JP2002086121A - 製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法 - Google Patents
製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法Info
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Abstract
製造において発生する洗砂汚泥とを処理し、有効な利用
を図る。 【解決手段】 微細なために単独での利用が困難な粉状
スラグ1と洗砂汚泥2とに、セメントや石灰などのCa
Oを含むバインダ3を加えて、混練機4で混合する。粉
状スラグ1およびバインダ3中のCaOと、洗砂汚泥2
中のSiO2とがポゾラン反応等を起こして固化し、塊
状の固体が塊成化物5として生成される。塊成化物5
は、そのまま養生させたり、高温高圧の水蒸気雰囲気下
での処理で強度を増大させ、港湾関係やコンクリートブ
ロックの製造、再生クラッシャランその他の土木建設工
事用の資材として利用可能にすることができる。
Description
る細かい粉粒状の製鋼スラグと、土壌を採取して砂を分
離する洗砂処理で発生する洗砂汚泥とを、有効に利用す
るための製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法に関す
る。
石などに各種処理を施し、純度を高めて分離することを
行っている。原料から金属が分離された残存物は、スラ
グと呼ばれる。スラグは、高温で溶融状態となっていた
ガラス状の物質であり、金属の生産量増大とともにスラ
グの生成量も増大する。生成されたスラグをそのまま廃
棄することは、環境上好ましくなく、各種の再利用法が
提案され、実行されている。
には、製鉄用の高炉から発生する高炉スラグや、ステン
レス鋼の製鋼過程で発生するステンレススラグ等を、セ
メント、石灰類、およびアルミニウム強酸塩から成る固
化剤に対して、砕石粉を同量以上に混入した砕石粉混入
固化剤に、増量剤として利用することが提案されてい
る。特開平5−208182号公報には、スラグなど酸
化珪素を主成分とする産業廃棄物に、カルシウム系水硬
化剤を加えて、これら混合物を圧力窯内で高温高圧をか
け、セメント硬化体と同程度の強度を有する水和硬化体
を得る方法が提案されている。特開平9−227181
号公報には、金属の溶融炉で発生する溶融スラグまたは
溶融飛灰に対して、高炉水砕スラグ微粉末およびセメン
トと水とを添加し、固化させた後、得られた固化体を粒
状化させて、道路用砕石、コンクリート骨材などに利用
する提案が行われている。固化体を製造する場合には、
溶融処理スラグと、高炉水砕スラグ微粉末と、セメント
または消石灰を混合して、100:5〜50:2〜30
の重量部の比で配合し、さらに水を10〜50重量部添
加して、場合によってはオートクレーブでの加熱処理を
行う。特開平3−252375号公報には、高炉スラグ
粉や製鋼スラグ粉などを、石灰石とセメントととの混合
物に添加し、水を加えて造粒し、セメントと水とを合わ
せて混練りして、構築材を得ることが提案されている。
しても、たとえば特開平8−231260号公報には、
酸化アルミニウム(Al2O3)を濃度35%以下で含有
する石炭灰と、カルシウム化合物とを40/60〜95
/5の割合で混合し、水熱処理して固化物を製造する方
法が開示されている。特開平8−239254号公報に
は、下水汚泥と生石灰類と石炭灰とを主要成分として、
1000〜1450℃で焼成し、人工骨材を製造する方
法が開示されている。
は、スラグや石炭灰などを、単なる廃棄物ではなく有用
な材料として再利用を図るようにしている。しかしなが
ら、高炉スラグ等を焼却灰やセメント等と混合して固化
剤として利用しようとしても、品質のばらつきやオート
クレーブなどを用いる処理方法が複雑であり、経済的に
は成立し難く、実用化は困難である。特に、スラグの中
でも製鋼工程で発生する細かい粉粒状のスラグは、焼却
灰やセメント等と混合しても固化体としては利用しにく
く、一部がセメント原料や土壌改良剤などとして有効利
用されているだけである。
るコンクリートは、セメントと土砂などを混合する必要
がある。近年、河川敷などから砂のみを大量に採取する
ことが困難になっており、土壌を水で洗って砂を取出す
洗砂処理で砂を製造するようになってきている。砂を取
出した土壌の残存部分には、細かい粒子の土が汚泥とし
て残る。このような洗砂汚泥は、乾燥すると埃のように
風で飛んでしまい、技術的に確立した利用法が存在しな
い。砂の製造は、砕石処理でも行われ、砕石の際に発生
する砕石粉は、土壌改良剤としての検討が成されてい
る。たとえば、前述の特開平6−200249号公報
に、その一例が示されている。しかしながら、管理や施
工方法が難しく、実用化には今一歩及ばない状況であ
る。
は、大部分が工場内や洗砂処理場の現場に堆積され、そ
の維持管理、あるいは産業廃棄物としての処理が必要と
なり、それらに大きな費用が発生している。
し、製鋼工場から発生する粉状のスラグと洗砂汚泥と
を、多大の費用を必要とすることなく、有効に処分する
ことができる製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法を提
供することである。
生する粉状スラグと、洗砂処理で発生する洗砂汚泥と、
酸化カルシウム(CaO)源とを混合し、塊成化するこ
とを特徴とする製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法で
ある。
スラグを、洗砂処理で発生する洗砂汚泥ととともに、酸
化カルシウム源と混合する。粉状スラグ中の酸化カルシ
ウムと酸化カルシウム源からの酸化カルシウムとは、洗
砂汚泥中の酸化珪素とポゾラン反応等を生じ、固化して
塊を生成する。塊成化することによって、微粉末ではな
くなり、砂や砂利と同等に、港湾関係やコンクリートブ
ロック製造、再生クラッシャランその他の土木建設工事
用の資材として有効に利用することが可能となる。
ス鋼の製造過程で発生する1mm以下の粉粒状のスラグ
であり、酸化カルシウム分を30〜60重量%、および
酸化珪素(SiO2)分を18〜30重量%含有し、前
記洗砂汚泥は、酸化カルシウム分を0.5〜5.0重量
%、および酸化珪素分を40〜65重量%含有し、前記
混合は、乾燥状態に換算して、粉状スラグが20〜60
重量%、洗砂汚泥が40〜70重量%、および前記酸化
カルシウム源が1.5〜15重量%の割合の範囲で行
い、前記塊成化は、混練機または造粒機またはプレス等
による製団機のいずれかまたは組み合わせて用い、塊状
の固体を生成することを特徴とする。
ラグは、ステンレス鋼の製造過程で発生し、現在までの
有効な利用方法が見出されていない。酸化カルシウム分
を比較的多く含むので、酸化珪素分を比較的多く含む洗
砂汚泥と混合し、さらに酸化カルシウム源で酸化カルシ
ウム分を補って、混練機または造粒機またはプレス等に
よる製団機のいずれかまたは組み合わせて用い塊成化す
るので、ポゾラン反応などによって容易に固化させるこ
とができる。酸化カルシウム源の添加量は比較的少なく
て済み、原料の大部分を粉状スラグと洗砂汚泥として塊
状の固体を生成することができるので、比較的低コスト
で粉状スラグおよび洗砂汚泥の処理と再利用とを図るこ
とができる。
イアッシュを添加してもよい。粉状スラグと洗砂汚泥と
に酸化カルシウム源とを加えて塊成化する際に、フライ
アッシュを補助材として添加するので、フライアッシュ
から酸化珪素が補充され、ポゾラン反応による固化を促
進させることができる。
前記塊状の固体を、水蒸気雰囲気中で高温高圧処理する
ことを特徴とする。
中で処理することによって、ポゾラン反応等による強固
な鉱物相を生成させ、強度を高めることができる。
しての製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法の概要を示
す。本実施形態では、製鋼工場から発生する製鋼スラグ
のうち、再利用が困難な粉状スラグ1を、洗砂処理で発
生する洗砂汚泥2と、さらにバインダ3として、セメン
トや石灰(生石灰)などの酸化カルシウム(CaO)源
とともに、混練機4に投入して混合する。混練機4とし
ては、たとえばアイリッヒミキサ等を用いることができ
る。粉状スラグ1、洗砂汚泥2およびバインダ3の混合
物5は、内部でポゾラン反応等を生じ、塊状の固体を生
成する。生成された塊成化物に対しては、そのまま時間
をおく養生を行って出荷したり、水蒸気雰囲気中で高温
高圧処理を行う水熱処理を施して出荷したりすることが
できる。
製鋼スラグおよび洗砂汚泥の処理方法の概要を示す。本
実施形態では、粉状スラグ1と洗砂汚泥2とを、それぞ
れ乾燥させた後、解砕機6に投入し、バインダとなるセ
メントや石灰などの酸化カルシウム源とともに混合す
る。解砕機6としては、アイリッヒミキサやフレットミ
ル等を用いることができる。次に造粒機7に混合物を移
し、造粒する。造粒機7としては、パン型ペレタイザや
アイリッヒミキサ等を用いることができる。造粒物8
は、そのまま養生して出荷したり、高温高圧処理の水熱
処理後に出荷したりすることができる。
は、次の表1に示すような成分のステンレス製鋼スラグ
を用いることができる。ステンレス鋼の製鋼工場では、
種々の形状のスラグが発生し、粉粒状の粉状スラグ1
は、粒径が1mm以下で、利用が特に困難となってい
る。
に示す。
0.15mm以下の粒度に調整した表1に示すような成
分のステンレス鋼スラグを混合し、さらに固化補助材と
して、セメントまたは石灰を添加する。これらを混練機
4内で均一に混合した後、パン型ペレタイザを用いて造
粒する。造粒後、1週間(1W)養生したものと、1カ
月(1M)養生したものと、オートクレーブで水熱処理
したものとを、強度で比較した結果を次の表3に示す。
強度の単位は「N」であり、1kgf=9.8Nの割合
でkgf単位に換算した値を「( )」で囲んで示す。
を用い、混合条件では、アジテータ回転数として360
0rpm、パン回転数として40rpm、混合時間を3
分とする。造粒条件としては、アジテータ回転数として
1800rpm、パン回転数として40rpm、混合時
間を3分とする。
ベース、すなわち乾燥状態で所定の配合割合で解砕機6
に投入し、前述の混合条件で混合した後、必要量の水を
添加し、前述の造粒条件で5分間造粒を行い、排出す
る。その後、室内で養生し、その後、オートクレーブで
215℃で20気圧の高温高圧1時間の水熱処理を行
う。
f)以上となる場合に判定に○印を付している。表3か
らは、25番目の試料で、オートクレーブ処理後に13
3.3N(13.6kgf)の強度が得られている。す
なわち、次の表4に示すように、本発明を適用すると、
24.5〜133.3N(2.5〜13.6kgf)の
強度が得られる。
れる塊状固体は、粉状スラグ1中のCaO成分と、洗砂
汚泥2中のSiO2成分とが最適な割合で混合され、ポ
ゾラン反応等によって強固な鉱物相を生成するために、
表4に示すように、強度が天然砂や砕石スラグに近いも
のになる。したがって、コンクリートブロック用の骨材
や、さらに土木建設工事における砕石や砂、その他の骨
材の代用品として有効に利用可能であることが判る。
鋼スラグや、洗砂汚泥2を廃棄処分や所内貯鉱する必要
がなく、また同時に天然の山砂、砕石バラス、海砂等の
資源の代替材としても、さらにはコンクリート解体廃材
等から再生される再生クラッシャランの粒度調整材等の
資材として有効に利用することができる。このようにし
て環境保護に貢献することができるとともに、工場での
スラグ処分コストの削減にも起用させることができる。
利用の観点から、ほとんどの場合、スラグ中の金属分を
選鉱処理によって回収し、再び製鋼原料として使用して
いる。同時に、場合によっては路盤材等に利用すること
ができるスラグは、販売することも可能であるけれど
も、大部分のスラグは粉粒状の細かい状態になり、利用
することができていない。これらの細かい粉粒状スラグ
は、最終的には濾過や脱水等の処理が成され、ケーキ状
の含水率の高い状態で廃棄処分される。
ための解決方法として、図2の実施形態では、ペレタイ
ザ等によって造粒し、造粒物をブロック骨材として利用
することが検討されたりしているけれども、スラグ単独
では品質のばらつきが大きいことや、その強度が天然の
骨材等に比較して大きく劣るため、利用は困難である。
れる微粉状の汚泥が産廃物として発生しており、これを
処分するために多額の費用がかかることから、有効利用
が検討されている。
成分としていることから、溶解性の珪酸が充分に存在
し、スラグ中のCaO分と反応して、固化する特性を見
出して利用する。すなわち、スラグ中のCaO分と、洗
砂汚泥中のSiO2とによって、ポゾラン反応等による
珪酸カルシウム相の形成で、粒子間にネットワークを生
成し、塊成化物単体の強度を充分に発現させることが可
能となる。その強度は、最適なCaOとSiO2との比
率によって決まると考えられるが、種々検討の結果、ス
ラグと洗砂汚泥との比率、および補助材としてのセメン
ト等の酸化カルシウム源の経済的な添加量を勘案して、
配合割合を決定し、目的の強度を得ることができる。
してもよく、フライアッシュから酸化珪素が補充され、
ボゾラン反応による固化を促進させることができる。
しいけれども、場合によっては一度乾燥したうえで水分
を添加しながらペレット状に造粒することもできる。ま
た、混練して塊状としてもよい。塊成化物の用途に応じ
て使い分ければよい。塊成化物は、養生期間を設け、強
度を充分に発現させることが必要である。養生期間の保
存方法としては、湿った状態で保存することが、前述の
固化反応を促進させるうえで最適である。場合によって
は、強度をさらに発現させるためや、品質を均一化する
ために、水熱処理として、たとえば100℃以上で5気
圧以上の高温高圧の水蒸気雰囲気下の処理を実施するこ
とが好ましいけれども、用途とコストとの兼ね合いで処
理の有無を決定すればよい。
グとにCaO源であるセメントまたは石灰を加えている
けれども、SiO2源としてフライアッシュなどを添加
することもできる。フライアッシュは、火力発電所のボ
イラーなどで、微粉炭燃焼に際し石炭灰が溶融し微細な
球状粒となり、排ガスとともに煙道に導いたものを捕集
する。
が困難であった製鋼工場からの粉状スラグと、洗砂処理
で発生する洗砂汚泥とを組合せ、酸化カルシウム源を加
えて、塊状の固体を生成し、低コストで処理と有効利用
とを図ることができる。
スラグと洗砂処理の洗砂汚泥とに少量の酸化カルシウム
源を加えて、塊状の固体を生成し、有効な利用を図るこ
とができる。
加して、ポゾラン反応等による固化を促進させることが
できる。
温高圧処理で、塊状の強度を高め、コンクリートの骨材
などとしての利用での価値を高めることができる。
び洗砂汚泥の処理方法の概要を示すフロー図である。
び洗砂汚泥の処理方法の概要を示すフロー図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 製鋼工場で発生する粉状スラグと、洗砂
処理で発生する洗砂汚泥と、酸化カルシウム(CaO)
源とを混合し、塊成化することを特徴とする製鋼スラグ
および洗砂汚泥の処理方法。 - 【請求項2】 前記粉状スラグは、 ステンレス鋼の製造過程で発生する1mm以下の粉粒状
のスラグであり、 酸化カルシウム分を30〜60重量%、および酸化珪素
(SiO2)分を18〜30重量%含有し、 前記洗砂汚泥は、 酸化カルシウム分を0.5〜5.0重量%、および酸化
珪素分を40〜65重量%含有し、 前記混合は、乾燥状態に換算して、粉状スラグが20〜
60重量%、洗砂汚泥が40〜70重量%、および前記
酸化カルシウム源が1.5〜15重量%の割合の範囲で
行い、 前記塊成化は、混練機または造粒機またはプレス等によ
る製団機のいずれかまたは組み合わせて用い、塊状の固
体を生成することを特徴とする請求項1記載の製鋼スラ
グおよび洗砂汚泥の処理方法。 - 【請求項3】 前記塊成化では、生成される前記塊状の
固体を、水蒸気雰囲気中で高温高圧処理することを特徴
とする請求項1または2記載の製鋼スラグおよび洗砂汚
泥の処理方法。
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