JPH09285376A - 布 団 - Google Patents

布 団

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JPH09285376A
JPH09285376A JP10285296A JP10285296A JPH09285376A JP H09285376 A JPH09285376 A JP H09285376A JP 10285296 A JP10285296 A JP 10285296A JP 10285296 A JP10285296 A JP 10285296A JP H09285376 A JPH09285376 A JP H09285376A
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JP
Japan
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futon
antibacterial
fibers
fiber
group
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Application number
JP10285296A
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English (en)
Inventor
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Koichi Saito
公一 齋藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】布団の詰め綿として少なくとも抗菌繊維が
含まれ、布団を構成する詰め綿、布団の側地、縫糸およ
び付属品がいずれも同一系のポリマからなる繊維または
樹脂で構成されていることを特徴とする布団。 【効果】本発明によれば、抗菌性が有り、しかもリサイ
クルが容易な布団を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掛け布団、敷き布
団、肌掛け布団、座布団などの布団に関するものであ
り、さらに詳しくは詰め綿に抗菌繊維を含むリサイクル
容易な布団に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系合成繊維詰め綿は
優れた嵩高性を発揮し、軽量で保温性に優れているた
め、前記用途商品に多く使用されている。このポリエス
テル系合成繊維詰め綿は複合紡糸や非対称冷却などによ
って3次元捲縮を発現させて嵩高性に優れたものにした
り、例えば、特公平6−51076号公報に記載されて
いるように順方向型立体捲縮繊維と反転型立体捲縮繊維
の混用組み合わせによって無荷重下や荷重下の嵩高性に
優れたものにしたり、繊維を中空などの異形断面化した
り、繊維の繊度、繊維長あるいは油剤を適正化して嵩高
性や風合いを改良したものもみられる。さらに、シリコ
ン樹脂を付与して柔軟な風合いを得ようとして、例え
ば、特公昭52−28426号公報、実公昭53−53
53号公報、特公平4−34435号公報などに記載さ
れた発明がみられる。しかし、近年特に病人用や高齢者
用を含めて抗菌性のある布団の開発が望まれている。
【0003】一方、地球の環境保護と資源の効率的利用
の2つのニーズから、産業廃棄物や一般家庭廃棄物の処
理、再利用の問題は益々その重要性が高まってきてお
り、多くの分野、多くの人々が関心を示している。しか
し、布団の分野ではこれまでほとんどの使用済み布団を
焼却や埋め立て処分しており、リサイクル技術はいまだ
開発段階にある。
【0004】従来繊維製品の提案されているリサイクル
技術を大別すると次の3つになる。第1はサーマルリサ
イクルである。製品を適当な形態に切断し、燃焼させ、
自家発電や各種の熱エネルギーとして再利用する方法で
ある。しかし、この方法は資源の再利用の観点からは好
ましくない。
【0005】第2はマテリアルリサイクルである。この
方法は次のケミカルリサイクルと異なり、物理的、機械
的にペレット化する。この再生ペレットを再利用する場
合、2つのケースに分けられる。1つは多種の素材が混
合していることを是として新規素材として商品開発する
ケースで、花壇や盆栽用の鉢、歩道の装飾用杭などがあ
る。もう1つは、特開平5−211935号公報、特開
平6−123052号公報に記載されているように10
0%同一素材で構成して、回収、ペレット化、溶融して
再利用するケースである。
【0006】第3はケミカルリサイクルである。リサイ
クルの基本概念に最も合致しているのは、商品を回収
し、分解して元の素原料に戻すケミカルリサイクルであ
る。しかし、繊維製品は一般に単一素材で製品化されて
いるものは少なく、その素材構成が多種多様であるた
め、経済的な解重合システムの開発にはしばらく時間が
必要である。この課題を解決するための手段が、例えば
カーペット商品の場合、特開平5−117441号公報
に記載されている。解重合の効率を向上するための補助
手段として、カーペットを小片化し、セパレーターでパ
イル素材であるナイロン6を含む小片とそれ以外の小片
に分離し、ナイロン6を含む小片を解重合システムへ供
給して素原料のε−カプロラクタムを回収する方法であ
る。しかし、繊維製品を小片化し機械的手段で、例えば
サイクロンによる比重差などで分離しても、ナイロン6
を含む小片の中にはいまだナイロン6以外の物質が含ま
れており、解重合の精製の困難さはなんら解決されてい
ない。
【0007】つまり、詰め綿に抗菌性があり、かつ、リ
サイクル容易な布団は開示されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗菌
性のある快適な使用感を有し、しかもリサイクルが容易
な布団を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の布団は、前記の
課題を解決するために、次の構成を有する。
【0010】すなわち、布団の詰め綿として少なくとも
抗菌繊維が含まれ、布団を構成する詰め綿、布団の側
地、縫糸および付属品がいずれも同一系のポリマからな
る繊維または樹脂で構成されていることを特徴とする布
団である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の布団について実施
例を用いながら詳細に説明する。
【0012】本発明の布団は詰め綿に少なくとも抗菌繊
維を使用することによって抗菌性をもたせ、さらに、布
団の側地、縫糸および付属品のいずれをも同一系のポリ
マからなる繊維または樹脂で構成してリサイクル容易な
布団とするものである。
【0013】つまり、本発明は洗濯耐久性のある抗菌性
を有する布団である。抗菌性を得るために詰め綿に含ま
れる抗菌繊維は40重量%以上とすることが好ましい。
【0014】抗菌繊維は、ポリマー中に抗菌成分を練り
込ませたものであってもよいし、抗菌成分を繊維表面に
付着加工したものであってもよい。抗菌成分を繊維表面
に付着加工したものの場合は、抗菌成分を繊維に対し
0.05〜3%owf付着させるのが好ましい。さらに
好ましくは0.1〜2%owfである。抗菌成分が0.
05%owf未満では、抗菌性能が不十分となることが
ある。また、3%owfを越えると繊維が剛くなり、圧
縮に対する回復性を低下させると共に、コスト面で問題
となることがある。
【0015】メラミン系化合物は架橋網状構造を繊維表
面に形成するため、洗濯耐久性、特に工業洗濯耐久性向
上に有効である。メラミン系化合物は繊維に対し0.0
5〜2%owf付着させるのが好ましく、0.1〜1.
2%owf付着させるのがより好ましい。0.05%o
wf未満では工業洗濯耐久性が不十分となることがあ
る。また、2%owfを越えると繊維が剛くなり、圧縮
に対する回復性を低下させると共に、コスト面で問題と
なることがある。
【0016】抗菌成分としては、各種の化合物が使用さ
れる。例えば、アミジン基、グアジニン基などの各塩基
性基もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などの塩を有する化合物および第4アンモニ
ウム塩などを用いることができる。アミジン基を含有す
る化合物としては、4,4´−スチルベン−ジカルボオ
キサミジン−ジイセチオネート(すなわち、スチルバミ
ン・イセチオン酸塩)、N´−(4−クロロ−2−メチ
ル−フエニル)−N、N−ジメチル−メタニミド(すな
わち、クロルジメフォルム)などを用いることができ、
グアジニン基を含有する化合物としては、1,17−ジ
グアニジノ−9−アザ−ヘプタデカン(すなわち、グア
ザチン)、p−(クロロフェニルジグアニド)−ヘキサ
ン(すなわち、クロルヘキシジン)、p−ベンゾキノン
−アミジノ−ハイドラゾン−チオセミカネバゾン(すな
わち、アンバゾン)などを用いることができ、第4アン
モニウム塩としては、ベンザルコニウム・クロライド、
ベンゼトニウム・クロライドなどをそれぞれ用いること
ができる。勿論、これらの化合物は一例であり、上記以
外の化合物を用い得ることはできる。上記化合物の中で
も高い安全性を有し、かつ、タンパク質などが存在して
も抗菌性が低下しないという点で、p−(クロロフェニ
ルジグアニド)−ヘキサンまたはその塩が好適である。
【0017】かかる塩基性官能基を有する抗菌成分は、
これと反応する酸性基含有重合体(単独重合体でも共重
合体でもよい)と反応させた上、用いることが好まし
い。酸性基含有重合体を構成する酸性基含有単量体とし
ては、スルホン基、カルボキシル基、ホスホン基、フェ
ノール性水酸基などの各酸性基、もしくはこれらのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を有す
る単量体を用いることができる。スルホン基を有する単
量体としては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、
スルホプロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニ
ルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼ
ンスルホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2
−スルホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−
2−スルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル
オキシフロピルスルホン酸などを用いることができ、カ
ルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン
酸、4−ペンテノイック酸などを用いることができ、ホ
スホン基を有する単量体としては、アリルホスホン酸、
アシドホスフオキシエチルメタクリレート、3−クロロ
−2−アシッドホスフオキシプロピルメタクリレート、
1−メチルビニルホスホン酸、1−フェニルビニルホス
ホン酸、2−フェニルビニルホスホン酸、2−メチル−
2−フェニルビニルホスホン酸、2−(3−クロロフェ
ニル)ビニルホスホン酸、2−ジフェニルビニルホスホ
ン酸などを用いることができ、フェノール性水酸基を有
する単量体としては、o−オキシスチレン、o−ビニル
アニソールなどを用いることができる。
【0018】かかる単量体は、単独で用いても2種以上
を併用してもよい。またこれらの酸性基を有する単量体
と共重合可能な他の単量体を併用してもよい。かかる単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、スチレンおよびその誘導体、ブタジエ
ン、アクリルアミドおよびその誘導体、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
を用いることができる。
【0019】重合方法としては、エマルジョン重合法、
溶液重合法、塊状重合法など通常の重合法のいずれをも
用いることができる。なかでもエマルジョン重合法は得
られる重合体の粒子表面に酸性基が多く分布する傾向が
あるので好ましく用いられる。 かかる単量体を重合し
てなる酸性基含有重合体を、塩基性基含有抗菌成分と反
応させることにより、抗菌性反応生成物が得られる。
【0020】また、第4アンモニウム塩の中で、安全性
の高い抗菌・防臭効果を発揮するものとして、前記式
[I ]で表される化合物は特に好ましく用いられる。式
[I ]において、R1 の炭素数が12〜16のアルキル
基が好ましく、炭素数が11以下または17以上では抗
菌性が不十分となることがある。
【0021】また、式[I ]において、R2 、R3 、R
4 の炭素数が1〜2のアルキル基が好ましく、炭素数を
3以上とすると粘度が増加し、水に対する溶解性が低く
なって製造上不都合を被ることがある。
【0022】第4アンモニウム塩の中和に用いられる陰
イオンとしては、防錆性の点からアルキルリン酸イオン
が選択されるのが好ましい。さらにアルキル基として
は、炭素数が4、すなわち、ブチル基が選択されるのが
好ましい。ブチル基としては、n−ブチル基、iso−
ブチル基、tert−ブチル基のいずれをも好ましく用
いられ得る。アルキル基の炭素数が5以上では粘度が高
くなり合成が困難になると共に、アルキル基の数が1と
2であるアルキルリン酸イオンの混合物となることがあ
る。
【0023】また、メラミン系化合物との併用により、
さらに持続性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊
維材料に抗菌性を付与することができる。また加工装置
を腐蝕させない抗菌性樹脂の使用はさらに好ましい。
【0024】本発明において、抗菌性樹脂は、下記一般
式[II]または[III ]で示される第4アンモニウム塩
化された1価または2価のリン酸エステル基を有するビ
ニル系重合体または共重合体からなっているものを用い
るのが好ましい。
【0025】
【化2】
【化3】 (式(II)、(III )中Rは高分子主鎖または有機残基
を示す、R1 は炭素数8〜18のアルキル基、R2 は炭
素数1〜18のアルキル基、フェニル基または置換アリ
ール基を示す。) 上記[II]または[III ]で示される第4アンモニウム
塩化されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体ま
たは共重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、両
性を有する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊維
に強固に付着させることができる。このため、持続性、
洗濯耐久性に優れた抗菌性を得ることができる。また、
水溶液や水−アルコール混合溶液として得られるため、
繊維材料への使用に好都合であり、かつ装置を腐蝕させ
ることがないという利点を有している。
【0026】次に、本発明で使用するメラミン系化合物
としては、下記[IV]の一般式で示されるものを使用す
ることができる。
【0027】
【化4】 (式中、R0 〜R2 :−H、−OH、−C6 H5 、Cn
H2n+1(n :1〜10)、−COOCn H2n+1(n :1
〜20)、−CONR3 R4 、−NR3 R4 (R3 、R
4 :−H、−OH)、−OCn H2n+1、−CH2 OCn
H2n+1、−CH2COOn H2n+1(n :1〜20)、−
CH2 OH、−CH2 CH2 OH、−CONH2 、−C
ONHCH2 OH、−O(X−O)n R5 (X:−C2
H4 −、−C3 H6 −、−C4 H8 −、n :1〜150
0、R4 :−H、−CH3 、−C2H5 、−C3 H7 ) 前記一般式の中でも好ましい化合物は、R0 、R1 が−
NR3 R4 である化合物であり、その中でもR2 が−C
ONR3 R4 、−NR3 R4 であるものがより好まし
い。さらに、R3 、R4 が−CH2 OH、−CH2 CH
2 OH、−CONH2 、−CONHCH2 OHである化
合物が特に好適である。
【0028】かかるこれらの化合物は一例であり、上記
以外の化合物や誘導体も用い得ることができる。
【0029】メラミン系化合物は、重合性官能基を少な
くとも2個有するものが繊維表面で形成される樹脂被膜
の耐久性が向上する観点から好適である。
【0030】かくして、抗菌成分として前記抗菌単独成
分あるいは抗菌成分が酸性基含有重合体および共重合体
のうち少なくともいずれかと反応した抗菌性反応生成物
と被膜形成主要成分としてのメラミン系化合物とからな
る抗菌性被膜が繊維の表面に形成されるものであるが、
該膜の耐久性に対する作用機構としては、上記被膜形成
主要成分であるメラミン系化合物が、繊維基質ポリマ内
で重合あるいは架橋し2次元または3次元構造化すると
同時にその一部が繊維基質ポリマの官能基とも化学結合
し、網状不溶化して繊維に強固に固着するため該膜の耐
久性が著しく向上させられて、優れた耐温水洗濯性およ
びドライクリーニング性を発揮させることができると考
えられる。
【0031】上記抗菌成分と被膜形成主要成分を繊維に
付与する方法の代表例としては、上記成分を含有する水
溶液に重合開始剤あるいは架橋触媒を添加した同一処理
浴で繊維をパディングまたはスプレー処理した後、湿潤
下で反応処理する方法がある。反応は室温以上の温度で
行うことができるが、通常は蒸熱処理する。上記2成分
を別浴で処理することもできる。すなわち、まず抗菌成
分を含有する処理浴で繊維にパディングまたはスプレー
処理を施した後、乾熱または蒸熱処理し、次に被膜形成
主要成分含む水溶液に重合開始剤または架橋触媒を添加
した別処理浴で繊維をパディングまたはスプレー処理を
施し、蒸熱処理することもできる。
【0032】重合開始剤は、アルキレングリコール単位
を有するアクリル系化合物を重合反応させるときに使用
されるのが好ましい。具体例としては、過硫酸アンモ
ン、過硫酸カリ、アゾビスイソブチロニトリル等、一般
的なビニル重合開始剤でよく、またかかる重合開始剤の
種類を選択することにより、適宜所望条件で被膜処理す
ることができる。
【0033】一方、触媒はメラミン系化合物を架橋反応
させる際に使用され、具体例としてはギ酸、酢酸をはじ
めとする各種の有機カルボン酸及びそれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩及び硫酸、過硫
酸、塩酸、リン酸、硝酸等のアンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄
等の無機塩及びこれらの複塩などを使用することができ
る。もちろん、上記した化合物は限定されない。
【0034】前記蒸熱処理は80〜140℃で行なうの
が好ましく、より好ましくは100〜130℃で0.5
〜30分間の条件で行なう。乾熱処理は80〜150℃
で行なうのが好ましく、より好ましくは100〜130
℃で乾燥した後、100〜220℃が好ましく、より好
ましくは140〜190℃で0.5〜5分間の条件で行
なう。
【0035】本発明で使用する方法にしたがって、パデ
ィングまたはスプレー処理するのに用いる処理液中に
は、柔軟剤、撥水剤、吸水剤、帯電防止剤、硬仕上げ剤
等、他の薬剤を添加してもよい。
【0036】詰め綿としては抗菌繊維100重量%であ
ってもよい。抗菌性を得るために詰め綿の40重量%以
上を抗菌繊維とするのが好ましい。40重量%未満では
抗菌繊維の割合が少なく、十分な抗菌性が得られないこ
とがある。
【0037】さらに、詰め綿は、繊度が0.5〜30デ
ニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく
用いられる。0.5デニールより細いと詰め綿として必
要な集合体としての嵩が低くなったり、圧縮に対する反
発性や嵩の回復性も低下する傾向がある。30デニール
より太くなると、触感が粗硬になりがちである。また、
繊維長が10mmより短いと繊維間の絡合性が悪くなり
綿切れが生じやすいし、100mmより長いと開繊性や
製綿性が悪くなる傾向がある。
【0038】捲縮は、使用する用途によって適宜選択す
ればよいが、嵩高性、ソフト感、圧縮に対する反発性や
回復性あるいは製綿性をよくするために、機械捲縮を与
えることが好ましく、詰め綿繊維製糸時に非対称冷却処
理し、繊維1本1本に構造差を与えて3次元捲縮化した
ものがより好ましい。捲縮数は3〜10山/25mm、
捲縮度が5〜30%であることが好ましい。
【0039】また、この他、詰め綿繊維には必要に応じ
て酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか各種の
抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等を添加す
ることも好ましい。
【0040】本発明に用いる詰め綿繊維の断面形状は丸
のみでなく、多角などの異形断面で、中空化したものが
さらに好ましい。
【0041】さらに、抗菌性は布団の詰め綿に抗菌繊維
を使用すれば十分であるが、布団の側地などにも抗菌性
を付与することも好ましい。
【0042】本発明の目的の一つはリサイクルが容易な
布団を提供することである。従来の布団は、肌触り、吸
湿性、防綿抜け性、抗ピル性などの面で優れる木綿の側
地が使用され、また、側地への刺繍糸、側地縫糸、品種
や取り扱い表示ラベルなど詰め綿繊維と異なる化学組成
の繊維が使用されることが多い。したがって、回収して
再利用する場合、側地を裁断して詰め綿繊維のみを取り
出して再利用することもできるが、手間がかかり大きな
障害となる。このため、本発明では、布団の詰め綿、側
地、側地縫糸及び品種や取り扱い表示ラベルなどの付属
品をいずれも同一系のポリマからなる繊維または樹脂で
構成し、リサイクルが容易な布団としたものである。
【0043】本発明の布団は、構成繊維をいずれもポリ
エステル系繊維とすると、使用済みの布団を裁断、開繊
機で開繊し、溶融ペレット化して再度溶融紡糸するマテ
リアルリサイクルが可能となる観点から好ましい。
【0044】また、本発明の布団をいずれもナイロン6
系繊維とすると、マテリアルリサイクル、ケミカルリサ
イクルおよびサーマルリサイクルのいずれも可能である
が、リサイクル効果の点で回収品を例えば特公昭42−
18476号公報に記載の方法で解重合、精製する解重
合システムへ供給して素原料のε−カプロラクタムとす
るケミカルリサイクルが容易となりより好ましい。
【0045】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに具
体的に説明する。本発明に記述した諸特性の測定法は次
の通りである。
【0046】[抗菌性]黄色ブドウ状球菌(Staph
ylococcsu Aureus ATTC6538
p)のブイヨン懸濁液とし、布団の詰め綿をウエッブ状
としたものに注加して、密閉容器中で37℃、18時間
培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を測定し
て、菌数増減値差K=log(B/C)で求めた。ただ
し、菌培養条件はlog(B/A)>2であること。A
は抗菌加工していない通常のポリエステルの綿のウエッ
ブ状としたものに前記菌を注加して、注加直後分散回収
した菌数。Bは抗菌加工していない通常のポリエステル
の綿のウエッブ状としたものに前記菌を注加して、18
時間培養後分散回収した菌数。Cは詰め綿をウエッブ状
としたものに前記菌を注加して、18時間培養後分散回
収した菌数。なお、洗濯後の抗菌性は、ドラム染色機を
用い、中性洗剤“ザブ”(登録商標、花王株式会社製)
2g/l、過酸化水素3cc/l、過酸化ソーダ1.5
g/l、温度85±2℃、浴比1:20で15分間洗濯
し、その後排液、脱水後、水洗を10分間実施する。水
洗後タンブラー・ドライヤーを用いて20分間で乾燥さ
せる。これを洗濯1回とする。
【0047】抗菌性はKが1.6以上を合格レベルとし
た。また、MRSAに対する抗菌性は(財)日本食品分
析センターに評価を依頼した。
【0048】[繊度]JIS L1015−7−51A
の方法に準じて測定した。
【0049】[平均繊維長(カット長)繊度]JIS
L1015A法(ステープルダイヤグラム法)に準じて
測定した。
【0050】[捲縮数および捲縮度]捲縮数および捲縮
度はJIS L1015−7−12−1およびJIS
L1015−7−12−2の方法に準じて測定した。
【0051】[実施例1〜4および比較例1]通常のポ
リエチレンテレフタレートのチップを用いて、紡糸温度
280℃、引取り速度1350m/分、紡糸口金直下で
通常の非対称冷却処理をして、詰め綿繊維の未延伸糸を
紡糸した。
【0052】次いで、該未延伸糸を、延伸倍率3.0
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を
付与・仕上げ油剤付与してカットした後、145℃の熱
セッターでセット・乾燥して、繊度約6デニール、カッ
ト長51mm、中空率31%、中空円形断面の詰め綿繊
維とした。
【0053】さらに、第4アンモニウム塩化した1価の
リン酸エステル基を有するビニル系重合体からなる抗菌
性樹脂を32%含む抗菌剤の2.5%水溶液を調整し
た。また、メラミン系化合物であるスミテックス M−
3(Sumitex M−3、住友化学工業株式会社
製)1.0%水溶液、架橋剤であるスミテックス Ac
x(Sumitex Acx、住友化学工業株式会社
製)0.3%水溶液、軟化剤0.7%水溶液調整した。
これら水溶液を混合、撹拌後、前記通常ポリエステル中
空繊維を浸漬し、絞って130℃で1分間キュアリング
させて抗菌繊維を得た。得られた抗菌繊維の抗菌成分付
着量は0.52%owf、メラミン系化合物付着量は
0.65%owfであった。
【0054】この抗菌繊維と前記抗菌加工前の繊維を混
綿し、ローラーカードにかけてカーディングし、成型機
でカードウエッブを積層し製綿した。
【0055】一方、布団側地としては抗ピルタイプのポ
リエステルステープル(2デニール、51mm)を用い
て8枚サテン組織に製織、プリント加工仕上げした織物
を使用し、縫糸は高強力タイプのポリエステルフィラメ
ント糸の3子撚り糸を使用して布団側地とした。品種や
取扱表示ラベルはポリエステル不織布を使用し、前記製
綿ウエッブを1.8kgポリエステル側地に詰めて掛け
布団とした。
【0056】表1に抗菌繊維と抗菌加工前の繊維の混綿
率のみを変えて得られた布団の詰め綿繊維の抗菌性を示
す。
【0057】
【表1】 実施例1〜3の布団は、非対称冷却による捲縮がよく発
現し嵩高性は良好で、抗菌性は実施例4のみ洗濯後の抗
菌性がやや劣るものの、ほぼ十分な抗菌性を示した。
【0058】また、MRSAの抗菌性においても良好で
あった.これに対し、比較例1は嵩高性は良好である
が、抗菌性はないものであった。
【0059】これら実施例1〜4の布団を6ケ月間使用
し、回収して裁断し、開繊機で開繊し、さらに溶融ペレ
ット化して、通常の溶融紡糸、延伸して6デニール、5
1mmの詰め綿用繊維を製造した。得られた詰め綿用繊
維は灰色に着色しているが十分に使用可能なものであっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明の布団は抗菌性が有り、しかもリ
サイクルが容易な布団を提供できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】布団の詰め綿として少なくとも抗菌繊維が
    含まれ、布団を構成する詰め綿、布団の側地、縫糸およ
    び付属品がいずれも同一系のポリマからなる繊維または
    樹脂で構成されていることを特徴とする布団。
  2. 【請求項2】詰め綿として含まれる抗菌繊維の割合が4
    0重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    布団。
  3. 【請求項3】詰め綿を構成する繊維が中空繊維を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の布団。
  4. 【請求項4】詰め綿を構成する繊維の繊度が0.5〜3
    0デニール、繊維長が10〜100mmであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の布団。
  5. 【請求項5】詰め綿を構成する繊維が非対称冷却によっ
    て発生する3次元捲縮を有する短繊維で、少なくとも3
    山/25mmの捲縮数と少なくとも5%の捲縮度とを有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    布団。
  6. 【請求項6】詰め綿、布団の側地、縫糸および付属品が
    いずれもポリエステルであることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の布団。
  7. 【請求項7】詰め綿、布団の側地、縫糸および付属品が
    いずれもナイロン6であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の布団。
  8. 【請求項8】抗菌成分がアミジン基またはグアニジン基
    を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の布団。
  9. 【請求項9】抗菌成分が第4アンモニウム塩であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の布団。
  10. 【請求項10】第4アンモニウム塩が下記一般式[I ]
    で表されることを特徴とする請求項9に記載の布団。 【化1】 (R1 は炭素数12〜16のアルキル基、R2 、R3 、
    R4 は炭素数1〜2のアルキル基、Buはブチル基を示
    す。)
  11. 【請求項11】抗菌成分が第4アンモニウム塩化した1
    価または2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合
    体またはビニル系共重合体からなる抗菌性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の布団。
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