JP5347317B2 - 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法 - Google Patents

使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5347317B2
JP5347317B2 JP2008116880A JP2008116880A JP5347317B2 JP 5347317 B2 JP5347317 B2 JP 5347317B2 JP 2008116880 A JP2008116880 A JP 2008116880A JP 2008116880 A JP2008116880 A JP 2008116880A JP 5347317 B2 JP5347317 B2 JP 5347317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractory
mgo
tundish
converter
refractories
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008116880A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009263742A (ja
Inventor
司 新出
道弘 桑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008116880A priority Critical patent/JP5347317B2/ja
Publication of JP2009263742A publication Critical patent/JP2009263742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5347317B2 publication Critical patent/JP5347317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、連続鋳造設備のタンディッシュから発生する使用済み耐火物の再使用方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で、タンディッシュ内の溶鋼を、タンディッシュ底部に設置した浸漬ノズルを介して鋳型に注入している。このタンディッシュは、通常、外殻を鉄皮とし、この鉄皮の内面側に永久張り煉瓦が施工され、この永久張り煉瓦の内面側にワーク耐火物としての不定形耐火物が施工され、更に、不定形耐火物の表面に、吹き付け施工などによるMgOの被覆層が形成されている。また更に、タンディッシュ内の溶鋼流を制御するための堰を有するタンディッシュも存在する。当然ながら、溶鋼を鋳型内に注入するための浸漬ノズルもタンディッシュ底部に設置されている。
吹き付け施工などによるMgOの被覆層は、鋳造後のその表面に取鍋内のスラグが付着したり、残留する地金が付着したりして、次回鋳造される溶鋼の品質を劣化させるので、通常、鋳造チャンス毎に剥離され、新たに施工されている。このMgO被覆層の剥離に伴って、ワーク耐火物としての不定形耐火物が損傷し、使用を重ねることによりやがて不定形耐火物の厚みが基準値以下となる。
不定形耐火物の厚みが基準値以下となると、タンディッシュは永久張り煉瓦を除いて解体されて、新たに不定形耐火物が施工される。このタンディッシュの解体に伴って使用済み耐火物が発生する。使用済み耐火物の主体は、MgO被覆層及びワーク耐火物としての不定形耐火物であるが、取鍋からタンディッシュ内に注入されたスラグや地金も使用済み耐火物に混入する。
タンディッシュの解体に伴って発生する使用済み耐火物に限らず、使用済み耐火物を産業廃棄物として処理することは、多大の処理コストを要するのみならず、省資源の観点からも望ましくなく、従って、製鉄所で発生した使用済み耐火物を再利用する方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、「製鉄所で発生する使用済み耐火物を回収して組成別に分級し、各組成別に粉砕し分級した後、組成、粒径に基づいて、一部は製鉄所内でそのまま原材料と混合して耐火物を製造するとともに製造した耐火物を該製鉄所内で使用し、他の一部は製鉄所内でそのまま製鉄精錬用副原料として使用し、残余の実質全部は土木材料として製鉄所内外に払い出すことを特徴とする使用済み耐火物の再利用方法」が開示されている。
特許文献2には、「使用済み耐火物を回収し、回収した耐火物を破砕して所定のサイズ以下とした使用済み耐火物の破砕品を準備しておき、輸送管内に圧縮空気を供給して輸送管内に空気の流れを形成させ、この空気の流れによって前記使用済み耐火物の破砕品を当該輸送管内に吸引し、吸引した使用済み耐火物の破砕品を、輸送管内を流れる空気と共に輸送管の一方の端面から溶融金属容器内に向けて吹き飛ばし、溶融金属容器に施工された耐火物の表面に使用済み耐火物の破砕品を堆積させることを特徴とする、使用済み耐火物の再利用方法」が開示されている。
また、特許文献3には、「使用済みMgO−C煉瓦を、5mm以下の粒径のものが80質量%以上になるように破砕・調製し、次いで、このようにして破砕・調整した使用済みMgO−C煉瓦を、溶銑を転炉へ装入する前に転炉に装入し、その後溶銑を装入して溶銑に脱炭精錬を施すことを特徴とする転炉操業方法」が開示されている。
特開2005−58835号公報 特開2005−188798号公報 特開2006−241478号公報
このように、使用済み耐火物を再利用するための多数の方法が提案されているが、特許文献1は、使用済み耐火物を組成別に分級することを前提としており、また、特許文献2は、実際にはMgO煉瓦、MgO−C煉瓦、MgO−Cr23煉瓦を対象とし、引用文献3は、MgO−C煉瓦を対象としている。つまり、特許文献2,3は、MgOを主成分とする煉瓦を対象としている。
これに対して、タンディッシュから発生する使用済み耐火物は、ワーク耐火物である不定形耐火物がAl23−SiO2系耐火物であり、MgO被覆層がMgO系耐火物であり、また、混入するスラグがCaO−SiO2系であり、これらが混合した状態で発生し、特許文献1に提案されるように組成別に分級することは極めて困難である。これらを別々に回収することは物理的に不可能なことではないが、多大な労力を必要とすることから、別々に回収した場合の再利用はコスト的に成り立たない。また、特許文献2,3は、MgO質耐火物を対象としており、使用済みタンディッシュ耐火物は組成的に該当しない。
即ち、従来提案されている使用済み耐火物の再使用方法をそのまま、タンディッシュから発生する使用済み耐火物に適用しても、タンディッシュから発生する使用済み耐火物は再使用することができない。
このように、タンディッシュから発生する使用済み耐火物を精錬剤などの副原料或いは耐火物原料として再使用することが切望されているにも拘わらず、従来、路盤材や埋め立て材などの土木材料に再使用するほかは有効な手段はなく、路盤材や埋め立て材などの用途が見つからない場合には、産業廃棄物として処分せざるを得ず、製造コストの上昇をもたらしていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋼の連続鋳造設備のタンディッシュから発生する使用済み耐火物を、製鋼精錬工程における副原料として再利用することのできる、使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法は、Al23−SiO2系耐火物をワーク耐火物とし、該ワーク耐火物の表面にMgOの被覆層が施工された連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、破砕した使用済み耐火物を、粒径が10mm以下の細粒、及び、10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けし、篩い分けにより得た前記細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬における造滓剤として使用することを特徴とするものである。
第2の発明に係る使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法は、Al23−SiO2系耐火物をワーク耐火物とし、該ワーク耐火物の表面にMgOの被覆層が施工された連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、破砕した使用済み耐火物を、粒径が10mm以下の細粒、及び、10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けし、篩い分けにより得た前記細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬における造滓剤として使用し、篩い分けにより得た前記粗粒を転炉での溶銑の予備脱燐精錬における造滓剤として使用することを特徴とするものである。
本発明によれば、連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、粒径が10mm以下の細粒及び10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けするので、この細粒にはMgO被覆層に由来するMgO分が濃縮されて塩基性となり、この細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬における造滓剤として使用することにより、転炉炉体に施工されたMgO−C煉瓦の損耗を防止するのみならず、脱炭精錬における脱燐反応を促進させることができる。一方、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒は、MgO分が少なく、従って、この粗粒を転炉での溶銑の予備脱燐精錬における造滓剤として使用することにより、脱燐精錬剤である生石灰の滓化が促進され、予備脱燐精錬を効率的に行うことが実現できる。このように、連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物の全量を製鋼精錬工程における副原料として再利用することが可能となり、従来使用していた副原料が削減されるのみならず、使用済み耐火物に費やす産業廃棄物処理費が大幅に削減でき、工業上極めて有益な効果がもたらされる。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯について説明する。
図1に、2ストランド型のスラブ連続鋳造設備で使用するタンディッシュの1例を側面断面図で示す。タンディッシュ1は、外殻を鉄皮2とし、この鉄皮2の内面側に永久張り煉瓦3が施工され、そして永久張り煉瓦3の内面側に、ワーク耐火物として不定形耐火物4が施工されている。タンディッシュ1には蓋が配置されるが、図1では省略している。
永久張り煉瓦3は、溶鋼と直接接触することはなく、使用中にほとんど損傷しないことから、タンディッシュ解体時の衝撃などによって破損しない限り、半永久的に使用される。この永久張り煉瓦3は、熱負荷が小さいことから、通常、Al23の含有量が45質量%以下であるSiO2−Al23系の粘土質煉瓦が使用される。一方、ワーク耐火物としての不定形耐火物4は、使用を重ねる毎に損耗し、所定の厚みが確保できなくなった時点で解体され、その都度、新たに施工される。不定形耐火物4は、溶鋼と直接接触する場合も発生するので、一般的に、Al23が50質量%以上含有される、Al23−SiO2系耐火物である高アルミナ質不定形耐火物が使用される。尚、図1では、ワーク耐火物として不定形耐火物4が施工されているが、ワーク耐火物は不定形耐火物4に限定する必要はなく、成形されたAl23−SiO2系の高アルミナ質煉瓦であっても構わない。
タンディッシュ1の両端部側には、永久張り煉瓦3及び不定形耐火物4に嵌合するノズル受け煉瓦6が配置され、このノズル受け煉瓦6に挿入して上ノズル7が設置されており、この上ノズル7の下方に、固定板9及び摺動板10からなる、溶鋼流量調節用のスライディングノズル8が配置され、更にスライディングノズル8の下方に、溶鋼を鋳型内に注入するための浸漬ノズル11が配置されている。また、不定形耐火物4の内面側には、吹き付け施工などによって15〜30mm厚みのMgO被覆層5が形成されている。
或る鋳造チャンスで使用されたタンディッシュ1は、タンディッシュ1の内部に残留する溶鋼及びスラグが排出された後に放冷され、所定の温度まで冷却したなら、使用済みの上ノズル7、スライディングノズル8、浸漬ノズル11が取り外されるとともに、使用済みのMgO被覆層5が剥離される。そして、それぞれ新たな上ノズル7、スライディングノズル8、浸漬ノズル11を設置したうえで、吹き付け施工などによってMgO被覆層5が形成され、その後、昇熱されて次の鋳造チャンスに使用される。ノズル受け煉瓦6の損傷が激しい場合には、ノズル受け煉瓦6も取り替えられる。これら一連のタンディッシュ整備によって、不定形耐火物4も損傷する。特に、MgO被覆層5の剥離に伴う損傷が大きい。
このような鋳造での使用及び冷間での整備を繰り返し実施し、不定形耐火物4の厚みが基準値以下となった時点で、タンディッシュ1は解体されて新たに不定形耐火物4が施工される。この解体において、永久張り煉瓦3、スライディングノズル8及び浸漬ノズル11を除く耐火物が混合されて使用済み耐火物として回収される。永久張り煉瓦3の一部も剥がれるなどして混入する。これらのうちで、永久張り煉瓦3、ノズル受け煉瓦6及び上ノズル7は数量が少ないことから分別回収することができるが、不定形耐火物4及びMgO被覆層5は混合した状態で回収される。また、タンディッシュ1に残留する溶鋼及びスラグは鋳造直後に排出されるものの、全てが排出されるわけではなく、地金及びスラグとして混合して回収される。
このようにして回収された使用済みタンディッシュ耐火物の平均化学組成を表1に示す。表1は、回収された使用済みタンディッシュ耐火物を粉砕し、粉砕した使用済みタンディッシュ耐火物から磁力選別により地金を除去し、その後、化学分析をした結果である。
Figure 0005347317
表1において、使用済みタンディッシュ耐火物にCaOが含有されるが、これは取鍋内のスラグがタンディッシュ1に流出し、タンディッシュ1の内壁面に付着残留したものである。表1に示すこれらの化学組成のうちで、CaO及びMgOは塩基性、Al23は中性、SiO2は酸性であり、使用済みタンディッシュ耐火物は種々雑多の混合物であり、耐火物原料として使用することは不可能であることが分かる。
また、転炉では炉体煉瓦保護のために、マグネシアクリンカー(MgO粉)やドロマイト(苦灰石:MgCO3・CaCO3)を造滓剤として使用するが、使用済みタンディッシュ耐火物はMgOの含有量が低すぎること、及び塩基性成分の合計含有量が低すぎることから、マグネシアクリンカーやドロマイトの代替には成り得ない。また更に、生石灰(CaO)を用いた脱燐処理では、生石灰の滓化促進剤としてボーキサイト(Al23・2H2O)などのAl23源を使用することがあるが、使用済みタンディッシュ耐火物はAl23の含有量が低すぎて、ボーキサイトの代替には成り得ない。
そこで、使用済みタンディッシュ耐火物を有効利用する方法を検討した。その結果、使用済みタンディッシュ耐火物は発生ままのサイズでは大き過ぎることから、破砕或いは粉砕が必須条件であり、しかも、吹き付け施工などによって施工されるMgO被覆層5は、粒径が2mm以下の細粒のMgOを原料としていることから、この破砕或いは粉砕によってMgO分が細粒側に多く含まれるのではないかと考えた。MgOが濃縮されれば、転炉脱炭精錬におけるマグネシアクリンカーやドロマイトの代替に成り得る。
そこで、1基のタンディッシュの解体で発生した使用済みタンディッシュ耐火物の全量を30mm以下に破砕し、磁力選別によって地金を除去した後、10mm以下の細粒と、10mm超え30mm以下の粗粒とに篩い分けし、それぞれの化学組成を分析した。分析結果を表2に示す。
Figure 0005347317
表2からも明らかなように、細粒側にMgO分が濃縮されることが確認できた。また、塩基性成分であるMgOとCaOとの含有量を加えると、細粒の塩基性成分は50質量%を超えており、従って、細粒は、製鋼精錬反応においては「塩基性」として機能することも確認できた。つまり、MgO−C煉瓦などから構成される現在の塩基性転炉での溶銑の脱炭精錬に使用しても、炉体煉瓦を損傷しないことが確認できた。
即ち、MgO−C煉瓦などのMgO質煉瓦から構成される塩基性転炉では、炉体のMgO質煉瓦のスラグによる溶損を防止するために、マグネシアクリンカーやドロマイトなどのMgO源を造滓剤として使用し、予めスラグ中のMgO濃度を高めることが一般的に行われており、前記粒径が10mm以下の細粒は、マグネシアクリンカーやドロマイトと同様にMgO源としての造滓剤として利用可能であることが分かった。転炉炉体のMgO質煉瓦は、スラグと接触することによってMgO質煉瓦中のMgOがスラグに溶出することで溶損するが、予めスラグに飽和状態のMgOが溶解していると、MgO質煉瓦からのMgOの溶出が抑制される、つまり、炉体のMgO質煉瓦の溶損が抑制されるからである。尚、塩基性転炉での溶銑の脱炭精錬において酸性の物質を添加すると、炉体煉瓦は一気に損傷する。
一方、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒は、Al23が濃縮することから、生石灰を用いた転炉での溶銑の脱燐精錬(脱炭精錬前に実施することから「予備脱燐精錬」という)におけるボーキサイトの代替として、つまり生石灰の滓化促進剤として使用可能であることが分かった。溶銑の予備脱燐精錬は、溶銑鍋のようなフリーボードの小さい容器で行う場合もあるが、フリーボードの小さい容器では溶銑の攪拌力を強くすることができず、前記粗粒を添加しても滓化しない恐れがあるので、溶銑の転炉での予備脱燐精錬に使用することが望ましい。溶銑の予備脱燐精錬は、精錬温度が1350℃程度であり、溶銑の脱炭精錬での1650〜1720℃の精錬温度に比べて遥かに低いので、塩基性でない粗粒を転炉内に添加しても炉体煉瓦の損傷はほとんど進行しない。
本発明は上記検討結果に基づいて成されたものであり、Al23−SiO2系耐火物をワーク耐火物とし、該ワーク耐火物の表面にMgOの被覆層が施工された連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、破砕した使用済み耐火物を、粒径が10mm以下の細粒、及び、10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けし、篩い分けにより得た前記細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬における造滓剤として使用することを特徴とし、更に、好ましくは、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒を、転炉での溶銑の予備脱炭精錬における造滓剤として使用する。
粒径が10mm以下の細粒を溶銑の転炉脱炭精錬において使用した場合には、MgOによる炉体煉瓦の損耗防止効果のみならず、細粒に含有されるAl23及びSiO2によって炉内に添加する生石灰の滓化が促進されることから、脱炭精錬における脱燐反応が促進されるという効果も発現する。
ここに示す粒径は、篩い分けによって得られるものであることから、粒径が10mm以下の細粒とは、目開き寸法が10mmの篩いを通過する全てであり、見開き寸法が10mmの篩いを通過する限り、長軸が10mmを超える紡錘形であっても10mm以下の細粒と定義する。粒径が30mm以下の粗粒も同様である。
粒径が10mm以下の細粒を溶銑の転炉脱炭精錬において使用する場合に、粒径が10mm以下の細粒のみを添加する必要はなく、MgO源として、マグネシアクリンカー、ドロマイト、更には、MgO煉瓦屑、MgO−C煉瓦屑などを併用することは何ら問題とならない。同様に、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒を溶銑の転炉での予備脱燐精錬において使用する場合に、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒のみを添加する必要はなく、ボーキサイトなどの他のAl23源を併用することは何ら問題とならない。
以上説明したように、本発明によれば、連続鋳造用のタンディッシュ1から発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、粒径が10mm以下の細粒及び10mm超え30mm以下の粗粒の2種類に篩い分けするので、この細粒にはMgO被覆層に由来するMgO分が濃縮され、この細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬におけるMgO源の造滓剤として使用することにより、転炉炉体に施工されたMgO−C煉瓦の損耗を防止するのみならず、脱炭精錬における脱燐反応を促進させることができる。その結果、従来使用していたドロマイトなどの副原料が削減されるのみならず、使用済み耐火物に費やす産業廃棄物処理費が大幅に削減でき、工業上極めて有益な効果がもたらされる。
解体された連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、破砕した使用済み耐火物から磁力選別によって地金を除去した後、粒径が10mm以下の細粒、及び、10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けした。
そして、篩い分けした粒径が10mm以下の細粒を、MgO−C煉瓦をワーク煉瓦とする250トン転炉における溶銑の脱炭精錬において、炉体のMgO−C煉瓦を保護するためのMgO源用造滓剤として使用した。その際に、転炉から発生したMgO−C煉瓦屑の破砕したものも、MgO源用造滓剤として併用した。粒径が10mm以下の細粒及びMgO−C煉瓦屑の添加量は、転炉内のスラグのMgO含有量が7〜10質量%になるように調整した。
この転炉操業(本発明例)を継続して実施し、転炉のワーク煉瓦の残厚を100チャージ精錬する毎に、出鋼直後に測定した。図2に、ワーク煉瓦の残厚測定結果を示す。尚、図2には、転炉内のスラグのMgO含有量が7〜10質量%になるようにMgO−C煉瓦屑を添加して脱炭精錬した場合(比較例)、及び、MgO源用造滓剤を添加しないで脱炭精錬をした場合(従来例)を併せて示している。
本発明例においては、粒径が10mm以下の細粒に含まれるSiO2及びAl23がMgOの滓化を促進させることから、転炉内にMgOリッチのスラグが精錬初期から安定して形成され、それによって、図2に示すように、転炉炉体のMgO−C煉瓦の溶損が防止されることが確認できた。
また、本発明例においては、粒径が10mm以下の細粒に含まれるSiO2及びAl23が転炉に添加される生石灰の滓化を促進させることから、転炉脱炭精錬における脱燐反応を促進することも確認できた。図3に、転炉脱炭精錬における脱燐量(脱炭精錬前の溶銑中燐濃度−脱炭精錬後の溶銑中燐濃度)を上記比較例における結果と対比して示す。図3に示すように、本発明例においては、0.006質量%程度、脱炭精錬により溶製される溶鋼中の燐濃度が低下した。尚、図3に示す2本の直線はそれぞれの平均値を示しており、実線が本発明例における平均値で、一点鎖線が比較例における平均値である。
一方、篩い分けした粒径が10mm超え30mm以下の粗粒を、250トン転炉における溶銑の予備脱燐精錬において、脱燐精錬剤である生石灰の滓化促進用造滓剤として使用した。この場合に、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒の添加量を、溶銑トン当り6kg及び3kgの2水準で実施した。また、この粗粒を添加しない場合も実施し、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒の効果を確認した。
図4に、上記予備脱燐精錬における溶銑中の燐濃度の推移を示す。図4に示すように、粒径が10mm超え30mm以下の粗粒を添加することにより、溶銑中の燐濃度が迅速に低下することが確認できた。但し、この粗粒を溶銑トン当り6kg添加した場合にその効果が著しく、溶銑トン当り6kg程度添加することが好ましいことも確認できた。
連続鋳造設備で使用するタンディッシュの1例を示す側面断面図である。 転炉ワーク煉瓦の溶損速度を、本発明例、比較例及び従来例で対比して示す図である。 転炉での溶銑の脱炭精錬における脱燐量を、本発明例と比較例とで対比して示す図である。 転炉での溶銑の予備脱燐精錬における溶銑中の燐濃度の推移を各水準別に対比して示す図である。
符号の説明
1 タンディッシュ
2 鉄皮
3 永久張り煉瓦
4 不定形耐火物
5 MgO被覆層
6 ノズル受け煉瓦
7 上ノズル
8 スライディングノズル
9 固定板
10 摺動板
11 浸漬ノズル

Claims (1)

  1. Al23−SiO2系耐火物をワーク耐火物とし、該ワーク耐火物の表面にMgOの被覆層が施工された連続鋳造用タンディッシュから発生する使用済み耐火物を回収して30mm以下に破砕し、破砕した使用済み耐火物を、粒径が10mm以下の細粒、及び、10mm超え30mm以下の粗粒に篩い分けし、篩い分けにより得た前記細粒を転炉での溶銑の脱炭精錬における造滓剤として使用し、篩い分けにより得た前記粗粒を転炉での溶銑の予備脱燐精錬における造滓剤として使用することを特徴とする、使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法。
JP2008116880A 2008-04-28 2008-04-28 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法 Active JP5347317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116880A JP5347317B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116880A JP5347317B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009263742A JP2009263742A (ja) 2009-11-12
JP5347317B2 true JP5347317B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=41389959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008116880A Active JP5347317B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5347317B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101141077B1 (ko) * 2011-10-13 2012-05-03 케이티롤주식회사 압연롤 주조용 용탕주입장치
JP6167802B2 (ja) * 2013-09-26 2017-07-26 新日鐵住金株式会社 溶銑の精錬方法
JP6162672B2 (ja) * 2014-10-15 2017-07-12 Jfeスチール株式会社 使用済み耐火物の分離方法および分離装置
JP6162673B2 (ja) * 2014-10-15 2017-07-12 Jfeスチール株式会社 使用済み耐火物の分離回収方法および分離装置
CN115159961B (zh) * 2022-06-01 2024-02-13 玉溪新兴钢铁有限公司 一种连铸中包用废旧镁质干式料循环再利用的方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS591610A (ja) * 1982-05-28 1984-01-07 Shinagawa Rozai Kk 塩基性製鋼炉用複合造滓剤
JPS60180978A (ja) * 1984-02-27 1985-09-14 品川白煉瓦株式会社 タンデイツシユのライニング構造
JP3353550B2 (ja) * 1995-06-30 2002-12-03 日本鋼管株式会社 転炉耐火物溶損抑制方法
JP3991562B2 (ja) * 2000-08-07 2007-10-17 住友金属工業株式会社 無害化ステンレススラグとその製造方法
JP2004002915A (ja) * 2002-05-31 2004-01-08 Nippon Steel Corp 耐火物のスラグフォーミング鎮静材への使用方法およびスラグフォーミング鎮静材
JP4077774B2 (ja) * 2003-08-19 2008-04-23 新日本製鐵株式会社 使用済み耐火物の再利用方法
JP2005188798A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Jfe Steel Kk 使用済み耐火物の再利用方法及び溶融金属容器の内張り保護層の形成方法
ITMI20050539A1 (it) * 2005-04-01 2006-10-02 Techint Spa Metodo e apparato per il recupero di materiali refrattari di risulta e di scorie da siviera come scorie di processo nella produzione siderurgica in eaf e il relativo dosaggio al forno per la formazione della scoria di processo
JP4904858B2 (ja) * 2006-03-13 2012-03-28 Jfeスチール株式会社 溶銑の脱燐処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009263742A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4196997B2 (ja) 溶銑の処理方法
Jezierski et al. Selected aspects of metallurgical and foundry furnace dust utilization
JP5347317B2 (ja) 使用済みタンディッシュ耐火物の再使用方法
JP4077774B2 (ja) 使用済み耐火物の再利用方法
PL232186B1 (pl) Topnik do aglomeracji, sposób wytwarzania topnika do aglomeracji i zastosowanie żużli z metalurgii wtórnej
MX2007012034A (es) Metodo y aparato para recuperacion de escoria de metalurgia secundaria (lf) y su reciclado en el procedimiento de produccion de acero por medio de un horno de arco electrico.
JP5531536B2 (ja) 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法
JPH05339615A (ja) 製鋼廃れんがの有効活用方法
JP5017846B2 (ja) クロム含有鋼精錬スラグの再利用方法
JP3645818B2 (ja) 耐火物のリサイクル方法
JP3645843B2 (ja) 耐火物の再利用方法
Madias A review on recycling of refractories for the iron and steel industry
JP2003088845A (ja) 使用済耐火物の処理方法
JP2002263606A (ja) 使用済耐火物の処理方法
JP4187453B2 (ja) 高温溶融スラグの受鍋方法
JP6538522B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ耐火物の再利用方法
JP5303915B2 (ja) 使用済みMgO−C煉瓦の利用方法
Viklund-White et al. Utilization of spent refractories as slag formers in steelmaking
JP2013129861A (ja) 溶銑の脱硫方法
CN111434783A (zh) 电炉炼钢用造渣剂及其制造方法
KR102522360B1 (ko) 크롬 함유 용철의 제조 방법
JP6065792B2 (ja) 溶銑出湯中の発煙防止方法
JP5862594B2 (ja) 溶銑出湯時の発塵防止方法
JP5807370B2 (ja) 溶銑の脱硫方法
KR100264989B1 (ko) 대형지금 발생방지용 슬래그 분화재

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110324

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5347317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250