JP5017846B2 - クロム含有鋼精錬スラグの再利用方法 - Google Patents

クロム含有鋼精錬スラグの再利用方法 Download PDF

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本発明は、転炉、AOD炉(アルゴン−酸素−脱炭精錬炉)またはVOD炉(真空−酸素−脱炭精錬炉)などの精錬炉でクロム含有鋼を酸化精錬する際に発生するスラグの再利用方法に関し、詳しくは、前記スラグに含有されるクロム分を分離し、分離したクロム分及びクロム分の分離されたスラグを再利用する方法に関するものである。
ステンレス鋼のようなクロム含有溶鋼を製造する方法としては、スクラップを主たる原料として電気炉でクロム含有溶湯を溶製した後、このクロム含有溶湯をAOD炉或いはVOD炉を用いて酸化精錬して製造する方法と、溶銑の存在下でクロム鉱石を溶融還元してクロム含有溶銑を溶製した後、このクロム含有溶銑を上底吹き転炉を用いて酸化精錬して製造する方法とがある。
これらのクロム含有鋼製造プロセスでは、転炉、AOD炉、VOD炉などの精錬炉におけるクロムの酸化反応をできるだけ抑制して酸化精錬している、つまり脱炭精錬を行っているが、スラグ中へのクロムの移行を完全には抑止することができない。クロムは鉄に比べて高価であるため、スラグ中の酸化クロム量をどこまで低減できるかが経済的に重要な課題となっている。
このスラグ中へ移行したクロム分を回収するために、酸化精錬後にFe−Si合金などの還元剤をスラグに添加して、クロムの還元回収処理が行われている。スラグ中のクロム分を徹底的に回収しようとすると、スラグ中のクロム濃度が低下するに伴って酸化クロムの還元効率が低下するので、還元剤の投入量が増え、処理コストの増加を招くという問題が生ずる。そのため、スラグ中のクロムを或る程度まで還元したなら、クロムの還元回収処理を終えて精錬炉から排出するのが一般的である。
このように、精錬炉内で還元回収処理を行うものの、クロム含有鋼の酸化精錬で発生するスラグは、低濃度ではあるがクロムを含有している。このため、使用環境下での水へのクロムの溶出を恐れ、これまでクロム含有鋼の酸化精錬で発生するスラグは有効に利用されることは少なかった。尚、本発明では、ステンレス鋼などのクロム含有鋼の酸化精錬時に発生するスラグをクロム含有鋼精錬スラグと称する。精錬炉において、クロムの還元回収処理が施されたスラグも、またクロムの還元回収処理が施されないスラグも全てクロム含有鋼精錬スラグと称する。
クロム含有鋼精錬スラグ中のクロムを回収する方法として種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に発生するスラグを、予め脱燐処理を施した溶銑を収容する取鍋に排出し、スラグ温度を1500〜1700℃まで昇熱し、アルミドロスを添加してスラグ中のクロム酸化物を還元し、クロムを溶銑中に回収する方法が開示されている。
一方、クロム含有鋼精錬スラグを有効利用する方法として、特許文献2には、酸化精錬後のクロム含有鋼精錬スラグにFe−Si合金などを添加して還元処理を施し、スラグ中の全クロム(「T.Cr」とも記す)濃度を0.3〜3.0質量%の範囲に調整し、そのスラグにホウ素酸化物を添加した後に冷却し、冷却後のスラグを焼結原料または高炉原料としてリサイクルする方法が開示されている。
特開2002−69520号公報 特開2004−244728号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1の方法では、スラグを昇熱し且つ還元剤を添加する必要があり、昇熱のエネルギーや還元剤の使用により、処理コストが高くなるという問題点がある。また、精錬炉で行うクロムの還元回収処理と同様に、スラグ中のクロム濃度が低くなると酸化クロムの還元効率が低下し、更に処理コストの増大を招くという問題がある。
特許文献2の方法では、高炉は還元製錬であるために、クロム含有鋼精錬スラグに含有されるクロムの大部分が溶銑中に移行することになり、高炉から出銑された溶銑のクロム濃度が、クロム含有鋼精錬スラグのクロム濃度とリサイクル量とに応じて高くなるという問題点がある。高炉から出銑された溶銑のクロム濃度が製品製造上問題ない範囲であれば、クロム含有鋼精錬スラグのリサイクルも可能であるが、クロム含有鋼精錬スラグのクロム濃度が高い場合にはリサイクル量は制限されることになる。また、特許文献2に開示される、クロム含有鋼精錬スラグを製鉄工程内でリサイクルする方法では、クロムの環境への溶出の心配は無くなるという利点はあるものの、クロム含有鋼精錬スラグ中のクロムは有効に利用されているとはいい難い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、クロム含有鋼の酸化精錬時に発生するクロム含有鋼精錬スラグからクロム分を容易に分離・回収することができ、分離・回収したクロム分及びクロム分の分離されたスラグを有効に利用することのできる再利用方法を提供することである。
本発明者等は、上記目的に適うクロム含有鋼精錬スラグの分離方法及び再利用方法について種々の検討を行った。
その結果、クロム含有鋼精錬スラグを磁力選別し、磁着物と非磁着物とに分離すると、クロム含有鋼精錬スラグ中のクロム分は磁着物側に集まるとの知見が得られた。この場合、下記の(1)式で定義されるクロム分離率が30%以上となるように磁力選別の条件を設定することで、磁着物側にはクロム含有鋼精錬スラグの有するクロム分が回収されて、磁着物をクロム原料として再使用可能であると同時に、非磁着物のクロム濃度は大幅に低減して、非磁着物側のスラグの有効利用が促進されるとの知見が得られた。ここで、磁着物率(%)は、「(磁力分離後の磁着物の質量)×100/(磁力分離前の質量)」である。
Figure 0005017846
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係るクロム含有鋼精錬スラグの再利用方法は、クロム含有鋼の酸化精錬で発生する、冷却後の鉱物相のダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO 2 )によって冷却過程で粉化するスラグを冷却し、次いで、上記の(1)式で定義されるクロム分離率が30%以上となる範囲で、冷却後の粒径10mm未満のスラグを、磁束密度が0.3T以上0.5T未満のドラム式磁力選別機を用いて磁着物と非磁着物とに分離し、分離した非磁着物を、粉状鉄鉱石の塊状化工程である焼結工程の粘結剤原料として再利用することを特徴とするものである。
の発明に係るクロム含有鋼精錬スラグの再利用方法は、第1の発明において、分離した磁着物を、クロム含有鋼の溶製工程でクロム源として再利用することを特徴とするものである。
本発明によれば、クロム含有鋼精錬スラグを、磁力によりクロム分離率が30%以上となるように磁着物と非磁着物とに分け、磁着物をクロム含有鋼の溶製工程に、非磁着物を焼結工程に再利用するので、従来は困難であったクロム含有鋼精錬スラグ中のクロムの有効利用をほぼ完全に実現でき、クロム含有鋼の溶製コストを大幅に削減することが可能となる。また、クロム分が分離された後のクロム含有鋼精錬スラグは、クロム含有量が低下することから、焼結工程の粘結剤原料として使用する際には、リサイクル量を大幅に増大することが可能となり、発生するクロム含有鋼精錬スラグの全量を有効に再利用することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
ステンレス鋼などのクロム含有鋼の酸化精錬(通常は脱炭精錬)時に発生するスラグの性状を詳細に調査した結果、磁力により分離した磁着物はクロム濃度が高いことが判明した。
通常、転炉、AOD炉、VOD炉などの精錬炉を用いて行うステンレス鋼の脱炭精錬の際には、炉内の溶融スラグ中の酸化クロム濃度が高くなるため、吹錬末期にFe−Si合金などの還元剤をスラグに添加し、スラグ中の酸化クロムを還元して溶融メタルに戻している。そのため、ステンレス鋼精錬スラグは、普通鋼脱炭精錬スラグと比べて塩基度(CaO/SiO2 )が低く、燐酸化物(P25)もほとんど含有していない。また、スラグのクロム濃度も多くても2質量%程度であり、それほどには高くない。また、ステンレス鋼の脱炭精錬時に発生するスラグの冷却後の鉱物相は、ダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO2)が主体となっていて、ダイカルシウム・シリケートの相変態に起因して、冷却過程でスラグ全体が粉化するという特徴がある。
この粉化したスラグから磁力により分離した磁着物には、メタル粒だけでなく、黒っぽい粒状物及び粉状物が含まれている。一方、非磁着物は白っぽい粉状物ばかりとなる。
磁着物と非磁着物とに分離した後、それぞれの化学成分を分析すると、磁着物の全クロム濃度は8〜10質量%と高いのに対し、非磁着物では0.6〜0.8質量%と低いことが分かった。即ち、磁力により高クロム部分と低クロム部分とに分離することが可能であることが分かった。
また、ニッケルを含有するステンレス鋼の脱炭精錬時に発生したスラグと、ニッケルを含有しないステンレス鋼の脱炭精錬時に発生したスラグとで比較すると、ニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼精錬時に発生するスラグの方が磁力で分離し易いことも分かった。
磁着物中のメタル粒以外の部分にもクロムが濃化している原因を調べるため、X線回折法により、磁着物のクロム含有鉱物の形態を同定した。その結果、クロムはクロマイト(FeCr24 )の形態で存在していることが分かった。鉄酸化物は強磁性のマグネタイト(Fe34 )として存在している。
クロマイト(FeCr24 )自体が弱磁性を示す鉱物であるが、クロマイトのCrはFe3+で置換され、マグネタイト(Fe34 )のFe3+はCrで置換される関係にあり、両者が固溶体のような形態で存在していると推定される。磁力分離前のスラグにおいては、クロマイト(FeCr24 )が強磁性のマグネタイト(Fe34 )とともに存在していること、及び、その他の磁化されないダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO2)の部分は粉状となっていることから、磁力で容易に高クロム分と低クロム分とに分離できるものと考えられる。従来、ステンレス鋼スラグは粉状で利用し難いと考えられていたが、磁着物を鉱物として分離するには、むしろ粉状であることが有利に働いている。
従って、本発明において磁力分離に供するクロム含有鋼精錬スラグは、酸化精錬炉から排出したスラグを冷却したものである。必要に応じて篩分け処理及び/または粉砕処理により粗粒物を除去してもよく、粒径10mm未満の大きさとして磁力分離に供することが好ましい。
また、磁力により分離した磁着物及び非磁着物は、後述するように、それぞれクロム含有鋼の溶製工程、高炉製錬用焼結鉱製造工程に再利用することが好ましいことから、前述した(1)式で定義されるクロム分離率が30%以上となるように分離する必要がある。クロム分離率が30%未満では、クロムの回収が不足するからである。磁力分離する際のクロム分離率はできるだけ高くすることが望ましいが、クロムを含有する非磁着物も存在することから、上限として80%以下が適当である。更に好ましいクロム分離率の範囲は30〜60%である。尚、クロム分離率は、磁力分離によりスラグ中のクロム濃度がどの程度減少したかを表す指標である。
磁力分離処理において、上記の好適なクロム分離率を得るために、種々の磁力分離方法を検討した結果、上記の好適なクロム分離率を得るためには、スラグと直接接触して分離するドラム式磁力選別機が適していることが分かった。
通常、鉄鋼スラグでは、冷却後、破砕・分級工程のベルトコンベアによる輸送中に、コンベアの上部に吊り下げた磁石でスラグ中の地金を分離する処理が行われている。この方法を用いてクロム含有鋼精錬スラグの分離を試みたが、この吊り下げ方式では、磁着物として回収できる量が数%と少なく、しかも磁着物の大半はメタル粒であった。金属の回収が目的の場合には、吊り下げ方式の磁力選別機は、金属品位のよいもの即ちスラグの混入の少ないものを分離することができるので適している。しかし、粉状のクロム含有鋼精錬スラグから磁着物を分離する手段としては適していない。
一方、ドラム式磁力選別機では、回転するドラムにスラグを接触させてドラム内部に設置した磁石の磁力により、磁着物をドラム表面に接触させた状態で分離するため、粉状物層内にある磁着物の分離が、上記吊り下げ方式の磁力選別機よりも容易に且つ効果的に行われる。ドラム式磁力選別機でも磁束密度により磁着物の分離効果に影響があるが、概ね0.3T(3000ガウス)程度が、磁着物の分離率が高く且つ磁着物中のクロム含有率が高いことから、良好である。0.1T(1000ガウス)程度と磁力が弱い場合には、磁着物はほとんどメタル粒となり、クロマイトが回収されなくなり、クロムの再利用ができない。一方、0.5T(5000ガウス)まで磁力を強めると、磁着物の量は多くなるが、スラグ分も多くなり磁着物中のクロム濃度が低くなり、再利用に問題を生ずる。勿論、ドラム式磁力選別機へのスラグの供給量やドラムの回転速度の影響で、最適な磁束密度は変化するので、使用条件、必要なクロム分離率に応じた磁束密度とすればよい。
分離した磁着物は、クロム含有鋼の溶製工程にクロム源として再利用して、クロムをクロム含有溶湯のクロム分として回収する。この再利用に際しては、各種精錬炉へ副原料投入シュートなど介して直接投入するか、溶銑鍋などに前置きして投入すればよい。但し、メタル粒としてのクロムは直ちにクロム含有溶湯に溶解するが、クロマイトは還元する必要があるので、従って、磁着物の再利用は、酸化精錬炉よりもクロム鉱石を溶融還元する溶融還元炉等の還元炉に再使用するほうが効果的である。
分離した非磁着物は、高炉製錬用焼結鉱製造工程に再利用する。つまり、粉状鉄鉱石の塊状化工程である焼結工程において粉鉱石の粘結剤(バインダー)原料として再利用する。再使用する際には、高炉で溶製される溶銑のクロム濃度が規定値を超えないように、配合量を設定することが好ましい。
以上のように磁着物及び非磁着物をそれぞれ再利用することで、クロム含有鋼精錬スラグ中のクロムの有効利用をほぼ完全に実現することができ、且つクロム含有鋼精錬スラグの製鉄所外への排出も全くないことから、クロムの環境への溶出を未然に防止することができる。
容量175トンの上底吹き転炉を用いて、ステンレス鋼の酸化精錬を行った。ここでは別の上底吹き転炉でクロム鉱石の溶融還元を行い、溶製したクロム含有溶湯を酸化精錬、つまり脱炭精錬してステンレス鋼を溶製した例である。
クロム含有溶湯(炭素:5.5質量%、クロム:9〜13質量%)を装入した転炉において、60〜70分間の酸化精錬で脱炭処理を行い、酸化精錬終了時のクロム含有溶鋼中の炭素濃度を0.07〜0.20質量%の範囲に調整した。吹錬中のCaO投入量は、クロム源として添加するFe−Cr合金中のSi濃度を計算して、スラグの塩基度(CaO/SiO2 )が2.0になるように調整した。酸化精錬後に引き続き行われるクロムの還元回収処理では、還元回収処理前に採取したスラグサンプルの分析結果を基に、酸化したクロム量を推定し、還元剤として投入するFe−Si合金の投入量を決め、Fe−Si合金が酸化して生成するSiO2の計算値から、スラグの塩基度が2.0になるようにCaOの投入量を決定した。また、スラグの流動性を高めるため、ホタル石をCaO投入量の5〜10質量%になるように投入するとともに、転炉内の耐火物保護のために、スラグ中のMgO濃度が7質量%以上になるようにMgO源を投入した。
このようにして溶製したステンレス溶鋼を精錬炉から1700℃程度の温度で取鍋に出湯した後、溶融スラグをスラグ鍋に排出した。その後、溶融スラグをスラグ鍋から土間に返して冷却し、粒径10mm未満のステンレス鋼精錬スラグとした。
このステンレス鋼精錬スラグを、クロム含有鋼精錬スラグとして磁力により分離するに当たり、本発明例では、冷却後のスラグを、図1に示すように、ドラム式磁力選別機を用いて分離処理した。図1は、ドラム式磁力選別機を用いた分離処理方法の概要を示す図である。ここでは、設備全体が移動可能な形式の磁力選別機を用い、磁束密度は0.3T(3000ガウス)とした。
分離処理は以下の手順で実施した。即ち、投入ホッパー1に原料のステンレス鋼精錬スラグ2を入れ、投入ホッパー1から排出されるステンレス鋼精錬スラグ2をコンベア3により振動樋フィーダー4に搬送し、振動樋フィーダー4から回転するドラム7へステンレス鋼精錬スラグ2を供給した。ドラム7の内部には磁石6が設置されている。ドラム7への供給速度はコンベア3の速度により調整した。また、振動樋フィーダー4の振動と層厚制御ゲート5の開度との調整で、ドラム7へ供給するステンレス鋼精錬スラグ2の層厚及び幅を調整した。ドラム7と接触したステンレス鋼精錬スラグ2のうちの磁着物12はドラム7に付着し、ドラム7の回転方向に運ばれ、ドラム7の内部に磁石6の設置されていない位置までくるとドラム7から離れて、磁着物用コンベア8に落下して、磁着物用コンベア8で運ばれる。一方、非磁着物13はドラム7には付着せずに非磁着物用コンベア9に落下し、非磁着物用コンベア9で運ばれる。
また、比較例として、図2に示す吊り下げ式磁力選別機でも分離処理を行った。磁石6の磁束密度は0.3T(3000ガウス)とした。ステンレス鋼精錬スラグ2の供給速度は、コンベア3の速度で調整し、コンベア3の先端直上に設置した吊り下げ式の磁石6でステンレス鋼精錬スラグ2から磁着物12を分離した。磁着物12は磁石6の周囲に設置した回転ベルト11に付着し、磁石6の設置されていない位置に来たときに、回転ベルト11から離れて、磁着物用コンベア8に落下する。非磁着物13はコンベア3の先端からそのまま落下し、非磁着物用コンベア9に落下して運ばれる。図2の符号10は、磁着物12と非磁着物13とを分離するための仕切り板である。
表1に本発明例及び比較例における磁力を用いた分離処理の結果の一覧を示す。また、図3には、磁力選別機におけるステンレス鋼精錬スラグの処理速度と、前述した(1)式で定義されるクロム分離率との関係を示す。
Figure 0005017846
表1及び図3からも明らかなように、ドラム式磁力選別機を用いた本発明例では、クロム分離率は処理速度に拘わらず30%以上であり、処理速度が増加してもクロム分離率は低下せず、むしろ高くなり、最大で55%近くまで達した。一方、吊り下げ式磁力選別機を用いた比較例では、磁着物中のクロム濃度は高いものの、磁着物として分離できる比率(磁着物率)が2%以下と低く、そのため、クロム分離率も小さくなった。
本発明例1〜7で分離した磁着物12をクロム鉱石の溶融還元炉に投入して再利用したところ、クロム鉱石と同様に還元することができた。また、本発明例1〜7で分離した非磁着物13を焼結工程で粘結剤として使用したところ、クロム含有量の低下により、その配合量を磁力分離しないときの1.6倍に増加することができた。
ドラム式磁力選別機を用いた本発明例における分離処理方法の概要を示す図である。 吊り下げ式磁力選別機を用いた比較例における分離処理方法の概要を示す図である。 スラグの処理速度とクロム分離率との関係を示す図である。
符号の説明
1 投入ホッパー
2 ステンレス鋼精錬スラグ
3 コンベア
4 振動樋フィーダー
5 層厚制御ゲート
6 磁石
7 ドラム
8 磁着物用コンベア
9 非磁着物用コンベア
10 仕切り板
11 回転ベルト
12 磁着物
13 非磁着物

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  1. クロム含有鋼の酸化精錬で発生する、冷却後の鉱物相のダイカルシウム・シリケート(2CaO・SiO 2 )によって冷却過程で粉化するスラグを冷却し、次いで、下記の(1)式で定義されるクロム分離率が30%以上となる範囲で、冷却後の粒径10mm未満のスラグを、磁束密度が0.3T以上0.5T未満のドラム式磁力選別機を用いて磁着物と非磁着物とに分離し、分離した非磁着物を、粉状鉄鉱石の塊状化工程である焼結工程の粘結剤原料として再利用することを特徴とする、クロム含有鋼精錬スラグの再利用方法。
    Figure 0005017846
  2. 分離した磁着物を、クロム含有鋼の溶製工程でクロム源として再利用することを特徴とする、請求項1に記載のクロム含有鋼精錬スラグの再利用方法。
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