JPH09115716A - 磁性材料の製造方法 - Google Patents
磁性材料の製造方法Info
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- JPH09115716A JPH09115716A JP7268522A JP26852295A JPH09115716A JP H09115716 A JPH09115716 A JP H09115716A JP 7268522 A JP7268522 A JP 7268522A JP 26852295 A JP26852295 A JP 26852295A JP H09115716 A JPH09115716 A JP H09115716A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高周波域において従来より損失(コアロス)
が小さい磁心材料として十分実用に供する高電気抵抗高
飽和磁束密度を有する金属磁性材料の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 磁性材料の製造方法は,アルミニウムイ
オンを含む水溶液に対して,重量%でFe−0.05w
t%〜0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を
加えた後,pH調整して生成する沈殿物を乾燥後,加熱
脱水・還元して得られるFe−Al2 O3 粉末を成形・
焼結する。この磁性材料の製造方法において,前記アル
ミニウムイオンを含む水溶液にアミノ酸を添加する。
が小さい磁心材料として十分実用に供する高電気抵抗高
飽和磁束密度を有する金属磁性材料の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 磁性材料の製造方法は,アルミニウムイ
オンを含む水溶液に対して,重量%でFe−0.05w
t%〜0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を
加えた後,pH調整して生成する沈殿物を乾燥後,加熱
脱水・還元して得られるFe−Al2 O3 粉末を成形・
焼結する。この磁性材料の製造方法において,前記アル
ミニウムイオンを含む水溶液にアミノ酸を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,磁性材料の製造方
法に関し,高飽和磁束密度焼結材料として用いられる磁
性ヨーク等に用いられる純鉄系高電気抵抗及び高飽和磁
束密度を有する焼結磁性材料の製造方法に関するもので
ある。
法に関し,高飽和磁束密度焼結材料として用いられる磁
性ヨーク等に用いられる純鉄系高電気抵抗及び高飽和磁
束密度を有する焼結磁性材料の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在,チョークコイルは小型化が著しく
進んでいる。このチョークコイルには,高周波領域にお
ける磁気損失が小さいということが最も重要視されてい
た。したがって,従来は高周波域での磁気損失の小さい
ものということで,飽和磁束密度は低いながらも,比抵
抗の大きな材料ということでフェライトが使用されてき
た。
進んでいる。このチョークコイルには,高周波領域にお
ける磁気損失が小さいということが最も重要視されてい
た。したがって,従来は高周波域での磁気損失の小さい
ものということで,飽和磁束密度は低いながらも,比抵
抗の大きな材料ということでフェライトが使用されてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,チョー
クコイルにフェライトを用いた場合,飽和磁束密度が低
くせいぜい〜5kGしかなく,すぐ飽和してしまい,飽
和させないようにするには先のチョークコイルのトレン
ドに逆行し大形化の方向に進まなければならない。これ
は,時代の趨勢とは逆行するものである。
クコイルにフェライトを用いた場合,飽和磁束密度が低
くせいぜい〜5kGしかなく,すぐ飽和してしまい,飽
和させないようにするには先のチョークコイルのトレン
ドに逆行し大形化の方向に進まなければならない。これ
は,時代の趨勢とは逆行するものである。
【0004】そこで,今後の動向としては高い飽和磁束
密度を持ち,かつ磁気損失の小さな,つまり電気抵抗の
大きな磁性材料が要求されている。
密度を持ち,かつ磁気損失の小さな,つまり電気抵抗の
大きな磁性材料が要求されている。
【0005】従来,金属材料はその電気抵抗が小さいた
めに殆ど使用されず,これまでは比較的電気抵抗が大き
い(約100μΩcm)珪素鋼が唯一金属材料として使
用されてきたのみである。したがって,より高周波域で
の高飽和磁束密度の高い,フェライトのようにすぐ飽和
することのない金属磁性材料が望まれている。
めに殆ど使用されず,これまでは比較的電気抵抗が大き
い(約100μΩcm)珪素鋼が唯一金属材料として使
用されてきたのみである。したがって,より高周波域で
の高飽和磁束密度の高い,フェライトのようにすぐ飽和
することのない金属磁性材料が望まれている。
【0006】そこで,本発明の技術的課題は,前記従来
技術の欠点を除去し,高周波域において従来より損失
(コアロス)が小さい磁心材料として十分実用に供する
高電気抵抗高飽和磁束密度を有する金属磁性材料の製造
方法を提供することにある。
技術の欠点を除去し,高周波域において従来より損失
(コアロス)が小さい磁心材料として十分実用に供する
高電気抵抗高飽和磁束密度を有する金属磁性材料の製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は,高飽和磁束
密度の高い材料を得る方法としては,粒界層を高電気抵
抗物質で満たすことが必要であると考えた。ここで,渦
電流損失は,材料の比抵抗に反比例し,渦電流半径に比
例することから,このような粒界層が切断された組織形
態であると渦電流半径は大きく,比抵抗は小さくなり渦
電流損失が増大することになる。このことから,高電気
抵抗物質を粒界層で分断させることなく高密度に分布さ
せることが必要であると本発明者らは,考えた。このよ
うに粒界層に均一に分散させるためには分散粒子として
の微粉末の入手が不可欠であるが,一部研磨用としての
微粒子アルミナは存在したが,バインダー等純度の問題
で使用されることがなかった。従来においては,粒径の
φ0.2μm以下の細かなしかも高純度なアルミナは入
手困難であった。
密度の高い材料を得る方法としては,粒界層を高電気抵
抗物質で満たすことが必要であると考えた。ここで,渦
電流損失は,材料の比抵抗に反比例し,渦電流半径に比
例することから,このような粒界層が切断された組織形
態であると渦電流半径は大きく,比抵抗は小さくなり渦
電流損失が増大することになる。このことから,高電気
抵抗物質を粒界層で分断させることなく高密度に分布さ
せることが必要であると本発明者らは,考えた。このよ
うに粒界層に均一に分散させるためには分散粒子として
の微粉末の入手が不可欠であるが,一部研磨用としての
微粒子アルミナは存在したが,バインダー等純度の問題
で使用されることがなかった。従来においては,粒径の
φ0.2μm以下の細かなしかも高純度なアルミナは入
手困難であった。
【0008】そこで,本発明者は,種々の検討を行った
結果,アルミニウムイオンを含む水溶液に対して,重量
%でFe−0.05wt%〜0.50wt%Al2 O3
になるようにFe粉末を加えて,pH調整を行ってでき
る沈殿物を,濾過した後水洗いし,加熱・脱水・還元し
て得られるFe−Al2 O3 粉末を成形・焼結すること
により,従来のボールミル混合で,鉄に対してアルミナ
を添加した焼結合金よりも飽和磁束密度が高く,電気抵
抗の高い値を有する金属磁性材料を提供することが可能
であることを見い出した。また,アルミニウム水溶液に
対してアミノ酸を加え,重量%でFe−0.05wt%
〜0.50wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加
えて,pH調整を行ってできる沈殿物を,濾過した後水
洗いし,加熱・脱水・還元して得られるFe−Al2 O
3 粉末を成形・焼結することにより,さらに高電気抵抗
を有する金属磁性材料を提供することが可能であること
も見いだし,本発明をい為すに至ったものである。
結果,アルミニウムイオンを含む水溶液に対して,重量
%でFe−0.05wt%〜0.50wt%Al2 O3
になるようにFe粉末を加えて,pH調整を行ってでき
る沈殿物を,濾過した後水洗いし,加熱・脱水・還元し
て得られるFe−Al2 O3 粉末を成形・焼結すること
により,従来のボールミル混合で,鉄に対してアルミナ
を添加した焼結合金よりも飽和磁束密度が高く,電気抵
抗の高い値を有する金属磁性材料を提供することが可能
であることを見い出した。また,アルミニウム水溶液に
対してアミノ酸を加え,重量%でFe−0.05wt%
〜0.50wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加
えて,pH調整を行ってできる沈殿物を,濾過した後水
洗いし,加熱・脱水・還元して得られるFe−Al2 O
3 粉末を成形・焼結することにより,さらに高電気抵抗
を有する金属磁性材料を提供することが可能であること
も見いだし,本発明をい為すに至ったものである。
【0009】本発明によれば,アルミニウムイオンを含
む水溶液に対して,重量%でFe−0.05wt%〜
0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加えた
後,pH調整して生成する沈殿物を乾燥後,加熱脱水・
還元して得られるFe−Al2O3 粉末を成形・焼結す
ることを特徴とする磁性材料の製造方法が得られる。
む水溶液に対して,重量%でFe−0.05wt%〜
0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加えた
後,pH調整して生成する沈殿物を乾燥後,加熱脱水・
還元して得られるFe−Al2O3 粉末を成形・焼結す
ることを特徴とする磁性材料の製造方法が得られる。
【0010】また,本発明によれば,前記磁性材料の製
造方法において,前記アルミニウムイオンを含む水溶液
にアミノ酸を添加することを特徴とする磁性材料の製造
方法が得られる。
造方法において,前記アルミニウムイオンを含む水溶液
にアミノ酸を添加することを特徴とする磁性材料の製造
方法が得られる。
【0011】これまで,金属材料である純Feの低損失
化に対して,各種粒界への添加物の添加が有効であると
考え,様々な検討がなされている。
化に対して,各種粒界への添加物の添加が有効であると
考え,様々な検討がなされている。
【0012】本発明による磁性材料の製造方法において
は,所定量のアルミニウムイオンを含む水溶液に,さら
に可能であればアミノ酸を添加し,この水溶液に重量%
でFe−0.05wt%〜0.5wt%Al2 O3 にな
るようにFe粉末を加えた後,pH調整してpHを上げ
ることによって,沈殿物が生じ,それを濾過して,水洗
した後,加熱・脱水・還元することにより,Fe粉末表
面をアルミナが覆った非常に細かな粉末を作製すること
ができる。
は,所定量のアルミニウムイオンを含む水溶液に,さら
に可能であればアミノ酸を添加し,この水溶液に重量%
でFe−0.05wt%〜0.5wt%Al2 O3 にな
るようにFe粉末を加えた後,pH調整してpHを上げ
ることによって,沈殿物が生じ,それを濾過して,水洗
した後,加熱・脱水・還元することにより,Fe粉末表
面をアルミナが覆った非常に細かな粉末を作製すること
ができる。
【0013】このようにして生成したFe−Al2 O3
粉末を成形,焼結することにより厚みおよび組成が均一
で高抵抗な粒界層を持ったFe−Al2 O3 焼結体が得
られる。
粉末を成形,焼結することにより厚みおよび組成が均一
で高抵抗な粒界層を持ったFe−Al2 O3 焼結体が得
られる。
【0014】本発明においては,高抵抗な,Al2 O3
粒界層が均一に形成されることより,材料の比抵抗が大
きくなり,渦電流半径も小さくなるので渦電流損失を低
減させることができる。
粒界層が均一に形成されることより,材料の比抵抗が大
きくなり,渦電流半径も小さくなるので渦電流損失を低
減させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0016】(第1の実施の形態)まず,本発明の第1
の実施の形態について説明する。硝酸アルミニウム´A
l(NO3 )2 ・9H2 O)水溶液中に対してアミノ酸
(グルシン)を20wt%添加したものとそれを添加し
ないものとを作製し,重量%でFe−0.05wt%〜
0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加えた
後,水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウムを少しづ
つ添加してpHを7〜8程度に調整し,生成する沈殿物
を,まず考慮して,粉末表面の不純物を除去するため,
水洗した。その後大気中(Ar+O2 雰囲気でも十分そ
の効果が得られることが十分予想される。)で加熱,脱
水し,300℃で水素気流中で還元(水素気流中だけで
なく加熱真空中でも十分に還元することができると予想
される。)してFe−Al2 O3 粉末を成形・焼結し
た。
の実施の形態について説明する。硝酸アルミニウム´A
l(NO3 )2 ・9H2 O)水溶液中に対してアミノ酸
(グルシン)を20wt%添加したものとそれを添加し
ないものとを作製し,重量%でFe−0.05wt%〜
0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加えた
後,水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウムを少しづ
つ添加してpHを7〜8程度に調整し,生成する沈殿物
を,まず考慮して,粉末表面の不純物を除去するため,
水洗した。その後大気中(Ar+O2 雰囲気でも十分そ
の効果が得られることが十分予想される。)で加熱,脱
水し,300℃で水素気流中で還元(水素気流中だけで
なく加熱真空中でも十分に還元することができると予想
される。)してFe−Al2 O3 粉末を成形・焼結し
た。
【0017】ここで従来のカルボニル鉄にφ0.1μm
のアルミナをボールミル混合(20Hr)し,プレス・
焼結を引き続き行って得られたFe−Al2 O3 を従来
法で得られる比較例とした。そうして得られた微細なF
e−Al2 O3 粉末をSEM観察にて観察した。本発明
法によって作製したFe−Al2 O3 及び比較例をお互
いにSEM観察比較すると,本発明法のものは添加した
アルミナが全て粒界に分布していることが分かった。一
方,従来法のものは粒内・粒界問わず分散しており,高
周波での磁気損失を考慮した場合,磁気特性の大きな低
下は避けがたいことが明白である。本発明法で作られた
焼結体は粒内にアルミナ等は存在しない高周波域での磁
気損失の小さな磁性材料を提供できることにおいて,画
期的な製造法といいえる。
のアルミナをボールミル混合(20Hr)し,プレス・
焼結を引き続き行って得られたFe−Al2 O3 を従来
法で得られる比較例とした。そうして得られた微細なF
e−Al2 O3 粉末をSEM観察にて観察した。本発明
法によって作製したFe−Al2 O3 及び比較例をお互
いにSEM観察比較すると,本発明法のものは添加した
アルミナが全て粒界に分布していることが分かった。一
方,従来法のものは粒内・粒界問わず分散しており,高
周波での磁気損失を考慮した場合,磁気特性の大きな低
下は避けがたいことが明白である。本発明法で作られた
焼結体は粒内にアルミナ等は存在しない高周波域での磁
気損失の小さな磁性材料を提供できることにおいて,画
期的な製造法といいえる。
【0018】さらにアミノ酸の有無に関して,それを添
加しないものでも粉末の粒度が均一であり,φ0.1μ
mを超えるもの等はほんの少し確認されるだけである
が,そのアミノ酸を添加したものの方が粉末の粒度がよ
り均一であり,φ0.1μmを超えるもの等は一切確認
されず,ほぼSEM観察ではφ0.03〜0.05μm
の均一な粉末が得られている。また,この様にして得ら
れた平均粒径0.04μmのFe−Al2 O3 粉末を5
トン/cm2 でプレスし,引き続き焼結を約0.1to
rrの真空中において,900℃×20Hr処理した。
かくして得られた試料を樹脂埋め込みによって固定し,
その断面を#320から#1500まで研磨し,最後に
バフ研磨し,ナイタールにてエッチングした後,光学顕
微鏡,SEMにて結晶粒内及び結晶粒界を観察した結
果,光学顕微鏡(×400)では違いが認められなかっ
たが,SEM観察においてはアルミニウム水溶液にアミ
ノ酸を加えたものは,粒界層の厚みが非常に均一でかつ
薄いことがわかり,高周波域における磁気特性の安定化
が図られる。
加しないものでも粉末の粒度が均一であり,φ0.1μ
mを超えるもの等はほんの少し確認されるだけである
が,そのアミノ酸を添加したものの方が粉末の粒度がよ
り均一であり,φ0.1μmを超えるもの等は一切確認
されず,ほぼSEM観察ではφ0.03〜0.05μm
の均一な粉末が得られている。また,この様にして得ら
れた平均粒径0.04μmのFe−Al2 O3 粉末を5
トン/cm2 でプレスし,引き続き焼結を約0.1to
rrの真空中において,900℃×20Hr処理した。
かくして得られた試料を樹脂埋め込みによって固定し,
その断面を#320から#1500まで研磨し,最後に
バフ研磨し,ナイタールにてエッチングした後,光学顕
微鏡,SEMにて結晶粒内及び結晶粒界を観察した結
果,光学顕微鏡(×400)では違いが認められなかっ
たが,SEM観察においてはアルミニウム水溶液にアミ
ノ酸を加えたものは,粒界層の厚みが非常に均一でかつ
薄いことがわかり,高周波域における磁気特性の安定化
が図られる。
【0019】実際の焼結後の金属組織についても,その
結晶粒界の厚みやその厚みに関してもアミノ酸を加えた
ものの方が均一性が向上した組織となっておる。さらに
は金属組織のEDX分析を行うと,結晶粒界のAl2 O
3 の分析を行うと,粒界部全体に渡って,そのAl2 O
3 が検出される。また,アミノ酸添加しないものはED
Xでは結晶粒内にもアルミナが微量検出される。このこ
とから,アミノ酸の添加により,その金属組織の均一性
は向上することが分かる。よって,望ましくはアミノ酸
添加した方がよい。
結晶粒界の厚みやその厚みに関してもアミノ酸を加えた
ものの方が均一性が向上した組織となっておる。さらに
は金属組織のEDX分析を行うと,結晶粒界のAl2 O
3 の分析を行うと,粒界部全体に渡って,そのAl2 O
3 が検出される。また,アミノ酸添加しないものはED
Xでは結晶粒内にもアルミナが微量検出される。このこ
とから,アミノ酸の添加により,その金属組織の均一性
は向上することが分かる。よって,望ましくはアミノ酸
添加した方がよい。
【0020】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態について説明する。硝酸アルミニウム´Al
(NO3 )2 ・9H2 O)水溶液中に対して,カルボニ
ルFe粉末を添加し,さらにその溶液を撹拌しながら水
酸化ナトリウム及び水酸化アンモニアをpHを7〜8に
なるように調整するため,添加して得られた沈殿物を濾
過・水洗し,大気中で加熱脱水し,その後水素気流中で
還元して,微細なFe−Al2 O3 を作製した。
実施の形態について説明する。硝酸アルミニウム´Al
(NO3 )2 ・9H2 O)水溶液中に対して,カルボニ
ルFe粉末を添加し,さらにその溶液を撹拌しながら水
酸化ナトリウム及び水酸化アンモニアをpHを7〜8に
なるように調整するため,添加して得られた沈殿物を濾
過・水洗し,大気中で加熱脱水し,その後水素気流中で
還元して,微細なFe−Al2 O3 を作製した。
【0021】この様にして得られたFe−Xwt%Al
2 O3 粉末(平均粒径0.05μm)でX=0〜2wt
%を5トン/cm2 でプレスを行い,引き続き焼結を真
空中(約0.1torr)において,900℃×20H
r処理した。
2 O3 粉末(平均粒径0.05μm)でX=0〜2wt
%を5トン/cm2 でプレスを行い,引き続き焼結を真
空中(約0.1torr)において,900℃×20H
r処理した。
【0022】その後,外径25mm×内径15mm×高
さ5mmのトロイダルリングを作製し,Bsを測定し
た。また,比抵抗測定用に幅10mm×高さ5mm×長
さ30mmの棒状な試料を作製し,4端子法により比抵
抗の測定を行った。また,溶製材Feとの比較を行っ
た。その結果を,下記表1に示す。
さ5mmのトロイダルリングを作製し,Bsを測定し
た。また,比抵抗測定用に幅10mm×高さ5mm×長
さ30mmの棒状な試料を作製し,4端子法により比抵
抗の測定を行った。また,溶製材Feとの比較を行っ
た。その結果を,下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】上記表1より本発明の実施の形態に係る試
料は比較材である溶成材の試料よりも抵抗値が高く,B
sの低下を抑制しつつ,電気抵抗の高い本発明であるF
e−0.05〜0.5wt%Al2 O3 粉末において優
れたた特性,つまり高周波特性が良好であること分か
る。
料は比較材である溶成材の試料よりも抵抗値が高く,B
sの低下を抑制しつつ,電気抵抗の高い本発明であるF
e−0.05〜0.5wt%Al2 O3 粉末において優
れたた特性,つまり高周波特性が良好であること分か
る。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように,本発明においては,
所定量のアルミニウムを含む水溶液,さらにできればア
ミノ酸を添加し,この水溶液に重量%でFe−0.05
〜0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加え
た後,pH調整してpHを上げることによって,沈殿物
が生じ,それを濾過して,水洗・乾燥した後,大気中で
加熱,還元することにより,非常に細かなFe−Al2
O3 粉末を成形,焼結することにより,その厚みおよび
組成が均一で高抵抗な粒界層を持ったFe−Al2 O3
焼結体が得られ,高周波特性の優れた磁性材料が得られ
る。
所定量のアルミニウムを含む水溶液,さらにできればア
ミノ酸を添加し,この水溶液に重量%でFe−0.05
〜0.5wt%Al2 O3 になるようにFe粉末を加え
た後,pH調整してpHを上げることによって,沈殿物
が生じ,それを濾過して,水洗・乾燥した後,大気中で
加熱,還元することにより,非常に細かなFe−Al2
O3 粉末を成形,焼結することにより,その厚みおよび
組成が均一で高抵抗な粒界層を持ったFe−Al2 O3
焼結体が得られ,高周波特性の優れた磁性材料が得られ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウムイオンを含む水溶液に対し
て,重量%でFe−0.05wt%〜0.5wt%Al
2 O3 になるようにFe粉末を加えた後,pH調整して
生成する沈殿物を乾燥後,加熱脱水・還元して得られる
Fe−Al2O3 粉末を成形・焼結することを特徴とす
る磁性材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁性材料の製造方法にお
いて,前記アルミニウムイオンを含む水溶液にアミノ酸
を添加することを特徴とする磁性材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26852295A JP3551340B2 (ja) | 1995-10-17 | 1995-10-17 | 磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26852295A JP3551340B2 (ja) | 1995-10-17 | 1995-10-17 | 磁性材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09115716A true JPH09115716A (ja) | 1997-05-02 |
JP3551340B2 JP3551340B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=17459697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26852295A Expired - Fee Related JP3551340B2 (ja) | 1995-10-17 | 1995-10-17 | 磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3551340B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100425376C (zh) * | 2006-09-04 | 2008-10-15 | 北京科技大学 | 制备纳米级氧化铝弥散铁粉的方法 |
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1995
- 1995-10-17 JP JP26852295A patent/JP3551340B2/ja not_active Expired - Fee Related
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