JPH10317040A - スラグ濃度調整用MgOブリケット - Google Patents

スラグ濃度調整用MgOブリケット

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JPH10317040A
JPH10317040A JP9167831A JP16783197A JPH10317040A JP H10317040 A JPH10317040 A JP H10317040A JP 9167831 A JP9167831 A JP 9167831A JP 16783197 A JP16783197 A JP 16783197A JP H10317040 A JPH10317040 A JP H10317040A
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昌浩 磯部
Keiji Keya
敬二 芥屋
Shin Katamura
慎 片村
Kazuo Yamane
一夫 山根
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KOTSUKOU SANGYO KK
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラグへの溶解性が良好で副原料バンカー使
用時のハンドリングに十分耐えうるだけの強度を持つM
gO濃度調整用ブリケットを提供する。 【解決手段】 MgOを主成分とする使用済み耐火物を
5mm以下に粉砕し、バインダー及び水を添加・混練し
ブリケット状に成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製鋼工程においてス
ラグに添加する成分調整剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉や取鍋等の溶鋼処理槽の内張り耐火
物の溶損防止対策として、スラグ中MgO濃度を調節す
る為にMgOを含有するドロマイトあるいは軽焼ドロマ
イトを投入している。これに代わる添加剤として、転炉
を解体した時に発生するMgOレンガ屑を20mm以下
に粉砕したものを用いることが特開平6−116617
号公報にて提示されている。この方法において、レンガ
屑の径の上限を30mmとした場合にはスラグ中MgO
が上昇せず、過度に大きなレンガ屑は溶解が不十分な事
も指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
レンガを粉砕して用いる方法は、破砕の際に5mm以下
のサイズのレンガ屑が大量に発生するため、有効利用が
困難であった。また、レンガ屑は副原料バンカーに装入
するまでのハンドリング中にも破砕し、さらに5mm以
下の比率が増加する上、副原料バンカーを詰まらせ切り
出し不能の事態をも引き起こす。さらに、細粒は集塵機
に吸引されて歩留まり低下を招くと言う、多くの問題が
あった。これらの問題を回避するためにはレンガ屑の粒
度構成に上下限を設ける必要があり、また副原料バンカ
ー使用時のハンドリングに十分耐えうるだけの強度を持
つものが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は使用済みMgO
耐火物を5mm以下に粉砕し、ブリケットマシンのロー
ルポケットへ最充填密度になるような粒度分布になるよ
うに調整した後(※2)、ブリケット状に成型すること
で再使用率を低下させることなく均一粒度でかつ溶解性
と投入バンカー使用時のハンドリング性に優れたスラグ
中MgO濃度調整用の副原料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】当ブリケットはMgOを主成分と
する使用済み耐火物を5mm以下に粉砕し、バインダー
及び水を添加・混練しブリケット状に成型することによ
り得られる。ここで、ブリケットの成型性の点からは、
MgO主成分とする使用済み耐火物と成型するブリケッ
トの寸法の間には式(1)の関係が成り立つ事が必要で
ある。 (B÷A)×100≦0.3 (1) 但し、A:ブリケット1個当たりの体積(mm) B:原料中最大粒径の1個当たりの体積(mm
【0006】また圧潰強度の観点からは、このブリケッ
トに用いる原料の配合比率は、粉砕したMgO耐火物7
0〜85質量%、200メッシュ以下の軽焼マグネシア
粉に水を外数として5〜11%加えることが好ましい。
【0007】あるいは、5mm以下に粉砕したMgOを
主成分とする使用済み耐火物にバインダーとしてタール
ピッチを外数で5〜10質量%加えても良い。
【0008】粉砕したMgO耐火物の粒径が30mm以
上になった場合には転炉での溶解性が悪くなると言う弊
害があった。しかし、水を加えて混練・成型したブリケ
ットの場合には、マグネシアの一部が水酸化物に変化し
ているため、転炉への投入の際その熱により良好な溶解
性が得られる径に爆裂することを知見した。また、第二
成分として配合する軽焼マグネシアは、マグネシア耐火
物よりMgO品位が高いため必要投入量が少なくて済
み、その結果転炉スラグの生成量を低減できるのでスラ
グ処理費を軽減できるという効果もある。
【0009】ブリケットの原料として用いる粉砕したマ
グネシア耐火物の粒径は成型するブリケットの大きさに
より制限があり、小径のブリケットに用いうる耐火物径
は小さくなる。一方、転炉投入時の溶解性の点からは、
使用する耐火物の径は大き過ぎない事が好ましい。した
がって図4の関係が成り立ち、使用済みのMgOを主成
分とした耐火物を式1の範囲に粉砕し、バインダー及び
水を添加・混練し、ブリケット状に成型することにより
高強度で溶解性の良好なブリケットが得られる。 (B÷A)×100≦0.3 (1) 但し、A:ブリケット1個当たりの体積(mm) B:原料中最大粒径の1個当たりの体積(mm
【0010】転炉に内張りしたMgOレンガを解体した
時に生ずるレンガ屑を収集・選別後にジョークラッシャ
ーを用いて5mm以下に式(1)が成り立つよう全量を
粉砕し、表1に示す粒度範囲に調整したものを90、8
0、70、60質量%をそれぞれ秤取り、これに200
メッシュ以下に粉砕した軽焼マグネシアを10、20、
30、40質量%配合して、水を外数で9質量%添加し
ながら混練し、ブリケットマシンの加圧力を1250k
g/cmと一定に保持して40mm×40mm×
25mmサイズのマセックス型ブリケットに成型し
た。成型したブリケットは熱風乾燥機を用いて250℃
の雰囲気で60分の一定条件で乾燥し、JISM871
8(93)の圧潰強度ならびにJISM8711(9
3)に定められている焼結鉱の落下強度を得る落下試験
に準じて試験を行った。
【0011】
【表1】
【0012】なお、ブリケットマシンから連続的に製造
されるブリケットの強度は、製団原料へのバインダー添
加量及び水分添加量によって大きく左右されるため、図
1に示すごとく通常使用されているバインダーとして軽
焼マグネシア25質量を先述の5mm以下に粉砕したM
gOレンガ75質量%に添加し、外数で3〜13質量%
の水を加え、十分混練してブリケットに成型し、ブリケ
ットを250℃×60分の一定条件で乾燥して圧潰強度
試験に供し、添加水分とブリケット強度の関係を調査し
た。
【0013】図1からわかるように、ブリケットの圧潰
強度(1個当たりの平均強度(kgf))は、水分の添
加率9%をピークとして放物線を示した。この結果は製
団する原料の水との濡れ・なじみ性、いわゆる親和力が
添加水分量の影響を受け、5%以下では原料粒子表面の
濡れが完全にならず、粘結度が弱くなったものと考えら
れる。一方、11%以上の水分を添加したものは、原料
粒子表面の濡れが多すぎて、逆に強度が発現しなかっ
た。その結果、使用済みMgOレンガの粉砕物に対する
水分の最適な添加率は外数で7%であり、5〜11%で
実用に適する事が分かった。
【0014】表2に軽焼マグネシア10〜40質量%お
よび水を外数で8質量%を配合・添加して試作したA〜
Gのブリケット成型歩留と圧潰強度ならびに落下強度試
験結果を示す。ここで、上記の用語は以下に定義するも
のである。ブリケット成型歩留:ブリケットマシンから
連続的に成型されたブリケットを20mm篩にてふるい
分け、篩上に残ったものの質量百分率。落下強度:ブリ
ケット20kgをはかり取り、2mの高さから鉄板上に
4回落下させ、10mm篩でふるい分け、+10mmの
量を試験前重量の20kgで割った質量百分率で、%を
省略した値をそのまま指数とし表示した。
【0015】
【表2】
【0016】本結果から、軽焼マグネシアの配合率はブ
リケットの成型歩留を決定し、30%で歩留の最高値を
示した。軽焼マグネシアは微粉が多く含まれるため、4
0%を超えて添加すると充填性が悪くなり強度が得られ
ない。また、10未満の添加量では逆に微粉が不足して
充填性が悪くなる。よって、十分な強度を確保するた
め、軽焼マグネシアの配合率を15〜30%とした。
【0017】
【実施例2】実施例1で確認した本発明品であるスラグ
濃度調整用MgOブリケットすなわち、5mm以下に粉
砕・粒度調整した使用済みMgOレンガ70質量%に2
00メッシュ以下に粉砕した軽焼マグネシアを30質量
%を配合し、水9%を添加・混練し、40mm×40
mm×25mmサイズのマセックス型ブリケットに
成型し、250℃の雰囲気で60分乾燥した後、転炉炉
上バンカーに貯鉱し、従来使用していたスラグ中MgO
調整用副原料である軽焼ドロマイトのMgO純分と同量
になるように秤量し、転炉吹錬開始直後に炉内へ投入し
た。溶解性の確認は目視観察とサンプリングしたスラグ
の組成の評価により行った。一方、本発明品との比較の
ため、特開平6−116617号公報に開示されたよう
に本発明品の製造で使用した使用済みMgOレンガを3
0mm以下に破砕したものを、軽焼ドロマイトのMgO
純分が同量となるように秤量し、転炉吹錬開始直後に炉
内へ投入した。その溶解性を評価した結果を図2に示
す。本発明法は、同量のMgO純分の添加にも関わらず
スラグ中MgO含有量が高く、溶解性が向上しているこ
とがわかる。
【0018】また、転炉炉前操業者による炉内の目視観
察結果からも、レンガの破砕品ではスラグ表層部に溶け
残りがあったのに対し、本発明品では表層部に溶け残り
が全くなく、良好な溶解性を示した。さらに、これらの
副原料を転炉炉上バンカーに貯鉱するまでにおける工
程、すなわち転炉副原料全般の搬送・貯鉱設備である打
ち込みホッパー(大型ダンプやショベルローダー等によ
る受入れ)、ベルトコンベアやバケットエレベータ等で
のハンドリングによる粉化状況を観察した。その結果、
従来のレンガ破砕品では粉化が著しく、ダンプによる打
ち込みホッパーへのダンピングの際、発塵でホッパー建
屋内に充満し5〜6分の集塵時間を要したのに対し、本
発明品のブリケットについてはほとんど発塵せず、この
問題がなかった。
【0019】
【実施例3】本発明の濃度調整用ブリケット、すなわち
5mm以下に粉砕・粒度調整した使用済みMgOレンガ
100質量%に、タールピッチを外数として3〜11質
量%を添加・混錬し、40mm×40mm×25m
サイズのマセックス型ブリケットに成型し、250
℃×60分で乾燥した。乾燥したブリケット圧潰強度試
験に供し、添加水分とブリケット強度の関係を調査し
た。その結果を図2に示すが、強度確保の上からタール
ピッチの添加量は5〜10%添加することが望ましい事
が分かった。
【0020】
【発明の効果】本発明に係るブリケットを使用すること
により、粒度が大きい原料の場合の溶解性の悪化の問題
や、転炉装入前までのハンドリングによる粉化および歩
留低下といった問題が解消され、使用済みMgO耐火物
の全量のリサイクルが可能になるため、粗鋼の製造コス
トが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使用済みMgOレンガ屑を5mm以下に粉砕
し、水を5、7、9、11、13質量%添加しながら混
錬しブリケット状に成型した時の添加水分とブリケット
圧潰強度との関係を示す図。
【図2】 使用済みMgOレンガ屑を5mm以下に粉砕
・粒度調整したものに、タールピッチを添加して添加割
合とブリケットの圧潰強度との関係を示す図。
【図3】 使用済みMgOレンガ屑を5mm以下に粉砕
・粒度調整したもの70質量%に200メッシュ以下に
粉砕した軽焼マグネシア30質量%配合し、水を9%添
加・混練し、ブリケットに成型し乾燥したものを、転炉
炉内へ投入溶解した時の投入MgO指数(投入MgO÷
スラグ量)とスラグ中MgO含有量の関係を示す図。
【図4】 ブリケット一辺の長さと原料の最大粒子径と
の関係を説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21C 7/00 C04B 35/04 Z (72)発明者 片村 慎 広島県呉市広多賀谷一丁目9番30号 国興 産業株式会社内 (72)発明者 山根 一夫 広島県呉市広多賀谷一丁目9番30号 国興 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5mm以下に粉砕したMgOを主成分と
    する使用済み耐火物をバインダー及び水を添加・混練し
    ブリケット状に成型してなるスラグ濃度調整用MgOブ
    リケット。
  2. 【請求項2】 混練に用いるMgOを主成分とする粉砕
    した使用済み耐火物と、成型したブリケットが式1の範
    囲にあることを特徴とする請求項1に記載のスラグ濃度
    調整用MgOブリケット。 (B÷A)×100≦0.3 (1) 但し、A:ブリケット1個当たりの体積(mm) B:原料中最大粒径の1個当たりの体積(mm
  3. 【請求項3】 MgOを主成分とする粉砕した使用済み
    耐火物70〜85質量%、200メッシュ以下の軽焼マ
    グネシア粉15〜30質量%を配合し、これに水を外数
    で5〜11%加えてブリケット状に成型することを特徴
    とする請求項1に記載のスラグ濃度調整用MgOブリケ
    ット。
  4. 【請求項4】 5mm以下に粉砕したMgOを主成分と
    する使用済み耐火物にバインダーとしてタールピッチを
    外数で5〜10質量%加え、混練してブリケット状に成
    型、乾燥してなるスラグ濃度調整用MgOブリケット。
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