本発明においては、1,3-ブタジエンを主成
分とする共役ジエンから上記の触媒系を用いてSPBを
製造することができる。
【0033】本発明における重合法としては、溶液重合
法、乳化重合法、懸濁重合法、気相重合法などが可能で
ある。
【0034】例えば、溶液重合法としては、例えば以下
の手順で実施できる。まず、溶媒に1,3-ブタジエンを溶
解し、これを窒素等の不活性ガスで置換した攪拌機付重
合器に供給する。次いで、I 〜III 族の有機金属化合
物、触媒成分であるコバルト錯体担持成分、及び二硫化
炭素等を添加する。これらの触媒成分は一度に添加して
もよく、また、順次添加してもよい。添加順序として
は、1,3-ブタジエン、コバルトジエン錯体成分、二硫化
炭素等の順で添加するのが好ましい。
【0035】重合温度は 0〜 100℃の範囲が好ましく、
10〜50℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分〜12時
間の範囲が好ましく、30分〜 6時間が特に好ましい。
【0036】重合溶媒としては、トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサン、ブタン、
ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、1-ブテン、2-
ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリッ
ト、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒
や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙
げられる。また、1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒と
してもよい。
【0037】モノマーとしては、1,3-ブタジエンを主成
分とするものを用いることができるが、1,3-ブタジエン
の他、イソプレン、クロロプレン、ミルセン等の共役ジ
エンや、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ブテン-2、
イソブテン、ペンテン-1等のオレフィン、及び/又はス
チレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等
を含んでいてもよい。
【0038】所定時間重合を行った後、重合槽内部を必
要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0039】本発明において気相重合は、気相重合ベッ
ドをモノマー又はモノマーと流動用窒素ガスの混合気体
で流動させているところに追加のI 〜III 族の有機金属
化合物成分と二硫化炭素等を加えて分散させて、コバル
ト錯体担持成分を導入して重合を開始する。I 〜III 族
の有機金属化合物成分と二硫化炭素等の供給はモノマー
と共に連続供給してもよい。また、気相ベッドの攪拌は
攪拌羽などを用いた強制攪拌法によってもよい。
【0040】気相重合の温度は、通常、 0〜 150℃、好
ましくは 5〜80℃である。反応器内でのモノマーガス、
窒素ガス、水素ガス等の流動に使用されるガスの線速度
は、重合時の反応熱量によって変化するが、通常は、10
〜 120cm/sec 、好ましくは、20〜90cm/sec である。
重合時間は、特に制限はないが、通常、1 〜20時間、好
ましくは 0.5〜 8時間である。
【0041】気相重合の重合ベッドとしては各種の触媒
に対して触媒毒にならないものであれが特に制限はない
が、好ましくは球状の流動性の良好なポリマーを用いる
ことができる。ベッドポリマーは、あらかじめ脱水乾燥
処理、脱酸素処理、有機アルミニウム接触処理などの予
備処理をしてから使用される。
【0042】本発明によって製造できるポリブタジエン
のシンジオタクチック1,2-構造は、通常75mol%以上、好
ましくは80mol%以上である。シンジオタクチック-1,2-
構造の割合が75mol%未満のポリブタジエンは融点が 100
℃以下と低く、又ゴムとしての性質を強く有するように
なるので、このようなポリブタジエンをゴムや合成樹脂
にブレンドしても余り大きな補強効果が期待できない。
【0043】但し、シンジオタクチック-1,2- 構造の割
合が75mol%以上のポリブタジエンであれば、シンジオタ
クチック-1,2- 構造の他、アタクチック-1,2- 構造やア
イソタクチック-1,2- 構造、シス-1,4- 構造、トランス
-1,4- 構造等を含んでいてもよい。ポリブタジエンの構
造はMorero法等の赤外吸光法や、 1H−NMR、13C−
NMR等により求めることができる。
【0044】本発明のポリブタジエンの融点は通常 110
℃以上であり、好ましくは 125℃以上である。
【0045】
【発明の効果】本発明により、従来の方法に比べ、粒度
分布の制御されたSPBが容易に得られる。また、シリ
カ等をコアとしまわりにSPBをシェルとする、コア−
シェルタイプポリマーが容易に得られる。
【0046】
【実施例】
(測定方法)共役ジエン重合体の融点(Tm)はDSC
チャートから求め、吸熱ピークに対応する温度を融点と
した。DSCはセイコー電子工業株式会社製SSC 5200を
使用し、試料量10mg、昇温速度10℃/分の条件で、窒素
雰囲気下で測定した。シンジオタクチック1,2-構造の割
合は、 1H−NMRを測定しピーク面積から算出した。
【0047】実施例1(担体担持触媒成分の調製−1) 20mL-Bd /L に調製したブタジエンのトルエン溶液66mL
に、1Mに調製したオクテン酸コバルトのトルエン溶液
1.5mLと、1Mに調製したトリエチルアルミニウムのトル
エン溶液 4.5mLとを加えて、室温で30分反応させた。こ
の溶液をあらかじめ窒素気流下 800℃で 6時間熱処理し
たシリカ(富士シリシア製 HTG-31202) 5.0g に、窒素
置換した反応容器中で 50mL 加え、室温で 1時間接触さ
せた。溶液を濾別し、 1時間減圧下(約 1mm-Hg )室温
で乾燥し溶媒を除去し、流動性のよい担持触媒を得た。
この固体触媒成分のコバルト金属担持量は0.051mmol/g-
cat.、アルミニウム金属担持量は0.309mmol/g-cat.であ
った。
【0048】実施例2(担体担持触媒成分の調製−2) 20mmol/L に調製した(η3-C8H13)(C4H6)Coのトルエン
溶液を、あらかじめ窒素気流下 800℃で 6時間熱処理し
たシリカ(富士シリシア製 HTG-31202)に、窒素置換し
た反応容器中で 50mL 加え、 0℃以下で 1時間接触させ
た。溶液を濾別し、 1時間減圧下(約 1mm-Hg ) 0℃以
下で溶媒を除去し、流動性のよい担持触媒を得た。この
固体触媒成分のコバルト金属担持量は、0.045mmol/g-ca
t.であった。
【0049】実施例3(担体担持触媒成分の調製−3) 20ml-Bd/L に調製したブタジエンのトルエン溶液 50.2m
l にコバルト(III) トリアセチルアセトナートを 0.41g
加え充分溶解した後、 1M に調製したトリエチルアルミ
ニウムのトルエン溶液を 3.45ml 加えて室温で30分反応
させた。この溶液を、あらかじめ窒素気流下 800℃で 6
時間熱処理したシリカ(富士シリシア製HTG-31202)5.0
gに、窒素置換した反応容器中で 50ml 加え、室温で 1
時間接触させた。溶液を濾別し、 1時間減圧下(約 1mm
-Hg )室温で乾燥し溶媒を取り除き、流動性のよい担持
触媒を得た。この固体触媒成分のコバルト金属担持量
は、0.095mmol/g-cat.であった。
【0050】実施例4(担体担持触媒成分の調製−4) コバルト(III) トリアセチルアセトナート 0.308gをト
ルエン43mlに溶解し、あらかじめ脱気、乾燥したシクロ
オクタジエン 1.06ml を加え攪拌しているところに 1M
に調製したトリエチルアルミニウムのトルエン溶液を
2.6ml加えて室温で30分反応させた。この溶液を、あら
かじめ窒素気流下 800℃で 6時間熱処理したシリカ(富
士シリシア製 HTG-31202)4.0gに、窒素置換した反応容
器中で 40ml 加え、室温で 1時間接触させた。溶液を濾
別し、 1時間減圧下(約 1mm-Hg )室温で乾燥し溶媒を
取り除き、流動性のよい担持触媒を得た。この固体触媒
成分のコバルト金属担持量は、0.045mmol/g-cat.であっ
た。
【0051】実施例5(担体担持触媒成分の調製−5) コバルト(III) トリアセチルアセトナート 0.287gをト
ルエン56mlに溶解し、あらかじめ脱気、乾燥したシクロ
オクタジエン 1.37ml を加え攪拌しているところに 1M
に調製したトリエチルアルミニウムのトルエン溶液を
3.36ml 加えて室温で30分反応させた。この溶液を、あ
らかじめ窒素気流下 800℃で 6時間熱処理したシリカ
(富士シリシア製 HTG-31202)5.0gに、窒素置換した反
応容器中で 50ml 加え、室温で 1時間接触させた。溶液
を濾別し、 1時間減圧下(約 1mm-Hg)室温で乾燥し溶
媒を取り除き、流動性のよい担持触媒を得た。この固体
触媒成分のコバルト金属担持量は、0.095mmol/g-cat.で
あった。
【0052】実施例6(ブタジエンの重合) 重合は温度計、三方コック、触媒アンプル固定金具、溶
媒導入管、及び攪拌装置を備えた 500mlのセパラブルフ
ラスコを用いてスラリー法で行った。重合温度は反応容
器をウォーターバスに入れて調節した。実施例1で調製
した担体担持触媒成分を仕込んだガラスアンプルを固定
金具に取り付けた後、重合容器内を減圧、窒素置換を 5
回以上繰り返して窒素置換し、ここにあらかじめ 50ml-
Bd/lに調製したブタジエンのトルエン溶液 400mlを窒素
気流下で導入した。さらに、 1Mに調節したトリエチル
アルミニウムのトルエン溶液 1mlと、同じく 1M に調節
した二硫化炭素のトルエン溶液 1mlを順次注射器で添加
した。この溶液を攪拌羽にて 600r.p.m.で攪拌しながら
系内の所定の重合温度(20℃)に調節した。ここで触媒
のアンプルを破砕し、重合を開始した。重合温度を一定
に保ちながら 1時間重合を行ったところで重合スラリー
を老化防止剤を溶解したエタノール 2L に投入し、30分
攪拌し、これを濾過洗浄して得られたポリマーを真空乾
燥機で一昼夜乾燥した。得られたポリマーの形状及び粒
度分布は、担体として用いたシリカの形状及び粒度分布
に応じて制御されていた。ポリマーの構造は、 1H-NMR
から、1,2-シンジオタクチックポリブタジエンと確認さ
れ同時に1,2 含量も算出され、また、融点は DSCの測定
結果から求めた。結果を表1に示した。
【0053】実施例7〜10 実施例2〜5で調製した担体担持触媒成分をそれぞれ用
いた以外は、実施例1と同様にして重合を行った。結果
を表1に示した。得られたポリマーの形状及び粒度分布
は、担体として用いたシリカの形状及び粒度分布に応じ
て制御されていた。
【0054】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)担体に担持させたコバルト錯体成
    分、並びに、(B)二硫化炭素、イソチオシアン酸フェ
    ニル及びキサントゲン酸化合物からなる群から選ばれた
    化合物成分からなる触媒系を用いて、ブタジエンを重合
    することを特徴するポリブタジエンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0879834A1 (en) * 1997-05-22 1998-11-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Means to control practicle size and eliminate fouling in the synthesis of syndiotactic 1,2-polybutadiene
JP2000007720A (ja) * 1998-05-27 2000-01-11 Goodyear Tire & Rubber Co:The ゴム組成物およびトレッドを有するタイヤ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0879834A1 (en) * 1997-05-22 1998-11-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Means to control practicle size and eliminate fouling in the synthesis of syndiotactic 1,2-polybutadiene
JP2000007720A (ja) * 1998-05-27 2000-01-11 Goodyear Tire & Rubber Co:The ゴム組成物およびトレッドを有するタイヤ

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