JPH09125489A - 浴 室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】浴槽のオーバーフロー部から排水されるお湯を
洗い場側に流し出してその洗い場を暖め、電気機器を用
いずに温かい洗い場を得る。 【解決手段】水勾配を持って傾斜している洗い場４の高
位置側辺部に沿って複数の流出口１３を開口し、一端を
浴槽２のオーバーフロー部９に接続された配管１２を下
り傾斜で前記複数の流出口１３に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽のお湯を洗い
場に流し落としてその洗い場を暖めるようにした浴室に
関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】従来、入浴するに際し
て洗い場を予め暖めておくと素足で洗い場に入るときの
心地がよく、この点から高齢者対策などとして、電気ヒ
ーターを洗い場パネルの裏面に取り付けてその洗い場を
暖めるようにする工夫が行われていた。しかしながら、
電気ヒーターの取付及び電気配線工事という特別な作業
が必要であり、コストが高くなるという不都合が挙げら
れていた。そこで本発明は浴槽に張られるお湯に着目
し、浴槽のオーバーフロー部から排水されるお湯を洗い
場側に流し出してその洗い場を暖めるようにすることを
課題とし、上記の電気機器を用いずに温かい洗い場を得
ることを目的とするものである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、水勾配を持って傾斜している洗い
場の高位置側辺部に沿って複数の流出口が開口され、一
端を浴槽のオーバーフロー部に接続されてそのオーバー
フロー部から下り傾斜している配管が、前記複数の流出
口に接続されていることを特徴とする浴室を提供して、
上記課題を解消するものである。

【０００４】

【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図３に示
す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中１はユニ
ットバス形式とされた浴室で、図示されているように、
該浴室１は、浴槽２の設置部３と水勾配を持って傾斜し
た洗い場４とが一体に形成され、前記設置部３上に浴槽
２を据え置き、そして、設置部３と洗い場４との所要の
辺部に壁パネルａやドアパネルなどを立てて浴室空間を
囲み、上方に天井パネルが取り付けられているものであ
る。そして、前記洗い場４の水勾配は設置部側の辺部４
ａを最下位とし対向する辺部４ｂを最上位にした傾斜と
しているものである。５は設置部３および洗い場４に取
り付けられている脚であり、６は洗い場の排水口部７と
浴槽２から設置部３に亘る排水口部８に接続される排水
管である。

【０００５】図示するように浴槽２にあってはオーバー
フロー部９が設けられている。このオーバーフロー部９
は二つの開口１０，１１を上下二段にして有していて、
上位の開口１０は常時開放され、下位の開口１１は適宜
の開閉手段により開閉可能なものとされている。この二
つの開口１０，１１を有するオーバーフロー部９には、
該オーバーフロー部９から下り傾斜する配管１２が接続
されている。この配管は１２は一旦壁パネルａを貫通し
て浴室外を回り、上記洗い場４における最上位側の辺部
４ｂに外方側から沿うようにして延設されている。一
方、洗い場４にあっては、最上位側の辺部４ｂに沿って
立ち上がり部分４ｃに複数の流出口１３が開口されてい
て、この流出口１３それぞれに図３に示すように上記配
管１２が接続され、浴槽２のオーバーフロー部９に流れ
込んだお湯が配管１２を通って各流出口１３から流れ出
るようにしている。そして、前記流出口１３は洗い場４
における最上位側の辺部４ｂに沿って位置しているた
め、流出口１３から流れ出たお湯が洗い場４上を流れ下
りてその洗い場４が暖められるようになる。

【０００６】上記オーバーフロー部９における開口１１
の開閉は例えばつぎのようにして行う。上記浴槽に定量
止水機能付き水栓にて給湯する時は、下位の開口１１を
開くようにする。定量止水量を浴槽の満水容量と同じに
セットすると（即ち、上位の開口より水位が高い位置に
セットされる）、下位の開口１１に浴槽２のお湯がオー
バーフロー部９に流れ込み続け、上記配管１２を介して
流出口１３から洗い場４に流れ出てこの洗い場４を暖め
るようになる。そして、浴槽２に入る場合には、前記開
口１１を閉じるようにする。すると、定量止水機能の機
能より浴槽のお湯が上位の開口１０に流れ込み続け（給
湯が継続するため）、上記と同様にして流出口１３から
お湯が流れ出て、洗い場４を暖め、また、洗い場４で身
体を洗った際の泡やシャンプー泡なども排水口部側に流
し落とすようになる。追い焚き機能が付設されている浴
室において、ある程度のお湯を洗い場に流し出してその
洗い場を暖めておくことができる。それには下位の開口
１１を閉じて浴槽の水位が開口１０と開口１１との間に
なるようにお湯を張っておき、適温まで追い焚きを行
う。そして、入浴前に下位の開口１１を開く。脱衣室で
服を脱いでいる間に開口１１の高さより上位にあったお
湯がその開口１１に流れ込み、浴槽の水位が開口１１の
高さになるまで上記と同様にして流出口１３から洗い場
４に流れ出てこの洗い場４を暖めるようになる。

【０００７】上記した例にあっては、洗い場が設置部と
連続していて全体として防水パンを兼ねる構造のもので
あるが、本発明はこの例に限定されるものではない。例
えば、防水パンとは別体に成形される洗い場がその防水
パンに組みつけられるものであってもよく、上記配管が
その防水パンを介して洗い場の高位置側の辺部に開口し
ている流出口に接続させればよい。さらにユニットバス
形式の浴室を例示したが、本発明は作り付け形式の浴室
にあっても構成できるものである。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の浴槽は、
水勾配を持って傾斜している洗い場の高位置側辺部に沿
って複数の流出口が開口され、一端を浴槽のオーバーフ
ロー部に接続されてそのオーバーフロー部から下り傾斜
している配管が、前記複数の流出口に接続されているこ
とを特徴とするものである。これによって、浴槽のオー
バーフロー部に流れ込むお湯を洗い場に流し出せるよう
になり、そのお湯によって洗い場を暖め、洗い場に落ち
た石けん泡やシャンプー泡などを流し落とせるなど、実
用性に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴室の一例を縦断面で示す説明図
である。

【図２】同じく一例を平面で示す説明図である。

【図３】流出口部分を示す説明図である。

【符号の説明】

１…浴室 ２…浴槽 ４…洗い場 ６…排水管 ９…オ
ーバーフロー部 １０，１１…開口 １２…配管 １３
…流出口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水勾配を持って傾斜している洗い場の高位
   置側辺部に沿って複数の流出口が開口され、一端を浴槽
   のオーバーフロー部に接続されてそのオーバーフロー部
   から下り傾斜している配管が、前記複数の流出口に接続
   されていることを特徴とする浴室。
2. 【請求項２】上記オーバーフロー部は、常時開放の開口
   と、この常時開放の開口の下位に位置して開閉可能な開
   口とを有している請求項１に記載の浴室。