JPH09111632A - 繊維成形体およびその製造方法 - Google Patents
繊維成形体およびその製造方法Info
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- JPH09111632A JPH09111632A JP7273193A JP27319395A JPH09111632A JP H09111632 A JPH09111632 A JP H09111632A JP 7273193 A JP7273193 A JP 7273193A JP 27319395 A JP27319395 A JP 27319395A JP H09111632 A JPH09111632 A JP H09111632A
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- polyester
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
あって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40
重量%以上、および前記ポリエステル繊維Aおよびポリ
エステルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有す
るポリエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合
繊維Cを20〜60重量%含有する繊維成形体であっ
て、前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記
ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が
接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形体お
よびその製造方法。 【効果】本発明によれば、洗濯性、特に工業洗濯性を有
する抗菌性があり、かつ圧縮に対してへたり難く、ソフ
トで、透湿性・透水性が高く快適な使用感を有し、しか
も環境面で問題を生じ難い繊維成形体およびその製造方
法を提供することができる。
あって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40
重量%以上、および前記ポリエステル繊維Aおよびポリ
エステルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有す
るポリエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合
繊維Cを20〜60重量%含有する繊維成形体であっ
て、前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記
ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が
接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形体お
よびその製造方法。 【効果】本発明によれば、洗濯性、特に工業洗濯性を有
する抗菌性があり、かつ圧縮に対してへたり難く、ソフ
トで、透湿性・透水性が高く快適な使用感を有し、しか
も環境面で問題を生じ難い繊維成形体およびその製造方
法を提供することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業洗濯耐久性に
優れた抗菌性繊維成形体およびその製造方法に関する。
優れた抗菌性繊維成形体およびその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、寝装用ベッド中材、マッ
トレス、こたつ、家具用ソファー、クッション、電車や
自動車などで使用される車両用シート中材、パット材、
ドアトリム、サンバイザー、衣料用パッド、その他フィ
ルター、住宅用遮音、断熱などの遮蔽材などクッション
材や遮蔽材として好適に使用され、特に医療用のベッド
マットの中材として好適に使用され抗菌性繊維成形体お
よびその製造方法に関するものである。
トレス、こたつ、家具用ソファー、クッション、電車や
自動車などで使用される車両用シート中材、パット材、
ドアトリム、サンバイザー、衣料用パッド、その他フィ
ルター、住宅用遮音、断熱などの遮蔽材などクッション
材や遮蔽材として好適に使用され、特に医療用のベッド
マットの中材として好適に使用され抗菌性繊維成形体お
よびその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、抗菌性を付与した繊維製品は各種
衣料、芯地、裏地、寝装製品、インテリア製品などに広
く採用されている。これらの繊維製品は抗菌性も優れて
いるばかりではなく、各種の工夫により家庭における水
洗濯耐久性もかなりのレベルになっている。
衣料、芯地、裏地、寝装製品、インテリア製品などに広
く採用されている。これらの繊維製品は抗菌性も優れて
いるばかりではなく、各種の工夫により家庭における水
洗濯耐久性もかなりのレベルになっている。
【0004】しかし、耐メチシリン性黄色ブドウ状球菌
(以下、MRSAと略す)による病院内感染が問題とな
っている。この対策としてベッド類、カバー、シーツ、
カーテン、白衣などに抗菌性を付与することが望まれて
いる。
(以下、MRSAと略す)による病院内感染が問題とな
っている。この対策としてベッド類、カバー、シーツ、
カーテン、白衣などに抗菌性を付与することが望まれて
いる。
【0005】しかし、これらの医療用繊維製品はリネン
業者によって通常60〜85℃の工業洗濯を多数回繰り
返し実施されるため、従来技術では十分な耐久性を得る
ことができなかった。
業者によって通常60〜85℃の工業洗濯を多数回繰り
返し実施されるため、従来技術では十分な耐久性を得る
ことができなかった。
【0006】一方、従来、前記ベッドマットの中材等ク
ッション材や遮蔽材としては、一般にポリウレタン等の
樹脂発泡体が主に使用されてきた。しかし、樹脂発泡体
は発泡時にフロンガスまたはその代替ガスを使用する
等、環境面で問題があった。また、通気性や透湿性が低
く蒸れやすいうえに、透水性や乾燥性が低いために、工
業洗濯しにくい難点があった。
ッション材や遮蔽材としては、一般にポリウレタン等の
樹脂発泡体が主に使用されてきた。しかし、樹脂発泡体
は発泡時にフロンガスまたはその代替ガスを使用する
等、環境面で問題があった。また、通気性や透湿性が低
く蒸れやすいうえに、透水性や乾燥性が低いために、工
業洗濯しにくい難点があった。
【0007】これらのポリウレタン等の樹脂発泡体クッ
ション材の問題を解消するクッション材(繊維詰め物
材)が、特公昭62−2155号公報、特公平1−18
183号公報、特公平4−33478号公報、特開平3
−140185号公報などに提案されている。これらの
クッション材は、熱接着性の繊維として低融点の繊維を
使用したり、高融点の熱可塑性樹脂を芯部とし、低融点
の熱可塑性樹脂を鞘部とする、芯鞘構造の複合繊維を使
用することにより、ある程度の成果をもたらしはした
が、さらに向上が望まれている。さらにこれら繊維クッ
ション材に工業洗濯耐久性を有する抗菌性を兼ね備えた
ものは開示されていなかった。
ション材の問題を解消するクッション材(繊維詰め物
材)が、特公昭62−2155号公報、特公平1−18
183号公報、特公平4−33478号公報、特開平3
−140185号公報などに提案されている。これらの
クッション材は、熱接着性の繊維として低融点の繊維を
使用したり、高融点の熱可塑性樹脂を芯部とし、低融点
の熱可塑性樹脂を鞘部とする、芯鞘構造の複合繊維を使
用することにより、ある程度の成果をもたらしはした
が、さらに向上が望まれている。さらにこれら繊維クッ
ション材に工業洗濯耐久性を有する抗菌性を兼ね備えた
ものは開示されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
工業洗濯耐久性を有する抗菌性があり、圧縮に対してへ
たり難く、ソフトで、透湿性、透水性が高く着用時に快
適な使用感を有し、透水性や乾燥性が高く、しかも環境
面で問題を生じ難い繊維成形体およびその製造方法を提
供することにある。
工業洗濯耐久性を有する抗菌性があり、圧縮に対してへ
たり難く、ソフトで、透湿性、透水性が高く着用時に快
適な使用感を有し、透水性や乾燥性が高く、しかも環境
面で問題を生じ難い繊維成形体およびその製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維成形体は、
前記の課題を解決するために、以下の構成を有する。す
なわち、2種以上の繊維で構成された繊維成形体であっ
て、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40重量
%以上、および前記ポリエステル繊維Aおよびポリエス
テルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有するポ
リエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合繊維
Cを20〜60重量%含有する繊維成形体であって、前
記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリエ
ステル繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が接着し
て成形されてなることを特徴とする繊維成形体である。
前記の課題を解決するために、以下の構成を有する。す
なわち、2種以上の繊維で構成された繊維成形体であっ
て、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40重量
%以上、および前記ポリエステル繊維Aおよびポリエス
テルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有するポ
リエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合繊維
Cを20〜60重量%含有する繊維成形体であって、前
記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリエ
ステル繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が接着し
て成形されてなることを特徴とする繊維成形体である。
【0010】また、2種以上の繊維で構成された繊維成
形体であって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維A
を40重量%以上、抗菌加工をしていないポリエステル
繊維Bを前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重量
%以下、および前記ポリエステル繊維A、Bおよびポリ
エステルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有す
るポリエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合
繊維Cを20重量%以上含有する繊維成形体であって、
前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリ
エステル繊維A、Bとの間の接触点の少なくとも一部が
接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形体で
ある。
形体であって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維A
を40重量%以上、抗菌加工をしていないポリエステル
繊維Bを前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重量
%以下、および前記ポリエステル繊維A、Bおよびポリ
エステルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有す
るポリエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合
繊維Cを20重量%以上含有する繊維成形体であって、
前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリ
エステル繊維A、Bとの間の接触点の少なくとも一部が
接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形体で
ある。
【0011】さらに、本発明の繊維成形体の製造方法は
前記課題を解決するため以下の構成を有する。
前記課題を解決するため以下の構成を有する。
【0012】すなわち、抗菌加工を施したポリエステル
繊維Aと複合繊維Cまたはポリエステル繊維A、抗菌加
工をしていないポリエステル繊維Bおよび複合繊維Cを
混綿、開繊し、気体と共に通気性型枠内に吹き込んで充
填し、圧縮した状態で熱処理を施すことを特徴とする繊
維成形体の製造方法である。
繊維Aと複合繊維Cまたはポリエステル繊維A、抗菌加
工をしていないポリエステル繊維Bおよび複合繊維Cを
混綿、開繊し、気体と共に通気性型枠内に吹き込んで充
填し、圧縮した状態で熱処理を施すことを特徴とする繊
維成形体の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
について実施態様例を挙げながら詳細に説明する。
について実施態様例を挙げながら詳細に説明する。
【0014】本発明の繊維成形体は抗菌加工が施された
ポリエステル繊維Aと複合繊維Cまたは、抗菌加工が施
された繊維A、抗菌加工をしていないポリエステル繊維
Bおよび複合繊維Cとから構成され、複合繊維C相互間
および複合繊維Cとポリエステル繊維Aや抗菌加工をし
ていないポリエステル繊維Bとの間の接触点の少なくと
も一部が接着して成形されてなるものである。
ポリエステル繊維Aと複合繊維Cまたは、抗菌加工が施
された繊維A、抗菌加工をしていないポリエステル繊維
Bおよび複合繊維Cとから構成され、複合繊維C相互間
および複合繊維Cとポリエステル繊維Aや抗菌加工をし
ていないポリエステル繊維Bとの間の接触点の少なくと
も一部が接着して成形されてなるものである。
【0015】本発明で用いる抗菌加工が施されたポリエ
ステル繊維Aは、抗菌性能や圧縮に対する回復性および
コスト面の観点から、ポリエステル繊維Aに対し抗菌成
分を0.05〜3%owf付着させるのが好ましい。さ
らに好ましくは0.1〜2.0%owfである。
ステル繊維Aは、抗菌性能や圧縮に対する回復性および
コスト面の観点から、ポリエステル繊維Aに対し抗菌成
分を0.05〜3%owf付着させるのが好ましい。さ
らに好ましくは0.1〜2.0%owfである。
【0016】メラミン系化合物は架橋網状構造を繊維表
面に形成するため、洗濯耐久性、特に工業洗濯耐久性向
上に有効である。メラミン系化合物は、工業洗濯耐久性
や圧縮に対する回復性およびコスト面の観点から、ポリ
エステル繊維Aの繊維に対し0.05〜2%owf付着
させるのが好ましく、0.1〜1.2%owf付着させ
るのはより好ましい。
面に形成するため、洗濯耐久性、特に工業洗濯耐久性向
上に有効である。メラミン系化合物は、工業洗濯耐久性
や圧縮に対する回復性およびコスト面の観点から、ポリ
エステル繊維Aの繊維に対し0.05〜2%owf付着
させるのが好ましく、0.1〜1.2%owf付着させ
るのはより好ましい。
【0017】抗菌成分としては、各種の化合物が使用さ
れる。例えば、アミジン基、グアジニン基などの各塩基
性基もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などの塩を有する化合物および第4アンモニ
ウム塩などを用いることができる。アミジン基を含有す
る化合物として、例えば、4,4´−スチルベン−ジカ
ルボオキサミジン−ジイセチオネート(即ち、スチルバ
ミン・イセチオン酸塩)、N´−(4−クロロ−2−メ
チル−フエニル)−N、N−ジメチル−メタニミド(即
ち、クロルジメフォルム)などを用いることができ、グ
アジニン基を含有する化合物として、例えば、1,17
−ジグアニジノ−9−アザ−ヘプタデカン(即ち、グア
ザチン)、p−(クロロフェニルジグアニド)−ヘキサ
ン(即ち、クロルヘキシジン)、p−ベンゾキノン−ア
ミジノ−ハイドラゾン−チオセミカネバゾン(即ち、ア
ンバゾン)などを用いることができ、第4アンモニウム
塩として、例えば、ベンザルコニウム・クロライド、ベ
ンゼトニウム・クロライドなどをそれぞれ用いることが
できる。前記化合物の中でも高い安全性を有し、かつタ
ンパク質などが存在しても抗菌性が低下しないという点
で、p−(クロロフェニルジグアニド)−ヘキサンまた
はその塩が好適である。
れる。例えば、アミジン基、グアジニン基などの各塩基
性基もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などの塩を有する化合物および第4アンモニ
ウム塩などを用いることができる。アミジン基を含有す
る化合物として、例えば、4,4´−スチルベン−ジカ
ルボオキサミジン−ジイセチオネート(即ち、スチルバ
ミン・イセチオン酸塩)、N´−(4−クロロ−2−メ
チル−フエニル)−N、N−ジメチル−メタニミド(即
ち、クロルジメフォルム)などを用いることができ、グ
アジニン基を含有する化合物として、例えば、1,17
−ジグアニジノ−9−アザ−ヘプタデカン(即ち、グア
ザチン)、p−(クロロフェニルジグアニド)−ヘキサ
ン(即ち、クロルヘキシジン)、p−ベンゾキノン−ア
ミジノ−ハイドラゾン−チオセミカネバゾン(即ち、ア
ンバゾン)などを用いることができ、第4アンモニウム
塩として、例えば、ベンザルコニウム・クロライド、ベ
ンゼトニウム・クロライドなどをそれぞれ用いることが
できる。前記化合物の中でも高い安全性を有し、かつタ
ンパク質などが存在しても抗菌性が低下しないという点
で、p−(クロロフェニルジグアニド)−ヘキサンまた
はその塩が好適である。
【0018】かかる塩基性官能基を有する抗菌成分は、
これと反応する酸性基含有重合体(単独重合体でも共重
合体でもよい)と反応させた上、用いることが好まし
い。酸性基含有重合体を構成する酸性基含有単量体とし
ては、スルホン基、カルボキシル基、ホスホン基、フェ
ノール性水酸基などの各酸性基、もしくはこれらのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を有す
る単量体を用いることができる。スルホン基を有する単
量体としては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、
スルホプロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニ
ルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼ
ンスルホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2
−スルホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−
2−スルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル
オキシフロピルスルホン酸などを用いることができ、カ
ルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン
酸、4−ペンテノイック酸などを用いることができ、ホ
スホン基を有する単量体としては、アリルホスホン酸、
アシドホスフオキシエチルメタクリレート、3−クロロ
−2−アシッドホスフオキシプロピルメタクリレート、
1−メチルビニルホスホン酸、1−フェニルビニルホス
ホン酸、2−フェニルビニルホスホン酸、2−メチル−
2−フェニルビニルホスホン酸、2−(3−クロロフェ
ニル)ビニルホスホン酸、2−ジフェニルビニルホスホ
ン酸などを用いることができ、フェノール性水酸基を有
する単量体としては、o−オキシスチレン、o−ビニル
アニソールなどを用いることができる。
これと反応する酸性基含有重合体(単独重合体でも共重
合体でもよい)と反応させた上、用いることが好まし
い。酸性基含有重合体を構成する酸性基含有単量体とし
ては、スルホン基、カルボキシル基、ホスホン基、フェ
ノール性水酸基などの各酸性基、もしくはこれらのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を有す
る単量体を用いることができる。スルホン基を有する単
量体としては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、
スルホプロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニ
ルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼ
ンスルホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2
−スルホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−
2−スルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル
オキシフロピルスルホン酸などを用いることができ、カ
ルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン
酸、4−ペンテノイック酸などを用いることができ、ホ
スホン基を有する単量体としては、アリルホスホン酸、
アシドホスフオキシエチルメタクリレート、3−クロロ
−2−アシッドホスフオキシプロピルメタクリレート、
1−メチルビニルホスホン酸、1−フェニルビニルホス
ホン酸、2−フェニルビニルホスホン酸、2−メチル−
2−フェニルビニルホスホン酸、2−(3−クロロフェ
ニル)ビニルホスホン酸、2−ジフェニルビニルホスホ
ン酸などを用いることができ、フェノール性水酸基を有
する単量体としては、o−オキシスチレン、o−ビニル
アニソールなどを用いることができる。
【0019】かかる単量体は、単独で用いても2種以上
を併用してもよい。またこれらの酸性基を有する単量体
と共重合可能な他の単量体を併用してもよい。かかる単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、スチレンおよびその誘導体、ブタジエ
ン、アクリルアミドおよびその誘導体、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
を用いることができる。
を併用してもよい。またこれらの酸性基を有する単量体
と共重合可能な他の単量体を併用してもよい。かかる単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、スチレンおよびその誘導体、ブタジエ
ン、アクリルアミドおよびその誘導体、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
を用いることができる。
【0020】重合方法としては、エマルジョン重合法、
溶液重合法、塊状重合法など通常の重合法がいずれも採
用できる。なかでもエマルジョン重合法は得られる重合
体の粒子表面に酸性基が多く分布する傾向があるので好
ましく用いられる。
溶液重合法、塊状重合法など通常の重合法がいずれも採
用できる。なかでもエマルジョン重合法は得られる重合
体の粒子表面に酸性基が多く分布する傾向があるので好
ましく用いられる。
【0021】かかる単量体を重合してなる酸性基含有重
合体を、塩基性基含有抗菌成分と反応させることによ
り、抗菌性反応生成物が得られる。
合体を、塩基性基含有抗菌成分と反応させることによ
り、抗菌性反応生成物が得られる。
【0022】また、第4アンモニウム塩の中で、安全性
の高い抗菌・防臭効果を発揮するものとして、前記式
[I]で表される化合物は特に好ましく用いられる。式
[I]において、抗菌性の観点から、R1 の炭素数が1
2〜16のアルキル基のものが好ましい。
の高い抗菌・防臭効果を発揮するものとして、前記式
[I]で表される化合物は特に好ましく用いられる。式
[I]において、抗菌性の観点から、R1 の炭素数が1
2〜16のアルキル基のものが好ましい。
【0023】また、式[I]において、製造の際の粘度
上昇や水に対する溶解性の低下を防止する観点から、R
2 、R3 、R4 を炭素数1〜2のアルキル基とするのが
好ましい。
上昇や水に対する溶解性の低下を防止する観点から、R
2 、R3 、R4 を炭素数1〜2のアルキル基とするのが
好ましい。
【0024】第4アンモニウム塩の中和に用いられる陰
イオンとしては、防錆性の観点から、アルキルリン酸イ
オンが好ましい。さらにアルキル基としては、合成等の
観点から、炭素数が3を越えるのが好ましく、炭素数が
4、即ち、ブチル基が選択されるのが好ましい。ブチル
基としては、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter
t−ブチル基のいずれも好ましく用いられる。
イオンとしては、防錆性の観点から、アルキルリン酸イ
オンが好ましい。さらにアルキル基としては、合成等の
観点から、炭素数が3を越えるのが好ましく、炭素数が
4、即ち、ブチル基が選択されるのが好ましい。ブチル
基としては、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter
t−ブチル基のいずれも好ましく用いられる。
【0025】また、メラミン系化合物との併用により、
さらに持続性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊
維材料に抗菌性を付与することができ、しかも加工装置
を腐蝕させることがない抗菌性樹脂の使用はさらに好ま
しい。
さらに持続性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊
維材料に抗菌性を付与することができ、しかも加工装置
を腐蝕させることがない抗菌性樹脂の使用はさらに好ま
しい。
【0026】本発明において、抗菌性樹脂は、下記一般
式[II]または[III ]で示される第4アンモニウム塩
化された1価または2価のリン酸エステル基を有するビ
ニル系重合体または共重合体を用いることができる。
式[II]または[III ]で示される第4アンモニウム塩
化された1価または2価のリン酸エステル基を有するビ
ニル系重合体または共重合体を用いることができる。
【0027】
【化2】
【化3】 (上記[II]と[III ]式中、Rは高分子主鎖または有
機残基を示し、R1 は炭素数8〜18のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基ま
たは置換アリール基を示す。) 上記[II]または[III ]で示される第4アンモニウム
塩化されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体ま
たは共重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、両
性を有する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊維
に強固に付着させることができる。このため、持続性、
洗濯耐久性に優れた抗菌性を得ることができる。また、
水溶液や水−アルコール混合溶液として得られるため、
繊維材料への適用が容易であり、かつ装置を腐蝕させる
ことがないという利点を有している。
機残基を示し、R1 は炭素数8〜18のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基ま
たは置換アリール基を示す。) 上記[II]または[III ]で示される第4アンモニウム
塩化されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体ま
たは共重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、両
性を有する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊維
に強固に付着させることができる。このため、持続性、
洗濯耐久性に優れた抗菌性を得ることができる。また、
水溶液や水−アルコール混合溶液として得られるため、
繊維材料への適用が容易であり、かつ装置を腐蝕させる
ことがないという利点を有している。
【0028】次に、本発明で使用するメラミン系化合物
の例としては、下記[IV]の一般式で示されるものがあ
げられる。
の例としては、下記[IV]の一般式で示されるものがあ
げられる。
【0029】
【化4】 (式中、R0 〜R2 :−H、−OH、−C6 H5 、Cn
H2n+1(n :1〜10)、−COOCn H2n+1(n :1
〜20)、−CONR3 R4 、−NR3 R4 (R3 、R
4 :−H、−OH)、−OCn H2n+1、−CH2 OCn
H2n+1、−CH2COOn H2n+1(n :1〜20)、−
CH2 OH、−CH2 CH2 OH、−CONH2 、−C
ONHCH2 OH、−O(X−O)n R5 (X:−C2
H4 −、−C3 H6 −、−C4 H8 −、n :1〜150
0、R4 :−H、−CH3 、−C2H5 、−C3 H7 ) 上記一般式の中でも好ましい化合物は、R0 、R1 が−
NR3 R4 である化合物であり、その中でもR2 が−C
ONR3 R4 、−NR3 R4 であるものがより好まし
い。 さらに、R3 、R4 が−CH2 OH、−CH2 C
H2 OH、−CONH2 、−CONHCH2 OHである
化合物が特に好適である。
H2n+1(n :1〜10)、−COOCn H2n+1(n :1
〜20)、−CONR3 R4 、−NR3 R4 (R3 、R
4 :−H、−OH)、−OCn H2n+1、−CH2 OCn
H2n+1、−CH2COOn H2n+1(n :1〜20)、−
CH2 OH、−CH2 CH2 OH、−CONH2 、−C
ONHCH2 OH、−O(X−O)n R5 (X:−C2
H4 −、−C3 H6 −、−C4 H8 −、n :1〜150
0、R4 :−H、−CH3 、−C2H5 、−C3 H7 ) 上記一般式の中でも好ましい化合物は、R0 、R1 が−
NR3 R4 である化合物であり、その中でもR2 が−C
ONR3 R4 、−NR3 R4 であるものがより好まし
い。 さらに、R3 、R4 が−CH2 OH、−CH2 C
H2 OH、−CONH2 、−CONHCH2 OHである
化合物が特に好適である。
【0030】かかるこれらの化合物は一例であり、上記
以外の化合物や誘導体も用いることができる。
以外の化合物や誘導体も用いることができる。
【0031】メラミン系化合物は、重合性官能基を少な
くとも2個有するものが繊維表面で形成される樹脂被膜
の耐久性が向上し好適である。
くとも2個有するものが繊維表面で形成される樹脂被膜
の耐久性が向上し好適である。
【0032】かくして、抗菌成分として前記抗菌単独成
分あるいは抗菌成分が酸性基含有重合体または共重合体
ならびに酸性基含有重合体および共重合体と反応した抗
菌性反応生成物と被膜形成主要成分としてのメラミン系
化合物とからなる抗菌性被膜が繊維の表面に形成される
ものであるが、該膜の耐久性に対する作用機構として
は、上記被膜形成主要成分であるメラミン系化合物が、
繊維基質ポリマ内で重合あるいは架橋し2次元または3
次元構造化すると同時にその一部が繊維基質ポリマの官
能基とも化学結合し、網状不溶化して繊維に強固に固着
するための該膜の耐久性を著しく向上させて、優れた耐
温水洗濯性およびドライクリーニング性を発揮させるこ
とができるのである。
分あるいは抗菌成分が酸性基含有重合体または共重合体
ならびに酸性基含有重合体および共重合体と反応した抗
菌性反応生成物と被膜形成主要成分としてのメラミン系
化合物とからなる抗菌性被膜が繊維の表面に形成される
ものであるが、該膜の耐久性に対する作用機構として
は、上記被膜形成主要成分であるメラミン系化合物が、
繊維基質ポリマ内で重合あるいは架橋し2次元または3
次元構造化すると同時にその一部が繊維基質ポリマの官
能基とも化学結合し、網状不溶化して繊維に強固に固着
するための該膜の耐久性を著しく向上させて、優れた耐
温水洗濯性およびドライクリーニング性を発揮させるこ
とができるのである。
【0033】上記抗菌成分と被膜形成主要成分を繊維に
付与する方法としては、上記成分を含有する水溶液に重
合開始剤あるいは架橋触媒を添加した同一処理浴で繊維
をパディングまたはスプレー処理した後、湿潤下で反応
処理する方法を用いることができる。反応は室温以上の
温度で行うことができるが、通常は蒸熱処理する。上記
2成分を別浴で処理することもできる。すなわち、まず
抗菌成分を含有する処理浴で繊維をパディングまたはス
プレー処理した後、乾熱または蒸熱処理し、次に被膜形
成主要成分含む水溶液に重合開始剤または架橋触媒を添
加した別処理浴で繊維をパディングまたはスプレー処理
し、蒸熱処理することもできる。
付与する方法としては、上記成分を含有する水溶液に重
合開始剤あるいは架橋触媒を添加した同一処理浴で繊維
をパディングまたはスプレー処理した後、湿潤下で反応
処理する方法を用いることができる。反応は室温以上の
温度で行うことができるが、通常は蒸熱処理する。上記
2成分を別浴で処理することもできる。すなわち、まず
抗菌成分を含有する処理浴で繊維をパディングまたはス
プレー処理した後、乾熱または蒸熱処理し、次に被膜形
成主要成分含む水溶液に重合開始剤または架橋触媒を添
加した別処理浴で繊維をパディングまたはスプレー処理
し、蒸熱処理することもできる。
【0034】重合開始剤は、アルキレングリコール単位
を有するアクリル系化合物を重合反応させるときに使用
される。具体例としては、過硫酸アンモン、過硫酸カ
リ、アゾビスイソブチロニトリル等、一般的なビニル重
合開始剤でよく、またかかる重合開始剤の種類を選択す
ることにより、適宜所望条件処理で被膜処理することが
できる。
を有するアクリル系化合物を重合反応させるときに使用
される。具体例としては、過硫酸アンモン、過硫酸カ
リ、アゾビスイソブチロニトリル等、一般的なビニル重
合開始剤でよく、またかかる重合開始剤の種類を選択す
ることにより、適宜所望条件処理で被膜処理することが
できる。
【0035】一方、触媒はメラミン系化合物を架橋反応
させる時に使用され、具体例としてはギ酸、酢酸をはじ
めとする各種の有機カルボン酸及びそれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩及び硫酸、過硫
酸、塩酸、リン酸、硝酸等のアンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄
等の無機塩及びこれらの複塩などを用いることができ
る。勿論、上記した化合物は限定されない。
させる時に使用され、具体例としてはギ酸、酢酸をはじ
めとする各種の有機カルボン酸及びそれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩及び硫酸、過硫
酸、塩酸、リン酸、硝酸等のアンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄
等の無機塩及びこれらの複塩などを用いることができ
る。勿論、上記した化合物は限定されない。
【0036】前記蒸熱処理は80〜140℃が好まし
く、100〜130℃で0.5〜30分間の条件で行な
うのがより好ましい。乾熱処理は80〜150℃、好ま
しくは100〜130℃で乾燥した後、100〜220
℃、好ましくは140〜190℃で0.5〜5分間の条
件で行なう。
く、100〜130℃で0.5〜30分間の条件で行な
うのがより好ましい。乾熱処理は80〜150℃、好ま
しくは100〜130℃で乾燥した後、100〜220
℃、好ましくは140〜190℃で0.5〜5分間の条
件で行なう。
【0037】本発明方法に従って、パディングまたはス
プレー処理するのに用いる処理液中には、柔軟剤、撥水
剤、吸水剤、帯電防止剤、硬仕上げ剤等、他の薬剤を添
加してもよい。
プレー処理するのに用いる処理液中には、柔軟剤、撥水
剤、吸水剤、帯電防止剤、硬仕上げ剤等、他の薬剤を添
加してもよい。
【0038】さらに、抗菌ポリエステル繊維Aの断面形
状は丸形断面以外に、多角、多葉、楕円などの異形断面
やそれらの中空断面でも良い。
状は丸形断面以外に、多角、多葉、楕円などの異形断面
やそれらの中空断面でも良い。
【0039】次に、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフ
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、
抗菌ポリエステル繊維Aが機械捲縮を有するのが好まし
い。この捲縮数は繊維成形体の用途によって適宜選択す
ればよいが、捲縮数は少なくとも3山/25mmで捲縮
度が少なくとも5%となるのが好ましい。
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、
抗菌ポリエステル繊維Aが機械捲縮を有するのが好まし
い。この捲縮数は繊維成形体の用途によって適宜選択す
ればよいが、捲縮数は少なくとも3山/25mmで捲縮
度が少なくとも5%となるのが好ましい。
【0040】一層の嵩高性を付与するため、この捲縮が
紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮であ
ることは好ましい。
紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮であ
ることは好ましい。
【0041】繊維成形体を構成する抗菌ポリエステル繊
維Aとしては、繊維成形体の形態固定性やソフト感付与
の観点から、繊度が0.5〜30デニール、繊維長が1
0〜100mmの短繊維が好ましく用いられる。
維Aとしては、繊維成形体の形態固定性やソフト感付与
の観点から、繊度が0.5〜30デニール、繊維長が1
0〜100mmの短繊維が好ましく用いられる。
【0042】次に、本発明に用いる複合繊維Cについて
説明する。
説明する。
【0043】複合繊維CはポリエステルR1およびR2
の2成分からなり、ポリエステルR1としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共
重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルある
いは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ば
れる、少なくとも一種類のポリマーを用いることができ
る。R2は特に限定されないが、例えば、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらの
エステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリ
コールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−
ナフタレートなどのポリエステルを用いることができ
る。
の2成分からなり、ポリエステルR1としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共
重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルある
いは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ば
れる、少なくとも一種類のポリマーを用いることができ
る。R2は特に限定されないが、例えば、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらの
エステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリ
コールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−
ナフタレートなどのポリエステルを用いることができ
る。
【0044】R1の選択においては、前期の抗菌ポリエ
ステル繊維A、その他の繊維Bおよび複合繊維Cポリエ
ステルR2のうち融点が低いものより融点を低くするも
のである。熱接着性の観点から20℃以上低いのが好ま
しく、25℃以上低いのがより好ましい。
ステル繊維A、その他の繊維Bおよび複合繊維Cポリエ
ステルR2のうち融点が低いものより融点を低くするも
のである。熱接着性の観点から20℃以上低いのが好ま
しく、25℃以上低いのがより好ましい。
【0045】また、接着の効果や熱劣化を防止する観点
からR1の融点は80〜170℃の範囲に含まれるのが
好ましく、100〜170℃の範囲に含まれるのはより
好ましい。
からR1の融点は80〜170℃の範囲に含まれるのが
好ましく、100〜170℃の範囲に含まれるのはより
好ましい。
【0046】複合繊維Cにおける重量比R1/R2は、
繊維成形体の形態固定性およびソフト感等の観点から、
20/80〜60/40とするのが好ましく、20/8
0〜50/50とするのがより好ましい。
繊維成形体の形態固定性およびソフト感等の観点から、
20/80〜60/40とするのが好ましく、20/8
0〜50/50とするのがより好ましい。
【0047】複合繊維Cには、この他必要に応じてR
1,R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止材など
が添加されていても勿論よい。このような複合繊維Bは
通常の複合紡糸法によって製造することができる。
1,R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止材など
が添加されていても勿論よい。このような複合繊維Bは
通常の複合紡糸法によって製造することができる。
【0048】次に、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフ
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、
複合繊維Cは機械捲縮等を有するのが好ましい。
ト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるため、
複合繊維Cは機械捲縮等を有するのが好ましい。
【0049】この捲縮数は繊維成形体の用途によって適
宜選択すればよいが、捲縮数は少なくとも3山/25m
mで捲縮度が少なくとも5%となるのが好ましい。
宜選択すればよいが、捲縮数は少なくとも3山/25m
mで捲縮度が少なくとも5%となるのが好ましい。
【0050】本発明の繊維成形体は前記の複合繊維Cを
20〜60重量%とするものである。複合繊維Cが20
重量%に満たないと、複合繊維C同士の熱接着点が少な
くなって形態安定性が悪くなる問題がある。
20〜60重量%とするものである。複合繊維Cが20
重量%に満たないと、複合繊維C同士の熱接着点が少な
くなって形態安定性が悪くなる問題がある。
【0051】また、複合繊維Cが60重量%を越える
と、繊維成形体のソフト感が低下し、触感が粗硬になる
問題がある。
と、繊維成形体のソフト感が低下し、触感が粗硬になる
問題がある。
【0052】繊維混合物を構成する複合繊維Bとして
は、嵩高性、ソフト感付与の観点から繊度が0.5〜3
0デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ま
しく用いられる。
は、嵩高性、ソフト感付与の観点から繊度が0.5〜3
0デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ま
しく用いられる。
【0053】次に、本発明の繊維成形体の製造方法につ
いて説明する。前記重量比の抗菌ポリエステル繊維Aと
複合繊維Cまたは抗菌ポリエステル繊維A、その他の繊
維Bおよび複合繊維Cとを、通常の紡績工程で使用する
給綿機、混綿機、開繊機によって、十分に混綿、開繊
し、目的に応じた形状の通気性型枠に送綿ファンによる
空気流などの気体と共に吹き込んで充填する。
いて説明する。前記重量比の抗菌ポリエステル繊維Aと
複合繊維Cまたは抗菌ポリエステル繊維A、その他の繊
維Bおよび複合繊維Cとを、通常の紡績工程で使用する
給綿機、混綿機、開繊機によって、十分に混綿、開繊
し、目的に応じた形状の通気性型枠に送綿ファンによる
空気流などの気体と共に吹き込んで充填する。
【0054】吹き込んで充填するためには、型枠が適度
の通気性を有することが必要である。例えば、JIS
L 1079−1966フラジール型通気性試験機によ
り測定した際においては、通気性は5〜200cc/c
m2 ・secの範囲が好ましい。 このような型枠とし
ては、例えば、図1に示すパンチング金属板を用いた金
型1、2を用いることができる。通気性型枠内に吹き込
まれた繊維4は、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配
列した状態となる。
の通気性を有することが必要である。例えば、JIS
L 1079−1966フラジール型通気性試験機によ
り測定した際においては、通気性は5〜200cc/c
m2 ・secの範囲が好ましい。 このような型枠とし
ては、例えば、図1に示すパンチング金属板を用いた金
型1、2を用いることができる。通気性型枠内に吹き込
まれた繊維4は、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配
列した状態となる。
【0055】次に、充填した吸湿性繊維混合物を圧縮し
て、得ようとする繊維成形体の用途に応じた適当な密度
にするものである。密度は、得られる繊維成形体の形態
安定性やソフト感の観点から、0.01〜0.1g/c
m3 とするのが好ましい。
て、得ようとする繊維成形体の用途に応じた適当な密度
にするものである。密度は、得られる繊維成形体の形態
安定性やソフト感の観点から、0.01〜0.1g/c
m3 とするのが好ましい。
【0056】さらに、充填し、圧縮した繊維混合物を熱
処理して繊維C相互間および繊維Aや繊維Bと繊維Cの
接点の一部を接着して形態を固定する。熱処理の温度は
繊維CのR1が溶融する温度であればよく、一般的には
80〜200℃が好ましい。熱処理時間は繊維混合物の
密度等によって適宜選択するのが好ましい。
処理して繊維C相互間および繊維Aや繊維Bと繊維Cの
接点の一部を接着して形態を固定する。熱処理の温度は
繊維CのR1が溶融する温度であればよく、一般的には
80〜200℃が好ましい。熱処理時間は繊維混合物の
密度等によって適宜選択するのが好ましい。
【0057】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0058】[抗菌性]黄色ブドウ状球菌(Staph
ylococcsu Aureus ATTC6538
p)のブイヨン懸濁液とし、繊維成形体を開繊して繊維
のウエッブ状としたものに注加して、密閉容器中で37
℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する
菌数を測定して、菌数増減値差K=log(B/C)で
求めた。ただし、菌培養条件はlog(B/A)>2で
あること。Aは抗菌加工していない通常のポリエステル
の綿のウエッブ状としたものに前記菌を注加して、注加
直後分散回収した菌数。Bは抗菌加工していない通常の
ポリエステルの綿のウエッブ状としたものに前記菌を注
加して、18時間培養後分散回収した菌数。Cは繊維成
形体を開繊して繊維のウエッブ状としたものに前記菌を
注加して、18時間培養後分散回収した菌数。なお、洗
濯後の抗菌性は、ドラム染色機を用い、中性洗剤(商標
名“ザブ”:花王株式会社製)2g/l、過酸化水素3
cc/l、過酸化ソーダ1.5g/l、温度85±2
℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水
後、水洗を10分間実施する。水洗後タンブラー・ドラ
イヤーを用いて20分間で乾燥させる。これを洗濯1回
とする。
ylococcsu Aureus ATTC6538
p)のブイヨン懸濁液とし、繊維成形体を開繊して繊維
のウエッブ状としたものに注加して、密閉容器中で37
℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する
菌数を測定して、菌数増減値差K=log(B/C)で
求めた。ただし、菌培養条件はlog(B/A)>2で
あること。Aは抗菌加工していない通常のポリエステル
の綿のウエッブ状としたものに前記菌を注加して、注加
直後分散回収した菌数。Bは抗菌加工していない通常の
ポリエステルの綿のウエッブ状としたものに前記菌を注
加して、18時間培養後分散回収した菌数。Cは繊維成
形体を開繊して繊維のウエッブ状としたものに前記菌を
注加して、18時間培養後分散回収した菌数。なお、洗
濯後の抗菌性は、ドラム染色機を用い、中性洗剤(商標
名“ザブ”:花王株式会社製)2g/l、過酸化水素3
cc/l、過酸化ソーダ1.5g/l、温度85±2
℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水
後、水洗を10分間実施する。水洗後タンブラー・ドラ
イヤーを用いて20分間で乾燥させる。これを洗濯1回
とする。
【0059】洗濯後の抗菌性とは洗濯50回後の値であ
る。また、抗菌性はKが1.6以上を合格レベルとし
た。
る。また、抗菌性はKが1.6以上を合格レベルとし
た。
【0060】MRSAに対する抗菌性は(財)日本食品
分析センターに評価を依頼した。
分析センターに評価を依頼した。
【0061】[繊度]JIS L 1015−7−51
Aの方法に準じて測定した。
Aの方法に準じて測定した。
【0062】[平均繊維長<カット長>]JIS L
1015A法(ステープルダイヤグラム法)に準じて測
定した。 [圧縮残留歪]一辺が100mmの正方形、厚さ100
mmの試験片を、厚み方向に50%圧縮した状態で、温
度70±1℃の恒温漕中で22時間処理した後、圧縮を
解き室温で30分間放置した。その後、厚さ(t1 m
m)を測定し、次式により圧縮残留歪を求めた。。
1015A法(ステープルダイヤグラム法)に準じて測
定した。 [圧縮残留歪]一辺が100mmの正方形、厚さ100
mmの試験片を、厚み方向に50%圧縮した状態で、温
度70±1℃の恒温漕中で22時間処理した後、圧縮を
解き室温で30分間放置した。その後、厚さ(t1 m
m)を測定し、次式により圧縮残留歪を求めた。。
【0063】圧縮残留歪(%)={(100−t1 )/
100}×100 [充填密度]試験片(タテ:20cm、ヨコ:20c
m、厚さ:20cm)を20℃×65%RHの雰囲気中
に24時間放置した後の重量(w)を測定し、次式で求
めた。 密度(g/cm3 )=w/8000 [形態固定性・ソフト感]触感によって、優(◎)から
不可(×)まで6段階に分類した。
100}×100 [充填密度]試験片(タテ:20cm、ヨコ:20c
m、厚さ:20cm)を20℃×65%RHの雰囲気中
に24時間放置した後の重量(w)を測定し、次式で求
めた。 密度(g/cm3 )=w/8000 [形態固定性・ソフト感]触感によって、優(◎)から
不可(×)まで6段階に分類した。
【0064】[多方向裁断性]試験片を任意の方向に裁
断した際の、裁断の容易さによって優(◎)から不可
(×)まで6段階に分類した。
断した際の、裁断の容易さによって優(◎)から不可
(×)まで6段階に分類した。
【0065】[実施例1〜3および比較例1〜2]融点
が255℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペレッ
ト状態とし、紡糸温度280℃、紡糸口金孔数24孔、
引取り速度1350m/分、中空率29%の中空断面構
造とし、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡
糸した。
が255℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペレッ
ト状態とし、紡糸温度280℃、紡糸口金孔数24孔、
引取り速度1350m/分、中空率29%の中空断面構
造とし、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡
糸した。
【0066】次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニ
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与した後、カット長38mmに切断して175℃の熱
処理をして繊度6デニール、捲縮数7.8山/25m
m、捲縮度27.9%の抗菌加工していない通常ポリエ
ステル中空繊維Bを得た。
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与した後、カット長38mmに切断して175℃の熱
処理をして繊度6デニール、捲縮数7.8山/25m
m、捲縮度27.9%の抗菌加工していない通常ポリエ
ステル中空繊維Bを得た。
【0067】また、第4アンモニウム塩化した1価のリ
ン酸エステル基を有するビニル系重合体からなる抗菌性
樹脂を32%含む抗菌剤の2.5%水溶液を調整した。
また、メラミン系化合物であるSumitex M−3
(住友化学工業株式会社製)1%水溶液、架橋剤である
Sumitex Acx(住友化学工業株式会社製)
0.3%水溶液、軟化剤0.7%水溶液調整した。これ
ら水溶液を混合、撹拌後、前記通常ポリエステル中空繊
維を浸漬し、絞って130℃で1分間キュアリングさせ
て抗菌性繊維Aを得た。得られた抗菌性繊維Aの抗菌成
分付着量は0.52%owf、メラミン系化合物付着量
は0.65%owfであった。、これとは別に、R2と
して融点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレー
ト、R1としてイソフタル酸40モル%共重合した融点
が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポリエステ
ルを用いて、紡糸温度285℃、紡糸口金孔数24孔、
引取り速度1350m/分、吐出量18.11g/分、
R1/R2で表される重量比が50/50のR2を芯部
とし、R1を鞘部とした同心円状の複合繊維Cの未延伸
糸を紡糸した。
ン酸エステル基を有するビニル系重合体からなる抗菌性
樹脂を32%含む抗菌剤の2.5%水溶液を調整した。
また、メラミン系化合物であるSumitex M−3
(住友化学工業株式会社製)1%水溶液、架橋剤である
Sumitex Acx(住友化学工業株式会社製)
0.3%水溶液、軟化剤0.7%水溶液調整した。これ
ら水溶液を混合、撹拌後、前記通常ポリエステル中空繊
維を浸漬し、絞って130℃で1分間キュアリングさせ
て抗菌性繊維Aを得た。得られた抗菌性繊維Aの抗菌成
分付着量は0.52%owf、メラミン系化合物付着量
は0.65%owfであった。、これとは別に、R2と
して融点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレー
ト、R1としてイソフタル酸40モル%共重合した融点
が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポリエステ
ルを用いて、紡糸温度285℃、紡糸口金孔数24孔、
引取り速度1350m/分、吐出量18.11g/分、
R1/R2で表される重量比が50/50のR2を芯部
とし、R1を鞘部とした同心円状の複合繊維Cの未延伸
糸を紡糸した。
【0068】次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニ
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥した後、
仕上げ油剤を付与して、カット長64mmに切断して、
繊度約4.2デニール、表面層の融点が約110℃の複
合繊維Cを得た。
ールが10万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥した後、
仕上げ油剤を付与して、カット長64mmに切断して、
繊度約4.2デニール、表面層の融点が約110℃の複
合繊維Cを得た。
【0069】前記繊維Aおよび繊維Cを混綿し、ローラ
カードでさらに混綿・開繊し、図1に示す金型の吹込口
3から、各面にパンチングが施された、内面が1000
×1000×1000mmの下金型1に、空気流と共に
吹き込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物6を各面
にパンチングが施された上金型2で圧縮し、充填密度
0.04g/cm3 、厚さ500mmで固定した。金型
に充填・圧縮した繊維混合物6を、紡績糸のセットに使
用するヒートセッターを用いて、蒸熱130℃×30分
間熱セットし、繊維成形体を得た。
カードでさらに混綿・開繊し、図1に示す金型の吹込口
3から、各面にパンチングが施された、内面が1000
×1000×1000mmの下金型1に、空気流と共に
吹き込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物6を各面
にパンチングが施された上金型2で圧縮し、充填密度
0.04g/cm3 、厚さ500mmで固定した。金型
に充填・圧縮した繊維混合物6を、紡績糸のセットに使
用するヒートセッターを用いて、蒸熱130℃×30分
間熱セットし、繊維成形体を得た。
【0070】表1に、得られた繊維成形体の性質を示
す。実施例1、2および3は抗菌ポリエステル繊維を4
0〜80重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合した
繊維Cを20〜60重量%混綿したもので、抗菌性(黄
色ブドウ状球菌)は洗濯前1.7〜3.5、洗濯50回
後においても1.6〜3.2で目標の抗菌性を示した。
さらに、実施例1はMRSAの抗菌性についても評価し
た結果、洗濯50回後において3の優れた抗菌性を示し
た。また、圧縮残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多
方向裁断性の良好なものであった。これに対し、比較例
1は抗菌ポリエステル繊維を82重量%含み、抗菌性、
ソフト性は良好であるが、繊維Cの混綿が18重量%と
低く、形態固定性や多方向裁断性の劣るものであった。
比較例2は抗菌ポリエステル繊維Aが39重量%と低
く、かつ繊維Cが61重量%と高いため形態固定性や多
方向裁断性は良好であるが、抗菌性、ソフト性の劣るも
のであった。
す。実施例1、2および3は抗菌ポリエステル繊維を4
0〜80重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合した
繊維Cを20〜60重量%混綿したもので、抗菌性(黄
色ブドウ状球菌)は洗濯前1.7〜3.5、洗濯50回
後においても1.6〜3.2で目標の抗菌性を示した。
さらに、実施例1はMRSAの抗菌性についても評価し
た結果、洗濯50回後において3の優れた抗菌性を示し
た。また、圧縮残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多
方向裁断性の良好なものであった。これに対し、比較例
1は抗菌ポリエステル繊維を82重量%含み、抗菌性、
ソフト性は良好であるが、繊維Cの混綿が18重量%と
低く、形態固定性や多方向裁断性の劣るものであった。
比較例2は抗菌ポリエステル繊維Aが39重量%と低
く、かつ繊維Cが61重量%と高いため形態固定性や多
方向裁断性は良好であるが、抗菌性、ソフト性の劣るも
のであった。
【0071】
【表1】 [実施例4および比較例3]実施例1と同様にして繊維
Aおよび繊維Cを製造し、繊維Bとしては実施例1の繊
維A製造時に抗菌加工していない中空繊維を使用した。
Aおよび繊維Cを製造し、繊維Bとしては実施例1の繊
維A製造時に抗菌加工していない中空繊維を使用した。
【0072】前記繊維A、Bおよび繊維Cを混綿し、ロ
ーラカードでさらに混綿・開繊し、図1のような金型の
吹込口3から、各面にパンチングが施された、内面が1
000×1000×1000mmの下金型1に、空気流
と共に吹き込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物4
を各面にパンチングが施された上金型2で圧縮し、充填
密度0.04g/cm3 、厚さ500mmで固定した。
金型に充填圧縮した繊維混合物4を、紡績糸のセットに
使用するヒートセッターを用いて、蒸熱130℃×30
分間熱セットし、繊維成形体を得た。
ーラカードでさらに混綿・開繊し、図1のような金型の
吹込口3から、各面にパンチングが施された、内面が1
000×1000×1000mmの下金型1に、空気流
と共に吹き込んで充填した。吹き込まれた繊維混合物4
を各面にパンチングが施された上金型2で圧縮し、充填
密度0.04g/cm3 、厚さ500mmで固定した。
金型に充填圧縮した繊維混合物4を、紡績糸のセットに
使用するヒートセッターを用いて、蒸熱130℃×30
分間熱セットし、繊維成形体を得た。
【0073】表1に、得られた繊維成形体の性質を示
す。実施例4は少なくとも抗菌ポリエステル繊維を40
重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合した繊維Cを
40重量%混綿したもので、洗濯前・後とも目標の抗菌
性を示し、圧縮残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多
方向裁断性の良好なものであった。これに対し、比較例
3は、特に洗濯後の抗菌性目標値に達せず、やや抗菌性
の劣るものであった。
す。実施例4は少なくとも抗菌ポリエステル繊維を40
重量%、低融点ポリエステルを鞘側に複合した繊維Cを
40重量%混綿したもので、洗濯前・後とも目標の抗菌
性を示し、圧縮残留歪は低く、ソフトで形態固定性や多
方向裁断性の良好なものであった。これに対し、比較例
3は、特に洗濯後の抗菌性目標値に達せず、やや抗菌性
の劣るものであった。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、洗濯性、特に工業洗濯
性を有する抗菌性があり、かつ圧縮に対してへたり難
く、ソフトで、透湿性・透水性が高く快適な使用感を有
し、しかも環境面で問題を生じ難い繊維成形体およびそ
の製造方法を提供することができる。
性を有する抗菌性があり、かつ圧縮に対してへたり難
く、ソフトで、透湿性・透水性が高く快適な使用感を有
し、しかも環境面で問題を生じ難い繊維成形体およびそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維成形体の製造に用いられる金型の
一例をモデル的に示す概略図である。
一例をモデル的に示す概略図である。
1:下金型 2:上金型 3:気体の吹き込み口 4:繊維混合物
Claims (9)
- 【請求項1】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
あって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40
重量%以上、および前記ポリエステル繊維Aおよびポリ
エステルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有す
るポリエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合
繊維Cを20〜60重量%含有する繊維成形体であっ
て、前記複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記
ポリエステル繊維Aとの間の接触点の少なくとも一部が
接着して成形されてなることを特徴とする繊維成形体。 - 【請求項2】2種以上の繊維で構成された繊維成形体で
あって、抗菌加工を施されたポリエステル繊維Aを40
重量%以上、抗菌加工をしていないポリエステル繊維B
を前記ポリエステル繊維Aとの合計量で80重量%以
下、および前記ポリエステル繊維A、Bおよびポリエス
テルR2のいずれよりも20℃以上低い融点を有するポ
リエステルR1を少なくとも表面側に含有する複合繊維
Cを20重量%以上含有する繊維成形体であって、前記
複合繊維Cの相互間および該複合繊維Cと前記ポリエス
テル繊維A、Bとの間の接触点の少なくとも一部が接着
して成形されてなることを特徴とする繊維成形体。 - 【請求項3】ポリエステル繊維Aにメラニン系化合物が
付与せしめられていることを特徴とする請求項1または
2に記載の繊維成形体。 - 【請求項4】複合繊維Cにおいて、R1/R2で表され
る重量比が20/80〜60/40であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維成形体。 - 【請求項5】抗菌成分がアミジン基またはグアニジン基
を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
に記載の繊維成形体。 - 【請求項6】抗菌成分が第4アンモニウム塩であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維
成形体。 - 【請求項7】第4アンモニウム塩が一般式[I]で表さ
れることを特徴とする請求項6に記載の繊維成形体。 【化1】 (R1 は炭素数12〜16のアルキル基、R2 、R3 、
R4 は炭素数1〜2のアルキル基、Buはブチル基を示
す。) - 【請求項8】抗菌成分が第4アンモニウム塩化した1価
または2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体
またはビニル系共重合体からなる抗菌性樹脂であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維
成形体。 - 【請求項9】抗菌加工を施したポリエステル繊維Aと複
合繊維Cまたはポリエステル繊維A、抗菌加工をしてい
ないポリエステル繊維Bおよび複合繊維Cを混綿、開繊
し、気体と共に通気性型枠内に吹き込んで充填し、圧縮
した状態で熱処理を施すことを特徴とする繊維成形体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7273193A JPH09111632A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 繊維成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7273193A JPH09111632A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 繊維成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09111632A true JPH09111632A (ja) | 1997-04-28 |
Family
ID=17524405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7273193A Pending JPH09111632A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 繊維成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09111632A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001123367A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Toray Ind Inc | 繊維構造体 |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP7273193A patent/JPH09111632A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001123367A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Toray Ind Inc | 繊維構造体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050520 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |