JPH0748167A - マグネシア質耐火物原料及び耐火物 - Google Patents
マグネシア質耐火物原料及び耐火物Info
- Publication number
- JPH0748167A JPH0748167A JP5212354A JP21235493A JPH0748167A JP H0748167 A JPH0748167 A JP H0748167A JP 5212354 A JP5212354 A JP 5212354A JP 21235493 A JP21235493 A JP 21235493A JP H0748167 A JPH0748167 A JP H0748167A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractory
- raw material
- magnesia
- mgo
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 あらゆる塩基性スラグに対する耐食性、耐ス
ラグ浸潤性をMgO本来のそれらより優れたものとし得
るマグネシア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物を提
供する。 【構成】 MgO90〜94重量%、Al2 O3 :Si
O2 =20:80〜30:70の(Al2 O3 +SiO
2 )5〜9重量%、及びZrO2 1〜5重量%が焼結処
理されていることにより、ペリクレース粒界を、スピネ
ル相、フォルステライト相、及びジルコニア相が埋めた
組織とする。
ラグ浸潤性をMgO本来のそれらより優れたものとし得
るマグネシア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物を提
供する。 【構成】 MgO90〜94重量%、Al2 O3 :Si
O2 =20:80〜30:70の(Al2 O3 +SiO
2 )5〜9重量%、及びZrO2 1〜5重量%が焼結処
理されていることにより、ペリクレース粒界を、スピネ
ル相、フォルステライト相、及びジルコニア相が埋めた
組織とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼や塩基性スラグ等
にさらされる取鍋や転炉等の内張り耐火物等の原料とし
て用いられる製鋼用マグネシア質耐火物原料及びこれを
用いた耐火物に関する。
にさらされる取鍋や転炉等の内張り耐火物等の原料とし
て用いられる製鋼用マグネシア質耐火物原料及びこれを
用いた耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マグネシア(MgO)質耐火物
原料及び耐火物は、融点が高く、高塩基度スラグに対す
る耐食性に優れたマグネシア、特に電融マグネシアを主
原料とするものであるが、低塩基度スラグに対する耐食
性、耐スラグ浸潤性に劣る不具合がある。従来、かかる
不具合に対処するため、マグネシアとジルコン(ZrS
iO4 )を溶融、冷却し、粉砕したマグネシア、ジルコ
ニア(ZrO2 )、及び少量のフォルステライト(2M
g・SiO2 )からなるマグネシア含有耐火物原料及び
これを用いた耐火物が知られている(特開平3−232
761号公報)。
原料及び耐火物は、融点が高く、高塩基度スラグに対す
る耐食性に優れたマグネシア、特に電融マグネシアを主
原料とするものであるが、低塩基度スラグに対する耐食
性、耐スラグ浸潤性に劣る不具合がある。従来、かかる
不具合に対処するため、マグネシアとジルコン(ZrS
iO4 )を溶融、冷却し、粉砕したマグネシア、ジルコ
ニア(ZrO2 )、及び少量のフォルステライト(2M
g・SiO2 )からなるマグネシア含有耐火物原料及び
これを用いた耐火物が知られている(特開平3−232
761号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
マグネシア含有耐火物原料及びこれを用いた耐火物で
は、高塩基度スクグに対する耐食性、耐スラグ浸潤性が
MgO本来のそれらよりも低下する不具合がある。そこ
で、本発明は、あらゆる塩基性スラグに対する耐食性、
耐スラグ浸潤性をMgO本来のそれらより優れたものと
し得るマグネシア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物
を提供することを目的とする。
マグネシア含有耐火物原料及びこれを用いた耐火物で
は、高塩基度スクグに対する耐食性、耐スラグ浸潤性が
MgO本来のそれらよりも低下する不具合がある。そこ
で、本発明は、あらゆる塩基性スラグに対する耐食性、
耐スラグ浸潤性をMgO本来のそれらより優れたものと
し得るマグネシア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のマグネシア質耐火物原料は、MgO90〜
94重量%、Al2 O3 :SiO2 =20:80〜3
0:70の(Al2 O3 +SiO2 )5〜9重量%、及
びZrO2 1〜5重量%が焼結処理されていることを特
徴とする。又、耐火物は、上記マグネシア質耐火物原料
が用いられていることを特徴とする。
め、本発明のマグネシア質耐火物原料は、MgO90〜
94重量%、Al2 O3 :SiO2 =20:80〜3
0:70の(Al2 O3 +SiO2 )5〜9重量%、及
びZrO2 1〜5重量%が焼結処理されていることを特
徴とする。又、耐火物は、上記マグネシア質耐火物原料
が用いられていることを特徴とする。
【0005】
【作用】上記手段においては、ペリクレース(結晶酸化
マグネシウム)粒界を、スピネル(MgO・Al
2 O3 )相、フォルステライト(2MgO・SiO2 )
相、及びジルコニア相が埋めた組織となる。
マグネシウム)粒界を、スピネル(MgO・Al
2 O3 )相、フォルステライト(2MgO・SiO2 )
相、及びジルコニア相が埋めた組織となる。
【0006】MgOが90重量%未満であると、MgO
本来の高融点、高耐食性が損なわれる一方、MgOが9
4重量%を超えると、スラグ浸潤抑制効果が損なわれ
る。Al2 O3 :SiO2 ≠20:80〜30:70で
あると、ペリクレース粒界にスピネル相とフォルステラ
イト相の存在を確保できない。(Al2 O3 +Si
O2 )が5重量%未満であると、スピネル相とフォルス
テライト相が少なくなり、スラグ浸潤抑制効果が不十分
となる一方、(Al2 O3+SiO2 )が9重量%を超
えると、耐食性に悪影響を及ぼす。又、ジルコニアが1
重量%未満であると、ジルコニア相が少なくなり、スラ
グ浸潤抑制効果が損なわれる一方、ジルコニアが5重量
%を超えると、高塩基度スラグに対する耐食性の低下を
引き起こす。一方、耐火物は、本発明によるマグネシア
質耐火物原料を単味で用いる場合及びこれに他の耐火物
原料を添加して用いる場合を含み、不定形、不焼成又は
焼成耐火物のいずれかをいう。
本来の高融点、高耐食性が損なわれる一方、MgOが9
4重量%を超えると、スラグ浸潤抑制効果が損なわれ
る。Al2 O3 :SiO2 ≠20:80〜30:70で
あると、ペリクレース粒界にスピネル相とフォルステラ
イト相の存在を確保できない。(Al2 O3 +Si
O2 )が5重量%未満であると、スピネル相とフォルス
テライト相が少なくなり、スラグ浸潤抑制効果が不十分
となる一方、(Al2 O3+SiO2 )が9重量%を超
えると、耐食性に悪影響を及ぼす。又、ジルコニアが1
重量%未満であると、ジルコニア相が少なくなり、スラ
グ浸潤抑制効果が損なわれる一方、ジルコニアが5重量
%を超えると、高塩基度スラグに対する耐食性の低下を
引き起こす。一方、耐火物は、本発明によるマグネシア
質耐火物原料を単味で用いる場合及びこれに他の耐火物
原料を添加して用いる場合を含み、不定形、不焼成又は
焼成耐火物のいずれかをいう。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 実施例1〜3 MgO、Al2 O3 、SiO2 及びZrO2 あるいはこ
れらの化合物原料を、それぞれ表1に示す化学組成とな
るように所要量秤量後、混合し、1850℃の温度で焼
成して焼結させてから所定粒度に粉砕して各マグネシア
質耐火物原料を得た。得られた各マグネシア質耐火物原
料単味を用い、常法によりJIS並形状に成形し、焼成
して各耐火物(れんが)を得た。各耐火物の見掛気孔
率、かさ比重、及び圧縮強度を測定したところ、表1に
示すようになり、又、誘導炉dip法による侵食試験
(C/S=1,C/S=3.5のスラグを使用した溶損
量及び浸潤量の測定)を行ったところ、表1に示すよう
になり、更に、各耐火物の各組成鉱物の粉末X線回折の
結果は、表1に示すようになった。
る。 実施例1〜3 MgO、Al2 O3 、SiO2 及びZrO2 あるいはこ
れらの化合物原料を、それぞれ表1に示す化学組成とな
るように所要量秤量後、混合し、1850℃の温度で焼
成して焼結させてから所定粒度に粉砕して各マグネシア
質耐火物原料を得た。得られた各マグネシア質耐火物原
料単味を用い、常法によりJIS並形状に成形し、焼成
して各耐火物(れんが)を得た。各耐火物の見掛気孔
率、かさ比重、及び圧縮強度を測定したところ、表1に
示すようになり、又、誘導炉dip法による侵食試験
(C/S=1,C/S=3.5のスラグを使用した溶損
量及び浸潤量の測定)を行ったところ、表1に示すよう
になり、更に、各耐火物の各組成鉱物の粉末X線回折の
結果は、表1に示すようになった。
【0008】
【表1】
【0009】表1においてVS,M及びWは、粉末X線
回折のピーク強度を表わし、Vs(Very stro
ng)は強、M(Medium)は中、及びW(Wea
k)は弱を示す。
回折のピーク強度を表わし、Vs(Very stro
ng)は強、M(Medium)は中、及びW(Wea
k)は弱を示す。
【0010】比較例1〜6 比較のため、MgO単味、MgO及びZrO2 、Mg
O,Al2 O3 及びSiO2 、並びにMgO,Al2 O
3 ,SiO2 及びZrO2 あるいはそれらの化合物原料
を、それぞれ表1に示す化学組成となるように所要量秤
量後、実施例1〜3と同様に混合し、1850℃の温度
で焼成して焼結させてから所定粒度に粉砕してマグネシ
ア質耐火物原料を得、しかる後に常法によりJIS並形
状に成形し、焼成して各耐火物を得た。各耐火物の見掛
気孔率、かさ比重、及び圧縮強度を測定したところ表1
に示すようになり、又、誘導炉dip法による侵食試験
を行ったところ、表1に示すようになり、更に、各耐火
物の各組成鉱物の粉末X線回折の結果は、表1に示すよ
うになった。
O,Al2 O3 及びSiO2 、並びにMgO,Al2 O
3 ,SiO2 及びZrO2 あるいはそれらの化合物原料
を、それぞれ表1に示す化学組成となるように所要量秤
量後、実施例1〜3と同様に混合し、1850℃の温度
で焼成して焼結させてから所定粒度に粉砕してマグネシ
ア質耐火物原料を得、しかる後に常法によりJIS並形
状に成形し、焼成して各耐火物を得た。各耐火物の見掛
気孔率、かさ比重、及び圧縮強度を測定したところ表1
に示すようになり、又、誘導炉dip法による侵食試験
を行ったところ、表1に示すようになり、更に、各耐火
物の各組成鉱物の粉末X線回折の結果は、表1に示すよ
うになった。
【0011】したがって、MgO90〜94重量%、A
l2 O3 :SiO2 =20:80〜30:70の(Al
2 O3 +SiO2 )5〜9重量%、及びZrO2 1〜5
重量%が焼結処理されていることにより、高塩基度スラ
グ及び低塩基度スラグの双方に対する耐食性、耐スラグ
浸潤性がMgO本来のそれらよりも優れていることがわ
かる。
l2 O3 :SiO2 =20:80〜30:70の(Al
2 O3 +SiO2 )5〜9重量%、及びZrO2 1〜5
重量%が焼結処理されていることにより、高塩基度スラ
グ及び低塩基度スラグの双方に対する耐食性、耐スラグ
浸潤性がMgO本来のそれらよりも優れていることがわ
かる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマグネシ
ア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物によれば、ペリ
クレース粒界を、スピネル相、フォルステライト相、及
びジルコニア相が埋めた組織となるので、あらゆる塩基
度スラグに対する耐食性、耐スラグ浸潤性をMgO本来
のそれらより優れたものとすることができる。
ア質耐火物原料及びこれを用いた耐火物によれば、ペリ
クレース粒界を、スピネル相、フォルステライト相、及
びジルコニア相が埋めた組織となるので、あらゆる塩基
度スラグに対する耐食性、耐スラグ浸潤性をMgO本来
のそれらより優れたものとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦川 哲朗 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内
Claims (2)
- 【請求項1】 MgO90〜94重量%、Al2 O3 :
SiO2 =20:80〜30:70の(Al2 O3 +S
iO2 )5〜9重量%、及びZrO2 1〜5重量%が焼
結処理されていることを特徴とするマグネシア質耐火物
原料。 - 【請求項2】 請求項1記載のマグネシア質耐火物原料
が用いられていることを特徴とする耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5212354A JPH0748167A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | マグネシア質耐火物原料及び耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5212354A JPH0748167A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | マグネシア質耐火物原料及び耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748167A true JPH0748167A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16621159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5212354A Pending JPH0748167A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | マグネシア質耐火物原料及び耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0748167A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7528085B2 (en) * | 2004-02-13 | 2009-05-05 | Refractory Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Fired refractory ceramic product and a batch for the production thereof |
US8030236B2 (en) * | 2006-02-20 | 2011-10-04 | Refratechnik Holding Gmbh | Fire-resistant ordinary ceramic batch, and fire-resistant product therefrom |
CN112794700A (zh) * | 2020-12-07 | 2021-05-14 | 海城利尔麦格西塔材料有限公司 | 一种转炉修补料及其生产方法 |
-
1993
- 1993-08-04 JP JP5212354A patent/JPH0748167A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7528085B2 (en) * | 2004-02-13 | 2009-05-05 | Refractory Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Fired refractory ceramic product and a batch for the production thereof |
US8030236B2 (en) * | 2006-02-20 | 2011-10-04 | Refratechnik Holding Gmbh | Fire-resistant ordinary ceramic batch, and fire-resistant product therefrom |
CN112794700A (zh) * | 2020-12-07 | 2021-05-14 | 海城利尔麦格西塔材料有限公司 | 一种转炉修补料及其生产方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0748167A (ja) | マグネシア質耐火物原料及び耐火物 | |
JPH082975A (ja) | 流し込み施工用耐火物 | |
JP2832064B2 (ja) | 溶融アルミナ・マグネシア系組成物及び耐火物製品 | |
JP2975849B2 (ja) | 製鋼用耐火物 | |
JPH06345521A (ja) | マグネシア質耐火物原料及び耐火物 | |
JPH11147758A (ja) | 耐火物原料の製造方法 | |
JP3157310B2 (ja) | 耐火物 | |
JPH09278540A (ja) | 耐食性、耐酸化性不定形耐火物 | |
JPH02141480A (ja) | キャスタブル耐火物 | |
JPH06172044A (ja) | アルミナ・スピネル質キャスタブル耐火物 | |
JPH1025167A (ja) | マグネシア質粗粒を用いた流し込み施工用耐火物 | |
JP2765458B2 (ja) | マグネシア・カ−ボン系耐火物 | |
JP2599870B2 (ja) | 不定形耐火組成物 | |
JPH11147776A (ja) | 不定形耐火物 | |
JPS6360168A (ja) | 塩基性不定形耐火物 | |
JPH072573A (ja) | アルミナ−マグネシア系不定形耐火物 | |
JP3400494B2 (ja) | 溶融金属用塩基性耐火物 | |
JPH0578179A (ja) | アルミナ−スピネル質不定形耐火物 | |
JP3176690B2 (ja) | 塩基性耐火物 | |
JPH07330449A (ja) | アルミナ・スピネル質不定形耐火物 | |
JPH05229877A (ja) | 溶銑脱珪樋用流し込み耐火材 | |
JPH06345539A (ja) | 電融耐火物原料及び耐火物 | |
JPH0459665A (ja) | アルミナ・スピネル質流し込み材 | |
JPH08165172A (ja) | 流し込み施工用不定形耐火物 | |
JPH0477366A (ja) | 流し込み不定形耐火物 |