JPH09170154A - クッションカーペットおよびその製造方法 - Google Patents

クッションカーペットおよびその製造方法

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JPH09170154A
JPH09170154A JP33076195A JP33076195A JPH09170154A JP H09170154 A JPH09170154 A JP H09170154A JP 33076195 A JP33076195 A JP 33076195A JP 33076195 A JP33076195 A JP 33076195A JP H09170154 A JPH09170154 A JP H09170154A
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JP
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melting point
fiber
fibers
cushion
antibacterial
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JP33076195A
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English (en)
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Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Jinroku Miyamoto
仁六 宮本
Shogo Hiraiwa
省吾 平岩
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】基布にパイル繊維が植設、目止めされ、基
布の裏面にクッション材が貼り合わされてなるクッショ
ンカーペットにおいて、クッション材が低融点繊維Aお
よび抗菌成分とメラミン系化合物が付与されてなる抗菌
繊維Bを含む2種以上の繊維で構成され、低融点繊維A
の融点がパイル繊維、基布繊維およびクッション材を構
成する繊維のうちで融点が最も低く、かつ、該低融点繊
維Aが前記クッション材中で20〜60重量%使用され
てなることを特徴とするクッションカーペットおよびそ
の製造方法。 【効果】本発明によれば、洗濯性、特に工業洗濯耐久性
を有する抗菌性があり、かつ、リサイクルの容易なクッ
ションカーペットを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッションカーペ
ットに関する。さらに詳しくはリサイクルの容易な抗菌
性のあるクッションカーペットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗菌性を付与した繊維製品は各種
衣料、芯地、裏地、寝装製品、インテリア製品などに広
く採用されている。これらの繊維製品は抗菌性も優れて
いるばかりではなく、各種の工夫により家庭における水
洗濯耐久性もかなりのレベルになっている。
【0003】しかし、耐メチシリン性黄色ブドウ状球菌
(以下、MRSAと略す)による病院内感染が問題とな
っている。この対策としてベッド類、カバー、シーツ、
カーテン、白衣などに抗菌性を付与することが望まれて
いる。
【0004】しかし、これらの医療用繊維製品はリネン
業者によって通常60〜85℃の工業洗濯を多数回繰り
返し実施されるため、従来技術では十分な耐久性を得る
ことができなかった。
【0005】また、近年、カーペット商品においても前
記抗菌性、特に工業洗濯耐久性に優れたカーペットが要
求されている。
【0006】一方、地球の環境保護と資源の効率的利用
の2つのニーズから、産業廃棄物や一般家庭廃棄物の処
理、再利用の問題は益々その重要性が高まってきてお
り、多くの分野、多くの人々が関心を示している。しか
し、カーペットの分野ではこれまでほとんどの使用済み
カーペットを埋め立て処分しており、実用的なカーペッ
トへのリサイクル技術はいまだ開発段階にある。
【0007】一般的にカーペットはその用途に適した品
質を得るために、タフト刺基布にタフティングしたパイ
ル糸、カードウエッブを積層しニードルパンチしたも
の、織編物などの表繊維とその裏面側の刺基布、目止め
層、裏打ち層から構成されている。表繊維はカーペット
の基本性能を決めるもので、家庭用、オフィス用、ホテ
ル・劇場用、自動車のマット用、店舗用などそれぞれの
商品要求機能と価格の両面から天然繊維、合成繊維など
各種の繊維が選択され使用されている。タフト刺基布は
天然のジュートとポリエステルスパンボンドが一般的
で、ポリエステルスパンボンドが主流である。カーペッ
ト裏面側の目止め層、裏打ち層は家庭用、オフィス用、
自動車用など使用される場所および形態によってそれぞ
れ要求機能が異なり、層ずれのしない塩化ビニールやネ
オプレンゴムを採用する場合と、形態固定しやすいポリ
エチレンを採用するなど商品によって細かく仕様が別れ
ている。このように多種多様の素材および構成からなっ
ていることがカーペットのリサイクルの実用化を困難に
している。従来、提案されているリサイクル技術を大別
すると次の3つになる。
【0008】第1はサーマルリサイクルである。カーペ
ットを適当な形態に切断し、燃焼させ、自家発電や各種
の熱エネルギーとして再利用する方法である。しかし、
この方法は資源の再利用の観点からは好ましくない。
【0009】第2はマテリアルリサイクルである。この
方法は次のケミカルリサイクルと異なり、物理的・機械
的にペレット化する。この再生ペレットを再利用する場
合、2つのケースに分けられる。1つは多種の素材が混
合していることを是として新規素材として商品開発する
ケースで、花壇や盆栽用の鉢、歩道の装飾用杭などがあ
る。もう1つは、特開平5−211935号公報、特開
平6−123052号公報に記載されているように10
0%同一素材で構成して、回収、ペレット化、溶融して
再利用するケースである。
【0010】第3はケミカルリサイクルである。リサイ
クルの基本概念に最も合致しているのは、商品を回収
し、分解して元の素原料に戻すケミカルリサイクルであ
る。しかし、カーペットは商品が多用途にわたってお
り、その素材構成が多種多様であるため、経済的な解重
合システムの開発にはしばらく時間が必要である。この
課題を解決するための手段が特開平5−117441号
公報である。解重合の効率を向上するための補助手段と
して、カーペットを小片化し、セパレーターでパイル素
材であるナイロン6を含む小片とそれ以外の小片に分離
し、ナイロン6を含む小片を解重合システムへ供給して
素原料のε−カプロラクタムを回収する方法である。し
かし、カーペットを小片化し機械的手段で、例えばサイ
クロンによる比重差などで分離しても、ナイロン6を含
む小片の中にはいまだにタフト刺基布のポリエステルス
パンボンドや目止め層・裏打ち層の塩化ビニール、ネオ
プレンゴム、ポリエチレンなどを含有しており、解重合
の精製の困難さはなんら解決されていない。
【0011】さらに、洗濯耐久性の高い抗菌性と易リサ
イクル性を兼ね備えたカーペットは開示されていなかっ
た。
【0012】特に、クッションカーペットは、クッショ
ン材が用いられている点もあり、易リサイクル性、抗菌
性などの点で実現はむずかしかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗菌
性があり、透湿性があって快適な使用感があり、しかも
リサイクル容易なクッションカーペットおよびその製造
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のクッションカー
ペットは、前記の課題を解決するために、以下の構成を
有する。
【0015】すなわち、基布にパイル繊維が植設、目止
めされ、基布の裏面にクッション材が貼り合わされてな
るクッションカーペットにおいて、クッション材が低融
点繊維Aおよび抗菌成分とメラミン系化合物が付与され
てなる抗菌繊維Bを含む2種以上の繊維で構成され、低
融点繊維Aの融点がパイル繊維、基布繊維およびクッシ
ョン材を構成する繊維のうちで融点が最も低く、かつ、
該低融点繊維Aが前記クッション材中で20〜60重量
%使用されてなることを特徴とするクッションカーペッ
トである。
【0016】また、本発明のクッションカーペットの製
造方法は以下の構成を有する。
【0017】すなわち、パイル繊維を植設した基布の裏
面に、低融点繊維Aおよび抗菌繊維Bを含む2種以上の
繊維が使用され、該低融点繊維Aの融点以上、該低融点
繊維A以外の繊維のうち融点が最も低い融点の繊維の融
点未満の温度で熱処理が施されてなる積層ウェッブから
なるクッション材を重ね、しかる後、前記低融点繊維A
の融点以上、低融点繊維A以外の繊維のうち融点が最も
低い融点の繊維の融点未満の温度で熱処理を施してパイ
ル繊維の目止め処理とクッション材と基布の貼り合わせ
を行なうことを特徴とするクッションカーペットの製造
方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のクッションカーペ
ットを図面を用いて詳細に説明する。
【0019】図1は本発明のクッションカーペットの一
例をモデル的に示す概略図であり、図1の1はパイル繊
維、2は基布、3は目止め材、4は抗菌繊維を含む繊維
クッション材を示す。本発明に用いるクッション材は低
融点繊維Aと抗菌繊維Bを含む2種以上の繊維から構成
され、繊維Aおよび繊維B以外のその他の繊維として繊
維Cを含むこともできる。本発明のクッション材におい
ては低融点繊維A相互間および繊維Aと繊維Bやその他
の繊維Cとの間の接触点の少なくとも一部が接着して成
形されてなるのが好ましい。
【0020】本発明のクッションカーペットに用いる抗
菌繊維Bは、抗菌性能の観点から、繊維Bの繊維に対し
抗菌成分を0.05〜3%owf付着させるのが好まし
い。さらに好ましくは0.1〜2%owfである。抗菌
成分が0.05%owf未満では、繊維Cや繊維Aの混
綿割合にもよるが、抗菌性能が不十分となることがあ
る。また、3%owfを越えると繊維が剛くなり、圧縮
に対する回復性を低下させると共に、コスト面で問題と
なり、実用上好ましくない。
【0021】メラミン系化合物は架橋網状構造を繊維表
面に形成するため、洗濯耐久性、特に工業洗濯耐久性向
上に有効である。メラミン系化合物は耐洗濯性の向上の
観点から繊維Bの繊維に対し0.05〜2%owf付着
させるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.2%
owfである。0.05%owf未満では工業洗濯耐久
性が不十分となることがある。また、2%owfを越え
ると繊維が剛くなり、圧縮に対する回復性を低下させる
と共に、コスト面で問題となり、実用上好ましくない。
【0022】抗菌成分としては、各種の化合物が使用さ
れる。例えば、アミジン基、グアジニン基などの各塩基
性基もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩などの塩を有する化合物および第4アンモニ
ウム塩などを用いることができる。アミジン基を含有す
る化合物としては、4,4´−スチルベン−ジカルボオ
キサミジン−ジイセチオネート(即ち、スチルバミン・
イセチオン酸塩)、N´−(4−クロロ−2−メチル−
フエニル)−N、N−ジメチル−メタニミド(即ち、ク
ロルジメフォルム)などを、グアジニン基を含有する化
合物としては、1,17−ジグアニジノ−9−アザ−ヘ
プタデカン(即ち、グアザチン)、p−(クロロフェニ
ルジグアニド)−ヘキサン(即ち、クロルヘキシジ
ン)、p−ベンゾキノン−アミジノ−ハイドラゾン−チ
オセミカネバゾン(即ち、アンバゾン)などを、第4ア
ンモニウム塩としては、ベンザルコニウム・クロライ
ド、ベンゼトニウム・クロライドなどをそれぞれ用いる
ことができる。勿論、これらの化合物は一例であり、上
記以外の化合物を用い得ることは言うまでもない。上記
化合物の中でも高い安全性を有し、かつタンパク質など
が存在しても抗菌性が低下しないという点で、p−(ク
ロロフェニルジグアニド)−ヘキサンまたはその塩が好
適である。
【0023】かかる塩基性官能基を有する抗菌成分は、
これと反応する酸性基含有重合体(単独重合体でも共重
合体でもよい)と反応させた上、用いることが好まし
い。酸性基含有重合体を構成する酸性基含有単量体とし
ては、スルホン基、カルボキシル基、ホスホン基、フェ
ノール性水酸基などの各酸性基、もしくはこれらのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩を有す
る単量体を用いることができる。スルホン基を有する単
量体としては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、
スルホプロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニ
ルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼ
ンスルホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2
−スルホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−
2−スルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル
オキシフロピルスルホン酸などを、カルボキシル基を有
する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、3
−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、4−ペンテノ
イック酸などを、ホスホン基を有する単量体としては、
アリルホスホン酸、アシドホスフオキシエチルメタクリ
レート、3−クロロ−2−アシッドホスフオキシプロピ
ルメタクリレート、1−メチルビニルホスホン酸、1−
フェニルビニルホスホン酸、2−フェニルビニルホスホ
ン酸、2−メチル−2−フェニルビニルホスホン酸、2
−(3−クロロフェニル)ビニルホスホン酸、2−ジフ
ェニルビニルホスホン酸などを、フェノール性水酸基を
有する単量体としては、o−オキシスチレン、o−ビニ
ルアニソールなどを用いることができる。
【0024】かかる単量体は、単独で用いても2種以上
を併用してもよい。またこれらの酸性基を有する単量体
と共重合可能な他の単量体を併用してもよい。かかる単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、スチレンおよびその誘導体、ブタジエ
ン、アクリルアミドおよびその誘導体、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
を用いることができる。
【0025】重合方法としては、エマルジョン重合法、
溶液重合法、塊状重合法など通常の重合法がいずれも採
用できる。なかでもエマルジョン重合法は得られる重合
体の粒子表面に酸性基が多く分布する傾向があるので好
ましく用いられる。
【0026】かかる単量体を重合してなる酸性基含有重
合体を、塩基性基含有抗菌成分と反応させることによ
り、抗菌性反応生成物が得られる。
【0027】また、第4アンモニウム塩の中で、安全性
の高い抗菌・防臭効果を発揮するものとして、下記一般
式[I ]で表される化合物は特に好ましく用いられる。
【0028】
【化2】 式[I ]において、R1 の炭素数が12〜16のアルキ
ル基とするのが好ましい。炭素数が11以下または17
以上では抗菌性が不十分となることがある。
【0029】また、式[I ]において、製造上の観点か
ら、R2 、R3 、R4 を炭素数1〜2のアルキル基とす
るのが好ましい。炭素数を3以上とすると、水に対する
溶解性が低くなることがある。
【0030】第4アンモニウム塩の中和に用いられる陰
イオンとしては、防錆性の点からアルキルリン酸イオン
が選択されるのが好ましい。さらにアルキル基として
は、炭素数が4、即ち、ブチル基が選択されるのが好ま
しい。ブチル基としては、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、tert−ブチル基のいずれも好ましく用いられ
る。アルキル基の炭素数が5以上では粘度が高くなり合
成が困難になることがある。
【0031】また、メラミン系化合物との併用により、
さらに持続性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊
維材料に抗菌性を付与することができ、しかも加工装置
を腐蝕させることがない抗菌性樹脂の使用はさらに好ま
しい。
【0032】本発明において、抗菌性樹脂は、下記式
[II]または[III ]で示される第4アンモニウム塩化
された1価または2価のリン酸エステル基を有するビニ
ル系重合体または共重合体からなっている。
【0033】
【化3】
【化4】 (II、III 式中Rは高分子主鎖または有機残基、R1
炭素数8〜18のアルキル基、R2 は炭素数1〜18の
アルキル基、フェニル基または置換アリール基を示す) 上記[II]または[III ]で示される第4アンモニウム
塩化されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体ま
たは共重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、両
性を有する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊維
に強固に付着させることができる。このため、持続性、
洗濯耐久性に優れた抗菌性を得ることができる。また、
水溶液や水−アルコール混合溶液として得られるため、
繊維材料への適用が容易であり、かつ装置を腐蝕させる
ことがないという利点を有している。
【0034】次に、本発明で使用するメラミン系化合物
としては、下記一般式[IV]で示されるものを用いるこ
とができる。
【0035】
【化5】 (式中、R0 〜R2 :−H、−OH、−C6 5 、Cn
2n+1(n :1〜10)、−COOCn 2n+1(n :1
〜20)、−CONR3 4 、−NR3 4 (R3 、R
4 :−H、−OH)、−OCn 2n+1、−CH2 OCn
2n+1、−CH2COOn 2n+1(n :1〜20)、−
CH2 OH、−CH2 CH2 OH、−CONH2 、−C
ONHCH2 OH、−O(X−O)n 5 (X:−C2
4 −、−C3 6 −、−C4 8 −、n :1〜150
0、R4 :−H、−CH3 、−C25 、−C3 7 ) 上記一般式の中でも好ましい化合物は、R0 、R1 が−
NR3 4 である化合物であり、その中でもR2 が−C
ONR3 4 、−NR3 4 であるものがより好まし
い。さらに、R3 、R4 が−CH2 OH、−CH2 CH
2 OH、−CONH2 、−CONHCH2 OHである化
合物が特に好適である。
【0036】本発明においては上記以外の化合物や誘導
体も用い得ることができる。
【0037】メラミン系化合物は、重合性官能基を少な
くとも2個有するものが繊維表面で形成される樹脂被膜
の耐久性が向上し好適である。
【0038】かくして、抗菌成分として前記抗菌単独成
分あるいは抗菌成分が酸性基含有重合体及び共重合体の
いずれかと反応した抗菌性反応生成物と被膜形成主要成
分としてのメラミン系化合物とからなる抗菌性被膜が繊
維の表面に形成されるものであるが、該膜の耐久性に対
する作用機構としては、上記被膜形成主要成分であるメ
ラミン系化合物が、繊維基質ポリマ内で重合あるいは架
橋し2次元または3次元構造化すると同時にその一部が
繊維基質ポリマの官能基とも化学結合し、網状不溶化し
て繊維に強固に固着するため、該膜の耐久性が著しく向
上して、優れた耐温水洗濯性およびドライクリーニング
性を発揮させることができるのである。前記抗菌成分と
被膜形成主要成分を繊維に付与する方法の代表例として
は、前記成分を含有する水溶液に重合開始剤あるいは架
橋触媒を添加した同一処理浴で繊維をパディングまたは
スプレー処理した後、湿潤下で反応処理する方法があ
る。反応は室温以上の温度で行うことができるが、通常
は蒸熱処理するのが好ましい。前記2成分を別浴で処理
することもできる。すなわち、まず抗菌成分を含有する
処理浴で繊維をパディングまたはスプレー処理した後、
乾熱または蒸熱処理し、次に被膜形成主要成分含む水溶
液に重合開始剤または架橋触媒を添加した別処理浴で繊
維をパディングまたはスプレー処理し、蒸熱処理するこ
ともできる。重合開始剤は、アルキレングリコール単位
を有するアクリル系化合物を重合反応させるときに使用
される。具体例としては、過硫酸アンモン、過硫酸カ
リ、アゾビスイソブチロニトリル等、一般的なビニル重
合開始剤でよく、またかかる重合開始剤の種類を選択す
ることにより、適宜所望条件処理で被膜処理することが
できる。
【0039】一方、触媒はメラミン系化合物を架橋反応
させる時に使用され、具体例としてはギ酸、酢酸をはじ
めとする各種の有機カルボン酸及びそれらのアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム等の有機塩及び硫酸、過硫
酸、塩酸、リン酸、硝酸等のアンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄
等の無機塩及びこれらの複塩などを用いることができ
る。勿論、上記した化合物は限定されない。
【0040】前記蒸熱処理は80〜140℃で行なうの
が好ましく、より好ましくは100〜130℃で0.5
〜30分間の条件で行なう。乾熱処理は80〜150℃
で行なうのが好ましく、より好ましくは100〜130
℃で乾燥した後、100〜220℃で行ない、さらに好
ましくは140〜190℃で0.5〜5分間の条件で行
なう。
【0041】本発明の方法に従って、パディングまたは
スプレー処理するのに用いる処理液中には、柔軟剤、撥
水剤、吸水剤、帯電防止剤、硬仕上げ剤等、他の薬剤を
添加してもよい。
【0042】抗菌繊維Bの断面形状は丸形断面以外に、
多角、多葉、楕円などの異形断面やそれらの中空断面で
もよい。
【0043】次に、本発明のクッション材に嵩高性、ソ
フト感を付与し、圧縮に対する回復性を向上させるた
め、抗菌繊維Bが機械捲縮を有するのが好ましい。この
捲縮数は適宜選択すればよいが、捲縮数は少なくとも3
山/25mmで捲縮度が少なくとも5%となるのが好ま
しい。
【0044】一層の嵩高性を付与するため、この捲縮が
紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮であ
ることはより好ましい。
【0045】クッションを構成する抗菌繊維Bとして
は、クッションの形態固定性やソフト感付与の観点か
ら、繊度が0.5〜30デニール、繊維長が10〜10
0mmの短繊維が好ましく用いられる。
【0046】次に、本発明に用いる低融点繊維Aについ
て説明する。低融点繊維Aは融点がパイル繊維、基布繊
維およびクッション材を構成する繊維A以外の繊維のう
ち最も低い融点の繊維の融点より低いものである。その
差は50℃以上であるのが好ましい。50℃未満ではク
ッション材の低融点繊維Aで基布とクッション材を熱融
着する場合、低融点繊維以外の繊維を損傷することがあ
る。
【0047】また、接着の効果や熱劣化を防止する観点
から低融点繊維の融点は80〜170℃の範囲に含まれ
るのが好ましく、80〜150℃の範囲に含まれるのは
より好ましい。
【0048】さらに、低融点繊維Aは複合繊維で、複合
繊維の表面側に低融点のポリマR1、中側にポリマR2
が複合され、ポリマR1の融点がポリマR2の融点に比
べて50℃以上低く、R1/R2で表される重量比が4
0/60〜90/10の範囲であることが好ましい。R
1の重量比が40%未満になると、クッション材繊維間
の熱接着性が十分に得られなくなったり、基布とクッシ
ョン材の接着および基布にパイルを固定することが困難
になる。一方、R1の重量比は100重量%であっても
差支えないが、カーペット使用時に低融点繊維Aが切断
し、粉体となって埃発生の原因になることもあり、90
重量%以下にするのがより好ましい。
【0049】ポリエステル系の低融点ポリマR1として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
プロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレ
フィン共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート、
ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンテレフタレートイソフタレート等のポリエス
テルあるいは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマー
から選ばれる、少なくとも一種類のポリマーを用いるこ
とができる。この場合、ポリマR2は特に限定されない
が、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン酸
成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレン
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、あるい
はポリエチレン2,6−ナフタレートなどのポリエステ
ルを用いることができる。
【0050】ポリアミド系の低融点ポリマR1として
は、例えば、ポリエステル系と同様にナイロン6にナイ
ロン10やナイロン66のような他のナイロンポリマを
共重合することによって容易に得られる。
【0051】低融点繊維Aには、この他必要に応じてR
1、R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止材など
が添加されていても勿論よい。このような繊維Aは通常
の複合紡糸法によって製造することができる。
【0052】低融点繊維Aとしては、熱接着性、ソフト
感付与、弾力性の観点から繊度が0.5〜30デニー
ル、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく用い
られる。本発明のクッション材中の低融点繊維Aは20
〜60重量%とするものである。繊維Aが20重量%に
満たないと、繊維A同士の熱接着点が少なくなって形態
安定性が悪くなると同時に、基布との熱接着が不十分に
なる問題がある。また、繊維Aが60重量%を越える
と、クッション材のソフト感や弾力性が低下すると同時
に、抗菌繊維の割合が少なくなって抗菌効果が低下する
問題がある。
【0053】本発明のもう1つはリサイクルが容易なク
ッションカーペットを提供することである。前記したよ
うに一般的なカーペットはその用途に適した品質を得る
ためにカーペットとしての基本性能を決める表繊維の他
に、その裏側面に表繊維と異なる素材が種々使用されて
いる。これら種々の素材から構成されたカーペットのリ
サイクルは容易ではないが、本発明はカーペットの用途
に適した品質を保持しながら、リサイクル容易なクッシ
ョンカーペットを得るものである。クッシヨンカーペッ
トではこのクッション部が一般に発泡ポリウレタン等の
クッション材としてカーペット基布の裏面に貼り合わせ
られている。しかし、これら発泡ポリウレタンはパイル
繊維や基布の繊維成分と化学組成が異なるため、回収し
て再利用する場合大きな障害となる。
【0054】このため本発明では、パイル、基布、目止
め材およびクッシヨン材にいずれも同一系のポリマを使
用し、かつクッシヨン材に含まれる低融点繊維でパイル
を基布に固定すると共に、基布にクッシヨン材を固定す
ることにより、リサイクル容易なクッションカーペット
としたものである。
【0055】本発明のクッションカーペットはマテリア
ルリサイクル、ケミカルリサイクルおよびサーマルリサ
イクルのいずれも可能である。また、使用する繊維とし
てポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル等の合成繊
維いずれでも可能であるが、パイル、基布、目止め材お
よびクッション材のいずれもポリエステルで構成する
と、回収品を溶融ペレット化して再利用するマテリアル
リサイクルが容易なため好ましい。さらに好ましくは、
パイル、基布、目止め材およびクッション材のいずれも
ナイロン6で構成し、回収商品を分解して元の素原料に
戻すのが望ましい。ナイロン6で統一すると特公昭42
−18476号公報、特願平6−127468号公報等
に記載されている方法で解重合・精製し、ε−カプロラ
クタムとして回収して、再びナイロン6の素原料として
再利用することが容易である。
【0056】さらに、クッション材4を本発明のごとく
繊維クッションにすれば、透湿性や透水性が高くて、例
えば、畳や木質の床材を腐食しにくい効果もある。
【0057】次に、本発明のクッションカーペットの製
造方法について説明する。本発明では例えば、一般の方
法で基布に基布と同一素材のパイル繊維をタフティング
によって植設する。
【0058】一方、クッション材としては、例えば、前
記基布やパイルと同一素材の低融点繊維Aと抗菌繊維
B、場合によってはその他の繊維を加えて通常の紡績工
程で使用する給綿機、混綿機、開繊機、梳綿機によって
十分に混綿、開繊してウエッブ状とし、製綿成型機で積
層ウエッブとした後、低融点繊維Aの融点以上、低融点
繊維A以外の繊維のうち融点が最も低い融点の繊維の融
点以下の温度で熱処理してシート状の繊維クッション材
とするものである。
【0059】このシート状の繊維クッション材を前記の
基布にパイル繊維が植設されたカーペットの基布裏面に
重ねて、クッション材を構成する低融点繊維Aの融点以
上、パイル、基布およびクッション材の低融点繊維以外
の繊維のうち融点が最も低い繊維の融点未満の温度で熱
処理して、基布とクッション材の接着およびパイルを基
布に固定する。熱処理の温度は低融点繊維Aの融点以上
の温度であって、かつパイル、基布、およびクッション
材の低融点繊維以外の繊維の品質を損なわない温度で処
理する必要があり、パイル、基布およびクッション材の
低融点繊維以外の繊維のうち融点が最も低い繊維の融点
より10℃以上低い温度であることがより好ましい。
【0060】また、パイル繊維を基布に目止めする方法
としては、前記クッション材の低融点繊維Aで溶融接着
することもできるが、タフト後のカーペットにあらかじ
め低融点繊維に使用する共重合ポリマの微粉末を塗布し
ておき、熱処理して接着目止めしたり、基布とクッショ
ン材の熱処理接着時に低融点ポリマ微粉末による接着目
止めをするのがより好ましい。
【0061】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0062】「抗菌性」黄色ブドウ状球菌(Staph
ylococcsu Aureus ATTC6538
p)のブイヨン懸濁液とし、カーペットのクッションを
開繊して繊維のウエッブ状としたものに注加して、密閉
容器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖
菌数に対する菌数を測定して、菌数増減値差K=log
(B/C)で求めた。ただし、菌培養条件はlog(B
/A)>2であること。Aは抗菌加工していない通常の
ポリエステルの綿のウエッブ状としたものに前記菌を注
加して、注加直後分散回収した菌数。Bは抗菌加工して
いない通常のポリエステルの綿のウエッブ状としたもの
に前記菌を注加して、18時間培養後分散回収した菌
数。Cはカーペットのクッションを開繊して繊維のウエ
ッブ状としたものに前記菌を注加して、18時間培養後
分散回収した菌数。なお、洗濯後の抗菌性は、ドラム染
色機を用い、中性洗剤“ザブ”(花王(株)製)2g/
l、過酸化水素3cc/l、過酸化ソーダ1.5g/
l、温度85±2℃、浴比1:20で15分間洗濯し、
その後排液、脱水後、水洗を10分間実施する。水洗後
タンブラー・ドライヤーを用いて20分間で乾燥させ
る。これを洗濯1回とする。
【0063】抗菌性はKが1.6以上を合格レベルとし
た。また、MRSAに対する抗菌性は(財)日本食品分
析センターに評価を依頼した。
【0064】「パイルの目止め性、基布とクッション材
の接着性、クッション材の弾力性」目視および触感によ
って、優(◎)から不可(×)まで7段階に評価した。
【0065】[実施例1〜3および比較例1〜2]通常
のポリエステルチップを用いて溶融紡糸・延伸・捲縮加
工して融点255℃、繊度1300デニール、フィラメ
ント数260本の偏平凹凸形断面で、捲縮伸長率21%
の捲縮糸を得た。得られた捲縮糸を2本引き揃え50T
/mの撚を入れてソフト巻きチーズにして高圧チーズ染
色法で白を含む5色に染色した。得られたチーズ染め糸
を用いて、通常市販ポリエステルスパンボンドを基布と
して、パイル長=11mm、ステッチ=12.5コ/i
nのカットパイルカーペットとした。
【0066】一方、繊維クッション材として、まず、低
融点繊維AのR2は融点が255℃の通常ポリエチレン
テレフタレート、R1としてイソフタル酸40モル%共
重合した融点が110℃のポリエチレンテレフタレート
系ポリエステルを用いて、紡糸温度285℃、紡糸口金
孔数24孔、引取り速度1350m/分、吐出量18.
11g/分、R1/R2で表される重量比が60/40
のR2を芯部とし、R1を鞘部とした同心円状の低融点
複合繊維Aの未延伸糸を紡糸した。この未延伸糸を延伸
後のトウデニールが10万デニールとなるべく合糸し
て、延伸倍率3.0倍、延伸浴温度80℃で延伸し、ク
リンパで機械捲縮を付与した。さらに、70℃の熱セッ
ターで乾燥した後、仕上げ油剤を付与して、カット長5
1mmに切断して、繊度約4デニール、表面層の融点が
約110℃の低融点複合繊維Aを得た。次に、融点が2
55℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペレット状
態とし、紡糸温度280℃、紡糸口金孔数24孔、引取
り速度1350m/分、中空率31%の中空断面構造と
し、紡糸口金の出口で非対称冷却した未延伸糸を紡糸し
た。次いで、この未延伸糸を延伸後のトウデニールが1
0万デニールとなるべく合糸して、延伸倍率3.0倍、
延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮を付与
した後、カット長38mmに切断して175℃の熱処理
をして繊度6.0デニール、捲縮数7.6山/25m
m、捲縮度26.6%の抗菌加工していない通常ポリエ
ステル中空繊維Cを得た。
【0067】また、第4アンモニウム塩化した1価のリ
ン酸エステル基を有するビニル系重合体からなる抗菌性
樹脂を32%含む抗菌剤の2.5%水溶液を調整した。
また、メラミン系化合物であるSumitex M−3
(住友化学工業(株)製)1.0%水溶液、架橋剤であ
るSumitex Acx(住友化学工業(株)製)
0.3%水溶液、軟化剤0.7%水溶液調整した。これ
ら水溶液を混合、撹拌後、前記通常ポリエステル中空繊
維を浸漬し、絞って130℃で1分間キュアリングさせ
て抗菌性繊維Aを得た。得られた抗菌性繊維Aの抗菌成
分付着量は0.52%owf、メラミン系化合物付着量
は0.65%owfで、黄色ブドウ状球菌に対する抗菌
性は洗濯前4.2、洗濯50回後3.7、MRSAに対
する抗菌性は洗濯前4.5、洗濯50回後3.2であっ
た。
【0068】前記繊維Aおよび繊維Bを混綿し、ローラ
カードでさらに混綿・開繊してウエッブ状とし、製綿成
型機で積層ウエッブとした後、連続して乾熱150℃の
雰囲気中を通過させながら低融点繊維A相互の交差点お
よび低融点繊維Aと抗菌繊維Bの交差点の一部を接着さ
せてシート状の繊維クッション材とした。
【0069】上記混綿の際、実施例1は低融点繊維Aを
21重量%・抗菌繊維Bを79重量%で混綿、実施例2
は低融点繊維Aを40重量%・抗菌繊維Bを60重量%
で混綿、実施例3は低融点繊維Aを60重量%・抗菌繊
維Bを40重量%で混綿、比較例1は低融点繊維Aを1
8重量%・抗菌繊維Bを82重量%で混綿、比較例2は
低融点繊維Aを61重量%・抗菌繊維Bを39重量%で
混綿した。
【0070】さらに、カーペットの基布の裏面に前記実
施例1〜3および比較例1〜2のシート状の繊維クッシ
ョン材を重ねてその間に低融点繊維Aの低融点ポリマの
微粉末R1を塗布し、連続して乾熱150℃の雰囲気中
を通過させながらR1ポリマの微粉末およびクッション
材を構成する低融点繊維Aで基布とクッション材の接着
およびパイルの基布への固定をしてポリエステル100
%のクッションカーペットを得た。
【0071】表1に、得られたクッションカーペットの
性質を示す。
【0072】
【表1】 実施例1、2および3は抗菌繊維を79〜40重量%、
低融点繊維を21〜60重量%混綿したもので、抗菌性
(黄色ブドウ状球菌)は洗濯前3.5〜1.8%、洗濯
50回後においても3.2〜1.6で目標の抗菌性を示
した。また、パイルの目止め性、基布とクッション材の
接着性およびクッション材の弾力性ともに良好なもので
あった。
【0073】これに対し、比較例1は抗菌繊維を82重
量%含み、抗菌性およびクッションの材弾力性は良好で
あるが、低融点繊維の混綿が19重量%と低く、パイル
の目止め性および基布とクッション材の接着性が劣るも
のであった。また比較例2は抗菌繊維が39重量%と少
なく、低融点繊維が61重量%と多いため、目止め性お
よび基布とクッション材の接着性は良好であるが抗菌性
やクッション材の弾力性が劣るものであった。
【0074】これら実施例1〜3のカットパイルカーペ
ット製品のみを6ケ月使用後回収し、実施例1〜3のカ
ーペット製品別々に反毛機にかけて解繊し、この解繊繊
維を溶融チップ化し、再度溶融紡糸・延伸・捲縮加工し
て繊度1300デニール、フィラメント数260本の4
角断面巻縮糸を得た。得られた捲縮糸はいずれも灰色の
着色捲縮糸であるが再利用可能な糸であった。
【0075】[実施例4]通常のナイロン6チップを特
公昭55−9086号公報記載の方法で紡糸・延伸・捲
縮加工して融点215℃、繊度2650デニール、フィ
ラメント数160本の田型中空(中空率14%)で、捲
縮伸長率27%の捲縮糸を得た。これとは別に通常のナ
イロン6チップを紡糸・延伸・捲縮加工して融点215
℃、繊度2.5デニール、51mmのステープルとし、
通常の紡績、製織、加工してナイロン6繊維織物の基布
とした。このナイロン6繊維織物を基布として、前記ナ
イロン6捲縮糸をパイル長=4.5mm、ステッチ=1
2.5コ/in、ループパイルをタフトし、染色してカ
ーペットとした。
【0076】一方、繊維クッション材として、まず、低
融点繊維AのR1としてナイロン6にナイロン66を共
重合した融点が95℃の共重合ナイロンポリマR1を用
いて紡糸・延伸して、繊度約4デニール、カット長51
mmの低融点ポリマ100重量%の低融点繊維Aを得
た。これとは別に通常の溶融紡糸、延伸して得られた融
点215℃、繊度7デニール、カット長51mmのナイ
ロン6ステープルに実施例1と同様にして抗菌加工し
て、抗菌繊維Bを得た。さらに通常の溶融紡糸、延伸し
て得られた融点215℃、繊度13デニール、カット長
51mmのナイロン6ステープル(その他の繊維C)を
A/B/Cの重量比が30/60/10となるように混
綿し、ローラカードでさらに混綿・開繊してウエッブ状
とし、製綿成型機で積層ウエッブとした後、連続して乾
熱135℃の雰囲気中を通過させながら低融点繊維A相
互の交差点および低融点繊維Aと抗菌繊維Bやその他の
繊維Cの交差点の一部を接着させてシート状の繊維クッ
ション材とした。
【0077】さらに、カーペットの基布の裏面に、前記
融点95℃のR1ポリマの微粉末を塗布しながらシート
状の繊維クッション材を重ねて、連続して乾熱140℃
の雰囲気中を通過させながらR1ポリマの微粉末および
クッション材を構成する低融点繊維Aで基布とクッショ
ン材の接着およびパイルの基布への固定をして一部クッ
ション材に抗菌ポリエステル繊維を含むクッションカー
ペットを得た。
【0078】得られたクッションカーペットの性質を併
せて表1に示す。
【0079】抗菌繊維を60重量%、低融点繊維を30
重量%混綿したもので、抗菌性は洗濯前2.7、洗濯後
2.2で良好であった。また、パイルの目止め性、基布
とクッション材の接着性およびクッション材の弾力性と
もに良好なものであった。
【0080】この実施例4のカーペットを6ケ月間使用
後回収し、反毛機にかけて解繊した。解繊した繊維を特
公昭42−18476号公報に記載の方法で解重合・精
製してε−カプロラクタムに回収した。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、洗濯性、特に工業洗濯
耐久性を有する抗菌性があり、かつ、リサイクルの容易
なクッションカーペットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクッションカーペットの一例をモデル
的に示す概略図である。
【符号の説明】
1:パイル繊維 2:基布 3:目止め材 4:クッション材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/14 D01F 8/14 B D05C 17/02 D05C 17/02 D06M 13/358 D06M 17/00 C 13/463 13/46 17/00 13/38

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基布にパイル繊維が植設、目止めされ、基
    布の裏面にクッション材が貼り合わされてなるクッショ
    ンカーペットにおいて、クッション材が低融点繊維Aお
    よび抗菌成分とメラミン系化合物が付与されてなる抗菌
    繊維Bを含む2種以上の繊維で構成され、低融点繊維A
    の融点がパイル繊維、基布繊維およびクッション材を構
    成する繊維のうちで融点が最も低く、かつ、該低融点繊
    維Aが前記クッション材中で20〜60重量%使用され
    てなることを特徴とするクッションカーペット。
  2. 【請求項2】パイル繊維、基布繊維およびクッション材
    を構成する繊維のうち、低融点繊維A以外の繊維の融点
    より該低融点繊維Aの融点が50℃以上低いことを特徴
    とする請求項1に記載のクッションカーペット。
  3. 【請求項3】低融点繊維Aが芯鞘構造を有する複合繊維
    であって、該複合繊維の鞘成分を構成するポリマR1の
    融点が芯成分を構成するポリマR2の融点に比べて50
    ℃以上低く、かつ、R1/R2で表わされる重量比が4
    0/60〜90/10の範囲であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のクッションカーペット。
  4. 【請求項4】抗菌繊維Bがクッション材中で40重量%
    以上使用されてなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のクッションカーペット。
  5. 【請求項5】抗菌成分がアミジン基またはグアニジン基
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のクッションカーペット。
  6. 【請求項6】抗菌成分が第4アンモニウム塩であること
    を特徴とする請求項1〜5に記載のクッションカーペッ
    ト。
  7. 【請求項7】第4アンモニウム塩が下記一般式[I ]で
    表されることを特徴とする請求項6に記載のクッション
    カーペット。 【化1】 (R1 は炭素数12〜16のアルキル基、R2 、R3
    4 は炭素数1〜2のアルキル基、Buはブチル基を示
    す。)
  8. 【請求項8】抗菌成分が第4アンモニウム塩化した1価
    または2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体
    またはビニル系共重合体からなる抗菌性樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクッショ
    ンカーペット。
  9. 【請求項9】パイル、基布、目止め材およびクッション
    材がいずれも同一系のポリマで構成されていることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のクッションカ
    ーペット。
  10. 【請求項10】パイル、基布、目止め材およびクッショ
    ン材がいずれもポリエステルで構成されていることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のクッションカ
    ーペット。
  11. 【請求項11】パイル、基布、目止め材およびクッショ
    ン材がいずれもナイロン6で構成されていることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載のクッションカー
    ペット。
  12. 【請求項12】パイル繊維を植設した基布の裏面に、低
    融点繊維Aおよび抗菌繊維Bを含む2種以上の繊維が使
    用され、該低融点繊維Aの融点以上、該低融点繊維A以
    外の繊維のうち融点が最も低い融点の繊維の融点未満の
    温度で熱処理が施されてなる積層ウェッブからなるクッ
    ション材を重ね、しかる後、前記低融点繊維Aの融点以
    上、低融点繊維A以外の繊維のうち融点が最も低い融点
    の繊維の融点未満の温度で熱処理を施してパイル繊維の
    目止め処理とクッション材と基布の貼り合わせを行なう
    ことを特徴とするクッションカーペットの製造方法。
  13. 【請求項13】パイル、基布、目止め材およびクッショ
    ン材にいずれも同一系のポリマを使用することを特徴と
    する請求項12に記載のクッションカーペットの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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