JP2007261874A - 使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物 - Google Patents

使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも品質がよく、使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能で、しかも廃棄処分量を抑制可能な使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物を提供する。
【解決手段】使用済み耐火物を破砕して塊状物と残部に分級する粗分級工程と、この残部を粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、粗粒物と微粒物を所定割合で混合してリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程とを有し、リサイクル耐火物原料に更に微粒の未使用耐火物を添加して不定形耐火物用リサイクル耐火物原料とし、これに含まれる水分量を12質量%にして載置台上に載置した後、載置台に振動を付与する試験方法を使用し、振動付与後に載置台上に広がる不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅が120mm以上250mm以下の範囲内になるように、粗粒物と微粒物の混合割合を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、製鉄所から発生した使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物に関する。
従来、例えば、製鉄所では、鍋、浸漬管、トピードカー、ランス、又はタンディッシュに、耐火物として不定形耐火物又はれんがが使用されている。この耐火物のうち、本願がリサイクル対象とする使用後の耐火物(以下、使用済み耐火物ともいう)は、廃棄、例えば、埋立処分されており、有効利用が図れず、しかも処分に費用がかかり経済的でない。そこで、以下のようなリサイクル方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、アルミナ−シリカ質の使用済み耐火物の3mm以上40mm以下の粒度範囲の塊状物及び粗粒物を、未使用耐火物原料と共に使用するリサイクル方法が開示されている。
また、特許文献2には、アルミナ質及びアルミナ−マグネシア質の使用済み耐火物を用いたリサイクル方法が開示されている。
特開2000−143355号公報 特開平9−165270号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたリサイクル方法は、3mm未満の粒度範囲、即ち微粒物が廃棄物として残るため、微粒物は、その多くを廃棄する必要があり、環境上好ましくない。
また、特許文献2に開示されたリサイクル方法についても、5mm未満の微粒物を再利用せず、これが廃棄物として残るため、上記した特許文献1の場合と同様、その多くを廃棄する必要があり、環境上好ましくない。
更に、特許文献1、2に開示されたリサイクル方法は、未使用の耐火物に使用済み耐火物を混入させる方法であるため、更なるリサイクル量の拡大を図ることができない。
特に、特許文献1に開示されたリサイクル方法において、使用済み耐火物のリサイクル量を増加させた場合、得られたリサイクル原料は、流動性と施工性が悪く、更にこれを用いて製造した耐火物は、気孔率が高くて強度が低くなり、実際に使用できないものであった。また、使用済み耐火物と未使用耐火物において、破砕後の同程度の粒度のものを比較すると、使用済み耐火物から得たものは品質が一定せず、その表面状態が多孔質であり、未使用耐火物から得たものと異なっていた。このため、未使用耐火物から得たものを使用する粒度領域を、単に使用済み耐火物から得たものに置き換えても、良好な結果が得られなかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来よりも品質がよく、使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能で、しかも廃棄処分量を抑制可能な使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法は、使用済み耐火物を破砕して塊状物と残部に分級する粗分級工程と、該粗分級工程で分級した前記残部を更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、前記使用済み耐火物の前記粗粒物と前記微粒物を所定割合で混合してリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程とを有する使用済み耐火物のリサイクル方法であって、
前記リサイクル耐火物原料に、更に粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで10質量%以上40質量%以下添加して不定形耐火物用リサイクル耐火物原料とし、
前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料に水分を添加して容器に入れ、これを該不定形耐火物用リサイクル耐火物原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して前記容器を取外した後、前記載置台に振動を付与する試験方法を使用し、前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料に含まれる水分量を12質量%とし、かつ振動を付与する前の前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅を100mmとした場合に、振動付与後に前記載置台上に広がった該不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅が120mm以上250mm以下の範囲内になるように、前記粗粒物と前記微粒物の混合割合を調整する。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粗粒物と前記微粒物を得る前記使用済み耐火物が同じ種類であることが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記使用済み耐火物は2種類以上で構成され、前記粗粒物と前記微粒物を得る前記使用済み耐火物が異なる種類であることが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記使用済み耐火物は異なる種類のれんがと不定形耐火物を有し、前記粗粒物の一部又は全部が前記れんがから得られ、前記微粒物の一部又は全部が前記不定形耐火物から得られることが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記未使用耐火物はバインダーと粒度調整粉とを有し、該バインダーは、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで1質量%以上添加し、該バインダーの添加量の上限を、前記未使用耐火物量の50質量%として、しかも前記粒度調整粉は、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで5質量%以上39質量%以下添加することが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粒度調整粉の一部又は全部がフライアッシュであることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る不定形耐火物用リサイクル耐火物原料は、第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法を用いて製造している。
前記目的に沿う第3の発明に係る不定形耐火物は、第2の発明に係る不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を一部又は全部に用いている。
請求項1〜6記載の使用済み耐火物のリサイクル方法、及び請求項7記載の不定形耐火物用リサイクル耐火物原料、並びに請求項8記載の不定形耐火物は、従来利用されていなかった微粒物を使用して、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を製造するので、例えば、従来のような微粒物の余剰を抑制できる。これにより、従来よりもリサイクル量の拡大を図ることが可能になり、使用済み耐火物の廃棄処分量を抑制できる。
また、製造する不定形耐火物用リサイクル耐火物原料は、粗粒物と微粒物を含むので、リサイクル耐火物原料として適した粒度分布に調整でき、耐火物粒子の流動性及び充填性を向上できる。更に、微粒の未使用耐火物を所定量添加することにより、その粒度分布を更に適切な状態に調整できるので、流動性及び充填性の低下を抑制でき、例えば、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を使用した施工体の強度及び耐食性の低下を抑制できる。
更に、粗粒物と微粒物の混合割合の調整には、微粒の未使用耐火物が添加されたリサイクル耐火物原料に振動を付与し、広がった不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅を、その流動性の尺度として使用する試験方法(即ち、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料に水分を添加して容器に入れ、これを不定形耐火物用リサイクル耐火物原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して容器を取外した後、載置台に振動を付与する試験方法)を用いるので、良好な品質を備える実用に耐え得る不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を、簡易な方法で容易に得ることができる。
このように、粗粒物と微粒物の混合割合を調整したリサイクル耐火物原料を用いて製造した不定形耐火物は、その粒度分布が制御され、充填性を向上できるため、例えば、使用時の損耗のうち、機械的損耗(例えば、溶湯流れによる機械的損耗)に対して、不定形耐火物の耐用性を確保できる。
特に、請求項2記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、同じ種類の使用済み耐火物から粗粒物と微粒物を得るため、製造する不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を構成する化学成分を容易に制御できる。これにより、例えば、使用時の損耗のうち、化学的損耗(例えば、塩基性スラグによる化学的侵食)に対しては、使用済み耐火物を構成する化学成分に応じて、製造する不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の使用用途を選ぶことにより、その耐用性を確保できる。
請求項3記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、異なる種類の使用済み耐火物から粗粒物と微粒物を得るため、例えば、従来のように、同種の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を混合する際に必然的に発生する粗粒物又は微粒物の余剰を抑制できる。これにより、更なるリサイクル量の拡大を図ることが可能になり、使用済み耐火物の廃棄処分量を抑制できる。
また、1つのリサイクル方法を使用して、複数種類の使用済み耐火物のリサイクル処理にも対応できるため、作業を単純にでき、作業性も良好である。
請求項4記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、使用済み耐火物としてれんがと不定形耐火物を使用するので、れんがの破砕により多く発生する傾向にある粗粒物と、不定形耐火物の破砕により多く発生する傾向にある微粒物とを混合してリサイクル耐火物原料を製造できる。このような粗粒物と微粒物を混合してリサイクル耐火物原料を製造することで、使用済み耐火物の余剰抑制効果を更に大きくできる。
請求項5記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、所定量のバインダーと粒度調整粉を含む未使用耐火物を使用するので、例えば、使用済み耐火物をリサイクルして得られた不定形耐火物の品質をより安定させることができる。また、未使用耐火物の過剰添加によって生じる過焼結による不定形耐火物の亀裂発生も無くなる。
請求項6記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、粒度調整粉としてフライアッシュを使用するので、高価な粒度調整粉の使用量を削減できるため経済的であり、しかも産業廃棄物であるフライアッシュをリサイクルできるため環境上好ましい。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法の説明図、図2はリサイクル耐火物原料のタップフロー値と耐火物の見掛け気孔率及び圧縮強度との関係を示す説明図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法(以下、単にリサイクル方法ともいう)は、同一種類の使用済み耐火物を破砕して塊状物と残部に分級する粗分級工程と、粗分級工程で分級した残部を更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を所定割合で混合してリサイクル耐火物原料(以下、単にリサイクル原料ともいう)を製造する原料製造工程とを有し、この原料製造工程での粗粒物と微粒物の混合割合を、後述する試験方法を使用して調整している。以下、詳しく説明する。
まず、使用済み耐火物を回収する回収工程を行う。
回収対象となる使用済み耐火物は、製鉄所から発生するものであり、例えば、鍋、浸漬管、トピードカー、ランス、タンディッシュ、鍋カバー、二次製錬(精錬)設備の上部体、ノズル類、及び転炉等のれんが等のいずれか1又は2以上で使用されたものである。使用済み耐火物の回収に際しては、例えば、使用済み耐火物の発生場所や種類に応じて、その化学成分が異なるため、それぞれ個別に回収している。なお、本実施の形態では、各使用済み耐火物の成分系(例えば、アルミナ−シリカ系)が同じであれば、同じ種類の使用済み耐火物と定義する。
ここで、使用済み耐火物は、例えば、れんが(例えば、シャモット)又は不定形耐火物(例えば、低級アルミナ材又はハイアルミナ材)のように、同一種類のものを使用できるが、れんがと不定形耐火物のように、2種類以上の異なる種類のものであってもよい。
この回収した使用済み耐火物には、例えば、地金又はスラグのような異物が付着(以下、単に付着異物ともいう)したり、また内部に入り込んでいる(以下、単に差込異物ともいう)。
そこで、回収した使用済み耐火物を粗破砕し、付着異物を除去する異物除去工程を行う。
ここでは、まず、回収した使用済み耐火物を、例えば、ブレーカを使用して、後工程で使用する破砕機に投入可能な大きさ(例えば、最大幅を70mm以上200mm以下程度)に粗破砕する。この粗破砕により、使用済み耐火物から分離した異物、主として付着異物(差込異物も一部除去可能)を、例えば、手選別及び磁力選別機のいずれか一方又は双方を使用し、分別して除去する。
続いて、付着異物が除去された使用済み耐火物を更に細破砕(粉砕)し、差込異物を除去した後、この破砕された使用済み耐火物(破砕物)を分級する粗分級工程を行う。
ここでは、異物除去工程で、付着異物が除去された使用済み耐火物を連続的に破砕機へ供給し、目的粒度に応じた細破砕を行うと共に、細破砕により分離した異物、主として差込異物を、例えば、磁力選別機を使用して除去する。
なお、使用済み耐火物として、2種類以上の異なる種類の使用済み耐火物を処理する場合、各種類の使用済み耐火物毎に、それぞれ個別に上記した粗破砕と細破砕を行う。
このように、異物が除去され破砕された使用済み耐火物を、例えば篩選別機を使用して、塊状物と残部にそれぞれ粗分級する。なお、粗分級工程で行う分級のしきい値Aは、3mm以上10mm以下の範囲内とすることが好ましい。
ここで、粗分級のしきい値Aが10mmを超える場合、このような大きさのリサイクル原料を不定形耐火物として施工するときには、例えば、充填対象であるコーナー部に未充填部が生じたり、施工するリサイクル原料とその施工面との継目部から、施工したリサイクル原料が剥離し易くなるという問題が発生する。更に、10mmを超える粒径の塊状物は、例えば本出願人らが出願した特開2002−321968号公報、及び前記特許文献1のようなリサイクル技術もあり、使用用途が十分ある。
一方、粗分級のしきい値Aが3mm未満の場合、リサイクル原料中の粒径が小さな粒子量が相対的に増え過ぎ、タップフロー値(TF値ともいう)が悪化する(流動性が悪過ぎる)。また、残部中に含まれる粗粒物の配合量を減少させると、リサイクル原料の骨材粒子(例えば、1mm以上)の減少を招き、タップフロー値の改善はできない。
以上のことから、粗分級のしきい値Aを、3mm以上10mm以下の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を8mmとし、下限値を4mmとする。
上記したタップフロー値とは、リサイクル原料の粒子の充填性を評価する手法として、JIS R2521−1995に記載されたフロー試験方法を使用して得られる値である。なお、本実施の形態では、12質量%の水分量を含むリサイクル原料を容器に入れ、これをリサイクル原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して容器を取外した後、この載置台に振動を付与することにより行っており、載置台上に広がったリサイクル原料の最大幅をタップフロー値として求めている。ここで使用した容器は、載置台上に逆さまに配置した際に円錐台となっており、その載置台と接触した部分(リサイクル原料を入れるときは上端部分)の内径が100mm(誤差:±0.5mm)、上端(リサイクル原料を入れるときは底)の内径が70mm(誤差:±0.5mm)、高さが60mm(誤差:±0.5mm)である。
次に、粗分級工程で分級した残部を、篩選別機を使用して、更に粗粒物と微粒物とに分級する細分級工程を行う。なお、細分級工程で行う分級のしきい値Bは、0.5mm以上3mm未満の範囲内とすることが好ましい。
ここで、細分級のしきい値Bが3mm以上の場合、分級後の微粒物中に混入する骨材粒子(例えば、粒径が1mm以上のもの)量が増え過ぎ、リサイクル原料に流動性を付与する粒径1mm以下の粒子の粗粒物に対する量比が制御しにくくなる。
一方、細分級のしきい値Bが0.5mm未満の場合、例えば、篩目を使用する際には篩目の目詰まりにより、またバーを使用して分級する際にはバーへの粉付着により目詰まりが生じて、分級精度が悪化する。
以上のことから、細分級のしきい値Bを、0.5mm以上3mm未満の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を2mmとし、下限値を0.7mmとする。
なお、上記した粗分級のしきい値Aと細分級のしきい値Bとの比(A/B)は、2以上8以下にすることが好ましい。
ここで、しきい値Aとしきい値Bとの比(A/B)が2未満の場合、制御しようとする粒度範囲の幅、即ちしきい値Aとしきい値Bとの間(以下、A−B間という)の幅が狭くなり過ぎ、粗粒部(A−B間の粒度)と微粒部(しきい値Bの粒度未満)に偏りが生じる。ここで、粒度範囲が微粒部側に偏る場合は、タップフロー値が低くなり、また、粗粒部側に偏る場合は、タップフロー値が過度に増大し、リサイクル原料と水分との分離が発生するため、流動性の面から最適な粗粒物と微粒物の比率を確保できない。
一方、しきい値Aとしきい値Bとの比(A/B)が8を超える場合、制御しようとするA−B間の幅が広くなり過ぎ、粗粒部と微粉部のそれぞれに粒度のピークが発生し、流動性の面から最適な粗粒物と微粒物との比率を確保できず、流動性が悪化してタップフロー値の低下又は粒度分布の不均一が発生してしまう。
以上のことから、粗分級のしきい値Aと細分級のしきい値Bとの比(A/B)を、2以上8以下の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を7とし、下限値を3とする。
なお、上記した粗分級及び細分級に際しては、使用済み耐火物に含まれる水分により、粗粒物への微粒物の付着が生じ、分級後の粒度分布が不安定になる。そこで、これを防止するため、使用済み耐火物に含まれる水分量を、5質量%以下、望ましくは2質量%以下、更に望ましくは1質量%以下にするとよい。この方法としては、例えば、回収工程での使用済み耐火物を屋内に保管したり、また粗分級工程又は細分級工程の直前の使用済み耐火物を乾燥装置で乾燥する手段が挙げられる。
続いて、従来行っている使用済み耐火物のリサイクル(図1中の点線で囲んだ領域)で処理されないもの、即ち細分級工程で分級した粗粒物及び微粒物を、所定割合で混合し、粗粒物と微粒物を含むリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程を行う。
このリサイクル原料の製造に際しては、粗分級により得られた塊状物をリサイクルの主とした対象にしていない。この塊状物は、粒径が最も大きく、例えば、前記特許文献1、2のようなリサイクル方法が存在するためであるが、リサイクル原料の一部に入れてもよい。なお、本願発明者らの知見では、リサイクル原料の5質量%程度までは、塊状物を入れることが可能と考えている。
リサイクル耐火物原料に、更に、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、リサイクル耐火物原料に外掛けで10質量%以上40質量%以下添加して、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料とする。このような構成の未使用耐火物を添加することで、耐火物として施工する際に、施工直後の未乾燥状態において、施工体の形状凍結性を向上させ、また施工時の焼結性を向上させることができ、リサイクル原料を用いた不定形耐火物の耐火物粒子の充填性や流動性の改善もできる。
この未使用耐火物は、リサイクル原料の充填性や流動性を主として向上させるために、粒度分布を調整する役割を備えた粒度調整粉と、リサイクル原料の形状凍結性又は焼結性を向上させる結合材の役割を果たすバインダー(バインダともいう)の両者から構成されており、その粒度74μmは規格値である。
この未使用耐火物は、粒度74μmのものを85質量%以上含んでいなければ、粒度分布を調整する役割と結合材としての機能を発揮しない。なお、前記した細破砕(粉砕)において、使用済み耐火物を74μm以下まで破砕することなく、未使用耐火物を添加したのは、破砕に特殊な破砕機等が必要であること、また生産性が低いことより、コスト上昇を招くためである。
ここで、未使用耐火物の外掛け添加量が、リサイクル原料の10質量%未満の場合、不定形耐火物全体の粒度構成において、微粉部が不足することになり、流動性及び充填性の低下を招き、製造する施工体の強度又は耐食性の低下を招く。
一方、未使用耐火物の外掛け添加量が、リサイクル原料の40質量%を超える場合、比表面積が大きく焼結が進行し易い未使用耐火物の添加量が過剰になり、例えば、施工体の使用中の受熱時に過焼結が進行し易くなるため、焼結亀裂が発生し易くなり、施工体の寿命低下を招く恐れがあり、更にはリサイクルできる量が少なくなる問題もある。
以上のことから、未使用耐火物の外掛け添加量を、リサイクル耐火物原料の10質量%以上40質量%以下としたが、好ましくは上限値を30質量%とし、下限値を20質量%とする。
なお、未使用耐火物は、粒度74μm以下のものを85質量%以上含んでいれば、例えば、粒度74μm以下のものが100質量%であってもよく、また比較的比表面積が大きい1mm以上の未使用耐火物が含まれていてもよい。
上記したように、未使用耐火物は、リサイクル原料が所定の粒度分布となるように、前記した所定粒度のものを所定量添加することが望ましいが、未使用耐火物を構成する物質種によっては、製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を用いた不定形耐火物の機能を向上させることができる。そこで、その内容について以下説明する。
前記したように、未使用耐火物は、粒度分布を調整する役割を備えた粒度調整粉と、結合材の役割を果たすバインダーを含んでいる。
バインダーは、例えばセメントであり、含有するCaOとAl23の水和凝集により、固化する効果を有するものである。本願発明では、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を使用するため、バインダーは流動性と形状凍結性を担保する機能も備えているが、水和凝集による固化効果を主として期待するものであり、過剰に含むとリサイクル原料への未使用耐火物添加量によっては、過焼結を招く可能性がある。また、後述するように、粒度調整粉は、使用中の加熱によって焼結性向上機能を備えることから、未使用耐火物の全部をバインダーで構成することは好ましくない。
粒度調整粉は、例えば精製したアルミナパウダーであり、リサイクル原料の粒子間隙間を充填する機能を有しており、流動性や形状凍結性を担保する。また、隙間を充填することで、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を不定形耐火物として使用する際に、耐火物粒子間の拡散接合を促進するため、使用中の加熱により焼結性向上の効果もある。
以上のことから、バインダーは、リサイクル耐火物原料に外掛けで1質量%以上添加し、バインダーの添加量の上限を、未使用耐火物量の50質量%(即ち、添加される未使用耐火物量が10質量%の場合は5質量%以下、また40質量%の場合は20質量%以下)とすることが適切である。また、粒度調整粉は、バインダーの添加量に応じてリサイクル耐火物原料に外掛けで5質量%以上39質量%以下添加することが望ましい。
なお、粒度調整粉の一部又は全部を、フライアッシュにしてもよい。このように、フライアッシュを使用することで、リサイクル原料の製造コストを低減できると共に、従来廃棄されていたフライアッシュをリサイクルでき環境上好ましい。
このフライアッシュとは、石炭ボイラーの燃焼排ガス中に存在する微細な石炭灰であり、平均粒度が20μm以上30μm以下程度の球状を呈しており、74μmの篩目の通過質量%が、70質量%以上100質量%以下のものである。このように、フライアッシュの粒度は、本願発明で使用する未使用耐火物の粒度と略同等である。
また、フライアッシュの成分は、残炭分を除いたものを例示すると、例えば、SiO2:45質量%以上74質量%以下、Al23:16質量%以上38質量%以下、CaO:0.1質量%以上14質量%以下、MgO:0.1質量%以上3質量%以下、及びFe23:0.6質量%以上23質量%である。
このように、フライアッシュは、鉄分を多く含むものもあるが、耐火物において鉄分は有害物である。このため、本願発明者らは、未使用耐火物中に含まれる鉄分を、金属鉄換算で2質量%以下にする必要があると考えており、粒度調整粉の一部又は全部にフライアッシュを使用する場合、未使用耐火物の鉄分濃度が金属鉄換算で2質量%以下となる範囲で、フライアッシュを使用する必要があると考えている。なお、フライアッシュ中に含まれるFe23量が少ない場合、粒度調整粉の全部をフライアッシュにしてもよい。
上記した粗粒物、微粒物、及び未使用耐火物の混合に際しては、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を用いた施工体の機械的強度の確保又は不定形耐火物の施工性確保が重要になる。これらを実現するためには、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の粒子の充填性が重要であり、微粒が多過ぎると、施工に必要な添加水分が増大し、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の充填性が低下し、施工体の機械的強度の低下又は実機使用時の耐摩耗性が低下することになる。更に、微粒物による材料搬送時の滑り性が低下するため、材料圧送時には、材料の搬送に使用するホースの詰まりが顕著になる。
そこで、発明者等は、不定形耐火物用リサイクル耐火原料粒子の充填性を評価する手法として、前記したJIS R2521−1995記載のフロー試験方法に注目した。
この方法は、本来、粒度分布が決まっている耐火原料に添加する水分量の最適量を決定するための試験方法であるが、本発明者等は、水分量を一定値(12質量%)としてタップフロー値の大小を比較することにより、粒子の充填性が概ね評価できることを新たに見出した。即ち、微粒物が多過ぎると必要な添加水分量が増加し、タップフロー値が低下すると共に、施工体の充填性が低下する。逆に、粗粒物が多過ぎると粒子と添加水との分離が発生し、タップフロー値が過大になり、施工体の充填性は低下する。
なお、本願発明は、通常廃棄されていた使用済み耐火物を用いて安価な不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を製造し、これを極めて高い耐用性を要求されない部位へ施工することを主に意図するものであるため、タップフロー値による不定形耐火物用リサイクル原料の充填性評価により、実用に耐え得る評価が可能であると考えられる。
ここで、粗粒物と微粒物を所定割合で混合するに際しては、使用する使用済み耐火物の種類によって、その性状が異なるため、粗粒物と微粒物を、1:9〜9:1まで粗粒物を1ずつ増加させた9種の配合の組み合わせ、更には、3.5:6.5〜6.5:3.5まで粗粒物を1ずつ増加させた4種類の配合の組み合わせを、予め試験的に作製し、そのタップフロー値を評価することで決定する。
この評価に際しては、振動を付与する前のリサイクル原料の最大幅(径)を100mm(容器の内径に相当)とし、その後の振動の付与による不定形耐火物用リサイクル原料の広がり幅(径)が、120mm以上250mm以下を合格とした。
ここで、広がり不足は耐火物施工性が悪いこと(即ち、流動性悪過ぎ)を意味し、広がり過多は、混合している耐火物粒子が再度分離して耐火物耐食性が悪化することを意味する。
また、このタップフロー値と、製造した耐火物の見掛け気孔率及び圧縮強度との間には、図2に示す関係がある。図2において、試験に使用した耐火物は、シャモットから得た粗粒物と、低級アルミナ材から得た微粒物に、74μm以下の粒度が98質量%の未使用耐火物を外掛けで25質量%添加し混合した後、電気炉により乾燥処理(110℃、24時間)を行って製造したものである。なお、タップフロー値は、粗粒物と微粒物の混合割合を種々変更して、110〜160mmの範囲内に調整した。
図2に示すように、タップフロー値が120mm未満の場合、耐火材の圧縮強度(●)が急激に低下する傾向が見られた。これは、気孔率(■)の増大が寄与したためだと考えられる。また、タップフロー値が160mm以上の場合の圧縮強度と見掛け気孔率は測定していないが、少なくとも255mmでは、耐火物と水との分離が見られ、実施工に適さないものと考えられたため、上限を250mm程度とした。
従って、タップフロー値の上限値を200mm、更には180mmとし、下限値を130mm、更には140mmとすることが好ましい。
以上のことから、粗粒物:微粒物を、例えば、1:9〜9:1の範囲で配合、好ましくは2:8〜8:2、更に好ましくは3:7〜7:3の範囲で配合するとよい。
なお、粗粒物と微粒物の混合に際しては、同種の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を所定割合で混合し続けると、粗粒物の余剰が必然的に発生する。これは、耐火物(特にれんが)の使用中に、原料の焼結が進んで硬くなる傾向があるためであり、常用される破砕方式(例えば、治具で使用済み耐火物を押し割る方式、又は治具で使用済み耐火物を叩き割る方式:例えば、ジョークラッシャー、インペラーブレーカー、又はボールミル)では、微粒物が不足し、粗粒物が余剰となる。
そこで、粗粒物と微粒物を混合してリサイクル原料を製造するに際し、その製造に使用されない余剰となった粗粒物の一部(例えば、余剰の粗粒物の10質量%以上50質量%以下)又は全部を、粗分級工程へ送り、付着異物が除去された使用済み耐火物に混入させるのがよい。これにより、余剰粗粒物は、粗破砕された使用済み耐火物の隙間に充填された状態で使用済み耐火物と共に細破砕され、微粒物の生成量を現状よりも増加できるので、余剰となる粗粒物量が減少し、使用済み耐火物の余剰抑制効果を更に大きくできる。ここで、余剰となった粗粒物を、異物除去工程へ送ってもよい。
なお、余剰が出ない粒度分布を実現する破砕を一度に実現することは、現段階では不可能である。
また、粗粒物と微粒物の混合に際しては、異なる種類の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を所定割合で混合してもよい。この場合、使用済み耐火物として、破砕により粗粒を多く発生する傾向にあるれんがと、破砕により微粒を多く発生する傾向にある不定形耐火物を使用する。このような粗粒物と微粒物を混合してリサイクル耐火物原料を製造することで、使用済み耐火物の余剰抑制効果を更に大きくできる。
以上のことから、本発明の使用済み耐火物のリサイクル方法を使用することで、リサイクル原料をリサイクルに適した粒度分布に調整でき、従来よりも使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能となり、廃棄処分量を抑制できる。
なお、原料製造工程で製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料は、製鉄所で使用する不定形耐火物の一部又は全部に使用する。製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料は、その流動性を高めて充填することが可能であるため、比較的高強度の耐火物を得ることが可能になる。また、同種の原料を使用した場合、組成の均一化が図れ、使用済み耐火物の成分系に応じて不定形耐火物の用途を選べば、化学的な損耗に対する耐用性を確保できる。このように、不定形耐火物の原料に不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を使用することができる。
また、使用済み耐火物は、一度熱履歴を受けて焼成が進み、硬化する傾向があり、上記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を少なくとも一部に使用した不定形耐火物の機械的な損耗性は向上するので、従来の不定形耐火物が適用されている部位に使用することが可能である。
以上のことから、不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を不定形耐火物の50質量%以上(より好ましくは70質量%以上)に使用することができ、廃棄される微粒物量の削減効果も大きくできる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。なお、通常は、前記したように、同一種類又は異なる種類の使用済み耐火物を使用し、その破砕物に粗分級と細分級を施し、得られた塊状物、粗粒物、及び微粒物を使用した従来のリサイクルを行った後、残った使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を組み合わせてリサイクル原料を製造する(図1参照)。しかし、ここでは、実施例を簡略化するため、従来のリサイクルは考慮せず、同一種類又は異なる種類の使用済み耐火物から得られた全ての粗粒物と微粒物を対象として、本願発明のリサイクル原料を製造した結果について検討する。
まず、塊状物、粗粒物、及び微粒物に篩分けした後、粗粒物と微粒物を組み合わせた結果を、表1に示す。
Figure 2007261874
表1に示す実施例1は、使用済み耐火物Yとして、不定形耐火物である低級アルミナ材のみを使用し、実施例2は、使用済み耐火物Xとして、アルミナ−シリカ質のれんがであるシャモットのみを使用している。また、実施例3は、粗粒物を得るための使用済み耐火物Xとして、シャモットを使用し、微粒物を得るための使用済み耐火物Yとして、低級アルミナ材を使用している。そして、実施例4は、粗粒物を得るための使用済み耐火物Xとして、アルミナ−シリカ質の不定形耐火物であるハイアルミナ材を使用し、微粒物を得るための使用済み耐火物Yとして、低級アルミナ材を使用している。
一方、比較例1〜3は、粗粒物を得るための使用済み耐火物Xとして、シャモットを使用し、微粒物を得るための使用済み耐火物Yとして、低級アルミナ材を使用しており、また比較例4、5は、シャモットのみを使用している。
ここで、低級アルミナ材とは、例えば、同一鍋のウェアー耐火物とパーマ耐火物(耐火物種が異なる)において、両者を分別して回収し難い場合に、両者を混合して回収せざるを得ないもののうち、アルミナを含むものを複数種類集積したものであり、不定形耐火物が主体となる場合が多い。なお、ここで使用した低級アルミナ材は、アルミナ:15〜40質量%、シリカ:55〜80質量%、カーボン:1〜5質量%、及びその他にアルカリ金属酸化物(Na2O、K2O)を含んでいる。
また、実施例1〜4、及び比較例4、5は、粗分級及び細分級を行っているが、比較例1〜3は、粗分級を行っておらず、細分級の篩上を粗粒物とみなして、細分級の篩下である微粒物と表1に示した量比で混合している。
更に、実施例1〜4、及び比較例1〜5には、粒度74μm以下のものを98質量%含む未使用耐火物が、リサイクル原料に対し外掛けで25質量%添加されている。
表1に示す実施例1〜4は、粗粒物と微粒物を40対60の割合で混合した結果であり、流動性が良好で、TF値も140mm台で良好であった。また、実施例4のリサイクル原料を使用して吹き付け施工を行ったところ、ノズル詰まりが無く、また樋カバーに適用したところ、使用に耐え得るものであった。
そして、表1に示す余剰の使用済み耐火物量比(以下、余剰量比ともいう)は、塊状物を除いた結果であり、実施例3を基準(1.0)とした場合、他の実施例の余剰量比が4.5以下程度(目標とする上限値は5)であり、比較例1、3〜5と比較しても低減でき、リサイクル量を増加できることを確認できた。
一方、比較例1〜3は、粗分級(しきい値A)を実施していないため、10mm以上の使用済み耐火物がリサイクル原料に混入している。なお、このリサイクル原料には、微粒物が含まれているため、この粒子間に水分が残留して、リサイクル原料と水分の顕著な分離は起こらなかったが、塊状物(特に、粒径が10mm以上のもの)が流動性悪化の原因(石垣状となって崩れない)となった。このため、TF値は、110mm台となり、粗粒物と微粒物の配合量比を変更しても、良好なTF値が得られなかった。
このように、比較例1〜3のリサイクル原料は、TF値が低すぎるため、吹き付け施工を行った際にノズル詰まりが発生し易く、施工性が悪かった。なお、流し込み施工をしても、気孔率が高いため強度が低く、施工後の骨材脱落の恐れがあり、例えば、溶湯との非接触部位への用途に限定される。
また、比較例2のように、リサイクル原料を構成する粗粒物と微粒物の配合量比によっては、余剰量比が3.6程度で良好な場合もあるが、TF値が低いため実使用においては使用先を限定する必要性がある。
また、比較例4、5は、特許文献1に記載された実施例において、粒度範囲10〜40mm(本願発明でいう塊状物)の使用済み耐火物と、粒度範囲3〜10mm(本願発明でいう粗粒物)の使用済み耐火物の混合比率の上限値と下限値に基づき、塊状物と粗粒物の配合量比(リサイクル原料の配合)を1対2(33対67)と1対7(12.5対87.5)にしている。
この場合、リサイクル原料中に塊状物が多く存在し、載置台上のリサイクル原料の形状の崩れが少なく、水分が塊状物から分離し、微粒物を含む水分が載置台上に広がり(TF値:255〜271)、分離を引き起こすため、実施工には全く使用できないものと判断した。
また、余剰量比は7.3〜8.1程度であり、実施例と比較して多かった。これは、常用されている破砕方法を使用した場合、塊状物の生成比率が少なくなり、その結果、塊状物を主体とする配合を行うと、塊状物以外(粗粒物及び微粒物)の配合量を多くできないためである。
更に、特許文献1においては、未使用耐火物である3〜10mmの粒子及び3mm以下の粒子のいずれか1又は2を配合しているが、未使用耐火物と使用済み耐火物とでは、以下の点でその性状が異なっており、また使用済み耐火物の破砕後の粒子は品質が一定しない。このため、使用済み耐火物の粗粒物と微粒物の配合量比を、その品質に応じて決定する必要がある。
未使用耐火物の粒子は一般に緻密であり、その品質が均一である。
また、使用済み耐火物を破砕する場合、破砕した使用済み耐火物は、複数の粒子が結合した状態で形成される場合が多く、その表面がポーラスになっている。
そして、使用済み耐火物の使用部位により、使用済み耐火物が受けた熱履歴が異なる等、使用済み耐火物の品質が不均一である。
従って、特許文献1の未使用耐火物を、単に使用済み耐火物に置き換えても、本願発明の作用効果は得られない。
次に、粗粒物と微粒物を得るための使用済み耐火物の種類について検討した結果を、表1を参照しながら説明する。
表1に示す実施例2は、粗粒物と微粒物を得る使用済み耐火物が同一種類のときの結果であり、異なる種類の使用済み耐火物を使用した実施例3と比較して、余剰量比が増加している。しかし、いずれも目標とする5未満であり良好であった。
この実施例2、3のリサイクル原料を、使用環境が厳しい例えばトピードカーの受銑口部の補修材として使用し、吹き付け施工を行った。そして、受銑を10回(10チャージ)行った後、その損傷状況を目視で観察したところ、実施例3のリサイクル原料を使用した場合、亀裂及び剥離損傷が多く、残存が少ない状態であったのに対し、実施例2は一部溶損がみられたものの、残存状態は良好であった。これは、本来低温領域で使用している低級アルミナ材が、アルカリ金属酸化物を含むため低融点であり、比較的高温の条件下で使用するとリサイクル原料が過焼結を引き起し、またアルカリ金属酸化物とアルミナの共晶反応により液相が生成して溶損が進み易くなり、長寿命が保てなかったためだと考えられる。
このように、リサイクル原料は、使用する使用済み耐火物の構成成分によって、その使用用途が制限されるが、広げることもできる。
例えば、使用済み耐火物として、マグネシア又はアルミナ−マグネシアのような高融点素材を使用した場合、この成分を含むリサイクル原料を、高温領域で耐溶損性に優れた補修材として活用することが可能である。
また、使用済み耐火物として、ASC(アルミナ−SiC−C)のように、耐スラグ浸潤性に優れた素材を使用することで、これを含むリサイクル原料を、スラグライン等の溶損部位での耐溶損性に優れた補修材として活用することが可能である。
以上のことから、篩分けして得られた粗粒物と微粒物を使用して製造した不定形耐火物は、好ましい範囲内で気孔率が低く、圧縮強度が高いため、機械的な損耗性を確保できる。更に、粗粒物と微粒物を得る使用済み耐火物を同一種類とすることで、余剰量比が目標とする範囲内で多くはなるが、その使用用途を選べば化学的な損耗性も確保できる。
続いて、リサイクル原料に添加した未使用耐火物の構成及びその添加量を、実施例3を基準として変化させた結果を、表2に示す。
Figure 2007261874
表2に示す実施例3、5、6、及び比較例6〜8は、粗粒物を得るための使用済み耐火物Xとして、シャモットを使用し、微粒物を得るための使用済み耐火物Yとして、低級アルミナ材を使用している。
また、実施例5は、未使用耐火物の74μm以下の比率を前記範囲の下限(85質量%)に設定した結果であり、実施例6は、未使用耐火物の外掛け添加量を前記範囲の下限(10質量%)に設定した結果である。
一方、比較例6は、未使用耐火物の74μm以下の比率が前記範囲の下限を下回った(50質量%)結果であり、また比較例7、8は、未使用耐火物の外掛け添加量が前記範囲の下限を下回った(5質量%)結果、また上限を上回った(41質量%)結果である。
実施例5は、実施例3よりも未使用耐火物の74μm以下の比率を低下させたため、TF値が多少低下するが、図2の結果から気孔率は適正範囲内であり、実用に耐えるものであった。また、塊状物を除いた余剰量比についても、粗粒物と微粒物の配合割合を変えていないため、実施例3と同じで良好であった。
一方、比較例6のように、未使用耐火物の74μm以下の比率を低下させ過ぎた場合、TF値が前記範囲の下限値を下回り、気孔率が上昇して強度が低下し、実使用において損傷の発生やノズル詰まりなどが散見された。なお、使用先によっては、問題が生じない場合もある。また、余剰量比は、粗粒物と微粒物の配合割合を変えていないため、実施例3と同じで良好であった。
実施例6は、実施例3よりも未使用耐火物の外掛け添加量を低下させ、粒径の小さな未使用耐火物量が減少しているため、粗粒物と微粒物の配合割合を微粒物が増加するように変更している。その結果、実施例6のTF値は実施例3よりも多少低下するが、気孔率は適正範囲内であり、実用に耐えるものであった。なお、余剰量比は、実施例3と比較して増加しているが、目標とする5未満であり良好であった。
一方、比較例7は、未使用耐火物の外掛け添加量を低下させ過ぎ、未使用耐火物量が減少しているため、粗粒物と微粒物の配合割合を微粒物が増加するように変更している。その結果、比較例7のTF値は実施例6よりも更に低下し、気孔率が上昇して強度が低下し、吹き付け施工時はノズル詰まりを起こした。なお、流し込み施工においては、損傷を起こす場合があり、実用に際しては使用先が極めて限定されるものであった。比較例7の余剰量比は、実施例3と比較して増加しているが、目標とする5未満であった。
また、比較例8は、未使用耐火物の外掛け添加量を増加させ過ぎ、未使用耐火物量が増加しているため、粗粒物と微粒物の配合割合を微粒物が減少するように変更している。その結果、比較例8のTF値は実施例6と同程度であり、気孔率についても適正範囲内であり、実用(施工時)に耐えるものであった。しかし、焼結性が過剰傾向であり、使用時に施工面に亀裂が見られる場合があった。なお、余剰量比は、目標とする5未満であった。
以上に示したように、TF値は、リサイクル原料を構成する粗粒物と微粒物の配合割合で変化(表1、表2は、最もTF値がよくなると考えられる量比で粗粒物と微粒物を配合)するが、例えば、破砕物を篩分けする篩目、又は使用済み耐火物の種類の変更によっても、TF値を変化させることができる。
ここで、TF値のコントロールが、篩分けを行う篩目の変更によって可能であることについて説明する。
まず、使用済み耐火物としてシャモットと低級アルミナ材を使用し、シャモットから得た粗粒物と、低級アルミナ材から得た微粒物からリサイクル原料を製造するに際し、粗分級と細分級の篩分けの篩目を変化させた結果を、表3に示す。
Figure 2007261874
表3に示す実施例3、7、8は、粗分級と細分級のしきい値A、B、及びその比(A/B)が、前記した最適範囲の結果である。
一方、比較例11は、細分級のしきい値Bが、最適範囲(即ち、0.5≦B<3)の上限値を上回った(4mm)結果であり、また、比較例12は、粗分級のしきい値Aが最適範囲(即ち、3≦A≦10)の下限値を下回った(2mm)結果である。更に、比較例9〜11は、しきい値A、Bの比が、前記した最適範囲(即ち、2≦(A/B)≦8)外となった結果である。なお、実施例3、7、8、及び比較例9〜12には、前記した組成の未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。
表3に示す実施例3、7、8、比較例9〜12の余剰量比は、0.3以上3.1以下の範囲内にあり、大幅に低減できる。
一方、TF値については、比較例9〜12のように、粗分級のしきい値A、細分級のしきい値B、及びしきい値A、Bの比のいずれかが、前記した最適範囲から外れることで、実施例3、7、8より低下する傾向が見られ、気孔率が上昇して圧縮強度が低下することが予想され、実使用先が限定されるものとなった。
このように、TF値の変更は、篩分けを行う篩目の変更によりできる。
続いて、使用済み耐火物の種類を変更する場合について説明する。
表3に示すリサイクル原料を構成する粗粒物と微粒物を得る使用済み耐火物の種類は異なっている。ここで、微粒物にはカーボンを含む低級アルミナ材を使用しており、微粒物が水を弾く傾向(カーボンを含むため濡れ性が低い)にある。この場合、微粒物粒子の周囲には、水膜が生成しにくい傾向があり、微粒物粒子同士の直接接触により、流動性が低下してTF値が下がると考えられる。
なお、微粒物を得る使用済み耐火物として、カーボンを含まないもの、例えば、シャモットを適用すると、TF値が上昇する。例えば、比較例9〜12の微粒物をシャモットから得た場合、TF値が120〜130程度に改善する。
このように、TF値の変更は、使用済み耐火物の種類の変更によりできる。
しかし、篩目の変更回数が増えると、設備を停止することにつながり、また使用済み耐火物の種類を限定すると、余剰量が増加することになるため、篩目の変更回数はできるだけ少なくすることが望ましく、またリサイクルする使用済み耐火物の種類についても限定しないことが望ましい。従って、TF値のコントロールには、主として粗粒物と微粒物の配合割合の変更を用いるのがよい。
次に、余剰量の削減効果について説明する。
余剰量の削減方法としては、粗粒物と微粒物を混合してリサイクル原料を製造するに際し、その製造に使用されない余剰となった粗粒物の一部又は全部を粗分級工程へ送り、付着異物が除去された使用済み耐火物に混入させる方法と、異なる種類の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を所定割合で混合する方法がある。
ここでは、まず、余剰となった粗粒物を粗分級工程へ送る還流方法について説明する。
なお、この方法は、化学的な耐溶損性を確保するため、同一種類の使用済み耐火物から得た粗粒物と微粒物でリサイクル原料を構成する場合に適している。その結果を表4に示す。
Figure 2007261874
表4に示す実施例2、9、10は、使用済み耐火物としてシャモットのみを使用し、粗分級と細分級のしきい値A、B、及びその比(A/B)は、前記した最適範囲内に設定し、粗粒物と微粒物の混合比は、40対60に調整している。なお、実施例2、9、10には、前記した組成の未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。
また、実施例9、10は、使用済み耐火物の破砕の際に、余剰となった粗粒物を内数として30質量%以上40質量%以下含ませた結果であり、実施例2は、使用済み耐火物のみを破砕した結果である。
粗粒物を還流させた実施例9、10は、粗粒物を還流していない実施例2と比較して、余剰物量比を4.0から1.0〜1.8程度まで減少させることができた。
なお、使用済み耐火物の破砕時に添加する余剰粗粒物量が多過ぎる場合、相対的に使用済み耐火物の処理量が減るため好ましくない。本発明者らの知見によると、使用済み耐火物に、余剰粗粒物量を概ね50質量%程度添加することで、微粒物増加の効果は十分であった。
なお、使用済み耐火物に余剰粗粒物を30質量%以上40質量%以下添加して破砕することで、微粒物生成量が5〜10質量%程度変化する。これは、使用済み耐火物から、例えば、地金又はスラグを除去する際に、これらの付着状況によって破砕の程度が異なり、使用済み耐火物の粒度構成が変動しているためであると考えられる。
また、使用済み耐火物に添加する余剰粗粒物の量は、全破砕量(使用済みれんが量+粗粒物量)の10質量%以上で破砕後の微粒物量の増加傾向が確認できたが、微粒物量の増加が明確に確認できるのは、添加する余剰粗粒物量が20質量%以上であり、更に30質量%以上で、表4に示すように、5〜10質量%程度の微粒物の増加が確認できた。
次に、異なる種類の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を所定割合で混合して、余剰量比を低減する方法について、前記した表1の実施例2〜4を参照しながら説明する。
実施例2の粗粒物と微粒物は、共にシャモットを用いており、前記した理由により、粗粒物が余剰傾向であるため、余剰量比5未満の良好な値は得られているものの、実施例3、4に比べて、余剰量比が多い。
一方、実施例3の粗粒物と微粒物は、異なる種類の使用済み耐火物、即ち粗粒物はシャモットから、微粒物は低級アルミナ材から、それぞれ得ている。このように、微粒物を、微粒物が余剰傾向にある低級アルミナ材から得ることで、余剰量比を1.0まで削減できた。
また、実施例4の粗粒物と微粒物は、異なる種類の使用済み耐火物、即ち粗粒物はハイアルミナ材から、微粒物は低級アルミナ材から、それぞれ得ている。このハイアルミナ材は、得られる粗粒物量がシャモットより少なく、低級アルミナ材よりも多いものである。
一般に、不定形耐火物は、破砕により多くの微粒物を生成するが、実施例4で用いたハイアルミナ材は、使用後の回収時に差し込み異物が少なく、差し込み異物除去時に細かな破砕を必要とせず、粗分級前の破砕時の粒度が大きくなっている。このため、得られる粗粒物量が低級アルミナ材よりも多くなっている。
このように、粗粒物量がシャモットより少ないハイアルミナ材から粗粒物を得ることで、低級アルミナ材の微粒物の余剰量が多くなり、余剰量比が1.2まで増加したが、実施例2と比較して十分に低減できることを確認できた。
これは、粗粒物を得る使用済み耐火物として、微粒物を得る使用済み耐火物とは異なる種類であり、粗粒物が余剰基調の使用済み耐火物を選んだために達成できた結果である。
次に、リサイクル原料に添加する未使用耐火物を構成する粒度調整粉の一部又は全部を、フライアッシュにした結果を、表5に示す。
Figure 2007261874
表5に示す実施例11〜15は、使用済み耐火物としてシャモットと低級アルミナ材を使用し、粗分級と細分級のしきい値A、B、及びその比(A/B)は、前記した最適範囲内に設定し、粗粒物と微粒物の混合比は、40対60に調整している。
この実施例11〜15は、粒度74μm以下の微粉を98質量%を含む未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。なお、実施例11〜13は、未使用耐火物を構成するバインダと粒度調整粉(精製したアルミナパウダー)との配合割合を変化させた結果であり、実施例14は粒度調整粉の全部をフライアッシュで、また実施例15は粒度調整粉の一部をフライアッシュ(他の粒度調整粉は精製したアルミナパウダー)で構成した場合の結果である。使用したフライアッシュは、Fe23量を3.4質量%含んでおり、未使用耐火物全体の金属鉄換算濃度で、2質量%未満となっている。
実施例11〜15は、粗粒物と微粒物の配合割合が、実施例3と同じであり、未使用耐火物の粒度と添加量も同じであるため、余剰量比とTF値が略同じであった。
また、実施例11、12は、バインダー量をリサイクル原料の1質量%、10質量%にそれぞれ設定した結果であり、施工後の耐火物の状況は良好であった。
また、実施例13は、リサイクル原料に添加するバインダー量を、添加する未使用耐火物量の半分を超える量(リサイクル原料の13質量%)に設定した結果である。ここで、このリサイクル原料を使用した施工後の耐火物の状況を観察すると、過焼結起因と考えられる微細な亀裂が確認される場合もあり、より安定的な使用をするには、添加するバインダー量を未使用耐火物の半分以下にすることが好ましい。
実施例14、15のように、粒度調整粉の一部又は全部をフライアッシュにした結果、このリサイクル原料を施工した後の耐火物状況は、実施例11と変わらず良好であった。
以上のことから、本願発明のリサイクル方法を適用することで、従来よりも品質がよく、使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能で、しかも廃棄処分量を抑制できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物用リサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法の説明図である。 リサイクル耐火物原料のタップフロー値と耐火物の見掛け気孔率及び圧縮強度との関係を示す説明図である。

Claims (8)

  1. 使用済み耐火物を破砕して塊状物と残部に分級する粗分級工程と、該粗分級工程で分級した前記残部を更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、前記使用済み耐火物の前記粗粒物と前記微粒物を所定割合で混合してリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程とを有する使用済み耐火物のリサイクル方法であって、
    前記リサイクル耐火物原料に、更に粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで10質量%以上40質量%以下添加して不定形耐火物用リサイクル耐火物原料とし、
    前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料に水分を添加して容器に入れ、これを該不定形耐火物用リサイクル耐火物原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して前記容器を取外した後、前記載置台に振動を付与する試験方法を使用し、前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料に含まれる水分量を12質量%とし、かつ振動を付与する前の前記不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅を100mmとした場合に、振動付与後に前記載置台上に広がった該不定形耐火物用リサイクル耐火物原料の最大幅が120mm以上250mm以下の範囲内になるように、前記粗粒物と前記微粒物の混合割合を調整することを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  2. 請求項1記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粗粒物と前記微粒物を得る前記使用済み耐火物が同じ種類であることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  3. 請求項1記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記使用済み耐火物は2種類以上で構成され、前記粗粒物と前記微粒物を得る前記使用済み耐火物が異なる種類であることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  4. 請求項3記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記使用済み耐火物は異なる種類のれんがと不定形耐火物を有し、前記粗粒物の一部又は全部が前記れんがから得られ、前記微粒物の一部又は全部が前記不定形耐火物から得られることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記未使用耐火物はバインダーと粒度調整粉とを有し、該バインダーは、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで1質量%以上添加し、該バインダーの添加量の上限を、前記未使用耐火物量の50質量%として、しかも前記粒度調整粉は、前記リサイクル耐火物原料に外掛けで5質量%以上39質量%以下添加することを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  6. 請求項5記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粒度調整粉の一部又は全部がフライアッシュであることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用済み耐火物のリサイクル方法を用いて製造したことを特徴とする不定形耐火物用リサイクル耐火物原料。
  8. 請求項7記載の不定形耐火物用リサイクル耐火物原料を一部又は全部に用いたことを特徴とする不定形耐火物。
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