JPH09110538A - MgO−C系キャスタブル用微粉組成物およびその製造方法ならびにMgO−C系キャスタブル - Google Patents

MgO−C系キャスタブル用微粉組成物およびその製造方法ならびにMgO−C系キャスタブル

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JPH09110538A
JPH09110538A JP7277703A JP27770395A JPH09110538A JP H09110538 A JPH09110538 A JP H09110538A JP 7277703 A JP7277703 A JP 7277703A JP 27770395 A JP27770395 A JP 27770395A JP H09110538 A JPH09110538 A JP H09110538A
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Masato Kumagai
正人 熊谷
Junichiro Mori
淳一郎 森
Yasunobu Toritani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素(黒鉛)の疎水性とマグネシア微粉の消
化性を同時に改善した微粉組成物を提供する。 【解決手段】100μm以下の黒鉛微粉とマグネシア微粉
からなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物であっ
て、該黒鉛微粉の表面に水和防止処理によって改質した
粒径が20μm以下の表面処理マグネシア微粉が固着され
るか、黒鉛微粉の表面に粒径が20μm以下のマグネシア
微粉が固着された黒鉛・マグネシア結合粒子の全表面が
水和防止処理されたものであるMgO−C系キャスタブル
用微粉組成物と、これを含むキャスタブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼取鍋の内張り
等において使用される作業性に優れたMgO−C系キャス
タブル(流し込み不定形耐火物)と、このキャスタブル
の構成成分である微粉組成物およびそれの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、治金炉などに使用される耐火物
は、省力化、省エネルギー化を目的として、煉瓦から不
定形耐火物の方に移行しつつある。それは、不定形耐火
物の場合、一体施工による目地なし構造を容易に造れる
ことから、地金やスラグの侵食が少ないという特徴を有
するほか、さらに従来の耐火煉瓦に比べると耐熱スポー
リング性に優れ、かつ高寿命を示すという特性を具えて
いるからである。
【0003】こうした不定形耐火物として代表的なもの
は、水で混練して適度の流動性を付与した上で、流動充
填によって施工するキャスタブル耐火物である。このキ
ャスタブル耐火物には、骨格成分として耐火性骨材など
の耐火性微粉末を加えることが慣用になっている。とい
うのは、この耐火性微粉末は、解膠−凝集作用による自
硬性の付与、微細気孔の閉塞、施工時の流動性の付与な
どの各種の有用な作用を有することから、キャスタブル
耐火物においては欠くことのできない極めて重要な耐火
用素材の1つと言えるものである。
【0004】さて、こうした耐火物微粉末の1つとして
使われているものに、マグネシアがある。このマグネシ
アは、塩基性スラグに対する耐食性に優れるという特徴
を有する一方で、スラグの浸透が大きく、構造スポール
を生じやすいという欠点があった。
【0005】また、かかる耐火物微粉末としては他に、
鱗片状黒鉛などの炭素材料が用いられている。この炭素
材料は、高熱伝導性、溶融金属やスラグに濡れにくいと
いう性質などにより、耐火物の耐用性を向上させる物質
の1つとして知られているが、疎水性を示すことから分
散性が悪いという欠点があった。
【0006】最近、このようなマグネシアと炭素(カー
ボン)が持つ特徴を生かしたMgO−C系煉瓦が転炉や溶
鋼鍋スラグライン用内張り材として用いられている。さ
らに、耐火物の不定形化の流れを受け、黒鉛の疎水性を
克服したカーボン含有キャスタブルに関する特許発明も
公開されている。例えば、特開平5−194044号公報にあ
るように、鱗状黒鉛を球状化して親水性を向上させたも
のがある。また、特開昭63−215573号公報をはじめとし
て、鱗状、土状、人造黒鉛にタール、ピッチ等を被覆す
る技術は数多く公開されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】マグネシアや炭素を不
定形耐火物の微粉原料として使用する場合、次のような
問題点があった。 (1) マグネシアの場合は、これをキャスタブル耐火物の
骨材として使用する場合、水和反応によって引き起こさ
れる消化の問題が起こる。このマグネシアの消化の問題
は、2つの原因が考えられる。その1つは、MgO+H2
→Mg(OH)2 反応による体積膨張により、キャスタブル成
形体に亀裂を生じ、時として崩壊に至ることである。も
う1つは、Mg2+イオンが容易に溶出してしまい、そのた
めにキャスタブルの急激な凝集を招いて流動性を阻害し
かつ固化することにより、作業性の低下を招くことであ
る。これらの2つの原因は、マグネシアの粒径が小さい
ほど、特に20μm以下になると一層顕著になる。一方
で、マグネシアの粒径は20μm以下を使用しないとキャ
スタブルとしての流動性が得られない。
【0008】(2) 黒鉛などの炭素原料の場合、これらは
疎水性を示すために水中への分散特性が悪く、これをキ
ャスタブル耐火物中に多量に添加すると凝集し、しかも
その形状が鱗状であることから、緻密で均質な強度の大
きい構造体になりにくいという欠点があった。この点に
関し、特開平5−194044号公報には、炭素原料の表面に
メカノケミカル改質によるアルミナ、シリカ、炭化珪素
(SiC) 、珪素、アルミニウムを固着せしめることによ
り、親水性を付与すると同時に耐酸化性を付与すること
を提案しているが、この方法では、親水性は付与される
が、スピネル、フォルステライト生成による体積膨張が
発生するため、耐食性が不十分になるという問題があ
る。このいう背景の下で、キャスタブル中への炭素材料
の添加については従来、多量に添加することは困難とさ
れていたのである。
【0009】また、キャスタブルというのは一般に、施
工時の流動性(作業性)の確保が重要な課題となる。こ
うした流動性の確保には、微粉原料の添加が必要となる
ことはよく知られている。例えば、MgO−C系キャスタ
ブルの場合、黒鉛微粉原料は分散性の他、耐酸化性の面
で不利なため使用できない。一方、マグネシア微粉原料
は上述したように水との反応性に富み、短時間で凝結す
るために、そのままでは使用できない。
【0010】そこで本発明の主たる目的は、不定形耐火
物原料としての炭素(黒鉛)とマグネシアとを、それら
の各特性を維持する一方で、これらが抱えている欠点を
克服して使用するための方策を提案することにある。本
発明の他の目的は、炭素(黒鉛)の疎水性とマグネシア
微粉の消化性を同時に改善した微粉組成物を提供するこ
と、およびそれの有利な製造方法を提案することにあ
る。そして、この発明のさらに他の目的は、作業性に優
れるMgO−C系キャスタブルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の基本的な考え方
は、まず黒鉛の場合、鱗状黒鉛を機械的処理することに
より球状化し、流動性を良くすることによって混水量の
低減を図ると共に、この黒鉛微粉の表面にマグネシアを
固着することで疎水性を向上させると共に、このマグネ
シア微粉の自己焼結によって焼成時の強度を高めること
にある。しかし、単に黒鉛を使うというだけでは、黒鉛
微粉の表面に固着した改質マグネシア微粉および骨材用
微粉成分として配合された微粉マグネシアとが水と接し
たときにマグネシアの消化を招く。そこで本発明では、
上記球状化鱗状黒鉛に固着する改質マグネシア微粉およ
び骨材微粉としての微粉マグネシアの表面を、樹脂オイ
ル, ゾル等の有機材料や無機材料を被覆して水和防止処
理することにしたのである。
【0012】以下に、上述した考え方に沿って開発した
本発明について、その要旨構成を説明する。本発明の第
1のものは、 100μm以下の黒鉛微粉とマグネシア微粉
からなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物であっ
て、該黒鉛微粉の表面に表面処理マグネシア微粉が固着
されており、そしてこの表面処理マグネシア微粉は水和
防止処理によって改質した粒径が20μm以下のものであ
るMgO−C系キャスタブル用微粉組成物である。本発明
の第2のものは、 100μm以下の黒鉛微粉とマグネシア
微粉からなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物であ
って、黒鉛微粉の表面に粒径が20μm以下のマグネシア
微粉が固着された黒鉛・マグネシア結合粒子の全表面が
水和防止処理されたものであるMgO−C系キャスタブル
用微粉組成物である。なお、上記各発明においては、改
質用としてではなく骨材用微粉成分として添加される微
粉マグネシアは、そのうちの少なくとも20μm以下の粒
子については、水和防止処理が施されていることを特徴
とする。
【0013】また、上記各発明においては、黒鉛表面へ
のマグネシア微粉の固着は、機械的な衝撃力、剪断力お
よび磨砕力のいずれか1種以上の付加によって行うこと
を特徴とする。また、上記各発明においては、黒鉛微粉
表面上に固着する表面処理マグネシア微粉および微粉成
分としての粒径20μm以下の微粉マグネシアの水和防止
処理は、フェノール樹脂、ワックス、ラテックス、DO
P、酸性燐酸エステル、燐酸塩溶液、シリカヒューム、
アルミナゾル、シリカゾル、シリコンオイル、乳酸アル
ミ、硫酸アルミ、シランカップリング剤のいずれか1種
または2種以上をコーティングすることによって行うこ
とを特徴とする。そして、上記水和防止処理に用いるコ
ーティング剤の固着量またはコーティング量は、被処理
マグネシア量の1〜10%とすることを特徴とする。
【0014】上記各発明にかかる微粉組成物は、次のよ
うな方法の実施によって製造する。即ち、本発明の第1
の製造方法は、黒鉛微粉の表面にマグネシア微粉を固着
してなるMgO −C系キャスタブル用微粉組成物を製造す
るに当たり、機械的な衝撃力を加えて球状化した黒鉛の
表面に、予めフェノール樹脂、ワックス、ラテックス、
DOP、酸性燐酸エステル、燐酸塩溶液、シリカヒュー
ム、アルミナゾル、シリカゾル、シリコンオイル、乳酸
アルミ、硫酸アルミ、シランカップリング剤のいずれか
1種または2種以上をコーティングする水和防止処理を
施した、20μm以下の大きさの表面処理マグネシア微粉
を固着することを特徴とする方法である。
【0015】また、本発明の第2の製造方法は、黒鉛微
粉の表面にマグネシア微粉を固着してなるMgO−C系キ
ャスタブル用微粉組成物を製造するに当たり、鱗片状黒
鉛もしくは球状化黒鉛の表面に、未処理マグネシア微粉
を固着して黒鉛・マグネシア結合粒子とし、この結合粒
子表面に、フェノール樹脂、ワックス、ラテックス、D
OP、酸性燐酸エステル、燐酸塩溶液、シリカヒュー
ム、アルミナゾル、シリカゾル、シリコンオイル、乳酸
アルミ、硫酸アルミ、シランカップリング剤のいずれか
1種または2種以上をコーティングするか、機械的な衝
撃力の付加の下に混合する水和防止処理を施すことを特
徴とする方法である。
【0016】なお、上記各製造方法の発明においては、
黒鉛微粉表面へのマグネシア微粉の固着は、機械的な衝
撃力、剪断力および磨砕力のいずれか1種以上の付加に
よって行うことを特徴とする。
【0017】また、本発明は、マグネシア微粉ならびに
黒鉛微粉を主たる構成成分とするキャスタブルにおい
て、このキャスタブル中には、少なくとも上記MgO−C
系キャスタブル用微粉組成物を含有していることを特徴
とするMgO−C系キャスタブルである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の特徴の1つは、黒鉛の表
面に粒径20μm以下のマグネシア微粉を固着することに
ある。このように、黒鉛表面にマグネシア微粉を固着す
る理由は、上述したように流動性の確保ならびにマグネ
シアの自己焼結による焼成強度の付与、さらには、マグ
ネシア以外の原料を極力使わないことで耐食性を劣化さ
せないようにしたことにある。また、発明者らの知見に
よれば、このマグネシアの粒径は、小さい方が焼結力が
強く、とくに粒径20μm以下のものが望ましいことがわ
かった。
【0019】一方、ベースとなる黒鉛の粒径は、あまり
に大きいとキャスタブルの焼結不良を招くおそれがある
ため、100 μm以下とする。しかし、10μm以下ではス
ラグ浸透防止効果は認められるものの耐酸化性に問題が
生じるため、10μmを下限とする。即ち、黒鉛の好適粒
径範囲は10〜100 μmである。なお、この黒鉛を球状化
処理したり、マグネシアを固着処理するに当たっては、
例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械
製)、ハイエックス(日清製粉製)、振動ボールミル等
の装置を使うことが有効である。
【0020】本発明の第2の特徴は、黒鉛の表面に付着
せしめるマグネシア微粉、および骨材用微粉成分として
配合される微粉マグネシアのうちの少なくともその一部
のもの, 例えば20μm以下の粒径のものは、耐消化性を
改善する水和防止処理を施したものを用いることにあ
る。即ち、本発明においては、微粉成分, 即ち骨材用微
粉として配合される微粉マグネシア、黒鉛表面に固着し
て用いる改質マグネシア微粉、あるいは表面に予めマグ
ネシアを固着してなる黒鉛・マグネシア結合粒子の表面
はそれぞれ、樹脂、オイル、ゾル等の各種の有機材料,
無機材料にてコーティングされているのである。なお、
この表面処理マグネシア微粉は、必要に応じて噴霧乾燥
してもよい。
【0021】黒鉛微粉の表面をこのような水和防止処理
をすることにより、得られた微粉組成物, 即ちマグネシ
アならびに黒鉛は、その表面がいずれもコーティング剤
にて被覆されたものとなり、それと同時に前記微粉マグ
ネシアならびに黒鉛粒子表面の改質マグネシア微粉は、
いずれも耐消化性を改善する水和防止処理がなされる。
【0022】上記水和防止処理に用いる有機材料, 無機
材料としては、レジノールタイプのフェノール樹脂をは
じめ、ワックス、ラテックス、DOP、酸性燐酸エステ
ル、燐酸3ナトリウムをはじめとする各種燐酸塩溶液、
シリカヒューム、アルミナゾル、シリカゾル、シリコン
オイル、乳酸アルミ、硫酸アルミ、シランカップリング
剤等が好適に用いられる。
【0023】上記水和防止処理に用いるコーティング剤
の量は、被処理マグネシア量の1〜10wt% 、好ましくは
3〜7wt% とする。この量は1wt% 未満だとMgOの消化
防止が不十分であり、10wt% を超えるとコーティング剤
が過剰になり、MgOをコーティングしても余るコーティ
ング剤が生じるためである。
【0024】なお、上記水和防止処理は、改質マグネシ
ア微粉を黒鉛の表面に固着する前に行っても、また固着
後の黒鉛ならびにマグネシア微粉からなる黒鉛・マグネ
シア結合粒子の表面を覆うように行ってもよい。
【0025】本発明における微粉組成物はまた、以下の
ような方法によっても製造することができる。 1) 鱗状黒鉛をあらかじめ球状化処理した球状化黒鉛粒
子と、マグネシア微粉およびコーティング剤を同時に混
練する。 2) 未処理鱗状黒鉛とマグネシア微粉およびコーティン
グ剤を機械的衝撃力の付加を伴う混練を行う。 3) 未処理鱗状黒鉛とマグネシア微粉を機械的衝撃力の
付加を伴う混練の後に、コーティング剤中に浸漬し、そ
の後噴霧乾燥する。
【0026】例えば、上記の各製造方法の場合、以下に
述べるような具体的な方法; a.鱗状黒鉛をハイブリダイゼーションシステム(以
下、これを単に「メカノケミカル改質」という)等によ
り球状化するのと同時に、表面処理マグネシア微粉の表
面にシリカヒューム等のコーティング剤を固着する(図
1(a))。 b.上記と同じ表面処理マグネシア微粉を調整するとき
に、あらかじめ球状化処理した鱗状黒鉛を準備し、この
黒鉛表面に前記表面処理マグネシアを固着する(図1
(a))。 c.あらかじめ球状化処理した鱗状黒鉛、マグネシア微
粉、フェノール樹脂等のコーティング剤を一緒に、前記
メカノケミカル改質法を利用して混練する(図1(b))。 d.未処理鱗状黒鉛、マグネシア微粉、フェノール樹脂
等のコーティング剤を一緒に、前記メカノケミカル改質
法を利用して混練する(図1(b))。 e.まず、未処理鱗状黒鉛とマグネシア微粉とをメカノ
ケミカル改質により固着せしめ、その後シリコンオイル
等のコーティング剤中に浸漬してから噴霧乾燥する(図
1(c))。 などが好適実施形態となる。
【0027】なお、マグネシア微粉の表面処理方法, 即
ち表面処理マグネシアを調整する方法としては、以下に
述べるような手段が考えられる。 1) マグネシア微粉とシリカヒュームとを混合し、ハイ
ブリダイゼーションシステムなどによりメカノケミカル
改質を行う。 2) マグネシア微粉をシリカゾル、シリコンオイル、シ
ランカップリング剤等の液状物質に浸漬し、噴霧乾燥す
る。
【0028】上述した微粉組成物は、キャスタブルの骨
材である微粉成分の1つとして用いるとき、本発明にか
かるMgO−C系キャスタブルが得られる。このようなキ
ャスタブルの場合、球状化黒鉛の表面に水和防止処理し
た表面処理マグネシア微粉が固着されたものであるか
ら、黒鉛に親水性を付与するために、この黒鉛表面に酸
化しやすいタール、ピッチ、カーボンブラック等を被覆
する従来のような処理は必要がない。黒鉛粒子表面に固
着した表面処理マグネシア微粉とは別に、骨材用微粉と
して用いるマグネシア微粉については、それの少なくと
も粒径が20μm以下のものについては、水和防止の表面
処理が必要である。この場合、こうした表面処理方法
は、黒鉛微粉の表面に固着した表面処理マグネシア微粉
の表面処理方法とは必ずしも一致する方法でなくてもよ
い。
【0029】なお、上記MgO−C系キャスタブルの構成
に当たっては、耐火原料(骨材)および上記微粉組成物
に加え、助剤として、分散剤(界面活性剤)、硬化剤、
硬化遅延剤等を用いることができる。また、炭素含有耐
火物中に含まれる金属珪素、アルミニウム、B4 C等の
酸化防止剤も使用できる。
【0030】
【実施例】
(1) 表1は、本発明によるMgO−C系キャスタブル用微
粉組成物の製造方法例を示す。本発明による表面処理黒
鉛(A〜F)、表面処理マグネシア微粉(a〜c)の粒
径はそれぞれ、100 μm、5μmである。 (2) 表2に、表面処理マグネシア微粉を固着した表面処
理黒鉛(A〜F)と骨材微粉成分として配合される表面
処理マグネシア(a〜c)の耐消化性試験結果を示す。
この試験方法は学振法に従い、 150℃、5気圧×3時間
のオートクレープ試験である。表2より、本発明による
マグネシアの水和防止処理を行った表面処理黒鉛A,
B,Cと表面処理マグネシア微粉a,b,cは、アルミ
ナやピッチをコーティングしたものD,Eに比べ、いず
れも重増率が小さく、耐消化性に優れているといえる。
【0031】(3) 表3は、本発明にかかるMgO−C系キ
ャスタブルと、比較例としてのキャスタブルについての
特性試験の結果を示すものである。本発明にかかるMgO
−C系キャスタブル(No.1〜4)は、いずれも通常のキ
ャスタブルの混水量よりも多くの混水量を必要としなが
らも、比較例1に示すMgO−Cれんがとほぼ同等の耐用
性を示す。とくに比較例2、3は、マグネシア微粉の水
和防止を行わなかった場合であり、混練直後に硬化して
しまった。比較例4、5は、従来技術の例で、黒鉛の表
面にMgOでないもの、即ち、Al2O3 微粉やピッチを被覆
した黒鉛原料(D,E)とした場合であるが、1500℃焼
成後の曲げ強度、気孔率、耐食性がいずれも本発明より
劣る結果となった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、耐
消化性に優れるキャスタブル用微粉組成物を容易に製造
することができる。しかも、作業性に優れるMgO−C系
キャスタブルを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明キャスタブル組成物の一実施例を示す説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 敬一郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 高木 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 熊谷 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 森 淳一郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 鳥谷 恭信 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100μm以下の黒鉛微粉とマグネシア微
    粉からなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物であっ
    て、該黒鉛微粉の表面に表面処理マグネシア微粉が固着
    されており、そしてこの表面処理マグネシア微粉は水和
    防止処理によって改質した粒径が20μm以下のものであ
    るMgO−C系キャスタブル用微粉組成物。
  2. 【請求項2】 100μm以下の黒鉛微粉とマグネシア微
    粉からなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物であっ
    て、黒鉛微粉の表面に粒径が20μm以下のマグネシア微
    粉が固着された黒鉛・マグネシア結合粒子の全表面が水
    和防止処理されたものであるMgO−C系キャスタブル用
    微粉組成物。
  3. 【請求項3】 改質用としてではなく骨材用微粉成分と
    して添加される微粉マグネシアは、そのうちの少なくと
    も20μm以下の粒子については、水和防止処理が施され
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載のMgO
    −C系キャスタブル用微粉組成物。
  4. 【請求項4】 黒鉛微粉表面へのマグネシア微粉の固着
    は、機械的な衝撃力、剪断力および磨砕力のいずれか1
    種以上の付加によって行うことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のMgO−C系キャスタブル用微粉組成物。
  5. 【請求項5】 黒鉛微粉表面上に固着する表面処理マグ
    ネシア微粉および骨材用微粉成分としての粒径20μm以
    下の微粉マグネシアの水和防止処理は、フェノール樹
    脂、ワックス、ラテックス、DOP、酸性燐酸エステ
    ル、燐酸塩溶液、シリカヒューム、アルミナゾル、シリ
    カゾル、シリコンオイル、乳酸アルミ、硫酸アルミ、シ
    ランカップリング剤のいずれか1種または2種以上をコ
    ーティングすることによって行うことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のMgO−C系キャスタブ
    ル用微粉組成物。
  6. 【請求項6】 上記水和防止処理に用いるコーティング
    剤の量は、被処理マグネシアの1〜10wt%とすること
    を特徴とする請求項5に記載のMgO−C系キャスタブル
    用微粉組成物。
  7. 【請求項7】 黒鉛微粉の表面にマグネシア微粉を固着
    してなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物を製造す
    るに当たり、 機械的な衝撃力を加えて球状化した黒鉛の表面に、予め
    フェノール樹脂、ワックス、ラテックス、DOP、酸性
    燐酸エステル、燐酸塩溶液、シリカヒューム、アルミナ
    ゾル、シリカゾル、シリコンオイル、乳酸アルミ、硫酸
    アルミ、シランカップリング剤のいずれか1種または2
    種以上をコーティングする水和防止処理を施した、20μ
    m 以下の大きさの表面処理マグネシア微粉を固着するこ
    とを特徴とするMgO−C系キャスタブル用微粉組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 黒鉛微粉の表面にマグネシア微粉を固着
    してなるMgO−C系キャスタブル用微粉組成物を製造す
    るに当たり、 鱗片状黒鉛もしくは球状化黒鉛の表面に、未処理マグネ
    シア微粉を固着して黒鉛・マグネシア結合粒子とし、こ
    の結合粒子表面に、フェノール樹脂、ワックス、ラテッ
    クス、DOP、酸性燐酸エステル、燐酸塩溶液、シリカ
    ヒューム、アルミナゾル、シリカゾル、シリコンオイ
    ル、乳酸アルミ、硫酸アルミ、シランカップリング剤の
    いずれか1種または2種以上をコーティングするか、機
    械的な衝撃力の付加の下に混合する水和防止処理を施す
    ことを特徴とするMgO−C系キャスタブル用微粉組成物
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 黒鉛微粉表面へのマグネシア微粉の固着
    は、機械的な衝撃力、剪断力および磨砕力のいずれか1
    種以上の付加によって行うことを特徴とする請求項7ま
    たは8に記載のMgO−C系キャスタブル用微粉組成物。
  10. 【請求項10】 微粉マグネシアならびに黒鉛微粉を主
    たる骨材成分とするキャスタブルにおいて、このキャス
    タブル中に請求項1〜5および9のいずれか1項に記載
    のMgO−C系キャスタブル用微粉組成物を含むことを特
    徴とするMgO−C系キャスタブル。
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