JPH082949A - 製鋼スラグの改質方法 - Google Patents

製鋼スラグの改質方法

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JPH082949A
JPH082949A JP13545694A JP13545694A JPH082949A JP H082949 A JPH082949 A JP H082949A JP 13545694 A JP13545694 A JP 13545694A JP 13545694 A JP13545694 A JP 13545694A JP H082949 A JPH082949 A JP H082949A
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slag
furnace
cooling
sand
steelmaking
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JP13545694A
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Norio Hasegawa
紀男 長谷川
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JOHO SOGO KENKYUSHO KK
TAKAHARA TETSUO
Original Assignee
JOHO SOGO KENKYUSHO KK
TAKAHARA TETSUO
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B5/00Treatment of  metallurgical  slag ; Artificial stone from molten  metallurgical  slag 
    • C04B5/06Ingredients, other than water, added to the molten slag or to the granulating medium or before remelting; Treatment with gases or gas generating compounds, e.g. to obtain porous slag

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 製鋼スラグが有している高pH、固結性、
膨張・崩壊性等の性質を改質し、コンクリート用骨材や
路盤材(砂、バラス)、透水性の骨材、サンドパイル用
砂、ケーソンの中込め材等に利用できるようにする。 【構 成】 製鋼の過程で発生した溶融状態のスラグと
改質材とを処理炉において、複合塩基度:(CaO+M
gO)/(SiO2 +Al2 3 +Fe2 3 )が0.
9以下になるように添加混合後、加熱溶融し、次いで冷
却した後、破砕処理し、磁選処理する製鋼スラグの改質
方法で、改質材として、珪酸塩質の岩石、鉱物、鉱物の
風化物、鋳物廃砂、アルミドロス、石炭灰、Al、建設
廃材、土木工事の残土、下水汚泥の乾燥物、都市ごみ焼
却灰、砂、ガラス屑、硼酸化合物等が利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼スラグの改質方法
に関するものであり、改質された製鋼スラグの用途とし
ては、コンクリート用骨材や路盤材(砂、バラス)、透
水性の骨材、サンドパイル用砂、ケーソンの中込め材等
がある。
【0002】
【従来の技術】転炉スラグ、電気炉の酸化期又は還元期
スラグをそのまま溶融状態から冷却後、破砕処理し、磁
選処理を行ったものは、膨張、崩壊性を有するのみでな
く、溶出液のpHが約11.0〜11.4と高いので、
利用価値が殆どなかった。一般に製鋼スラグは、2Ca
O・SiO2 、F・CaO(フリーCaO)、MgO
(ペリクレース)、2CaO・Al2 3 ・Fe
2 3 、FeO、Fe3 4 等を主に含有している。膨
張・崩壊の原因は2CaO・SiO2 が冷却の過程でγ
−2CaO・SiO2 へ転移することと、F・CaO、
MgOが吸湿・吸水し、Ca(OH)2 、Mg(OH)
2 に変わる場合の体積膨張である。
【0003】そのため、一部、セメント原料のCaO、
SiO2 、Fe2 3 源等や肥料に利用されたり、また
は、エージング処理して、あるいはSiO2 、Al2
3 、Fe2 3 等を適量含有する物やB化合物を添加し
て改質したりして、あるいは蒸気エージング処理して、
路盤材等にごく一部利用されているが、大部分はそのま
ま埋め立て廃棄されている。
【0004】また、従来の製鋼スラグ、エージングスラ
グ、改質スラグ等は、CaO含有量が多いので、環境庁
告示で定める排出基準に係わる検定方法で溶出試験を行
っても、pHが約11.0〜11.4と高い。また、破
砕・磁選処理した物も、例えば、約10mm以下等にし
て、風雨にさらした状態で貯蔵しておくと、Caイオン
が溶出し、pHが高いので農地等に流入する所では公害
問題を発生することもあるし、空気中のCO2 と反応
し、CaCO3 に変わる時に固結したりする。このよう
に破砕・磁選後のスラグも、エージング処理期間中に硬
化して団塊状になったり、サンドパイル用砂の代替材に
使用すると、硬化による目詰まりを起こして脱水の役目
が低下したりする。
【0005】また、風砕やスラグレイター等で製造した
球状乃至は亜球状の製鋼スラグで砂の一部を置き換えて
製造した生コンクリートは、混練直後の流動性は非常に
良いが、3分、10分、15分・・・と時間の経過とと
もにCaイオンの溶出が増加し、pHも高くなるし、流
動性も急激に悪くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点、すなわち製鋼スラグが有している高pH、固
結性、膨張・崩壊性等を解決し、製鋼スラグをコンクリ
ート用骨材や路盤材(砂、バラス)、透水性の骨材、サ
ンドパイル用砂、ケーソンの中込め材等に利用できるよ
うなスラグの改質方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、製鋼の過程で
発生した溶融状態のスラグと改質材とを、複合塩基度:
(CaO+MgO)/(SiO2 +Al2 3 +Fe2
3 )が0.9以下になるように処理炉において添加混
合後、加熱溶融し、次いで冷却した後、破砕処理し、磁
選処理することを特徴とする製鋼スラグの改質方法であ
り、改質材としては、珪酸塩質の岩石、鉱物、鉱物の風
化物、鋳物廃砂、アルミドロス、石炭灰、Al、建設廃
材、土木工事の残土、下水汚泥の乾燥物、都市ごみ焼却
灰、砂、ガラス屑、硼酸化合物の一種又は二種以上から
なる、これらの産業廃棄物を有利に用いることができ
る。
【0008】本発明では、製鋼の過程で発生した溶融状
態のスラグは一部固化していてもよい。また、処理炉に
溶融状態のスラグを装入した後、改質材をその上に添加
してもよく、あるいは処理炉に予め改質材を添加してお
き、その上に溶融状態のスラグを装入してもよく、ある
いは処理炉に溶融状態のスラグを装入しながら、同時に
改質材を添加してもよい。要は、与えられた条件下で、
処理炉にて溶融状態のスラグと改質材との混合がより進
むように、添加混合することが望ましい。
【0009】また、本発明における処理炉での添加混合
物の加熱溶融手段は、とくに限定されないが、天然ガス
やLPガス、Si粉末、石炭粉末、コークス粉末、炭質
頁岩粉末等の燃料と圧縮空気や酸素ガスを、処理炉の炉
底や炉壁の羽口バーナから、または処理炉の上部に装入
したランス状バーナから吹込んで加熱溶融してもよい。
あるいは、処理炉の上部から電極を装入して通電ないし
アーク加熱溶融してもよい。
【0010】また、本発明における冷却手段は、とくに
限定されないが、処理炉から溶融物を流下させ、その背
後から空気を吹き付ける風砕処理あるいは水を吹き付け
る水砕処理、または噴霧状に散水しながら羽付きロータ
ーで飛ばして、球状、亜球状の砂状の骨材にする処理、
またはパンの中に放流後に水を張って急冷させるか、散
水して急冷させる処理、またはスラブか鉄板の上に約2
〜4cm厚さに放流して冷却する処理、またはノロ畑で
の放冷処理等、その冷却手段は種々とり得る。
【0011】また、本発明では、溶融物を冷却後、破砕
処理するが、強制冷却した場合で、既に充分に破砕さ
れ、所定の粒度以下になっているものは、破砕処理は省
略できる。通常は、破砕処理、磁選処理、篩分けを何回
かに分けて行って、所定の粒度分布にする。破砕処理の
手段は、とくに限定されないが、ジョークラッシャーや
ハンマークラッシャー等で約30mm以下に粗砕後に磁選し
て除鉄し、更に10〜5mm以下に破砕し、人工砂製造プラ
ント等でカドを取ったり、または風砕物、水滓物、水
砕、スラグレイター方式で製造した5mm以下の物は除鉄
のため磁選後、さらに篩分け等の手段がとり得る。
【0012】
【作用】本発明者は、製鋼スラグや鋳物廃砂、アルミド
ロス、石炭灰、Al、建設廃材、土木工事の残土、下水
汚泥の乾燥物、都市ごみ焼却灰、砂、ガラス屑等の所謂
産業廃棄物の問題を積極的に解決するために種々検討し
てきた。その結果、本発明に到達したものである。
【0013】本発明においては、製鋼の過程で発生した
溶融状態のスラグと改質材とを処理炉において、複合塩
基度:(CaO+MgO)/(SiO2 +Al2 3
Fe 2 3 )が0.9以下になるように添加混合するこ
とが重要な要件である。複合塩基度を0.9以下になる
ようにすることにより、最終的な製品の時間経過後の溶
出液のpHを実質的に中性に維持することが可能となっ
た。
【0014】なお、本発明の複合塩基度の下限は0.5
以上が好ましい。0.5未満では熱源を多量に要するの
でコストの面から好ましくない。また、本発明では、製
鋼の過程で発生した溶融状態のスラグを利用するのでス
ラグの顕熱を有効に活用できる。しかし、通常、溶融状
態のスラグに改質材を添加混合した段階での温度降下は
大きく、充分な溶融拡散状態を維持することが困難であ
り、さらに加熱溶融処理する必要がある。
【0015】この加熱溶融処理により、製鋼スラグ中の
F・CaOが2CaO・Al2 3・SiO2 や2Ca
O・MgO・2SiO2 、2CaO・Fe2 3 等に転
換され、その化学的特性が安定化するので、Caイオン
が溶出したり、空気中のCO 2 と反応してCaCO3
変化することがなくなるので、高いpHの溶出水を発生
したり、積載保存時に固化したりすることがなくなる。
また、F・CaO、MgOが吸湿・吸水し、Ca(O
H)2 、Mg(OH)2 に変わる場合の体積膨張や崩壊
もなくなる。
【0016】また、2CaO・SiO2 が他の構造に複
合転換しているので、冷却の過程でγ−2CaO・Si
2 への転移がなく、これに伴う膨張・崩壊の原因が解
消している。本発明の放冷乃至は強制等による冷却の方
式は、改質スラグの用途等により適宜選択すればよい。
冷却速度は放冷から風砕や水砕まで適宜選べる。例え
ば、コンクリート用骨材には、風砕や水砕物が適し、路
盤材には、放冷後の破砕物が適している。
【0017】本発明では、冷却した改質スラグを破砕処
理するが、篩分けと破砕処理を併用し用途に応じた粒度
分布構成とすることが望ましい。最後に磁選処理する
が、これにより金属鉄を除去し、改質スラグの含有鉄の
風化(錆の発生)による膨張を防止し、コンクリート骨
材等に使用しても安定し、安心して使用できる。
【0018】次に本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明する。
【0019】
【実施例】表1に各実施例で用いた製鋼スラグと改質材
の組成を示す。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例1)転炉スラグをマグネシアカー
ボンれんがで内張りした処理炉に装入し、これを図1に
示す製鋼スラグ処理建屋3に移動し、直ちに改質材の頁
岩と石炭灰をそれぞれホッパー10a、10bから定量
給鉱機11a、11bとシュート12を介して投入し
た。なお、装入比(重量比)は転炉スラグ70%、頁岩
15%、石炭灰15%であった。
【0022】なお、このときの複合塩基度は、0.87
であった。次に処理炉5に3本の電極7を有する炉蓋4
を載置し、トランス13と配電盤14を介して通電加熱
した。加熱溶融処理中の製鋼スラグ処理建屋3の粉煙塵
は、ファン2によってサイクロン式集塵機1に回収し
た。炉内スラグの温度がほぼ1450〜1500℃になった時点
で加熱溶融処理を終了し、次に処理炉5を冷却場に台車
6で運び、処理炉5を傾動させ、溶融した改質スラグを
一定速度で排出させながら、その背後から圧縮空気を1
30m/sで吹き付け風砕した。
【0023】その後、5mmの篩で篩い、5mm以下はその
まま磁選処理した。ついで、5mm超はジョークラッシャ
ーで5mm以下に破砕して磁選処理後、JIS篩で篩分け
て両者を混合したり、単独で表2に示す粒度分布になる
ように調合した。なお、このときの改質スラグの化学分
析値を表3に、物理性状(崩壊率、表乾比重、吸水率、
単位容積重量、ロサンゼルスのスリヘリ減量率)を表4
に示す。サンプルは500gずつ10箇所からとり、分
析に供した。
【0024】次に、時間経過とpHの関係を、環境庁告
示に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。すなわち
純水100CCに対し、スラグ10gの割合になるよう
に、回転子と共にビーカーに入れて、スターラーで攪拌
しながら、経過時間ごとにpHを測定した。その結果を
表5に示す。また、この粒度分布の改質スラグを3ケ月
間屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化した
り、膨張・崩壊することはなかった。
【0025】さらに、この粒度分布の改質スラグと表6
に示す性状の天然骨材、普通セメント、AE剤(バリッ
クEP−2000)を表7に示すように配合・混練し
て、生コンクリートを製造した。なお、普通セメント、
AE剤は市販品を用いた。この混練した生コンクリート
の流動性(スランプ)は、天然砂のみのもの以上に優れ
ており、打設のための流動性の保持は充分できているこ
とがわかる。
【0026】なお、参考例1として高炉スラグ(風砕・
亜球状)、参考例2としてフェロクロムスラグ(風砕粒
状)、参考例3として砕石バラス(粗骨材)、参考例4
として砂(細骨材)の化学分析値を表3に、物理性状を
表4に、経過時間とpHとの関係を表5にそれぞれ併せ
て示した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】(実施例2)転炉スラグを実施例1と同様
に電気炉で加熱溶融処理した後、処理炉5を冷却場に台
車6で運び、処理炉5を傾動させ、溶融した改質スラグ
をノロ畑に排出させ放冷した。その後、破砕機(ジョー
クラッシャー)で改質スラグを破砕した後、磁選処理し
た。ついで、JIS篩で篩分けて表2に示す粒度分布に
なるように調合した。
【0034】なお、このときの改質スラグの化学分析値
を表3に示す。サンプルは500gずつ10箇所からと
り、分析に供した。次に、時間経過とpHの関係を、環
境庁告示に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。そ
の結果を表4に示す。また、この粒度分布の改質スラグ
を1週間屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化
したり、膨張・崩壊することはなかった。
【0035】(実施例3)電気炉の酸化期スラグをマグ
ネシアカーボンれんがで内張りした処理炉に装入し、こ
れを図2に示す製鋼スラグ処理建屋3に移動し、直ちに
改質材の粘板岩と鋳物廃砂をそれぞれホッパー10a、
10bから定量給鉱機11a、11bとシュート12を
介して投入した。なお、装入比(重量比)は酸化期スラ
グ70%、粘板岩17%、鋳物廃砂13%であった。
【0036】なお、このときの複合塩基度は、0.71
〜0.91であった。次に処理炉5に炉蓋4を載置し、
処理炉5の炉腹部に設けた羽口バーナ8から、LPGと
酸素ガスを吹込み加熱溶融した。なお、15aは酸素
源、9aはその流量調節弁、15bはLPG源、9bは
その流量調節弁である。加熱溶融処理中の製鋼スラグ処
理建屋3の粉煙塵は、ファン2よりサイクロン式集塵機
1に回収した。炉内スラグの温度がほぼ1550℃にな
った時点で加熱溶融処理を終了し、次に処理炉5を冷却
場に台車6で運び、処理炉5を傾動させ、溶融した改質
スラグを一定速度で排出させながら、その背後から圧縮
空気を130m/sで吹き付け風砕した。
【0037】その後、風砕スラグを磁選処理した。つい
で、JIS篩で篩分けて表2に示す粒度分布になるよう
に調合した。なお、このときの改質スラグの化学分析値
を表3に示す。サンプルは500gずつ10箇所からと
り、分析に供した。次に、時間経過とpHの関係を、環
境庁告示に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。そ
の結果を表4に示す。
【0038】また、この粒度分布の改質スラグを1週間
屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化したり、
膨張・崩壊することはなかった。さらに、この粒度分布
の改質スラグと表6に示す性状の天然骨材、普通セメン
ト、AE剤(バリックEP−2000)を表7に示すよ
うに配合・混練して、生コンクリートを製造した。な
お、普通セメント、AE剤は市販品を用いた。
【0039】この混練した生コンクリートの流動性(ス
ランプ)は、天然砂のみのもの以上に優れており、打設
のための流動性の保持は充分できていることがわかる。 (実施例4)電気炉の酸化期スラグを実施例3と同様に
処理炉5の炉腹部に設けた羽口バーナ8から、LPGと
酸素ガスを吹込み加熱溶融した後、処理炉5を冷却場に
台車6で運び、処理炉5を傾動させ、溶融した改質スラ
グをノロ畑に排出させ放冷した。
【0040】その後、破砕機(ジョークラッシャー)で
改質スラグを破砕した後、磁選処理した。ついで、JI
S篩で篩分けて表2に示す粒度分布になるように調合し
た。なお、このときの改質スラグの化学分析値を表3に
示す。サンプルは300gずつ10箇所からとり、分析
に供した。次に、時間経過とpHの関係を、環境庁告示
に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。その結果を
表4に示す。
【0041】また、この粒度分布の改質スラグを1週間
屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化したり、
膨張・崩壊することはなかった。 (実施例5)電気炉の還元期スラグをマグネシアカーボ
ンれんがで内張りした処理炉に装入し、これを図2に示
す製鋼スラグ処理建屋3に移動し、直ちに改質材のマサ
土、アルミドロス、ガラス屑および下水汚泥をそれぞれ
ホッパー10a、10bから定量給鉱機11a、11b
とシュート12を介して投入した。なお、装入比(重量
比)は還元期スラグ65%、マサ土20%、アルミドロ
ス5%、ガラス屑5%、下水汚泥5%であった。
【0042】なお、このときの複合塩基度は、0.82
であった。次に処理炉5に炉蓋4を載置し、処理炉5の
炉腹部に設けた羽口バーナ8から、LPGと酸素ガスを
吹込み加熱溶融した。炉内スラグの温度がほぼ1550
℃になった時点で加熱溶融処理を終了し、次に処理炉5
を冷却場に台車6で運び、処理炉5を傾動させ、溶融し
た改質スラグを一定速度で排出させながら、その背後か
ら圧縮空気を130m/sで吹き付け風砕した。
【0043】その後磁選処理した。ついで、JIS篩で
篩分けて表2に示す粒度分布になるように調合した。な
お、このときの改質スラグの化学分析値を表3に示す。
サンプルは300gずつ10箇所からとり、分析に供し
た。次に、時間経過とpHの関係を、環境庁告示に係わ
るpH溶出試験に準じて、測定した。その結果を表4に
示す。
【0044】また、この粒度分布の改質スラグを1週間
屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化したり、
膨張・崩壊することはなかった。さらに、この粒度分布
の改質スラグと表6に示す性状の天然骨材、普通セメン
ト、AE剤(バリックEP−2000)を表7に示すよ
うに配合・混練して、生コンクリートを製造した。な
お、普通セメント、AE剤は市販品を用いた。
【0045】この混練した生コンクリートの流動性(ス
ランプ)は、天然砂のみのもの以上に優れており、打設
のための流動性の保持は充分できていることがわかる。 (実施例6)電気炉の還元期スラグを実施例5と同様に
処理炉5の炉腹部の羽口バーナ8から、LPGと酸素ガ
スを吹込み加熱溶融した後、処理炉5を冷却場に台車6
で運び、処理炉5を傾動させ、溶融した改質スラグをノ
ロ畑に排出させ放冷した。
【0046】その後、破砕機(ジョークラッシャー)で
改質スラグを破砕した後、磁選処理した。ついで、JI
S篩で篩分けて表2に示す粒度分布になるように調合し
た。なお、このときの改質スラグの化学分析値を表3に
示す。サンプルは300gずつ10箇所からとり、分析
に供した。次に、時間経過とpHの関係を、環境庁告示
に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。その結果を
表4に示す。
【0047】また、この粒度分布の改質スラグを1週間
屋外に放置しておいたが、天然砂と同様に固化したり、
膨張・崩壊することはなかった。 (比較例)転炉スラグを未改質の状態で、そのまま風砕
し粒状にしたスラグ(比較例1)、またそのまま放冷し
たスラグ(比較例2)、電気炉の酸化期スラグを未改質
の状態で、そのまま風砕し粒状にしたスラグ(比較例
3)、またそのまま放冷したスラグ(比較例4)、電気
炉の還元期スラグを未改質の状態で、そのまま風砕し粒
状にしたスラグ(比較例5)、またそのまま放冷したス
ラグ(比較例6)を準備した。
【0048】これらそれぞれのスラグの化学分析値を表
3に示す。サンプルは300gずつ10箇所からとり、
分析に供した。次に、時間経過とpHの関係を、環境庁
告示に係わるpH溶出試験に準じて、測定した。すなわ
ち純水100CCに対し、スラグ10gの割合になるよ
うに、回転子と共にビーカーに入れて、スターラーで攪
拌しながら、経過時間ごとにpHを測定し、その結果を
表4に示す。
【0049】これらの未改質スラグを1週間屋外に放置
しておいたが、天然砂や改質スラグとは異なり、固化し
たり、膨張・崩壊した。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法で改質された製鋼スラグ
は、F・CaOを殆ど含まず、Caイオンの溶出が少な
く、保存中も固化したり、膨張・崩壊したりすることが
ないので、コンクリート用骨材として天然砂の代替材、
路盤材、透水性の骨材等として有効活用できる。また、
本発明で用いる製鋼スラグも改質材も元来産業廃棄物で
あり、捨て場にも困窮していたが、有効活用できるの
で、その環境上、経済的な効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製鋼スラグ改質法における加熱溶融設
備の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の製鋼スラグ改質法における加熱溶融設
備の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 サイクロン式集塵機 2 ファン 3 製鋼スラグ処理建屋 4 炉蓋 5 処理炉 6 台車 7 電極 8 羽口バーナ 9a 流量調節弁 9b 流量調節弁 10a 改質材用ホッパー 10b 改質材用ホッパー 11a 定量給鉱機 11b 定量給鉱機 12 シュート 13 トランス 14 配電盤 15a 酸素源 15b LPG源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼の過程で発生した溶融状態のスラグ
    と改質材とを、複合塩基度:(CaO+MgO)/(S
    iO2 +Al2 3 +Fe2 3 )が0.9以下になる
    ように処理炉において添加混合後、加熱溶融し、次いで
    冷却した後、破砕処理し、磁選処理することを特徴とす
    る製鋼スラグの改質方法。
  2. 【請求項2】 改質材が、珪酸塩質の岩石、鉱物、鉱物
    の風化物、鋳物廃砂、アルミドロス、石炭灰、Al、建
    設廃材、土木工事の残土、下水汚泥の乾燥物、都市ごみ
    焼却灰、砂、ガラス屑、硼酸化合物の一種又は二種以上
    からなることを特徴とする請求項1記載の製鋼スラグの
    改質方法。
JP13545694A 1994-06-17 1994-06-17 製鋼スラグの改質方法 Pending JPH082949A (ja)

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JP13545694A JPH082949A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 製鋼スラグの改質方法

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