JP2005335966A - 黒鉛含有キャスタブル耐火物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
耐スポール性の向上とともに、黒鉛を含有していないキャスタブル耐火物と同等以上の耐食性を示す黒鉛含有キャスタブル耐火物を提案すること。
【解決手段】
黒鉛を含有するキャスタブル耐火物において、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%、金属粉末を該造粒骨材中の黒鉛の含有量の0.5〜1.5倍含有することを特徴とする黒鉛含有キャスタブル耐火物。
【選択図】 なし
耐スポール性の向上とともに、黒鉛を含有していないキャスタブル耐火物と同等以上の耐食性を示す黒鉛含有キャスタブル耐火物を提案すること。
【解決手段】
黒鉛を含有するキャスタブル耐火物において、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%、金属粉末を該造粒骨材中の黒鉛の含有量の0.5〜1.5倍含有することを特徴とする黒鉛含有キャスタブル耐火物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐スポーリング性と耐食性とがともに良好な黒鉛含有キャスタブル耐火物に関するものである。
近年、製鉄業では、高炉鋳床の主樋メタルライン部、取鍋スラグライン部などにおいて、黒鉛含有耐火物が多く使われている。その背景には、耐火物中に黒鉛を含有させると、耐火物の熱膨張率が低下すること、熱伝導率が大きい黒鉛の存在による耐スポーリング性の向上が期待できること、さらにはスラグと濡れにくくなるために耐食性が向上するという効果が期待できることが挙げられる。
耐火物中に黒鉛を添加するこうした傾向は、キャスタブル耐火物(不定形耐火物)においても同様にみられる。ただし、キャスタブル耐火物中に、上記目的のために黒鉛を添加した場合、黒鉛のもつ撥水性(疎水性ともいう)のために、施工に当たって水で混練するとき、十分な流動性が得られずに施工性の悪化を招く傾向がある。このため、良好な施工性を得るためには、添加する水の量を多くせざるを得なくなり、その結果、緻密な施工体が得られなくなるとともに、耐食性が低下するという問題があった。
そこで、従来、黒鉛の疎水性に起因する上述した問題を克服することを目的として、整粒した炭素含有耐火物廃材を界面活性剤とともに耐火原料中に混練してなる黒鉛含有キャスタブル耐火物が提案されている(特許文献1)。この技術は、黒鉛粒子の表面を親水性の耐火性粉末で被覆することにより、施工時に加える水と黒鉛の接触面積を減らし、少ない水で適度の流動性を有する黒鉛含有キャスタブル耐火物を提供しようとするものである。しかし、この技術では、少ない水の添加で黒鉛含有キャスタブル耐火物の施工性を改善することには成功しているものの、耐食性が却って劣るものになるという問題があった。
特開平10−287474号公報
本発明の目的は、耐スポーリング性の向上とともに、黒鉛を含有していないキャスタブル耐火物と同等以上の耐食性を有する黒鉛含有キャスタブル耐火物を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱えている上述した問題に鑑み、上記目的の実現に向けて鋭意研究を行った結果、骨材とくに黒鉛を含有する造粒骨材に対して、その黒鉛量に対応する所定量の金属粉末を併せて添加することが有効であるとの知見を得て、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、骨材および/または黒鉛含有造粒骨材、微粉、結合剤のような添加成分等を含有するキャスタブル耐火物において、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%、金属粉末を該造粒骨材中の黒鉛の含有量の0.5〜1.5倍含有することを特徴とする黒鉛含有キャスタブル耐火物を提案する。
即ち、本発明は、骨材および/または黒鉛含有造粒骨材、微粉、結合剤のような添加成分等を含有するキャスタブル耐火物において、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%、金属粉末を該造粒骨材中の黒鉛の含有量の0.5〜1.5倍含有することを特徴とする黒鉛含有キャスタブル耐火物を提案する。
上記構成に係る本発明において、前記造粒骨材は、造粒骨材100質量部の内に、10〜20質量部の黒鉛を含有すものであること、前記造粒骨材は粒径が1〜10 mmのものを用いること、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、炭素繊維のうちから選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛とアルミナ、マグネシア、スピネルおよび炭化珪素のうちから選ばれるいずれか1種類以上の耐火性粉末とをバインダーとともに加圧、造粒して得られたものを用いること、そして、この造粒骨材の一部または全部は、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛のうちから選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛を含むA12O3−MgO−Cれんが屑、A12O3−Cれんが屑、MgO−Cれんが屑およびA12O3−SiC−Cれんが屑のいずれか1種または2種以上の未使用品および/または使用済品を破砕して得たものを用いることが有効である。
本発明によれば、黒鉛を含有する造粒骨材を用いることに併せ、その造粒骨材中の所定量の黒鉛に対して、適正量の金属(SiやAl)を添加してなる黒鉛含有キャスタブル耐火物に添加することにより、耐スポーリング性や成形性に優れる他、黒鉛を含有させてもなお、黒鉛を含有していないキャスタブル耐火物と同等以上の耐食性を示す黒鉛含有キャスタブル耐火物を得ることができる。
本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物は、黒鉛含有造粒骨材中に予め、該造粒骨材中の黒鉛量に対して所定量のSiやAl等の金属を添加することにより、耐スポーリング性や成形性を犠牲にすることなく、耐食性を向上させるようにした点に特徴がある。
本発明における黒鉛含有キャスタブル耐火物の基本的な構成は、例えば、粗粒、中粒からなる一般的な骨材、これらの骨材とともに用いられるかそれに代えて用いられる黒鉛含有造粒骨材、微粉、金属粉末、その他の各種添加成分等からなされるものである。以下、これらの構成成分について説明する。
本発明における黒鉛含有キャスタブル耐火物の基本的な構成は、例えば、粗粒、中粒からなる一般的な骨材、これらの骨材とともに用いられるかそれに代えて用いられる黒鉛含有造粒骨材、微粉、金属粉末、その他の各種添加成分等からなされるものである。以下、これらの構成成分について説明する。
黒鉛含有キャスタブル耐火物は、一般に、粒径が0.074 mmを超える骨材成分と粒径0.074 mm以下の微粉を含むのが普通である。そして、前記骨材成分としては、粒径1mm以上の粗粒骨材と粒径1〜0.074 mmの中粒骨材に区分されるのが普通である。
粒径が0.074 mm以上である前記骨材の原料としては、アルミナ(Al2 O3 )、マグネシア(MgO)、スピネル、SiC、ピッチ、人造黒鉛、シャモット等が用いられる。
一方、粒径が0.074 mm未満の微粉としては、アルミナ、マグネシア、スピネル、SiC、シャモット等の耐火性微粉の他、B4 C等の炭化物微粉、シリカ微粉、カーボンブラックなどを用いることができる。これらの微粉の粒径は0.0001〜0.074 mm程度である。
上記骨材や微粉とともに用いられる金属の例としては、SiやAlの微粉の他、Al−Si合金の微粉等を用いることができ、その粒径の大きさは0.0001〜0.074 mm程度のものが好適に用いられる。
本発明にかかる黒鉛含有キャスタブル耐火物は、前記骨材と耐火性微粉などの他、さらに、黒鉛と耐火性粉末とをバインダーを用いて加圧し造粒して得られる黒鉛含有造粒骨材を含有するものである。例えば、前記骨材の全部または一部をこの造粒骨材で代替させることができる。
前記造粒骨材は、黒鉛、好ましくは薄肉黒鉛と耐火性粉末とをバインダーを加えて混練し、ブリケットマシーンを使用して加圧下で造粒することにより製造されるものが用いられる。ペレタイザーではなく、ブリケットマシーンを使用する理由は、造粒物を加圧成形することにより、緻密な成形体とすることにより気孔率を低減させるのに有効だからである。
前記造粒骨材の原料である耐火性粉末としては、アルミナ、マグネシア、スピネル、SiC、シャモット等の粉末を用いることができる。これらの粉末の粒径は0.0001〜1 mm、好ましくは0.0001〜0.45 mm程度のものを用いる。この造粒骨材を構成している黒鉛としては、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、炭素繊維のうちのいずれか1種以上の黒鉛を用いることが好ましい。とくに、前記薄肉黒鉛としては膨張黒鉛を加熱して膨張させて得た長さ7〜10 mmの繊維状黒鉛を粉砕し、厚さ約10μm 以下の超薄片にしたものが好適に用いられる。
前記造粒骨材に含まれるバインダーとしては、PVA水溶液、フェノール樹脂、アラビアゴム等の通常耐火物の造粒に使用されているものが好適である。好ましいのはPVA水溶液、フェノール樹脂である。このバインダーの量は、耐火性粉末と薄肉黒鉛との混合物に対して外掛けで2.5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%添加する。
前記造粒骨材の粒径は、好ましくは1〜10 mm程度、より好ましくは3〜8mm程度のものであり、前記粗粒骨材のすべての粒度域をカバーできる大きさを有する。それ故に、前記骨材に代替させることができるのである。
なお、該造粒骨材の粒径を、1〜10 mmの大きさを好適とした理由は、1mm未満だと、施工時に添加水量が多くなるからであり、一方、10 mm超だと、その大きな粒径のために流動性に劣るからである。すなわち、造粒骨材の粒径を1〜10 mmとすることで、施工を容易とすることができる。
この造粒骨材は必要に応じ、篩い分けして使用されるが、この場合でもこの造粒骨材中には、黒鉛がほどよく分散したものになる。
この造粒骨材は必要に応じ、篩い分けして使用されるが、この場合でもこの造粒骨材中には、黒鉛がほどよく分散したものになる。
本発明において、キャスタブル耐火物の占める前記造粒骨材の量は、15〜40質量%程度とする。その理由は、15質量%未満だと、耐スポーリング性の向上効果が小さいからであり、一方、40質量%超だと、施工性の悪化により緻密な施工体が得られず、耐食性が低下するからである。好ましくは20〜35質量%がよい。
また、この造粒骨材としては、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛および炭素繊維のうちのいずれか1種類以上の黒鉛を、造粒骨材100質量部の内に10〜20質量部程度含むものを用いる。なお、上記造粒骨材としては、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛および炭素繊維のうちのいずれか1種類以上の黒鉛を、造粒骨材100質量部の内に10〜20質量部程度含む組成となるようなA12O3−MgO−Cれんが屑、A12O3−Cれんが屑、A12O3−SiC−Cれんが屑およびMgO−Cれんが屑の未使用品および/または使用済品を、粒径1〜10 mm程度に破砕して得られたものであってもよい。これらのうち、A12O3−MgO−Cれんが屑を用いることがもっとも好ましい。
造粒骨材としては、上記耐火性粉末と上記黒鉛を加圧、造粒して得られた造粒骨材もしくは、上記れんが屑を粉砕して得られた造粒骨材のいずれか一方、または、それぞれ単独で用いても、これらの造粒骨材を複数種混合したものを用いてもよい。
本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物中に添加される構成成分のうち、金属粉末は、例えばSiやAlなどの金属およびこれらの合金(例えばAl−Si合金)を用いることが好ましい。この金属粉末の役割は、黒鉛を含有していないキャスタブル耐火物と同等の耐食性を付与するために添加する成分である。黒鉛含有キャスタブル耐火物に対し、金属粉末を添加すると、スラグ中のFeO成分が金属SiやAlによって還元され、黒鉛の酸化損耗を抑制する効果がある。
金属粉末の添加量は、造粒骨材中の黒鉛量の質量%の0.5〜1.5倍量とすることが好ましい。その理由は、0.5倍未満だと、金属粉末の添加による耐食性向上作用が小さく効果が顕れないからであり、一方、1.5倍超だと、金属粉末と雰囲気ガスとの反応による無機物質の生成、例えば、SiC、A14C3、SiO2、A12O3などの生成による緻密化、高弾性化により、耐スポーリング性が低下するからである。
なお、金属粉末の添加量を、造粒骨材中の黒鉛量との比率で規定した理由は、造粒骨材中の黒鉛量が増加するのに比例して耐食性が低下するため、黒鉛量に比例した耐食性向上効果が得られれば十分だからである。
前記金属粉末は、耐火性粉末と黒鉛とを加圧、造粒して造粒骨材とする前の段階でこの造粒骨材中に予め添加しても、または該加圧、造粒して造粒骨材を得た後にキャスタブル耐火物原料の1つとして添加しても、あるいは両時点で添加してもよい。その理由は、結果として本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物中に該金属粉末(金属Siまたは金属Al)が含有していれば、黒鉛含有していないキャスタブル耐火物と同等以上の耐食性を得ることができるからである。
本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物の構成成分のうちその他の添加成分としては、水硬材ないしバインダーとしてのアルミナセメント、シリカ微粉、塩基性乳酸アルミニウム、液状フェノール樹脂等を用いることが好ましい。
本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物は、通常の黒鉛含有キャスタブル耐火物と同様に、骨材、黒鉛含有造粒骨材、微粉、金属および添加成分をミキサーなどを用いて混合して製造される。造粒骨材中の耐火性粉末の選択により、Al2 O3 −SiC−C系、Al2 O3 −MgO−C系等の黒鉛含有キャスタブル耐火物が得られる。なお、金属粉末については、あらかじめ黒鉛含有造粒骨材中に添加されている場合には、上記ミキサーを用いて混合する時点であらためて添加するか否かは任意である。
本発明の黒鉛含有キャスタブル耐火物は、通常のキャスタブル耐火物と同様にして施工することができる。すなわち、まず、15〜40質量%の黒鉛含有造粒骨材に、あるいは、この造粒骨材にさらに耐火性材料からなる骨材を加えた30〜60質量%程度の骨材および造粒骨材に、耐火性粉末微粉および上述した割合の金属粉末や添加成分を加えたものをミキサーで混合し、水を添加した後にさらにミキサーで混練する。その後、その混練物を型枠内に流し込むことにより、緻密な施工体を得る。そして、施工体の硬化後、ガスバーナー等により乾燥する。なお、金属粉末については、あらかじめ造粒骨材中に添加する場合には、上記ミキサーを用いて混合する時点であらためて添加する必要はない。
この実施例では、下記2種類の造粒骨材を用いた。
(1)転炉、トピードから回収したMgO−Cれんが屑(実施例1、3)またはAl2O3−SiC−Cれんが屑(実施例2)を破砕、分級して製造した粒径が1〜10 mmの造粒骨材。
(2)黒鉛とアルミナ微粉を、バインダーとしてフェノール樹脂を用いて混練し、ブリケットマシンにて加圧、造粒したのち、180℃×1時間乾燥して製造した粒径が1〜10 mmの造粒骨材。
黒鉛としては、実施例4および7〜10で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットA、D)では鱗状黒鉛を、実施例5で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットB)では薄肉黒鉛を、実施例6で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットC)では炭素繊維と鱗状黒鉛とを、それぞれ使用した。得られた造粒骨材の化学組成を、表1にまとめて示す。
MgO−Cれんが屑およびAl2O3−SiC−Cれんが屑の組成は、れんが屑から5箇所以上の部分で100gサンプリングを行い分析を行った。特に、炭素については、JIS R2011(炭素及び炭化けい素含有耐火物の化学分析方法)により求めた遊離炭素量の平均値をそのれんが屑の含有炭素量とした。
(1)転炉、トピードから回収したMgO−Cれんが屑(実施例1、3)またはAl2O3−SiC−Cれんが屑(実施例2)を破砕、分級して製造した粒径が1〜10 mmの造粒骨材。
(2)黒鉛とアルミナ微粉を、バインダーとしてフェノール樹脂を用いて混練し、ブリケットマシンにて加圧、造粒したのち、180℃×1時間乾燥して製造した粒径が1〜10 mmの造粒骨材。
黒鉛としては、実施例4および7〜10で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットA、D)では鱗状黒鉛を、実施例5で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットB)では薄肉黒鉛を、実施例6で用いた造粒骨材(Al2O3−CブリケットC)では炭素繊維と鱗状黒鉛とを、それぞれ使用した。得られた造粒骨材の化学組成を、表1にまとめて示す。
MgO−Cれんが屑およびAl2O3−SiC−Cれんが屑の組成は、れんが屑から5箇所以上の部分で100gサンプリングを行い分析を行った。特に、炭素については、JIS R2011(炭素及び炭化けい素含有耐火物の化学分析方法)により求めた遊離炭素量の平均値をそのれんが屑の含有炭素量とした。
この表1に示したとおり、実施例4、10で用いたAl2O3−CブリケットAは、上記加圧、造粒工程の前段階で金属Siを添加して製造した造粒骨材であり、実施例7、8、9で用いたAl2O3−CブリケットDは、上記加圧、造粒工程の前段階で金属Alを添加して製造した造粒骨材である。
このようにして得られた造粒骨材を、アルミナを主成分とする微粉とともにミキサーを用いて混合して黒鉛含有キャスタブル耐火物を製造した。このとき、実施例1〜3、5、6、8、11〜14では、金属Siを添加し、実施例9では、金属Alを添加した。なお、黒鉛含有キャスタブル耐火物の各原料の配合割合を表2にまとめた。また、実施例13、14は、造粒骨材として粒径をそれぞれ変えたものを使用した。
比較例として、造粒骨材を添加していない黒鉛含有キャスタブル耐火物(比較例1)、金属粉末の添加量が過剰な黒鉛含有キャスタブル耐火物(比較例2)、金属粉末の添加量が不足する黒鉛含有キャスタブル耐火物(比較例3)、造粒骨材が多い黒鉛含有キャスタブル耐火物(比較例4)および造粒骨材が少ない黒鉛含有キャスタブル耐火物(比較例5)を製造した。なお、黒鉛含有キャスタブル耐火物の各原料の配合割合を表3にまとめた。
次に、上述のようにして得られた黒鉛含有キャスタブル耐火物を、水を用いて混練し、所定の形状したのち、1日後に脱型し、110℃×24時間乾燥して、耐火物成形体を得た。耐火物成形体は、40×40×160 mmのものと、53(78)×35×160 mmのものとを用意した。
40×40×160 mmの耐火物成形体については、乾燥後の曲げ強度、気孔率、および1400℃×3時間還元焼成後の耐スポーリング性を評価した。
耐スポーリング性については、1200℃、Ar=5(l/分)の電気炉内で30分保持し、水冷し、その前後の常温弾性率を測定して、(水冷後弾性率/水冷前弾性率)×100をスポーリング指数として表わした。スポーリング指数が100に近いほど、耐スポーリング性は良好である。この時の常温弾性率の測定は、JIS R1602(ファインセラミックスの弾性率試験方法)に準じて、超音波パルス法で行った。
40×40×160 mmの耐火物成形体については、乾燥後の曲げ強度、気孔率、および1400℃×3時間還元焼成後の耐スポーリング性を評価した。
耐スポーリング性については、1200℃、Ar=5(l/分)の電気炉内で30分保持し、水冷し、その前後の常温弾性率を測定して、(水冷後弾性率/水冷前弾性率)×100をスポーリング指数として表わした。スポーリング指数が100に近いほど、耐スポーリング性は良好である。この時の常温弾性率の測定は、JIS R1602(ファインセラミックスの弾性率試験方法)に準じて、超音波パルス法で行った。
また、曲げ強度の測定は、JIS R2553(キャスタブル耐火物の強さ試験方法)に準じてミハエリス二重てこ型曲げ強さ試験装置を用いて行った。気孔率の測定は、JIS R2205(耐火れんが屑の見掛け気孔率・吸水率・比重測定方法)の真空法に準じて行った。
さらに、全実施例、比較例について、高周波内張り法によるスラグ侵食試験を行った。具体的には、53(78)×35×160mmの台形柱の耐火物成形体を1000℃×3時間還元焼成し、得られた焼成体を8本組にして、その中で銑鉄6.8 kgを溶解し、1600℃×3時間、脱珪スラグ200g/時間の侵食実験を行った。スラグは、1時間毎に入れ替えた。この時、8本の中に必ず比較例1を入れた。そして、試験前後の寸法変化から、溶損指数を、比較例1の場合を100とした指数として求めた。溶損が大きいほど溶損指数は大きくなった。
以上の測定結果を、表4および5にまとめた。
なお、表4および5の炭素量(質量%)および金属量(質量%)については、造粒骨材の配合量(質量%)×造粒骨材中の炭素量(質量%)および造粒骨材の配合量(質量%)×造粒骨材中の金属量(質量%)+それ以外に配合した金属(Si、Al)量(質量%)のようにして求めた。
以上の測定結果を、表4および5にまとめた。
なお、表4および5の炭素量(質量%)および金属量(質量%)については、造粒骨材の配合量(質量%)×造粒骨材中の炭素量(質量%)および造粒骨材の配合量(質量%)×造粒骨材中の金属量(質量%)+それ以外に配合した金属(Si、Al)量(質量%)のようにして求めた。
表4および5に示す結果から明らかなとおり、実施例1〜14では、いずれも、比較例1と比較して、施工水量、気孔率の上昇は見られるものの、溶損指数は120以下となり、耐食性は造粒骨材を添加していない比較例1とほぼ同等であることがわかる。また、曲げ強度も比較例1とほぼ同等である。また、実施例1〜14では、スポーリング指数が40以上であり、造粒骨材を使用しない場合の比較例1の30と比べて大きく、耐スポーリング性が良好であることがわかった。
また、実施例4、7〜10については、あらかじめ造粒骨材中に金属粉末を添加した例であり、それ以外の実施例は黒鉛含有キャスタブル耐火物の製造時にはじめて金属粉末を添加した例である。いずれの場合も、耐食性に特に優位差は見られないことがわかった。
比較例2は、金属粉末の添加量が過剰な例である。比較例1の耐火物成形体と比較して、耐食性は同等であるが、同じ黒鉛量の実施例1の耐火物成形体と比較して、耐スポーリング性の向上効果は小さいことがわかった。
比較例3は、金属粉末の添加量が不足する例である。比較例1の耐火物成形体と比較して、溶損指数が2倍以上となっており、耐食性が大幅に劣ることがわかった。
なお、実施例1、13、14は比較例1に対して種々の粒径のMgO−Cれんが屑を使用した例である。MgO−Cれんが屑の粒径を比較的大きくした実施例13では、施工水量を少なくすることができ、乾燥体気孔率を比較例1と同等にすることができる。ただし、施工時にはやや流動性が悪く、また、れんが屑自体は耐食性に劣るために、施工後に得られる耐火物形成体の耐食性はれんが屑の粒径が1〜10 mmの実施例1のほうが良好となっている。
また、MgO−Cれんが屑の粒径が比較的小さい実施例14では、施工水量を多くする必要があり、施工後に得られる耐火物形成体の気孔率が比較的高い。このため、耐食性はやはり、れんが屑の粒径が1〜10 mmの実施例1の方が良好となった。したがって、造粒骨材の粒径は1〜10 mm程度とするのがより好適である。
また、MgO−Cれんが屑の粒径が比較的小さい実施例14では、施工水量を多くする必要があり、施工後に得られる耐火物形成体の気孔率が比較的高い。このため、耐食性はやはり、れんが屑の粒径が1〜10 mmの実施例1の方が良好となった。したがって、造粒骨材の粒径は1〜10 mm程度とするのがより好適である。
本発明は、優れた耐スポーリング性および耐食性を兼ね備えた黒鉛含有キャスタブル耐火物であり、過酷な環境で使用される製鉄用各種の製錬炉の耐火物補修材、溶融金属用容器の内張およびその補修材などとして利用可能である。
Claims (5)
- 黒鉛を含有するキャスタブル耐火物において、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%、金属粉末を該造粒骨材中の黒鉛の含有量の0.5〜1.5倍含有することを特徴とする黒鉛含有キャスタブル耐火物。
- 前記造粒骨材は、造粒骨材100質量部の内に、10〜20質量部の黒鉛を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛含有キャスタブル耐火物。
- 前記造粒骨材は、粒径が1〜10 mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の黒鉛含有キャスタブル耐火物。
- 前記造粒骨材は、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛および炭素繊維のうちから選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛と、アルミナ、マグネシア、スピネルおよび炭化珪素のうちから選ばれるいずれか1種類以上の耐火性粉末とを、バインダーとともに加圧、造粒して得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の黒鉛含有キャスタブル耐火物。
- 前記造粒骨材の一部または全部は、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛のうちから選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛を含むA12O3−MgO−Cれんが屑、A12O3−Cれんが屑、MgO−Cれんが屑およびA12O3−SiC−Cれんが屑のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上の未使用品および/または使用済品を破砕して得られたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の黒鉛含有キャスタブル耐火物。
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JP2015098415A (ja) * | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 株式会社神戸製鋼所 | 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物 |
CN113943148A (zh) * | 2021-11-24 | 2022-01-18 | 河南熔金高温材料股份有限公司 | 一种可以长时间保存的含石墨耐火泥及制备方法 |
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2004
- 2004-05-24 JP JP2004152957A patent/JP2005335966A/ja active Pending
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