JPH09122067A - 超音波内視鏡 - Google Patents

超音波内視鏡

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Publication number
JPH09122067A
JPH09122067A JP7283495A JP28349595A JPH09122067A JP H09122067 A JPH09122067 A JP H09122067A JP 7283495 A JP7283495 A JP 7283495A JP 28349595 A JP28349595 A JP 28349595A JP H09122067 A JPH09122067 A JP H09122067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
puncture needle
ultrasonic
forceps
tip
puncture
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7283495A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Sei
俊広 静
Shinichi Tsutaki
新一 蔦木
Kenji Hirooka
健児 廣岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7283495A priority Critical patent/JPH09122067A/ja
Publication of JPH09122067A publication Critical patent/JPH09122067A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/00064Constructional details of the endoscope body
    • A61B1/00071Insertion part of the endoscope body
    • A61B1/0008Insertion part of the endoscope body characterised by distal tip features
    • A61B1/00098Deflecting means for inserted tools
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/34Trocars; Puncturing needles
    • A61B17/3478Endoscopic needles, e.g. for infusion

Abstract

(57)【要約】 【課題】 穿刺針の操作を適正に行うことができる超音
波内視鏡とすること。 【解決手段】 鉗子起上台(44)が最も下がった際に
先端硬質部挿通孔(49)と鉗子起上台(44)の挿通
孔(43)がほぼ同一軸上に位置し、先端硬質部の鉗子
出口(50)の最上点(B点)と鉗子起上台(44)の
挿通孔(43)の手元側最上点(A点)が鉗子起上台
(44)の揺動中心軸に対して等距離に位置するように
構成し、どの起上角度においても穿刺針、シースに対し
て起上操作による剪断力が加わることがないようにし、
穿刺針に曲がり癖がつきにくくまたシースを潰したり進
退不能にしてしまうことがないようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を利用して
体腔内を観察し、さらに診断するための超音波内視鏡に
関する。
【0002】
【従来の技術】体腔内の深部を診断するには通常の内視
鏡による光学的観察では行えず、超音波を利用して体腔
内を観察し、さらに診断する方法がとられている。この
場合、超音波断層像を得るだけではなく、処置具により
体腔内の深部の細胞等を採取することも行われる。例え
ば、特開平1−124444号公報には、内視鏡の挿入
部先端に超音波プローブと穿刺針出口を設け、超音波断
層像のガイド下穿刺を行う装置が提案されている。これ
は、穿刺針を突出させる際は台状の起上台を介して穿刺
針を曲げ、突出角を変えようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に穿刺針
は金属等のパイプで形成されているため硬く弾性が大き
い。そのため、内視鏡(軟性鏡)の挿入部や湾曲部の曲
がり具合によっては、穿刺針の突出方向に適正さを欠く
ことがある。例えば、内視鏡の湾曲部が右に湾曲してい
る場合、穿刺針自体の弾性によって穿刺針出口から突出
した穿刺針先端が左方にそれてしまう。これは、穿刺針
が起上台によって一方の面からのみ押圧されており、他
方向には支持されていないことになる。
【0004】また、穿刺針に過度な起上角を与えた場合
や、穿刺作業中に内視鏡の移動、生体の運動が生じ穿刺
針に大きな外力が加わった場合、または硬い組織に穿刺
を行うために大きな力が加わった場合等に、穿刺針が塑
性変形を起こし曲がり癖がついてしまうという不具合が
あった。このような一方の面からのみ押圧する起上台で
は起上角を大きく操作することは可能であるが、穿刺針
に一旦曲がり癖がついてしまった場合は起上角を小さく
操作することはできなくなる。
【0005】本発明は前記の不具合を解決すべく提案さ
れるもので、穿刺針の操作を適正に行うことができる超
音波内視鏡を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、挿入部に処置具を挿通するチャンネルを形
成し、挿入部の先端硬質部に、挿入軸と平行な面を走査
する超音波走査機構と、超音波走査面上に前記処置具を
突出させるチャンネル出口と、前記処置具の突出角度を
調整可能に揺動する起上台を設けた超音波内視鏡におい
て、前記先端硬質部及び前記起上台に前記処置具の外形
とほぼ同径の挿通孔を形成し、前記起上台が最も下がっ
た際に前記先端硬質部の挿通孔と前記起上台の挿通孔が
ほぼ同一軸上に位置し、前記先端硬質部のチャンネル出
口の最上点と前記起上台挿通孔の手元側の最上点が前記
起上台の揺動中心軸点から等距離に位置するように構成
したことを特徴とする超音波内視鏡とした。
【0007】このように構成してあるので、内視鏡操作
部の起上レバーを操作すると起上ワイヤが起上台のワイ
ヤ取り付け部に揺動力を伝える。すると、起上台は挿通
孔の最上点と先端硬質部のチャンネル出口の最上点と等
距離にある揺動中心軸点を中心に揺動し、穿刺針に大き
な起上角を適正に与える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を詳細に説明していく。図1は本発明の第
1の実施の形態に係る超音波内視鏡を用いた超音波診断
装置の全体図である。超音波診断装置は、超音波内視鏡
1と超音波観測装置2を有している。超音波内視鏡1
は、先端硬質部3、湾曲部4、可撓部5を有する挿入部
6と、手元側の操作部7、副操作部8、接眼部9さらに
操作部7から図示していない光源装置に接続するユニバ
ーサルコード10、副操作部8から超音波観測装置2に
接続する超音波コード11を有する。
【0009】また、先端硬質部3には必要に応じ着脱自
在なラテックス製のバルーン12が装着される。そし
て、操作部7内に設けられた図示していないバルーン給
排水機構によりバルーン12内に脱気水等が給排される
ようになっている。また、操作部7の先端部側には鉗子
挿入口13が設けられており、図示していないチャンネ
ルを経由して先端硬質部3まで通じている。そして、鉗
子挿入口13から穿刺針14が挿通されるが、この穿刺
針14にはシリンジ15を連結できるようになってい
る。さらに、操作部7の手元側に湾曲部4を制御するた
めのアングルノブ16、吸引ボタン17、送気・送水ボ
タン18が設けられている。
【0010】また、挿入部6にはガイドチューブ19が
内蔵されており、その中にフレキシブルシャフト20が
収納されるとともに潤滑油が充填されている。フレキシ
ブルシャフト20の一端は副操作部8内に設けられたモ
ータ21に連結され、このモータ21とエンコーダ22
は、タイミングベルト23で連結されている。
【0011】図2は先端硬質部3の一部断面図であり、
図3は斜視図である。図示のように超音波振動子24が
挿入軸に対して垂直に、かつ中心軸側に超音波受波面を
向けて配設され、表面に音響レンズ25が付設されてい
る。超音波振動子24に接続されたケーブル26は、挿
入部6を経て副操作部8内の図示していないアンプ回路
に接続されている。
【0012】また、先端硬質部本体3aには挿入軸を回
転軸とするように軸受け27で支持され、フレキシブル
シャフト20に連結された駆動シャフト28が設けら
れ、この駆動シャフト28に駆動傘歯車29が連結さ
れ、駆動傘歯車29には従動傘歯車30が超音波振動子
24に対向するように噛合されている。また、従動傘歯
車30は保持部材31に取り付けられており、この保持
部材31は先端硬質部本体3aに対して挿入軸に平行に
移動可能であり移動方向に微調整できるようになってい
る。この部分の詳細は図4(図2におけるA−A断面
図)に示してあり、保持部材31には挿入軸方向に溝3
2が形成され、先端硬質部本体3aには溝32に嵌合す
る嵌合部33が形成されている。さらに、保持部材31
はネジ34によって先端硬質部本体3aに固定されてい
る。そして、ネジ34を緩めると保持部材31は先端硬
質部本体3aに対して前後にのみ微動可能となり、ネジ
34を締めると先端硬質部本体3aに対して固定され
る。したがって、この部分を組み立てる場合は駆動傘歯
車29と従動傘歯車30が適正に回転を伝達できる範囲
内に保持部材31を調整し固定すればよい。
【0013】また、駆動傘歯車29と従動傘歯車30
は、歯数比が1:1で軸角は90度で両者は最適な歯当
たり位置に噛合されている。なお、駆動傘歯車29と従
動傘歯車30は、自己潤滑性の高いポリアセタール等の
樹脂材料で形成されている。また、従動傘歯車30のピ
ッチ円錐頂点側に超音波ミラー35が取り付けられてお
り、この超音波ミラー35は中心軸を従動傘歯車30の
中心軸と一致させた略円筒形状であり、直径は超音波振
動子24の開口よりやや小さく形成されている。
【0014】また、先端硬質部3の先端側は超音波を透
過する樹脂材料(例えば、硬質ポリエチレン、PMP
等)で形成されたキャップ36で覆われ、キャップ36
の基部は先端硬質部本体3aに対して液密に固定されて
いる。さらに、キャップ36は図5(図2におけるB−
B断面図)に示すように断面形状が略楕円形状であり、
先端側の短軸方向縦断面形状は超音波ミラー35の反射
面と中心を一致させた半円形状である。また、キャップ
36内には超音波伝達媒体37(例えば、流動パラフィ
ンやカルボキシルメチルセルロース水溶液等)が充填さ
れている。なお、キャップ36内面と超音波振動子2
4、保持部材31とは、0.2〜1mm程度の間隙が形
成されている。
【0015】また、先端硬質部本体3aにはキャップ3
6の内部と連絡する2本の媒体注入路38が形成され、
この媒体注入路38の手元側開口は着脱自在なプラグ3
9で液密に封止されている。なお、媒体注入路38の他
端は、それぞれキャップ36の手元側でかつキャップ内
壁に向かって開口している。また、先端硬質部の手元側
には照明光学系40、観察光学系41、送気・送水ノズ
ル42が設けられている。さらに、これらの近傍に挿通
孔43が形成された鉗子起上台44が揺動可能に設けら
れている(図2)。なお、45はバルーン装着用の溝で
あり、46は超音波走査面を示している(図3)。
【0016】図6は鉗子起上台44周辺を明らかにする
縦断面図である。図示のように、挿入部6に形成されて
いるチャンネル47を挿通してきたシース48は、先端
硬質部挿通孔49を経て鉗子出口(チャンネル出口)5
0から先端硬質部3外に突出するようになっている。な
お、チャンネル47、先端硬質部挿通孔49、鉗子起上
台44の挿通孔43の内径は、シース48の外径にほぼ
等しくなっている。また、先端硬質部挿通孔49、鉗子
起上台44の挿通孔43は、超音波走査面46(図3)
と同一面上に位置し、鉗子起上台44の回転軸51は超
音波走査面46に対して垂直に設けてある。さらに、鉗
子起上台44には図示していないワイヤを取り付けるワ
イヤ取り付け部52が設けられており、鉗子起上台44
は操作部7の鉗子起上ノブ(図示しない)の操作により
揺動するようになっている。
【0017】図7は、鉗子起上台44の動作を説明する
ための拡大断面図である。この断面図は超音波走査面4
6と同じ面でカットしたものであるが、図7Aは鉗子起
上台44が矢印方向に揺動し最も下がった状態を示して
おり、図7Bは鉗子起上台44が最も上がった状態を示
している。鉗子起上台44に起上をかけない場合は、図
7Aに示すように鉗子起上台44の挿通孔43と先端硬
質部挿通孔49は略同一軸上に位置する。そして、鉗子
起上台44の挿通孔43手元側の上端をA点とし、先端
硬質部挿通孔49の先端側の上端をB点とし、鉗子起上
台44の回転軸51の中心軸点をC点とした場合、C点
とA点との距離及びC点とB点の距離は等距離となるよ
うに構成されている。また、操作部7の鉗子起上ノブを
引いて鉗子起上台44に起上をかけると図7Bに示すよ
うに、鉗子起上台44は回転軸51を介して立ち上が
る。
【0018】次に、第1の実施の形態の作用について説
明する。超音波ガイド下で穿刺を行う場合、超音波内視
鏡1の挿入部6を体腔内に挿入し、光学系による観察を
しながらアングルノブ16を操作して先端硬質部3を目
的部位の近傍に位置させる。そして、超音波観測装置2
を起動し超音波観察を開始する。
【0019】超音波観測装置2を起動すると、副操作部
8内のモータ21が回転し、回転力がフレキシブルシャ
フト20を介して先端硬質部3の駆動傘歯車29に伝え
られる。すると、駆動傘歯車29に噛合する従動傘歯車
30が回転し超音波ミラー35が回転する。同時に超音
波観測装置2が発生したパルスが超音波コード11、先
端硬質部3内のケーブル26を介して超音波振動子24
に伝達され、超音波振動子24がパルス状の超音波を発
生する。
【0020】超音波は超音波振動子24表面の音響レン
ズ25によって収束され、超音波ミラー35で反射され
るとともに90度偏向され、先端硬質部3の挿入軸に平
行な走査面上に放射されていく。こうして、体腔内に放
射された超音波は体腔内の組織によって反射や減衰を起
こし、反射波は再び超音波ミラー35を介して超音波振
動子24に入射し感知される。
【0021】一方、副操作部8内のエンコーダ22がタ
イミングベルト23によってモータ21の位相を検知し
ており、超音波信号と位相信号とにより超音波断層像が
合成される。この超音波断層像は挿入軸に平行な平面の
像であり、先端硬質部3によって超音波が遮られる範囲
(後方)を除いて前方から側方の像である。なお、必要
に応じバルーン12に超音波伝達媒体37を注水して膨
張させ、体腔内の粘膜等と接触させ適正な超音波断層像
を得るようにする。
【0022】そして、超音波断層像上で細胞吸引生検し
たい部位を発見したら、バルーン12を収縮させた後、
鉗子挿入口13から穿刺針14を有するシース48を挿
入する。この場合、穿刺針14の先端はシース48から
引き込まれた状態である。その後、シース48先端を先
端硬質部3から突出させ、超音波観察できる位置まで進
ませる。この段階で鉗子起上ノブを操作することにより
鉗子起上台44を図7Bに示すように起上させ、シース
48の向きを穿刺目標に向け、さらに穿刺針14を押し
出して目的部位まで誘導する。
【0023】超音波断層像下で穿刺針14の先端が目的
部位まで到達したことを確認したところで、穿刺針14
内に挿入されていたスタイレットを抜去し、さらに穿刺
針14後端に図1に示すようにシリンジ15を接続し、
吸引することにより細胞、組織等を採取する。目的部位
に薬液を注入したい場合は、シリンジ15によって注入
することになる。
【0024】第1の実施の形態によれば、鉗子起上台4
4が最も下がった際に先端硬質部挿通孔49と鉗子起上
台44の挿通孔43がほぼ同一軸上に位置し、先端硬質
部3の鉗子出口50の最上点と鉗子起上台44の挿通孔
43の手元側の最上点が鉗子起上台44の揺動中心軸に
対して等距離に位置するように構成したため、どの起上
角度においても穿刺針14、シース48に対して起上操
作による剪断力が加わることがないので、穿刺針14に
曲がり癖がつきにくく、またシースを潰したり進退不能
にしてしまうことがない。また、穿刺針14の突出方向
を鉗子起上台44によって調整することができるため、
広範囲な穿刺を行うことができる。
【0025】また、先端硬質部挿通孔49と鉗子起上台
44の挿通孔43を穿刺針14のシース48径とほぼ等
しくしたため、穿刺針14が超音波内視鏡1内で遊動す
ることがなくなり穿刺針14の進退動を円滑に行わせる
ことができる。さらに、挿入部6が湾曲状態にあっても
穿刺針14先端を超音波走査面上に適正に突出させるこ
とができる。また、鉗子起上台44を孔開き形状とした
ため、穿刺針14に対して起上角を小さくする方向の力
を与えるようになり、特に穿刺針14に曲がり癖がつい
てしまったり、穿刺した組織が硬く針の方向にがそれて
しまったような場合に効果的である。また、穿刺針14
の突出、さらに穿刺作業を超音波断層像下で行うことが
できるので、適正かつ安全に実施できる。
【0026】また、超音波振動子24の表面に音響レン
ズ25を設けてあるので、超音波ミラー35に入射する
超音波を収束でき、超音波ミラー35の直径を超音波振
動子24の開口より小さく形成できるとともに、超音波
ミラー35を駆動する傘歯車も小さく形成できひいては
先端硬質部3の小型化を図れる。また、超音波伝達媒体
の媒体注入路38を2本形成し、キャップ36内におけ
る開口をキャップ36内面側の挿入軸を挟んだ相互に反
対側に設けてあるので、一方の注入口から空気を吸引し
つつ他方の注入口から超音波伝達媒体37を注入する作
業を容易に行える。
【0027】また、駆動傘歯車29、従動傘歯車30を
樹脂製としたため、歯車による超音波の反射は金属製の
ものに比較して小さくなり、超音波画像上に表れる不要
な虚像を低減できる。また、キャップ36と先端部硬質
部本体3aとの間に間隙を設けてあるので、使用中に先
端硬質部3に外力が加わってもキャップ36が弾性変形
して外力を吸収し、内部の傘歯車等の回転機構に力が加
わって歯当たりが変わってしまい回転が阻害されてしま
う事態を防止できる。
【0028】図8は第2の実施の形態を示したもので、
鉗子起上台53近傍の拡大断面図である。第1の実施の
形態と対応する箇所には同一符号を付した。第2の実施
の形態では、鉗子起上台53は挿通孔54がC字状を呈
しており、この挿通孔54の開放口54aは穿刺針14
のシース48径より細く形成され、挿通孔54内部の口
径は穿刺針14のシース48の径とほぼ同径に形成され
ている。他の構成、作用については第1の実施の形態と
同様である。
【0029】以上のように構成されている第2の実施の
形態は、第1の実施の形態の効果に加え、第1の実施の
形態の鉗子起上台に比較して幅を狭く形成できるので、
先端硬質部の外径を細くできることとなり被検者の苦痛
を軽減できる。
【0030】図9、図10は、第3の実施の形態を示し
たものである。超音波断層像下で穿刺針を用い細胞吸引
生検を行う場合、穿刺針を超音波走査面上に突出させな
いと穿刺針を超音波断層像上で確認することができな
い。一方、穿刺針による細胞吸引生検においては、細い
穿刺針を硬い組織に刺すことになるため穿刺針にある程
度の力を加えることになる。また、組織の硬さが一定で
ないことが多く、さらに超音波内視鏡先端が定まった方
向を向かず不安定な状態であることが多い。これらの場
合、穿刺針は曲がってしまうおそれが十分にある。
【0031】ところで、一般に超音波内視鏡に形成され
ている鉗子用チャンネルは、鉗子類をスムーズに挿通さ
せるため鉗子の外径より大きめな内径に形成し、鉗子類
とチャンネルとの間に間隙をもたせている。また、穿刺
針は安全性を考慮して細めの径に形成されており、通常
のチャンネルよりかなり細い。したがって、前記のよう
に穿刺針に曲げの力が加わると鉗子出口付近の隙間で穿
刺針がガタつき、超音波走査面から外れてしまうことが
あった。そこで穿刺針を所望の方向に突出させるための
手段が種々提案されてきた。
【0032】例えば、特願平6−269170では、鉗
子起上台を起上角を含む面に垂直な面方向に移動させる
内容が提案されている。しかし、この方法で穿刺針を所
望の方向に突出させるためには、ある程度広い鉗子起上
台の移動幅が必要となり、そのために先端硬質部の口径
が太くなってしまい被検者に与える苦痛が大きくなって
しまう。また、特願平4−220206では、鉗子起上
台とは別に鉗子出口の前方に鉗子挿通用スリットを設け
る方法が提案されている。しかし、この方法で穿刺針を
所望の方向に突出させるためのスリットを取り付けるた
めには先端硬質部を長く形成しなければならずやはり被
検者に与える苦痛が大きくなってしまう。
【0033】第3の実施の形態は、超音波断層像下で細
胞吸引生検を行う場合、鉗子類を超音波走査面に確実に
位置させて鉗子類の操作をするとともに、先端硬質部の
大型化を避ける超音波内視鏡を提案するものである。こ
の実施の形態に係る超音波診断装置は、図9に示すよう
に超音波内視鏡1と超音波観測装置2を有している。超
音波内視鏡1は、先端硬質部3、湾曲部4を有する挿入
部6と、手元側の操作部7、副操作部8、接眼部9さら
に操作部7から図示していない光源装置に接続するユニ
バーサルコード10、副操作部8から超音波観測装置2
に接続する超音波コード11を有する。
【0034】また、操作部7の先端部側には鉗子挿入口
13が設けられており、図示していないチャンネルを介
して先端硬質部3まで通じている。そして、鉗子挿入口
13から穿刺針14が挿通され、この穿刺針14にはシ
リンジ15を連結できるようになっている。また、挿入
部6にはガイドチューブ19が内蔵されており、その中
にフレキシブルシャフト20が収納されるとともに潤滑
油が充填されている。フレキシブルシャフト20の一端
は副操作部8内に設けられたモータ21に連結され、こ
のモータ21とエンコーダ22は、タイミングベルト2
3で連結されている。
【0035】図10は、先端硬質部3の一部断面図及び
平面図である。図示のように、先端硬質部3の先端側は
超音波を透過する樹脂材料で形成されたキャップ36で
覆われ、キャップ36内には超音波伝達媒体が充填され
ている。またキャップ36内には超音波ミラー35が設
けられ、さらにフレキシブルシャフト20に連結された
駆動シャフトに駆動傘歯車29が設けられ、駆動傘歯車
29には従動傘歯車30が超音波振動子24に対向する
ように噛合されている。そして、副操作部8内のモータ
21によって駆動傘歯車29及び従動傘歯車30が回転
するようになっている。
【0036】また、駆動傘歯車29と従動傘歯車30
は、歯数比が1:1で軸角は90度で両者は最適な歯当
たり位置に噛合されている。また、従動傘歯車30のピ
ッチ円錐頂点側に超音波ミラー35が取り付けられてお
り、この超音波ミラー35は中心軸を従動傘歯車30の
中心軸と一致させてある。さらに45度の斜面を持った
金属製の円筒で45度の斜面は超音波を反射するミラー
面であり、超音波に対して十分に平滑な面に形成されて
いる。そして、超音波走査面46は、従動傘歯車30の
軸に垂直で超音波ミラー35のミラー面の中心を含む平
面であり、駆動傘歯車29によって超音波が遮られる手
元側略100度を除くミラー面中心を中心とする扇形状
となっている。
【0037】また、先端硬質部3のキャップ36より手
元側には、照明光学系40、観察光学系41、ノズル4
2、鉗子出口50が設けられている。さらに鉗子出口5
0、鉗子挿通孔49は、超音波走査面46と同じ面上に
設けられている。つまり、鉗子挿通孔49の中心軸の延
長線は超音波走査面46にあり、穿刺針14等の鉗子類
はその鉗子挿通孔49に挿通されるのである。また鉗子
挿通孔49の先端部寄りに円筒状の鉗子案内部材55が
固定されており、この鉗子案内部材55の手元側にチャ
ンネル17の先端が接続されている。なお、チャンネル
17の手元側は操作部7の鉗子挿入口13まで延在して
いる。
【0038】また、鉗子案内部材55の内面は、シリコ
ンゴム等で形成された円筒状の弾性膜56で覆われてお
り、鉗子案内部材55と弾性膜56は前端と後端箇所で
気密固定されておりその間の鉗子案内部材55と弾性膜
56の間には隙間が形成されている。また、鉗子案内部
材55と弾性膜56の隙間が形成されている箇所の一部
に連絡孔57が形成されており、この連絡孔57はチャ
ンネル17近傍に設けられている予圧チャンネル58の
接続口58aと連絡するようになっている。予圧チャン
ネル58は、挿入部6、操作部7、ユニバーサルコード
10まで連通しており図示していない光源装置内の予圧
ポンプに接続されている。そして、操作部7には、予圧
ポンプを制御するためのスイッチ59が設けられてい
る。
【0039】次に、第3の実施の形態の作用について説
明する。超音波ガイド下で穿刺を行う場合、超音波内視
鏡1の挿入部6を体腔内に挿入し、先端硬質部3を目的
部位の近傍に位置させる。先端硬質部3が目的部位に達
したところで、超音波観測装置2を起動し超音波観察を
開始する。
【0040】超音波観測装置2を起動すると、超音波観
測装置2が発生したパルスが超音波コード11等を介し
て超音波振動子24に伝達され、超音波振動子24がパ
ルス状の超音波を発生する。同時に先端硬質部3の駆動
傘歯車29が回転し、さらに駆動傘歯車29に噛合する
従動傘歯車30が回転して超音波ミラー35が回転し、
超音波パルスは超音波ミラー35で反射されるとともに
90度偏向され、先端硬質部3の挿入軸に平行な超音波
走査面46上に放射されていく。こうして、体腔内に放
射された超音波は体腔内の組織によって反射や減衰を起
こし、反射波は再び超音波ミラー35を介して超音波振
動子24に入射し感知される。そして、受信信号によっ
て超音波観測装置2が超音波断層像を合成する。
【0041】この段階で超音波断層像上において細胞吸
引生検したい部位を発見したら、鉗子挿入口13から穿
刺針14を有するシース48を挿入する。この時、穿刺
針14の先端が鉗子出口50から突出したことは観察光
学系41や超音波断層像によって確認する。次に、操作
部7のスイッチ59を操作して光源装置内の予圧ポンプ
を起動させ予圧チャンネル58内に高圧の空気を導入す
る。すると、弾性膜56と鉗子案内部材55との間の隙
間が予圧されるため、弾性膜56が内側に膨張する。そ
のため、穿刺針14を有するシース48が膨張した弾性
膜56によって鉗子挿通孔49の中心軸上に保持され
る。
【0042】この状態で穿刺目的部位と穿刺針14を観
察しながら、穿刺針14を鉗子出口50から突出させ穿
刺目的部位に導く。超音波断層像下で穿刺針14の先端
が目的部位まで到達したことを確認したところで、穿刺
針14内に挿入されていたスタイレットを抜去し、さら
に穿刺針14後端に図9に示すようにシリンジ15を接
続し、吸引することにより細胞、組織等を採取する。
【0043】第3の実施の形態によれば、穿刺針14の
シース48が弾性膜56によって先端硬質部挿通孔49
の中心軸上に保持されるため、穿刺の際に穿刺針14に
曲げの力が作用しても穿刺針14は容易に曲がることは
ない。したがって、穿刺針14が超音波走査面46から
それることがなく、安全確実な細胞吸引生検を実施でき
る。しかも、先端硬質部3の大型化を招くことがない。
なお、この実施の形態は、種々の口径の鉗子類に適用で
きることはいうまでもない。
【0044】図11、図12は、第4の実施の形態を示
したものである。この実施の形態では、先端硬質部3に
穿刺針14の口径より大きな径の先端硬質部挿通孔49
が形成され、ここに穿刺針14を有するシース48の口
径に適合するアダプタを設けるようになっている。しか
もこのアダプタは、数種のものが用意されている。図1
2は、アダプタの斜視図と分解斜視図である。図12B
に示すようにアダプタは、テーパー管61、直径方向に
2分割された長尺のチューブ62、同じく直径方向に2
分割された口金63を有している。またチューブ62は
可撓性のあるテフロン等のしなやかな素材で形成され、
外径は超音波内視鏡の鉗子用チャンネル及び先端硬質部
挿通孔49の内径にほぼ等しく、内径は穿刺針14を有
するシース48の外径にほぼ等しく形成されている。そ
の長さは、超音波内視鏡の鉗子用チャンネル及び先端硬
質部挿通孔49の長さの和より僅かに短く形成されてい
る。
【0045】また、口金63は、硬質ゴム等の素材で形
成されており、弾性爪63a、爪受部63bにより分
離、結合を容易に行えるようになっている。さらに口金
63の一端側には、鉗子挿入口13の鍔部13aが嵌合
可能な溝63cが形成されている。また、テーパー管6
1は切り欠きの入った弾性のある金属又は樹脂で形成さ
れており、その外径は口金63の内径より僅かに大きく
形成されている。そして、口金63、チューブ62、テ
ーパー管61を組み立てると、口金63の弾性爪63a
とテーパー管61の弾性によりチューブ62が挟み込ま
れるようにして固定されるようになっている。図12A
は、こうして組み立てられたアダプタが鉗子挿入口13
に一部挿入している状態を示したものである。他の構成
は第3の実施の形態と同様である。
【0046】次に、第4の実施の形態の作用について説
明するが、第3の実施の形態と同様である点については
説明を省略する。細胞吸引生検をしようとする場合は、
予め使用する穿刺針14にあったアダプタのチューブ6
1を鉗子挿入口13から挿入し先端を鉗子用チャンネル
の出口近傍まで侵入させるとともに、口金63を超音波
内視鏡の鉗子挿入口13に固定する(図12A)。そし
て、穿刺針14を鉗子挿入口13の口金63内部を通し
て先端硬質部3まで導入する。すると、鉗子針14のシ
ース48はアダプタによって保持される(図11)。こ
の状態で鉗子針14を目的部位に向けて突出させる。
【0047】第4の実施の形態によれば、アダプタによ
って穿刺針14のシース48を保持させた状態で穿刺作
業を実施できるので、穿刺針14を安定した状態で所定
の方向に突出させることができる。また、穿刺針14が
先端で屈曲した場合、鉗子挿入口13でアダプタの口金
63を分解し、穿刺針14をチャンネル内に残したまま
アダプタ60のみを抜去することができ、その後、屈曲
した穿刺針14を引き抜けばよい。また、この実施の形
態の構成は簡素であり安価に製造できる他、鉗子用チャ
ンネルも簡素な構成なので洗浄、消毒を容易に行える。
【0048】図13、図14は、第5の実施の形態を示
した先端硬質部3の斜視図である。この第5の実施の形
態は、コンベックス型の超音波振動子64を有する超音
波内視鏡であり、穿刺針14の起上角度を変える鉗子起
上台65を設けている。図13Aに示したように穿刺針
14は、鉗子起上台65によって起上させ斜め上方に向
けられるようになっており、そのため鉗子起上台65は
揺動自在に構成されている。
【0049】図13Bに示す一部分解斜視図に明らかな
ように、鉗子起上台65は回転軸66を介して先端硬質
部本体3aに揺動自在に取り付けてある。鉗子起上台6
5は操作部の鉗子起上ノブを操作すると、レバーとプー
リーの組み合わせにより鉗子起上台65に連結されてい
る2本のワイヤ67が進退し、回転軸66を介して鉗子
起上台65を揺動させるようになっている。図示のよう
に先端が鉗子起上台65の両側部に取り付けられた2本
のワイヤ67は、ワイヤ挿通チャンネル出口で束ねられ
るようにパイプ68内に挿入されている。このパイプ6
8は、ワイヤ挿通チャンネルを通り操作部の鉗子固定ノ
ブに連結されている。そして、鉗子固定ノブを操作する
と、ラック・ピニオン機構によりパイプ68が進退す
る。なお、69は鉗子起上台65を覆うカバーである。
他の構成は第3の実施の形態と同様である。
【0050】次に、第5の実施の形態の作用について説
明するが、第4の実施の形態と同様である点については
説明を省略する。細胞吸引生検をしようとする場合は、
先端硬質部3を目体部位まで誘導し、その後穿刺針14
を鉗子挿入口から挿入しシース48部分を鉗子出口50
から突出させる(図14A)。シース48の突出後、鉗
子起上ノブを操作して鉗子起上台65を揺動させシース
48を所望の方向に起上させる。その後、鉗子固定ノブ
を操作してパイプ68を押し出す。すると、シース48
は鉗子起上台65とパイプ68の先端に押しつけられ固
定されるので、この状態で穿刺針14をシース48内か
ら押し進め(図14B)、スタイレットを引き抜き、シ
リンジを接続して組織の吸引検査を行う。場合によって
は薬液の注入して処置を行う。
【0051】第5の実施の形態によれば、鉗子起上台6
5を揺動させることにより穿刺針14の起上角を容易に
変化させることができるとともに、シース48は鉗子起
上台65とパイプ68の先端に押しつけられ固定される
ので、穿刺針14に曲げの力が働いても容易に曲がらな
い。したがって、超音波走査面から穿刺針14がそれる
ことはなく、安全、確実な細胞吸引生検を実施できる。
【0052】図15〜図23は、第6の実施の形態を示
したものであり、体壁に刺入した挿入補助具を介して体
腔内に挿入する超音波内視鏡に関する。超音波内視鏡に
は、体壁に刺入した挿入補助具を介して体腔内に挿入す
るもので、挿入部先端に穿刺針ガイド溝が一体に形成し
たものがある。この超音波内視鏡は、前記各実施の形態
に示したものと基本的には同様の構成であり、超音波振
動子を収納した先端部、湾曲部、硬質管を有する挿入部
と、湾曲部を操作する湾曲操作ノブを有する湾曲操作部
が設けられている。超音波振動子は、多数の矩形圧電素
子が先端部中心軸方向に配列されたものであり、超音波
観測装置71により電気的にスキャンされる(電子スキ
ャン)。また、超音波振動子は超音波走査面と垂直方向
をフォーカシングするために音響レンズを有しており、
その外部露出面が超音波出射面となる。また、挿入部先
端の穿刺針ガイド溝の中心軸は、超音波出射方向に対し
て一定角度に傾いている。
【0053】次に、この超音波内視鏡を用いた穿刺術に
ついて説明する。先ず、挿入補助具を介して体腔内に光
学視管を挿入し術野を確認する。なお、この時、体腔内
には体腔内視野確保用ガスが送気されている。次に、超
音波内視鏡用の挿入補助具を体壁に刺入し、超音波内視
鏡を体腔内に挿入する。次に、湾曲操作ノブを操作して
超音波内視鏡先端部の位置調節をし超音波出射面を診断
臓器に当接させる。こうして、超音波断層像により体腔
内臓器の超音波画像診断を行う。そして、モニタに表示
された超音波断層像上に穿刺対象部位(ターゲット)を
捕捉する。次に体壁に穿刺針用の挿入補助具を刺入し、
穿刺針を体腔内に挿入し、穿刺針を超音波内視鏡の穿刺
針ガイド溝に通し、穿刺針をターゲットに刺入して生検
や治療を行う。
【0054】ところで、通常超音波内視鏡においては、
穿刺針の刺入角度は一定であるが任意の刺入角度が得ら
れるものもある。これは穿刺針先端のターゲットへの命
中率を向上させるために穿刺針を臓器に刺入する前に穿
刺針の刺入角度を検知する穿刺針刺入角度検出手段を設
けたものである。特開昭58−81027や実開平1−
138410等に提案されている。このうち特開昭58
−81027に提案されているものは、穿刺針を挿通可
能な筒状ガイドと角度検出手段を設けている。筒状ガイ
ドは、ガイドスリット内にあり、ガイドスリットは超音
波出射面の短開口を頂点とする三角形または台形状に形
成されている。また、角度検出手段としては、直線ポテ
ンショメータが用いられ筒状ガイドの傾斜角度を計測す
るようになっている。また、実開平1−138410に
提案されている穿刺針ガイドは、回動可能な筒状ガイド
であり端部を支点として回動する。この筒状ガイドに穿
刺針を挿通するのであるが、筒状ガイドの回動角度は角
度検出器(ポテンショメータ等)により計測するように
なっている。
【0055】ところで、穿刺針を超音波内視鏡の穿刺針
ガイド溝に挿通する際、穿刺針刺入用挿入補助具の体壁
への刺入位置は術者のカンのみで決定されていた。した
がって、体腔内に挿入された挿入部と穿刺針刺入用補助
具の体壁への刺入位置の関係が適切でない場合、超音波
断層像上にターゲットを捕捉した状態では穿刺針がガイ
ド溝に入らないことがある。そこで、穿刺針刺入用補助
具を体壁から一端抜去し、体壁に開いた穴を塞いでから
再度穿刺針刺入用補助具を刺入しなければならなかっ
た。また、この再刺入位置が穿刺針を適正にガイド溝に
挿通できる位置であるという保証はなかった。したがっ
て、穿刺針をガイド溝に挿通できるまで繰り返し穿刺針
刺入用補助具を体壁に刺入しなければならなかった。こ
のため、被検者への侵襲が非常に大きくなってしまうと
いう問題があった。さらに、穿刺針刺入用補助具の体壁
への最適な刺入位置を探すのに時間を要し作業効率が悪
かった。
【0056】また、穿刺針ガイド溝の幅が穿刺針より若
干大きい程度であると、穿刺針をガイド溝に挿通するこ
とは非常に困難であった。これは、体腔内に挿通した光
学視管により得られる体腔内画像を観察しながら行わな
ければならないので遠近感がつかみにくく、また穿刺針
の動きは穿刺針刺入用補助具により体壁を支点とした動
きに規制されており、穿刺針先端の位置を穿刺針ガイド
溝の位置に合わせて微調節することは困難という理由に
よる。
【0057】一方、単純に穿刺針ガイド溝の幅を広げて
しまうと、穿刺針の刺入角度は任意になってしまう。そ
こで、穿刺針の刺入角度検出手段が必要となり、前記し
た特開昭58−81027や実開平1−138410等
に提案されている筒状ガイドの傾斜角度を角度検出器に
より計測する角度検出手段を超音波内視鏡に用いる方法
が考えられるが、この場合穿刺針を体腔内の筒状ガイド
に挿通する作業は非常に困難となる。それは、体腔内に
挿通した光学視管により得られる体腔内画像を観察しな
がら行わなければならないので遠近感がつかみにくく、
また穿刺針の動きは穿刺針刺入用挿入補助具により体壁
を支点とした動きに規制されおり、穿刺針先端の位置を
穿刺針ガイド溝の位置に合わせて微調節することは困難
であるという理由、さらに筒状ガイドの内径は穿刺針よ
り若干大きい程度であるという理由による。したがっ
て、術者が疲労し作業効率の低下を招いていた。
【0058】さらに超音波内視鏡を体腔内に挿入した
際、その先端部に外部に露出する突起物があると臓器を
傷つけるおそれがあり危険であるという問題、さらに突
起物により超音波内視鏡用の挿入補助具が損傷するおそ
れがある。この挿入補助具の損傷が生じると体腔内術野
確保用ガスが体腔内から漏出してしまい、作業が妨げら
れるという問題があった。そこで、低侵襲な穿刺術を行
うことができ、穿刺作業効率の向上、安全性の向上を図
った超音波内視鏡が必要であった。
【0059】図15は、超音波診断装置の斜視図であ
る。超音波診断装置は、超音波内視鏡70と超音波観測
装置71を有している。超音波内視鏡70は、先端硬質
部72、湾曲部73、硬質管74を有する挿入部75
と、湾曲操作ノブ76を有する湾曲操作部77、この湾
曲操作部77の前後に配設される第1の把持部78、第
2の把持部79を有している。また、湾曲操作ノブ76
は湾曲部73を動作させ、湾曲操作部77に設けてある
湾曲角度固定ノブ80を操作することにより湾曲部73
の湾曲角度が固定されるようになっている。また、第2
の把持部79からは蛇管81が延設されており、蛇管8
1の端部にはコネクタ82が設けられ、このコネクタ8
2を介して超音波内視鏡70は超音波観測装置71に接
続されている。超音波観測装置71には、モニタ83が
接続されている。
【0060】また、第1の把持部78には、後述する穿
刺可能な範囲を示す穿刺範囲マーカーと、穿刺針の刺入
方向を示す穿刺方向マーカーを表示するマーカー表示ス
イッチ84が設けられ、超音波観測装置71のキーボー
ド85にもマーカー表示スイッチ86が設けられてい
る。そして、マーカー表示スイッチ84または86を1
回押すと穿刺範囲マーカーがモニタ83に表示され、2
回押すと穿刺方向マーカーが表示されるようになってい
る。なお、87は第1の把持部78に設けた光源スイッ
チであり、88はキーボード85に設けた光源スイッチ
である。
【0061】図16は、先端硬質部72の縦断面図であ
る。先端硬質部72は、超音波振動子89、硬質外殻部
90を有しており、超音波振動子89には多数の矩形圧
電素子が先端硬質部72の中心軸方向に配列され、電子
スキャンされるようになっている。また、超音波振動子
89は超音波走査面と垂直方向のフォーカシングを行う
ために音響レンズ91を有し、多数の矩形圧電素子から
は図示していない信号ケーブルが導出されており、これ
ら信号ケーブルはケーブル外皮92に収納されている。
【0062】そして、超音波観測装置71からの電気信
号は信号ケーブルを介して超音波振動子89に伝達さ
れ、電気信号は各圧電素子で超音波に変換される。超音
波は、音響レンズ91の外部露出表面91aから体腔内
臓器に向けて出射される。この場合、超音波出射方向は
先端硬質部72の中心軸に対して垂直である。こうして
体腔内臓器に向けて出射された超音波は、体腔内臓器の
音響インピーダンスの異なる境界面で反射し、超音波振
動子89まで跳ね返って戻って来る。この反射波は、再
び超音波振動子89の圧電素子で電気信号に変換され、
電気信号は信号ケーブルを介して超音波観測装置71に
伝達され、信号処理回路を経て超音波断層像に変換さ
れ、超音波断層像は、モニタ83に表示される。なお、
ケーブル外皮92は、挿入部75、湾曲操作部77を経
て蛇管81に挿通されている。
【0063】また、硬質外殻部90の先端側には、穿刺
針ガイド孔93が形成されており、穿刺針ガイド孔93
の軸線は超音波出射方向に対してθの傾きを有してい
る。穿刺針ガイド孔93の超音波走査面と垂直方向(図
面と垂直方向)の幅は、後述する穿刺針の外径より若干
広く、穿刺針ガイド孔93の縦断面形状における音響レ
ンズ91側の開口幅は小さく(狭開口94)、音響レン
ズ91側と反対側の開口幅(広開口95)は穿刺針の外
径より若干広い。さらに、広開口95側には図16B
(図16AのA−A断面図)に示すように、V溝96が
形成されている。
【0064】また、穿刺針ガイド孔93内には、角度検
出手段である2つの空中超音波振動子97,98が配設
されており、この空中超音波振動子97,98は単板で
円形体である。空中超音波振動子97,98は、圧電素
子と、この圧電素子と空気との音響インピーダンスの整
合を図る音響整合層と、背面負荷材を有する。また、空
中超音波振動子97,98からは信号ケーブルが導出さ
れており、ケーブル外皮99内に収納され、挿入部7
5、湾曲操作部77を経て蛇管81に挿通されている。
【0065】また、硬質外殻部90の穿刺針ガイド孔9
3の広開口95側には、穿刺針ガイド孔93の軸線方向
と平行な方向に光線100を放射する光線放射端101
が設けてある。この光線放射端101には、光線100
を同一方向に進行させるためのレンズが付設されてい
る。なお、穿刺針ガイド孔93の軸線と光線100の軸
線との距離dは、極力小さい方が望ましい。また、光線
100は人体の体壁を透過することが可能な可視光線で
あり、図示していない光源は超音波観測装置71内に設
けてある。光源から放射された光は光ファイバー束10
2を通って光線放射端101から光線として放射され
る。光ファイバー束102は、挿入部75、湾曲操作部
77を経由して蛇管81に挿通されている。光源からの
光の放射をON/OFFするのは、前記した光源スイッ
チ88である。
【0066】図17は、穿刺針ガイド孔93近傍の拡大
断面図である。図示のように、空中超音波振動子97,
98は、超音波振動子89の出射方向に間隔をおいて配
設されており、空中超音波振動子97,98の音軸は、
先端硬質部72の中心軸と平行であり、lは両者の音軸
の距離である。空中超音波振動子97,98の超音波出
射面97a,98aは同一平面上にあり、この平面は先
端硬質部72の中心軸に対して垂直である。また、穿刺
針ガイド孔93の狭開口94と広開口95を結ぶ稜線の
角度はφであり、このφにより穿刺針の刺入範囲が定ま
る。そして、後述するように穿刺範囲マーカーがモニタ
83に表示される。
【0067】図18は、穿刺針103と穿刺針刺入用補
助具104の斜視図である。図示のように穿刺針刺入用
補助具104は、外套管104aと内針104bを有す
る。外套管104aには腹腔内術野確保用ガスの漏出防
止弁が設けられるとともに、内部に内針104bが収納
されるようになっている。なお、穿刺針103は、生検
用(組織採取用)穿刺針でも、治療用(組織焼灼用)穿
刺針でもよい。
【0068】次に、第6の実施の形態の作用を腹腔内の
場合について説明する。なお他の部位、例えば胸腔内の
場合についても同様である。先ず、腹腔内術野確保用ガ
ス(炭酸ガス等)を腹腔内106に送気し術野を確保す
る。術野を観察する腹腔内観察手段としては、図示して
いない光学視管を用いる。その後、図19に示すよう
に、腹壁106aに刺入した挿入補助具105を介して
超音波内視鏡70を腹壁内106に挿入し、湾曲操作ノ
ブ76(図15)を操作して先端部72の超音波出射面
を診断対象臓器107に当接させる。そして、図20に
示すようにモニタ83に表示された診断対象臓器の超音
波断層像108により超音波画像診断をする。
【0069】さらに、湾曲操作ノブ76を操作して先端
部72の位置調節をし、ターゲット110をモニタ83
の超音波断層像108上に捉える。この場合、第1の把
持部78のマーカー表示スイッチ84、または超音波観
測装置71のキーボード85のマーカー表示スイッチ8
6を1回押して、穿刺範囲マーカー109を超音波断層
像108上に表示させる。そして、穿刺範囲マーカー1
09により定まる角度φの領域内にターゲット110を
捉える。なお、穿刺範囲マーカー109は線であるが色
づけして表示してもよい。その後、湾曲角度固定ノブ8
0を湾曲角度固定側に回して湾曲角度を固定し、先端部
72の位置を固定する。
【0070】次に、第1の把持部78の光源スイッチ8
7、または超音波観測装置71のキーボード85の光源
スイッチ87を押して、図21に示すように光線100
を腹壁106aに向けて照射する。すると光線100は
腹壁106aを透過し、体表に光のスポット100aが
形成される。術者は光のスポット100aを目視して確
認し、穿刺針刺入用補助具104を光のスポット100
a位置から腹壁106aに刺入する。この場合、先ず内
針104bを腹壁106aに刺入し、内針104bに沿
って外套管104aを腹腔106内に挿入する。外套管
104bを腹腔106内に挿入したら、内針104bを
抜去する。
【0071】次に図22(超音波断層像108を診断対
象臓器107内に表示)に示すように、穿刺針103を
外套管104aを介して腹腔106内に刺入し、先端を
超音波内視鏡70の先端部72のV溝96に突き当て
る。すると、穿刺針103の先端はV溝96に沿って広
開口95に導かれる。さらに穿刺針103を穿刺針ガイ
ド孔93に挿通し、穿刺針103の先端を診断対象臓器
107に当接させる。ここで、第1の把持部78のマー
カー表示スイッチ84、または超音波観測装置71のキ
ーボード85のマーカー表示スイッチ86をもう1回押
す。すると、穿刺針ガイド孔93内の空中超音波振動子
97,98から超音波が出射される。超音波は穿刺針ガ
イド孔93内の穿刺針103に当たり、反射エコーとし
て空中超音波振動子97,98に跳ね返ってくる。反射
エコーは空中超音波振動子97,98の圧電素子により
電気信号に変換され、超音波観測装置71に送られる。
超音波観測装置71では、後述の演算が行われ穿刺針1
03の刺入角度ψを算出する。
【0072】すると、算出された穿刺針103の刺入角
度ψをもとに、モニタ83の超音波断層像108上に穿
刺方向マーカー111が表示される。そこで、穿刺方向
マーカー111上にターゲット110が位置するよう
に、穿刺針103または超音波内視鏡70の先端部72
の位置を微調整して、穿刺針103先端の位置を超音波
断層像108上で確認しながら穿刺針103先端をター
ゲット110に導き、生検または治療を行う。
【0073】ここで穿刺針103の刺入角度ψの演算に
ついて説明する。穿刺針103の刺入角度ψは超音波出
射方向に対する穿刺針103の中心軸の傾きであり、こ
の演算は超音波観測装置71に設けられた演算器で行わ
れる。空中超音波振動子97から出射された超音波が、
超音波出射面から出射して穿刺針103の表面に当た
り、跳ね返って空中超音波振動子97に戻ってくるまで
の時間をt1とする。また、空中超音波振動子98から
出射された超音波が、超音波出射面から出射して穿刺針
103の表面に当たり、跳ね返って空中超音波振動子9
8に戻ってくるまでの時間をt2とする。ここでは、超
音波内視鏡70の先端部72の中心軸に平行な超音波成
分についてのみ考える。
【0074】空中の超音波の伝搬速度をCairとする
と、穿刺針103の刺入角度ψは次式(1)によって算
出される。 ψ=tan-1〔Cair(t1−t2)/2l〕・・・(1) この計算結果に基づいて、穿刺方向マーカー111がモ
ニタ83の超音波断層像108上に表示される。
【0075】なお、穿刺針刺入角度検出手段を空中超音
波振動子ではなく、水と音響整合を図った超音波振動子
97a,98aとしてもよい。この場合、穿刺針ガイド
孔93内にゲル状の音響媒体を注入する。この音響媒体
は、水と略同一の音響インピーダンスであり、穿刺針ガ
イド孔93内から外部に流出しないように適当な粘度を
もたせなければならない。この場合、空中超音波振動子
97aから出射された超音波が、超音波出射面から出射
して穿刺針103の表面に当たり、跳ね返って空中超音
波振動子97aに戻ってくるまでの時間をt1aとす
る。また、空中超音波振動子98bから出射された超音
波が、超音波出射面から出射して穿刺針103の表面に
当たり、跳ね返って空中超音波振動子98bに戻ってく
るまでの時間をt2bとする。また、穿刺針103の刺
入角度ψは、水中の音速をCwaterとすると前記式
(1)と同様にして、次式(2)により算出される。 ψ=tan-1〔Cwater (t1a−t2b)/2l〕・・・(2)
【0076】図23は、蛇管81が第2の把持部79に
回動可能に連結している状態を示した断面図である。な
お、ここに示した構成は蛇管81とコネクタ82との接
続部についても同様である。図示のように第2の把持部
79内には、第1の円筒形基板112が固定されてい
る。また、蛇管81端部に固定された回転部材113に
は、第1の円筒形基板112の内径より小さい外径を有
する第2の円筒形基板114が取り付けられている。ま
た、回転部材113の先端部側端部にはフランジ部11
3aが形成されており、このフランジ部113aを挟ん
で環状の押さえ部材115が第2の把持部79に螺合さ
れている。そして、第2の把持部79と押さえ部材11
5との嵌合箇所および回転部材113と押さえ部材11
5にはシール部材116a,116bがそれぞれ取り付
けられ水密が図られている。
【0077】また、第1の円筒形基板112、第2の円
筒形基板114、回転部材113の中心軸は全て一致し
ている。また、第1の円筒形基板112の先端部側端部
には、超音波振動子89用の信号ケーブル117が接続
されており、内周面の中心軸方向に前記信号ケーブル1
17に対応する信号線118が設けられている。さらに
各々の信号線118の手元側端部の内径面から、金属片
119が中心軸方向に向かって突設されている。金属片
119は金属の突起でもよいが、第2の円筒形基板11
4に接触するだけの高さを有していることが必要であ
る。なお、図23においては、便宜上信号線118、金
属片119の数は省略して図示してある。
【0078】また、第2の円筒形基板114の外周面に
は、前記金属片119の各々の接触位置に相当する位置
に金属膜120が円周方向に貼られている。この金属膜
120は、第2の円筒形基板114の内周面上中心軸方
向にプリントされている信号線121に接続され、さら
に信号線121は第2の円筒形基板114の手元側端部
で信号ケーブル122に接続されている。また、信号ケ
ーブル122はケーブル外皮123に挿通され、このケ
ーブル外皮123は蛇管81に挿通され、蛇管81端部
のコネクタ82を介して超音波観測装置71に接続され
ている。空中超音波振動子97,98の信号ケーブルも
第1の円筒形基板112、第2の円筒形基板114を介
して蛇管81内に挿通されている。
【0079】また、第1の円筒形基板112の中心軸上
には、先端部に設けられた光源放射端に接続する第1の
光ファイバー束の端部があり、この第1の光ファイバー
束はレンズを介して超音波観測装置71につながる第2
の光ファイバー束に連結されている。第1の光ファイバ
ー束とレンズは、第2の把持部内に固定されており、第
2の光ファイバー束は回転部材に固定されている。ま
た、第1の光ファイバー束、第2の光ファイバー束及び
レンズの中心軸は、第1の円筒形基板112、第2の円
筒形基板114の中心軸上にある。超音波観測装置71
の光源から放射された光は、第2の光ファイバー束及び
レンズを介し、第1の光ファイバー束を通って光源放射
端から光線100として腹壁に向けて放射される。
【0080】このように蛇管81は第2の把持部79及
びコネクタ82と連結されているので、挿入補助具10
5を介して超音波内視鏡70を腹腔内に挿入し、超音波
画像診断または穿刺を実施中に術者の超音波内視鏡操作
により蛇管81が捩じた場合、この捩じれを解く方向に
回転部材113が第2の把持部79及びコネクタ82に
対して回転し、自然に蛇管81はストレート状態に復帰
する。また、蛇管81の捩じれが自然に解けない場合
は、術者が蛇管81を捩れば回転部材113が第2の把
持部79及びコネクタ82に対して回転するので、自然
に蛇管81はストレート状態に復帰する。
【0081】第6の実施の形態によれば、穿刺針刺入用
補助具104を腹壁106aに刺入する際に、体外から
目視により穿刺針ガイド孔93に穿刺針103を導くの
に最適な位置を知ることができる。このため穿刺針刺入
用補助具104の刺入位置が超音波内視鏡70の穿刺針
ガイド孔93に穿刺針103を挿通するのに適していな
いため、穿刺針刺入用補助具104を腹壁106aに再
刺入するという被検者にとって侵襲の大きい事態を防止
できるとともに、生検の作業効率の向上を図ることがで
きる。また、穿刺針ガイド孔93は広開口95を有して
いるので、穿刺針刺入用補助具104の外套管104a
を介して腹腔内に刺入した穿刺針103でも、その先端
の簡単な位置調節で広開口95から穿刺針103を容易
に穿刺針ガイド孔93に挿通できる。さらに、穿刺針ガ
イド孔93内に穿刺針103の刺入角度ψを検出する手
段があるので、穿刺針103を診断対象臓器に刺入する
前に刺入方向を知ることができる。このため穿刺作業効
率の向上を図ることができる。
【0082】また、先端部に外部に露出する突起物がな
いので、腹腔内臓器を傷つけることがなく、さらに突起
物により超音波内視鏡挿入用の挿入補助具105を傷つ
けることがなく腹腔内術野確保用ガスの漏出により作業
を中断しなければならないという事態を回避できる。こ
のため穿刺作業の安全性の向上を図ることができる。ま
た、蛇管81が第2の把持部79に対して回動可能であ
るので、超音波内視鏡70を挿入補助具105内に挿通
したままの状態で、蛇管81の捩れを解くことができ
る。このため、蛇管81の捩れを解くために超音波内視
鏡70を挿入補助具105内から抜去する必要がなく、
超音波内視鏡70の操作効率の向上を図ることができ
る。
【0083】図24〜図26は、第7の実施の形態を示
したもので、このうち図24は超音波内視鏡の先端部の
縦断面図であり、第6の実施の形態と対応する箇所には
同一の符号を付した(以下の実施の形態についても同
様)。第7の実施の形態では、穿刺針の刺入角度検出手
段に光学的手段を用いている。図示のように、穿刺針ガ
イド孔93に向けて2本の光ファイバー束124,12
5が設けられ、これら光ファイバー束124,125に
は照明用光ファイバーと受光用光ファイバーが収納され
ている。
【0084】図25は、先端部の拡大断面図である。図
示のように光ファイバー束124,125から放射され
る光線の中心軸は、先端の中心軸と平行である。また、
両光ファイバー束124,125から放射される光線の
中心軸間距離をlとし、光ファイバー束124の光線放
射面と光ファイバー束125の光線放射面の距離をnと
している。また、l1 ,l2 はそれぞれ光ファイバー束
124,125の穿刺針103表面までの先端部中心軸
方向距離である。
【0085】図26は、光ファイバー束124,125
と超音波観測装置71の接続関係を示した説明図であ
る。両光ファイバー束124,125の照明用光ファイ
バー124a,125aは、超音波観測装置71の光源
126に接続されており、受光用光ファイバー124
b,125bは、光検出器127に接続され、この光検
出器127は演算器128に接続されている。また、光
検出器127は受光用光ファイバー124b,125b
を経由して光検出器127に到達した光の強度に対応し
た電気出力をする。この電気出力は、演算器128で光
ファイバー束124,125から穿刺針表面までの距離
に変換される。光源126は、第1の把持部78のマー
カー表示スイッチ84または超音波観測装置71のキー
ボード85のマーカー表示スイッチ86を2回押すこと
により光を放射するようになっている。
【0086】次に、第7の実施の形態の作用について説
明する。穿刺針刺入用補助具104を腹壁106aに刺
入し、穿刺針103を腹腔106内に挿入するまでの作
用は第6の実施の形態と同様であるので説明を省略す
る。そこで、穿刺針103を穿刺針ガイド孔93内に挿
入し、先端を診断対象臓器に当接させた後、第1の把持
部78のマーカー表示スイッチ84または超音波観測装
置71のキーボード85のマーカー表示スイッチ86を
1回押して穿刺範囲マーカー109をモニタ83の超音
波断層像108上に表示する。その後、ターゲット11
0を穿刺範囲マーカー109内で捕捉して第1の把持部
78のマーカー表示スイッチ86または超音波観測装置
71のキーボード85のマーカー表示スイッチ86をも
う1回押す。すると、光ファイバー束124の照明用光
ファイバー124aから光線が放射される。
【0087】すると、光線100は穿刺針表面で反射
し、反射光線が受光用光ファイバー124bを介して超
音波観測装置71の光検出器127に導かれる。光検出
器127は反射光の強度に応じて電気出力する。電気出
力は、演算器128で距離に変換されl1 が求められ
る。続いて、光ファイバー束125の照明用光ファイバ
ー125bから光線が放射され、同様にしてl2 が求め
られる。そこで、演算器128により穿刺針103の刺
入角度ψが次式(3)により算出される。 ψ=tan-1〔(l1 −n)−l2 /2l〕・・・(3) そして、モニタ83の超音波断層像108上で、超音波
出射方向に対してψの角度方向に穿刺方向マーカー11
1が表示される。こうして、ターゲット110を穿刺方
向マーカー111上に位置させ、穿刺針103をターゲ
ット110まで刺入し生検または処置を行う。
【0088】第7の実施の形態によれば、穿刺針刺入用
補助具104を腹壁106aに刺入する際に、体外から
目視により穿刺針ガイド孔93に穿刺針103を導くの
に最適な位置を知ることができる。このため穿刺針刺入
用補助具104の刺入位置が超音波内視鏡70の穿刺針
ガイド孔93に穿刺針103を挿通するのに適していな
いこめ、穿刺針刺入用補助具104を腹壁106aに再
刺入するという被検者にとって侵襲の大きい事態を防止
できるとともに、生検の作業効率の向上を図ることがで
きる。また、穿刺針ガイド孔93は広開口95を有して
いるので、穿刺針刺入用補助具104の外套管104a
を介して腹腔106内に刺入した穿刺針103でも、そ
の先端の簡単な位置調節で広開口95から穿刺針103
を容易に穿刺針ガイド孔93に挿通できる。さらに、穿
刺針ガイド孔93内に穿刺針103の刺入角度ψを検出
する手段があるので、穿刺針103を診断対象臓器に刺
入する前に刺入方向を知ることができる。このため穿刺
作業効率の向上を図ることができる。
【0089】図27は第8の実施の形態を示したもの
で、超音波内視鏡70の先端部の縦断面図である。第8
の実施の形態では、穿刺針刺入用補助具104の腹壁1
06aへの刺入位置告知手段として超音波を用いてい
る。先端部の広開口側に、空中超音波振動子135を設
けてある。この空中超音波振動子135は、多数の矩形
の圧電素子を先端部中心軸方向に配列してあり、超音波
観測装置71により電子スキャンされる。また、空中超
音波振動子135には、超音波走査面と垂直方向に超音
波を収束する音響レンズ136が付設されている。ま
た、空中超音波振動子135の各圧電素子には、信号ケ
ーブルが接続されている。この信号けーブルはケーブル
外皮137に収納され、ケーブル外皮137は蛇管81
に挿通されている。さらに信号線はコネクタ82の端子
に接続され、コネクタ82を介して超音波観測装置71
に接続されている。
【0090】また、超音波観測装置71のキーボード8
5の操作により空中超音波振動子135の焦点距離が調
節可能となっている。第1の把持部78または超音波観
測装置71のキーボード85には超音波射出スイッチが
あり、該超音波射出スイッチを押すと空中超音波振動子
135から超音波が出射される。
【0091】図28は穿刺針刺入用補助具の外套管12
9の縦断面図である。図示のように外套管129の先端
部には環状の圧電素子130が設けられている。この圧
電素子130には、信号線131が接続され信号線13
1は手元側に設けてある信号増幅器132に接続されて
いる また、信号増幅器132には、音声発信器133が接続
されている。なお、外套管129内部には、腹腔内術野
確保用ガスの漏出を防ぐ弾性材から成る弁134が設け
られている。
【0092】次に、第8の実施の形態の作用について説
明する。穿刺針刺入用補助具104を腹壁106aに刺
入し、穿刺針103を腹腔106内に挿入するまでの作
用は第6の実施の形態と同様であるので説明を省略す
る。そこで、ターゲット110を超音波断層像108上
に捕捉した状態で湾曲角度固定ノブ80を湾曲角度固定
側に回して、先端部の位置を固定する。次に、光学視管
の腹腔内画像により、先端部から腹壁106aまでの距
離を概算する。そして、超音波観測装置71のキーボー
ド85を操作して、空中超音波振動子135の焦点距離
を腹壁106aまでの距離に調節する。その後、超音波
出射スイッチを押して、空中超音波振動子135から超
音波を腹壁106aに向けて出射する。この場合、腹壁
と音響インピーダンスが略同一のゲル状の超音波伝達媒
体を腹壁体外表面に塗布しておく。
【0093】次に、穿刺針用挿入補助具104の外套管
129を腹壁106体外表面に当接する。そして外套管
129を腹壁106a上で走査する。腹壁106aを透
過した超音波は、圧電素子130により電気信号に変換
される。この電気信号は信号増幅器132に送られ、電
気信号の大きさに応じて音声発信器133から信号音が
発っせられる。そして、信号音が最大になるところが超
音波透過量が最大となるところ、すなわち穿刺針用挿入
補助具104の刺入最適ポイントである。そこで、その
ポイントで内針104bを腹壁106aに刺入する。そ
の後、外套管129を腹腔106内に挿入し、内針10
4bを抜去する。
【0094】次に、穿刺針103を外套管129を介し
て腹腔106内に刺入し、先端を超音波内視鏡70の先
端部のV溝に突き当てる。すると、穿刺針103の先端
はV溝に沿って広開口95に導かれる。さらに穿刺針1
03を穿刺針ガイド孔93に挿通し、穿刺針103の先
端を診断対象臓器に当接させる。ここで、第1の把持部
78のマーカー表示スイッチ84、または超音波観測装
置71のキーボード85のマーカー表示スイッチ86を
もう1回押す。すると、穿刺針ガイド孔93内の空中超
音波振動子97,98から超音波が出射される。超音波
は穿刺針ガイド孔93内の穿刺針103に当たり、反射
エコーとして空中超音波振動子97,98に跳ね返って
くる。反射エコーは空中超音波振動子97,98の圧電
素子により電気信号に変換され、超音波観測装置71に
送られる。超音波観測装置71では、後述の演算が行わ
れ穿刺針103の刺入角度ψを算出する。
【0095】すると、算出された穿刺針103の刺入角
度ψをもとに、モニタ83の超音波断層像108上に穿
刺方向マーカー111が表示される。そこで、穿刺方向
マーカー111上にターゲット110が位置するよう
に、穿刺針103または超音波内視鏡70の先端部の位
置を微調整して、穿刺針103先端の位置を超音波断層
像108上で確認しながら穿刺針103先端をターゲッ
ト110に導き、生検または治療を行う。
【0096】第8の実施の形態によれば、穿刺針刺入用
補助具104を腹壁106aに刺入する際に、体外から
聴覚により穿刺針ガイド孔93に穿刺針103を導くの
に最適な位置を知ることができる。このため穿刺針刺入
用補助具104の刺入位置が超音波内視鏡70の穿刺針
ガイド孔93に穿刺針103を挿通するのに適していな
いため、穿刺針刺入用補助具104を腹壁106aに再
刺入するという被検者にとって侵襲の大きい事態を防止
できるとともに、細胞吸引生検等、穿刺の作業効率の向
上を図ることができる。また、穿刺針ガイド孔93は広
開口95を有しているので、穿刺針刺入用補助具104
の外套管129を介して腹腔106内に刺入した穿刺針
103でも、その先端の簡単な位置調節で広開口95か
ら穿刺針103を容易に穿刺針ガイド孔93に挿通でき
る。さらに、穿刺針ガイド孔93内に穿刺針103の刺
入角度ψを検出する手段があるので、穿刺針103を診
断対象臓器に刺入する前に刺入方向を知ることができ
る。このため穿刺作業効率の向上を図ることができる。
【0097】なお、穿刺針刺入用補助具104の刺入位
置の確認を聴覚によって行っているので、光学視管によ
り得られる腹腔内画像を見ながら作業ができる。したが
って、穿刺針刺入用補助具104の腹壁106aへの刺
入位置を探している最中に、腹腔106内に異常がない
かどうかを確認しながら作業を行うことができ、作業の
安全性の向上を図ることができる。
【0098】以上の実施の形態に記載された内容は、以
下の発明としても捉えることもできる。 1.挿入部に処置具を挿通するチャンネルを形成し、挿
入部の先端硬質部に、挿入軸と平行な面を走査する超音
波走査機構と、超音波走査面上に前記処置具を突出させ
るチャンネル出口と、前記処置具の突出角度を調整可能
に揺動する起上台を設けた超音波内視鏡において、前記
先端硬質部及び前記起上台に前記処置具の外形とほぼ同
径の挿通孔を形成し、前記起上台が最も下がった際に前
記先端硬質部の挿通孔と前記起上台の挿通孔がほぼ同一
軸上に位置し、前記先端硬質部のチャンネル出口の最上
点と前記起上台挿通孔の手元側の最上点が前記起上台の
揺動中心軸点から等距離に位置するように構成したこと
を特徴とする超音波内視鏡。
【0099】前記第1項によれば、鉗子起上台が最も下
がった際に先端硬質部挿通孔と鉗子起上台の挿通孔がほ
ぼ同一軸上に位置し、先端硬質部のチャンネル出口の最
上点と鉗子起上台の挿通孔の手元側の最上点が鉗子起上
台の揺動中心軸に対して等距離に位置するように構成し
たため、どの起上角度においても穿刺針、シースに対し
て起上操作による剪断力が加わることがないので、穿刺
針に曲がり癖がつきにくく、またシースを潰したり進退
不能にしてしまうことがない。また、穿刺針の突出方向
を鉗子起上台によって調整することができるため、広範
囲な穿刺を行うことができる。
【0100】また、先端硬質部挿通孔と鉗子起上台の挿
通孔を穿刺針のシース径とほぼ等しくしたため、穿刺針
が超音波内視鏡内で遊動することがなくなり穿刺針の進
退動を円滑に行わせることができる。さらに、挿入部が
湾曲状態にあっても穿刺針先端を超音波走査面上に適正
に突出させることができる。また、鉗子起上台を孔開き
形状としたため、穿刺針に対して起上角を小さくする方
向の力を与えるようになり、特に穿刺針に曲がり癖がつ
いてしまったり、穿刺した組織が硬く針の方向にがそれ
てしまったような場合に効果的である。また、穿刺針の
突出、さらに穿刺作業を超音波断層像下で行うことがで
きるので、適正かつ安全に実施できる。
【0101】また、超音波振動子の表面に音響レンズを
設けてあるので、超音波ミラーに入射する超音波を収束
でき、超音波ミラーの直径を超音波振動子の開口より小
さく形成できるとともに、超音波ミラーを駆動する傘歯
車も小さく形成できひいては先端硬質部の小型化を図れ
る。また、超音波伝達媒体の媒体注入路を2本形成し、
キャップ内における開口をキャップ内面側の挿入軸を挟
んだ相互に反対側に設けてあるので、一方の注入口から
空気を吸引しつつ他方の注入口から超音波伝達媒体を注
入する作業を容易に行える。
【0102】また、駆動傘歯車、従動傘歯車を樹脂製と
したため、歯車による超音波の反射は金属製のものに比
較して小さくなり、超音波画像上に表れる不要な虚像を
低減できる。また、キャップと先端部硬質部本体との間
に間隙を設けてあるので、使用中に先端硬質部に外力が
加わってもキャップが弾性変形して外力を吸収し、内部
の傘歯車等の回転機構に力が加わって歯当たりが変わっ
てしまい回転が阻害されてしまう事態を防止できる。
【0103】2.前記起上台挿通孔の長さ方向に、この
挿通孔の直径より巾の狭い切り欠きを形成したことを特
徴とする第1項記載の超音波内視鏡。前記第2項によ
り、鉗子起上台の幅を狭く形成できるので、先端硬質部
の外径を細くできることとなり被検者の苦痛を軽減でき
る。
【0104】3.挿入部に処置具を挿通するチャンネル
を形成し、挿入部の先端硬質部に、挿入軸と平行な面を
走査する超音波走査機構と、超音波走査面上に前記処置
具を突出させるチャンネル出口を設けた超音波内視鏡に
おいて、前記チャンネル出口近傍に、前記処置具を保持
する手段を設けたことを特徴とする超音波内視鏡。前記
第3項により、穿刺針は鉗子挿入孔の中心軸上に保持さ
れるので、穿刺の際に穿刺針に曲げの力が作用しても容
易に曲がることはなく、穿刺針が超音波走査面からそれ
ることがなく、安全確実な細胞吸引生検ができる。しか
も、先端硬質部の大型化を招くことがない。
【0105】4.前記処置具を保持する手段は、前記チ
ャンネル内面に気密に設けた弾性の薄膜と、この弾性の
薄膜の背面に流体を給排する手段を有することを特徴と
する前記第3項記載の超音波内視鏡。前記第4項によ
り、穿刺針のシースが弾性膜によって鉗子挿入孔の中心
軸上に保持されるので、穿刺の際に穿刺針に曲げの力が
作用しても容易に曲がることはなく、穿刺針が超音波走
査面からそれることがなく、安全確実な細胞吸引生検が
できる。
【0106】5.前記処置具を保持する手段は、前記チ
ャンネルの内径に略一致した外径と処置具外径に略一致
した内径を有し、直径方向に2分割された可撓性のチュ
ーブを設けたアダプターであることを特徴とする前記第
3項記載の超音波内視鏡。前記第5項により、アダプタ
によって穿刺針のシースが保持された状態で穿刺を実施
できるので、穿刺針を安定した状態で所定の方向に突出
させることができる。また、穿刺針が先端で屈曲した場
合、鉗子挿入口でアダプタの口金を分解し、穿刺針をチ
ャンネル内に残したままアダプタのみを抜去することが
でき、その後、屈曲した穿刺針を引き抜くことができる また、この実施の形態の構成は簡素であり安価に製造で
きる他、鉗子挿入孔も簡素な構成なので洗浄、消毒を容
易に行える。
【0107】6.前記処置具を保持する手段は、分岐さ
れた起上用ワイヤが両側に固定された鉗子起上台と、前
記起上用ワイヤを操作する起上操作機構と、前記起上用
ワイヤを挿通させかつ前後に進退自在な保護パイプと、
この保護パイプを進退させる操作機構を有することを特
徴とする前記第3項記載の超音波内視鏡。前記第6項に
より、鉗子起上台を揺動させることにより穿刺針の起上
角を容易に変化させることができるとともに、シースは
鉗子起上台とパイプの先端に押しつけられ固定されるの
で、穿刺針に曲げの力が働いても容易に曲がらない。従
って、超音波走査面から穿刺針がそれることはなく安
全、確実な細胞吸引生検を実施できる
【0108】7.先端部に超音波振動子を設けた挿入部
を体壁に刺入した挿入補助具を介して体腔内に挿入さ
れ、さらに穿刺針刺入用補助具を介して刺入した穿刺針
を所望の位置に刺入する穿刺針ガイド孔または溝を有す
る超音波内視鏡において、前記穿刺針刺入用補助具の体
壁への刺入位置を術者に知らしめる告知手段を前記先端
部に設け、この先端部を形成する硬質外郭部に体壁に向
けて開口した広開口部を有する穿刺針ガイド孔または溝
内に穿刺針刺入角度検出手段を設けたことを特徴とする
超音波内視鏡。前記第7項により、穿刺針刺入用補助具
を腹壁に刺入する際に、体外から目視により穿刺針ガイ
ド孔に穿刺針を導くのに最適な位置を知ることができ
る。このため穿刺針刺入用補助具の刺入位置が超音波内
視鏡の穿刺針ガイド孔に穿刺針を挿通するのに適してい
ないこめ、穿刺針刺入用補助具を体壁に再刺入するとい
う被検者にとって侵襲の大きい事態を防止できるととも
に、生検の作業効率の向上を図ることができる。
【0109】また、穿刺針ガイド孔は広開口を有してい
るので、穿刺針刺入用補助具の外套管を介して腹腔内に
刺入した穿刺針でも、その先端の簡単な位置調節で広開
口部から穿刺針を容易にガイド孔に挿通できる。さらに
穿刺針ガイド孔内に穿刺針の刺入角度ψを検出する手段
があるので、穿刺針を診断対象臓器に刺入する前に刺入
方向を知ることができる。このため穿刺作業効率の向上
を図ることができる。また、先端部に外部に露出する突
起物がないので、体腔内臓器を傷つけることなく安全で
あり、また、超音波内視鏡用の挿入補助具を傷つけるこ
とがないので体腔内術野確保用ガスが漏出し、作業が中
断するという事態が発生しない。したがって、穿刺作業
効率及び安全性の向上を図ることがでる。
【0110】8.前記穿刺針刺入用補助具の体壁への刺
入位置を術者に知らしめる告知手段は、電磁波を利用し
たものであることを特徴とする第7項記載の超音波内視
鏡。
【0111】9.前記穿刺針刺入用補助具の体壁への刺
入位置を術者に知らしめる告知手段は、光を利用したも
のであることを特徴とする第7項記載の超音波内視鏡。
【0112】10.前記穿刺針刺入用補助具の体壁への
刺入位置を術者に知らしめる告知手段は、可視光を利用
したものであることを特徴とする第7項記載の超音波内
視鏡。
【0113】11.前記穿刺針刺入用補助具の体壁への
刺入位置を術者に知らしめる告知手段は超音波を利用し
たものであるとともに、超音波が体壁上のどこから放射
されているかを体外で検知し告知するようにしたことを
特徴とする第7項記載の超音波内視鏡。
【0114】12.前記穿刺針刺入角度検出手段は、超
音波を利用したものであることを特徴とする第7項また
は第8項または第9項または第10項または第11項記
載の超音波内視鏡。
【0115】13.前記穿刺針刺入角度検出手段は、光
を利用したものであることを特徴とする第7項または第
8項または第9項または第10項または第11項記載の
超音波内視鏡。
【0116】以上説明したように、本発明によれば以下
の効果を奏する。請求項1によれば、鉗子起上台が最も
下がった際に先端硬質部挿通孔と鉗子起上台の挿通孔が
ほぼ同一軸上に位置し、先端硬質部のチャンネル出口の
最上点と鉗子起上台の挿通孔の手元側の最上点が鉗子起
上台の揺動中心軸に対して等距離に位置するように構成
したため、どの起上角度においても穿刺針、シースに対
して起上操作による剪断力が加わることがないので、穿
刺針に曲がり癖がつきにくく、またシースを潰したり進
退不能にしてしまうことがない。また、穿刺針の突出方
向を鉗子起上台によって調整することができるため、広
範囲な穿刺を行うことができる。
【0117】また、先端硬質部挿通孔と鉗子起上台の挿
通孔を穿刺針のシース径とほぼ等しくしたため、穿刺針
が超音波内視鏡内で遊動することがなくなり穿刺針の進
退動を円滑に行わせることができる。さらに、挿入部が
湾曲状態にあっても穿刺針先端を超音波走査面上に適正
に突出させることができる。また、鉗子起上台を孔開き
形状としたため、穿刺針に対して起上角を小さくする方
向の力を与えるようになり、特に穿刺針に曲がり癖がつ
いてしまったり、穿刺した組織が硬く針の方向にがそれ
てしまったような場合に効果的である。また、穿刺針の
突出、さらに穿刺作業を超音波断層像下で行うことがで
きるので、適正かつ安全に実施できる。
【0118】また、超音波振動子の表面に音響レンズを
設けてあるので、超音波ミラーに入射する超音波を収束
でき、超音波ミラーの直径を超音波振動子の開口より小
さく形成できるとともに、超音波ミラーを駆動する傘歯
車も小さく形成できひいては先端硬質部の小型化を図れ
る。また、超音波伝達媒体の媒体注入路を2本形成し、
キャップ内における開口をキャップ内面側の挿入軸を挟
んだ相互に反対側に設けてあるので、一方の注入口から
空気を吸引しつつ他方の注入口から超音波伝達媒体を注
入する作業を容易に行える。
【0119】また、駆動傘歯車、従動傘歯車を樹脂製と
したため、歯車による超音波の反射は金属製のものに比
較して小さくなり、超音波画像上に表れる不要な虚像を
低減できる。また、キャップと先端部硬質部本体との間
に間隙を設けてあるので、使用中に先端硬質部に外力が
加わってもキャップが弾性変形して外力を吸収し、内部
の傘歯車等の回転機構に力が加わって歯当たりが変わっ
てしまい回転が阻害されてしまう事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る超音波内視鏡を用いた
超音波診断装置の全体を示した図である。
【図2】同先端硬質部の一部断面図である。
【図3】同斜視図である。
【図4】図2におけるA−A断面図である。
【図5】図2におけるB−B断面図である。
【図6】同鉗子起上台周辺の縦断面図である。
【図7】同鉗子起上台の動作を説明するための拡大断面
図である。
【図8】第2の実施の形態に係る鉗子起上台の拡大断面
図である。
【図9】第3の実施の形態に係る超音波内視鏡を用いた
超音波診断装置の全体を示した図である。
【図10】同先端硬質部の一部断面図、及び平面図であ
る。
【図11】第4の実施の形態における先端硬質部の一部
断面図である。
【図12】同アダプタの斜視図、及び分解斜視図であ
る。
【図13】第5の実施の形態における先端硬質部の斜視
図である。
【図14】同一部拡大斜視図である。
【図15】第6の実施の形態に係る超音波内視鏡を用い
た超音波診断装置の全体を示した斜視図である。
【図16】同先端硬質部の縦断面図である。
【図17】同穿刺針ガイド孔近傍の拡大断面図である
【図18】同穿刺針と穿刺針刺入用補助具の斜視図であ
る。
【図19】同超音波内視鏡を腹腔内に刺入している状態
を示した図である。
【図20】同モニタで画像診断をしている状況を示した
図である。
【図21】同光線を腹壁に照射している状態を示した図
である。
【図22】同穿刺針を腹腔内に刺入している状態を示し
た図である。
【図23】同蛇管と第2の把持部との回動機構の断面
図、及びA−A断面図である。
【図24】第7の実施の形態に係る先端部の縦断面図で
ある。
【図25】同先端部の拡大断面図である。
【図26】同光ファイバーと超音波観測装置の接続関係
を示した説明図である。
【図27】第8の実施の形態に係る先端部の縦断面図で
ある。
【図28】穿刺針刺入用補助具の外套管の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3a 先端硬質部本体 43 挿通孔 44 鉗子起上台 49 先端硬質部挿通孔 50 鉗子出口 51 回転軸 52 ワイヤ取り付け部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】すると、光線100は穿刺針表面で反射
し、反射光線が受光用光ファイバー124bを介して超
音波観測装置71の光検出器127に導かれる。光検出
器127は反射光の強度に応じて電気出力する。電気出
力は、演算器128で距離に変換されl1 が求められ
る。続いて、光ファイバー束125の照明用光ファイバ
ー125bから光線が放射され、同様にしてl2 が求め
られる。そこで、演算器128により穿刺針103の刺
入角度ψが次式(3)により算出される。 ψ=tan-1{〔(l1 −n)−l2 〕/l〕}・・・(3) そして、モニタ83の超音波断層像108上で、超音波
出射方向に対してψの角度方向に穿刺方向マーカー11
1が表示される。こうして、ターゲット110を穿刺方
向マーカー111上に位置させ、穿刺針103をターゲ
ット110まで刺入し生検または処置を行う。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部に処置具を挿通するチャンネルを
    形成し、挿入部の先端硬質部に、挿入軸と平行な面を走
    査する超音波走査機構と、超音波走査面上に前記処置具
    を突出させるチャンネル出口と、前記処置具の突出角度
    を調整可能に揺動する起上台を設けた超音波内視鏡にお
    いて、 前記先端硬質部及び前記起上台に前記処置具の外形とほ
    ぼ同径の挿通孔を形成し、前記起上台が最も下がった際
    に前記先端硬質部の挿通孔と前記起上台の挿通孔がほぼ
    同一軸上に位置し、前記先端硬質部のチャンネル出口の
    最上点と前記起上台挿通孔の手元側の最上点が前記起上
    台の揺動中心軸点から等距離に位置するように構成した
    ことを特徴とする超音波内視鏡。
JP7283495A 1995-10-31 1995-10-31 超音波内視鏡 Withdrawn JPH09122067A (ja)

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