JP7247874B2 - 鉄基軟磁性合金粉末 - Google Patents

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本発明は、鉄基軟磁性合金粉末に関する。
近年、電源回路で使用されるパワーインダクタとしては、小型化・低背化の要求から大電流・高周波数で使用できる軟磁性材料が望まれている。従来、インダクタの主材料として酸化物であるフェライト系材料が使用されてきたが、飽和磁化が低いため小型化には不利であり、近年、飽和磁化が高く小型・低背化に有利な合金系材料を使用したメタルインダクタが急増している。メタルインダクタには、鉄を主材料とした軟磁性合金粉末が用いられ、軟磁性合金粉末と樹脂とを混合し、圧縮成形した圧粉磁心などが知られている。圧粉磁心の磁気特性(飽和磁化、透磁率、コアロス、周波数特性など)は、使用する軟磁性合金粉末の磁気特性や粒度分布、充填性、電気抵抗に依存する。
メタルインダクタの製造方法としては、一般的に、圧粉プレス加工が用いられている。しかしながら、圧粉プレス加工は、高い充填率を得るため、300~600MPaもの高い圧力を加える必要がある。そのため、プレス加工された圧粉の生産性が低い。低圧成型法であるトランスファー成形(射出成型)法など、より生産性の高い製造方法により、メタルインダクタを製造したいという需要があり、そのため、従来よりも流動性の高い軟磁性合金粉末が求められている。
特許5354101号公報
本発明は、高い流動性を有することにより低圧成型法においても高充填が得られる鉄基軟磁性合金粉末を提供することを目的とする。
本発明者は、種々の研究を行った結果、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末にAlを添加したことにより、驚くべきことに、鉄基軟磁性合金粉末の形状及び表面状態が改善して低比表面積化することにより、粉末の流動性が向上し、低圧成型法を用いた場合でも高充填が得られ、更には、磁性材料としての特性も向上するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一側面は、Si:0.5~10重量%、Cr:0~7重量%及びAl:0.01~1.2重量%を含み、残部がFeと不可避的不純物とからなる、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。
本発明の一態様によれば、本発明は、Si:1.5~8.5重量%、Cr:0~5.0重量%及びAl:0.01~1重量%を含み、残部がFeと不可避的不純物とからなる、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。
本発明の一態様によれば、Feの一部がCaに置換されており、Ca:0.001~0.01重量%を含む、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明の一態様によれば、Al:0.02~0.8重量%を含む、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明の一態様によれば、Ca:0.002~0.01重量%をさらに含む、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
また、本発明の別の側面は、Fe100-x-ySiCr(但し、x:0.5~10重量%、y:0~7重量%である)で表される基本組成を有する結晶質の鉄基軟磁性合金粉末であって、前記基本組成の全量100重量%に対して、Alが0.01~1.2重量%添加されている結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。
また、本発明の一態様によれば、Fe100-x-ySiCr(但し、x:1.5~8.5重量%、y:0~5.0重量%である)で表される基本組成を有する結晶質の鉄基軟磁性合金粉末であって、前記基本組成の全量100重量%に対して、Alが0.01~1重量%添加されている結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。
本発明の一態様によれば、前記基本組成の全量100重量%に対して、さらにCaが0.001~0.01重量%添加されている、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明の一態様によれば、粒径(D50)が0.5~150μmである、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明の一態様によれば、比表面積が1.1m/g以下である、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明の一態様によれば、酸素量が1.0重量%以下である、上記鉄基軟磁性合金粉末が提供される。
本発明によれば、高い流動性を有することにより低圧成型時においても高充填が得られ、かつ高い磁気特性を有する鉄基軟磁性合金粉末を提供することができる。
実施例6に係る鉄基軟磁性合金粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1に係る鉄基軟磁性合金粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例及び比較例に係る鉄基軟磁性合金粉末の充填率とコアロスの関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。なお、以下の説明において、「A~B」は、「A以上かつB以下」を意味する。
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Siを0.5~10重量%、好ましくは1.5~8.5重量%、Crを0~7重量%、好ましくは0~5.0重量%、Alを0.01~1.2重量%、好ましくは0.01~1重量%、更に好ましくは0.02~0.8重量%含み、残部がFeと不可避不純物からなる。また、本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Feの一部がCaに置換されており、0.001~0.01重量%、好ましくは0.002~0.01重量%のCaをさらに含む。
本明細書において、鉄基軟磁性合金粉末とは、Fe-Si系、Fe-Si-Cr系、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系などの従来公知の結晶質の軟磁性合金粉末である。
上記の組成を有することにより、鉄基軟磁性合金粉末の形状及び表面状態が改善して低比表面積化する。鉄基軟磁性合金粉末の形状及び表面状態の改善とは、鉄基軟磁性合金粉末がより球に近い形状となり、鉄基軟磁性合金粉末の表面の起伏がより少なく平滑化することであり、低比表面積化により、鉄基軟磁性合金粉末の流動性が向上する。
更には、低比表面積化に伴う、鉄基軟磁性合金粉末の形状及び表面状態の変化により、
鉄基軟磁性合金粉末の磁性特性が向上する。
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Fe100-x-ySiCr(但し、x:0.5~10重量%、好ましくは1.5~8.5重量%、y:0~7重量%、好ましくは0~5.0重量%である)で表される基本組成を有し、基本組成の全量100重量%に対して、Alが0.01~1.2重量%、好ましくは0.01~1重量%、更に好ましくは0.02~0.8重量%添加されている結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。上述のように、本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、さらに基本組成の全量100重量%に対して、Caが0.001~0.01重量%、好ましくは0.002~0.01重量%添加されていることにより、Feの一部がCaに置換されている結晶質の鉄基軟磁性合金粉末である。
<Si(シリコン)>
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Siを1.5~8.5重量%含む。Siは粉末中の磁歪を減少させて高磁気特性化に寄与するが、8.5重量%を超えると磁束密度を低下させ得る。
<Cr(クロム)>
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Crを0~5重量%、好ましくは1.5~5重量%含む。Crは粉末の防錆効果及び粉末の抵抗率を上昇する効果があり、高磁気特性化に寄与するが、5.0重量%を超えると磁束密度を低下させ得る。
<Al(アルミニウム)>
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Alを0.01~1重量%、好ましくは0.02~0.8重量%含む。当該範囲のAlが存在することにより、粉末の形状が改善する。0.01重量%未満の場合、上述の効果が小さく、また、1重量%を超えると、粉末の形状が悪化し、磁気特性を低下させ得る。
<Ca(カルシウム)>
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、Feの一部がCaに置換されており、Caを好ましくは0.001~0.01重量%、より好ましくは0.002~0.01重量%さらに含む。当該範囲のCaが存在することにより、粉末中の酸素量を低減させる。0.001重量%未満の場合、上述の効果が小さく、また、0.01重量%を超えると、磁気特性を低下させ得る。
Al又はCaのそれぞれ一方のみが、鉄基軟磁性合金粉末に含まれる場合も上述の効果を奏し得るが、Al及びCaの両元素を複合的に含有させることにより、驚くべきことに、飛躍的に鉄基軟磁性合金粉末が低比表面積化し、酸素量が低下する。これは、酸素との親和性が高いAl及びCaにより、合金粉末作製のための溶湯の表面張力が変化することや溶湯の酸素量が変化することによる結果であると考えられる。なお、Al及びCaと同様に酸素との親和性が高い元素であれば、Al及びCaの場合と同様の効果を奏し得る。
<その他の元素>
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、不可避的不純物として、N、S、O等の元素を目的とする特性に影響を与えない程度含み得る。
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、粒径(D50)には依存せずに低比表面積化や磁気特性の向上の効果を有するが、粒径(D50)が0.5~150μmであることが好ましい。「粒径」とは、メディアン径:D50を意味し、従来公知の方法、例えば、レーザー回折・散乱法により測定されるものである。上述の鉄基軟磁性合金粉末の低比表面積化や磁気特性の向上の効果は、幅広い粒径を有する鉄基軟磁性合金粉末において得られるが、粒径(D50)が0.5~150μmであることにより、特に、高い効果が得られる。
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、比表面積が1.1m/g以下であることが好ましい。比表面積は、従来公知のBET法等により測定されるものである。比表面積が1.1m/g以下であることにより、鉄基軟磁性合金粉末が高い流動性と磁気特性を兼ね備える。
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、酸素量が1.0重量%以下であることが好ましい。酸素量は、従来公知の燃焼-赤外線吸収法等により測定されるものである。酸素量が1.0重量%以下であることにより、鉄基軟磁性合金粉末が高い流動性と磁気特性を兼ね備える。
[製造方法]
本実施形態に係る鉄基軟磁性合金粉末は、従来公知のアトマイズ法により製造されることが好ましい。例えば、所望の組成に調整した材料を溶解した溶湯に対してAl及びCaを添加し、所望の冷却条件や粒径となるようパラメータを設定したアトマイズ法により粉末が得られる。Al及びCaの添加は、金属の形態であるAl及びCaを溶湯に添加することにより行い、添加する順番は問わないが、Al及びCaは酸化物になり易いため、目的とする合金組成に対し、ある程度過剰量のAl及びCaを添加することを要する。
その後、得られた粉末を乾燥、分級し、必要に応じて、樹脂などによる被膜処理を行い、目的とする鉄基軟磁性合金粉末を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示す。本発明の内容はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
[鉄基軟磁性合金粉末の製造]
表1及び表2に示される各組成に調整した材料を、高周波誘導炉にて溶解し、水アトマイズ法を用いて結晶質の鉄基軟磁性合金粉末を得た。水アトマイズ法の条件は以下の通りである。
<水アトマイズ条件>
・水圧:100MPa
・水量:100L/分
・水温:20℃
・オリフィス径:φ4mm
・溶湯温度:1800℃
得られた鉄基軟磁性合金粉末を振動真空乾燥機〔VU-60:中央化成製〕により乾燥させた。乾燥条件は以下の通りである。
<乾燥条件>
・温度 100℃
・圧力 10kPa以下
・時間 60分
乾燥後の鉄基軟磁性合金粉末について、組成について定量分析をICP発光分析装置〔SPS3500DD:日立ハイテクサイエンス製〕にて行い、目的とする組成を有していることを確認した。
乾燥後の鉄基軟磁性合金粉末を気流分級装置〔ターボクラシファイア:日清エンジニアリング製〕により分級し、目的とする鉄基軟磁性合金粉末を得た。得られた鉄基軟磁性合金粉末の粒径(D50)は、湿式粒度分析装置〔MT3300EX II:マイクロトラック・ベル製〕を用いて測定した。
上述のように製造した鉄基軟磁性合金粉末に対し、以下を行った。
[評価項目]
1.粉体物性
1-1.形状観察
走査型電子顕微鏡(SEM)〔JSM7200:日本電子製〕を用いて、鉄基軟磁性合金粉末の形状を観察した。
1-2.酸素量測定
酸素分析計〔EMGA823:堀場製作所製〕を用いて、鉄基軟磁性合金粉末に含まれる酸素量を測定した。
1-3.比表面積測定
比表面積測定装置〔BELSORP-mini:マイクロトラック・ベル株式会社製〕を用いて、鉄基軟磁性合金粉末の比表面積をBET法にて測定した。
1-4.タップ密度測定
鉄基軟磁性合金粉末の流動性を評価するため、粉体特性評価装置〔パウダテスタPT-S:ホソカワミクロン株式会社製〕を用いて、鉄基軟磁性合金粉末のタップ密度を測定した。
2.磁気特性(透磁率、コアロス測定)
絶縁皮膜軟磁性合金粉末とエポキシ樹脂とを混合して造粒紛を作製し、造粒紛をリング状に圧粉成形(成形圧力:5MPa)して圧粉磁心(外径:15mm、内径:9mm、厚さ:3mm)を作製し、線径:0.3mmの銅線をバイフェラ巻きしたトロイダルコアを作製し評価試料とした。
BHアナライザ〔SY8258:岩通計測製〕を用いて、測定周波数:1MHz、最大磁束密度:25mTの条件で透磁率及びコアロスを測定した。
また、表1中の比較例1及び実施例4に係る組成を有する絶縁皮膜軟磁性合金粉末を用いて、成形圧力を調整して充填率の異なる数種類の圧粉磁心を作製し、上述のようにトロイダルコアを作成してコアロスを測定した。
[評価結果]
評価結果を表1及び表2に示す。なお、表1中の「粉末流動評価」は、Al及びCaの両方が添加されていない、同一組成及び粒径を有する比較材(比較例2-4及び実施例1-11の場合は比較例1、実施例12の場合は比較例5、比較例7-9及び実施例15-25の場合は比較例6、実施例26の場合は比較例10、比較例12-14及び実施例29-39の場合比較例11、実施例40の場合は比較例15、実施例43-45の場合は比較例16、実施例46-48の場合は比較例17、実施例49の場合は比較例18、実施例50の場合は比較例19)のタップ密度の測定値に対して、タップ密度の測定値の上昇が10%未満の場合が×、10%以上20%未満の場合が△、20%以上の場合が〇である。また、表1及び表2中の「磁気物性評価」も同様に、Al及びCaの両方が添加されていない比較材(比較例2-4及び実施例1-11の場合は比較例1、実施例12の場合は比較例5、比較例6-9及び実施例15-25の場合は比較例6、実施例26の場合は比較例10、比較例12-14及び実施例29-39の場合比較例11、実施例40の場合は比較例15、実施例43-45の場合は比較例16、実施例46-48の場合は比較例17、実施例49の場合は比較例18、実施例50の場合は比較例19)のコアロスの測定値に対して、コアロスの測定値の低下が20%未満の場合が×、20%以上30%未満の場合が△、30%以上の場合が〇である。
なお、実施例13、14、27、28、41、42の場合は、同一粒径を有する比較材(比較例1、6、11、16、17)のタップ密度及びコアロスの測定値に対して、同様に評価を行った。
Figure 0007247874000001
Figure 0007247874000002
表1及び表2に示されているように、実施例に係る鉄基軟磁性合金粉末は、比較例に係る比較材に比べ、粉末物性として、酸素量及び比表面積の測定値が低下し、流動性が向上している。すなわち、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末にAlが添加されていることにより、本発明の鉄基軟磁性合金粉末は、高い流動性を有する。
更には、Caがさらに添加されている鉄基軟磁性合金粉末は、磁気物性として、透磁率が向上し、コアロスが大きく低下している。すなわち、本発明の鉄基軟磁性合金粉末は、高い流動性と磁気特性を兼ね備えている。
また、本発明に係る鉄基軟磁性合金粉末は、実施例12、26及び40並びに実施例50に示されているように粒径D50が13μmや150μmのように大きくとも、実施例49に示されているように粒径D50が0.5μmのように小さくとも、高い流動性と磁気特性を兼ね備えている。すなわち、本発明の特徴であるAl及びCaを添加することによる効果は、鉄基軟磁性合金粉末の粒径に依存しないことが分かる。
更に、実施例13、14、27、28及び41-50に示されているように、本発明は、結晶質の鉄基軟磁性合金であれば、同様に、高い流動性と磁気特性を付与することが分かる。すなわち、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系などの結晶質の軟磁性合金粉末であっても本願実施例に示される効果と同様の効果が得られ得る。
表1及び表2に示される結果から明らかなように、本発明の鉄基軟磁性合金粉末は、高い流動性と磁気特性を兼ね備えていることから、各種電子部品の圧粉成型用材料等として優れた特性を有している。
図1は実施例6に係る鉄基軟磁性合金粉末の走査型電子顕微鏡写真であり、図2は比較例1に係るAl及びCaを含まない鉄基軟磁性合金粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
図1及び図2から明らかなように、図1の鉄基軟磁性合金粉末は図2の鉄基軟磁性合金粉末に比べ、明らかに形状が球形であり、表面の起伏が少なく平滑化されているおり、明らかに異なる形状を有している。表1に示される粉末物性及び磁気物性を向上は、この図1に示される形状及び表面状態の変化によるものということができる。
なお、図1には表されていないが、分級粗紛である、粒径のより大きい粉末も同様に、形状及び表面状態が改善していた。
図3に示されるように、実施例に係るAl及びCaを含む鉄基軟磁性合金粉末を用いて作製したトロイダルコアは、比較例に係るAl及びCaを含まない鉄基軟磁性合金粉末を用いて作製したトロイダルコアに比べ、広い充填率の範囲において、大きくコアロスを低減している。すなわち、本発明の鉄基軟磁性合金粉末は、優れた磁気特性を有しており、各種電子部品の圧粉成型用材料等として優れた特性を有している。


Claims (9)

  1. Si:0.5~10重量%、
    Cr:0~7重量%、及び
    Al:0.01~1.2重量%、
    を含み、残部がFeと不可避不純物とからなり、
    Feの一部がCaに置換されており、Ca:0.001~0.01重量%を含む、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  2. Si:1.5~8.5重量%、
    Cr:0~5.0重量%、及び
    Al:0.01~1重量%、
    を含み、残部がFeと不可避不純物とからなる、請求項1に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  3. Al:0.02~0.8重量%
    を含む、請求項1又は2に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  4. Ca:0.002~0.01重量%
    を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  5. Fe100-x-ySiCr(但し、x:0.5~10重量%、y:0~7重量%である)で表される基本組成を有する結晶質の鉄基軟磁性合金粉末であって、
    前記基本組成の全量100重量%に対して、Alが0.01~1.2重量%及びCaが0.001~0.01重量%添加されている、結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  6. Fe100-x-ySiCr(但し、x:1.5~8.5重量%、y:0~5.0重量%である)で表される基本組成を有する結晶質の鉄基軟磁性合金粉末であって、
    前記基本組成の全量100重量%に対して、Alが0.01~1重量%添加されている、請求項に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  7. 粒径(D50)が0.5~150μmである、請求項1からのいずれか一項に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  8. 比表面積が1.1m/g以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
  9. 酸素量が1.0重量%以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の結晶質の鉄基軟磁性合金粉末。
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