JPH091256A

JPH091256A - プレス金型

Info

Publication number: JPH091256A
Application number: JP14432295A
Authority: JP
Inventors: Yutaka Kawai; 豊河合
Original assignee: Hitachi Cable Ltd
Current assignee: Hitachi Cable Ltd
Priority date: 1995-06-12
Filing date: 1995-06-12
Publication date: 1997-01-07

Abstract

(57)【要約】【目的】打ち抜きカスが、パンチに密着して上昇するの
を防止したプレス金型を提供することができる。【構成】被加工材の不要部分を打ち抜くパンチ４と、前
記パンチ４を受ける打ち抜き穴８を有するダイ２と、前
記パンチ４を被加工材から引き抜きガイドするストリッ
パープレートとからなるプレス金型において、前記ダイ
２の打ち抜き穴８内に、打ち抜きカス３にバネ材６で押
しつけられるように構成した打ち抜きカス押さえ部材５
を設けたものである。前記パンチ４による打ち抜きカス
３の上昇を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス金型に係り、打
ち抜きカスが上昇しない打ち抜きダイを備えたプレス金
型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＩＣ素子のパッケージには、リー
ドフレームが用いられるのが普通である。前記リードフ
レームは、ＩＣ素子を取り付ける中央部と、その周辺の
複数の外部接続リード部とから形成されている。このよ
うなリードフレームは、鉄、銅、その合金等の薄板また
は条材を素材とし、この不要部分をプレス金型にて打ち
抜き製造されている。

【０００３】前記リードフレームの成型加工に用いられ
るプレス金型は、詳細な図示を省略するが、切り刃部を
備え、被加工材の不要部分を打ち抜くパンチと、前記パ
ンチを受ける打ち抜き穴を有するダイと、前記パンチを
被加工材から引き抜きガイドするストリッパープレート
とを主要な部材として構成されている。

【０００４】図３を参照して従来のプレス金型を説明す
る。図３は、従来のプレス金型の略示説明図である。図
３に示す如く、１はパンチ、２はダイ、３は打ち抜きカ
ス、７は打ち抜きカス排出穴である。前記パンチ１によ
り被加工材を打ち抜いたときには、打ち抜きカス３をダ
イ２の打ち抜き穴に押し込んで、順次あとからの打ち抜
きカス３を重ね、下方の打ち抜きカス排出穴７から排出
させていた。

【０００５】前記打ち抜きカス３は、当該打ち抜きカス
３の周囲外面とダイ２の打ち抜き穴の側面との摩擦によ
り、該ダイ２中に留まっている間はよいが、まず打ち抜
き油によりパンチ１に付着して上昇し、次いで当該ダイ
２の上面に付着する。また、パンチ１が打ち抜き後、上
昇するとき、ダイ２中が負圧となり、打ち抜きカス３が
上昇し当該ダイ２の上面に付着する。このダイ２の上面
に付着した打ち抜きカス３が、製品に打痕をつけ、規格
を満足した製品が作ることができないこともあつた。ま
た、付着した打ち抜きカス３を除去するため、生産工程
を一時停止する必要もあった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記打ち抜きカスは、
打ち抜き形状の外周がダイの打ち抜き穴側面と接してい
る場合には比較的上昇してこない。打ち抜き形状の外周
がダイの打ち抜き穴側面の一部としか接していない場合
には、打ち抜きカスもダイの打ち抜き穴側面の一部とし
か接触しないため上昇し易い。上昇し易い打ち抜き形状
としては、切欠きのある形状等が考えられる。

【０００７】上記打ち抜きカスの上昇に対しては、種々
の技術が提案されている。

【０００８】その第一は、一度目の打ち抜き直後に再度
の打ち抜き動作を行い、上昇してくる打ち抜きカスを排
出する方法である。この方法は打ち抜きカスをなくする
ことができ、優れたものであるが、煩瑣であり、かつ装
置も大掛りとなる。

【０００９】その第二は、ダイの打ち抜き穴側面に打ち
抜きカス止め用の溝を設ける方法がある。この方法は
ー、打ち抜きカスの種類、形状では、その効果が十分で
はない場合があった。

【００１０】その第三は、パンチからエアーを吹き出
し、打ち抜きカスをダイ内に押さえ込む方法があり、最
も一般的であった。

【００１１】しかし、この第三のエアーブローの方法
は、いくつかの問題点があった。

【００１２】（１）パンチの大きさの問題であり、小さ
い打ち抜き形状パンチでは、強度上の問題でエアーブロ
ー穴が加工できない。通常エアーブロー穴は、０．４mm
φ程度であり、パンチの最小幅は１．５mm以上を必要と
する。

【００１３】（２）前記０．４mmφ程度のエアーブロー
穴では、塵埃で容易に詰り易く、エアーが吹き出してこ
なくなる。

【００１４】（３）エアーブロー穴から吹き出す空気
は、通常４〜５kg／cm² のエアーを使用している。前記
打ち抜きカスの粘性が小さく、かつ軽い場合には、吹き
出す空気の方向次第では舞い上がり、ダイの上面に付着
する。

【００１５】（４）パンチを新たに製作する場合には、
エアーブロー穴を超硬具材料を焼結する工程で容易に加
工することができるが、プレス加工中に前記パンチの折
損した場合、予備材料に放電加工等の特殊方法でエアー
ブロー穴を加工してから、パンチを製作しなければなら
ず、煩瑣であり、製作時間がかかっていた。

【００１６】本発明は、上記かかる従来技術の問題点を
解決するためになされたもので、打ち抜きダイ内面の打
ち抜きカスが、パンチに密着して上昇するのを防止し、
かつ確実に排出し、作業性の向上を図るプレス金型を提
供することをその目的とするものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、プレス金型に係る本発明の構成は、被加工材の不要
部分を打ち抜くパンチと、前記パンチを受ける打ち抜き
穴を有するダイと、前記パンチを被加工材から引き抜き
ガイドするストリッパープレートとからなるプレス金型
において、前記ダイの打ち抜き穴内面に、前記パンチに
よる打ち抜きカスの上昇をおさえる打ち抜きカス押さえ
部材を設けたことを特徴とするものである。

【００１８】また、前項記載のプレス金型において、前
記打ち抜きカス押さえ部材は、前記打ち抜きカスに当該
打ち抜きカス押さえ部材を押圧する弾性部材を具備する
ことを特徴とするものである。

【００１９】

【作用】上記各技術的手段の働きは次のとおりである。
本発明の構成は、プレス金型にダイの打ち抜き穴内面
に、前記パンチによる打ち打ち抜きカスの上昇をおさえ
るカス押さえ部材を設けたので、（１）打ち抜きカス押
さえはパンチ形状の大きさの制限がなく設けることがで
きるので、小さいパンチ形状でも、打ち抜きカス押さの
効果がある。

【００２０】（２）パンチにエアーブロー穴を加工する
が必要がないため、破損のさい修理が容易になる、
（３）パンチが切り込んでない間は、打ち抜きカス押さ
え部材が弾性部材により、打ち抜きカスを押しつけてお
り、打ち抜きカスの上昇による打痕不良やプレス金型の
破損がなくなり、製品品質が向上する。

【００２１】

【実施例】以下本発明の実施例を図１および図２を参照
して説明する。

【００２２】図１は、本発明の一実施例に係るプレス金
型の略示説明図、図２は、図１のプレス金型における打
ち抜きダイの打ち抜きカス押さえの動作説明図である。

【００２３】図１において、２はダイ、３は打ち抜きカ
ス、４はパンチ、５は打ち抜きカス押さえ、６はバネ、
８はダイの打ち抜き穴である。

【００２４】図１に示される如く、パンチ４は、軸方向
に対して外周面に下方に対し傾斜する勾配面が付設され
ている。ダイ２の打ち抜き穴８には、前記パンチ４の勾
配面と接する打ち抜きカス押さえ５が設けられている。
この打ち抜きカス押さえ５の形状は、ダイ２の打ち抜き
穴８の形状に合わせて決定すればよい。前記打ち抜きカ
ス押さえ５とダイ２の打ち抜き穴８の側面との間にはバ
ネ６が設けられている。このバネ６により、前記打ち抜
きカス押さえ５が前記打ち抜きカス３に押し付けられる
ことになる。

【００２５】図１、２を参照して、本実施例に係るプレ
ス金型における打ち抜きダイ２における打ち抜きカス押
さえの動作を説明する。

【００２６】図１では、パンチ４が下死点の位置にある
ことを示し、最も切り込んだ状態を示したものである。
図２は、パンチ４が上昇しはじめ、打ち抜きカス押さえ
５が打ち抜きカス３に押し付け始めた状態を示してい
る。

【００２７】このように打ち抜きカス押さえ５は、パン
チ４が再び下降してくるまで、確実に打ち抜きカス３を
ダイ２の打ち抜き穴８に押しつけ、上昇させることがな
い。この上昇しない打ち抜きカス３は、順次積み重ねら
れ排出される。

【００２８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の構
成によれば、打ち抜きダイ２内面の打ち抜きカスが、パ
ンチに密着して上昇するのを防止し、かつ確実に排出
し、作業性の向上を図るプレス金型を提供することがで
きる。

【００２９】より具体的に説明すると、（１）打ち抜きカス押さえはパンチ形状の大きさの制限
がなく設けることができるので、小さいパンチ形状で
も、打ち抜きカス押さえの効果がある。

【００３０】（２）パンチにエアーブロー穴を加工する
が必要がないため、保全を容易にする効果がある。

【００３１】（３）上昇した打ち抜きカスによる打痕不
良がなくなり、製品品質が向上する効果がある。

【００３２】（４）打ち抜きカス上昇によるプレス金型
の破損を防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るプレス金型の略示説明
図である。

【図２】図１のプレス金型における打ち抜きダイ２の打
ち抜きカス押さえの動作説明図である。

【図３】従来のプレス金型の略示説明図である。

【符号の説明】

１パンチ２ダイ３打ち抜きカス４パンチ５打ち抜きカス押さえ６バネ７打ち抜きカス排出穴８ダイの打ち抜き穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被加工材の不要部分を打ち抜くパンチと、
前記パンチを受ける打ち抜き穴を有するダイと、前記パ
ンチを被加工材から引き抜きガイドするストリッパープ
レートとからなるプレス金型において、前記ダイの打ち
抜き穴内面に、前記パンチによる打ち抜きカスの上昇を
おさえる打ち抜きカス押さえ部材を設けたことを特徴と
するプレス金型。【請求項１】請求項１記載のプレス金型において、前記
打ち抜きカス押さえ部材は、前記打ち抜きカスに当該打
ち抜きカス押さえ部材を押圧する弾性部材を具備するこ
とを特徴とするプレス金型。