JPH0912509A - 反強誘電性液晶化合物及びその組成物 - Google Patents

反強誘電性液晶化合物及びその組成物

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JPH0912509A
JPH0912509A JP17951995A JP17951995A JPH0912509A JP H0912509 A JPH0912509 A JP H0912509A JP 17951995 A JP17951995 A JP 17951995A JP 17951995 A JP17951995 A JP 17951995A JP H0912509 A JPH0912509 A JP H0912509A
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fluoro
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JP17951995A
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Ichiro Kobayashi
一郎 小林
Tsuyoshi Yoshida
強 吉田
Giichi Suzuki
義一 鈴木
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Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来知られている反強誘電性液晶化合物の主
骨格を修飾することにより、具体的には主骨格をフッ素
修飾することにより、安定な反強誘電性を示すことは当
然として、動作温度が低くかつ高速応答である反強誘電
性液晶化合物及びその組成物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数4〜18のアルキル基よりなる群
から選ばれた基であり、R2は炭素数1〜10のアルキ
ル基よりなる群から選ばれた基であり、*は光学活性炭
素を示す。)で表わされる反強誘電性液晶化合物および
それを含む液晶組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温付近及び室温以下
の温度で安定な反強誘電性を示し、かつ高速応答する反
強誘電性液晶化合物及びそれを含む液晶組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Gest−Host)方式などが開発
され実用化されている。しかし、現在広く利用されてい
るネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数mse
c〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制約
を受けている。
【0003】これらの問題を解決するため、STN方式
や薄層トランジスタなどを用いたアクティブマトリック
ス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、表示
コントラストや視野角などの表示品位は優れたものとな
ったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度を必
要とすることや応答がやや遅いことなどが問題となって
いる。このため、応答性のすぐれた新しい液晶表示方式
の開発が要望されており、光学応答時間がμsecオー
ダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる強誘電
性液晶の開発が試みられていた。
【0004】強誘電性液晶は、1975年、Meyor
等によりDOBAMBC(p−デシルオキシベンジリデ
ン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)が初
めて合成された(Le Journal de Phy
sique,36巻1975,L−69)。さらに、1
980年、ClarkとLagawallによりDOB
AMBCのサブマイクロ秒の高速応答、メモリー特性な
ど表示デバイス上の特性が報告されて以来、強誘電性液
晶が大きな注目を集めるようになった〔N.A.Cla
rk,etal.,Appl.Phys.Lett.3
6.899(1980)〕。
【0005】しかし、彼らの方式には、実用化に向けて
多くの技術的課題があり、特に室温で強誘電性液晶を示
す材料は無く、表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の
配列制御に有効かつ実用的な方法も確立されていなかっ
た。この報告以来、液晶材料/デバイス両面からの様々
な試みがなされ、ツイスト二状態間のスイッチングを利
用した表示デバイスが試作され、それを用いた高速電気
光学装置も例えば特開昭56−107216号などで提
案されているが、高いコントラストや適正なしきい値特
性は得られていない。
【0006】このような視点から他のスイッチング方式
についても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。
その後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有
する液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.
D.L.Chandani,T.Hagiwara,
Y.Suzuki etal.,Japan.J.of
Appl.Phys.,27,(5),L729−L7
32(1988)〕。
【0007】前記「三状態を有する」とは、第一の電極
基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電極基
板の間に強誘電性液晶が挟まれてなる液晶電気光学装置
において、前記第一及び第二の電極基板に電界形成用の
電圧が印加されるよう構成されており、図1Aで示され
る三角波として電圧を印加したとき、図1Dのように前
記強誘電性液晶が、無電界時に分子配向が第一の安定状
態〔図3(a)〕になり、液晶電気光学装置の透過率が
第一の安定状態(図1Dの1)を示し、かつ、電界印加
時に一方の電界方向に対し分子配向が前記第一の安定状
態とは異なる第二の安定状態〔図3(b)〕になり液晶
電気光学装置の透過率が第2の安定状態(図1Dの2)
を示し、さらに他方の電界方向に対し前記第一及び第二
の安定状態とは異なる第三の分子配向安定状態〔図3
(c)〕になり液晶電気光学装置の透過率が第三の安定
状態(図1Dの3)を示すことを意味する。なお、この
三安定状態、すなわち三状態を利用する液晶電気光学装
置については、本出願人は特願昭63−70212号と
して出願し、特開平2−153322号として公開され
ている。
【0008】三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴を
さらに詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Cla
rk−Lagawall)により提案された表面安定化
強誘電性液晶素子では、S*C相において強誘電性液晶
分子が図2(a),(b)のように一方向に均一配向し
た2つの安定状態を示し、印加電界の方向により、どち
らか一方の状態に安定化され、電界を切ってもその状態
が保持される。
【0009】しかしながら実際には、強誘電性液晶分子
の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイス
ト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブロ
ン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角
が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化
へ向けて大きな障害になっている。
【0010】一方、“反”強誘電性液晶は三安定状態を
示すS*(3)相では、上記液晶電気光学装置において、
無電界時には、図3(a)に示すごとく隣り合う層毎に
分子は逆方向に傾き反平行に配列し、液晶分子の双極子
はお互に打ち消し合っている。したがって、液晶層全体
として自発分極は打ち消されている。この分子配列を示
す液晶相は、図1Dの1に対応している。さらに、
(+)又は(−)のしきい値より充分大きい電圧を印加
すると、図3(b)および(c)に示す液晶分子が同一
方向に傾き、平行に配列する。この状態では、分子の双
極子も同一方向に揃うため自発分極が発生し、強誘電相
となる。
【0011】すなわち、“反”強誘電性液晶のS*(3)
相においては、無電界時の“反”強誘電相と印加電界の
極性による2つの強誘電相が安定になり、“反”強誘電
相と2つの強誘電相間を直流的しきい値を持って三安定
状態間スイッチングを行うものである。このスイッチン
グに伴う液晶分子配列の変化により図4に示すダブル・
ヒステリシスを描いて光透過率が変化する。このダブル
・ヒステリシスに、図4の(A)に示すようにバイアス
電圧を印加して、さらにパルス電圧を重畳することによ
りメモリー効果を実現できる特徴を有する。さらに、電
界印加により強誘電相は層がストレッチされ、ブックシ
エルフ構造となる。一方、第三安定状態の“反”強誘電
相では類似ブックシエルフ構造となる。この電界印加に
よる層構造スイッチングが液晶層に動的シエアーを与え
るため駆動中に配向欠陥が改善され、良好な分子配向が
実現できる。そして、“反”強誘電性液晶では、プラス
側とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像
表示を行なうため、自発分極に基づく内部電界の蓄積に
よる画像の残像現象を防止することができる。
【0012】以上のように、“反”強誘電性液晶は、
1)高速応答が可能で、2)高いコントラストと広い視
野角および3)良好な配向特性とメモリー効果が実現で
きる、非常に有用な液晶化合物と言える。
【0013】“反”強誘電性液晶の三安定状態を示す液
晶相については、1)A.D.L.Chandani
etal.,Japan J.Appl.Phys.,
,L−1265(1989)、2)H.Orihar
a etal.,JapanJ.Appl.Phys.,
29,L−333(1990)に報告されており、
“反”強誘電的性質にちなみS*CA相(Antifer
roelectricSmectic C*相)と命名
している。本発明者らは、この液晶相が三安定状態間の
スイッチングを行なうためS*(3)相と定義した。
【0014】三安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)
を相系列に有する液晶化合物は、本発明者の出願した特
開平1−316367号、特開平1−316372号、
特開平1−316339号、特開平2−28128号及
び市橋等の特開平1−213390号公報があり、また
三安定状態を利用した液晶電気光学装置としては本出願
人は特開平2−40625号、特開平2−153322
号、特開平2−173724号において新しい提案を行
っている。
【0015】“反”強誘電性液晶を液晶ディスプレイへ
応用する場合、1)動作温度範囲、2)応答速度、3)
自発分極、4)ヒステリシス特性等を単一液晶で全て満
足させることは困難であり、通常十数種類の混合液晶と
して調製される。
【0016】現在、一般的に反強誘電性液晶材料として
知られている反強誘電性液晶化合物は、50℃付近の温
度では良好な特性を有しているが、室温付近及び室温以
下の温度では充分な特性を示しているとは言いがたい。
そこで、実用化に向けての一つの課題として、安定な反
強誘電性を示すことを前提としての、動作温度の低下及
び高速応答化が提唱されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
知られている反強誘電性液晶化合物の主骨格を修飾する
ことにより、具体的には主骨格をフッ素修飾することに
より、安定な反強誘電性を示すことは当然として、動作
温度が低くかつ高速応答である反強誘電性液晶化合物及
びその組成物を提供する点にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、具体的には、従来の反強誘電性液晶
化合物の主骨格をフッ素修飾した反強誘電性液晶化合物
の合成について鋭意努力を行った結果、従来の反強誘電
性液晶化合物よりも動作温度が低くかつ高速応答である
反強誘電性液晶化合物を見出し、本発明を完成するに至
った。
【0019】即ち、本発明の第1は、一般式
【化2】 (式中、R1は炭素数4〜18のアルキル基よりなる群
から選ばれた基であり、R2は炭素数1〜10のアルキ
ル基よりなる群から選ばれた基であり、*は光学活性炭
素を示す。)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関す
る。
【0020】本発明の第2は、上記化合物を含む反強誘
電性液晶組成物に関する。
【0021】本発明化合物の一般的な合成方法を以下に
示す。つぎの反応式に示すように、4′−アルキル−2
−フルオロ−4−ビフェニルカルボン酸(MCLC、1
988年、158B、209〜240ページに準じて合
成した)と塩化チオニル等の塩素化剤とを反応させるこ
とにより、4′−アルキル−2−フルオロ−4−ビフェ
ニルカルボン酸クロリドを調製する。これに、従来の方
法で調製した(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキ
ル)−2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエートを塩
化メチレンを溶媒とし、トリエチルアミンを触媒とし
て、窒素雰囲気下室温で一晩以上反応させる。この反応
溶液を塩酸溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、塩化メチレンを蒸留することにより、粗生成物を得
る。この粗生成物をヘキサン/酢酸エチルの混合溶液で
シリカゲルを用いて分離精製し、4−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−アルコキシカルボニル)−3−フルオ
ロフェニル−4′−アルキル−2−フルオロビフェニル
−4−カルボキシレートを得る。これは、エタノールを
用いて更に精製することができる。また、上記の粗生成
物の分離精製、エステル合成及び液晶の再結晶は記載の
方法以外にも公知の手法により代替することができる。
【0022】
【化3】
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れにより限定されるものでない。
【0024】実施例1 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−ヘプチ
ル−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレートの
合成(R1:n−C715,R2:n−C49) 2−フルオロ−4′−n−ヘプチル−4−ビフェニルカ
ルボン酸と塩化チオニル等の塩素化剤とを反応させるこ
とにより、2−フルオロ−4′−n−ヘプチル−4−ビ
フェニルカルボン酸クロリドを調製する。この2−フル
オロ−4′−n−ヘプチル−4−ビフェニルカルボン酸
クロリド0.50g(1.5mmol)に、従来の方法
で調製した(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシ
ル)−2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエート0.
48g(1.7mmol)を塩化メチレンを溶媒とし、
トリエチルアミン0.16g(1.6mmol)を触媒
として、窒素雰囲気下室温で一晩以上反応させる。この
反応溶液を塩酸溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
脱水し、塩化メチレンを蒸留することにより、粗生成物
を得る。この粗生成物をヘキサン/酢酸エチルの20/
1(v/v)混合溶液でシリカゲルを用いて分離精製
し、4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキ
シカルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−ヘ
プチル−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレー
ト0.62g(64%)を得る。これは、エタノールを
用いて更に精製することができる。
【0025】本化合物の1H−NMR(CDCl3中、T
MS基準、δ値ppm)は、8.2〜7.1(m,10
H),5.7〜5.4(m,1H),2.8〜2.6
(t,2H),2.0〜1.8(q,2H),1.8〜
0.8(m,20H)であった。
【0026】また、上記化合物をポリイミドを塗布しラ
ビング処理を施した透明電極付ガラスからなる厚さ2μ
mのセルに注入し、ホットステージ付偏光顕微鏡観察に
よる相転移温度を表1に示す。また、10℃及び15℃
における応答速度も表1に示す。
【0027】実施例2 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−ノニル
−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレートの合
成(R1:n−C919,R2:n−C49) 2−フルオロ−4′−ノニル−4−ビフェニルカルボン
酸と塩化チオニル等の塩素化剤とを反応させることによ
り、2−フルオロ−4′−n−ノニル−4−ビフェニル
カルボン酸クロリドを調製する。この2−フルオロ−
4′−n−ノニル−4−ビフェニルカルボン酸クロリド
0.44g(1.2mmol)に、従来の方法で調製し
た(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル)−2−
フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエート0.39g
(1.3mmol)を塩化メチレンを溶媒とし、トリエ
チルアミン0.13g(1.3mmol)を触媒とし
て、窒素雰囲気下室温で一晩以上反応させる。この反応
溶液を塩酸溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、塩化メチレンを蒸留することにより、粗生成物を得
る。この粗生成物をヘキサン/酢酸エチルの20/1
(v/v)混合溶液でシリカゲルを用いて分離精製し、
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−ノニル
−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレート0.
62g(75%)を得る。これは、エタノールを用いて
更に精製することができる。
【0028】本化合物の1H−NMR(CDCl3中、T
MS基準、δ値ppm)は、8.2〜7.1(m,10
H),5.7〜5.4(m,1H),2.8〜2.6
(t,2H),2.0〜1.8(q,2H),1.8〜
0.8(m,24H)であった。
【0029】また、上記化合物をポリイミドを塗布しラ
ビング処理を施した透明電極付ガラスからなる厚さ2μ
mのセルに注入し、ホットステージ付偏光顕微鏡観察に
よる相転移温度を表1に示す。また、10℃及び15℃
における応答速度も表1に示す。
【0030】実施例3 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−デシル
−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレートの合
成(R1:n−C1021,R2:n−C49) 2−フルオロ−4′−デシル−4−ビフェニルカルボン
酸と塩化チオニル等の塩素化剤とを反応させることによ
り、2−フルオロ−4′−n−デシル−4−ビフェニル
カルボン酸クロリドを調製する。この2−フルオロ−
4′−n−デシル−4−ビフェニルカルボン酸クロリド
0.35g(0.9mmol)に、従来の方法で調製し
た(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル)−2−
フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエート0.30g
(1.0mmol)を塩化メチレンを溶媒とし、トリエ
チルアミン0.10g(1.0mmol)を触媒とし
て、窒素雰囲気下室温で一晩以上反応させる。この反応
溶液を塩酸溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、塩化メチレンを蒸留することにより、粗生成物を得
る。この粗生成物をヘキサン/酢酸エチルの20/1
(v/v)混合溶液でシリカゲルを用いて分離精製し、
4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)−3−フルオロフェニル−4′−n−デシル
−2−フルオロビフェニル−4−カルボキシレート0.
47g(72%)を得る。これは、エタノールを用いて
更に精製することができる。
【0031】本化合物の1H−NMR(CDCl3中、T
MS基準、δ値ppm)は、8.2〜7.1(m,10
H),5.7〜5.4(m,1H),2.8〜2.6
(t,2H),2.0〜1.8(q,2H),1.8〜
0.8(m,26H)であった。
【0032】また、上記化合物をポリイミドを塗布しラ
ビング処理を施した透明電極付ガラスからなる厚さ2μ
mのセルに注入し、ホットステージ付偏光顕微鏡観察に
よる相転移温度を表1に示す。また、10℃及び15℃
における応答速度も表1に示す。
【0033】比較例1 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシロキシカ
ルボニル)フェニル−4′−n−デシル−ビフェニル−
4−カルボキシレートをポリイミドを塗布しラビング処
理を施した透明電極付ガラスからなる厚2μmのセルに
注入し、ホットステージ付偏光顕微鏡観察による相転位
温度を表1に示す。また、10℃及び15℃における応
答速度も表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【効果】従来の反強誘電性液晶化合物の主骨格の2ヶ所
をフッ素修飾したことにより、室温付近及び室温以下に
おいて安定な反強誘電性を示し、かつ高速応答である新
規な反強誘電性液晶化合物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三安定状態液晶の、
それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】Aは、本発明の“反”強誘電性液晶分子の三つ
の安定した配向状態を示す。Bは、Aの各(a)、
(b)、(c)に対応した三状態スイッチングと液晶分
子配列の変化を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対してダ
ブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを示
す印加電圧−光透過率特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数4〜18のアルキル基よりなる群
    から選ばれた基であり、R2は炭素数1〜10のアルキ
    ル基よりなる群から選ばれた基であり、*は光学活性炭
    素を示す。)で表わされる反強誘電性液晶化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反強誘電性液晶化合物を
    含有することを特徴とする液晶組成物。
JP17951995A 1995-06-22 1995-06-22 反強誘電性液晶化合物及びその組成物 Pending JPH0912509A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009087817A1 (ja) * 2008-01-07 2009-07-16 Santech Display Co., Ltd. 液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009087817A1 (ja) * 2008-01-07 2009-07-16 Santech Display Co., Ltd. 液晶表示装置

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