JP2002201080A - 廃材耐火物の活用法並びにキャスタブル耐火物 - Google Patents
廃材耐火物の活用法並びにキャスタブル耐火物Info
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- JP2002201080A JP2002201080A JP2000397908A JP2000397908A JP2002201080A JP 2002201080 A JP2002201080 A JP 2002201080A JP 2000397908 A JP2000397908 A JP 2000397908A JP 2000397908 A JP2000397908 A JP 2000397908A JP 2002201080 A JP2002201080 A JP 2002201080A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 廃材耐火物の有効活用を促すと共に、それを
多量に添加して、低コスト、かつ従来のキャスタブル耐
火物の持つ耐熱性や耐食性並びに耐熱衝撃性を上回る各
特性を有するキャスタブル耐火物を提供する。 【解決手段】 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物の
粉砕体を骨材として、そして微粒子フェノール樹脂を結
合材として配合する。
多量に添加して、低コスト、かつ従来のキャスタブル耐
火物の持つ耐熱性や耐食性並びに耐熱衝撃性を上回る各
特性を有するキャスタブル耐火物を提供する。 【解決手段】 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物の
粉砕体を骨材として、そして微粒子フェノール樹脂を結
合材として配合する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃材耐火物を利
用したキャスタブル耐火物に関する。より詳述すれば、
本発明は、製鋼用鋳造容器のタンディッシュ、取鍋等の
内張りに適用されるキャスタブル耐火物に関し、さらに
ブロック製品にて提供されるタンディッシュ堰、マスブ
ロック、電炉蓋、および溶銑、溶鋼の精錬処理に使用さ
れるランスパイプ、シュノーケルを構成するキャスタブ
ル耐火物に関する。
用したキャスタブル耐火物に関する。より詳述すれば、
本発明は、製鋼用鋳造容器のタンディッシュ、取鍋等の
内張りに適用されるキャスタブル耐火物に関し、さらに
ブロック製品にて提供されるタンディッシュ堰、マスブ
ロック、電炉蓋、および溶銑、溶鋼の精錬処理に使用さ
れるランスパイプ、シュノーケルを構成するキャスタブ
ル耐火物に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、キャスタブル耐火物は、その
適用範囲を拡大しつつあるが、微粒アルミナやシリカ微
粉の添加や分散剤の添加並びにそれに伴うアルミナセメ
ントの減少、添加水分量の減少により、その性能の向上
が著しい。今日では、焼成処理した定形耐火物とほぼ同
等の高強度で緻密な組織が得られ耐熱性や耐食性が著し
く向上したことから、製鉄、製鋼の溶湯が直接アタック
する分野にても使用されるに至っている。
適用範囲を拡大しつつあるが、微粒アルミナやシリカ微
粉の添加や分散剤の添加並びにそれに伴うアルミナセメ
ントの減少、添加水分量の減少により、その性能の向上
が著しい。今日では、焼成処理した定形耐火物とほぼ同
等の高強度で緻密な組織が得られ耐熱性や耐食性が著し
く向上したことから、製鉄、製鋼の溶湯が直接アタック
する分野にても使用されるに至っている。
【０００３】また、近年開発されたカーボンを含有した
キャスタブル耐火物はその優れた耐食性からキャスタブ
ル耐火物の適用範囲をさらに拡大し、LFや取鍋のS/L 部
への採用や、溶鋼精錬処理用のTOP ランスのようにより
過酷な部位への採用進出を可能にするに至っている。
キャスタブル耐火物はその優れた耐食性からキャスタブ
ル耐火物の適用範囲をさらに拡大し、LFや取鍋のS/L 部
への採用や、溶鋼精錬処理用のTOP ランスのようにより
過酷な部位への採用進出を可能にするに至っている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、さらなる過酷
な部位への採用には、以下のような問題点を解決する必
要がある。
な部位への採用には、以下のような問題点を解決する必
要がある。
【０００５】第一の問題点としては、緻密な組織形成の
ための超微粒原料の添加や分散剤による低水分化はキャ
スタブル耐火物の優れた特徴である耐熱衝撃性を低下さ
せるという不具合を生ずるという点である。
ための超微粒原料の添加や分散剤による低水分化はキャ
スタブル耐火物の優れた特徴である耐熱衝撃性を低下さ
せるという不具合を生ずるという点である。
【０００６】第二の問題点としては、前述の超微粒原料
と結合材であるアルミナセメント中のCaO とが反応して
低融点物質を生成して耐熱性が低下し、さらに場合によ
っては耐食性を著しく低下させる点である。
と結合材であるアルミナセメント中のCaO とが反応して
低融点物質を生成して耐熱性が低下し、さらに場合によ
っては耐食性を著しく低下させる点である。
【０００７】さらに、第三の問題点として、カーボン含
有キャスタブル耐火物の場合、流動性が極端に低下する
ために現状技術において天然黒鉛の添加は困難で、その
ためにほとんどの場合、人工のピッチ粉末やカーボンブ
ラックの添加が行われていることである。そのために多
量の酸化防止材を同時に添加する必要があり、そのよう
な酸化防止材として超微粉のSiC 原料や金属Al、Si並び
にB4C 等の高価な原料を添加せざるをえない状況が発
生、材料コストを引き上げる原因となっていた。
有キャスタブル耐火物の場合、流動性が極端に低下する
ために現状技術において天然黒鉛の添加は困難で、その
ためにほとんどの場合、人工のピッチ粉末やカーボンブ
ラックの添加が行われていることである。そのために多
量の酸化防止材を同時に添加する必要があり、そのよう
な酸化防止材として超微粉のSiC 原料や金属Al、Si並び
にB4C 等の高価な原料を添加せざるをえない状況が発
生、材料コストを引き上げる原因となっていた。
【０００８】また、地球環境的な観点から各種廃材のリ
サイクル化は、現在多種分野で最も真剣に検討されてい
るテーマであり、現在まで廃棄する一方であった使用後
耐火物の活用も今後メーカーやユーザーサイドが責任を
持って取り組まないといけない問題点としてクローズア
ップされている。
サイクル化は、現在多種分野で最も真剣に検討されてい
るテーマであり、現在まで廃棄する一方であった使用後
耐火物の活用も今後メーカーやユーザーサイドが責任を
持って取り組まないといけない問題点としてクローズア
ップされている。
【０００９】このようなリサイクル化の問題に対して
は、特開平９−278541号 、特開平９−278542号、特開
平９−278549号の各公報では、炭素含有廃材耐火物を50
〜１mmの粒径に粉砕した成分を５〜30質量％添加すると
いう提案がなされている。
は、特開平９−278541号 、特開平９−278542号、特開
平９−278549号の各公報では、炭素含有廃材耐火物を50
〜１mmの粒径に粉砕した成分を５〜30質量％添加すると
いう提案がなされている。
【００１０】ところが、５〜30質量％添加量では、廃材
耐火物の十分な有効活用とは言い難く、少なくとも50質
量％以上の添加がなされてこそ初めて廃材耐火物の有効
活用や耐火物コストの削減に意義が生じるのである。
耐火物の十分な有効活用とは言い難く、少なくとも50質
量％以上の添加がなされてこそ初めて廃材耐火物の有効
活用や耐火物コストの削減に意義が生じるのである。
【００１１】しかし、添加量が増加するに従いカーボン
の酸化によるキャスタブルの強度低下や耐用性の著しい
低下を招く結果となり、酸化を抑制し十分な耐用性が得
られるような対策が必要であった。
の酸化によるキャスタブルの強度低下や耐用性の著しい
低下を招く結果となり、酸化を抑制し十分な耐用性が得
られるような対策が必要であった。
【００１２】ここに、本発明の課題は、廃材耐火物の有
効活用を促すと共に、同廃材耐火物を多量に添加するこ
とにより、低コストでなおかつ従来のキャスタブル耐火
物の持つ耐熱性や耐食性並びに耐熱衝撃性を上回る各特
性を有するキャスタブル耐火物を提供することである。
効活用を促すと共に、同廃材耐火物を多量に添加するこ
とにより、低コストでなおかつ従来のキャスタブル耐火
物の持つ耐熱性や耐食性並びに耐熱衝撃性を上回る各特
性を有するキャスタブル耐火物を提供することである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題の解決を図るべく、種々検討を重ね、廃材耐火物を再
利用するに際して、まずAl2O3 −Ｃ質の廃材耐火物を粉
砕して原料とし、そして微粒子フェノール樹脂を結合材
として用いることで、耐熱衝撃性の低下を効果的に防止
でき、かつ従来のアルミナセメントに由来する問題を解
消できることを知り、本発明を完成した。
題の解決を図るべく、種々検討を重ね、廃材耐火物を再
利用するに際して、まずAl2O3 −Ｃ質の廃材耐火物を粉
砕して原料とし、そして微粒子フェノール樹脂を結合材
として用いることで、耐熱衝撃性の低下を効果的に防止
でき、かつ従来のアルミナセメントに由来する問題を解
消できることを知り、本発明を完成した。
【００１４】ここに、本発明は、次の通りである。 (1) 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物の粉砕体を骨
材として、そして微粒子フェノール樹脂を結合材として
配合してなるキャスタブル耐火物。
材として、そして微粒子フェノール樹脂を結合材として
配合してなるキャスタブル耐火物。
【００１５】(2) 前記廃材耐火物が、粒径10〜5mm 、同
5 〜2mm 、同2 〜0.25mmにそれぞれ粉砕された３種の粒
度の廃材耐火物の１種または２種を混合したものである
(1)に記載のキャスタブル耐火物。
5 〜2mm 、同2 〜0.25mmにそれぞれ粉砕された３種の粒
度の廃材耐火物の１種または２種を混合したものである
(1)に記載のキャスタブル耐火物。
【００１６】(3) 前記廃材耐火物を30〜70質量％添加配
合してなる(1) または(2) 記載のキャスタブル耐火物。 (4) 前記微粒子フェノール樹脂が、重量平均分子量が50
00以上で自硬化性を有するものである(1) ないし(3) の
いずれかに記載のキャスタブル耐火物。
合してなる(1) または(2) 記載のキャスタブル耐火物。 (4) 前記微粒子フェノール樹脂が、重量平均分子量が50
00以上で自硬化性を有するものである(1) ないし(3) の
いずれかに記載のキャスタブル耐火物。
【００１７】(5) 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物
の粉砕体と、Al2O3 質、ムライト質、MgO 質、および粘
土質の少なくとも１種の材料と、SiC 粉末、マイクロシ
リカ、およびアルミナ超微粉の少なくとも１種の材料
と、微粒子フェノール樹脂とを配合してなるキャスタブ
ル耐火物。
の粉砕体と、Al2O3 質、ムライト質、MgO 質、および粘
土質の少なくとも１種の材料と、SiC 粉末、マイクロシ
リカ、およびアルミナ超微粉の少なくとも１種の材料
と、微粒子フェノール樹脂とを配合してなるキャスタブ
ル耐火物。
【００１８】(6) さらに、金属シリコン、金属アルミニ
ウムおよびSiC 超微粉の少なくとも１種を配合した請求
項(5) 記載のキャスタブル耐火物。
ウムおよびSiC 超微粉の少なくとも１種を配合した請求
項(5) 記載のキャスタブル耐火物。
【００１９】
【発明の実施の形態】このように本発明は廃材耐火物、
つまり廃材原料としてAl2O3 −Ｃ質の材料を用いること
で、また微粒子フェノール樹脂を結合材として用いるこ
とで、キャスタブル耐火物を構成するが、各配合成分を
上述のように規定した理由について、以下、具体的に詳
述する。まず、廃材耐火物とは、具体的にはAl2O3-C
質、つまりＣを含有するアルミナ質であれば特に制限さ
れないが、製鋼鋳造時に流量調整のために使用されるAl
2O3-C 質のスライドゲート耐火物が挙げられ、使用後の
フープ (金物枠) や断熱材を取り外し、場合によっては
付着している地金やスラグを除去したものが使用され
る。
つまり廃材原料としてAl2O3 −Ｃ質の材料を用いること
で、また微粒子フェノール樹脂を結合材として用いるこ
とで、キャスタブル耐火物を構成するが、各配合成分を
上述のように規定した理由について、以下、具体的に詳
述する。まず、廃材耐火物とは、具体的にはAl2O3-C
質、つまりＣを含有するアルミナ質であれば特に制限さ
れないが、製鋼鋳造時に流量調整のために使用されるAl
2O3-C 質のスライドゲート耐火物が挙げられ、使用後の
フープ (金物枠) や断熱材を取り外し、場合によっては
付着している地金やスラグを除去したものが使用され
る。
【００２０】廃材耐火物の添加により、キャスタブル耐
火物の耐熱衝撃性と耐食性を大きく向上させることが可
能となる。廃材耐火物中に含有されているカーボンは、
溶鋼やスラグに濡れ難い特性があり耐熱衝撃性にも優れ
るという特性を有している。
火物の耐熱衝撃性と耐食性を大きく向上させることが可
能となる。廃材耐火物中に含有されているカーボンは、
溶鋼やスラグに濡れ難い特性があり耐熱衝撃性にも優れ
るという特性を有している。
【００２１】通常、カーボン含有キャスタブル耐火物へ
のカーボン原料の添加は、微粉末状のピッチやカーボン
ブラックが添加されるが、本発明では、使用後のAl2O3-
C 質廃材耐火物に含有されているカーボンをより好適な
状態で再利用化するためと、不要粒度の廃棄を極力減少
させるための手法として粒径10〜0.25mmの粒状に粉砕し
たものが添加される。
のカーボン原料の添加は、微粉末状のピッチやカーボン
ブラックが添加されるが、本発明では、使用後のAl2O3-
C 質廃材耐火物に含有されているカーボンをより好適な
状態で再利用化するためと、不要粒度の廃棄を極力減少
させるための手法として粒径10〜0.25mmの粒状に粉砕し
たものが添加される。
【００２２】ピッチやカーボンブラック等の粉末状のカ
ーボンを添加すると、キャスタブル耐火物使用時の酸化
を防ぐために、超微粉のSiC や金属Al、金属Si並びにB4
C 等の高価な酸化防止材を多量添加する必要があり、酸
化防止材の添加量が少なかったり、また無添加であった
場合は酸化による強度低下が発生し極端な耐食性の低下
を来すという不具合が生ずる。
ーボンを添加すると、キャスタブル耐火物使用時の酸化
を防ぐために、超微粉のSiC や金属Al、金属Si並びにB4
C 等の高価な酸化防止材を多量添加する必要があり、酸
化防止材の添加量が少なかったり、また無添加であった
場合は酸化による強度低下が発生し極端な耐食性の低下
を来すという不具合が生ずる。
【００２３】その点、本発明では耐火物の骨材原料とし
て添加されるAl2O3-C 質廃材耐火物は前述したように粗
粒の状態で添加され、上述の酸化防止材は必要により添
加すればよく、添加する場合でも単独若しくは混合によ
り0.1 〜0.5 質量％程度と微量の添加にて十分な効力を
発揮できる。
て添加されるAl2O3-C 質廃材耐火物は前述したように粗
粒の状態で添加され、上述の酸化防止材は必要により添
加すればよく、添加する場合でも単独若しくは混合によ
り0.1 〜0.5 質量％程度と微量の添加にて十分な効力を
発揮できる。
【００２４】さらに、酸化防止剤を上述のように極く微
量使用することで、キャスタブル耐火物が使用されてい
る段階で、耐食性に影響を来さない程度の原料表層面の
酸化現象によりキャスタブル耐火物のマトリックスと原
料骨材との間に空隙を作り、この空隙が耐火物の弾性率
を低下させ、使用時のキャスタブルに発生する熱応力を
緩和し、亀裂の発生や伝播を減少させる作用を促し耐熱
衝撃性に非常に優れるキャスタブル耐火物を提供するこ
とが可能となる。
量使用することで、キャスタブル耐火物が使用されてい
る段階で、耐食性に影響を来さない程度の原料表層面の
酸化現象によりキャスタブル耐火物のマトリックスと原
料骨材との間に空隙を作り、この空隙が耐火物の弾性率
を低下させ、使用時のキャスタブルに発生する熱応力を
緩和し、亀裂の発生や伝播を減少させる作用を促し耐熱
衝撃性に非常に優れるキャスタブル耐火物を提供するこ
とが可能となる。
【００２５】耐熱衝撃性が強く要求される用途において
は、この手法がより良好な効果を生むことが、試験的に
実際の装置へ利用した時に確認されている。さらに、廃
材耐火物中のカーボンは地金やスラグの浸潤防止に著し
い作用をもたらし、外来成分の浸潤から発生する構造的
スポーリングの防止や耐食性の向上にと著しい効果をも
たらす結果が得られる。
は、この手法がより良好な効果を生むことが、試験的に
実際の装置へ利用した時に確認されている。さらに、廃
材耐火物中のカーボンは地金やスラグの浸潤防止に著し
い作用をもたらし、外来成分の浸潤から発生する構造的
スポーリングの防止や耐食性の向上にと著しい効果をも
たらす結果が得られる。
【００２６】したがって、廃材原料は、粒径10〜0.25mm
に粉砕された粒状物が使用される。上記の粒度に定めた
理由は粒径0.25mm未満の骨材原料では、やはり使用中の
酸化により耐食性の向上に良好な成果が得られないため
に、酸化防止材を多量に必要とする結果となり、低コス
トの製品を提供するという本発明が意図する結果に結び
つかないためである。
に粉砕された粒状物が使用される。上記の粒度に定めた
理由は粒径0.25mm未満の骨材原料では、やはり使用中の
酸化により耐食性の向上に良好な成果が得られないため
に、酸化防止材を多量に必要とする結果となり、低コス
トの製品を提供するという本発明が意図する結果に結び
つかないためである。
【００２７】また、粒径10mm超だとキャスタブル耐火物
の施工体中に、骨材を均一に分布させることが困難とな
り骨材原料の沈降や偏りにより良好な成果が得られ難い
ことと、ランス、シュノーケル等を成形する場合、成形
体の補強材として用いる金属製丸棒や金網等に骨材が堆
積して良好な充填性が得られないためである。
の施工体中に、骨材を均一に分布させることが困難とな
り骨材原料の沈降や偏りにより良好な成果が得られ難い
ことと、ランス、シュノーケル等を成形する場合、成形
体の補強材として用いる金属製丸棒や金網等に骨材が堆
積して良好な充填性が得られないためである。
【００２８】前記廃材耐火物が、粒径10〜5mm 、同5 〜
2mm 、同2 〜0.25mmにそれぞれ粉砕された３種の粒度の
廃材耐火物の１種または２種を混合したものであること
が好ましい。その理由は耐食性に優れる廃材原料を均一
に分布させるためとキャスタブルの流動性を損なわない
ためである。
2mm 、同2 〜0.25mmにそれぞれ粉砕された３種の粒度の
廃材耐火物の１種または２種を混合したものであること
が好ましい。その理由は耐食性に優れる廃材原料を均一
に分布させるためとキャスタブルの流動性を損なわない
ためである。
【００２９】廃材骨材原料は、上記粒径の何れかが単独
若しくは混合にて使用され、その添加量は30〜70質量％
の範囲内にて添加される。30質量％未満だと、前述した
廃材の有効利用という観点にそぐわず、また、耐食性や
耐熱衝撃性に期待する効果が得られないが、一方70質量
％超だと含有するカーボン分散性の点から流動性が著し
く低下し、キャスタブル耐火物の特性を損ねるからであ
る。好ましくは50％以上である。
若しくは混合にて使用され、その添加量は30〜70質量％
の範囲内にて添加される。30質量％未満だと、前述した
廃材の有効利用という観点にそぐわず、また、耐食性や
耐熱衝撃性に期待する効果が得られないが、一方70質量
％超だと含有するカーボン分散性の点から流動性が著し
く低下し、キャスタブル耐火物の特性を損ねるからであ
る。好ましくは50％以上である。
【００３０】廃材骨材原料を用いたキャスタブル耐火物
へは、アルミナ骨材微粉や、高アルミナ質シャモット骨
材微粉、マグネシア微粉、およびSiC 微粉の少なくとも
１種、ならびにSiC 粉末、マイクロシリカ、およびアル
ミナ超微粉の少なくとも１種が配合される。さらに必要
によりカーボンの酸化を抑制するための添加剤である金
属シリコンやアルミニウムおよびSiC 超微粉の少なくと
も１種を配合してもよい。
へは、アルミナ骨材微粉や、高アルミナ質シャモット骨
材微粉、マグネシア微粉、およびSiC 微粉の少なくとも
１種、ならびにSiC 粉末、マイクロシリカ、およびアル
ミナ超微粉の少なくとも１種が配合される。さらに必要
によりカーボンの酸化を抑制するための添加剤である金
属シリコンやアルミニウムおよびSiC 超微粉の少なくと
も１種を配合してもよい。
【００３１】同時に流動性を付与する目的で、マイクロ
シリカ、10μm 以下の超微粉アルミナ原料とこれらの原
料の分散を促進させるための縮合リン酸ソーダやポリカ
ルボン酸塩等が微量添加される。
シリカ、10μm 以下の超微粉アルミナ原料とこれらの原
料の分散を促進させるための縮合リン酸ソーダやポリカ
ルボン酸塩等が微量添加される。
【００３２】本発明のキャスタブル耐火物では、アルミ
ナセメントを結合材として使用せずに自硬性を有する微
粒子フェノール樹脂が使用される。自硬性を有する微粒
子フェノール樹脂を結合材に用いる最大の理由は、耐熱
性並びに耐食性の向上にある。
ナセメントを結合材として使用せずに自硬性を有する微
粒子フェノール樹脂が使用される。自硬性を有する微粒
子フェノール樹脂を結合材に用いる最大の理由は、耐熱
性並びに耐食性の向上にある。
【００３３】一般にキャスタブル耐火物の結合材として
使用されるアルミナセメントの場合、アルミナセメント
中のCaO と微粉部のアルミナやシリカと反応して低融点
物質を生成、耐食性に大きな影響を与えることになる。
自硬性フェノール樹脂の添加はこの問題を解決すること
ができる。
使用されるアルミナセメントの場合、アルミナセメント
中のCaO と微粉部のアルミナやシリカと反応して低融点
物質を生成、耐食性に大きな影響を与えることになる。
自硬性フェノール樹脂の添加はこの問題を解決すること
ができる。
【００３４】本発明において用いるフェノール樹脂とし
ては、例えば平均粒径は20μm の微粒子状で炭化収率70
〜72％の特性のものが使用される。ここに、自硬性フェ
ノール樹脂は、重量平均分子量5000以上の高分子で硬化
性を有するという特徴を持ち、市販品、例えば鐘紡
(株) のベルパールＳタイプが使用される。
ては、例えば平均粒径は20μm の微粒子状で炭化収率70
〜72％の特性のものが使用される。ここに、自硬性フェ
ノール樹脂は、重量平均分子量5000以上の高分子で硬化
性を有するという特徴を持ち、市販品、例えば鐘紡
(株) のベルパールＳタイプが使用される。
【００３５】このフェノール樹脂の添加は、キャスタブ
ル耐火物の使用中に溶鋼やスラグに濡れにくいカーボン
源となるために、非常に良好な耐食性をキャスタブル耐
火物に付与する結果となる。
ル耐火物の使用中に溶鋼やスラグに濡れにくいカーボン
源となるために、非常に良好な耐食性をキャスタブル耐
火物に付与する結果となる。
【００３６】フェノール樹脂は、２〜10質量％の範囲で
添加される。２質量％未満だと十分な施工体強度が得ら
れないためと耐食性の点でも効果が得られないためであ
り、10質量％超だと混練スラリーの粘性が上昇し水の添
加量が増し、強度特性に大きな影響を与えることと、キ
ャスタブル耐火物のコストアップを招くためである。好
ましくは４重量％以上、８質量％以下である。
添加される。２質量％未満だと十分な施工体強度が得ら
れないためと耐食性の点でも効果が得られないためであ
り、10質量％超だと混練スラリーの粘性が上昇し水の添
加量が増し、強度特性に大きな影響を与えることと、キ
ャスタブル耐火物のコストアップを招くためである。好
ましくは４重量％以上、８質量％以下である。
【００３７】廃材骨材原料は、例えば、使用後のスライ
ドゲート耐火物のフープ (金物枠)や断熱材を取り外し
た後、付着している地金やスラグを除去してから所定粒
度に粉砕される。フープや断熱材の取り外しや地金、ス
ラグの除去並びに粉砕等に要する費用が必要となるもの
の、原料単価は同等の成分を有する原料と比較した場
合、約1/2 〜1/3 程度で同等以上の耐用性が得られるこ
とが確認されていることから非常に有効な活用方法の一
例と言える。
ドゲート耐火物のフープ (金物枠)や断熱材を取り外し
た後、付着している地金やスラグを除去してから所定粒
度に粉砕される。フープや断熱材の取り外しや地金、ス
ラグの除去並びに粉砕等に要する費用が必要となるもの
の、原料単価は同等の成分を有する原料と比較した場
合、約1/2 〜1/3 程度で同等以上の耐用性が得られるこ
とが確認されていることから非常に有効な活用方法の一
例と言える。
【００３８】次に実施例に関連させて本発明の作用効果
を具体的に示す。
を具体的に示す。
【００３９】
【実施例】表１に、廃材原料を添加した本発明にかかる
キャスタブル耐火物の実施例と比較例について示す。
キャスタブル耐火物の実施例と比較例について示す。
【００４０】(実施例１〜５)アルミナ、ムライト、シャ
モット、マグネシア、炭化珪素原料の１種以上にて構成
された耐火性骨材にアルミナ微粉、シリカ微粉並びに酸
化抑制剤として金属シリコン、金属アルミニウム、超微
粉SiC 原料と、結合材として自硬性微粒子フェノール樹
脂を添加した混合粉体と粒径10〜0.25mmの廃材原料骨材
である廃材耐火物を組合せ所定水量にて混練し供試体を
得た。
モット、マグネシア、炭化珪素原料の１種以上にて構成
された耐火性骨材にアルミナ微粉、シリカ微粉並びに酸
化抑制剤として金属シリコン、金属アルミニウム、超微
粉SiC 原料と、結合材として自硬性微粒子フェノール樹
脂を添加した混合粉体と粒径10〜0.25mmの廃材原料骨材
である廃材耐火物を組合せ所定水量にて混練し供試体を
得た。
【００４１】900 ℃、1300℃加熱処理後の気孔率、曲げ
強さを測定した結果、従来と変わらぬ特性が得られると
共に、1400℃加熱冷却によるスポーリング試験では15回
以上繰り返し行っても試験片が剥離脱落することが無い
ことが確認された。
強さを測定した結果、従来と変わらぬ特性が得られると
共に、1400℃加熱冷却によるスポーリング試験では15回
以上繰り返し行っても試験片が剥離脱落することが無い
ことが確認された。
【００４２】添加の効果を確認するために、実施例４に
示した組成の耐火物にて製鋼用精錬ランス耐火材として
試験に供した。従来品が亀裂の発生とS/L 部溶損により
７〜10回程度で廃却されていたのに対し、本発明品の結
果は20回、18回と２倍以上の耐用性が得られ、本発明の
効果を十分確認する事が出来た。
示した組成の耐火物にて製鋼用精錬ランス耐火材として
試験に供した。従来品が亀裂の発生とS/L 部溶損により
７〜10回程度で廃却されていたのに対し、本発明品の結
果は20回、18回と２倍以上の耐用性が得られ、本発明の
効果を十分確認する事が出来た。
【００４３】(比較例１〜５)比較例１〜５に示した組成
のキャスタブルを実施例と同様の条件にて作成し供試体
を得た。ピッチやカーボンブラックと自硬性フェノール
樹脂を１％と15％添加し廃材原料骨材を添加していない
比較例１、２は流動性に欠け強度特性やスポール特性並
びに耐食性においても実施例より劣る結果となった。
のキャスタブルを実施例と同様の条件にて作成し供試体
を得た。ピッチやカーボンブラックと自硬性フェノール
樹脂を１％と15％添加し廃材原料骨材を添加していない
比較例１、２は流動性に欠け強度特性やスポール特性並
びに耐食性においても実施例より劣る結果となった。
【００４４】自硬性フェノール樹脂を添加せず粒径が異
なる廃材原料を添加した例を比較例３〜５として示す。
比較例３の場合、流動特性に欠如し同時に耐スポール性
と耐食性にも劣る結果となった。
なる廃材原料を添加した例を比較例３〜５として示す。
比較例３の場合、流動特性に欠如し同時に耐スポール性
と耐食性にも劣る結果となった。
【００４５】比較例４の場合、15回の耐スポール性が得
られたものの耐食性に著しく劣る結果となった。比較例
５も、耐スポール性には優れるものの耐食性は実施例と
比較すると低位であった。
られたものの耐食性に著しく劣る結果となった。比較例
５も、耐スポール性には優れるものの耐食性は実施例と
比較すると低位であった。
【００４６】
【表１】
【００４７】
【表２】
【００４８】
【表３】
【００４９】
【発明の効果】以上の説明からも理解されるように、本
発明によれば、キャスタブル耐火物の優れた特性である
強度特性や耐熱衝撃性を損なうことなく、耐食性を著し
く向上させることが可能となり、低コストでありながら
ランスパイプやシュノーケルの耐用性が著しく向上し、
原単位の向上に著しい効果を与える。
発明によれば、キャスタブル耐火物の優れた特性である
強度特性や耐熱衝撃性を損なうことなく、耐食性を著し
く向上させることが可能となり、低コストでありながら
ランスパイプやシュノーケルの耐用性が著しく向上し、
原単位の向上に著しい効果を与える。
【００５０】さらに、本発明によれば、何百ton/月と発
生する廃棄物が有効に活用され、地球環境が叫ばれてい
る昨今、廃材再生使用比率が極めて大きく、本発明は環
境汚染防止や資源の再生活用に十分な効果をもたらす対
策を提供できる。
生する廃棄物が有効に活用され、地球環境が叫ばれてい
る昨今、廃材再生使用比率が極めて大きく、本発明は環
境汚染防止や資源の再生活用に十分な効果をもたらす対
策を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 和昭 愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地 東芝セ ラミックス株式会社内 Ｆターム(参考） 4G033 AA02 AA03 AA10 AA14 AA17 AA24 AB10 AB24 BA01
Claims (6)
- 【請求項１】 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物の
粉砕体を骨材として、そして微粒子フェノール樹脂を結
合材として配合してなるキャスタブル耐火物。 - 【請求項２】 前記廃材耐火物が、粒径10〜5mm 、同5
〜2mm 、同2 〜0.25mmにそれぞれ粉砕された３種の粒度
の廃材耐火物の１種または２種を混合したものである請
求項１記載のキャスタブル耐火物。 - 【請求項３】 前記廃材耐火物を30〜70質量％添加配合
してなる請求項１または２記載のキャスタブル耐火物。 - 【請求項４】 前記微粒子フェノール樹脂が、重量平均
分子量が5000以上で自硬化性を有するものである請求項
１ないし３のいずれかに記載のキャスタブル耐火物。 - 【請求項５】 廃材耐火物であるAl2O3 −Ｃ質耐火物の
粉砕体と、Al2O3 質、ムライト質、MgO 質、および炭化
珪素質の少なくとも１種の材料と、SiC 粉末、マイクロ
シリカ、およびアルミナ超微粉の少なくとも１種の材料
と、微粒子フェノール樹脂とを配合してなるキャスタブ
ル耐火物。 - 【請求項６】 さらに、金属シリコン、金属アルミニウ
ムおよびSiC 超微粉の少なくとも１種を配合した請求項
５記載のキャスタブル耐火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000397908A JP2002201080A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 廃材耐火物の活用法並びにキャスタブル耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000397908A JP2002201080A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 廃材耐火物の活用法並びにキャスタブル耐火物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002201080A true JP2002201080A (ja) | 2002-07-16 |
Family
ID=18862972
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000397908A Pending JP2002201080A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 廃材耐火物の活用法並びにキャスタブル耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002201080A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007261874A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Steel Corp | 使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物 |
| JP2010100458A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Jfe Steel Corp | 竪型炉用不定形耐火物 |
| KR20120074049A (ko) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 폐내화물을 재활용하는 전로 출강구용 플러그 내화조성물 |
| CN113526967A (zh) * | 2021-07-09 | 2021-10-22 | 中冶武汉冶金建筑研究院有限公司 | 一种废旧耐材为主材的新型铁沟浇注料 |
| CN115353396A (zh) * | 2022-09-05 | 2022-11-18 | 宜兴市康辉耐火材料有限公司 | 一种jnh-1300高导热高辐射碳化硅浇注料及其制备方法 |
| CN116178005A (zh) * | 2022-11-28 | 2023-05-30 | 钢城集团凉山瑞海实业有限公司 | 一种半钢罐渣线用耐火泥、使用方法及其制备方法 |
-
2000
- 2000-12-27 JP JP2000397908A patent/JP2002201080A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007261874A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Steel Corp | 使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物 |
| JP4555793B2 (ja) * | 2006-03-28 | 2010-10-06 | 新日本製鐵株式会社 | 使用済み耐火物のリサイクル方法 |
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| KR20120074049A (ko) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 폐내화물을 재활용하는 전로 출강구용 플러그 내화조성물 |
| KR101705232B1 (ko) | 2010-12-27 | 2017-02-09 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 폐내화물을 재활용하는 전로 출강구용 플러그 내화조성물 |
| CN113526967A (zh) * | 2021-07-09 | 2021-10-22 | 中冶武汉冶金建筑研究院有限公司 | 一种废旧耐材为主材的新型铁沟浇注料 |
| CN113526967B (zh) * | 2021-07-09 | 2023-08-15 | 中冶武汉冶金建筑研究院有限公司 | 一种废旧耐材为主材的铁沟浇注料 |
| CN115353396A (zh) * | 2022-09-05 | 2022-11-18 | 宜兴市康辉耐火材料有限公司 | 一种jnh-1300高导热高辐射碳化硅浇注料及其制备方法 |
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| A711 | Notification of change in applicant |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 Effective date: 20071030 |