JP4598696B2 - 使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物 - Google Patents

使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、製鉄所から発生した使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物に関する。
従来、例えば、製鉄所では、鍋、浸漬管、トピードカー、ランス、又はタンディッシュに、耐火物が使用されている。使用後の耐火物(以下、使用済み耐火物ともいう)は、廃棄、例えば、埋立処分されており、有効利用が図れず、しかも処分に費用がかかり経済的でない。そこで、以下のようなリサイクル方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、アルミナ−シリカ質の使用済み耐火物の3mm以上40mm以下の粒度範囲の塊状物及び粗粒物を、未使用耐火物原料と共に使用するリサイクル方法が開示されている。
また、特許文献2には、アルミナ質及びアルミナ−マグネシア質の使用済み耐火物を用いたリサイクル方法が開示されている。
特開2000−143355号公報 特開平9−165270号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたリサイクル方法は、アルミナ−シリカ質以外の成分で構成される使用済み耐火物に関しては適用できず、また3mm未満の粒度範囲、即ち微粒物は廃棄物として残る。このため、他の成分で構成される使用済み耐火物及び微粒物は、有効利用できず、しかも埋立処分する必要があり、更なるリサイクル量の拡大を図ることができないと共に不経済である。
また、特許文献2に開示されたリサイクル方法は、アルミナ質及びアルミナ−マグネシア質以外の使用済み耐火物に関しては適用できず、また使用済み耐火物の再利用のために行う粉砕により発生する5mm未満の使用済み耐火物を再利用しないため、この微粒物が廃棄物として残る。このため、上記した特許文献1の場合と同様、他の成分で構成される使用済み耐火物に利用できない物は、有効利用できず、しかも埋立処分する必要があり、更なるリサイクル量の拡大を図ることができないと共に不経済である。
なお、使用済み耐火物の種類毎にリサイクル方法を変えることも考えられるが、複数のリサイクル方法を使用するため、作業が複雑になり、作業性も良好でない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、リサイクル耐火物原料をリサイクルに適した粒度分布に調整でき、従来よりも使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能で、しかも廃棄処分量を抑制可能な使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法は、複数種類の使用済み耐火物をそれぞれ破砕し、塊状物と残部に分級する粗分級工程と、
前記粗分級工程で分級した前記残部を、更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、
異なる種類の前記使用済み耐火物の前記粗粒物と前記微粒物を所定割合で混合し、該異なる種類の前記使用済み耐火物の該粗粒物と該微粒物を含むリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程とを有し、
前記原料製造工程で製造した前記リサイクル耐火物原料を、不定形耐火物の少なくとも一部に使用し、前記リサイクル耐火物原料には、更に、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、前記リサイクル耐火物原料の10質量%以上40質量%以下外掛けで添加する
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記複数種類の使用済み耐火物はれんがと不定形耐火物を含むことが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粗分級工程で行う分級のしきい値Aを、3mm以上10mm以下の範囲内とし、前記細分級工程で行う分級のしきい値Bを、0.5mm以上3mm未満の範囲内とすることが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記しきい値Aと前記しきい値Bとの比(A/B)を、2以上8以下にすることが好ましい
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記原料製造工程で製造する前記リサイクル耐火物原料は、水分を添加した該リサイクル耐火物原料を容器に入れ、これを該リサイクル耐火物原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して前記容器を取外した後、前記載置台に振動を付与する試験方法を使用し、前記リサイクル耐火物原料に含まれる水分量を12質量%とし、かつ振動を付与する前の前記リサイクル耐火物原料の最大幅を100mmとした場合に、振動付与後に前記載置台上に広がった前記リサイクル耐火物原料の最大幅を120mm以上250mm以下の範囲内にすることが好ましい。
第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法において、少なくとも一部が前記リサイクル耐火物原料で構成される前記不定形耐火物を、溶湯に接触しない部位及びウェアー耐火物表面のいずれか一方又は双方に施工することが好ましい。
前記目的に沿う第の発明に係る不定形耐火物は、第1の発明に係る使用済み耐火物のリサイクル方法を用いて製造している。
請求項1〜記載の使用済み耐火物のリサイクル方法、及び請求項6記載の使用済み耐火物のリサイクル方法を用いて製造した不定形耐火物は、異なる種類の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を含むリサイクル耐火物原料を製造するので、例えば、従来のように、同種の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を混合する際に必然的に発生する粗粒物又は微粒物の余剰を抑制できる。これにより、従来よりもリサイクル量の拡大を図ることが可能になり、使用済み耐火物の廃棄処分量を抑制できる。
また、リサイクル耐火物原料は、粗粒物と微粒物を含むので、リサイクル原料として適した粒度分布に調整でき、例えば、流動性を向上できる。
そして、1つのリサイクル方法で、複数種類の使用済み耐火物に対応できるため、作業を単純にでき、作業性も良好である。
特に、請求項1記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、原料製造工程で製造したリサイクル耐火物原料の流動性が高められているので、充填率を向上可能であり、比較的高強度のリサイクル耐火物原料を得ることが可能になる。従って、このリサイクル耐火物原料を使用することで、強度を高めた不定形耐火物を得ることができる。
また、請求項1記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、リサイクル耐火物原料に、微粒の未使用耐火物を所定量添加することにより、リサイクル耐火物原料の粒度分布を適切な状態に調整できるので、リサイクル耐火物原料の流動性及び充填性の低下を抑制でき、例えば、リサイクル耐火物原料を使用した施工体の強度及び耐食性の低下を抑制できる。
求項2記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、複数種類の使用済み耐火物が、れんがと不定形耐火物を含むので、れんがの破砕により多く発生する傾向にある粗粒物と、不定形耐火物の破砕により多く発生する傾向にある微粒物とを混合してリサイクル耐火物原料を製造できる。このような粗粒物と微粒物を混合してリサイクル耐火物原料を製造することで、使用済み耐火物の余剰抑制効果を更に大きくできる。
請求項3記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、粗分級工程で行う分級のしきい値Aと、細分級工程で行う分級のしきい値Bとを、それぞれ所定範囲内に設定するので、粗粒物と微粒物の粒度を適切に設定できる。これにより、例えば、細分級の際の目詰まり防止による分級精度の向上を図ることができると共に、製造するリサイクル耐火物原料の流動性も向上できる。
請求項4記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、粗分級工程で行う分級のしきい値Aと、細分級工程で行う分級のしきい値Bとの比を設定するので、粗粒物と微粒物の分級粒度を更に適切に設定でき、製造するリサイクル耐火物原料の流動性を更に向上できる。
請求項記載の使用済み耐火物のリサイクル方法は、製造するリサイクル耐火物原料の原料組成を規定していないため、化学的な侵食に対しては弱いが、充填率を高くすることは可能であり、その結果、機械的強度を高くできる。従って、このリサイクル耐火物原料で構成される不定形耐火物を、溶湯に接触しない部位、例えば、溶鋼又は溶融スラグに接触しない部位に適用することで、長寿命な使用が可能になる。
また、溶鋼流による摩耗又は熱衝撃により、ウェアー耐火物が損傷する部位においては、リサイクル耐火物原料で構成される不定形耐火物を、例えば、その表面の保護材及び補修材として使用することで、ウェアー耐火物の損傷を低減させる効果が得られ、そのための補修材を安価にできる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法の説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法(以下、単にリサイクル方法ともいう)は、複数種類(本実施の形態ではX、Yの2種類)の使用済み耐火物をそれぞれ破砕し、塊状物と残部に分級する粗分級工程と、粗分級工程で分級した残部を、更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、異なる種類の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を所定割合で混合し、異なる種類の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を含むリサイクル耐火物原料(以下、単にリサイクル原料ともいう)を製造する原料製造工程とを有する。以下、図1を参照しながら詳しく説明する。
まず、使用済み耐火物X、Yを回収する回収工程を行う。
回収対象となる使用済み耐火物X、Yは、製鉄所から発生するものであり、例えば、鍋、浸漬管、トピードカー、ランス、及びタンディッシュのいずれか1又は2以上で使用されたものである。各使用済み耐火物X、Yの回収に際しては、例えば、各使用済み耐火物X、Yの発生場所に応じて、その化学成分が異なるため、それぞれ個別に回収している。なお、本実施の形態では、各使用済み耐火物の成分系が異なれば、異なる種類の使用済み耐火物と定義する。
ここで、使用済み耐火物X、Yは、破砕により粗粒を多く発生する傾向にあるれんがと、破砕により微粒を多く発生する傾向にある不定形耐火物であることが好ましいが、れんが同士、又は不定形耐火物同士であってもよい。これは、れんが破砕後の粒度分布と不定形耐火物破砕後の粒度分布の相対比較により得られた知見である。
この回収した使用済み耐火物X、Yには、例えば、地金又はスラグのような異物が付着(以下、単に付着異物ともいう)したり、また内部に入り込んでいる(以下、単に差込異物ともいう)。
次に、回収した使用済み耐火物X、Yを粗破砕し、付着異物を除去する異物除去工程を、それぞれ個別に行う。
ここでは、回収した使用済み耐火物X、Yを、例えば、ブレーカを使用して、後工程で使用する破砕機に投入可能な大きさにそれぞれ粗破砕する。この粗破砕により、使用済み耐火物X、Yから分離した異物、主として付着異物を、例えば、手選別及び磁力選別機のいずれか一方又は双方を使用し、分別して除去する。
続いて、付着異物が除去された使用済み耐火物X、Yを更に細破砕(粉砕)し、差込異物を除去した後、この破砕された使用済み耐火物(破砕物)X、Yを分級する粗分級工程を、それぞれ個別に行う。
ここでは、まず、異物除去工程で、付着異物が除去された使用済み耐火物X、Yを連続的に破砕機へそれぞれ供給し、目的粒度に応じた破砕を行うと共に、破砕により分離した異物、主として差込異物を、例えば、磁力選別機を使用して除去する。
このように、異物が除去され破砕された使用済み耐火物X、Yを、例えば篩選別機を使用して、塊状物Xa、Yaと残部Xr、Yrにそれぞれ粗分級する。なお、粗分級工程で行う分級のしきい値Aは、3mm以上10mm以下の範囲内とすることが好ましい。
ここで、粗分級のしきい値Aが10mmを超える場合、リサイクル原料を使用して製造可能なれんが厚さ又は不定形耐火物の施工厚さが厚くなり過ぎ、例えば、一般的な形状のれんがの原料として使用できない。特に、このような大きさのリサイクル原料を不定形耐火物として施工する場合には、例えば、充填対象であるコーナー部に未充填部が生じたり、施工するリサイクル原料とその施工面との継目部から、施工したリサイクル原料が剥離し易くなるという問題が発生する。更に、10mmを超える粒径の塊状物は、例えば本出願人らが出願した特開2002−321968号公報、及び前記特許文献1のようなリサイクル技術もあり、使用用途が十分ある。
一方、粗分級のしきい値Aが3mm未満の場合、リサイクル原料中の粒径が小さな粒子量が相対的に増え過ぎ、タップフロー値(TF値ともいう)が悪化する(流動性が悪過ぎる)。また、残部中に含まれる粗粒物の配合量を減少させると、リサイクル原料の骨材粒子(例えば、1mm以上)の減少を招き、タップフロー値の改善はできない。
以上のことから、粗分級のしきい値Aを、3mm以上10mm以下の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を8mmとし、下限値を4mmとする。
上記したタップフロー値とは、リサイクル原料の粒子の充填性を評価する手法として、JIS R2521−1995に記載されたフロー試験方法を使用して得られる値である。なお、本実施の形態では、12質量%の水分を添加したリサイクル原料を容器に入れ、これをリサイクル原料が載置台の上面に接触するように逆さまに配置して容器を取外した後、この載置台に振動を付与することにより行っており、載置台上に広がったリサイクル原料の最大幅をタップフロー値として求めている。ここで使用した容器は、載置台上に逆さまに配置した際に円錐台となっており、その載置台と接触した部分(リサイクル原料を入れるときは上端部分)の内径が100mm(誤差:±0.5mm)、上端(リサイクル原料を入れるときは底)の内径が70mm(誤差:±0.5mm)、高さが60mm(誤差:±0.5mm)である。
次に、粗分級工程で分級した残部Xr、Yrを、篩選別機を使用して、更に粗粒物Xb、Ybと微粒物Xc、Ycとに分級する細分級工程を、それぞれ個別に行う。なお、細分級工程で行う分級のしきい値Bは、0.5mm以上3mm未満の範囲内とすることが好ましい。
ここで、細分級のしきい値Bが3mm以上の場合、分級後の微粒物中に混入する骨材粒子(例えば、粒径が1mm以上のもの)量が増え過ぎ、リサイクル原料に流動性を付与する粒径1mm以下の粒子の粗粒物に対する量比が制御しにくくなる。
一方、細分級のしきい値Bが0.5mm未満の場合、例えば、篩目を使用する際には篩目の目詰まりにより、またバーを使用して分級する際にはバーへの粉付着により目詰まりが生じて、分級精度が悪化する。
以上のことから、細分級のしきい値Bを、0.5mm以上3mm未満の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を2mmとし、下限値を0.7mmとする。
なお、上記した粗分級のしきい値Aと細分級のしきい値Bとの比(A/B)は、2以上8以下にすることが好ましい。
ここで、しきい値Aとしきい値Bとの比(A/B)が2未満の場合、制御しようとする粒度範囲の幅、即ちしきい値Aとしきい値Bとの間(以下、A−B間という)の幅が狭くなり過ぎ、粗粒部(A−B間の粒度)と微粒部(しきい値Bの粒度未満)に偏りが生じる。ここで、粒度範囲が微粒部側に偏る場合は、タップフロー値が低くなり、また、粗粒部側に偏る場合は、タップフロー値が過度に増大し、リサイクル原料と水分との分離が発生するため、流動性の面から最適な粗粒物と微粒物の比率を確保できない。
一方、しきい値Aとしきい値Bとの比(A/B)が8を超える場合、制御しようとするA−B間の幅が広くなり過ぎ、粗粒部と微粉部のそれぞれに粒度のピークが発生し、流動性の面から最適な粗粒物と微粒物との比率を確保できず、流動性が悪化してタップフロー値の低下又は粒度分布の不均一が発生してしまう。
以上のことから、粗分級のしきい値Aと細分級のしきい値Bとの比(A/B)を、2以上8以下の範囲内に設定したが、好ましくは上限値を7とし、下限値を3とする。
なお、上記した粗分級及び細分級に際しては、使用済み耐火物に含まれる水分により、粗粒物への微粒物の付着が生じ、分級後の粒度分布が不安定になる。そこで、これを防止するため、使用済み耐火物に含まれる水分量を、5質量%以下、望ましくは2質量%以下にするとよい。この方法としては、例えば、回収工程での使用済み耐火物を屋内に保管したり、また粗分級工程又は細分級工程の直前の使用済み耐火物を乾燥装置で乾燥する手段が挙げられる。
続いて、細分級工程で分級した異なる種類の使用済み耐火物X、Yの粗粒物Xb、Ybと微粒物Xc、Ycを所定割合で混合し、異なる種類の使用済み耐火物X、Yの粗粒物Xbと微粒物Yc、又は粗粒物Ybと微粒物Xcを含むリサイクル原料を製造する原料製造工程を行う。なお、リサイクル原料を構成する粗粒物と微粒物の組み合わせは、これに限定されるものではなく、例えば、粗粒物Xb、Yb及び微粒物Xc、Ycのいずれか2以上の組み合わせから、同じ種類の使用済み耐火物から得られる粗粒物Xbと微粒物Xcの組み合わせと、粗粒物Ybと微粒物Ycの組み合わせを除いたものでもよい。
また、リサイクル原料の製造に際しては、粗分級により得られた塊状物Xa、Yaをリサイクルの主とした対象にしていない。この塊状物Xa、Yaは、粒径が最も大きく、例えば、前記特許文献1、2のようなリサイクル方法が存在するためであるが、リサイクル原料の一部に入れてもよい。なお、本願発明者らの知見では、リサイクル原料の5質量%程度までは、塊状物を入れることが可能と考えている。
なお、図1中の斜線領域は、従来行っている同種の使用済み耐火物のリサイクルを意味する。従って、この斜線領域から外れたものが余剰物となっている。
粗粒物Xb、Ybと微粒物Xc、Ycの混合に際しては、リサイクル原料を用いた施工体の機械的強度の確保又は不定形耐火物の施工性確保が重要になる。これらを実現するためには、リサイクル原料の粒子の充填性が重要であり、微粒が多過ぎると、施工に必要な添加水分が増大し、リサイクル原料の充填性が低下し、施工体の機械的強度の低下又は実機使用時の耐摩耗性が低下することになる。更に、微粒物による材料搬送時の滑り性が低下するため、材料圧送時には、材料の搬送に使用するホースの詰まりが顕著になる。
そこで、発明者等は、リサイクル耐火原料粒子の充填性を評価する手法として、前記したJIS R2521−1995記載のフロー試験方法に注目した。
この方法は、本来、粒度分布が決まっている耐火原料に添加する水分量の最適量を決定するための試験方法であるが、本発明者等は、添加する水分量を一定値(本願では12質量%)として、タップフロー値の大小を比較することにより、粒子の充填性が概ね評価できることを新たに見出した。即ち、微粒物が多過ぎると必要な添加水分量が増加し、タップフロー値が低下すると共に、施工体の充填性が低下する。逆に、粗粒物が多過ぎると粒子と添加水との分離が発生し、タップフロー値が過大になり、施工体の充填性は低下する。
なお、本願発明は、通常廃棄されていた使用済み耐火物を用いて安価なリサイクル原料を製造し、これを極めて高い耐用性を要求されない部位へ施工することを意図するものであるため、タップフロー値によるリサイクル原料の充填性評価により、実用に耐え得る評価が可能であると考えられる。
ここで、粗粒物Xb、Ybと微粒物Xc、Ycを所定割合で混合するに際しては、使用する使用済み耐火物の種類によって、その性状が異なるため、粗粒物Xbと微粒物Ycを、1:9〜9:1まで粗粒物Xbを1ずつ増加させた9種の配合の組み合わせ、更には、3.5:6.5〜6.5:3.5まで粗粒物Xbを1ずつ増加させた4種類の配合の組み合わせを、予め試験的に作製し、そのタップフロー値を評価することで決定する。
この評価に際しては、振動を付与する前のリサイクル原料の幅(径)を100mm(容器の内径に相当)とし、その後の振動の付与によるリサイクル原料の広がり幅(径)が、120mm以上250mm以下の範囲内を合格とした。ここで、広がり不足は耐火物施工性が悪いこと(即ち、流動性悪過ぎ)を意味し、広がり過多は、混合している耐火物粒子が再度分離して耐火物耐食性が悪化することを意味する。
従って、タップフロー値の上限値を200mm、更には180mmとし、下限値を130mm、更には140mmとすることが好ましい。
以上のことから、粗粒物Xb:微粒物Ycを、例えば、1:9〜9:1の範囲で配合、好ましくは2:8〜8:2、更に好ましくは3:7〜7:3の範囲で配合するとよい。なお、粗粒物Yb:微粒物Xcについても同様である。
なお、上記した評価は、リサイクル原料に、更に、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、リサイクル原料の10質量%以上40質量%以下外掛けで添加した後に行うことが好ましい。このような構成の未使用耐火物を添加することで、耐火物として施工直後の未乾燥状態での施工体の形状凍結性を向上させ、また耐火物としての施工時の焼結性を向上させることができ、リサイクル原料を用いた不定形耐火物の耐火物粒子の充填性や流動性の改善もできる。
この未使用耐火物は、リサイクル原料の充填性や流動性を主として向上させるために、粒度分布を調整する役割を備えた粒度調整微粉(例えば、精製したアルミナパウダー)と、リサイクル原料の形状凍結性又は焼結性を向上させるバインダーの役割を果たす結合材(例えば、セメント)の両者から構成されており、その粒度74μmは規格値である。また、この粒度74μmを85質量%以上含んでいなければ、その機能を発揮しない。
ここで、粒度調整微粉の一部又は全部を、フライアッシュにしてもよい。このように、フライアッシュを使用することで、リサイクル原料の製造コストを低減できると共に、従来廃棄されていたフライアッシュをリサイクルでき環境上好ましい。
このフライアッシュとは、石炭ボイラーの燃焼排ガス中に存在する微細な石炭灰であり、平均粒度が20μm以上30μm以下程度の球状を呈しており、74μmの篩目の通過重量%が、70質量%以上100質量%以下のものである。このように、フライアッシュの粒度は、本願発明で使用する未使用耐火物の粒度と略同等である。
また、フライアッシュの成分は、残炭分を除いたものを例示すると、例えば、SiO2:45質量%以上74質量%以下、Al23:16質量%以上38質量%以下、CaO:0.1質量%以上14質量%以下、MgO:0.1質量%以上3質量%以下、及びFe23:0.6質量%以上23質量%である。
このように、フライアッシュは、鉄分を多く含むものもあるが、耐火物において鉄分は有害物である。このため、本願発明者らは、未使用耐火物中に含まれる鉄分を、金属鉄換算で2質量%以下にする必要があると考えており、粒度調整微粉の一部又は全部にフライアッシュを使用する場合、未使用耐火物の鉄分濃度が金属鉄換算で2質量%以下となる範囲で、フライアッシュを使用する必要があると考えている。なお、フライアッシュ中に含まれるFe23量が少ない場合、粒度調整微粉の全部をフライアッシュにしてもよい。
また、前記した細破砕(粉砕)において、使用済み耐火物を74μm以下まで破砕しなかったが、これは特殊な破砕機等が必要であること、また生産性が低いことより、コスト上昇を招くためである。
ここで、未使用耐火物の添加量が、リサイクル原料の10質量%未満の場合、不定形耐火物全体の粒度構成において、微粉部が不足することになり、流動性及び充填性の低下を招き、製造する施工体の強度又は耐食性の低下を招く。従って、この場合は、施工体の強度向上のため、リサイクル原料中に外掛けで未使用耐火物を10質量%以上40質量%以下添加するとよい。
一方、未使用耐火物の外掛け添加量が、リサイクル原料の40質量%を超える場合、比表面積が大きく焼結が進行し易い未使用耐火物の添加量が過剰になり、例えば、施工体の使用中の受熱時に過焼結が進行し易くなるため、焼結亀裂が発生し易くなり、施工体の寿命低下を招く恐れがあり、更にはリサイクルできる量が少なくなる問題もある。
以上のことから、未使用耐火物の外掛け添加量を、リサイクル原料の10質量%以上40質量%以下としたが、好ましくは上限値を30質量%とし、下限値を10質量%とする。
なお、未使用耐火物は、粒度74μm以下のものを85質量%以上含んでいれば、例えば、粒度74μm以下のものが100質量%であってもよく、また比較的比表面積が大きい1mm以上の未使用耐火物が含まれていてもよい。
上記したように、未使用耐火物は、リサイクル原料が所定の粒度分布となるように、前記した所定粒度のものを所定量添加することが望ましいが、その粒度以外に未使用耐火物を構成する物質種によっては、リサイクル原料を用いた不定形耐火物の機能を向上させることができる。そこで、その内容について以下説明する。
前記したように、未使用耐火物は、粒度分布を調整する役割を備えた粒度調整微粉と、バインダーの役割を果たす結合材を含んでいる。
バインダー(結合材)は、例えばセメントであり、含有するCaOとAl23の水和凝集により、固化する効果を有するものである。本願発明では、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を使用するため、バインダーは流動性や形状凍結性を担保する機能も備えているが、水和凝集による固化効果を主として期待するものであり、過剰に含むとリサイクル原料への未使用耐火物添加量によっては、過焼結を招く可能性がある。また、後述するように、粒度調整微粉は、使用中の加熱によって焼結性向上機能を備えることから、未使用耐火物の全部をバインダーで構成することは好ましくない。
粒度調整微粉は、例えば精製したアルミナパウダーであり、使用済み耐火物の粒子間隙間を充填する機能を有しており、流動性や形状凍結性を担保する。また、隙間を充填することで、リサイクル原料を不定形耐火物として使用する際に、耐火物粒子間の拡散接合を促進するため、使用中の加熱により焼結性向上の効果もある。
以上のことから、リサイクル原料に添加されるバインダーの外掛け添加量を、1質量%以上とし、上限をリサイクル原料に添加される未使用耐火物量の50質量%(即ち、添加される未使用耐火物量が10質量%の場合は5質量%以下、また40質量%の場合は20質量%以下)とすることが適切である。また、リサイクル原料に添加される粒度調整微粉の外掛け添加量は、バインダーの添加量に応じて5質量%以上39質量%以下とすることが望ましい。
粗粒物と微粒物の混合に際しては、従来のように、例えば、粗粒物Xbと微粒物Xc、又は粗粒物Ybと微粒物Ycのように、同種の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を組み合わせても、リサイクル原料に好適である。しかし、同種の使用済み耐火物から得られる粗粒物と微粒物を混合し続けると、粗粒物と微粒物のいずれかの余剰が必然的に発生する。なお、余剰が出ない粒度分布を実現する破砕は、現段階では不可能である。
従って、本実施の形態のように、リサイクル原料が含む粗粒物と微粒物を、粗粒物Xbと微粒物Yc、又は粗粒物Ybと微粒物Xcのように、その耐火物種を異ならせることで、従来よりも余剰の発生を抑制できる。
例えば、使用済み耐火物X、Yについて、使用済み耐火物Xから得られる粗粒物Xbと微粒物Xcを、所定の量比で混合してリサイクルを実施した場合、粗粒物Xb又は微粒物Xcに余剰が発生する。ここで、粗粒物Xbは全てリサイクルされて無くなり、微粒物Xcの余剰が発生したとすると、この微粒物Xcと使用済み耐火物Yから得られる粗粒物Ybとを混合することで、粗粒物Ybが無くなるまで微粒物Xcのリサイクルを継続できる。
これにより、使用済み耐火物Xは、リサイクルにより全量消費されるため、保管のためのヤードを、別の使用済み耐火物の保管に使用できる。
以上のことから、本発明の使用済み耐火物のリサイクル方法を使用することで、リサイクル耐火物原料をリサイクルに適した粒度分布に調整でき、従来よりも使用済み耐火物のリサイクル量の拡大を図ることが可能で、廃棄処分量を抑制できる。
なお、原料製造工程で製造したリサイクル原料は、例えば、製鉄所で使用する不定形耐火物の少なくとも一部に使用できる。製造したリサイクル原料は、その流動性を高めて充填することが可能であるため、比較的高強度の耐火物を得ることが可能になる。従って、不定形耐火物の原料にリサイクル原料を使用することができる。
また、少なくとも一部がリサイクル原料で構成される不定形耐火物を、溶湯に接触しない部位及びウェアー耐火物表面のいずれか一方又は双方に施工してもよい。ここで、溶湯に接触しない部位とは、例えば、鍋、浸漬管、又はタンディッシュの溶鋼又は溶融スラグに接触しない部位である。また、ウェアー耐火物とは、窯炉の炉壁で高温の雰囲気又は溶融物に直接接する(稼働面になる)耐火物のことであり、炉の修繕毎に更新される場合が多いものである。従って、ウェアー耐火物表面とは、例えば、溶鋼流により摩耗したり、また熱衝撃を受ける部分である。なお、ウェアー耐火物表面は、施工直後のウェアー耐火物の表面、又は使用後であって表面が侵食された後のウェアー耐火物の表面であってもよい。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。なお、通常は、前記したように、異なる種類の使用済み耐火物X、Yを使用し、その各破砕物にそれぞれ粗分級と細分級を施し、得られた塊状物、粗粒物、及び微粒物を使用した従来のリサイクルを行った後、残った異なる種類の使用済み耐火物X、Yの粗粒物と微粒物を組み合わせてリサイクル原料を製造する(図1参照)。しかし、ここでは、実施例を簡略化するため、従来のリサイクルは考慮せず、異なる種類の使用済み耐火物X、Yから得られた全ての粗粒物と微粒物を対象として、本願発明のリサイクル原料を製造した結果について検討する。
まず、異なる種類の使用済み耐火物X、Yを使用し、その破砕物を粗分級及び細分級した効果について検討した結果を、表1に示す。
Figure 0004598696
表1に示す実施例1及び比較例2〜4は、使用済み耐火物Xとして、アルミナ−シリカ質のれんがであるシャモットを使用し、また、使用済み耐火物Yとして、不定形耐火物である低級アルミナ(低級アルミナ材ともいう)を使用している。なお、比較例0は、低級アルミナのみを使用し、比較例1は、シャモットのみを使用している。
この低級アルミナとは、例えば、同一鍋のウェアー耐火物とパーマ耐火物(耐火物種が異なる)において、両者を分別して回収し難い場合に、両者を混合して回収せざるを得ないもののうち、アルミナを含むものを複数種類集積したものであり、不定形耐火物が主体となる場合が多い。なお、本実施例では、アルミナ:15〜40質量%、シリカ:55〜80質量%、カーボン:1〜5質量%、及びその他にアルカリ金属酸化物(Na2O、K2O)を含んでいる。
また、実施例1及び比較例0、1は、粗分級及び細分級を行っているが、比較例2〜4は、粗分級を行っておらず、細分級の篩上を粗粒物とみなして、細分級の篩下である微粒物と表1に示した量比で混合している。
なお、実施例1及び比較例0〜4には、74μm以下の粒度のものを98質量%含む未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。
表1から明らかなように、実施例1に示す使用済み耐火物Xの粗粒物と、使用済み耐火物Yの微粒物を混合したリサイクル原料を製造した際に生じる余剰の微粒物量を1とした場合、比較例0〜4のいずれについても、その余剰量が多いことが分かる(最低でも比較例3の3.6倍)。なお、比較例0、1については、余剰の合計量を示している。
また、実施例1については、TF値も前記した最適範囲内に入っており、製造したリサイクル原料の流動性についても良好であることを確認できた。一方、比較例2〜4については、粗分級(しきい値5mm)を実施していないため、10mm以上の使用済み耐火物がリサイクル原料に混入し、粗粒物と微粒物の配合量比を変更しても、良好なTF値が得られなかった。
次に、異なる種類の使用済み耐火物X、Yとして、れんがと不定形耐火物を使用した場合(実施例1)、及び共に不定形耐火物(実施例2)を使用した場合の結果を、表2に示す。
Figure 0004598696
表2に示す実施例2は、使用済み耐火物Xとして、不定形耐火物であるアルミナ−シリカ質の耐火材料を使用し、また、使用済み耐火物Yとして、不定形耐火物である低級アルミナを使用している。なお、実施例2には、前記した組成の未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。
表2から明らかなように、実施例2の余剰の使用済み耐火物量は、実施例1と比較して多くはなっているが(1.2倍)、表1の比較例0〜4と比較して、大幅に低減できることを確認できた。なお、使用済み耐火物量の増加は、使用済み耐火物Xに、れんがと比較して微粒物が多く発生する傾向にある不定形耐火物を使用したことに起因する。
また、実施例2についても、TF値は前記した最適範囲内に入っており、製造したリサイクル原料の流動性についても良好であることを確認できた。
続いて、粗分級と細分級のしきい値A、B、及びその比(A/B)を変化させた結果を、表3に示す。
Figure 0004598696
表3に示す実施例8は、粗分級のしきい値Aが、前記した最適範囲の下限を下回った(2mm)結果であり、また実施例7は、細分級のしきい値Bが、最適範囲の上限を上回った(4mm)結果である。更に、実施例5〜7は、しきい値A、Bの比が、前記した最適範囲外となった結果である。なお、実施例3〜8には、前記した組成の未使用耐火物が、リサイクル原料に対して外掛けで25質量%添加されている。
表3に示す実施例3〜8の余剰の使用済み耐火物量は、0.3以上3.1以下の範囲内にあり、表1の比較例と比較して、大幅に低減できることを確認できた。
一方、TF値については、実施例5〜8のように、粗分級のしきい値A、細分級のしきい値B、及びしきい値A、Bの比のいずれかが、前記した最適範囲から外れることで、実施例1、3、4より低下する傾向が見られたが、使用に際しては問題ない範囲であった。
次に、未使用耐火物の添加量、又はこれに含まれる74μm以下の粒度を変化させた結果を、表4に示す。
Figure 0004598696
表4に示す参考例11、13は、未使用耐火物の添加量が前記した最適範囲外となっており、また、参考例10は、未使用耐火物に含まれる74μm以下の粒度のものが前記した最適範囲外となっている。
表4に示す実施例9、12、参考例10、11、13の余剰の使用済み耐火物量は、1.0以上2.9以下の範囲内にあり、表1の比較例と比較して、大幅に低減できることを確認できた。
この実施例1、9、12、参考例10、11、13の耐火原料を使用して、流し込み施工を行った場合、及び吹き付け施工を行った場合の結果について、表5に示す。
Figure 0004598696
なお、表5の流し込み施工については、使用後の状況を、問題なく使用可能(◎)、一部損傷が発生したが使用上問題ない(○)、損傷が発生したが使用可能(△)、損傷が大きく使用不可(×)の4段階で評価した。また、吹き付け施工については、ノズル詰まりを施工の可否で評価(施工可能:○、施工しにくかったが問題ない程度:△、施工不可能:×)し、また付着性を施工面からの垂れ発生の有無で評価(垂れの発生無し:○、垂れが発生したが問題ない程度:△)し、その総合評価を、問題なく使用可能(◎)、施工は可能なものの施工体に若干の問題あり(○)、施工及び施工体に問題有り(△)、施工不可(×)の4段階で評価した。
ここで、流し込み施工方法を、未使用耐火物の添加量及びこれに含まれる74μm以下の粒度が、前記した最適範囲となっている実施例1について説明する。
異なる種類の使用済み耐火物X、Yとして、アルミナ−シリカ質のれんがと低級アルミナ不定形耐火物を使用した。これを前記したリサイクルプロセスに従って、5mmと1mmの2種の篩目を使用し、5mm以下1mm超の粒度のアルミナ−シリカ質のれんがを原料とする粗粒物40質量%と、1mm以下の粒度の低級アルミナ不定形耐火物を原料とする微粒物60質量%を混合したリサイクル原料を製造した。なお、このリサイクル原料には、更に、未使用の不定形耐火物が外掛けで25質量%添加されており、この耐火材に、流動性発現に必要な水分12.5質量%を加え、ボルテックス型ミキサーで混練し、溶銑予備処理炉のカバーへの流し込み施工を行った。
その結果、実施例1の耐火材は、流動性及び充填性に問題なく、施工が可能であった。また、このカバーを実機使用した結果、その耐用性は良好であり、従来使用されている耐火物と同等の寿命を確保できることを確認できた。
なお、この流し込み施工については、未使用耐火物の添加量を、前記した最適範囲の下限値とした実施例12、及び未使用耐火物に含まれる74μm以下の粒度を、前記した最適範囲の下限値とした実施例9が、実施例1よりも僅かに悪い結果となったが、問題無い程度のものであった。
次に、吹き付け施工方法を、未使用耐火物の添加量及びこれに含まれる74μm以下の粒度が、前記した最適範囲となっている実施例1について説明する。
前記した構成のリサイクル原料に、更に、未使用の不定形耐火物を外掛けで25質量%添加した耐火材を、ボルテックス型ミキサーを用いて乾粉状態で混和した後、エアー圧0.3〜0.5MPaでホース圧送した。そして、吹き付けノズルの先端で、耐火材に対して外掛けで20〜30質量%の水を添加し、300〜500℃の施工面温度を持つTPC受銑口への吹き付け施工を行った。
その結果、例えば、ノズル詰まり、付着性、及びリバウンドに問題なく施工が可能であり、受銑口の耐火物修理間の損耗速度を、従来よりも10%低減できた。
この吹き付け施工については、実施例9及び参考例13が、実施例1よりも僅かに悪い結果となったが、問題無い程度のものであった。
なお、参考例10、11については、流し込み施工及び吹き付け施工のいずれについても良好な結果が得られていないが、前記したように、余剰の使用済み耐火物量は従来よりも低減できており、用途を選択することで十分に使用できるものである。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造した不定形耐火物を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、2種類の使用済み耐火物を使用した場合について説明したが、3種類以上でも勿論よい。例えば、3種類の使用済み耐火物X、Y、Zを使用する場合、その組み合わせに際しては、異なる種類の使用済み耐火物の粗粒物と微粒物を含めばよいため、例えば、粗粒物Xb、微粒物Yc、及び微粒物Zcを配合できる。
そして、前記実施の形態においては、粗分級と細分級の2回の分級を行った場合について説明したが、求められるリサイクル原料の品質に応じて、3回以上の分級を行うことも勿論可能である。例えば、3回の分級を行う場合は、粗分級と細分級の間に、補助分級を行うことで、粗粒物と微粒物の中間的な粒度のものを、分級により取り出すことができる。リサイクル原料の製造に際して、中間的な粒度の分級物の耐火物の種類は、粗粒物又は微粒物の耐火物の種類と同じでもよく、また異なっていてもよい。
更に、前記実施の形態においては、種類の異なる使用済み耐火物の粗分級と細分級を、その化学成分を考慮することなく、所定割合で混合した場合について説明したが、例えば、リサイクル原料の使用用途、又は破砕物の残量に応じて、化学成分を考慮して混合することも可能である。
本発明の一実施の形態に係る使用済み耐火物のリサイクル方法の説明図である。

Claims (6)

  1. 複数種類の使用済み耐火物をそれぞれ破砕し、塊状物と残部に分級する粗分級工程と、
    前記粗分級工程で分級した前記残部を、更に粗粒物と微粒物に分級する細分級工程と、
    異なる種類の前記使用済み耐火物の前記粗粒物と前記微粒物を所定割合で混合し、該異なる種類の前記使用済み耐火物の該粗粒物と該微粒物を含むリサイクル耐火物原料を製造する原料製造工程とを有し、
    前記原料製造工程で製造した前記リサイクル耐火物原料を、不定形耐火物の少なくとも一部に使用し、前記リサイクル耐火物原料には、更に、粒度74μm以下のものを85質量%以上含む未使用耐火物を、前記リサイクル耐火物原料の10質量%以上40質量%以下外掛けで添加することを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  2. 請求項1記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記複数種類の使用済み耐火物はれんがと不定形耐火物を含むことを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記粗分級工程で行う分級のしきい値Aを、3mm以上10mm以下の範囲内とし、前記細分級工程で行う分級のしきい値Bを、0.5mm以上3mm未満の範囲内とすることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  4. 請求項3記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、前記しきい値Aと前記しきい値Bとの比(A/B)を、2以上8以下にすることを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用済み耐火物のリサイクル方法において、少なくとも一部が前記リサイクル耐火物原料で構成される前記不定形耐火物を、溶湯に接触しない部位及びウェアー耐火物表面のいずれか一方又は双方に施工することを特徴とする使用済み耐火物のリサイクル方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用済み耐火物のリサイクル方法を用いて製造したことを特徴とする不定形耐火物。
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