JPH0911647A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH0911647A
JPH0911647A JP7169063A JP16906395A JPH0911647A JP H0911647 A JPH0911647 A JP H0911647A JP 7169063 A JP7169063 A JP 7169063A JP 16906395 A JP16906395 A JP 16906395A JP H0911647 A JPH0911647 A JP H0911647A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背面層の帯電防止効果がすぐれ、サーマルヘ
ッドの損傷を著しく低減でき、かつ耐スティック性が良
好な熱転写シートを提供すること。 【解決手段】 基材の一方の面に記録層が設けられ、他
方の面に背面層が設けられてなる熱転写シートにおい
て、該背面層がバインダー樹脂とフラーレンとからな
り、かつ該背面層の表面抵抗率が1011Ω/cm2 以下
であることを特徴とする熱転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基材の一方の面に記
録層が設けられ、他方の面に背面層が設けられている熱
転写シートに関する。さらに詳しくは、背面層に帯電防
止処理が施された熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステルフィルムなどの
基材の一方の面に熱溶融性インク層を設けた熱転写シー
トを基材の背面からサーマルヘッドで加熱して熱溶融性
インク層を選択的に転写して被転写体上に印像を形成す
る熱転写記録方法が広く利用されている。
【0003】前記熱転写シートにおいては、サーマルヘ
ッドと摺接する基材の背面に耐熱性樹脂あるいはこれに
滑剤を混入したものから構成される背面層(スティック
防止層)を設けて基材がサーマルヘッドに融着するのを
防止することが行なわれている。
【0004】しかしながら、かかる従来の背面層は表面
抵抗率が1019Ω/cm2 以上と大きく、そのため熱転
写シートとサーマルヘッドとが摩擦する際に、該熱転写
シートが摩擦帯電し、また熱転写シートと被転写体とが
剥離する際には、該熱転写シートが剥離帯電する。この
ようにして熱転写シートに帯電した静電気の容量が大き
いばあいには、サーマルヘッドとの間に放電が起こり、
この放電のために、前記サーマルヘッドが損傷をうける
という不具合があった。
【0005】また従来の背面層は、耐スティック性とい
う観点からも充分な性能を有しておらず、耐熱性不足の
ため、熱転写シートがサーマルヘッドに融着するのを完
全に防止しえなかった。さらに背面層がサーマルヘッド
でしごき取られ、ヘッドにカス付着が発生し、印字品位
が低下するという不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記熱転写シートにお
ける静電気の帯電を防止するためには、リン酸エステル
などの帯電防止剤を該熱転写シートの背面層の表面に塗
布する方法や背面層の中に含有させる方法が提案されて
いる。
【0007】しかしながら、前記帯電防止剤を背面層の
表面に塗布する方法では、充分な帯電防止効果をえるた
めには多量の帯電防止剤を塗布する必要があり、そのた
めに背面層の表面に過度のタック性が生じるので、熱転
写シートの走行不良やブロッキングが起きるという不具
合があり、さらに帯電防止効果の持続性に劣るという欠
点があった。前記帯電防止剤を背面層の中に含有させる
方法では、該帯電防止剤を背面層の表面にブリードさせ
る必要があり、充分な量の帯電防止剤をブリードさせる
ためには多量の帯電防止剤を背面層の中に含有させる必
要があるが、背面層の中に多量の帯電防止剤を含有させ
ると、該背面層の耐熱性が低下するという不具合があっ
た。
【0008】帯電防止効果の大きい方法の一例として背
面層にカーボンブラックを含有させる方法が提案されて
おり、この方法によれば背面層の表面抵抗率を1011Ω
/cm2 以下にすることが可能である。しかしながら、
カーボンブラックは背面層を構成する他の成分に比べ硬
度が高いので、カーボンブラックを含有する背面層を有
する熱転写シートを用いて熱転写を続けると、サーマル
ヘッドが摩耗、損傷を起こしやすく、とくに帯電防止効
果を高めるためにカーボンブラックを多量に含有する背
面層を有する熱転写シートを用いるばあい、サーマルヘ
ッドが著しく摩耗、損傷を起こす傾向がある。
【0009】そのため、カーボンブラックとして吸油量
が400ミリリットル/100g以上の導電性カーボン
ブラックを用い、これをポリイソシアネートを主剤とす
る背面層に10重量%以下という少量含有させる方法が
提案されている(特開平2−34393号公報参照)。
【0010】しかしながら、この方法においてもカーボ
ンブラックを含有する故、サーマルヘッドの摩耗、損傷
の防止を充分に達成できない。
【0011】また、背面層(スティック防止層)に加え
て、帯電防止層または金属薄膜層を設ける方法がある
が、この方法によると製造コストが高くなるという問題
点がある。
【0012】前記熱転写シートの耐スティック性を向上
させる方法としては、耐熱保護層を設ける方法が種々提
案されている。また、それら耐熱保護層にリン酸エステ
ル、シリコンオイル等の常温で固形または液状の熱時離
型性および熱時滑性を有する有機材料を含有させること
が提案されている。
【0013】前記耐熱保護層をもうける方法としては、
たとえば特開昭60−201989号公報には、芳香族
ポリアミドからなる耐熱保護層を設けることが、さらに
特開昭63−203387号公報には、芳香族ポリスル
フォン系樹脂からなる耐熱保護層を設けることが提案さ
れている。しかしながら、これらの耐熱保護層は耐ステ
ィック性という観点から不充分であり、熱転写シートが
サーマルヘッドに融着し、熱転写シートが安定して走行
することが出来なくなると共に、印字品位を著しく低下
させる。
【0014】また、特開昭61−143195号公報に
は、シリコーングラフトまたはブロク−アクリル系共重
合体からなる背面層を設けることが提案されている。シ
リコーングラフトまたはブロック−アクリル系共重合体
からなる背面層は、硬度が他の樹脂類より硬く樹脂自体
の耐熱性が高いため、耐スティック性に優れている。し
かし、シリコーングラフトまたはブロック−アクリル系
共重合体は成膜性が劣るため、該樹脂からなる背面層は
印字の際サーマルヘッドにより削り取られ、サーマルヘ
ッドの発熱体およびその近傍に背面層構成物が付着し、
印字品位の低下が発生するなどの不具合が生じる。
【0015】さらに、前記常温で固形の熱時離型性およ
び熱時滑性を有する材料を背面層に含有する方法では、
耐スティック性は良好であるが、ヘッドカス付着が発生
しやすいという不具合があった。また前記常温で液状の
熱時離型性および熱時滑性を有する材料を背面層に含有
させる方法では、熱転写シートをロール状で保存したば
あい、背面層材料が記録層側へ裏移りを起こし転写阻害
を引き起す。また、背面層と記録層とが張り付いたりす
る、いわゆるブロッキング現象が発生することがあっ
た。ブロッキング現象が発生すると、ロール状態の熱転
写シートの巻き出し、搬送が円滑に行なわれなくなった
り、背面層に移行、付着した記録層のインク成分がサー
マルヘッドの発熱体およびその近傍に融着または付着
し、印字品位を著しく低下させるという不具合があっ
た。
【0016】本発明は前記の点に鑑みて、帯電防止効果
がすぐれ、サーマルヘッドの損傷を著しく低減すること
ができ、かつ耐スティック性が良好な熱転写シートを提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の一方の
面に熱溶融性インク層が設けられ、他方の面に背面層が
設けられてなる熱転写シートにおいて、該背面層がバイ
ンダー樹脂とフラーレンとからなり、かつ該背面層の表
面抵抗率が1011Ω/cm2 以下であることを特徴とす
る熱転写シート(第1発明)に関する。
【0018】また、本発明は、前記第1発明において、
前記背面層中に前記バインダー樹脂の硬化剤が含有され
ていることを特徴とする熱転写シート(第2発明)に関
する。
【0019】さらに、本発明は、前記第1または第2発
明において、前記硬化剤がポリイソシアネートであるこ
とを特徴とする熱転写シート(第3発明)に関する。
【0020】さらに、本発明は、前記第1、第2または
第3発明において、前記フラーレンがカーボンナノチュ
ーブであることを特徴とする熱転写シート(第4発明)
に関する。
【0021】本発明はさらに、前記第1、第2、第3ま
たは第4発明において、前記背面層中のフラーレンの含
有率が1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする熱
転写シート(第5発明)に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】第1発明によれば、熱転写シート
の背面層をバインダー樹脂とフラーレンとで構成するこ
とにより、該背面層の表面抵抗率が1011Ω/cm2
下となり、該熱転写シートとサーマルヘッドとが摩擦す
る際または該熱転写シートと被転写体とが剥離する際に
生じる静電気が帯電しない。そのため、前記静電気がサ
ーマルヘッドへ放電せずサーマルヘッドが損傷すること
がない。また、背面層にカーボンブラックを含有させる
従来技術に比べて、フラーレンの帯電防止効果が大き
く、背面層における含有量が少なくてすむので、サーマ
ルヘッドが損傷を受けにくい。さらに背面層を樹脂単独
または樹脂と滑剤で構成する従来技術に比べて、成膜性
が向上されているためスティッキングが発生しない。
【0023】第2発明によれば、前記背面層中にバイン
ダー樹脂の硬化剤が含有されているために、該背面層の
耐熱性がよくなり、また該背面層を有する熱転写シート
はロール状に巻いた状態で高温で保存しても、該背面層
成分の裏移り量(ここで裏移りとはロール状に巻いたと
きに背面層に相対する面に、背面層成分が移る不都合な
現象をいい、移った背面層成分の量を裏移り量という、
以下同じ)を低減できる。
【0024】第3発明によれば、前記硬化剤がポリイソ
シアネートであることにより、背面層の耐熱性がさらに
よくなり、また背面層の裏移り量をさらに低減できる。
【0025】第4発明によれば、前記フラーレンがカー
ボンナノチューブであることにより、より好適に背面層
の表面抵抗率を減少させることができる。
【0026】第5発明によれば、前記背面層中のフラー
レンの含有率が1〜10重量%の範囲にあることによ
り、充分に背面層の表面抵抗率を減少させ、かつ背面層
が充分な耐スティック性を有するために、サーマルヘッ
ドに該背面層成分の粉が付着せず、スティッキングが発
生しない。
【0027】次に本発明を詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の熱転写シートの一実施例を
示す概略部分断面図である。図1において、1は基材で
あり、基材1の背面に背面層2が設けられ、基材1の表
面に記録層3が設けられている。
【0029】本発明は、前記背面層が耐スティック性、
耐熱性、滑性、セルフクリーニング性に優れ、かつ表面
抵抗率が1011Ω/cm2 以下で、帯電防止効果のすぐ
れた熱転写シートを提供する。
【0030】本発明に用いられるフラーレンとしては、
帯電防止効果、耐スティック性、耐ヘッド摩耗性がよい
という点などから、ジャイアントフラーレンに属するカ
ーボンナノチューブが好ましい。
【0031】前記カーボンナノチューブは、中空繊維形
状をしており、直径1〜50nm、長さ1〜40μm程
度の大きさのものである。
【0032】前記カーボンナノチューブの形状が中空繊
維形状であることから、通常の導電性カーボンブラック
より少ない含有量で帯電防止効果を発揮することがで
き、さらに背面層中に無数のカーボン繊維が編み目状に
絡み合うことで、背面層の成膜強度が高められ、耐ステ
ィック性を向上させることができる。
【0033】背面層中の前記フラーレンの含有率は、1
〜10重量%の範囲、なかんづく2〜6%の範囲である
ことが好ましい。含有率が前記範囲より少ないと、背面
層の表面抵抗率が高くなる傾向があると共に、耐スティ
ック性が低下する傾向にある。一方、前記範囲より多い
と、背面層の硬度が高くなりすぎ、サーマルヘッドを摩
耗せしめたり、クラックを発生させる傾向がある。
【0034】本発明における背面層のバインダー樹脂と
しては、従来より使用されているシリコーン樹脂、シリ
コーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹
脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース、メラミン樹脂など
の耐熱性樹脂がいずれも用いられるが、耐熱性、低摩擦
抵抗、フラーレン、なかんづくカーボンナノチューブと
の相乗効果などの点から、シリコーン変性ウレタン樹
脂、シリコーン変性アクリル樹脂がとくに好ましい。
【0035】本発明において必要により用いられる前記
バインダー樹脂の硬化剤としては、トリレンジイソシア
ネート(TDI)系、1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アネート(HDI)系、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)系、キシレンジイソシアネート(XDI)
系、1−メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネ
ート(H6 XDI)系などのポリイソシアネートがあげ
られ、反応性とインクのポットライフのバランスの点か
ら、TDI系のジイソシアネートがとくに好ましい。
【0036】前記硬化剤の含有率は、バインダー樹脂の
含有率、バインダー樹脂の種類、該硬化剤の種類によっ
て適宜調節できるが、該バインダー樹脂に対して該硬化
剤が1〜50重量%の範囲内、なかんづく5〜40重量
%の範囲内にあることが好ましい。
【0037】本発明の背面層には、本発明の目的を損な
わない範囲内でリン酸エステル、シリコーンオイル、ス
テアリン酸亜鉛などの滑剤、メラミン樹脂粒子、シリコ
ーン樹脂粒子などを配合してもよい。
【0038】本発明の背面層は前記バインダー樹脂、前
記フラーレン、必要により硬化剤、他の配合剤を適宜の
溶剤に溶解、分散したものを塗布、乾燥することによっ
て形成できる。塗布量(乾燥後塗布量、以下同様)は
0.1〜1.0g/m2 の範囲、なかんづく0.4〜
0.6g/m2 の範囲が好ましい。塗布量が前記範囲未
満では、耐熱性が劣り、スティッキングが発生しやすく
なると共に、背面層中のフラーレンが背面層表面から突
き出た状態になり、ヘッド摩耗が発生しやすくなる。一
方前記範囲を超えるとサーマルヘッドへのカス(背面層
成分の粉)付着が起こりやすくなる傾向があると共に、
熱伝導が低下することにより印字不良(転写不足)を引
き起こす原因になる。
【0039】本発明に用いる基材としては、従来からこ
の種の熱転写シートの基材として使用されているものが
とくに制限なく使用可能であり、たとえばポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフ
ィルム、ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィル
ム、アラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポ
リイミドフィルム、セロハンなどのプラスチックフィル
ム、グラシン紙、コンデンサー紙などの高密度紙など
で、厚さが1.5〜10μm程度のものが好ましく用い
られる。
【0040】本発明に用いる記録層としては従来からこ
の種の熱転写シートにおける記録層として使用されてい
るものがいずれも使用でき、たとえばつぎのものがあげ
られる。
【0041】(1)ワンタイム用熱溶融性転写層 着色剤と熱溶融性ビヒクル(ワックス類および(また
は)熱溶融性樹脂からなるもの)とを主要成分とする熱
溶融性インクの均質層からなるタイプのものなどがあげ
られる。
【0042】(2)多数回使用型熱転写層 非転写性の多孔質樹脂層または多孔質粒子を樹脂バイン
ダーで結着せしめた構成の非転写性の多孔質樹脂層に着
色剤と熱溶融性ビヒクルとを主要成分とする熱溶融性イ
ンクを含有せしめ、加熱の毎に熱溶融性インクが多孔質
樹脂層から徐々に滲出されるタイプのものや、着色剤と
熱溶融性ビヒクルと充填剤とを主要成分として、加熱の
毎にインク層が厚さ方向に徐々に転写されるタイプのも
のがあげられる。
【0043】(3)熱移行性転写層 非転写性の樹脂層に昇華性染料などの熱移行性染料を含
有せしめ、熱移行性染料のみを受容体に転移せしめるタ
イプのものなどがあげられる。
【0044】前記着色剤としては、有機または無機の顔
料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色
濃度を有し、光、熱、温度などにより変褐色しないもの
が好ましい。また、加熱により発色するような物質や、
被転写体に塗布されている物質と接触することにより発
色するような物質を用いることもできる。そして、着色
剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの他
に、種々の色の着色剤を使用することができる。
【0045】前記ビヒクルは、ワックスを主成分とする
もの、あるいはワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロ
ースまたはゴムの誘導体などとの混合物が用いられる。
また、熱溶融性インクからなる記録層には、良好な熱伝
導性および溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を
含有させることができる。このような熱伝導性物質とし
ては、カーボンブラックなどの炭素質物質、アルミニウ
ム、銅、酸化スズ、二硫化モリブデンなどがあげられ
る。
【0046】前記の熱溶融性インクを用いて基材上へ記
録層を形成する方法としては、ホットメルトコート法、
ホットラッカーコート法、グラビアコート法、グラビア
リバースコート法、ロールコート法などの公知の方法が
あげられる。
【0047】熱溶融性インクからなる記録層の厚さは、
要求される印字濃度、熱感度などを考慮して適宜決定す
ることができ、通常0.1〜30μm程度である。
【0048】また、このような記録層の上にさらにワッ
クスからなる表面層を形成してもよい。この表面層は、
転写膜の一部をなして被転写体に接する側の表面を形成
して、転写時の被転写体の印字部の目止め、地汚れ防止
あるいは熱溶融性インクの被転写体に対する接着性向上
の作用をなす。
【0049】一方、熱移行性染料を含む記録層の形成に
用いる染料としては、熱転写シートに用いられている従
来公知の昇華性染料がいずれも使用できる。昇華性染料
の具体的な例としては、赤色染料としてMS Red
G、Macrolex Red Violet R、C
eres Red 7B、Samaron RedHB
SL、Resolin Red F3BSなどがあげら
れ、黄色染料としてホロンブリリアントイエロー6G
L、PTY−52、Macrolex Yellow
6Gなどがあげられ、また、青色染料としてカヤセット
ブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブ
リリアントブルーS−R、MSブルー100などがあげ
られる。
【0050】前記の熱移行性染料を担持するためのバイ
ンダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用で
き、たとえばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿など
のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどの
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられる。こ
れらのバインダー樹脂の中では、セルロース系、アセタ
ール系、ブチラール系およびポリエステル系のものが特
に好ましい。
【0051】熱移行性染料を含む記録層の形成は、たと
えば、適当な溶剤中に前記の熱移行性染料、バインダー
樹脂、その他の必要な添加剤を加え、各成分を溶解また
は分散させて塗工液を調整し、この塗工液を基材フィル
ム上に塗布し、乾燥させることにより行うことができ
る。このような記録剤層の厚さは0.2〜5μm程度が
好ましく、また、記録剤層中に含まれる昇華性染料の量
は5〜90重量%程度が好ましい。
【0052】
【実施例】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0053】実施例1〜2および比較例1〜3 厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面に、表1に示す処方の背面層用塗工液をバーコー
ターで塗布し、乾燥して塗布量0.5g/m2の背面層
を形成した。
【0054】前記ポリエチレンテレフタレートフィルム
の背面層と反対面に下記の処方のインク組成物をホット
メルトコーティング法で塗布して、乾燥後塗布量4.0
g/m2 の熱溶融性インク層を形成し、熱転写シートを
えた。
【0055】 成 分 重量部 パラフィンワックス 75 エチレン−酢酸ビニル共重合体 5 カーボンブラック 20 えられた熱転写シートについて背面層の表面抵抗率を測
定し、さらに下記の条件で印字を行なったあとのサーマ
ルヘッドの損傷、サーマルヘッドへの背面層成分の付着
状態、スティック現象(基材の損傷)を下記のようにし
て調べた。結果を表1に示す。
【0056】印字条件 プリンター:(株)東芝製JW95HP RUPO 印字スピード:100cps(高速モード) 印字走行距離:3000m 被転写紙:ベック平滑度50秒の上質紙 (1)表面抵抗率(Ω/cm2) 三菱油化(株)製高抵抗抵抗率計Hiresta IP
で測定した。
【0057】(2)サーマルヘッドの損傷状態 金属顕微鏡((株)ニコン製HFX−II)を使用し、
損傷状態を下記の評価基準で評価した。
【0058】<評価基準> ○:未使用の状態と比べて変化が見られない。 △:発熱素子単体が判別可能であるが、未使用の状態と
比べて若干変化が見られる。 ×:発熱素子にクラックが生じている。
【0059】○が実用域内である。
【0060】(3)サーマルヘッドへの背面層成分の付
着状態 前記金属顕微鏡を使用し、背面層成分の付着状態を下記
の評価基準で評価した。
【0061】<評価基準> ○:未使用の状態と比べて変化が見られない。 △:アルコールでふきとることで、ほぼ未使用の状態に
もどる。 ×:背面層成分がサーマルヘッド面に固着しており、ア
ルコールでふきとることができない。
【0062】○が実用域内である。
【0063】(4)スティック現象 印字中に、サーマルヘッド面と接する熱転写シートの背
面層の面が、溶融して、該サーマルヘッドに融着する現
象(スティック現象)を下記の評価基準で評価した。
【0064】<評価基準> ○:スティック現象が見られない。 △:スティック現象が少し発生する。 ×:リボンの破断が生じる。
【0065】○が実用域内である。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】第1発明によれば、熱転写シートの背面
層をバインダー樹脂とフラーレンとで構成することによ
り、該背面層の表面抵抗率が1011Ω/cm2 以下とな
り、該熱転写シートとサーマルヘッドとが摩擦する際ま
たは該熱転写シートと被転写体とが剥離する際に生じる
静電気が帯電しない。そのため、前記静電気がサーマル
ヘッドへ放電せずサーマルヘッドが損傷することがな
い。また、フラーレンの帯電防止効果が大きいので、前
記従来技術における背面層にカーボンブラックを含有す
る熱転写シートにくらべて、フラーレンの背面層におけ
る含有量が少なくてすみ、サーマルヘッドが損傷を受け
にくい。さらに、背面層を樹脂単独または樹脂と滑剤で
構成する従来技術に比べて、成膜性が向上されているた
めスティッキングが発生しない。
【0068】第2発明によれば、前記背面層中にバイン
ダー樹脂の硬化剤が含有されているために、該背面層の
耐熱性がよくなり、また該背面層を有する熱転写シート
はロール状に巻いた状態で高温で保存しても、該背面層
成分の裏移り量を低減できる。
【0069】第3発明によれば、前記硬化剤がポリイソ
シアネートであることにより、背面層の耐熱性がさらに
よくなり、また背面層の裏移り量をさらに低減できる。
【0070】第4発明によれば、前記フラーレンがカー
ボンナノチューブであることにより、より好適に背面層
の表面抵抗率を減少させることができ、また耐スティッ
ク性を向上させることができる。
【0071】第5発明によれば、前記背面層中のフラー
レンの含有率が1〜10重量%の範囲にあることによ
り、充分に背面層の表面抵抗率を減少させ、かつ背面層
が充分な耐スティック性を有するために、サーマルヘッ
ドに該背面層成分の粉が付着せず、スティッキングが発
生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの一実施例を示す概略部
分断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 背面層 3 記録層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に記録層が設けられ、他
    方の面に背面層が設けられてなる熱転写シートにおい
    て、該背面層がバインダー樹脂とフラーレンとからな
    り、かつ該背面層の表面抵抗率が1011Ω/cm2 以下
    であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記背面層中に前記バインダー樹脂の硬
    化剤が含有されていることを特徴とする請求項1記載の
    熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤がポリイソシアネートである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱転写シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記フラーレンがカーボンナノチューブ
    であることを特徴とする請求項1、2または3記載の熱
    転写シート。
  5. 【請求項5】 前記背面層中のフラーレンの含有率が1
    〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の熱転写シート。
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