JPH09123096A - 打ち抜き装置におけるシート材の搬送方法 - Google Patents

打ち抜き装置におけるシート材の搬送方法

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JPH09123096A
JPH09123096A JP28202195A JP28202195A JPH09123096A JP H09123096 A JPH09123096 A JP H09123096A JP 28202195 A JP28202195 A JP 28202195A JP 28202195 A JP28202195 A JP 28202195A JP H09123096 A JPH09123096 A JP H09123096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート材の打抜きの生産性が向上するシート
材搬送方法を提供する。 【解決手段】 シート材21の幅方向の両側部にそれぞ
れ設けられた、シート材21の幅方向の端部を把持して
移動することにより搬送するグリッパー44a,44b
を有する一対の第1のシート材搬送機構27と、シート
材21を挟持して回転することによりシート材21を搬
送するローラー群をそれぞれ有する第2および第3のシ
ート材搬送機構28,29と、第2および第3のシート
材搬送機構28,29間に設けられ、かつシート材21
から製品部分を打ち抜くプレス機構30とを備えた打ち
抜き装置を用いる。一対の第1のシート材搬送機構27
を交互に使用して、一方の第1のシート材搬送機構27
により搬送された前段のシート材21が、プレス機構3
0により打ち抜きを終了される前に、他方の第1のシー
ト材搬送機構27により後段のシート材21を把持して
搬送し、待機させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート材からプリ
ペイドカードあるいはクレジットカード等の製品部分を
打ち抜く打ち抜き装置に関し、特に、シート材のプレス
機構への搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリペイドカードあるいはクレジットカ
ード等の磁気記録カードは、可撓性を有するシート材か
ら製品部分を打ち抜いて製造される。シート材には、製
品部分が縦横に並べて形成されている。すなわち、シー
ト材は、プラスチックからなるベースの裏面に情報記録
用の磁性材料が塗布され、両面に装飾や表示などの印刷
が施された、厚さが例えば0.2mm程度のものであ
る。また、シート材には、孔開け加工が施されているこ
ともある。これらの印刷や孔開け加工は、一般に、製品
部分の打ち抜き前に既になされているから、製品部分は
シート材の所定位置から正確に打ち抜かれなければなら
ない。
【0003】ここで、従来の磁気記録カードの打ち抜き
方法の一例を図7に基づいて説明する。符号1はシート
材、符号2はその製品部分である。この製品部分2は、
図面では、シート材1の搬送方向A(図示右方向)にお
いて6列、それと直交する方向において3列の配列にな
っているが、生産性を上げるために、一般に、搬送方向
Aの列数は少なくとも6列以上で、搬送方向Aと直交す
る方向の列数は、3〜8列である。
【0004】符号6は第1のシート材搬送機構で、この
第1のシート材搬送機構6は、シート材1における搬送
方向Aに沿う一側部を着脱自在に把持するグリッパー7
aを有し、このグリッパー7aは、ボールねじ8によ
り、前記搬送方向Aと平行な方向に移動できるように支
持されている。なお、図面では、第1のシート材搬送機
構6は1つしか図示されていないが、実際には、シート
材1の他側部を把持するグリッパー7bを備えた別の第
1のシート材搬送機構が設けられている。ボールねじ8
は、図示しないモータにより駆動される。また、符号1
1は第2のシート材搬送機構、符号12は第3のシート
材搬送機構で、これら第2のシート材搬送機構11およ
び第3のシート材搬送機構13は、それぞれウレタン等
で被覆した上下のローラー群からなり、上下に開閉する
上下ローラー群間にシート材1を着脱自在に挟み込み、
ローラーの回転により、シート材1を矢印A方向に搬送
するものである。さらに、第2のシート材搬送機構11
と第3のシート材搬送機構12との間に、打ち抜きを行
うプレス機構13が設けられている。
【0005】そして、打ち抜きに際しては、搬送されて
きたシート材1は図示しない位置決め機構により位置決
めした後、図7(a)に示すように、シート材1の両側
部を一対のグリッパー7a,7bにより把持する。この
把持は、一般にシート材1の側部の中央部あるいは搬送
方向A寄りの位置でなされる。その後、図7(b)に示
すように、グリッパー7a,7bがシート1を前方へ搬
送し、このシート材1の前部が第2のシート材搬送機構
11の上下ローラー群間に入る。しかし、シート材1の
最前列の製品部分2は、プレス機構13の打ち抜き位置
すなわちダイの孔に達していない。
【0006】その後、第2のシート材搬送機構11また
は第3のシート材搬送機構12により、シート材1が製
品部分2の前後のピッチ分ずつ前方へ搬送される。その
間に、プレス機構13により前後の各列の製品部分2が
順次打ち抜かれていく。シート材1は、はじめ第2のシ
ート材搬送機構11のみによって搬送されるが、図7
(c)に示すように、シート材1が第2のシート材搬送
機構11および第2のシート材搬送機構12の両方の上
下のローラー群間に入ってくるときには、両搬送機構1
1,12により搬送される。さらに、図7(d)に示す
ように、シート材1が第2のシート材搬送機構11の上
下のローラー群間から抜けた後は、シート材1は、第3
のシート材搬送機構12のみによって搬送される。な
お、図7(b)に示す時点で、第2のシート材搬送機構
11にシート1を受け渡すと、グリッパー7a,7b
は、シート材1の把持を解除して後方へ戻り、次のシー
ト(不図示)を把持する。
【0007】上述のようなローラーによる搬送に比べ、
ボールねじにより送られるグリッパーによるシート材の
搬送は、高精度を得られる。実際、プレス機構での打ち
抜きに際しても、グリッパーによりシート材を搬送する
方法も採られているが、グリッパーのみによりシート材
を搬送するのでは、生産性が上がらない。なぜならば、
グリッパーは、あるシート材の打ち抜きが完了してから
でないと、次のシート材を受け取りにいけないからであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシート材の搬送方法では、シート材の両側部の一対
の第1のシート材搬送機構は同期して前進し、把持した
シート材が第2のシート材搬送機構の一対のローラーに
挟み込まれた後に、同期して後退して次のシート材の搬
送動作を開始するものである。このため、シート材が位
置決め位置から第2のシート材搬送機構のシート材搬入
側に搬送されてくるまでのサイクルタイムが長く、これ
に起因して、プレス機構にシート材を供給するのに要す
るサイクルタイムも長くなる。しかも、一般にプレス機
構によりシート材の全ての製品部分の打抜きが完了する
時間は3.2秒程度と高速なために、結果的に、打抜き
に対してシート材のプレス機構への搬送が追いつかず、
プレス機構によるシート材の生産性は低いという問題点
がある。
【0009】また、一対の第1のシート材搬送機構を交
互に使用して、一方の第1のシート材搬送機構によりシ
ート材の一端部を片持ち状態で把持して搬送することが
考えられる。この場合には、シート材の打ち抜きの生産
性は向上するが、以下のようなシート材の位置ずれが発
生する恐れがある。すなわち、万が一発生しているシー
ト材のうねりやシート材自体の厚さのばらつき等に起因
して、シート材が第2のシート材搬送機構のローラーに
挟み込まれる際にグリッパーを中心に回転し、これによ
り、シート材の後端部分ほど製品部分の打ち抜き精度が
低くなる。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、打抜き装置において、シー
ト材の打抜きの生産性が向上する、打ち抜き装置におけ
るシート材の搬送方法を提供することを目的としてい
る。また、本発明のさらなる目的は、シート材のうねり
に起因する、プレス機構におけるシート材の位置ずれを
確実に防止して、打ち抜き精度の向上を図ることのでき
る、打ち抜き装置におけるシート材の搬送方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、シート材を一定方向に搬送しながら、この
シート材の所定位置に形成された製品部分を順次打抜く
打抜き方法において、前記シート材の幅方向の両側方に
それぞれ設けられた、シート材の幅方向の端部を着脱自
在に把持して移動することにより搬送するグリッパーを
有する一対の第1のシート材搬送機構と、シート材を挟
持して回転することによりシート材を搬送するローラー
群をそれぞれ有する第2のシート材搬送機構および第3
のシート材搬送機構と、これら第2のシート材搬送機構
および第3のシート材搬送機構間に設けられ、かつシー
ト材から製品部分を打ち抜くプレス機構とを備えた打ち
抜き装置を用い、前記一対の第1のシート材搬送機構を
交互に使用するものであり、予め位置決めされた前段の
シート材を一方の前記第1のシート材搬送機構のグリッ
パーにより把持して前進させることにより、この前段の
シート材を搬送して第2のシート材搬送機構に挟み込ま
せ、この後、このグリッパーを後退させ、一方、この前
段のシート材が前記プレス機構により全ての製品部分の
打ち抜きを終了される前に、他方の前記第1のシート材
搬送機構により、予め位置決めされた次の後段のシート
材を把持して第2のシート材搬送機構側に搬送して待機
させておくことを特徴とするものである。
【0012】また、前記第2のシート材搬送機構の直前
で、かつ前記シート材の幅方向にほぼ対向する位置にそ
れぞれ設けられた一対のクランプ部材を備えた打ち抜き
装置を用い、前記シート材が前記第2のシート材搬送機
構のローラー間に挟み込まれる直前から直後までの間
に、使用していない方の第1のシート材搬送機構のグリ
ッパー側のクランプ部材により、前記シート材の幅方向
の端部を一時的に挟持することを特徴とするものであ
る。さらに、前記クランプ部材により前記シート材の端
部を、その幅方向外方へ引っ張ることを特徴とするもの
である。
【0013】以下、本発明の作用について説明する。請
求項1に記載の発明では、一方の第1のシート材搬送機
構により前段のシート材が第2のシート材搬送機構に受
け渡される間に、他方の第1のシート材搬送機構により
後段のシート材を把持できて、前段のシート材の打ち抜
きが終了する前に、後段のシート材を待機させることが
できる。
【0014】請求項2に記載の発明では、一方の第1の
シート材搬送機構のグリッパーにより搬送されるシート
材が第2のシート材搬送機構のローラーに挟み込まれる
直前から直後までに、他方の第1のシート材搬送機構側
のクランプ部材によりシート材の端部を一時的に挟持す
る。これにより、万が一発生しているシート材のうねり
等に起因して、シート材が第2のシート材搬送機構のロ
ーラーに挟み込まれる際にシート材がグリッパーを中心
として回転しようとする力に対抗して、前記回転を阻止
し、シート材の位置ずれを防止する。請求項3に記載の
発明では、前記クランプ部材により前記シート材の端部
をその側方外方へ引っ張ることにより、シート材は幅方
向に若干の張力を受けた状態で第2のシート材搬送機構
に挟み込まれ、前記位置ずれの防止が確実なものとな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態例につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明のシート材
の搬送方法の一実施形態例の各工程を示す図、図2は本
発明のシート材の搬送方法を実施する際に使用する打ち
抜き装置の平面図(上面図)、図3は図2のプレス機構
の側面図、図4は図2におけるX−X線断面図である。
【0016】図1および図2に示すように、符号21は
可撓性を有するシート材で、このシート材21は、図1
に示すように、その所定位置に形成された複数の製品部
分22を有している。これら製品部分22は、シート材
21の搬送方向A(図示右方向)において6列、それと
直交する方向において3列に並んでいるが、これに限ら
れない。なお、図2において一点鎖線で示したシート材
21および二点鎖線で示したシート材21は、それぞれ
前段のシート材および後段のシート材を示している。
【0017】ここで、本実施例で用いる打ち抜き装置の
構成を説明する。なお、以下の説明において、搬送方向
Aを前方とする。図2に示すように、符号26はベルト
コンベヤー、符号27はこのベルトコンベヤー26を挟
んで左右一対ある第1のシート材搬送機構、符号28は
これら第1のシート材搬送機構27の前方にある第2の
シート材搬送機構、符号29はこの第2のシート材搬送
機構28の前方にある第3のシート材搬送機構、符号3
0はこれら第2のシート材搬送機構28と第3のシート
材搬送機構29との間に設けられたプレス機構である。
【0018】テーブル31上に設けられた前記ベルトコ
ンベヤー26は、打ち抜き前のシート材21を載せて前
方へ搬送するものであるが、テーブル31上においてベ
ルトコンベヤー26の前部の周囲には、シート材21を
位置決めするための位置決め機構が設けられている。こ
の位置決め機構は、ベルトコンベヤー26の前方近傍に
位置する第1のゲージピン32と、ベルトコンベヤー2
6の右方に位置する前後一対の第2のゲージピン33
と、ベルトコンベヤー26の左方に位置し前記両第2の
ゲージピン33にそれぞれ対向する一対の板ばね34と
を有している。前記第1のゲージピン32は、エアシリ
ンダー35により上下に駆動される。前記両第2のゲー
ジピン33は、エアシリンダー36により同時に左右に
駆動される。前記両板ばね34は、エアシリンダー37
により同時に左右に駆動される。
【0019】次に、前記第1のシート材搬送機構27の
構成を説明する。前記テーブル31上の左右両側部に
は、前後方向を軸方向としてボールねじ41が軸支され
ている。これら両ボールねじ41は、それぞれベルトお
よびプーリーからなる動力伝達機構42を介してサーボ
モーター43により独立に回転駆動されるものである。
そして、各ボールねじ41には、それぞれグリッパー4
4a,44bが支持されている。これらグリッパー44
a,44bは、各ボールねじ41の回転に伴って前後に
独立して移動するものである。そして、各グリッパー4
4a,44bは、空気駆動により上下に開閉してシート
材21の右側部または左側部を着脱自在に保持するもの
である。また、各ボールねじ41の後端には、それぞれ
ロータリーエンコーダー45が接続されている。これに
より、グリッパー44a,44bの位置を正確に制御で
きるようになっている。
【0020】本実施例の特徴としては、図2および図4
に示すように、グリッパー44a(44b)が前進位置
にある状態において、このグリッパー44a(44b)
にそれぞれ対向するような位置に、クランプ機構70a
(70b)がそれぞれ設けられていることである。すな
わち、シート材21の幅方向に対向するように一対のク
ランプ機構70a,70bがそれぞれ設けられており、
一対のクランプ機構70a,70bの構成は同一になっ
ているので、一方のクランプ機構70aについて説明す
る。軸部材74の先端(上端)に固定クランプ部材73
が固定され、一方、その上方に設けられた軸部材72の
先端(下端)には可動クランプ部材71が設けられてい
る。上方の軸部材72は図示しない駆動機構により上下
方向(矢印Z方向)に移動されるように構成され、これ
により、可動クランプ部材71および固定クランプ部材
73によりシート材21を挟持できる。なお、シート材
21は、可動クランプ部材71および固定クランプ部材
73により、製品部分22外の部位がクランプされる。
下方の軸部材74は、例えば打ち抜き装置のフレーム
(不図示)に固定され、上方の軸部材72は前記フレー
ムに設けられた前記駆動機構により移動される。
【0021】これら一対のクランプ機構70a,70b
は同時に駆動するのではなく、すなわち、一方の第1の
シート材搬送機構27のグリッパー44aによりシート
材21が搬送される際には、使用していない方の第1の
シート材搬送機構27のグリッパー44b側のクランプ
機構70bを使用するものである(図4の一点鎖線参
照)。その駆動タイミングは、シート材21が第2のシ
ート材搬送機構28のローラー51,53間に挟み込ま
れる直前から直後までの間に、一方のクランプ機構70
bの可動クランプ部材71を下降させて前記シート材2
1の幅方向の端部を一時的に挟持するのである。可動ク
ランプ部材71および固定クランプ部材73の表面は、
ウレタンゴム等の適当な弾性体で被覆されており、これ
により、シート材21に傷が付くことはない。なお、下
側の固定クランプ部材73を可動クランプ部材71と同
様に上下移動できるものとしてもよい。
【0022】次に、前記第2のシート材搬送機構28お
よび第3のシート材搬送機構29の構成を説明する。両
搬送機構28,29は、プレス機構30のベース50上
に設けられており、それぞれ左右方向を軸方向とする送
りローラー51,52とこれら送りローラー51,52
の上方に位置する左右方向を軸方向とする押えローラー
53,54とを有している。送りローラー51,52
は、それぞれ位置が固定しており、ベルトおよびプーリ
ーからなる動力伝達装置55を介して1つのサーボモー
ター56により共通に回転駆動されるものである。両送
りローラー51,52は同時に同速で回転する。また、
押えローラー53,54は、それぞれ、エアシリンダー
57,58により上下方向に駆動されて、送りローラー
51,52に従動して回転するものである。なお、ロー
ラー51,52,53,54は、いずれも表面をウレタ
ンゴムなどの適当な弾性体で被覆してある。
【0023】次に、前記プレス機構30の構成を説明す
る。このプレス機構30は、図3に示すように、前記ベ
ース50の上面に下金型61が取付けられているととも
に、ベース50の上方に位置した上ラム62の下面に上
金型63が取付けられている。そして、上ラム62が上
下に駆動されるに従い、下金型61と上金型63とが開
閉するものである。なお、下金型61が、前記第2のシ
ート材搬送機構28の送りローラー51と第3のシート
材搬送機構29の送りローラー52との間に位置してお
り、かつ、これらの上面が同一高さに位置している。な
お、図示はしていないが、プレス機構30はプッシュバ
ック式のもので、シート材21から打ち抜いた製品部分
22を分離させるための製品分離機構66が第3のシー
ト材搬送機構29の前方に設けられている。
【0024】次に、打ち抜き方法について説明する。図
1に示すように、シート材21は、先ず、ベルトコンベ
ヤー26により前方へ搬送されてきて、上昇した第1の
ゲージピン32に突き当たって止まる。ここで、図2に
鎖線で示すように、第2のゲージピン33が左方へ前進
するとともに、板ばね34が右方へ前進してシート材2
1を第2のゲージピン33へ押し当てる。こうして、ゲ
ージピン32,33により、シート材21は、その互い
に直交する2辺を基準として位置決めされる。この位置
決め後、一方の第1のシート材搬送機構27のグリッパ
ー44aがシート材21aの側部を把持する。ついで、
第1のゲージピン32が下降し、第2のゲージピン33
および板ばね34が後退した後、一方のグリッパー44
aが前方へ前進し、シート材21が前方へ搬送される。
【0025】図1(a)に示すように、第1のシート材
搬送機構27によるシート材21の搬送によって、この
シート材21の前部の列の製品部分22がプレス機構3
0の打ち抜き位置すなわち下金型61のダイの孔上の位
置まで送り込まれる。ここで、第2のシート材搬送機構
28の押えローラー53が下降し、この押えローラー5
3と送りローラー51との間にシート材21が挟み込ま
れて保持される。その後、グリッパー44aは、シート
材21の保持を解除して後方へ戻る。この押えローラー
53および送りローラー51によるシート材21の挟み
込みの直前から直後の間に、他方の第1のシート材搬送
機構27側のクランプ機構70bを駆動して、可動およ
び固定クランプ部材71,73によりシート材21の他
端部を挟持する。これにより、シート材21が第2のシ
ート材搬送機構28のローラー51,53に挟み込まれ
る際にシート材21がグリッパー44aを中心として回
転しようとする力に対抗して、前記回転を阻止してシー
ト材21の位置ずれを防止できる。この間、他方の第1
のシート材搬送機構27のグリッパー44bは、予め位
置決めされた後段のシート材21の側部を把持して前進
することにより、前段のシート材21が後述する打ち抜
きを終了される前に、後段のシート材21を、第2のシ
ート材搬送機構28のシート材搬入側に待機させてお
く。このように、後段のシート材21の搬送は他方のグ
リッパー44bにより行われ、そして、このシート材2
1の位置ずれを防止するために、今度は他方のクランプ
機構70aが使用される。
【0026】なお、プレス機構30において、上金型6
3が下降することにより、シート材21の前部の列の製
品部分22が打ち抜かれる。プレス機構30はプッシュ
バック式のものであり、シート材21から打ち抜かれた
製品部分22は、いったんシート材21に戻され、その
後、このシート材21とともに搬送されて、プレス機構
30から搬出される。
【0027】シート材21の前部の列の製品部分22が
打ち抜かれ、上金型63が上昇した後、第2のシート材
搬送機構28の送りローラー51および押えローラー5
3が回転し、これによりシート材21が1ピッチ前方へ
搬送され、図1(b)に示すように、このシート材21
の次の列の製品部分22がプレス機構30の打ち抜き位
置に送り込まれる。なお、それに従い、シート材21の
前部は、第3のシート材搬送機構29の送りローラー5
2と押えローラー54との間に入るが、その後、この押
えローラー54が下降して、送りローラー52と押えロ
ーラー54との間にシート材21が挟み込まれて保持さ
れる。そして、上金型63が下降することにより、シー
ト材21の次の列の製品部分が打ち抜かれる。
【0028】シート材21の次の列の製品部分22が打
ち抜かれ、上金型62が上昇した後、第3のシート材搬
送機構29の送りローラー52および押えローラー54
が回転し、これにより、シート材21が1ピッチ前方へ
搬送され、図1(c)に示すように、このシート材21
のさらに次の列の製品部分22がプレス機構30に送り
込まれる。このような動作が繰り返されて、シート材2
1の全ての製品部分22の打ち抜きが完了する。
【0029】その後、シート材21はさらに前方へ搬送
されるが、製品分離機構66において、シート材21か
ら製品部分22が分離されれて回収される。製品部分2
2が分離されたシート材21の残材は別に回収される。
なお、シート材21が第3のシート材搬送機構29から
抜けた後、その押えローラー54は上昇する。
【0030】以上のように、シート材21は、順次プレ
ス機構30へ送られて打ち抜かれていくが、一対ある第
1のシート材搬送機構27は、プレス機構30へ交互に
シート材21を搬送する。これは、シート材21の搬送
のサイクルを短縮するためであるが、グリッパー44
a,44bによりシート材21は片持ちになる。しか
し、シート材21の両側部をグリッパー44a,44b
により保持する両持ちよりも、片持ちの方がシート材2
1がよれず、位置精度は上がる。
【0031】また、一対の第1のシート材搬送機構27
を交互に使用して、一方の第1のシート材搬送機構27
のグリッパー44aによりプレス機構30に向けて搬送
された前段のシート材21がプレス機構30により打ち
抜き中に、他方の第1のシート材搬送機構27のグリッ
パー44bにより後段のシート材21を把持してプレス
機構30に対して待機させることができ。結果的に、シ
ート材の搬送サイクルタイムが短縮できて、高速度な打
ち抜きに対応でき、シート材の打ち抜きの生産性が向上
する。なお、第1のシート材搬送機構27の一方のグリ
ッパー44aにより、シート材21の前部の列の製品部
分22をプレス機構30の打ち抜き位置まで送り込む
が、シート材21が第2のシート材搬送機構28に挟み
込まれた後、このグリッパー44aは、シート材21か
ら離れて後段のシート材21の次のシート材(不図示)
の搬送に使用される。このようにして、一対の第1のシ
ート材搬送機構27は交互に使用されるのである。
【0032】図5はクランプ機構の他の実施形態例を示
す図であり、この例では、クランプ機構80aの可動ク
ランプ部材81は、シート材21の幅方向の外方へ強制
回転(矢印θ参照)するローラーであり、その他の構成
は図4のものと同一である。これにより、強制回転する
クランプ部材81によりシート材21の端部をその側方
外方へ引っ張ることにより、シート材21は幅方向に若
干の張力を受けた状態で第2のシート材搬送機構28に
挟み込まれ、前記位置ずれの防止が確実なものとなる。
【0033】図6はクランプ機構のさらに他の実施形態
例の図であり、この例では、クランプ機構90aの固定
クランプ部材93の上面が、シート材の端部の外方へ向
けて緩やかに傾斜しており、これに対応して、可動クラ
ンプ部材91の下面も傾斜しているものであり、その他
の構成は図4のものと同一である。本実施形態例におい
ても、可動クランプ部材91によりシート材21の端部
をその側方外方へ引っ張ることにより、シート材21は
幅方向に若干の張力を受けた状態で第2のシート材搬送
機構28に挟み込まれ、前記位置ずれの防止が確実なも
のとなる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりの構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明は、一対の第1のシート材搬送機構
を交互に使用して、一方の第1のシート材搬送機構によ
りプレス機構に向けて搬送された前段のシート材が、プ
レス機構により打ち抜き工程を終了される前に、他方の
第1のシート材搬送機構により後段のシート材を把持し
てプレス機構に対して待機させることができて、結果的
に、打ち抜き装置において、シート材の打ち抜きの生産
性が向上する。請求項2に記載の発明は、上記効果の
他、シート材が第2のシート材搬送機構に受け渡される
際のシート材の位置ずれを防止して、プレス機構におけ
る打ち抜き位置精度を±0.1mmの範囲内に押えるこ
とができる。請求項3に記載の発明は、上記効果の他、
位置精度のさらなる向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート材の搬送方法の一実施形態例の
各工程を説明するための図である。
【図2】本発明のシート材の搬送方法の一実施形態例を
行う際に使用する打ち抜き装置の平面図(上面図)であ
る。
【図3】図2のプレス機構の側面図である。
【図4】図2におけるX−X線断面図である。
【図5】本発明におけるクランプ機構の他の実施例を示
す、図4に相当する図である。
【図6】本発明におけるクランプ機構のさらに他の実施
例を示す、図4に相当する図である。
【図7】従来のシート材の搬送方法の各工程を説明する
ための平面図(上面図)である。
【符号の説明】
21 シート材 22 製品部分 26 ベルトコンベヤー 27 第1のシート材搬送
機構 28 第2のシート材搬送
機構 29 第3のシート材搬送
機構 30 プレス機構 31 テーブル 32 第1のゲージピン 33 第2のゲージピン 34 板ばね 35,36,37 エアシリンダー 41 ボールねじ 42 動力伝達装置 43 サーボモーター 44a,44b グリッパー 45 ロータリーエンコー
ダー 50 ベース 51,52 送りローラー 53,54 押えローラー 55 動力伝達装置 56 サーボモーター 57,58 エアシリンダー 61 下金型 62 上ラム 63 上金型 66 製品分離機構 70a,70b,80a,80b クランプ機構 71,81,91 可動クランプ部材 72,82,92 軸部材 73,83,93 固定クランプ部材 74,84,94 軸部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材を一定方向に搬送しながら、こ
    のシート材の所定位置に形成された製品部分を順次打抜
    く打抜き方法において、 前記シート材の幅方向の両側方にそれぞれ設けられた、
    シート材の幅方向の端部を着脱自在に把持して移動する
    ことにより搬送するグリッパーを有する一対の第1のシ
    ート材搬送機構と、シート材を挟持して回転することに
    よりシート材を搬送するローラー群をそれぞれ有する第
    2のシート材搬送機構および第3のシート材搬送機構
    と、これら第2のシート材搬送機構および第3のシート
    材搬送機構間に設けられ、かつシート材から製品部分を
    打ち抜くプレス機構とを備えた打ち抜き装置を用い、 前記一対の第1のシート材搬送機構を交互に使用するも
    のであり、予め位置決めされた前段のシート材を一方の
    前記第1のシート材搬送機構のグリッパーにより把持し
    て前進させることにより、この前段のシート材を搬送し
    て第2のシート材搬送機構に挟み込ませ、この後、この
    グリッパーを後退させ、一方、この前段のシート材が前
    記プレス機構により全ての製品部分の打ち抜きを終了さ
    れる前に、他方の前記第1のシート材搬送機構により、
    予め位置決めされた次の後段のシート材を把持して第2
    のシート材搬送機構側に搬送して待機させておくことを
    特徴とする、打ち抜き装置におけるシート材の搬送方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2のシート材搬送機構の直前で、
    かつ前記シート材の幅方向にほぼ対向する位置にそれぞ
    れ設けられた一対のクランプ部材を備えた打ち抜き装置
    を用い、 前記シート材が前記第2のシート材搬送機構のローラー
    間に挟み込まれる直前から直後までの間に、使用してい
    ない方の第1のシート材搬送機構のグリッパー側のクラ
    ンプ部材により、前記シート材の幅方向の端部を一時的
    に挟持することを特徴とする請求項1に記載の打ち抜き
    装置におけるシート材の搬送方法。
  3. 【請求項3】 前記クランプ部材により前記シート材の
    端部を、その幅方向外方へ引っ張ることを特徴とする請
    求項2に記載の打ち抜き装置におけるシート材の搬送方
    法。
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