JP3138604B2 - 炭素含有不定形耐火物 - Google Patents

炭素含有不定形耐火物

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JP3138604B2 JP06326926A JP32692694A JP3138604B2 JP 3138604 B2 JP3138604 B2 JP 3138604B2 JP 06326926 A JP06326926 A JP 06326926A JP 32692694 A JP32692694 A JP 32692694A JP 3138604 B2 JP3138604 B2 JP 3138604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐用性に優れた炭素含
有不定形耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鱗状黒鉛などの炭素原料を含有す
る不定形耐火物は、炭素が具える特性, 即ち、高熱伝導
性を示し、溶融金属やスラグに対して濡れにくくかつ反
応しにくいために高耐食性を示し、しかも熱膨張も小さ
く耐用性に優れていることから、各種の冶金用耐火物と
して広く利用されている。ところで、かかる不定形耐火
物の使用環境は、近年ますます苛酷化しているのが実情
であり、こうした背景の下で、上述した特性のより一層
の向上を図るために炭素含有量をさらに増加させること
が検討されている。しかしながら、黒鉛などの炭素原料
は一般に、疎水性を示すために水中への分散性に乏し
く、それゆえに流し込み不定形耐火物中に多量に添加す
ると、凝集を起こすことから、緻密で均質な構造体にな
りにくいという欠点があった。このような意味におい
て、不定形耐火物中への炭素材料の添加については、従
来、多量に添加することは困難とされていたのである。
【0003】これに対し従来、こうした炭素材料とくに
黒鉛のもつ欠点を克服するために、こうした黒鉛等を表
面処理する試みが行われている。例えば、黒鉛表面に界
面活性剤をコーティングする方法(特開平4−12064 号
公報参照) や、黒鉛表面に金属酸化物や金属耐火物の微
粒子を固着して親水化させる方法( 特開平5−194044号
公報参照) などがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術によ
れば、親水性を向上させることはできるが、本質的な問
題として、もともと炭素材料として鱗状黒鉛を用いる場
合、鱗片状という形状の特性から、流し込み不定形耐火
物に使用すると、緻密な充填構造が得られにくいという
欠点のために耐用性が悪く、上述した添加の効果がしば
しば減殺されるという問題を抱えていた。そこで、本発
明の目的は、炭素材料の選択使用によって耐用性に優れ
た炭素含有流し込み不定形耐火物を提案しようとすると
ころにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現する手
段として本発明は、炭素材料として、無煙炭に着目
し、この無煙炭を利用する下記の要旨構成に係る炭素含
有不定形耐火物を提案する。即ち、本発明は、2000℃以
上の温度での焙焼によって黒鉛化度P(002) が0.4以下
を示すと共に、しかもその粒径が10〜200 μm の大きさ
を有する焙焼無煙炭を3〜20wt%、耐火原料を80〜97wt
%、含有する炭素含有不定形耐火物である。なお、上記
黒鉛化度P(002) とは、FranklinのP値といわれるもの
で、黒鉛のd(002) を測定することで、d(002) =3.44
0 −0.086 (1−P)で求められる。このP値は、炭素
の六方網目平面の積み重なりのうち、無秩序な部分の割
合を示すもので、P値が小さいほど黒鉛化度は大きい。
【0006】
【作用】上述したように、従来炭素材料として用いられ
ている鱗状黒鉛は、一般的な黒鉛原料の中では最も黒鉛
化度が大きく、熱伝導率や耐酸化性に優れている。従っ
て、従来の不定形耐火物では、この鱗状黒鉛が最も広く
用いられている。ところが、この鱗状黒鉛は、水に対す
る親和性が小さいことに加えて、その形状が鱗片状であ
ることから、耐火材料の中において間隙の多い構造を形
成し、緻密な耐火物施工体の形成に不利であることか
ら、多量に添加することはなかった。
【0007】このような実情に鑑み発明者らは、その鱗
状黒鉛に代わって非結炭の一種である無煙炭に着目し
た。この無煙炭は、形状が鱗片状でないので間隙の多い
構造にはならない。ただし、鱗状黒鉛に比べると黒鉛化
度が低く熱伝導率や耐酸化性が若干劣る。そこで、発明
者らは、この無煙炭を2000℃以上の温度で焙焼すること
により、黒鉛化度P(002) が鱗状黒鉛にも匹敵するもの
が得られることを知見し本発明を開発した。
【0008】即ち、本発明は、従来の鱗状黒鉛に代えて
2000℃以上の温度で焙焼することにより黒鉛化度P(00
2) が 0.4以下を示す焙焼無煙炭を使用することにした
のである。このような無煙炭を用いると、鱗状黒鉛使用
時のような空隙の形成を確実に防止することができる
上、緻密で耐食性に優れた流し込み施工体を得る上でも
有効である。
【0009】本発明において使用する無煙炭は、温度が
2000℃以上で焙焼したものであることが必要である。そ
れは、焙焼温度が2000℃以下だと黒鉛化度が低く熱伝導
率や耐酸化性が劣るからである。ここで、図1は、無煙
炭焙焼温度ならびに黒鉛化度が溶損指数に与える影響を
図示したものであるが、無煙炭を2000℃以上で焙焼する
ことにより、黒鉛化度P(002) はいずれも0.4 以下を示
し、このとき溶損指数が90以下を示すようになることが
判る。即ち、このような焙焼無煙炭を用いると、流し込
み不定形耐火物施工体は著しい耐用性の向上を示すよう
になる。なお、ここで溶損指数とは、従来使用されてい
る Al2O3−SiC−C系高炉出銑樋材(C2%含有)の溶
損量を 100としたときの溶損量比を示すものであり、そ
れ故に90を示すものが好ましい。
【0010】次に、本発明において上記焙焼無煙炭は、
粒径:10〜200 μm の大きさのものを用いる。それは、
この粒径が10μm 未満だと無煙炭粒の比表面積が大きく
なり、耐酸化性が低下する。一方、この粒径が 200μm
を超える大きさだと、図2に示すように、タップフロー
値で示す流動性が低下し、緻密な耐火物施工体が得られ
にくいからである。
【0011】なお、上述した焙焼無煙炭については、さ
らに種々の表面処理を施したもの、例えば添加水量の低
減や緻密化を図るための処理を施したものであってもよ
い。
【0012】次に、上述した焙焼無煙炭とともに配合す
る耐火原料は、不定形耐火物の骨格成分を構成する骨材
として、塩基性, 中性, 酸性のものから選ばれる一種ま
たは二種以上を用いることが望ましい。例えば、マグネ
シア, スピネル, アルミナ,ジルコニア, ジルコン, シ
リカ, けい石, ろう石, 炭化珪素, シャモットなどであ
る。これらの骨材粒度は、密充填組織が得られるよう
に、粗粒, 中粒, 微粒、微粉にそれぞれ分けて調整した
ものを用いることが好ましい。
【0013】この不定形耐火物中には、上記の骨材など
とともに上述した焙焼無煙炭を配合する。この焙焼無煙
炭の配合量は、耐火原料80〜97wt%に対し3〜20wt%の
範囲とする。それは、この焙焼無煙炭の配合量が3wt%
未満では、炭素原料のもつ高熱伝導性や耐スラグ性とい
った効果が充分に得られず、一方、この焙焼無煙炭の配
合量が20wt%を超えると、流動性が低下し緻密な耐火物
施工体が得られない。なお、好ましい範囲は5〜15wt%
である。
【0014】本発明にかかる不定形耐火物中には、必要
に応じて選択使用する助剤, 例えば硬化剤 (結合剤) と
しては、耐火物に一般的に使用されているアルミナセメ
ントやシリカゾルあるいはアルミナゾルなどを使用し、
酸化防止剤としてはB4C, SiC, Si, Alを使用し、分散剤
としてはトリポリリン酸ソーダ, ヘキサメタリン酸ソー
ダ, ウルトラポリリン酸ソーダ, 酸性ヘキサメタリン酸
ソーダ, ホウ酸ソーダ, 炭酸ソーダなどの無機塩、クエ
ン酸ソーダ、酒石酸塩、ポリアクリル酸ソーダ, スルホ
ン酸ソーダおよびナフタレンスルホン酸ソーダのうちか
ら選ばれるいずれか1種または2種以上のものを使用
し、そして硬化遅延剤としては、シュウ酸, クエン酸,
グルコン酸, ホウ酸等を使用することが好ましい。
【0015】本発明にかかる不定形耐火物は、以上に示
した配合物以外にも本発明効果を損なわない範囲内であ
れば、さらに既知のファイバー類, 金属粉末, 酸化防止
剤,結合剤などを添加してもよい。
【0016】
【実施例】
実施例1 この実施例は、本発明例および比較例の不定形耐火物を
高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物に適用した例につき
説明する。その結果を表1に示す。表中の無煙炭A,B
は本発明に適合するものであり、C,Dは本発明不適合
の例である。また、比較例1は、従来の無煙炭を含まな
い高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物で、比較例2、3
は本発明の範囲を外れた無煙炭を用いたもの、4、5は
無煙炭の添加量が本発明の範囲を外れたもの、6は鱗状
黒鉛を添加したものである。表に示す結果から明らかな
ように、発明例1は、比較例1の従来品に比べて若干の
気孔率の上昇や強度の低下が見られるが、無煙炭添加の
効果により耐食性が向上している。また、比較例2〜5
は本発明の範囲を外れた条件下にあるため耐食性が低下
している。比較例6のように鱗状黒鉛を添加したものは
全ての面で物性が低下した。なお、本発明の流し込み不
定形耐火物は、上記実施例に限定されるものではなく、
発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが
可能であり、高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物だけで
なく、溶銑鋼、混銑車、溶鋼鍋スラグライン用の流し込
み不定形耐火物にも応用できる。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】かくして本発明によれば、炭素材料とし
ての本来の特性を阻害することなく、耐用性に優れた炭
素含有不定形耐火物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、黒鉛化度と溶損指数の関係を示すグラ
フ。
【図2】図2は、無煙炭粒径と流動性の関係を示すグラ
フ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 城野 勝文 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川崎炉材株式会社内 (72)発明者 森 淳一郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川崎炉材株式会社内 (72)発明者 鳥谷 恭信 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川崎炉材株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−32006(JP,A) 特開 昭58−91022(JP,A) 特開 平3−141158(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2000℃以上の温度での焙焼によって黒鉛
    化度P(002) が0.4以下を示すと共に、その粒径が10〜2
    00 μm の大きさである焙焼無煙炭を3〜20wt%、耐火
    原料を80〜97wt%含有する炭素含有不定形耐火物。
JP06326926A 1994-12-28 1994-12-28 炭素含有不定形耐火物 Expired - Fee Related JP3138604B2 (ja)

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JP3952332B2 (ja) * 1997-12-25 2007-08-01 Jfeスチール株式会社 混銑車用の黒鉛含有不定形耐火物材料
JP5324751B2 (ja) * 2007-03-16 2013-10-23 黒崎播磨株式会社 不定形耐火物の吹付け施工方法、及びそれに使用される不定形耐火物
JP5708685B2 (ja) * 2013-03-06 2015-04-30 品川リフラクトリーズ株式会社 高炉鋳床樋

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