JP2003238221A - 人工骨材の製造方法 - Google Patents

人工骨材の製造方法

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JP2003238221A
JP2003238221A JP2002038324A JP2002038324A JP2003238221A JP 2003238221 A JP2003238221 A JP 2003238221A JP 2002038324 A JP2002038324 A JP 2002038324A JP 2002038324 A JP2002038324 A JP 2002038324A JP 2003238221 A JP2003238221 A JP 2003238221A
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incineration ash
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Toshio Imai
敏夫 今井
Takamiki Tamae
宇幹 玉重
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Taiheiyo Cement Corp
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却灰を再資源化してなる人工骨材の製
造方法であって、ごみ焼却灰に含まれている塩化物に起
因する人工骨材の製造設備の運転上のトラブルを未然に
防止して、長期間に亘って安定して製造できる方法を提
供する。 【解決手段】 人工骨材の製造方法は、(A)ごみ焼却
灰を水洗して、可溶性の塩化物を除去したごみ焼却灰を
得る水洗工程と、(B)可溶性の塩化物を除去したごみ
焼却灰と、SiO及び/又はAlを含有する組
成制御材と、必要に応じて配合される水とを混練して、
混練物を得る混練工程と、(C)混練物を成形して、粒
状物を得る成形工程と、(D)粒状物を焼成して人工骨
材を得る焼成工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木・建築等の分
野で用いられる人工骨材の製造方法に関し、より詳しく
は、都市ごみ等の焼却場で発生する主灰、飛灰、二次飛
灰等のごみ焼却灰を原料の一つとして用いた人工骨材の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却施設等から発生するごみ焼却灰
には、焼却残渣である主灰と、排ガス中に飛散する灰を
捕集して得られる飛灰とがあり、そのほとんどが廃棄物
として埋め立て処分されている。中でも、飛灰は、鉛、
カドミウム等の重金属類を含むため、現状では溶融固
化、セメント固化、キレート処理、酸洗浄等の方法によ
って重金属類の溶出防止処理を施して無害化した後に、
埋め立て処分されている。しかし、これらの処理方法の
うち、溶融固化の方法は、処理に要するコストが高く、
また、溶融固化以外の方法は、重金属類の溶出防止に関
して長期的な信頼性に欠けるという問題を有している。
一方、このような問題に加えて、多くの自治体が、ごみ
の最終処分場の確保に苦慮しているのが実情である。
【0003】このような状況下において、近年、飛灰等
のごみ焼却灰を廃棄物として処分せずに、再資源化する
技術が注目されている。例えば、特開2001−163
648号公報には、主原料のごみ焼却灰と、粘結剤と、
還元剤と、組成制御剤とを混合して骨材配合原料を得、
必要に応じて発泡剤を、得た骨材配合原料に添加し、要
すれば粉砕し、次に水を加えて混練し成型し、得た成型
体を要すれば乾燥した後、焼成して人工骨材を得る方法
において、骨材配合原料中のSiO、Al、C
aOの割合が、それぞれ20〜80重量%、5〜30重
量%、40重量%以下となるよう混合調整することを特
徴とする人工骨材の製造方法が、開示されている。
【0004】しかしながら、一般に、ごみ焼却灰は、塩
化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物を高い含有率で
含む。そのため、ごみ焼却灰をロータリーキルン中で加
熱すると、これらの塩化物は、揮発して、ロータリーキ
ルン内で発生した排ガスと共に排ガス処理設備等の排ガ
ス処理系へ運ばれる。排ガス処理系内では排ガスの温度
が低下するため、排ガス中の塩化物が、凝縮して排ガス
処理設備等の排ガス流通路内に付着し、堆積物を形成す
る。この堆積物がある程度の大きさまで成長すると、排
ガスの流通が阻害されるなどして、もはや排ガス処理設
備等を安定して運転することが困難になる。このよう
に、ごみ焼却灰に含まれている塩化物は、人工骨材の製
造設備の長期に亘る運転に悪影響を与えるおそれがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みて、ごみ焼却灰に含まれている塩化物
(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)が、焼成
炉内で揮発した後に、排ガス流通路内に固結物として付
着することによる人工骨材の製造設備の運転上のトラブ
ルを未然に防止して、長期間に亘って安定して人工骨材
を製造することのできる方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ごみ焼却灰を予め水
洗して可溶性の塩化物を除去しておけば、人工骨材の製
造時に排ガス処理設備等の排ガス流通路に塩化物が付着
して運転上のトラブルが起きることがなく、長期間に亘
って安定して人工骨材を製造することができることに想
到し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明(請求項1)の人工骨材
の製造方法は、(A)ごみ焼却灰(例えば、主灰、飛灰
等)を水洗して、可溶性の塩化物(例えば、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム等)を除去したごみ焼却灰を得る水
洗工程と、(B)上記可溶性の塩化物を除去したごみ焼
却灰と、SiO及び/又はAlを含有する組成
制御材(例えば、下水汚泥等の泥土状の廃棄物や、石炭
灰や、珪砂等の砂状の鉱物や、カオリン等の粘土状の鉱
物等)と、必要に応じて配合される水とを混練して、混
練物を得る混練工程と、(C)上記混練物を成形して、
粒状物を得る成形工程と、(D)上記粒状物を焼成して
人工骨材を得る焼成工程とを含むことを特徴とする。本
発明は、ごみ焼却灰を水洗して可溶性の塩化物を除去す
る水洗工程(A)を含むため、焼成工程(D)でごみ焼
却灰を含む粒状物から塩化物が揮発することがなく、排
ガス処理設備等の運転に支障をきたすことがない。上記
人工骨材の製造方法において、上記水洗工程(A)で用
いられる水の量は、好ましくは、上記ごみ焼却灰100
重量部当たり300重量部以上である(請求項2)。水
の量をこの数値範囲内とすれば、ごみ焼却灰に含まれて
いる可溶性の塩化物を十分に水中に溶出させて除去する
ことができる。
【0008】上記人工骨材の製造方法は、好ましくは、
上記人工骨材に含まれるCaOとSiOとAl
の合計量中、CaOの含有率が5〜55重量%、SiO
の含有率が40〜80重量%、Alの含有率が
5〜30重量%となるように、上記混練工程(B)にお
ける各材料の配合割合を定めることが好ましい(請求項
3)。このように配合割合を定めることによって、優れ
た物性(破砕荷重、吸水率等)を有する人工骨材を得る
ことができると共に、焼成工程(D)における適正な焼
成温度(すなわち、優れた物性を有する人工骨材を得る
ために必要な温度)が過度に高くなることを防止し、人
工骨材の製造に必要なエネルギー量を抑制することがで
きる。上記人工骨材の製造方法において、上記焼成工程
(D)における焼成は、好ましくは、1000〜140
0℃の温度で行なわれる(請求項4)。焼成温度が14
00℃を超えると、人工骨材の製造に必要なエネルギー
量が大きいために、製造コストが増大し、該温度が10
00℃未満では、優れた物性(破砕荷重、吸水率等)を
有する人工骨材を得ることが困難となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の人工骨材の製造方法は、
(A)ごみ焼却灰を水洗して、可溶性の塩化物を除去し
たごみ焼却灰を得る水洗工程と、(B)上記可溶性の塩
化物を除去したごみ焼却灰と、SiO及び/又はAl
を含有する組成制御材と、必要に応じて配合され
る水とを混練して、混練物を得る混練工程と、(C)上
記混練物を成形して、粒状物を得る成形工程と、(D)
上記粒状物を焼成して人工骨材を得る焼成工程とを含む
ものである。以下、各工程を詳しく説明する。
【0010】[(A)水洗工程]本発明の人工骨材の製
造方法においては、まず、ごみ焼却灰を水洗して、ごみ
焼却灰に含まれる可溶性の塩化物を除去する。ごみ焼却
灰としては、特にその種類が限定されるものではなく、
例えば、ごみ焼却炉内に焼却残渣として残る主灰や、焼
却炉内で発生する排ガス中に飛散する灰を捕集して得ら
れる飛灰や、飛灰を高温で処理することによって発生す
る二次飛灰(例えば、飛灰を溶融処理する際に発生する
飛灰等)等が挙げられる。ごみ焼却灰に含まれる可溶性
の塩化物は、具体的には、水中で塩化物イオンになる水
溶性の塩素成分(陰イオン)と、該塩素成分に対応して
存在し、水中で陽イオンとなるナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属や、カルシウム等のアルカリ土類金属と
からなるものである。
【0011】ごみ焼却灰を水洗するには、例えば、ごみ
焼却灰と水とを撹拌槽内で所定時間撹拌して混合した
後、得られたスラリーを濾過装置等の固液分離手段で固
液分離し、固形分として、水洗後のごみ焼却灰を回収す
ればよい。ここで、水洗に用いる水の量は、ごみ焼却灰
に含まれる可溶性の塩化物を十分に除去するために、ご
み焼却灰100重量部当たり、300重量部以上とする
ことが好ましく、400重量部以上とすることがより好
ましい。該量が300重量部未満では、塩化物の十分な
除去を達成できないおそれがある。撹拌時間は、特に限
定されないが、例えば、30〜120分間である。固液
分離手段としては、例えば、ベルトフィルター、フィル
タープレス等が挙げられる。水洗方法としては、ごみ焼
却灰と水とからなるスラリーの全量を撹拌槽から排出し
た後に、次のごみ焼却灰及び水を撹拌槽に供給する方法
(バッチ式)でもよいし、あるいは、撹拌槽からスラリ
ーを一定流量で常に排出させながら、同時に、新たなご
み焼却灰及び水を撹拌槽に供給する方法(連続式)でも
よい。
【0012】[(B)混練工程]水洗工程(A)で得ら
れた可溶性の塩化物を除去したごみ焼却灰と、SiO
(シリカ)及び/又はAl(アルミナ)の成分を
含有する組成制御材と、必要に応じて配合される水とを
混練して、混練物を調製する工程である。SiO及び
/又はAlを含有する組成制御材(本明細書中に
おいて、単に「組成制御材」ともいう。)としては、例
えば、珪砂、石英等のSiOを含有する鉱物や、陶
石、長石、カオリン、木節粘土等のSiO及びAl
を含有する鉱物や、玄武岩等のAlを含有す
る鉱物や、石炭灰、下水汚泥、浄水場発生汚泥、建設汚
泥等のSiO及びAlを含有する粉状または泥
土状の廃棄物や、石英ガラス等のSiOを含有する廃
ガラス等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよい
し、あるいは2種以上を併用してもよい。中でも、石炭
灰、下水汚泥、浄水場発生汚泥、廃ガラス(石英ガラ
ス)等の廃棄物は、廃棄物の再資源化の促進の観点か
ら、本発明において好ましく用いられる。
【0013】組成制御材中のSiO及び/又はAl
の含有率(これらを共に含む場合は合計量の含有
率)は、好ましくは60重量%以上であり、より好まし
くは70重量%以上である。可溶性の塩化物を除去した
ごみ焼却灰、及び組成制御材は、混練前または混練後
に、平均粒径が20μm以下、好ましくは15μm以下
に粉砕することが望ましい。粉砕手段としては、ポット
ミル、振動ミル、ボールミル(例えば、遊星ミル等)、
衝突式のジェット粉砕機、ターボ粉砕機等を用いること
ができる。粉砕は、ごみ焼却灰と組成制御材の各々に対
して別個に行なってもよいし、あるいは、これらを混合
した上で、混合物に対して行なってもよい。また、ごみ
焼却灰の粉砕は、可溶性の塩化物を除去する水洗の前に
行なってもよいし、あるいは水洗後に行なってもよい。
なお、ごみ焼却灰や組成制御材として、平均粒径が20
μm以下のものを用いる場合は、粉砕する必要がない。
【0014】可溶性の塩化物が除去されたごみ焼却灰中
の水分含有量が小さい場合には、成形工程(C)におけ
る成形加工性(成形が可能であり、かつ成形後に形が崩
れない性質)を確保するために、水を配合する必要があ
る。混練物中の水の量は、好ましくは、5〜30重量%
である。水の量が5重量%未満または30重量%を超え
ると、成形工程(C)で粒状物を作製することが困難で
あったり、焼成工程(D)での焼成前に粒状物の形が崩
れるおそれがある。
【0015】本発明においては、ごみ焼却灰、組成制御
材、水の各原料に加えて、さらに粘結剤、発泡剤、還元
剤、CaO(カルシア)成分を含有するカルシウム分調
整剤等を配合することができる。粘結剤は、成形工程
(C)における造粒性及び粒状物の機械的強度(例え
ば、破砕荷重等)を向上させるために配合される。造粒
性及び粒状物の機械的強度が不十分であると、焼成工程
(D)においてロータリーキルン内で粒状物が粉化して
製品の収率が低下するおそれがあることに加えて、この
粉化物が、焼成温度帯付近で粒状物の表面に付着した
り、あるいはロータリーキルンの内壁に付着して連続操
業に支障をきたすおそれがある。粘結剤としては、例え
ば、ベントナイト、水ガラス等の無機系粘結材や、パル
プ廃液、ポリビニルアルコール等の有機系粘結材が挙げ
られる。混練物中の粘結剤の含有率は、特に限定されな
いが、通常、15重量%以下であり、添加効果やコスト
を考慮すると、好ましくは、0.5〜10重量%、特に
好ましくは3〜5重量%である。
【0016】発泡剤は、人工骨材に軽量性(例えば、絶
乾比重で1.0〜1.5)を付与するために配合され
る。発泡剤としては、例えば、ヘマタイト等の酸化鉄
や、炭化珪素や、窒化珪素等が挙げられるが、赤泥や廃
研磨材等も利用することができる。混練物中の発泡剤の
含有率は、特に限定されないが、通常、5重量%以下で
ある。発泡剤としてヘマタイトを用いる場合、ヘマタイ
トの含有率は、混練物中で1〜5重量%とすることが望
ましい。該含有率が1重量%未満では、発泡剤としての
効果(軽量化の効果)を十分に得ることができず、該含
有率が5重量%を超えると、軽量化の効果が増大せず、
頭打ちとなる一方、ごみ焼却灰の配合割合が減少し、廃
棄物の再資源化を図る本発明の目的を十分に達成するこ
とができなくなる。なお、発泡剤は、軽量化の効果を向
上させるために、後述の還元剤と組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0017】還元剤は、主として焼成中の粒状物の還元
度を調整し、上述の発泡剤と組み合わせて軽量化の効果
を向上させるために用いられる。還元剤としては、例え
ば、石炭やコークス等の炭材等や、炭化珪素等が挙げら
れる。なお、炭化珪素は、上述の発泡剤として単独で用
いることもできるし、あるいは、発泡剤である酸化鉄
(例えば、ヘマタイト)と共に還元剤として用いること
もできる。還元剤の含有率は、混練物中で0.2〜3重
量%とすることが望ましい。該含有率が0.2重量%未
満では、発泡剤と併用することによる軽量化の向上の効
果を十分に得ることができず、該含有率が3重量%を超
えると、軽量化の効果が増大しないばかりか、未燃焼の
炭素が粒状物の内部に残留して、人工骨材の機械的強度
を低下させる可能性がある。
【0018】発泡剤と還元剤の組み合わせの好適な例と
して、発泡剤として酸化鉄(例えば、ヘマタイト)を用
い、かつ、還元剤として炭材を用いる組み合わせが挙げ
られる。この場合、発泡剤である酸化鉄の粒度は、特に
限定されないが、焼成中の炭材による脱酸素反応を促進
するために10μm以下とすることが好ましい。発泡剤
と還元剤の組み合わせの好適な他の例として、発泡剤と
して酸化鉄(例えば、ヘマタイト)を用い、かつ、還元
剤として炭化珪素を用いる組み合わせが挙げられる。こ
の場合、炭化珪素は、造粒した粒状物が加熱によって多
量の液相を生成するときに、酸化鉄と効率良く反応して
COガスやCOガスを発生し、粒状物の発泡膨潤を促
進する。炭化珪素の含有率は、発泡剤と還元剤の双方の
用途において、混練物中で0.1〜5重量%とすること
が望ましい。該含有率が0.1重量%未満では、発泡剤
または還元剤としての効果(軽量化の効果)を十分に得
ることができず、該含有率が5重量%を超えると、軽量
化の効果が増大せず、頭打ちとなる一方、ごみ焼却灰の
配合割合が減少し、廃棄物の再資源化を図る本発明の目
的を十分に達成することができなくなる。
【0019】CaOを含有するカルシウム分調整剤とし
ては、例えば、石灰石等が挙げられる。カルシウム分調
整材中のCaOの含有率は、好ましくは60重量%以上
であり、より好ましくは70重量%以上である。カルシ
ウム分調整材等の必要に応じて配合される上述の各原料
についても、混練前または混練後に、平均粒径が20μ
m以下、好ましくは15μm以下に粉砕することが望ま
しい。なお、本発明で用いられる人工骨材の原料を、水
と混合する前の乾燥した状態で粉砕しておくことは、粉
砕時の作業性及び効率性の面から好ましい。
【0020】人工骨材の原料の混練に用いる装置は、特
に限定されないが、例えば、二軸練りミキサ、オムニミ
キサ、パン型ミキサ、傾胴ミキサ等を用いることができ
る。人工骨材の原料を混練する際、各原料の配合割合
は、人工骨材に含まれるCaOとSiOとAl
の合計量中、CaOの含有率が5〜55重量%、好まし
くは、10〜48重量%、SiOの含有率が40〜8
0重量%、好ましくは、45〜78重量%、Al
の含有率が5〜30重量%、好ましくは、7〜25重量
%となるように定めることが望ましい。CaOの含有率
が5重量%未満の場合、ごみ焼却灰の使用量が少ないこ
とを意味するので、ごみ焼却灰を再資源化しようとする
本発明の目的を十分に達成することができず、55重量
%を超えると、好適な物性の人工骨材を得るために必要
な焼成温度が、1400℃を超える高温になるため、人
工骨材の製造に必要なエネルギーの量が過大になり、製
造コストが増大することに加えて、人工骨材がロータリ
ーキルンの内壁に付着したり、人工骨材同士が溶着する
おそれがあるなどの欠点がある。
【0021】SiOの含有率が40重量%未満では、
強度の発現のために必要なガラス相が十分に形成され
ず、人工骨材の機械的強度が低下し、該含有率が80重
量%を超えると、好適な物性の人工骨材を得るために必
要な温度が、1400℃を超える高温になるため、人工
骨材の製造に必要なエネルギーの量が過大になり、製造
コストが増大するなどの欠点がある。Alの含有
率が5重量%未満では、斜長石相が十分に形成されず、
人工骨材の機械的強度が低下し、該含有率が30重量%
を超えると、好適な物性の人工骨材を得るための焼成温
度が、1400℃を超える高温になるため、人工骨材の
製造に必要なエネルギーの量が過大になり、製造コスト
が増大するなどの欠点がある。
【0022】人工骨材中のCaOとSiOとAl
の合計量の含有率は、好ましくは80重量%以上であ
り、より好ましくは90重量%以上である。該含有率が
大きいと、焼成工程(D)における粒状物の焼成時に形
成されるガラス相の領域が大きくなり、斜長石の析出量
が増加して、機械的強度等の物性が向上する。混練工程
(B)は、通常、水洗工程(A)の後に行なわれる。た
だし、水洗工程(A)と混練工程(B)を同時に行なっ
ても差し支えない。この場合、例えば、ごみ焼却灰と、
組成制御材等の他の原料とを混合し、粉砕した後、得ら
れた粉砕物と水(粉砕物100重量部当たり、好ましく
は300重量部以上)とを混合して、可溶性の塩化物を
水中に溶出させ、その後、脱水して固形分を得た後、固
形分に必要に応じて適宜の量の水を加えて、混練し、混
練物を調製すればよい。
【0023】[(C)成形工程]混練工程(B)で得ら
れた混練物を成形して、粒状物を作製する工程である。
成形方法としては、所望の径の成形物を得ることができ
れば任意であり、例えば、パンペレタイザー(皿型造粒
機)や押出成形機等を用いて成形することができる。な
お、本明細書中において、「成形」の語は、成形機を用
いて所定の寸法に成形することのみならず、造粒機等を
用いて所定の平均粒径を有する粒状物を作製することを
含む意で用いられる。
【0024】粒状物の形状及び寸法は、骨材として使用
可能なものであれば任意であり、用途に応じて適宜、定
めることができる。例えば、平均粒径が5〜30mm程
度の略球状(造粒機を用いた場合)や、直径が5〜30
mm、長さが5〜30mmの円柱状(押出成形機を用い
た場合)等の形状及び寸法に成形することができる。成
形後、得られた粒状物を、必要に応じて、80〜120
℃程度の乾燥炉等で乾燥させる。乾燥させることによっ
て、焼成工程(D)における焼成前の段階で形が崩れる
ことのない程度の形状安定性(材料の結合性)を粒状物
に付与することができる。
【0025】[(D)焼成工程]粒状物を焼成して、所
望の物性(破砕荷重、吸水率等)を有する人工骨材を得
る工程である。焼成方法は、粒状物を所定の温度に所定
の時間、保持できるものであればよく、特に限定されな
いが、温度等の調整が容易で、かつ安定した焼成雰囲気
を形成することのできる装置を用いることが好ましい。
例えば、ロータリーキルンは、連続的に操業を行なうこ
とができ、かつ、人工骨材の品質を均一化することがで
きる点で、好ましく用いられる。ロータリーキルンを用
いた場合、所望の人工骨材の物性に合わせて、焼成雰囲
気、焼成温度、ロータリーキルンの回転部(胴体部)の
勾配・ダムの設置・内径等を定めることができる。ロー
タリーキルンは、石炭、重油等を燃料とする直接加熱方
式の加熱手段である。燃料の燃焼及び被加熱物の加熱に
よって発生したキルン排ガスは、排ガス処理設備、集塵
機、誘引ファンを介して大気へ放出される。
【0026】焼成温度は、好ましくは1000〜140
0℃、より好ましくは1100〜1350℃、特に好ま
しくは1150〜1300℃である。焼成温度が100
0℃未満では、人工骨材の機械的強度(破砕荷重等)が
低下し、かつ吸水率が大きくなる。該温度が1400℃
を超えると、温度を維持するのに必要なエネルギーの量
が過大となり、また、焼成手段を構成する材質に高度な
耐熱性が要求されることに加えて、粒状物同士が溶融し
て結合したり、あるいは、溶融した粒状物が焼成炉の内
壁に付着するおそれがある。焼成時間は、人工骨材の材
料の種類等や焼成温度によっても異なるが、通常、50
〜80分程度である。
【0027】本発明においては、水洗工程(A)でごみ
焼却灰を水洗し、可溶性の塩化物を除去しているため、
焼成工程(D)で粒状物から塩化物が揮発することがな
く、排ガス処理設備等の排ガス流通路内に塩化物が付着
して、運転に悪影響を与えるようなことはない。したが
って、人工骨材を製造するに際して、製造設備にトラブ
ルが発生することなく、長時間に亘って安定した製造を
行なうことができる。
【0028】
【実施例】以下、実験例によって本発明を説明する。 [実施例1]ごみ焼却灰として、ストーカー式焼却炉の
飛灰を用いた。この飛灰の成分割合は、SiO:9.
3重量%、Al:7.2重量%、Fe
0.8重量%、CaO:42.7重量%、NaO:
2.1重量%、KO:2.6重量%であった。組成調
整材としては、微粉炭燃焼の火力発電所から発生した石
炭灰フライアッシュを用いた。この石炭灰フライアッシ
ュの成分割合は、SiO:62.6重量%、Al
:23.6重量%、Fe:8.7重量%、Ca
O:2.3重量%、NaO:0.3重量%、KO:
1.0重量%、MgO:0.2重量%であった。これら
の原料(ごみ焼却灰及び組成調整材)を用いて、以下の
ように人工骨材を製造した。
【0029】ごみ焼却灰100重量部と水500重量部
とを撹拌槽内で撹拌して混合した後、脱水して、含水率
50%のケーキを得た。この水洗処理によって、NaC
l及びKClの97%を除去することができた。得られ
たケーキ400重量部に組成制御材(石炭灰フライアッ
シュ)900重量部を添加して混練した後、押出成形機
で直径20mm、長さ35mmの円柱状の粒状物となる
ように成形した。この粒状物を105℃で通風乾燥した
後、ロータリーキルン(煉瓦内径1500mm×長さ2
8m)に供給して、燃焼ガスの酸素濃度6%、1350
℃の条件下で焼成して、人工骨材を得た。得られた人工
骨材の絶乾比重及び24時間吸水率(絶乾状態にある人
工骨材を水中で24時間吸水させたときの吸水率)をJ
IS A1110に基づいて測定した。また、人工骨材
の破砕荷重(BS10%)をBS812に基づいて測定
した。
【0030】なお、破砕荷重(BS10%)とは、次の
ようにして算出される値である。試験容器を圧縮試験機
に据えた後、試験容器内の試料に対して、毎分4トン
(4tf)の割合で一様に載荷する。破砕試験後の試験
容器内の試料を2.5mmの篩で篩い、篩を通過した分
の重量を求め、全試料の重量中に占める割合(破砕率;
単位:%)を求める。破砕率が7.5〜12.5%にな
った時、その時点での荷重P(tf)と破砕率(%)と
から、次式によって、破砕荷重(BS10%)を算出す
る。 破砕荷重(BS10%)=[14P(tf)/(破砕率
(%)+4)]
【0031】測定の結果、絶乾比重は2.4、24時間
吸水率は0.8%、破砕荷重(BS10%)は15.7
tfであった。人工骨材中のCaOとSiOとAl
の合計量の含有率は、91.0重量%であった。ま
た、CaOとSiOとAlの合計量中のCa
O、SiO、Alの含有率は、各々、13.5
重量%、62.1重量%、24.4重量%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の人工骨材の製造方法によれば、
ごみ焼却灰に含まれる可溶性の塩化物を水洗し除去して
いるため、ごみ焼却灰等を含む混練物からなる粒状物を
ロータリーキルンで焼成する際に、粒状物から塩化物が
揮発して、この塩化物(例えば、塩化ナトリウム、塩化
カリウム等)が排ガス処理設備等の排ガス流通路内に固
結物として付着することがなく、長期間に亘って安定し
て連続的に人工骨材を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA36 AB06 BA02 CA14 CA15 CA30 CA34 CA40 CA45 CC03 CC11 DA03 DA06 DA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ごみ焼却灰を水洗して、可溶性の塩
    化物を除去したごみ焼却灰を得る水洗工程と、(B)上
    記可溶性の塩化物を除去したごみ焼却灰と、SiO
    び/又はAlを含有する組成制御材と、必要に応
    じて配合される水とを混練して、混練物を得る混練工程
    と、(C)上記混練物を成形して、粒状物を得る成形工
    程と、(D)上記粒状物を焼成して人工骨材を得る焼成
    工程とを含むことを特徴とする人工骨材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記水洗工程(A)で用いられる水の量
    が、上記ごみ焼却灰100重量部当たり300重量部以
    上である請求項1に記載の人工骨材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記人工骨材に含まれるCaOとSiO
    とAlの合計量中、CaOの含有率が5〜55
    重量%、SiOの含有率が40〜80重量%、Al
    の含有率が5〜30重量%となるように、上記混練
    工程(B)における各材料の配合割合を定める請求項1
    又は2に記載の人工骨材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記焼成工程(D)における焼成が、1
    000〜1400℃の温度で行なわれる請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の人工骨材の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006160580A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Taiheiyo Cement Corp 人工骨材の製造方法
JP2006212525A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Hyunday Engineering & Const Co Ltd 底灰に含まれる塩素化合物の除去方法及び除去システム
CN1298658C (zh) * 2005-01-14 2007-02-07 清华大学 一种利用垃圾焚烧飞灰烧制轻质骨料的方法
JP2009000607A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Takuma Co Ltd 焼却灰に含有する鉛の安定化方法
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JP2009228344A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Jfe Engineering Corp 埋設二重管の管間空洞充填方法、埋設二重管の防食管理方法

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